JP3695388B2 - 混合物、プレミックス、パンおよびパンの製造法 - Google Patents

混合物、プレミックス、パンおよびパンの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大豆蛋白質の構成要素であるβ−コングリシニンを含み、嵩、食感、風味に遜色のない大豆蛋白質強化パンの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パンは小麦を原料としており、その蛋白質はグルテンと呼ばれる画分が大半を占める。しかし、グルテンは栄養上アミノ酸組成に問題があり、特にリジンやアラニンが制限アミノ酸となっている。一方大豆の蛋白質はリジンやアラニンに富んでおり、両者を組み合わせ使うこと、特にパンの中に大豆蛋白質を添加することは、栄養的に蛋白質を改善する上で意義深い。
【0003】
しかし、これまでの検討では、大豆、豆乳、分離大豆蛋白質等の大豆蛋白質素材を添加すると、パンの膨化を著しく阻害することが知られており、それに対する対策も検討されている。
さらに、大豆蛋白質の2つの主要構成要素であるグリシニン(11S)とβ−コングリシニン(7S)を比較した場合、β−コングリシニンには血中の中性脂肪を低下させる作用があることが知られており、また、大豆蛋白質全体を添加するのに比較して、より少量の添加で生理効果を期待することができることがわかってきた。
【0004】
そこでβ−コングリシニンを含有する小麦粉製品を調製することは、アミノ酸組成の改善に加え、生活習慣病の予防・改善の点からも意義深い。特にパンは、毎日摂取することが可能であり、継続的にβ−コングリシニンを摂取するための食品としては好ましい。
【0005】
ところでパンの調製には、小麦粉に対してマーガリン等のW/O型エマルジョンの利用が知られており、乳化剤としてレシチンが用いられる場合もある。その場合、パンの原料に大豆蛋白を用いると原料に大豆蛋白とレシチンを併用することになるが、パンの焼成による膨張化の向上にはなっていない。
【0006】
特開昭58-183030号公報には、製菓・製パン用練り込み油脂組成物に、増粘剤として、例えば蛋白質、該蛋白質としては大豆蛋白等を用いることが開示され、グリセリン高級脂肪酸モノエステルと大豆レシチンを用いることが開示されている。
【0007】
特開昭63−304937号公報には、小麦粉を主成分とする食品の製造方法として、小麦粉100重量部に対して、大豆粉末を好ましくは1〜10重量部添加することが開示されている。この大豆粉末は大豆中の蛋白質、ビタミンE、レシチン等の有効成分を自然の状態のまま残した大豆粉末であることが好ましいとも記載されている。
【0008】
特開平05-130825号公報には、パンの風味改良剤として、この改良剤に大豆レシチン2〜6重量%、大豆ヨ−グルト15〜25重量%を含むことが開示されている。
【0009】
特開平08-266211号公報には、パン用品質改良剤、その製法およびパンの製造法として、グリセリン脂肪酸エステルを含み、さらにレシチンを5〜20重量%および粒径30μm以下の蛋白質粉末を3〜20重量%含有してなるパン用品質改良剤が記載されている。小麦粉100重量部に対して、このパン用品質改良剤0.5〜10重量部を添加してパンを製造することが開示されている。そして効果として、パンの食感や風味を低下させずに老化を効果的に防止できることが開示されている。
【0010】
しかし、大豆β−コングリシニンを主成分とする7S蛋白を含むパンは知られていない。又、ホスファチジルコリンを45重量%以上含むレシチンを用いるパンも知られていない。
【0011】
一般にパンを製造するためには、小麦粉、イースト、イーストフード、食塩、砂糖、水、ショートニング、マーガリン等の公知の製パン用原材料を公知の中種法により製造することができる。中種生地を調製、醗酵後、本捏材料と共にミキシングして本捏生地を調製し、所定のフロアータイムの後に分割、さらに所定のベンチタイムの後に成形、醗酵(ホイロ)、焼成する。公知のパン改良剤はこれらのパン生地の原料の一つとして添加して用いることができる。