JP3697529B2 - 膜利用型排水処理方法および浄水処理装置 - Google Patents

膜利用型排水処理方法および浄水処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川等の原水の上水処理で生じる排水の膜利用型排水処理方法およびこの処理方法を利用した浄水処理装置に関し、詳しくは、浄水場の沈殿池から引き抜かれる沈殿汚泥とろ過池から排出される逆洗排水の処理に当たり、膜モジュールを用いた膜利用型排水処理方法に係り、この処理方法を利用して安定した汚泥処理と逆洗排水の有効利用を図って水回収率が向上する浄水処理装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、凝集沈殿・ろ過処理を行っている浄水場では、図6に示したような処理フローに従って浄水処理がなされている。
まず、同図を参照して、浄水処理について説明すると、原水を着水井31で受水した後、凝集剤を添加して混和する薬品混和池32へ導き、フロック形成池33において原水中の懸濁成分を凝集させる。凝集処理された被処理水は、沈殿池34へ供給され沈殿汚泥と上澄水とに固液分離される。沈殿池34において得られた上澄水は、ろ過池35を経由して、さらに塩素消毒を行って水道水として供給される。
【0003】
続いて、汚泥処理について説明すると、沈殿池34の底部から引き抜かれた沈殿汚泥は排泥池36へ送られた後、濃縮槽37において重力沈降により濃縮された上で脱水機38へ供給される。さらに、ろ過池35において定期的に実施する逆洗操作により排出された逆洗排水は排水池39へ送られて沈殿汚泥と上澄水とに分離される。この沈殿汚泥は排泥池36へ供給され、上澄水は排泥池36および濃縮槽37において得られた上澄水とともに着水井31へ返送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示した従来の浄水処理では、汚泥を濃縮する濃縮槽37の濃縮汚泥濃度が季節変動を受けやすく、夏期の場合には高々4%であり、冬期の場合には2%程度である。そのため、濃縮槽37から脱水機38に供給される濃縮汚泥混合液の容量と固形物濃度が著しく変動する。そこで、脱水機38の処理能力は冬期における大容量・低濃度の濃縮汚泥混合液を処理することの可能なものとする必要があり、設備が大型化して経済的ではない。
【0005】
また、水回収率の向上という観点から排泥池36、排水池39および濃縮槽37における上澄水は必要に応じて着水井31へ返送されている。しかしながら、原水水質の悪化に伴って上澄水の水質の悪化も懸念され、上澄水水質の悪化を来たさないようにするには薬品混和池32における凝集剤の添加量を大とする必要がある。その結果、沈殿池34における沈殿汚泥量が増加し、脱水工程の負荷も増大することになる。特に、クリプトスポリジウムのような耐塩素性病原微生物等が存在する原水では、クリプトスポリジウムが着水井へ返送される上澄水中にも存在する可能性があり、系内で徐々に蓄積される可能性があり、好ましいものではない。
【0006】
そのために、着水井31への返送水の濁度を極力低下させることによりクリプトスポリジウム等の耐塩素性病原微生物が系内で循環することを防ぐ必要がある。このクリプトスポリジウムのような耐塩素性病原微生物を凝集沈殿−砂ろ過というメインフローにおいて除去するための重要な運転指針は、凝集沈殿処理水の濁度が、例えば0.1度以下といった低い値になるように運転して、耐塩素性病原微生物の繁殖を防ぐように対処することである。
【0007】
しかし、実際的には、その対処方法として凝集剤の添加量の増加と、沈殿池における沈殿汚泥の引き抜き頻度増等により対処しており、その結果として、処理すべき汚泥量の増加を招くことになる。
また、このような運転対応を行った場合であっても、引き抜き汚泥を従来の重力式の濃縮槽37で濃縮処理し、その上澄水を着水井31等へ返送する場合、この上澄水は必ずしも常に清澄な状態にはないために、耐塩素性病原微生物等を含む濁質成分が浄水システム内で循環するという問題がある。
