JP3695337B2 - 操作速度情報出力方法、操作速度情報出力装置および記録媒体 - Google Patents
操作速度情報出力方法、操作速度情報出力装置および記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器の操作状態の検出に用いられる操作速度情報出力方法、操作速度情報出力装置および記録媒体に関し、特に鍵の操作状態の検出に用いて好適な操作速度情報出力方法、操作速度情報出力装置および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子鍵盤楽器等に用いられる鍵には、鍵速度等を検出するために、複数箇所の鍵位置を検出するセンサが設けられている。センサを機械式接点によって構成する場合には、例えば鍵を押下するに従って順次オン状態になる第1および第2接点が設けられ、両接点がオン状態になる間隔を測定することによって押鍵速度を検出することができ、両接点がオフ状態になる間隔を測定することによって離鍵速度を検出することができる。
【0003】
近年、鍵盤の製造コストを抑えるとともに精度を確保するために、弾性変形する部材によって接点を構成する技術が提案されている(特開平8−235952号公報)。その一例を図8を参照し説明する。同図(a)は接点部分の縦断面図、(b)は平面図を示す。この例においては、可動接点側の構成は、押圧部29の先端に形成された第1可動接点25と、円筒状に連続したドーナツ形の第2可動接点26とから構成されている。また、固定接点6は、実質上十字形の放射状パターンであって、中央の内パターン1と、外側の外パターン2と、その中間の共通パターン3とをそれぞれ所定の間隔を隔てて形成したものである。
【0004】
内パターン1と共通パターン3とにより内ペア4が構成され、外パターン2と共通パターン3とにより外ペア5が構成されている。各パターン1、2、3はそれぞれ接点端子部T1、T2、T3を介して外部配線パターンに接続され、これを通して内パターン1および外パターン2は抵抗を介してアースに接続され、共通パターン3は電源電圧Vに接続される。内パターン1および外パターン2は電圧検出回路(図示しない)に連結され、例えば各種楽音制御に利用される。
【0005】
このような構成の2メイクスイッチ27において、押圧部29を押圧してスイッチを押し下げると、まず中央の円形第1可動接点25が内ペア4に当接し、接点端子T1、T3間を閉成する。さらにスイッチを押し下げることにより、ドーナツ形第2可動接点26が内パターン1、外パターン2および共通パターン3のすべてに跨がって当接して、外ペア5の接点端子T1、T2間を閉成するとともに、第1可動接点により閉成されている接点端子T1、T3間をさらに閉成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したように弾性変形する部材を接点に用いた場合には、接点部分の複雑な挙動によって、従来では考えられなかったような態様のチャタリングが発生する。この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、チャタリングが発生しても支障なく、正確な操作検出を可能とする操作速度情報出力方法、操作速度情報出力装置および記録媒体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の構成にあっては、操作子の操作(押鍵)によって検出状態が変化する第1および第2の操作検出手段を用いて、これら第1および第2の操作検出手段の検出状態が変化する時間間隔に基づいて該操作子の操作速度情報を出力する操作速度情報出力方法であって、前記第1の操作検出手段の、第1の状態(オフ状態)から第2の状態(オン状態)への変化(図4(c)の第1接点の最初のオン)を検出して時間測定を開始する第1検出過程と、該第1検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第2の状態(オン状態)から前記第1の状態(オフ状態)への変化(図4(c)の第1接点の最初のオフ)を検出する第2検出過程と、該第2検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第1の状態(オフ状態)から前記第2の状態(オン状態)への変化(図4(c)の第1接点の2回目のオン)を検出すると、前記第1検出過程において開始された時間測定をクリアして再度時間測定を開始する第3検出過程と、該第3検出過程の後に、前記第2の操作検出手段の状態変化(図4(c)の第2接点のオン)を検出する第4検出過程と、前記第4検出過程における時間測定結果に基づいて前記操作速度情報を出力する出力過程とを有することを特徴とする。
