JP3697046B2 - 画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録媒体上に、高速で、かつ、高品位で記録後における記録面の汚れが少ない記録画像を得ることのできるインクジェット記録方式を適用した画像形成方法および画像形成装置に関する。本発明は、紙や布、革、不織布等の各種の被記録媒体を用いるプリンタ、複写機およびファクシミリ等の事務機器に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方式は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の被記録媒体にインクを付着させて記録を行うものである。特に、特公昭61−59911号公報、特公昭61−59912号、特公昭61−59914号公報は、吐出エネルギ供給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギをインクに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させる方式のインクジェット記録方法を開示する。この方法によれば、記録ヘッドの高密度マルチオリフィス化を容易に実現することができ、高解像度および高品位の画像を高速で記録することができる。
【0003】
ところで、従来より、インクジェット記録方法に用いられるインクとしては、水を主成分とし、これに乾燥防止、ノズルの目詰まり防止等の目的でグリコール等の水溶性高沸点溶剤を添加したものが一般的である。
【0004】
しかし、このようなインクを用いると、被記録媒体としての記録紙表面における填料やサイズ剤の不均一な分布によると推定される不均一画像が発生する等の問題を生じていた。また、特にカラー画像を得ようとした場合には、ある色のインクが記録紙に完全に定着される以前に複数の色のインクが次々と重ねられることから、異色間の境界部分で色が滲んだり、不均一に混じりあって(以下、この現象を「ブリーディング」と呼ぶ)、満足すべき画像が得られないという問題もあった。
【0005】
インクの定着性向上には、特開昭55−65269号公報に開示されたインク中に界面活性剤などの浸透性を高める化合物を添加する方法や、特開昭55−66979号公報に開示された揮発性溶剤を主体としたインクを用いる方法を利用することができる。
【0006】
しかし、インク中に界面活性剤などを添加する前者の方法では、記録紙へのインクの浸透性が高まり、インクの定着性やブリーディングについてはある程度向上するものの、インク中の色材も記録紙の奥深くまで浸透してしまうため、画像濃度および彩度が低下する等の不具合が生じる。その他、インクの横方向に対する広がりも発生し、その結果、画像のエッジ部分のシャープさが低下したり、解像度が低下したりする等の問題も発生する。
【0007】
一方、揮発性溶剤を主体としたインクを用いる後者の方法の場合には、上記前者の場合と同様の不具合が生じるのに加え、記録ヘッドのノズル部での溶剤の蒸発に伴うインク粘度の増大による目詰まりが発生し易く好ましくなかった。
【0008】
さらに、上述した問題を改善するために、画像を記録するためのインクの噴射に先立ち、被記録媒体上に予め画像を良好にせしめる液体組成物を付与させておく方法が提案されている。
【0009】
例えば、特開昭63−60783号公報には、塩基性ポリマを含有する液体組成物を付着させた後、アニオン染料が含有されたインクによって記録する方法が開示されており、特開昭63−22681号公報には、反応性化学種を含む第1の液体組成物と該反応性化学種と反応を起こす化合物を含む液体組成物を被記録媒体上で混合する記録方法が開示されている。さらに、特開昭63−299971号公報には、1分子当たり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体組成物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有するインクで記録する方法が開示されている。また、特開昭64−9279号公報には、コハク酸等を含有した酸性液体組成物を被記録媒体上に付与した後、アニオン染料を含有したインクで記録する方法が開示されている。また、さらに特開昭64−63185号公報には、染料を不溶化させる液体組成物をインクの記録に先立って付与するという方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の何れの方法も、染料自体の析出により画像の滲みの抑制や耐水性を向上させようとするものであり、前述したカラーインク間のブリーディング抑制効果も不十分であり、また、析出した染料が記録紙上で不均一に分布し易いために記録紙のパルプ繊維に対する被覆性が悪く、画像の均一感が低下し、文字品位に劣るという問題があった。また、カチオン性物質を含有する液体組成物と、アニオン性物質を含有するインクとを同時に、もしくは数ミリ秒間隔で、被記録媒体上に印字を行う場合には、インクがインクジェット記録ヘッドのインク吐出口面に跳ねかえってしまい、そのインクとカチオン性物質を含有する液体組成物が、吐出口面上で反応を起こして、ヨレや不吐出等を生じさせることがあった。さらに、カチオン性物質を含有する液体組成物が、被記録媒体に十分浸透しない内に、アニオン性物質を含有するインクを被記録媒体上の同一画素もしくは、周囲に吐出を行うと、カラーインク間のブリーディング抑制効果も不十分であった。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記の実情に鑑み下記に挙げる点の課題を解決するためになされたものである。すなわち、普通紙に対するインクジェット記録を行う場合の課題として、
(1)良好な定着性を有し、かつ、文字品位も良好であること。
特に、インクジェット記録方式特有の水溶性インクによるドット径のいびつさや、記録紙の繊維に沿ってインクがにじむことで生じるフェザリング、ヒゲ等による文字品位の劣化を低減すること。
(2)十分な画像濃度が得られ、ベタ濃度の均一性が高いこと。
さらに、普通紙に対するカラー画像形成時においては、上記の点に加えて下記の点が課題として挙げられる。
(3)ブリーディングを低減すること。
(4)色再現性が良好であり、かつ、高精細な画像を得られること。