【0008】
次に、浄水場における沈殿汚泥の濃縮方法としては、特開平8−257600号公報に開示されている。この先行文献では、薬品沈殿池の底部に沈殿した上水汚泥を内圧型の膜モジュールに圧入して膜ろ過を行い、膜モジュールより濃縮された膜濃縮汚泥を物理洗浄により間欠的にシックナーに供給して脱水可能な濃度まで濃縮する方法が開示されている。しかしながら、この先行文献では、膜モジュールとしてセラミック製の無機膜を用いているために、膜モジュールの交換時に膜を破損する恐れがある。しかも、デッドエンド方式のろ過運転で物理洗浄間隔を2時間以上としているため、沈殿汚泥が膜表面に付着し比較的短期に目詰まりを起こし、この目詰まりを解消するために頻繁に酸またはアルカリによる薬品洗浄を行う必要があり、薬品洗浄操作のための費用や労力がかかりコスト高につながるという問題がある。また、セラミック膜は高価であり、設備費の高騰をもたらす欠点がある。さらに、膜濃縮汚泥をシックナーに供給して重力濃縮、固液分離後に最終汚泥を取り出すため、先に説明したことと同様に、年間を通じて常に安定した汚泥濃度を脱水機へ送ることが困難であるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を克服すべく鋭意研究の結果完成されたものであって、沈殿池から引き抜かれた沈殿汚泥およびろ過池から排出された逆洗排水を広い敷地面積を要することなく、年間を通じて安定した汚泥濃度に濃縮することができる膜利用型排水処理方法およびその処理方法を利用した浄水処理装置を提供することを目的としている。
さらに、上記目的に加え、水回収率が向上し、耐塩素性病原微生物等が浄水システム内で循環することがなく、経済的な膜利用型排水処理方法およびその処理方法を利用した浄水処理装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、河川等から取水した原水を、凝集沈殿・ろ過処理して浄化するに際し、その処理過程で沈殿池の底部に沈降した沈殿汚泥と、ろ過池より排出される逆洗排水とを混合して膜処理装置に供給し、前記膜処理装置で膜ろ過水と汚泥とに分離し、前記膜ろ過水を水道水として利用し、前記汚泥の固形物濃度を5〜10%まで濃縮することを特徴とする膜利用型排水処理方法である。
この構成では、凝集沈殿・ろ過処理による浄水処理で生じる沈殿汚泥と逆洗排水とを膜処理装置で処理し、その膜ろ過水は塩素消毒をして水道水として用いられ、膜処理装置から排出される濃縮汚泥は安定した固形物質濃度であり、脱水機で脱水処理される。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1記載の膜利用型排水処理方法において、前記膜処理装置で使用する膜モジュールとして膜充填率の異なる2種類以上の有機膜を使用することを特徴とする膜利用型排水処理方法である。
この構成では、膜処理装置における膜モジュールの膜充填率を2種類以上にすることで、膜の目詰まりが短期間で発生するのを抑制する。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1記載の膜利用型排水処理方法において、前記膜処理装置で使用する膜モジュールとして膜内径の異なる2種類以上の有機膜を使用することを特徴とする膜利用型排水処理方法である。
この構成では、膜処理装置における膜モジュールの膜内径を2種類以上にすることで、膜の目詰まりが短期間で発生するのを抑制する。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3記載の膜利用型排水処理方法において、前記膜処理装置による膜処理を内圧型クロスフロー方式で行うことを特徴とする膜利用型排水処理方法である。
この構成では、膜目詰まりが短期間で発生するのを抑制する。
【0014】