ところで、パンへのマーガリンやショートニングの添加量は通常最大10重量%で、その中のレシチンも最大5重量%程度であるので、マーガリンやショートニングからくるレシチンは0.1×0.05=0.5重量%と少ないのが通常である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、大豆β−コングリシニンを添加し、かつ嵩・食感・風味が無添加のパンと同等のものを得ることを目的とした。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前期課題を解決すべく鋭意研究の結果、大豆7S蛋白を添加するのに際して、ホスファチジルコリン含量の高いリン脂質(ホスファチジルコリンを45重量%以上含む)を小麦粉に対して0.3〜5重量%添加することにより課題を解決できる知見を得た。さらに、7S蛋白はフィチン酸を除去処理をしたものが、喉通りや食味の上で良好である知見を得た。以上の知見により、本発明を完成するに到った。
【0014】
即ち、本発明は、小麦粉、大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を用いることを特徴とするパンの製造法である。
大豆蛋白中11S蛋白との合計に対する7S蛋白の比が0.4以上であることが好ましい。
7S蛋白の小麦粉に対する量が2〜18重量%であることが好ましい。
リン脂質の小麦粉に対する量が0.3〜5重量%であることが好ましい。
又、本発明は、小麦粉、大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を用いたパンである。
また、本発明は、小麦粉、大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を含むプレミックスである。
また、本発明は、大豆蛋白及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を含む混合物である。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず本発明のパンについて説明する。
一般に大豆蛋白質は数種類の蛋白質から構成されており、その内、可溶性の球状蛋白質(グロブリンとも云う)はその分子量の超遠心沈降係数により、2S、7S、11S、15Sに分類される。そのうち7S(β−コングリシニン)と11S(グリシニン)が大豆のような豆科植物の貯蔵蛋白質には多量に含まれていることが知られている。
【0016】
本発明においては、大豆蛋白質から分画した7Sの含量が高い画分、すなわち7S蛋白を主原料として用いる。この7S蛋白としては、7S/11Sの比率が7/3以上の7Sの豊富な画分が適当である。本発明のパンに7Sを豊富に含ませるためである。
【0017】
大豆蛋白質から7Sを分画する方法は、まず、11Sを除去する。その除去には、現在各グロブリン成分の分画方法として広く用いられいるThahn & Shibasakiの方法(Thahn, V.H. and Shibasaki, K., J Agric. Food Chem., 24, 117, 1976)はもちろん、その他いわゆるクリオプレシピテーション(Briggs, D.R. and Mann, R.L., Cereal Chem., 27, 243, 1950)による冷却不溶区分(Cold-insoluble fruction / CIFと呼ばれる)や、Wolfらによる0.1N塩化カルシウム添加による分画法(Wolf, W.J. and Sly, D.A., Cereal Chem., 44, 653,1967)の内、いずれの分画法によっても良い。
【0018】
また、特願2000-301544号で開示されているように、大豆蛋白溶液を微酸性下で加温した後、pH5.4〜6.6において11Sを含む不溶性画分と7Sを含む可溶性画分とに分画する方法を使用しても良い。
【0019】
上記いずれかの方法により11Sを除去した後、7Sを通常の分離大豆蛋白の作製方法によって分画する。ただし、この際、還元剤は用いずとも十分使用に耐えうる純度の7S蛋白が分画でき、11S以外にも15S等を含むので、7S純度として60%以上、好ましくは70%以上で分画された7S蛋白が得られる。
また、後述する高純度7Sグロブリン大豆蛋白が好ましく、7Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.4以上(0.4〜1)、好ましくは0.8以上(0.8〜1)、より好ましくは0.85以上(0.8〜1)、更に好ましくは0.9以上(0.9〜1)が適当である。