(5)記録画像の耐水性を良好にすること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の発明により解決される。すなわち、本発明は、インクを付与するためのインク吐出用ヘッドと前記インク中の色材を凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドを被記録媒体に対して走査させて前記被記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、第1の走査で被記録媒体の画像形成領域に対して前記液体吐出用ヘッドから液体組成物を付与するステップと、前記第1の走査中に付与された液体組成物の一部が記録媒体内部に浸透し且つ残りの液体組成物が記録媒体上に残存している状態で前記液体組成物と前記インクとが混合するように、前記第1の走査で液体組成物が付与された画像形成領域に対して当該第1の走査よりも後続の第2の走査で前記インク吐出用ヘッドからインクを付与することで画像を形成するステップとを有し、前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも小さく、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性を示すことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、色材を含有するインクを付与するためのインク吐出用ヘッドと、当該インク中の色材を不溶化または凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドとを被記録媒体に対して走査させて当該記録媒体に画像を形成する方法であって、前記被記録媒体に対する浸透性が相対的に低い液体組成物を第1の走査中に前記被記録媒体上の画素に対して付与するステップと、前記第1の走査中に付与された液体組成物の多くが前記記録媒体内部に浸透し且つ残りの一部が前記記録媒体上に残存した状態で当該前記液体組成物と前記インクとの混合が行われるように、前記液体組成物が付与された画素に対して前記浸透性が相対的に高いインクを前記第1の走査よりも後続の第2の走査中に付与することで画像を形成するステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
ここで、前記被記録媒体上の同一画像領域に対し、前記液体組成物の付与を前記インクの付与より1.0秒以上の時間差をもって先に実施することが好ましい。
【0015】
また、本発明は、インクを付与するためのインク吐出用ヘッドと、前記インク中の色材を凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドとを被記録媒体に対して走査させて前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、第1の走査で前記被記録媒体の画像形成領域に前記液体吐出用ヘッドから液体組成物を付与する液体付与手段と、前記第1の走査中に付与された液体組成物の一部が記録媒体内部に浸透し且つ残りの液体組成物が記録媒体上に残存している状態で前記液体組成物と前記インクとが混合するように、前記第1の走査で液体組成物が付与された画像形成領域に対して当該第1の走査よりも後続の第2の走査で前記インク吐出用ヘッドからインクを付与することで画像を形成する形成手段を備え、前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも小さく、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性を示すことを特徴とする。
【0016】
ここで、ヘッド構成としては、CYMK等の各色インクに対応するインク吐出用ヘッドの全てがヘッド移動方向に沿って配列され、且つ、各色インクに対応するインク吐出用ヘッドの全てが液体吐出用ヘッドに対し上記ヘッド移動方向と直交する方向にずれて配置されていることが好ましい。
【0017】
ここで、前記インクは、少なくともアニオン性基を有する染料を含むものでもよく、また、前記インクは、少なくともアニオン性化合物と顔料とを含むものでもよい。
【0018】
前記顔料は水溶性の置換基を有してもよい。また、前記顔料を分散させる分散剤をさらに含み、該分散剤は水溶性樹脂であってもよい。
【0019】
前記液体組成物は、少なくとも1種のカチオン性物質を含有してもよく、前記液体組成物は、ポリアリルアミンを含有してもよい。
【0020】
本発明では、被記録媒体に対する浸透性が液体組成物よりも高いインクを用いて画像を形成する際に、前記液体組成物が被記録媒体上に着弾してから、前記インクを同一画素上に付与する。この結果、液体組成物とインクが被記録媒体上で共存して画像を形成することとなり、特に被記録媒体に対する浸透性が高いインクを用いて形成される画像の文字品位の向上が達成される。
【0021】
本発明において、「浸透性が高い」とは、マイクロシリンジ等で1マイクロリットルのインクまたは液体組成物を被記録媒体に滴下し、滴下後、一定時間を経過した後に滴下した部分を擦って、指または被記録媒体が汚れるか否かの試験を行った場合に、指または被記録媒体が汚れなくなるまでの時間が短いことを意味する。
【0022】
上記浸透性を評価する手段として、ウィルヘルミー法による表面張力を測定する方法がある。具体的な測定方法としては、例えば協和界面科学(株)製のSURFACE TENSIONMETER CBVP−A3を用いて、表面張力を測定することができる。
【0023】
尚、「浸透性が高い」具体例としては、表面張力が40〔dym/cm〕以上あるインクまたは液体組成物である。
【0024】
すなわち、浸透性が高いインクのみで画像を形成した場合において、特に被記録媒体が普通紙であるときは、インクが瞬時に普通紙を形成しているパルプ繊維内部に浸透し、析出した染料等の色材が記録紙上で不均一に分布しやすいために、記録紙のパルプ繊維に対する被覆性が悪く、画像の均一感が低下し文字品位が劣ったものとなる。
【0025】
これに対し、上記のような態様とした場合には、下記に述べるような作用を有する液体組成物が被記録媒体上でインク受容層を形成し、そこにインクを付与することになり、被記録媒体上での色材の不均一な分布を有効に低減することができ、さらに、インクジェット特有のドット径のいびつさやフェザリング等を解消し、画像の均一感を損なうことなく、文字品位を向上できる。
【0026】
また、本発明においては、液体組成物中のカチオン性物質とインク中のアニオン性物質とが下記に述べる作用を発揮する結果、従来技術の課題の解決が図られる。
【0027】
ここで、カチオン性物質を使用した場合を例にとって、作用について述べる。本発明では、画像形成に際し、液体組成物が被記録媒体上あるいは被記録媒体に浸透し、液体組成物中に含まれるカチオン性化合物と、その後付与されるインク中に含まれるアニオン性基を有する水溶性染料または顔料インク中のアニオン性化合物とがイオン的相互作用により会合を起こし、会合体を生じ瞬間的に溶液相から分離を起こす。この際、顔料インクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集体ができる。
【0028】
次に、上述した水溶性染料または顔料インク中のアニオン性化合物とカチオン性化合物の会合体または顔料の凝集体は、サイズが大きくなり、被記録媒体である記録紙の繊維の隙間に入り込みにくくなる結果、固液分離した液体部分のみが該記録紙中に滲み込み、良好な印字品位と定着性の両立が達成される。
【0029】