また、請求項5の発明は、河川等から取水した原水を、凝集沈殿・ろ過処理して浄化する排水処理装置において、その処理過程で沈殿池の底部に沈降した沈殿汚泥と、ろ過池より排出される逆洗排水とが混合して供給され、膜ろ過水と汚泥とに分離する膜処理装置を備え、前記膜ろ過水を水道水として利用し、前記汚泥の固形物濃度を5〜10%まで濃縮することを特徴とする浄水処理装置である。
【0015】
この構成では、凝集沈殿・ろ過処理による浄水処理で生じる沈殿汚泥と逆洗排水とを膜処理装置で処理し、その膜ろ過水は塩素消毒をして水道水として用いられ、膜処理装置から排出される濃縮汚泥は安定した固形物質濃度であり、脱水機で脱水処理される。
この構成では、沈殿汚泥と逆洗排水とを混合するために、排泥池を省略することができるので、敷地面積を削減することができるうえ、混合汚泥を膜処理装置により膜処理を行うために、季節変動の影響をさほど受けず、常にほぼ一定した高濃度の濃縮汚泥が得られる。脱水機へ打ち込まれる濃縮汚泥の質および量がほぼ一定しているために、脱水機の容量は冬期の低濃度・大容量の濃縮汚泥を受け入れる必要性のあった従来の汚泥濃縮処理後の脱水機の容量に比して小型のものとすることができ、経済的である。
さらに、膜濃縮装置による膜処理を内圧型クロスフロー方式で行うため、沈殿汚泥が比較的短期で目詰まりを起こすことがなく、薬品洗浄の間隔を長くするのに効果的である。また、従来、着水井へ返送していた上澄水を膜処理するため、膜ろ過水は水道水として利用することが可能となり、水回収率の向上を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の膜利用型排水処理方法とその膜利用型排水処理方法を利用した浄水処理装置の実施形態を示す系統図である。図2は膜処理装置を示す図である。
【0017】
図1において、浄水処理装置は、主として、原水を受水する着水井1、原水に凝集剤を添加して混和する薬品混和池2、凝集反応させるフロック形成池3、沈殿汚泥と上澄水とに固液分離する沈殿池4、沈殿池4において固液分離されない微細なフロックを完全に除去するろ過池5、沈殿池4の底部から引き抜かれた沈殿汚泥とろ過池5において定期的に実施する逆洗操作により排出された逆洗排水とを受水する排水池6、汚泥の濃縮および清澄な膜ろ過水を得るための膜処理装置7および膜濃縮汚泥を脱水する脱水機8より構成されている。
膜処理装置7は、図2に示したように、循環タンク9、撹拌機10、循環ポンプ11、膜モジュール12から構成され、膜モジュール12に逆洗水を送る逆洗手段20を備えている。13〜19は配管を示し、Vはバルブを示している。
【0018】
まず、図1に基づいて、浄水処理について説明すると、原水を着水井1で受水した後、凝集剤を添加する薬品混和池2へ導き、フロック形成池3において原水中の懸濁成分を凝集させる。凝集処理された被処理水は、沈殿池4へ供給されて沈殿汚泥と上澄水とに固液分離される。沈殿池4において得られた上澄水は、ろ過池5を経由し、さらに塩素消毒を行って水道水として供給される。
【0019】
この浄水処理では、膜モジュールを利用した膜利用型排水処理が行われており、この排水処理は、沈殿池4の底部から引き抜かれた沈殿汚泥と、ろ過池5において定期的に実施する逆洗操作により排出された逆洗排水との混合汚泥を、排水池6へ送り、排水池6の混合汚泥水は膜処理装置7へ送られて処理され、汚泥と膜ろ過水とに分離される。膜処理装置7より得られた膜ろ過水は塩素消毒を行って水道水として供給され、膜処理装置7から間欠的あるいは連続的に得られた膜濃縮汚泥は脱水機8へ送られて脱水される。
【0020】
