JP3695955B2 - 衝撃記録器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は品物が様々な操作により受ける加速度を測定、記録する衝撃記録器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
品物が取扱われたり運送されたりする際、落下や衝突あるいはバウンド等による衝撃で損傷を受ける場合がある。損傷を受けた際、取扱い時及び運送時等のどの時点の衝撃で損傷を受けたかを明確にする必要が生じる。品物が衝撃を受ける際は加速度を受けるため、該加速度を測定し時系列に記録しておけば取扱い時および運送時のどの時点で衝撃を受けたかが明確になり、損傷の原因を把握することができる。このような衝撃記録器(加速度記録器)は品物に取付けられて使用され、品物と同等な取扱い、運送を受け、発生した加速度を測定し、記録し、取扱い、運送後、衝撃記録器内に蓄積された記録を読み取り品物の受けたであろう衝撃を確認する。そのため衝撃記録器は長時間の測定と記録を繰り返すが、使用目的からして小型化、軽量化が必要であり、当然、消費電力が少なく大量の測定データが蓄積できることが望まれる。発生した全ての加速度を測定、記録しようとすれば衝撃記録器内に多くのデータ記録(蓄積)手段持たせなければならないし、測定、記録動作も多くなるため、消費電力は多くなってしまう。大きな電源と大きな記録手段が必要になり前述の要望に反してしまう。このような問題を解決すべく衝撃記録器が開発されているが、或る一定以上の加速度が検出された時のみ記憶する方法や、或る一定以上の加速度が検出されたら或る一定時間のみ発生した全ての加速度を記録する方法などが一般的である。
【0003】
例えば特許第2666926号の衝撃検出装置には、物品が包装や出荷のような取扱操作の間に受ける物理的な変化の物理的変数を感知し、予め定められた基準を満たしている感知された前記物理的変数の時間履歴の部分を記録する加速度検出方法において、(イ)X、Y、Z軸方向の物理的な変化による±256g範囲の加速度を検出し、検出された前記加速度に対応した0から5.12ボルトの範囲の電気信号を出力する加速度検出手段、クロック手段、記憶手段、通信手段、マイクロプロセッサ手段および電源をハウジングに収納し、前記マイクロプロセッサ手段への命令を構成しているプログラムの制御の下に前記加速度を検出し、かつこれを定量化可能とし、検出され定量化された前記加速度とこれを検出したときの発生時間を前記記憶手段に記憶し、前記加速度検出手段により検出された前記加速度が前記物品に及ぼすように物理的に概ね等しいように前記ハウジングを前記物品に添え、(ロ)前記ハウジングが前記物品と同じ前記加速度を受けるように前記物品の取扱操作を受け、(ハ)前記ハウジングにより及ぼす前記加速度を検出し、(ニ)予め定められた前記基準を満たす検出された前記加速度の経時的なそれぞれの時間間隔を前記記憶手段に記憶し、前記時間間隔は予め定められた持続時間であって、かつそれぞれの前記持続時間は最初に前記基準を満たした加速度のもので開始し、そして、(ホ)記憶された前記加速度を前記記憶手段から前記ハウジングの外部の装置に読み出し、これによって、前記物品が取扱われている間に、加速度の大きさとその発生時間と発生頻度を、前記物品取り扱いを実行後に決定する加速度計測方法。ハウジング内に収納可能な加速度検出・記録装置において、X、Y、Z方向の物理的な変化による加速度を検出し、かつ検出された加速度の定量化されたディジタル信号を発生する加速度検出手段と、プログラム命令を記憶し、かつ前記ディジタル信号を表すデータを記憶する記憶手段と、前記ディジタル情報により分離器と通信する通信手段と、そして、前記加速度検出手段、クロック手段、前記記憶手段および前記通信手段に接続され、前記記憶手段からの前記プログラム命令を読み出して実行するようにし、予め定められた持続時間の時間間隔の間に前記加速度検出手段により発生するディジタル信号と前記記憶手段に記憶されるべき前記持続時間の最初に前記クロック手段により発生するディジタルタイマ信号との両方を表すデータを生じ、前記持続時間は少なくとも前記加速度の一つが予め定められた基準を満たしているときに前記時間間隔を開始し、前記ディジタル情報により前記分離器と通信する前記通信手段を制御するマイクロプロセッサ手段とを備えた加速度検出記録装置。等が記載されている。
【0004】
また、特許第2719580号の衝撃記憶ユニットには、衝撃検出信号から衝撃情報を演算し記憶する演算記憶手段を内蔵する処理モジュールボックスと、衝撃センサーを内蔵するセンサーモジュールボックスとを分離して形成し、該センサーモジュールボックスから得られた衝撃検出信号を信号伝送媒体を介して上記処理モジュールボックスに供給する構成とした衝撃記憶ユニットであって、上記信号伝送媒体として衝撃検出信号を電気信号として伝送する信号伝送ケーブルを用い、該信号伝送ケーブルは抜き差し可能なコネクタを介して上記センサモジュールボックスと処理モジュールボックスの双方又は一方と接続し、更にセンサモジュールボックス内に衝撃センサーから出力される衝撃波信号を電圧又は電流信号に変換し増幅する信号変換器を内蔵し、他方処理モジュールボックス内に上記演算記憶手段に電力を供給するバッテリーを内蔵し、該バッテリーの電力を上記信号伝送ケーブルを通じて上記センサモジュールボックス内の信号変換器に供給するようにしたことを特徴とする衝撃記憶ユニット。が記載されている。