特に、カチオン性化合物を含む液体組成物が、被記録媒体上に着弾後、粘性が大きくなり、被記録媒体内に浸透し始めると、分子量の大きいカチオン性化合物と、他の水を含む溶剤系との間で、固液分離を起こし、紙面上で固形化し始めたカチオン性化合物と、顔料インクとが、固液反応を起こす場合は、顔料粒子とそれを取り巻く分散剤とが瞬時に分散破壊を起こし、顔料粒子のみが孤立し、それらのみによって、凝集が起こる。そのため、電子写真による顔料粒子の紙面上への定着と同様な作用を起こすことができる。これは、前述したフルカラーの画像形成のように、隣接したドットが異色のインクで形成される場合にも、同様な作用が起こり、互いに混じり合うことなく、ブリーディングも起こりにくい。また、上記した会合体および凝集体は、分子量も大きくなり、本質的に水不溶性であるため、形成された画像の耐水性は十分なものとなる。
【0030】
本発明においてはインクの表面張力が液体組成物よりも小さいことを特徴とする。液体組成物は被記録媒体に対し、インクよりも先に付与されるのであるが、前記特徴を有するため、先に付与された液体組成物は被記録媒体上において横方向に広がりにくくドットの形状を維持した状態で次にインクが付与される。よって後からインクが付与されてもドットの形状を維持しつつ液体組成物中のカチオン性物質とインク中のアニオン性物質とが反応するので、ドット径のいびつさやフェザリング等の発生を低減し、高品位な記録を行うことができる。この効果はインクの表面張力が40dyn/cm未満、好ましくは30〜35dyn/cmのとき、また液体組成物の表面張力が40〜60dyn/cmであるときに特に顕著であり、また被記録媒体上の同一画像領域に対し、液体組成物の付与をインクの付与より1.0秒以上の時間差をもって先に実施したときに特に顕著である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
【0032】
図1(a)〜(d)は、本発明の画像形成方法の一実施形態を示す図であって、被記録媒体上に先に付与された液体組成物が着弾してから、インクを付与して画像を形成する態様を示す模式的断面図である。
【0033】
図1(a)は、液体組成物Lが被記録媒体P上に着弾した直後の画素を模式的に示している。図1(b)は、インクと比較して浸透性の低い液体組成物Lが被記録媒体Pに浸透して形成されるインク受容層Rを模式的に表している。そのインク受容層Rに対しインクIを付与した直後の模式図が図1(c)である。その後、浸透性の高いインクIがインク受容層Rに着弾、後、浸透した状態を模式的に示したのが図1(d)である。
【0034】
図1(e)は、最終的に被記録媒体内に浸透後、定着した状態を示している。
【0035】
次に、本発明に用いられる液体組成物について説明する。
【0036】
本発明に用いられる液体組成物には、少なくともカチオン性物質が含有されている。使用されるカチオン性物質としては、(1)高分子量のカチオン性化合物であり、好ましくは、(2)GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)を使用して測定したカチオン性物質の分子量分布のピークが分子量1,000以下の領域と、1,500以上10,000以下の領域とに少なくとも1つずつ存在するカチオン性化合物が使用される。
【0037】
例えば、上記(1)の高分子量のカチオン性化合物の具体例として、例えば、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、キトサン、およびこれらの塩酸あるいは酢酸等の酸による中和物または部分中和物を挙げることができるが、勿論これらに限定されるわけではない。また、上記(2)のカチオン性化合物としては、
1級、2級および3級アミン塩型の化合物、具体的にはドデシルアミン、ステアリルアミン、ロジンアミン等の塩酸塩、酢酸塩等;
第4級アンモニウム塩型の化合物、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルベンジルトリメチルクロライド、ドデシルトリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンミニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド等;
ピリジニウム塩型化合物、具体的にはセチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイド等;
イミダゾリン型カチオン性化合物、具体的には2−ヘプタデニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン等;
高級アリキルアミンのエチレンオキシド付加物、具体的にはジヒドロキシエチルステアリルアミン等が挙げられる。
【0038】
以上、低分子量のカチオン性化合物の例を挙げたが、本発明で使用することのできる化合物は必ずしもこれらに限定されないことは言うまでもない。
【0039】
上記液体組成物中に含有される(1)および(2)に挙げたカチオン性物質の量としては、液体組成物全量に対して、0.05〜20重量%が好適な範囲であり、より好ましくは0.5〜5重量%の範囲であるが、各々使用する物質の組み合わせにより適宜、最適な範囲が決められる。
【0040】
次に、本発明に用いられる液体組成物を構成するその他の成分について具体的に説明する。
【0041】
本発明で使用する液体組成物は、上記カチオン性物質に加え、通常、水、水溶性有機溶剤およびその他の添加剤から構成されている。本発明の記録液において好適な水性媒体は、水および水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
【0042】
また、その他、併用しうる任意の溶剤成分であり、水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類であってアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むもの;
グリセリン;
エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;
N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0043】
本発明の記録液中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般は記録液全重量の3〜50重量%の範囲であり、好ましくは、3〜40重量%の範囲であり、使用する水は記録液全重量の10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%の範囲である。
【0044】
上記のごとき媒体は単独でも混合物としても使用できるが、最も好ましい液媒体組成は、水と1種以上の有機溶媒からなり、該溶剤が少なくとも1種以上の水溶性高沸点有機溶剤、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール等の多価アルコール、2−ピロリドン等を含有するものである。
【0045】