また、請求項2記載の構成にあっては、操作子の操作によって検出状態が変化する第1および第2の操作検出手段を用いて、これら第1および第2の操作検出手段の検出状態が変化する時間間隔に基づいて該操作子の操作速度情報を出力する操作速度情報出力装置であって、前記第1の操作検出手段の、第1の状態から第2の状態への変化を検出して時間測定を開始する第1検出手段と、該第1検出手段が前記時間測定を開始した後に、前記第1の操作検出手段の、前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出する第2検出手段と、該第2検出手段が前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出した後に、前記第1の操作検出手段の、前記第1の状態から前記第2の状態への変化を検出すると、前記第1検出手段において開始された時間測定をクリアして再度時間測定を開始する第3検出手段と、該第3検出手段によって前記時間測定が再度開始された後に、前記第2の操作検出手段の状態変化を検出する第4検出手段と、前記第4検出手段が前記第2の操作検出手段の状態変化を検出した際の時間測定結果に基づいて前記操作速度情報を出力する出力手段とを有することを特徴とする。
また、請求項3記載の構成にあっては、操作子の操作によって検出状態が変化する第1および第2の操作検出手段を用いて、これら第1および第2の操作検出手段の検出状態が変化する時間間隔に基づいて該操作子の操作速度情報を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、前記第1の操作検出手段の、第1の状態から第2の状態への変化を検出して時間測定を開始する第1検出過程と、該第1検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出する第2検出過程と、該第2検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第1の状態から前記第2の状態への変化を検出すると、前記第1検出過程において開始された時間測定をクリアして再度時間測定を開始する第3検出過程と、該第3検出過程の後に、前記第2の操作検出手段の状態変化を検出する第4検出過程と、前記第4検出過程における時間測定結果に基づいて前記操作速度情報を出力する出力過程とを前記コンピュータに実行させるプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
1.実施形態のハードウエア構成
次に、本発明の一実施形態の電子鍵盤楽器のハードウエア構成を図1を参照し説明する。
図において52は鍵盤であり、複数の鍵が配列されている。各鍵には、図8において説明したように、押鍵に伴って最初にオン状態になる第1接点10(1st Make)と、さらに深く押下された時にオン状態になる第2接点12(2nd Make)とが設けられている。各接点は、例えば音名(C〜B)を一方の軸、オクターブ数を他方の軸とするダイオードマトリクス回路上に配置すると好適である。54はキースキャンCPUであり、鍵盤52における各接点の状態を検出する。56はROMであり、キースキャンCPU54の制御プログラムが格納されている。58はRAMであり、バス60を介してキースキャンCPU54のワークメモリとして用いられる。
【0009】
これらキースキャンCPU54、ROM56、RAM58およびバス60は、1個のLSI(ワンチップマイコン)上に実装される。64はシステムCPUであり、内部バス62を介してキースキャンCPU54から鍵操作状態(キーオン、キーオフおよびベロシティ等)を受信するとともに、バス74を介して電子鍵盤楽器内の各部を制御する。66はROMであり、システムCPU64の制御プログラム、各種波形データ、楽音パラメータ等が記憶されている。68はRAMであり、システムCPU64のワークメモリとして用いられる。70は操作表示部であり、ユーザに対して各種情報を表示するとともに、各種動作モード等の設定を行うことが可能である。72は音源部であり、システムCPU64の指令に基づいて楽音信号を合成する。
【0010】
2.実施形態のデータ構成
次に、図2を参照し、ROM56およびRAM58に格納されるデータ構成について説明する。
同図(a)において、ROM56には、キースキャンCPU54の制御プログラムを格納するCPUプログラム領域562と、後述する様々なタイミング情報等を格納するプリセットデータ領域564とが設けられている。である。また、同図(b)において、RAM58の先頭部分にはCPUワークエリア582が設けられ、その後にTDC用エリア584、MASKTM用エリア586、RTRGTM用エリア588およびステータスレジスタ領域590が順次設けられている。
【0011】
同図(b)においてTDC用エリア584は、鍵のベロシティを測定するために設けられたものであり、鍵の第1接点10がオン状態になった後第2接点12がオン状態になるまでの時間、換言すればタイマ割込みが発生した回数をカウントする時間差計測カウンタTDCが記憶される。また、本実施形態においては、キースキャンCPU54がキーオン信号を送信した後、一定のマスク時間は当該鍵に係るキーオフ信号信号を送信することを禁止している。MASKTM用エリア586には、このマスク時間をカウントするマスクタイマMASKTMが記憶される。