【0005】
さらに、特開平8−62240号の運送品の落下等の衝撃データ記録方法及び衝撃データ記録用カードには、運送保険の締結された荷物Lが搬送中に受ける衝撃データを収集記録するための方法であって、該荷物Lに衝撃を検知してメモリする衝撃データ記録用カードを貼着して運送し、運送後に該衝撃データ記録用カードをデータ表示装置に装入して衝撃データグラフを得ることを特徴とする運送品の落下等の衝撃データ記録方法。平面形状が矩形など所定形状・所定厚のカード状に形成されたハウジング内に、小型・薄型の衝撃検知センサと、その出力による重力加速度G値を時間と関連してメモリする衝撃履歴記録手段を備えたことを特徴とする衝撃データ記録用カード。上記G値のメモリは、通常は1分毎等一定時間毎のメモリであって、10G以上等所定値以上の大なるG値の入力があるときはリアルタイムにG値と時刻とを記憶せしめるようにしたことを特徴とする衝撃データ記録用カード。等の記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、或る一定以上の加速度が検出された際のみ記録する方法(特許第2666926号)や、或る一定以上の加速度が検出されたら或る一定時間のみ発生した全ての加速度を記録する方法(特開平8−62240号)では或る一定以下の加速度による品物損傷への影響が確認できない。或る一定の値を小さくすれば記録する量が増えてしまい一定の値を設定する意味が無くなる。また、衝撃を受ける回数が多い場合(自動車輸送時のでこぼこ道等)は、測定、記録回数が著しく多くなり記録容量が足りなくなってしまう場合が生じる。
【0007】
さらに、測定する間隔を長くすれば、最大加速度を測定できなくなる場合が生じ、測定間隔を短くすれば記録容量が大きくなってしまう。一般に衝撃は数十ms程度の発生のため、測定間隔は数ms以下でないと最大加速度を測定できず、処理数が多くなり消費電力も大きくなる。
【0008】
また、測定する間隔を長くし、かつ、最大加速度を測定するために、ピーク値を検出する機能を有する方法があるが、ピーク値の検出間隔を長くすれば、ピーク値を保持する回路規模が大きくなり、測定精度も悪くなる。ピーク値の検出間隔を短くすれば、結果として測定数が多くなり、記録容量が大きくなってしまう。
【0009】
本発明は前記課題を解決し、発生した全ての加速度を少ない消費電力で、かつ小さな回路規模で測定し、少ない記憶容量、小さな回路規模でも発生した主要な加速度を、精度良く測定、記録する衝撃記録器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
品物の様々な操作により受ける加速度を測定、記録する衝撃記録器において、
少なくとも、加速度の一定期間内のピーク値を検出する機能と、当該ピーク値検出機能より得られたピーク値データの判定機能と、前記ピーク値データの記録機能とを有する衝撃記録器であって、前記ピーク値を少なくとも2つ以上検出し、得られたピーク値データ数があらかじめ設定された所定データ数に達した際、前記判定機能により或る所定数のピーク値データ内の最大値を求め、該最大値を記録する衝撃記録器とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を説明するブロック図である。衝撃記録器はセンサ部1、処理回路部2、電源部3より構成されていて、衝撃記録器単体で測定、記録ができるものである。センサ部1は加速度センサと検出回路で構成され、電源部3は電池である。処理回路部2はピーク検出部、タイミング発生部、記録部、通信部等で構成されているが、詳細は以下の実施形態で説明でする。
【0012】
図2は本発明の第一実施形態を示すブロック図である。センサ部1が検出した加速度は電気信号として出力され、ピーク検出部21に入力される。ピーク検出部21にはピークホールド回路あり、ピーク検出部21はタイミング発生部22からの信号を受け、予め設定されている一定期間(例えば1s間)のピーク値を検出する。CPU23はピーク検出部21と同様にタイミング発生部22と接続されていて、ピーク検出部21が一定期間内のピーク値を検出終了したことを示すタイミング信号を受けて、ピーク検出部21からのデータを取り込み、記録部24に記録する。記録は一定期間内のピーク値と日付と時刻とする。これを連続することで、例示では1s間毎のピーク値が記録される。1日では86400のデータが記録されることになり、1ms毎のデータを記録するのに比べ記録する量は全測定データの1/1000になる。ピーク検出機能を有しているため最大加速度を測定できない(測定漏れ)ことはない。測定、記録が終了したデータは通信部25から外部に送出される。通信部25は、測定、記録等の条件を設定する際にも使用され、衝撃記録器に使用条件により測定、記録等の条件を書き換える。
【0013】
従来はCPU23がセンサ部1からの出力を確認するために若しくはデータを取り込むために少なくとも数ms間隔で動作していなければならなかったが、本実施形態ではピーク検出部21、タイミング発生部22を有することにより、CPU23はタイミング発生部22からの信号を待っている間は処理を行なわなくてよいので(例によれば1s間隔で動作すればよい)消費電力が少なくてすむ。