さらに、図2を参照して、膜利用型排水処理について詳細に説明する。同図において、まず、排水池6より沈殿汚泥が配管13を介して撹拌機10を備える循環タンク9へ供給される。沈殿汚泥は、循環ポンプ11により配管14を通して膜モジュール12へ送られ膜ろ過処理された後、循環水は配管15を通って循環タンク9へ返送される。一方、膜ろ過水は配管16を通って塩素消毒処理工程へと送られる。また、定期的に実施する逆洗操作において、逆洗手段20により配管17を通って膜モジュール12内を洗浄して得られた膜逆洗水は、配管18を介して循環タンク9へ返送される。このようにして、循環タンク9において濃縮された汚泥は配管19を経てバルブVにより間欠的あるいは連続的に引き抜かれた後、脱水機8へ送られる。膜処理装置7の膜モジュール12は、精密ろ過膜あるいは限外ろ過膜の有機膜を用いる。逆洗手段20としては、原水あるいは膜ろ過水を用いて行う逆流水洗浄または加圧ガスを用いて行う逆圧洗浄あるいはそれらの組み合わせで行うのがよい。
【0021】
なお、膜処理装置におけるろ過方式としては、外圧型あるいは内圧型のデッドエンドろ過(全量ろ過)方式とすると、膜表面に付着した濃縮汚泥により比較的短期に目詰まりを起こし、頻繁に酸またはアルカリによる薬品洗浄を行う必要があり、経済的ではない。従って、膜表面に付着した濃縮汚泥を剥離・循環させるというクロスフロー方式とし、膜モジュール12の目詰まりが抑制され、薬品洗浄頻度を少なくすることができる。その際、外圧型あるいは内圧型の膜モジュールを用いて通水すると、循環ポンプ11の動力が同じ場合、内圧型の方が外圧型に比して膜面流速を高く設定することができるために、膜表面での汚泥の堆積物が少なくなり膜の目詰まりが抑制される。以上のことから、膜濃縮装置7におけるろ過方式として、内圧型クロスフロー方式を採用する。
【0022】
さらに、本実施形態の膜濃縮装置7では、その膜モジュール12として、膜濃縮装置7へ供給する汚泥の濃度が2%以上と高い場合には1種類の有機膜を使用した単段システムで膜ろ過処理を行う。また、汚泥の濃度が2%以下と低い場合には循環ポンプ11の動力費をできるだけ削減するために、膜充填率および膜内径の異なる2種類以上の有機膜を使用して、膜モジュール12内を段階的に汚泥の固形物濃度を上げるような多段システムで膜ろ過処理を行う。この際の膜モジュール12内の膜充填率は20〜70%、膜内径は1〜4mmであるような膜モジュールとする。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、本発明をこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
(実施例1)
本実施例について、図1に示す処理フローを参照して説明する。原水は、先に説明したように、凝集沈殿・ろ過処理して、水道水として利用される。この処理工程において、沈殿池4からの沈殿汚泥と、ろ過池5の逆洗排水が排水池6に送り込まれて、排水池6に一旦貯留された後、膜処理装置7に送り込まれて、内圧型クロスフロー方式によるろ過を行う。この膜利用型排水処理方法では、下記の表1に示した仕様に基づく膜処理装置7によって、処理が実施されおり、この膜処理装置7で処理される汚泥濃度は2.1%の混合汚泥である。なお、表1のPVDFは、フッ素樹脂系のポリフッ化ビニリデンであり、膜処理装置7は有機系の膜モジュールである。以下のPVDFも同様の物質である。
【0025】
【表1】
Figure 0003697529
【0026】
図3は、本実施例の膜処理装置7における平均ろ過圧力の経日変化を示している。同図の横軸が通水日数を示し、縦軸が平均ろ過圧力を示している。ここで、平均ろ過圧力とは、膜入口圧力と循環水圧力の平均値から膜出口圧力を差し引いた圧力を表している。
表2は、本実施例の膜処理装置7により得られた膜濃縮汚泥と、既存設備により得られた濃縮汚泥とを、脱水機8による脱水試験により得られた脱水性能について示している。また、本実施例の膜処理装置7により得られた膜ろ過水の水質分析結果を表3に示した。
【0027】
【表2】
Figure 0003697529
【0028】
【表3】
Figure 0003697529
【0029】