【0020】
分離大豆蛋白には通常蛋白質当たり1重量%程度のフィチン酸が含まれている。フィチン酸とはmyo-イノシトールの6リン酸エステルであり、植物生体内におけるリン酸の主要貯蔵物質である。フィチン酸はカルシウムやマグネシウムを不溶化して生体内への吸収を妨げるため、分離大豆蛋白の機能を向上させるには、フィチン酸を分解する方が良く、少なくとも50%、好ましくは80%分解することが好ましい。
【0021】
そこで、得られた7S蛋白に、フィチン酸分解活性を有するフィターゼやホスファターゼのような酵素または、酵素剤を作用させ、フィチン酸を分解、除去する。このようにしてフィチン酸を7S蛋白質当たり0.2重量%以下、好ましくは、0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下まで分解、除去した低フィチン7Sが本来有している血中の中性脂肪低減能をより高める。
【0022】
低フィチン7S蛋白を分画する方法として、特願平11-089834号で開示されているように、分離大豆蛋白に直接フィチン酸分解活性を有するフィターゼやホスファターゼのような酵素または、酵素剤を作用させることで、11Sの除去とフィチン酸の分解を同時に行うことも可能である。
【0023】
また本発明においては、別法として、育種技術により7Sを種子中の全蛋白質量の50重量%以上含有する大豆から脱脂大豆を作製し、そこから還元剤を使用しないこと以外、通常の分離大豆蛋白質の作製方法によって作製された、7S純度60%以上の7S蛋白を主原料として使用する。この場合も上記同様還元剤は用いずとも十分使用に耐えうる純度の7S蛋白が取得でき、還元剤を含まない方がより広い範囲の用途が期待できる。さらに得られた7S蛋白に、フィチン酸分解活性を有する酵素を作用させる。この酵素の起源は特に限定されないが、例えば、フィターゼやホスファターゼのような酵素または酵素剤を作用させ、フィチン酸を分解、除去することで、7Sが本来有している血中の中性脂肪低減能をより高める。
【0024】
本発明に用いる7S蛋白中のフィチン酸含量は、蛋白質当たり0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下が適当である。
【0025】
高純度7S蛋白の製造法を以下に記載する。
大豆蛋白を含む溶液を微酸性下(pH3.8〜6.8が好ましい)で加温(温度は30〜75℃が好ましい)した後、pH5.6〜6.6において可溶性画分と、不溶性画分に分画することにより7Sグロブリンに富み脂質会合蛋白質の少ない可溶性画分を得ることができる。
また、製造工程中、フィターゼによるフィチン酸分解を施すことにより、分離工程での分離精度を向上させるとともに、低フィチン酸の、高純度7Sグロブリン大豆蛋白を得ることができる。
このような製造法によって得られた可溶性画分は7Sグロブリン/(11Sグロブリン+7Sグロブリン)の比が0.4以上であり、条件を適当に選択することによって当該比が0.8以上、0.85以上、或いは0.9以上の高純度蛋白とすることができる。
また該可溶性画分は11Sグロブリンや7Sグロブリン以外の蛋白の少ない、特に脂質会合蛋白質が10%/全蛋白固形分以下の大豆蛋白であり、より正確な意味での高純度7Sグロブリンとすることができる。
【0026】
本発明に用いる小麦粉は特に限定せず、市販の小麦粉を用いることができる。本発明において、7S蛋白は小麦粉に対して2〜18重量%、好ましくは4〜8重量%が適当である。7S蛋白が多いとパンが出来ず、少ないと大豆7Sの栄養的な意義が薄れ好ましくない。
【0027】
ところで大豆レシチンは一般的にホスファチジルコリンが25重量%、ホスファチジルエタノールアミンが15重量%、ホスファチジルイノシトールが20重量%、ホスファチジン酸とリン酸が5重量%、炭水化物とステロールが5重量%、大豆油が30重量%の組成を有するため、界面活性力が大であり、したがって水と油とを有効に混合分散させ、かつ油脂やビタミン類の酸化防止作用がある。
【0028】