本発明で使用する液体組成物は、無色であるのがより好ましいが、被記録媒体上等でインクと混合された際に、各色インクの色調を変えない範囲の淡色のものでもよい。さらに、以上のような液体組成物の各種物性の好適な範囲としては、25℃付近でのpHが3〜12、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜5であり、表面張力が40〜60dyn/cmであり、好ましくは、40〜50dyn/cmであり、粘度が1〜3cpsのものである。
【0046】
次に、本発明で使用されるインクについて説明する。
【0047】
本発明に用いられるインクは、少なくともアニオン性物質が含有されたインクであるが、この種のインクとしては、例えば、(1)少なくともアニオン性基を有する染料が含有されているインク、(2)少なくともアニオン性化合物と顔料が含有されているインクであることが好ましい。
【0048】
まず、(1)に挙げたインクは、色材として少なくともアニオン性基を有する水溶性染料が含有されているが、さらにこれに、水、水溶性有機溶剤およびその他の成分、例えば、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤および酸化防止剤等が必要に応じて含まれる。
【0049】
本発明に用いられるアニオン性基を有する水溶性染料としては、カラーインデックスに記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性染料であれば特に限定されない。また、カラーインデックスに記載のないものであっても、アニオン性基、例えば、スルホン基およびカルボキシル基等を有するものであれば特に制限はない。
【0050】
次に、本発明に用いられる少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されたインク(2)としてのインクについて説明する。
【0051】
上記(2)のインクは、顔料およびアニオン性化合物の他、水、水溶性有機溶剤、分散剤、およびその他の成分、例えば、粘度調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤等を必要に応じて含む。ここでアニオン性化合物は、顔料の分散剤であってもよいし、顔料の分散剤がアニオン性化合物である場合でも、さらにアニオン性化合物を添加してもよい。
【0052】
本発明に用いられる顔料には、特に限定はないが、具体的には以下に挙げる顔料が好適に使用される。
【0053】
まず、本発明では、黒色インクに用いられる顔料としてはカーボンブラックが挙げられるが、特にファーネス法、チャネル法で製造されたものであって、一次粒子径が15〜40ミリミクロン、BET法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9等の特性を有するものが好ましく用いられる。このような特性を有する市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.40、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成製)、RAVEN1255(以上、コロンビア社製)、REGAL400R、REGAL660R、MOGULL(以上、キャボット社製)、Color Black FWL、Color Black FW18、Color BlackS170、Color Black S150、Printex 35、Pritex U(以下、デグッサ社製)等があり、いずれも好ましく使用することができる。
【0054】
また、イエローインクに用いられる顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow2,C.I.Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow13,C.I.Pigment Yellow 16,C.I.Pigment Yellow 83等が挙げられ、マゼンタインクに使用される顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.PigmentRed 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn),C.I.Pigment Red 57(Ca),C.I.Pigment Red 112,C.I.Pigment Red 122等が挙げられる。
【0055】
シアンインクに用いられる顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I.Pigment Blue 3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue 6等が挙げられるが、これらに限られるものではない。また、以上の他、本発明のために新たに製造された顔料も勿論使用することが可能である。上述した顔料は、インク全量に対して好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜12重量%の範囲で用いられる。
【0056】
また、上記したような顔料を分散させるために、(2)のインク中に含有させる分散剤としては、水溶性樹脂であればどのようなものでも使用することができるが、重量平均分子量が1,000〜30,000の範囲のものが好ましく、さらには、重量平均分子量が3,000〜15,000の範囲のものが好ましく使用される。このような水溶性樹脂としては、具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等の疎水性単量体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体から選ばれる少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、グラフト共重合体あるいはランダム共重合体、またはこれらの塩等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶であり、アルカリ可溶型樹脂である。さらに、親水性単量体からなるホモポリマまたはそれらの塩でもよい。また、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂も使用することが可能である。しかし、分散液の低粘度化が可能で分散も容易であるという利点がある。なお、このような顔料分散剤として用いられる水溶性樹脂は、インク重量に対して0.1〜5重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0057】
この際にインク中に添加させる界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらの1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。その使用量は、インク中に含有させる分散剤の種類により異なるが、インク全量に対して0.01〜5重量%程度とするのが望ましい。この場合、インクの表面張力が40dyn/cm未満になるように界面活性剤の添加量が決められることが好ましく、より好ましくは30〜35dyn/cmである。すなわち、インクの表面張力がこれよりも小さい値を示すと、本発明に用いられるインクジェット記録方式による記録においても、ノズル先端の濡れによる印字ヨレ(インク滴の着弾点のずれ)等、好ましくない事態を引き起こす可能性が考えられるからである。