【0014】
また、前記のタイミング発生はCPUから行なってもよいし、計時機能を有するので、計時用の基準クロックを利用してもよい。これは第二実施形態においても同様である。
【0015】
図3は本発明の第二実施形態のブロック図である。センサ部1が検出した加速度は電気信号として出力され、ピーク検出部21に入力される。ピーク検出部21はタイミング発生部22からの信号を受け、予め設定されている一定期間(例えば1s間)のピーク値を検出する。タイミング発生部22からの出力は同時にカウンタ26に入力され、何回タイミング信号が出力されたか計数される。カウンタ26の出力は比較器27に入力され、比較器27は該入力データ(カウント値)とあらかじめ入力されているデータとが一致するとCPU23に対し比較一致信号を出力する。CPU23はピーク検出部21と同様にタイミング発生部22と接続されていて、ピーク検出部21が一定期間内のピーク値を検出終了したことを示すタイミング信号を受けて、ピーク検出部21からのデータを取り込み、記録部24に記録する。その際、比較一致信号が入力されていなければ、取り込んだピーク検出部21からのデータをそのまま副記録部28に記録する。比較一致信号が入力されていれば取り込んだピーク検出部21からのデータを副記録部28に記録し、その後副記録部28内の最大値を求め、記録部24に記録する。さらに、カウンタ26を初期化し、副記録部28のデータを削除し、初期動作に戻る。前記手段により、或る一定期間内のピーク値が或るデータ数に達した際のピーク値内の最大値を記録することが可能になる。
【0016】
記録されたデータは通信部より外部に送出されるのは実施形態一と同様であり、比較器27へのデータ入力もCPU23を介して通信部により行われる。目的に応じて記録される間隔を制御でき、検出したい期間が長ければ比較器に設定するデータ(カウント値)を大きくし、期間が短ければカウント値を小さくすればよく、記録部24の容量が有効に活用できる。ピーク検出部の機能特性としてピーク検出期間をそれほど長くする必要がなくなるため、ピーク検出部の回路構成が比較的容易に実現できる。
【0017】
以上データー処理はセンサ部1つで説明したが、実際にはX軸、Y軸、Z軸の3方向の加速度が検出され、記録される。信号の処理は同じに行なえるが、必要に応じて方向により測定、記録条件を変更することにより記録部の容量と必要データの振り分けにより軸方向により記録データの疎密を使い分けることが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
本発明によると少ない記録容量で長時間の加速度データが記録できる。実施形態では従来技術の1000倍の時間できるが、逆に時間は変えずに測定データを増やすことが可能である。記憶容量が少なくてすむので小型化・軽量化が可能となる。
【0019】
本発明によると少ない消費電力で衝撃記録器を動作できるため、測定、記録時間の長い製品を供給できるので、使いやすく、ランニングコストも安くすることができる。電源用電池が小さくてすむので小型化・軽量化が可能となる。
【0020】
記憶容量が有効に活用でき、使用法に自由度が増す。
【0021】
ピーク検出部の機能特性としてピーク検出期間をそれほど長くする必要がなくなるため、ピーク検出部の回路構成が比較的容易に実現できる。最大加速度を見逃すことが無く、また、一定期間内のピーク値を記録するので小さな加速度しか発生しない期間でも加速度を記録することができる。
【0022】
ピーク検出期間をそれほど長くする必要がなくなるため、ピーク検出における測定誤差が小さく、測定精度が上がる。
【0023】
目的に応じて記録される間隔を容易に制御できるため、用途に応じた使い分けが可能となり、使用法に自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を説明するブロック図
【図2】 本発明の第一実施形態を示すブロック図
【図3】 本発明の第二実施形態のブロック図
【符号の説明】
1 センサ部
2 処理回路部
3 電源部
21 ピーク検出部
22 タイミング発生部
23 CPU
24 記録部
25 通信部
26 カウンタ
27 比較器
28 副記録部
Claims (1)
- 品物の様々な操作により受ける加速度を測定、記録する衝撃記録器において、
少なくとも、
加速度の一定期間内のピーク値を検出する機能と、
当該ピーク値検出機能より得られたピーク値データの判定機能と、
前記ピーク値データの記録機能とを有する衝撃記録器であって、
前記ピーク値を少なくとも2つ以上検出し、得られたピーク値データ数があらかじめ設定された所定データ数に達した際、前記判定機能により或る所定数のピーク値データ内の最大値を求め、該最大値を記録することを特徴とする衝撃記録器。
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-
1998
- 1998-09-25 JP JP27117598A patent/JP3695955B2/ja not_active Expired - Fee Related
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