本発明に用いるリン脂質は、ホスファチジルコリンの豊富なレシチンが適当である。レシチンを溶媒分別によりホスファチジルコリン濃度を45重量%以上(45〜100重量%)、好ましくは60重量%以上(60〜100重量%)、より好ましくは75重量%以上(75〜100重量%)含むことが適当である。市販品としてはツルーレシチン製のホスファチジルコリンの豊富なレシチンを利用することができる。
【0029】
ホスファチジンコリン(PC)はラメラ構造をとり、大豆蛋白質のグルテンネットワークへの阻害を防止すると考えられるが、ホスファチジルエタノールアミンや、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸はPCのラメラ構造形成を妨害するので、PC含量の高いリン脂質が必要である。
【0030】
このリン脂質は小麦粉に対して0.3〜5重量%、好ましくは0.6〜3重量%添加することが適当である。リン脂質の添加量が少ないと大豆蛋白質がグルテンネットワーク形成を阻害することを防止する効果が少ない。又、リン脂質の添加量を多くするには風味等の点から限界がある。
【0031】
次に、本発明のパンの製造法について説明する。本発明に用いる7S蛋白は、前述のように製造例の一つとしてThahn & Shibasakiの方法等を利用することができる。又、7S蛋白中のフィチン酸の含量は、蛋白質当たり0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下が適当である。その理由は前述の通りである。
【0032】
本発明においてパンの調製は、大豆7S蛋白を小麦粉に対して2〜18重量%、好ましくは4〜8重量%添加し、パンを製造することが適当である。一食当たりできるだけ多くの大豆7Sを摂取することが適当だからである。大豆7S蛋白の添加量が少ないと大豆7Sの摂取量が少なく、大豆7S蛋白の添加量が多すぎるとパンの風味、食感がパンとして適当でなくなる傾向にある。
【0033】
リン脂質は小麦粉に対して0.3〜5重量%、好ましくは0.6〜3重量%添加することが適当である。このリン脂質が、ホスファチジルコリンを45重量%以上(45〜100重量%)、好ましくは60重量%以上(60〜100重量%)、より好ましくは75重量%以上(75〜100重量%)含むことが適当である。その理由は前述の通りである。
【0034】
パンの原料としてイースト、砂糖、食塩、マーガリンやショートニング、水等を配合することができる。パンの焼成は公知の方法を利用することができる。
【0035】
本発明において、前述の原料を配合し、混練して生地を調製し、醗酵し、成型し、ねかし、焼成してパンを製造することができる。醗酵時間はパン生地やパンの種類により異なるが、パン酵母の醗酵温度でパンが膨化する時間適宜調節することができる。
【0036】
成形は型詰等パンの種類により自由に選択することができる。ねかしは通常の温度と時間で良い。パンの焼成はパンの種類により異なるが通常160℃〜220℃で焼成時間は内部まで焼成できる時間が適当である。
【0037】
以上のようにして得られたパンは、7Sを含み、食感、風味に遜色のない大豆蛋白質強化パンとすることが出来たものである。又、本発明のパンを食することにより、7Sによる血中の中性脂肪を低下させる作用が期待できる。
【0038】
一方、本発明はこれらパンの製造に用いる原料である小麦粉と大豆蛋白のプレミックスとすることもできる。このプレミックスは、小麦粉、大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を含むことが特徴である。
各成分の詳細は前述の通りである。このプレミックスはパン用だけでなく小麦粉を用いるベーカリーや製菓などにも用いることができる。
【0039】
また、本発明はこれらパン、プレミックスの原料としての大豆蛋白とリン脂質の混合物とすることができる。この混合物は、大豆蛋白及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を含む混合物である。各成分に関する説明は前述の通りである。
この混合物は、例えば7S蛋白溶液を噴霧乾燥や流動床乾燥する際に噴霧してコーティングするなどして製造することができる。
この混合物はパンやプレミックスの原料としてだけでなく、例えばフライ用衣材の原料などとして利用することにより電子レンジ処理したあとのサクサク感を向上させることが期待できる。