【0012】
また、本実施形態においては、第1接点10のオンオフ状態が頻繁に変化した場合は、最後に発生したオン状態への遷移を用いて各種制御を行うこととしている。例えば、第1接点10がオン状態に遷移し、一旦オフ状態に遷移し、さらに2回目のオン状態に遷移した場合、オフ状態に遷移した後に2回目のオン状態に遷移した間隔が所定時間内であれば、2回目のオン状態のタイミングに基づいてベロシティの計算等が行われる。RTRGTM用エリア588には、かかる判定を行うために、タイマ割込みが発生する毎にカウントアップされるリトリガータイマRTRGTMが記憶される。
【0013】
また、RAM58の終端部分にはステータスレジスタ領域590が設けられる。ここには、各鍵の状態を記憶するステータスレジスタSTATUSが設けられる。上記鍵盤52内の各鍵には鍵番号Kn(Kn=K1, …Ke)が付与されており、ステータスレジスタSTATUSは各鍵に対応して一対一に設けられている。そこで、鍵番号Knに対応するステータスレジスタを「STATUS(Kn)」のように表記する。一方、上記時間差計測カウンタTDC、マスクタイマMASKTMおよびリトリガータイマRTRGTMは、全鍵の数より少ない数だけ設けられており、必要に応じて鍵番号Knに対応して割り当てられる。そこで、これらについても、鍵番号Knに対応させて「TDC(Kn)」、「MASKTM(Kn)」、「RTRGTM(Kn)」のように表記する。
【0014】
次に、各ステータスレジスタSTATUS(Kn)の内容を同図(c)を参照し説明する。ステータスレジスタの第0ビット(最下位ビット)は、鍵の第1接点10がオン状態であるか否かを示すビットであり、“1”がオン状態であることを示す。また、第1ビットは鍵の第2接点12がオン状態であるか否かを示すビットであり、“1”がオン状態であることを示す。また、第2ビットはシステムCPU64に対してキーオン信号を送信したか否かを示すビットであり、“1”が送信済みであることを示す。また、第3ビットはキーオフ・マスク状態すなわちキーオフの送信を禁止している状態であるか否かを示すビットであり、“1”がマスク状態(キーオフの送信を禁止している状態)であることを示す。
【0015】
また、第4ビットは、ベロシティの計測中であるか否かを示すビットであり、“1”が計測中であることを示す。また、第5ビットはキーオフ・送信ミス状態であるか否かを示すビットであり、キースキャンCPU54からシステムCPU64へのキーオフ信号の送信が失敗した時に“1”に設定される。以後、本明細書においては、ステータスレジスタSTATUS(Kn)の内容を、第5ビット〜第0ビットの順に配列して“010001”のように表記する。
【0016】
3.実施形態の動作
3.1.休止状態
次に、本実施形態の動作を説明する。
まず、電子鍵盤楽器の電源が投入されると、キースキャンCPU54において図5,図6に示すメインルーチンが実行される。図において処理がステップSP2に進むと、所定の初期設定が行われ、鍵番号Knが初期値すなわち「1」に設定される。次に、ステップSP4〜SP14においては、ステータスレジスタSTATUS(Kn)の内容に応じて処理が分岐される。まず、鍵番号Knの鍵が離鍵されている状態ではステータスレジスタSTATUS(Kn)は“000000”であるため、処理はステップSP4を介してステップSP16に進む。
【0017】
ここでは、鍵番号Knの第1接点10がオン状態であるか否かが判定される。鍵番号Knの鍵が全く押下されていなければここで「NO」と判定され、処理はステップSP72に進む。ここでは、全ての鍵番号KnについてステップSP4〜SP70の処理が完了したか否かが判定される。未だ完了していなければ「NO」と判定され、処理はステップSP74に進み、鍵番号Knが「1」だけインクリメントされ、処理はステップSP4に戻る。そして、インクリメントされた鍵番号Knに基づいて再びステップSP4以降の処理が実行される。その後、鍵番号Knがインクリメントされ続け、鍵番号Knが最終鍵番号Keに達した後に再び処理がステップSP72に進むと、ここで「YES」と判定される。これにより、処理はステップSP2に戻り、鍵番号Knが再び「1」に設定される。以後、同様の動作が繰り返されることになる。
【0018】
3.2.通常の鍵操作
3.2.1.押鍵
次に、チャタリングが起きない状態における鍵操作に対する動作を説明する。鍵番号Knの鍵が押下されてゆくと、やがて第1接点10がオン状態になる。その後に処理がステップSP16に進むとその旨が検出される。これにより、ここで「YES」と判定され、処理はステップSP18に進む。ここでは、鍵番号Knに対して時間差計測カウンタTDC(Kn)が割り当て可能か、すなわち時間差計測カウンタに空きがあるか否かが判定される。割当可能であれば処理はステップSP20に進み、割当処理が行われる。