【0058】
以上示したそれぞれ処理液(液体組成物)とインクとの混合において、本発明では、上述した処理液とインクが被記録媒体上あるいは被記録媒体に浸透した位置で混合する結果、反応の第1段階として処理液中に含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分またはカチオン性オリゴマーとインクに使用しているアニオン性基を有する水溶性染料または顔料インクに使用しているアニオン性化合物とがイオン的相互作用により会合を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。この結果顔料インクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集体ができる。
【0059】
次に、反応の第2段階として、上述した染料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマーとの会合体または顔料の凝集体が処理液中に含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、被記録媒体の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、その結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定着性との両立が達成される。同時に上述したようなメカニズムにより生成したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性オリゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成される凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、液媒体の動きとともに移動することがないので、フルカラーの画像形成時のように隣接したインクドットが異色のインクで形成されていたとしても互いに混じり合うようなことはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有する。
【0060】
本明細書において使用される不溶化または凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であり、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象である。
【0061】
また、本発明の実施にあたっては、従来技術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に抑えることができる。その結果として、従来のカチオン性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得ようとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がなくなるということを本発明の別の効果として挙げることができる。
【0062】
なお、本発明を実施するにあたって使用する被記録媒体については特に制限されるものではなく、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろんインクジェットプリント用に特別に作製したコート紙やOHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0063】
次に、上述したように構成されている液体組成物およびインクを被記録媒体上に付与する方法について説明する。
【0064】
本発明は、少なくともカチオン性物質を含有する液体組成物を被記録媒体上に付与するステップ(A)と、少なくともアニオン性物質を含有するインクを記録信号に従って吐出口から液滴として被記録媒体上に噴射し、付与するステップ(B)の2つのステップを有する。さらに、ステップ(A)を先に被記録媒体に着弾後、ある一定の時間差をつけて、ステップ(B)のインクを付着させる。ここで、ステップ(B)をステップ(A)の一定時間経過後に実施するのは、ステップ(A)において被記録媒体に付与された上述の液体組成物が被記録媒体にインク受容層を形成した後に、ステップ(B)で上述のインクをそのインク受容層上に付与できるようにするためである。これにより、カチオン性物質とアニオン性物質とがイオン的相互作用により会合し、生じた会合体が瞬間的に溶液相から分離する。このため、得られた画像は画像濃度が低下することなく、ブリーディングが発生せず、文字品位が向上したものとなる。ここで、上述の一定時間とは、1秒以上の時間であることが好ましい。
【0065】
図2は、本発明の画像形成方法に好適に用いられるヘッドとしてのプリントヘッド500に供給するためのインクを保持したインク容器501とを分離可能に接続したインクジェットヘッドカートリッジIJCを示す斜視図である。
【0066】
なお、このインクジェットヘッドカートリッジIJCを構成するインク容器へのインクの注入は、次のように行えばよい。
【0067】
インク容器にインク供給パイプ等を接続することでインクを導入するインク導入路を形成し、このインク導入路を介してインク容器にインクを注入すればよい。インク容器側にインク供給口としては、インクジェットヘッド側への供給口、大気連通口や、インク容器の壁面にあけた穴等を用いればよい。
【0068】
図3は、上述のように構成されるインクジェットプリントヘッドが搭載可能なインクジェットプリント装置の一例の概観図を示す。
【0069】
このインクジェットプリント装置IJRAは、駆動モータの2010の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア2020,2030を介して回転するリードスクリュー2040を有する。インクジェットプリントヘッドとインクタンクとが一体化されたインクジェットカートリッジIJCが載置されるキャリッジHCは、キャリッジ軸2050およびリードスクリュー2040に支持され、リードスクリュー2040のら線溝2041に対して係合するピン(不図示)を有しており、リードスクリュー2040の回転に伴って、矢印a,b方向に往復移動される。2060は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙Pをプラテンローラ2070に対して押圧する。2080および2090はフォトカプラで、これらは、キャリッジHCに設けられたレバー2100のこの域での存在を確認してモータ2010の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段として動作する。