【0040】
【実施例】
以下実施例により本発明の実施態様を説明する。
なお、実施例に用いた分析方法は以下の通りである。
*粗蛋白質;ケールダール法に基づき窒素含量を求め、係数6.25をかけて粗蛋白質に換算した。
*SDS-ポリアクリルアミド電気泳動;Laemmli(Nature,227,680(1970))の方法に基づきゲル濃度10−20%のグラディエントゲルで分析した。アプライ量は10μgとした。
*フィチン酸;Alii Mohamed の方法(Cereal Chemistry 63, 475-478.1986)に準拠して測定した。
*クロメタ油分;試料乾物に対してクロロホルム・メタノールの混合液(容量比、2:1)を約50倍加え、還流抽出される固形分の重量比をクロメタ油分として測定した。
*純度(SPE基準);上記のSDS-ポリアクリルアミド電気泳動で得られた泳動パターンをデンシトメーターで測定し、その全体に対する該当画分の面積比率を純度(SPE基準)とした。ここに7Sグロブリン含量はα、α’、βサブユニットの総量を指し、11Sグロブリン含量は酸性ポリペプチド(A)と塩基性ポリペプチド(B)の総量を指す。
*補正純度;上記で得られた純度(SPE基準)から、混在する脂質会合蛋白質の量も考慮した補正純度を以下のように算出した。すなわち試料の純度(SPE基準)の値をA%として、当該試料中には7Sグロブリン及び11Sグロブリン以外にクロメタ油分の10重量倍に相当する脂質会合蛋白質も存在するので、7Sグロブリン及び11Sグロブリンに脂質会合蛋白質の量を含めた合計蛋白に対する純度として算出する。
補正純度(%)=(100(%)−クロメタ油分(%)×10)×A(%)/100
【0041】
製造例1(7S蛋白の製造)
市販の低変性脱脂大豆を原料として、Thahn & Shibasakiの方法で脱脂豆乳から冷沈により11S蛋白を除き、その上清を酸沈殿させ、遠心分離により7S蛋白の沈殿を得た。本画分中の7Sの純度は蛋白質に対して75%であった。得られた沈殿はpH7.0に中和し、120℃で20秒の高温短時間殺菌を行った後、噴霧乾燥して以下の実施例に用いた。
【0042】
なお、上記の工程で得た7S蛋白の沈殿に対し、フィターゼ(フィターゼノボL、ノボインダストリー社製)を反応させ、フィチン酸を分解しフィチン酸含量を20重量%以下に減少させた試料を「低フィチンタイプのβ−コングリシニン」として用いた。
グリシニン(11S);上記の方法の中で得られた11S蛋白についても7S蛋白と同様pH7.0に中和し、120℃で20秒の高温短時間殺菌を行ったのち、噴霧乾燥して以下の実施例3に用いた。
【0043】
製造例2(低フィチン7S蛋白の製造)
脱脂大豆に1:10の重量割合で水を加え、随時pHを7.0に調整しながら1時間撹拌し、この混合物を遠心分離(4,000rpm、20℃で10分間)し、得られた上澄液をpH6.0に調整して、フィターゼ(フィターゼノボL:ノボインダストリー社製)を蛋白質当たり0.2重量%添加後、40℃で1時間反応させた。この反応液をpH6.2に調整後、遠心分離(4,000rpm、20℃で10分間)して得られた上澄液を、pH5.0に調整し、遠心分離(4,000rpm、4℃で10分間)して得られた沈殿物を回収し、得られた沈殿物に加水後、pH7.0に中和して殺菌し、噴霧乾燥して低フィチン7S蛋白を得た。このようにして得られた低フィチン7S蛋白はフィチン酸含量が蛋白質当たり0.05重量%であり、フィチン酸がほぼ完全に分解、除去されていることを確認した。
尚、製造例1及び製造例2で得られた7S蛋白は純度が75重量%以上を占める7Sの豊富なものであった。
【0044】
(パンの調製)
パンを調製する方法としては、強力粉100重量部(以下、部)、イースト2部、砂糖5部、食塩2部、ショートニング5部、水67部の基本配合を用いた。パンの焼成条件は以下の通りとした。
各表の配合の生地を混練し、醗酵(28℃、40分)し、成形・型詰めし、ねかし(36℃、40分)、焼成(180℃、13分)してパンを得た。尚、得られたパンの評価の方法は以下とした。
パンの容積;ナタネ法を用い、パンの容積を測定し、大豆蛋白質無添加のコントロールを100として相対値を求めた。