【0019】
次に、処理がステップSP22に進むと、時間差計測カウンタTDC(Kn)の値(初期値)として「0」が設定され、その状態がSTART状態(計測状態)に設定される。次に、処理がステップSP24に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”に設定される。すなわち、第1接点10がオン状態になったために第0ビットが“1”に設定され、時間差計測カウンタTDC(Kn)を用いたベロシティの計測中が開始されたために第4ビットが“1”に設定されるのである。以上のステップが終了すると、処理はステップSP72に進み、次の鍵番号Kn+1あるいは最初の鍵番号K1に係る処理が実行される。
【0020】
その後、鍵番号が再び上記Knになった後に処理がステップSP4に進むと、処理はステップSP6を介してステップSP8に進む。ここでは、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP32に進み、鍵番号Knの第1接点10がオフ状態であるかか否かが判定される。通常の押鍵操作では、この状態において第1接点10がオフ状態にならないため、「NO」と判定され、処理はステップSP38に進み、第2接点12がオン状態であるか否かが判定される。第2接点12が未だオフ状態であれば、ここで「NO」と判定され、処理はステップSP74に戻る。以後、当該鍵番号Knについてのメインルーチンの処理においては、上述したステップが繰り返され、実質的な処理は行われない。
【0021】
本実施形態においては、所定時間毎にタイマ割込が発生し、図7に示すタイマ処理ルーチンが起動される。図において処理がステップSP102に進むと、鍵番号Knに初期値すなわち「1」が設定される。なお、本ルーチンにおける鍵番号Knは、メインルーチンの鍵番号Knとはスコープが異なる別の変数である。
【0022】
次に、処理がステップSP104に進むと、時間差計測カウンタTDC(Kn)はSTART状態に設定されているか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP106に進み、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010000”以外の値であるか否かが判定される。上記例においては、ステップSP24においてステータスレジスタSTATUS(Kn)は“010001”に設定されたから「YES」と判定され、処理はステップSP108に進む。
【0023】
ここでは、時間差計測カウンタTDC(Kn)の値が時間差最大値TDCmax未満であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、ステップSP110においてカウンタTDC(Kn)が「1」だけインクリメントされる。一方、「NO」と判定された場合には、ステップSP110はスキップされ、カウンタTDC(Kn)の値は保持される。次に、処理がステップSP116に進むと、マスクタイマMASKTM(Kn)がスタート設定されているか否かが判定される。この時点ではマスクタイマMASKTM(Kn)はスタート設定されていないため、「NO」と判定され、処理はステップSP126に進む。ここでは、リトリガータイマRTRGTM(Kn)がスタート設定されているか否かが判定される。この時点ではリトリガータイマRTRGTM(Kn)はスタート設定されていないため、「NO」と判定され、処理はステップSP136に進む。
【0024】
処理がステップSP136においては、鍵番号Knが最終鍵番号Keに達したか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP138に進み、鍵番号Knが「1」だけインクリメントされ、新たな鍵番号KnについてステップSP104以降の処理が繰り返される。一方、全鍵番号KnについてステップSP104以降の処理が完了し鍵番号Knが最終鍵番号Keに達していた場合には、ステップSP136において「YES」と判定され、処理はメインルーチンに戻る。
【0025】
メインルーチン(図5,図6)においては、鍵番号Knの第2接点12がオフ状態である限り、ステップSP8,SP32,SP38を介するループが繰り返され、実質的な処理は行われないが、上述したようにタイマ処理ルーチンによってカウンタTDC(Kn)は逐次更新されている。これにより、第1接点10がオン状態になった後の経過時間が、時間差最大値TDCmaxを限度として計測されることになる。その後、鍵番号Knの鍵がさらに深く押下され第2接点12がオン状態になると、ステップSP38において「YES」と判定され処理はステップSP40に進む。
【0026】