2110は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材であり、支持部材2120により支持されている。2130はこのキャップ内を吸引する吸引手段であり、キャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。記録ヘッドの端面をクリーニングするクリーニングブレード2140は、前後方向に移動可能に部材2150に設けられており、これらは本体支持板2160に支持されている。ブレード2140はこの形態に限定されず、周知のクリーニングブレードが本例に適用できることはいうまでもない。また、2170は吸引回復の吸引を開始するためのレバーであり、キャリッジHCと係合するカム2180の移動に伴って移動するようになっており、これにより駆動モータ2010からの駆動力がクラツチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0070】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジHCがホームポジシヨン側領域にきたときにリードスクリュー2040の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
【0071】
上述の記録ヘッドに設けられた発熱体に信号を付与し、かつ、前述した各機構の駆動制御を司るインクジェット記録制御部は装置本体側に設けられており、ここには図示しない。
【0072】
上述の構成を有するインクジェット記録装置は、図示しない被記録材給送装置によりプラテン上を搬送される紙Pに対し、ヘッドを紙Pの全幅にわたって往復移動させながら記録を行う。
【0073】
次に、本発明の画像形成方法を、例えば、図2に示した記録ヘッドを5つキャリッジ上に並べた記録装置に適用した例を説明する。
【0074】
図4はその一例である。図4において符号81,82,83,84はそれぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラック各色のインクを吐出するための記録ヘッドである。また、85は無色の液体組成物を吐出するヘッドである。該ヘッドは前記した記録装置に配置され、記録信号に応じて、各色のインクを吐出する。また、無色の液体組成物は、各色のインクを吐出させる前に、少なくとも各色のインクが記録紙上で、着弾することとなっている部分に付着させる。この場合、液体組成物を記録紙上に1パスもしくはそれ以上のパス印字で、付与した後、紙送りをしないで、各色のインクを記録紙上の同一画素上に付与させる。これにより、液体組成物と各色のインクとの被記録媒体への付与に、時間差を設けることができる。
【0075】
図5は他の例である。図5に示した記録ヘッドの構成は、図4に示した記録ヘッドの構成と基本的に同一であるので、共通した構成要素には同一の符号を付す。この例では、液体組成物の記録ヘッド85を各色のインクの記録ヘッド81〜84に対して、1ラスタ(シリアルプリンタにおける1ヘッドの印字幅)分ずらした構成に特徴がある。従って、各記録ヘッド81〜85に同時に記録信号を転送すれば、常に液体組成物が、ある一定時間以上先に記録紙上の同一画素に付与される。
【0076】
さらに、図4の記録ヘッド構成で、使用するノズル数を限定して、図5と同様の画像形成方法を用いることも可能である。
【0077】
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0078】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0079】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0080】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0081】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0082】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0083】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0085】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0086】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。文中「部」および「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0087】
また、アセチレノールEHとは商品名であり、化学物質名はエチレンオキサイド−2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールで表わされる。
【0088】
まず、本発明で使用する液体組成物の作成について説明する。
【0089】
以下に示す各成分を混合溶解した後、pHをHClまたはNaOHにて7.0に調整し、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)にて加圧濾過し、液体組成物AおよびBを得た。
【0090】
〔液体組成物Aの組成〕
・ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド 1部
(商品名:CA−2150、日光ケミカルズ株式会社製)
・ポリアミンスルホン酸塩 4部
(商品名:PAS−A−1、日東紡績株式会社製)
・エチレングリコール 10部
・イオン交換水 85部
【0091】
〔液体組成物Bの組成〕
・ビニルピロリドン/
ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体 0.5部
(商品名:GAFUAT734、ISPジャパン株式会社製)
・エチレングリコール 10部
・イオン交換水 89.5部
インクの作成
【0092】
次に、本発明で使用するインク1および2の作成について説明する。
〔インク1の作成〕
以下に示す成分を混合溶解した後、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタ(商品名:フロロポアフィルタ、住友電気工業株式会社製)にて加圧濾過し、イエロー,シアン,マゼンタおよびブラックの各色インクを得た。インク1は、水溶性染料を色材として使用した。
【0093】
(イエローインクY1の作成)
・C.I.アシッドイエロー11 2.5部
・ジエチレングリコール 10部
・アセチレールEH 1部
(商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加物)
・イオン交換水 86.5部
【0094】
(マゼンタインクM1の組成)
C.I.アシッドイエロー11をC.I.アシッドレッド133に代えた以外はイエローインクY1と同じ組成とした。
【0095】
(シアンインクC1の組成)