食感の評価;パネラー20人で官能評価を行った。10点を標準に、コントロールに対してどの程度劣るかを評価した。5点のレベルは一応パンとして食べることのできる限界と設定した。
【0045】
実施例1
パンの調製の項で示した製法と配合を基本に、小麦粉に対して2.5重量%〜10重量%の7S蛋白を添加したパンを調製した。7S蛋白の粉末は他の素材と同時に生地混練時に添加した。
【0046】
結果は(表1)に示したとおりで、7S蛋白(7S)を2.5重量%添加した場合でもコントロールより劣る状態となり、5重量%添加では容積は80%まで低下し、食感も著しく劣化した(実験1〜5)。また、フィチン酸を分解した7S蛋白(低P7S)は、パンの容積に関与しなかった(実験6)。
【0047】
Figure 0003695388
但し、略号の説明は以下の通り。
PR−O;添加する蛋白の種類
PR−A;添加する蛋白の割合(重量%);対小麦粉
PL−A;レシチンの添加割合(重量%);対小麦粉
PC;レシチン中のホスファチジルコリンの割合(重量%)
VOL;パンの容積の相対比率:無添加を100として
TEX;パンの官能評価の点数
以降の表においても同様の意味である。
【0048】
実施例2
7S蛋白を添加したパンの製パン性に対するリン脂質の影響を調べた。リン脂質は、ツルーレシチン製のペースト状レシチンの製品群からホスファチジルコリン(PC)の含量が30〜95重量%のものを用いた。添加方法は、製パン時に使用する水に分散させ、約5分間超音波処理によって均一化させて用いた。その結果を(表2)に示した。
【0049】
Figure 0003695388
【0050】
7S蛋白が5重量%添加されたパンにおいて、ホスファチジルコリン(PC)の含量が30重量%のリン脂質を6重量%添加してもパンの容積を回復させることはできなかったが(実験7〜9)、PCを50重量%以上含むリン脂質はパンの容積を改善し、特にPC含量が95重量%のリン脂質においては、2重量%の添加で大豆蛋白質無添加のコントロールとほぼ同等の容積となった(実験10〜13)。しかし、PC含量が95重量%のリン脂質の添加量2重量%から3重量%に増やしても、パンの容積がコントロールより増加することはなかった(実験13〜15)。
【0051】
これらの結果より、7S蛋白による製パン性劣化の改善方法として、リン脂質が有効である。
【0052】
その場合リン脂質の中のホスファチジルコリンの含量が重要であり、少なくとも50重量%以上の含量が必須であることが判った。
【0053】
以上の結果は、7S蛋白が製パン時に起こる小麦蛋白質のグルテンネットワーク形成に対して、異種蛋白質としてネットワークを阻害する方向に働くことを示している。
【0054】
一方、ホスファチジルコリンは7Sと結合し、構造変化を起こすことが知られており(M. Otsuru et al., Agric. Biol. Chem., 43, 765-770, 1979)、その相互作用によって阻害因子としての性質が改善できたと考えられる。
【0055】
実施例3
7S蛋白以外の大豆蛋白画分である11S蛋白(11S)、低フィチン酸11S蛋白(低P11S)、分離大豆蛋白(SPI)について、同様の検討を行った。結果は(表3)の通りで、PCはフィチン酸を分解した低フィチン7S蛋白に対しても同様な効果を示した。また、低フィチン7S蛋白は蛋白自体の風味に優れ、パンの完成度としてはより無添加のものに近づいた(実験1、3、13〜15)。
【0056】
一方、ホスファチジルコリンの効果は11S蛋白に対しては認められなかったものの、11Sと7Sの混合物である分離大豆蛋白においてはその効果を認めることができ、7S蛋白とPCの相互作用が製パン性改良に効果のあることが示された(実験16〜19)。
【0057】
Figure 0003695388
【0058】
製造例3
大豆を圧扁し、n-ヘキサンを抽出溶媒として油を抽出分離除去して得られた低変性脱脂大豆(窒素可溶指数:NSI 91)1重量部に、10重量部の抽出水を加え、室温、pH7.0において1時間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳を得た。この脱脂豆乳を塩酸を用いてpH4.8の酸性下に調整し、60℃で加温を行った。pH調整した脱脂豆乳が所定の温度に達した後、直ちに30℃付近まで冷却し、pH5.8に調整してバッチ式遠心分離機(3,000G)で7Sグロブリンを含む可溶性画分と11Sグロブリンを含む不溶性画分を遠心分離した。