ステップSP40においては、時間差計測カウンタTDC(Kn)がSTOP状態に設定され、それ以降のカウント処理が禁止される。さらに、ステップSP40においては、カウンタTDC(Kn)の内容に基づいて、ベロシティVEL(Kn)が求められる。具体的には、ベロシティVEL(Kn)は、カウンタTDC(Kn)に対する演算、テーブル参照、あるいはそれらの組み合わせによって求められる。次に、処理がステップSP42に進むと、鍵番号KnおよびベロシティVEL(Kn)を伴って、キースキャンCPU54からシステムCPU64にキーオン信号が送信される。これにより、周知の電子楽器と同様に、システムCPU64においては、楽音信号が合成され、音源部72を介して楽音信号が発音される。
【0027】
3.2.2.離鍵マスク
次に、処理がステップSP46に進むと、鍵番号KnのマスクタイマMASKTM(Kn)の値が「0」に設定され、マスクタイマMASKTM(Kn)がSTART状態に設定される。次に、処理がステップSP48に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)の内容が“001111”に設定される。すなわち、ステータスレジスタSTATUS(Kn)の内容は元々“010001”であったが、鍵の第2接点12がオン状態になったため第1ビットが“1”に設定され、キーオフ・マスク状態すなわちキーオフの送信を禁止している状態であるから第3ビットが“1”に設定され、ベロシティの計測が終了したために第4ビットが“0”に設定されたのである。
【0028】
さて、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“001111”になると、ステップSP4〜SP4の何れにおいても「NO」と判定されるため、当該鍵番号Knについてはメインルーチン(図5,図6)において実質的な処理が行われなくなる。この場合においても、所定時間毎にタイマ割込みが発生し、タイマ処理ルーチン(図7)が起動される。先にステップSP40においてカウンタTDC(Kn)がSTOP状態に設定されたから、図7において処理がステップSP104に進むと、ここで「NO」と判定され、処理はステップSP116に進む。
【0029】
先のステップSP46においてはマスクタイマMASKTM(Kn)はSTART状態に設定されたから、ステップSP116においては「YES」と判定される。次に、処理がステップSP118に進むと、マスクタイマMASKTM(Kn)が「1」だけインクリメントされる。次に、処理がステップSP120に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“001111”であるか否かが判定される。先にステップSP48においてステータスレジスタSTATUS(Kn)は“001111”に設定されたから、ここでは「YES」と判定される。
【0030】
次に、処理がステップSP122に進むと、マスクタイマMASKTM(Kn)の値がマスクタイマ最大値MASKTMmax以上になったか否かが判定される。なお、マスクタイマ最大値MASKTMmaxは、鍵の構造等に基づいて予め定められている。まだマスクタイマMASKTM(Kn)の値がマスクタイマ最大値MASKTMmaxに達していなければ「NO」と判定され、処理はステップSP126に進む。ここで、リトリガータイマRTRGTM(Kn)は未だスタート設定されていないために「NO」と判定され、処理はステップSP136に進む。
【0031】
以上のように、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“001111”になると、当該鍵番号Knに係るマスクタイマMASKTM(Kn)がタイマ割込みの度にインクリメントされてゆく。それ以外には、鍵番号Knについて実質的な処理は行われず、第1および第2接点12の状態の変化が起ったとしても、処理に影響が及ばない。やがて、マスクタイマMASKTM(Kn)がマスクタイマ最大値MASKTMmaxに達すると、ステップSP122において「YES」と判定され、処理はステップSP124に進む。ここでは、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000111”に設定される。すなわち、キーオフ・マスク状態を解消し、キーオフ信号の送信を可能ならしめるため、第3ビットが“0”に設定される。
【0032】
3.2.3.離鍵
ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000111”に設定されると、以後はメインルーチンのステップSP12において「YES」と判定され、処理はステップSP56に進む。ここでは、第2接点12がオフ状態であるか否かが判定される。未だオフ状態でなければ「NO」と判定され、処理はステップSP72に進む。従って、かかる状態では実質的な処理が行われない。