C.I.アシッドイエロー11;2.5部をC.I.ダイレクトブルー8;3.5部に変え、イオン交換水を86.5部から85.5部に代えた以外はイエローインクY1と同じ組成とした。
【0096】
(ブラックインクBk1の組成)
C.I.アシッドイエロー11;2.5部をC.I.ダイレクトブラック17;3.5部に代え、イオン交換水を86.5部から85.5部に代えた以外はイエローインクY1と同じ組成とした。
【0097】
〔インク2の作成〕
インク2は、アニオン性化合物と顔料とが含有された顔料インクである。
【0098】
(イエローインクY2の作成)
アルカリ可溶性樹脂(スチレン−アクリル酸−エチルアクリレート;酸価160、重量平均分子量8,000、固形分20%の水溶液)を顔料の分散剤として用いて、以下のイエロー分散体を作成した。なお、上記アルカリ可溶性樹脂の中和剤としてはモノエタノールアミンを用いた。
【0099】
・アルカリ可溶性樹脂水溶液(固形分20%) 35部
・C.I.ピグメントイエロー83 25部
・トリエチレングリコール 15部
・イソプロピルアルコール 5.5部
・アセチレノールEH 1部
(商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加物)
・イオン交換水 135部
【0100】
以上の成分をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス社製)に仕込み、1mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時間分散処理を行った。この分散液を遠心分離機にかけ、粗大粒子を除去して、平均粒子径100ミリミクロンのイエロー分散体を得た。
【0101】
得られたイエロー分散体にイオン交換水100部を加えた後、充分に攪拌してpH9.5のイエローインクY2を得た。
【0102】
(マゼンタインクM2の作成)
上記イエローインクY2の作成において使用したアルカリ可溶性樹脂水溶液P−1を使用して、下記成分を混合した後、イエローインクY2の作成の場合と同一条件で分散処理を行った。
【0103】
・アルカリ可溶性樹脂水溶液P−1(固形分20%) 20部
・C.I.ピグメントレッド122 24部
・グリセリン 15部
・イソプロピルアルコール 4部
・アセチレノールEH 1部
(商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加物)
・イオン交換水 133部
得られたマゼンタ分散体の平均粒子径は110ミリミクロンであった。
【0104】
上記分散液に水100部を加え、充分に攪拌して、pH9.4のマゼンタインクM2を得た。
【0105】
(シアンインクC2の作成)
上記イエローインクY2の作成において使用したアルカリ可溶性樹脂水溶液P−1を使用して、下記成分を混合した後、イエローインクY2の作成の場合と同一条件で分散処理を行った。
【0106】
・アルカリ可溶性樹脂水溶液P−1(固形分20%) 30部
・C.I.ピグメントブルー15:3 24部
・ジエチレングリコール 20部
・イソプロピルアルコール 4部
・アセチレノールEH 1部
(商品名;川研ファインカミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加物)
・イオン交換水 135部
得られたシアン分散体の平均粒子径は120ミリミクロンであった。
【0107】
上記分散液に水100部を加え、充分に攪拌して、pH9.2のシアンインクC2を得た。
【0108】
(ブラックインクBk2の組成)
下記成分を混合し、ウォータバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。
【0109】
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体 1.5部
(酸価160、重量平均分子量8,000)
・モノエタノールアミン 1.2部
・イオン交換水 81.5部
この溶液にカーボンブラックMCF88(三菱化学株式会社製)10部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行った。
【0110】
・分散機 :サンドグラインダ(五十嵐機械株式会社製)・粉砕メディア :ジルコニウムビーズ
・粉砕メディアの充填率 :50%(体積)
・粉砕時間 :3時間
さらに遠心分離処理(12,000rpm、20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0111】
次に、下記成分を混合し、pH9.5のブラックインクBk2を得た。
【0112】
・上記分散液 30部
・グリセリン 15部
・エチレングリコール 5部
・イソプロピルアルコール 4部
・アセチレノールEH 1部
(商品名;川研ファインケミカル株式会社製;アセチレングリコールEO付加物)
・イオン交換水 45部
【0113】
記録画像の印字
次に上記のようにして得られた液体組成物A,Bおよびインク1,2を用いて、キヤノンPPC用紙に記録を行った。使用したインクジェット記録装置としては、図3に示したものと同様なものを用い、図4および図5に示した記録ヘッドを用いてカラー画像を形成した。なお、ここで用いた記録装置の記録ヘッドは、600dpiの記録密度を有し、駆動周波数は6kHzとした。1ドット当たりの吐出量は、全ヘッド共、15pl/dotであった。
【0114】
なお、比較例として、液体組成物A,BにアセチレノールEH等の界面活性剤を添加して表面張力を低くしたA′,B′の場合と、インク1,2中のアセチレノールEHを除いたインク1′,2′の場合での評価を行った。
【0115】
また、画像品位の目標とする例として、レーザービームプリンタであるColor Laser SHOT LBP−2030PS(キヤノン株式会社製)を用いて出力した印字物を同様に評価した。
【0116】
結果を以下の表に示す。
【0117】
【表1】
Figure 0003697046
【0118】
【表2】
Figure 0003697046
【0119】
【表3】
Figure 0003697046
【0120】
1)画像濃度
a : OD 1.4以上
b : 1.3以上
c : 1.2以上
d : 1.2未満
2)文字品位
a : フェザリングなし
b : フェザリングなし
c : フェザリング有
d : 文字が読めないくらいにじんでいる
3)ブリーディング
a : 発生していない
b : 少し発生
c : 境界部付近がにじんでいる
d : 境界部がわからないくらい混色している