上記分離後の可溶性画分と不溶性画分の、7Sグロブリンと11Sグロブリンの存在比(SDS-ポリアクリルアミド電気泳動法による泳動パターンをデンシトメーターで測定した該当画分の面積比率)(以下同じ)を下記表4に示した。
【0059】
Figure 0003695388
【0060】
また、得られた可溶性画分および不溶性画分のクロメタ油分は各々固形分中0.9重量%、3.2重量%で、不溶性画分への脂質会合蛋白質の濃縮が確認された。
【0061】
実施例4
製造例3と同様にして得た7Sグロブリンを用いて実施例1と同様にしてパンを製造した。
7Sグロブリン入りパンの容積に対する各リン脂質の影響を、精製したリン脂質を用いて調べた。ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、コリン(CH)は市販試薬(和光純薬(株))を用い、ホスファチジン酸(PA)、リゾホスファチジルコリン(リゾPC)は下記のように調製した。
ホスファチジン酸(PA)の調製;ホスファチジルコリン5gをジエチルエーテル50mlに溶解し、8%NaCl 50mlとホスホリパーゼD(750unit/750μl)を加え30℃で40時間反応させた。
反応後反応液のエーテル層(上層)を取りだし、窒素気流下で乾燥させホスファチジン酸(PA)のサンプルとした。
リゾホスファチジルコリン(リゾPC);ホスファチジルコリン10gをジエチルエーテル100mlに溶解し、10mM CaCl2/50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.9)100mlとホスホリパーゼA2(1000unit)を加え、25℃で1時間反応させた。反応液からエーテルを窒素気流下で蒸発させた後水層からリゾホスファチジン酸(リゾPC)をBlighとDyerの方法で抽出しサンプルとした。
上記サンプルを用い、7Sグロブリンの添加量を5重量%に設定して実施例1と同様な方法でパンを調整した。パン容積の評価は、実施例1と同様に7Sグロブリンもリン脂質も加えないコントロール区を100%として行った。結果は(表5)に示した。
【0062】
Figure 0003695388
【0063】
上記のように7Sグロブリンを添加したパンの容積をコントロールと同レベルに改善するにはホスファチジルコリンのみが有効で、他のリン脂質は効果が無い。また、ホスファチジルコリンの分子構造の一部であるコリン(CH)やホスファチジン酸のみでは効果が少なく、ホスファチジルコリンの分子構造全体で機能をしいてることが示唆された。
【0064】
【発明の効果】
本発明により、大豆蛋白質、特にその主要構成成分のβ−コングリシニンを豊富に含有し、栄養・生理効果が高く、かつ食品としておいしく摂取できるパンおよびその製法が可能になったものであり、健康的な食生活に極めて有用な発明である。

Claims (6)

  1. 小麦粉、大豆蛋白中11S蛋白との合計に対する7S蛋白の比が0 . 4以上である大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を用いることを特徴とするパンの製造法。
  2. 7S蛋白の小麦粉に対する量が2〜18重量%である請求項1記載のパンの製造法。
  3. リン脂質の小麦粉に対する量が0.3〜5重量%である請求項1記載のパンの製造法。
  4. 小麦粉、大豆蛋白中11S蛋白との合計に対する7S蛋白の比が0 . 4以上である大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を用いたパン。
  5. 小麦粉、大豆蛋白中11S蛋白との合計に対する7S蛋白の比が0 . 4以上である大豆蛋白、及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を含むプレミックス。
  6. 大豆蛋白中11S蛋白との合計に対する7S蛋白の比が0 . 4以上である大豆蛋白及びホスファチジルコリン含有量が45重量%以上のリン脂質を含む混合物。
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