【0033】
ここで、鍵番号Knの離鍵が開始されると、やがてその第2接点12がオフ状態になる。その後に処理がステップSP56に進むと、ここで「YES」と判定され、処理はステップSP58に進み、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000101”に設定される。すなわち、第2接点12がオフ状態になったため、第1ビットが“0”に設定される。
【0034】
その後、メインルーチンにおいては、当該鍵番号KnについてはステップSP14を介して処理はステップSP60に進む。ここでは、第2接点12がオン状態になったか否かが判定される。通常の離鍵状態においては、一旦オフ状態になった第2接点12はオン状態にはならない。従って、ここでは「NO」と判定され、処理はステップSP64に進み、第1接点10がオフ状態であるか否かが判定される。未だ第1接点10がオフ状態になっていなければここで「NO」と判定され、処理はステップSP72に進む。
【0035】
以後、メインルーチンにおいて、該鍵番号Knについては、第1接点10がオフ状態になるまでは、ステップSP14,SP60,SP64が繰り返され実質的な処理は行われない。その後、鍵がさらに上昇して第1接点10がオフ状態になると、ステップSP64において「YES」と判定され、処理はステップSP66に進む。ここでは、キースキャンCPU54からシステムCPU64に鍵番号Knを伴ったキーオフ信号が送信される。これにより、周知の電子楽器と同様に、システムCPU64においては、当該鍵番号Knに係る消音処理等が実行される。
【0036】
次に、処理がステップSP68に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000000”すなわち初期状態に設定される。次に処理がステップSP70に進むと、該鍵番号Knに割り当てられていた時間差計測カウンタTDC(Kn)が解放され、他の鍵の時間差計測に割り当てることが可能になる。
【0037】
3.3.時間差計測カウンタの割当が不可能である場合の動作
上述したステップSP18においては、鍵番号Knに対して時間差計測カウンタTDC(Kn)が割り当て可能か、すなわち時間差計測カウンタに空きがあるか否かが判定された。ここで、割り当てが不可能であった場合は、処理はステップSP26に進み、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000001”に設定される。すなわち、第1接点10がオン状態になったために第0ビットが“1”に設定されるが、ベロシティの計測が行われていないために第4ビットは“0”に保持されたままになる。
【0038】
その後、当該鍵番号Knについて再びステップSP4以降の処理が実行されると、ステップSP6において「YES」と判定され、処理はステップSP28に進む。ここでは、第1接点10がオフ状態であるか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると実質的な処理は行われないが、「YES」と判定されると処理はステップSP30に進み、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000000”(初期状態)に戻される。結局、カウンタTDC(Kn)が割り当て不可能であった場合は、当該鍵操作に対してキーオン信号もキーオフ信号もシステムCPU64には送信されないため、全く発音が行われないことになる。
【0039】
3.4.浅い押鍵操作に対する処理
浅い押鍵操作が行われた場合には、まず第1接点10がオン状態になり、第2接点12がオン状態になることなく、比較的長い時間が経過した後に第1接点10がオフ状態になる。かかる場合の動作を説明する。まず、初期状態(ステータスレジスタSTATUS(Kn)=“000000”)において第1接点10がオン状態になり、かつ、時間差計測カウンタTDC(Kn)の割当が可能であれば、上記ステップSP20〜SP24の処理を介してステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”に設定される。
【0040】
次に、第1または第2接点12に変化が現れるまで、当該鍵番号Knについては、ステップSP8,SP32,SP38の判定が実行されるが、メインルーチンにおいては実質的な処理は実行されない。その期間中、カウンタTDC(Kn)はタイマ割込みが生ずる毎に「1」づつインクリメントされてゆく。ここで、第1接点10がオフ状態になると、ステップSP32において「YES」と判定され、処理はステップSP34に進む。
【0041】