上記結果から明らかなように、表2で示したように、従来例では脱水時間が11時間を要して、脱水ケーキの含水率が52.3%であったのに対して、膜処理装置7による膜濃縮汚泥では、脱水時間が5時間で、脱水ケーキの含水率が52.2%であり、本実施形態の膜処理装置7によれば、汚泥濃縮が良好であることを示し、膜濃縮汚泥が安定した固形物質濃度であることを示している。
また、膜処理装置7から排出される膜ろ過水の水質は、表3から明らかなように、水道水質基準を満たしている。
【0030】
(実施例2)
本実施例について、図1に示す処理フローを参照して説明する。原水は、先に説明したように、凝集沈殿・ろ過処理して、水道水として利用される。この処理工程において、沈殿池4からの沈殿汚泥と、ろ過池5の逆洗排水が排水池6に送り込まれて、排水池6に一旦貯留された後、膜処理装置7に送り込まれて、内圧型クロスフロー方式によるろ過を行う。この膜利用型排水処理方法では、下記の表4に示した仕様に基づく膜処理装置7によって、膜処理が実施されており、この膜処理装置7で処理される汚泥濃度は0.4%の混合汚泥である。
【0031】
【表4】
Figure 0003697529
【0032】
図4は、実施例2による膜処理装置7による平均ろ過圧力の経日変化を示しており、同図の横軸が通水日数を示し、縦軸が平均ろ過圧力を示している。
表5には、本実施例により得られた膜濃縮汚泥と既存設備により得られた濃縮汚泥を脱水試験して得られた結果を脱水性能として示している。また、表6には、本実施例により得られた膜ろ過水の水質分析結果を示している。
【0033】
【表5】
Figure 0003697529
【0034】
【表6】
Figure 0003697529
【0035】
上記結果から明らかなように、表5から従来例では脱水時間が16時間を要して、脱水ケーキの含水率が51.5%であるのに対し、膜処理装置7による濃縮汚泥では脱水時間が5時間で、脱水ケーキの含水率が53.3%であった。このように、本実施例の膜処理装置7によれば、汚泥濃縮が良好であることを示している。また、膜処理装置7から排出される膜ろ過水の水質は、表6から明らかなように、水道水質基準を満たしている。
【0036】
(実施例3)
本実施例について、図1に示す処理フローを参照して説明する。原水は、先に説明したように、凝集沈殿・ろ過処理して、水道水として利用される。この処理工程において、沈殿池4からの沈殿汚泥と、ろ過池5の逆洗排水が排水池6に送り込まれて、排水池6に一旦貯留された後、膜処理装置7に送り込まれて、内圧型クロスフロー方式によるろ過を行う。この膜利用型排水処理方法では、下記の表7に示した仕様に基づく膜処理装置7によって、膜処理が実施されており、この膜処理装置7で処理される汚泥濃度は0.3%の混合汚泥である。
【0037】
【表7】
Figure 0003697529
【0038】
図5は、膜処理装置7における平均ろ過圧力の経日変化を示しており、同図の横軸が通水日数を示し、縦軸が平均ろ過圧力を示している。表8に、本発明の方法により得られた膜濃縮汚泥と既存設備により得られた濃縮汚泥とを脱水試験して得られた脱水性能について示している。また、本実施例により得られた膜ろ過水の水質分結果を表9に示した。
【0039】
【表8】
Figure 0003697529
【0040】
【表9】
Figure 0003697529
【0041】
上記結果から明らかなように、表8から従来例では脱水時間が15時間を要して、脱水ケーキの含水率が50.3%であるのに対し、膜処理装置7による濃縮汚泥では脱水時間が4時間で、脱水ケーキの含水率が52.6%であった。このように、本実施例の膜処理装置7によれば、汚泥濃縮が良好であることを示している。また、膜処理装置7から排出される膜ろ過水の水質は、表9から明らかなように、水道水質基準を満たしている。
【0042】
上述のように、図3〜図5より明らかなうに、本発明の方法を用いることにより、膜処理装置における平均ろ過圧力の上昇は見られず安定して通水することができることが明らかになった。