尚、上述のフェザリングなしとは画像処理による普通紙上の1ドットの2値化計算で求めた真円度が1.1以下の場合を意味する。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被記録媒体に対する浸透性が液体組成物よりも高いインクを用いて画像を形成する際に、前記液体組成物が被記録媒体上に着弾してから、前記インクを同一画素上に付与する。この結果、液体組成物とインクが被記録媒体上で共存して画像を形成することとなり、特に被記録媒体に対する浸透性が高いインクを用いて形成される画像の文字品位の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、本発明の画像形成方法の一実施形態を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の画像形成方法に好適に用いられるヘッドに供給するためのインクを保持したインク容器とを分離可能に接続したインクジェットヘッドカートリッジを示す斜視図である。
【図3】図2に示したインクジェットプリントヘッドが搭載可能なインクジェットプリント装置の一例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の画像形成方法を図2に示した記録ヘッドを複数のキャリッジ上に並べた記録装置に適用した一例を示す概略斜視図である。
【図5】本発明の画像形成方法を図2に示した記録ヘッドを複数のキャリッジ上に並べた記録装置に適用した他の例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
L 液体組成物
P 被記録媒体
I インク

Claims (9)

  1. インクを付与するためのインク吐出用ヘッドと前記インク中の色材を凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドを被記録媒体に対して走査させて前記被記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
    第1の走査で被記録媒体の画像形成領域に対して前記液体吐出用ヘッドから液体組成物を付与するステップと、
    前記第1の走査中に付与された液体組成物の一部が記録媒体内部に浸透し且つ残りの液体組成物が記録媒体上に残存している状態で前記液体組成物と前記インクとが混合するように、前記第1の走査で液体組成物が付与された画像形成領域に対して当該第1の走査よりも後続の第2の走査で前記インク吐出用ヘッドからインクを付与することで画像を形成するステップとを有し、
    前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも小さく、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性を示すことを特徴とすることを特徴とする画像形成方法。
  2. 色材を含有するインクを付与するためのインク吐出用ヘッドと、当該インク中の色材を凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドとを被記録媒体に対して走査させて当該記録媒体に画像を形成する方法であって、
    前記被記録媒体に対する浸透性が相対的に低い液体組成物を第1の走査中に前記被記録媒体上の画素に対して付与するステップと、
    前記第1の走査中に付与された液体組成物の多くが前記記録媒体内部に浸透し且つ残りの一部が前記記録媒体上に残存した状態で当該前記液体組成物と前記インクとの混合が行われるように、前記液体組成物が付与された画素に対して前記浸透性が相対的に高いインクを前記第1の走査よりも後続の第2の走査中に付与することで画像を形成するステップと、
    を有することを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記インクは、少なくともアニオン性基を有する染料を含み、前記液体組成物は、少なくとも1種のカチオン性物質を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記インクは、少なくともアニオン性化合物と顔料とを含み、前記液体組成物は、少なくとも1種のカチオン性物質を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  5. 前記被記録媒体上の同一画像領域に対し、前記液体組成物の付与を前記インクの付与より1.0秒以上の時間差をもって先に実施することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  6. 前記インクの表面張力は40dyn/cm未満であり、前記液体組成物の表面張力は40〜60dyn/cmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. インクを付与するためのインク吐出用ヘッドと、前記インク中の色材凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドとを被記録媒体に対して走査させて前記被記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    第1の走査で前記被記録媒体の画像形成領域に前記液体吐出用ヘッドから液体組成物を付与する液体付与手段と、
    前記第1の走査中に付与された液体組成物の一部が前記記録媒体内部に浸透し且つ残りの液体組成物が記録媒体上に残存している状態で前記液体組成物と前記インクとが混合するように、前記第1の走査で液体組成物が付与された画像形成領域に対して当該第1の走査よりも後続の第2の走査で前記インク吐出用ヘッドからインクを付与することで画像を形成する形成手段を備え、
    前記インクはその表面張力が前記液体組成物よりも小さく、かつ、前記インクと液体組成物とは異なる極性を示すことを特徴とする画像形成装置。
  8. 色材を含有するインクを付与するためのインク吐出用ヘッドと、当該インク中の色材を凝集させる液体組成物を付与するための液体吐出用ヘッドとを被記録媒体に対して走査させて当該被記録媒体に画像を形成する装置であって、
    前記被記録媒体に対する浸透性が相対的に低い液体組成物を第1の走査中に前記被記録媒体上の画素に対して付与する手段と、
    前記第1の走査中に付与された液体組成物の多くが前記記録媒体内部に浸透し且つ残りの一部が記録媒体上に残存した状態で当該前記液体組成物と前記インクとの混合が行われるように、前記液体組成物が付与された画素に対して前記浸透性が相対的に高いインクを前記第1の走査よりも後続の第2の走査中に付与することで画像を形成する手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記インクおよび前記液体組成物の付与の際に、前記インク吐出用ヘッドおよび前記液体吐出用ヘッドを所定方向へ移動させる移動手段を更に備え、
    前記インク吐出用ヘッドは、各色インクに対応して設けられ、
    前記各色インクに対応するインク吐出用ヘッドの全ては前記所定方向に沿って配列され、且つ、前記各色インクに対応するインク吐出用ヘッドの全ては前記液体吐出用ヘッドに対し前記所定方向と直交する方向にずれて配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
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