ここでは、リトリガータイマRTRGTM(Kn)の値が「0」に設定され、リトリガータイマRTRGTM(Kn)がSTART状態に設定される。次に処理がステップSP36に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010000”に設定される。すなわち、第1接点10がオフ状態になったために第0ビットを“0”に設定したが、これは単なるチャタリングの可能性があるため、ベロシティの測定状態を続行するために、第4ビットを“1”のまま保持したものである。
【0042】
次に、メインルーチンにおいて再びステップSP4以降の処理が実行されると、ステップSP10において「YES」と判定されるから処理はステップSP50に進む。ここでは、第1接点10がオン状態であるか否かが判定される。ここでは既に第1接点10がオフ状態になっているため「NO」と判定され、処理はステップSP38を介してステップSP72に進む。以後同様に、メインルーチンにおいては、鍵番号Knに対してステップSP10,SP50,SP38が繰り返されるが、実質的な処理は実行されない。
【0043】
一方、上記例においてはカウンタTDC(Kn)がSTART状態に設定され、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010000”に設定されたため、タイマ処理ルーチンが呼び出されると、処理はステップSP104、SP106を介してステップSP112に進む。ここでは、カウンタTDC(Kn)のカウント結果(すなわち第1接点10がオンオフされた間隔)が所定のチャタリング閾値TDCchtr未満であるか否かが判定される。なお、チャタリング閾値TDCchtrは、通常発生するチャタリングの最大周期(例えば30msec)に設定される。
【0044】
浅い押鍵操作によって第1接点10のオンオフが生じた場合には、カウンタTDC(Kn)のカウント結果はチャタリング閾値TDCchtrよりも充分に大きくなるから、ステップSP112においては「NO」と判定され、処理はステップSP114に進む。ここでは、時間差計測カウンタTDC(Kn)がSTOP状態に設定されるとともに解放され、さらにステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000000”すなわち初期状態に設定される。このように、第2接点12がオン状態にならないような浅い押鍵操作に対しては、キーオン信号もキーオフ信号もシステムCPU64には送信されないため、全く発音が行われないことになる。
【0045】
3.5.第1接点10においてチャタリングが生じた場合の処理
次に、第1接点10においてチャタリングが生じた場合の処理を説明する。第1接点10においてチャタリングが生じると、第2接点12がオン状態になる前に第1接点10においてオンオフが繰り返される。
まず、初期状態(ステータスレジスタSTATUS(Kn)=“000000”)において第1接点10が最初にオン状態になると、上記「浅い押鍵操作」が行われた場合と同様に、該当する鍵番号Knに対して時間差計測カウンタTDC(Kn)が割り当てられ、ステップSP20〜SP24の処理を介してステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”に設定される。以後、タイマ割込みが生ずる毎にカウンタTDC(Kn)が「1」づつインクリメントされる。
【0046】
次に、第1接点10がオフ状態になると、ステップSP34,SP36においてリトリガータイマRTRGTM(Kn)が「0」に戻され、リトリガータイマRTRGTM(Kn)がSTART状態に設定される。ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010000”に設定される。次にタイマ割込みが発生すると、ステップSP112において、カウンタTDC(Kn)のカウント結果が所定のチャタリング閾値TDCchtr未満であるか否かが判定される。チャタリングが生じた場合には、第1接点10は頻繁にオンオフされるため、カウント結果はチャタリング閾値TDCchtr未満になる。従って、ここでは「YES」と判定され、処理はステップSP108に進み、カウンタTDC(Kn)の更新が続行される。
【0047】
また、リトリガータイマRTRGTM(Kn)がSTART状態に設定されたことにより、タイマ処理ルーチンのステップSP126においては「YES」と判定される。次に、ステップSP128においては、リトリガータイマRTRGTM(Kn)が「1」だけインクリメントされる。次に、処理がステップSP130に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010000”であるか否かが判定される。先にステップSP36においてステータスレジスタSTATUS(Kn)は“010000”に設定されたから、ここでは「YES」と判定され、処理はステップSP132に進む。ステップSP132においては、リトリガータイマRTRGTM(Kn)の値がリトリガータイマ最大値RTRGTMmax以上になったか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP136に進み、当該鍵番号Knについてはタイマ処理が終了する。