また、表2、表5および表8より明らかなように、本発明の方法により得られた汚泥濃度は既存設備の場合に比べて2.0〜3.6倍に上昇し、脱水機による脱水時間は既存設備の場合に比べて27〜45%短縮され、脱水性に優れた濃縮汚泥を得ることができる。
また、表3、表6および表9より明らかなように、本発明の方法によれば、膜ろ過水水質は水道水質基準を満足するものであり、膜ろ過水は水道水として利用することができることを示している。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の膜利用型排水処理方法によれば、沈殿汚泥と逆洗排水とを混合して処理するために、排泥池を省略することができるとともに、敷地面積を削減することができるうえ、季節の影響をさほど受けることなく、ほぼ一定して固形物濃度(5〜10%)の汚泥を脱水機へ打ち込むことができるので、脱水機における脱水時間を大幅に短縮することができる利点がある。従って、従来の重力式濃縮方法の場合の脱水機の容量を小型のものとすることができる効果を有する。
【0044】
また、本発明によれば、膜処理装置において、混合汚泥を内圧型クロスフロー方式で膜ろ過を行うために、平均ろ過圧力の急激な上昇はなく連続通水することができ、しかも比較的短期で目詰まりを起こすことがなく、薬品洗浄の間隔が長くなることから、薬品洗浄操作のための費用や労力が削減できる利点がある。さらに、従来、着水井へ返送していた上澄水を、膜処理することで、その膜ろ過水を水道水として利用することが可能となり、水回収率の向上を図ることができる等の効果を有する。
さらに、ろ過池の逆洗工程を頻繁に行ったとしても、逆洗水が回収されるので、ろ過池の浄化が効果的になされ、水道水の水質を快適水質とすることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である浄水処理装置とその膜利用型排水処理方法を説明するための系統図である。
【図2】本発明の実施形態である膜処理装置を示す図である。
【図3】実施例1の膜処理装置の平均ろ過圧を示す図である。
【図4】実施例2の膜処理装置の平均ろ過圧を示す図である。
【図5】実施例2の膜処理装置の平均ろ過圧を示す図である。
【図6】従来の浄水処理装置を説明するための系統図である。
【符号の説明】
1 着水井
2 薬品混和池
3 フロック形成池
4 沈殿池
5 ろ過池
6 排水池
7 膜処理装置
8 脱水機
9 循環タンク
10 撹拌機
11 循環ポンプ
12 膜モジュール

Claims (5)

  1. 河川等から取水した原水を、凝集沈殿・ろ過処理して浄化するに際し、その処理過程で沈殿池の底部に沈降した沈殿汚泥と、ろ過池より排出される逆洗排水とを混合して膜処理装置に供給し、前記膜処理装置で膜ろ過水と汚泥 とに分離し、前記膜ろ過水を水道水として利用し、前記汚泥の固形物濃度を5〜10%まで濃縮することを特徴とする膜利用型排水処理方法。
  2. 請求項1記載の膜利用型排水処理方法において、
    前記膜処理装置で使用する膜モジュールとして膜充填率の異なる2種類以上の有機膜を使用することを特徴とする膜利用型排水処理方法。
  3. 請求項1記載の膜利用型排水処理方法において、
    前記膜処理装置で仕様する膜モジュールとして膜内径の異なる2種類以上の有機膜を使用することを特徴とする膜利用型排水処理方法。
  4. 請求項1、2または3記載の膜利用型排水処理方法において、
    前記膜処理装置による膜処理を内圧型クロスフロー方式で行うことを特徴とする膜利用型排水処理方法。
  5. 河川等から取水した原水を、凝集沈殿・ろ過処理して浄化する排水処理装置において、その処理過程で沈殿池の底部に沈降した沈殿汚泥と、ろ過池より排出される逆洗排水とが混合して供給され、膜ろ過水と汚泥とに分離する膜処理装置を備え、前記膜ろ過水を水道水として利用し、前記汚泥の固形物濃度を5〜10%まで濃縮することを特徴とする浄水処理装置。
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