【0048】
ここで、仮に、リトリガータイマRTRGTM(Kn)がリトリガータイマ最大値RTRGTMmaxに達すると、処理はステップSP132に進み、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000000”すなわち初期状態に設定される。しかし、上述したように、チャタリングが発生している状況では第1接点10が頻繁にオンオフするから、リトリガータイマRTRGTM(Kn)の値がリトリガータイマ最大値RTRGTMmaxに達する前に第1接点10が再びオン状態になる。第1接点10が再びオン状態になると、メインルーチンのステップSP50において「YES」と判定されるから、処理はステップSP52に進む。ここでは、時間差計測カウンタTDC(Kn)が「0」に設定されるとともに、該カウンタTDC(Kn)が再度START状態に設定される。次に、処理がステップSP54に進むと、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”に設定される。
【0049】
以後、同様に、第1接点10がオフ状態になるとステップSP34,SP36においてリトリガータイマRTRGTM(Kn)が「0」に戻されるとともに、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010000”に設定される。また、第1接点10がオン状態になると、ステップSP52,SP54において、カウンタTDC(Kn)のカウント結果が「0」に戻されるとともに該時間差計測カウンタTDC(Kn)が再度START状態に設定され、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”に設定される。チャタリングが継続している期間中は、これら2つの状態が交互に繰り返されることになる。
【0050】
鍵番号Knの鍵がさらに深く押下されてゆくと、やがて第2接点12がオン状態になる。この時点で第1接点10のチャタリングが終了している場合と、継続している場合とが考えられるため、以後の動作を場合を分けて説明する。
【0051】
3.5.1.第1接点10のチャタリング終了後に第2接点12がオン状態になった場合
第1接点10のチャタリングが終了すると、第1接点10はオン状態に安定する。すなわち、ステップSP52,SP54においてカウンタTDC(Kn)がSTART状態に設定され、ステータスレジスタSTATUS(Kn)が“010001”に設定される。これにより、カウンタTDC(Kn)のカウントが再開される。
【0052】
以後の動作は、「通常の鍵操作」の場合と同様である。すなわち、第2接点12がオン状態になると、ステップSP38において「YES」と判定され、ステップSP40〜SP48の処理が実行される。ステップSP40においては、カウンタTDC(Kn)のカウント結果、換言すれば第1接点10が最後にオン状態に安定した後に第2接点12が最初にオン状態になるまでの時間に応じて、ベロシティVEL(Kn)が計算されキーオン信号がシステムCPU64に送信される。
【0053】
3.5.2.第1接点10のチャタリング中に第2接点12がオン状態になった場合
「第1接点10のチャタリング中」には、第1接点10がオン状態である場合とオフ状態である場合とが考えられる。第1接点10がオン状態であれば、メインルーチンにおいてステップSP8,SP32,SP38の判定処理が繰り返されるから、第2接点12がオン状態になるとともにステップSP40以降の処理が実行される。すなわち、かかる場合には、「第1接点10のチャタリング終了後に第2接点12がオン状態になった場合」と同様の処理が実行されることになる。
【0054】
一方、第1接点10がオフ状態であれば、ステップSP10,SP50,SP38の判定処理が繰り返される。ここで、第2接点12がオン状態になると、ステップSP38を介してステップSP40以降の処理が実行される。ここで、時間差計測カウンタTDC(Kn)は先に第1接点10がオン状態になった時からカウントを開始しているため、最後に第1接点10がオン状態になった後、第2接点12がオン状態になるまでのカウント結果に基づいてベロシティVEL(Kn)が計算されることになる。
【0055】
4.実施形態の効果
以下、図3,図4を参照し、想定される各種チャタリングに対する本実施形態の効果を説明する。これらの図は、様々な態様でチャタリング等が発生した場合における第1および第2接点12のオンオフ状態を負論理で示した波形図である。
【0056】
(1)図3(a)においては、最初に第1接点10がオン状態になり、次に第2接点12がオン状態になり、しかる後に第1接点10においてチャタリングが生じた場合の波形図を示す。第2接点12がオン状態になると、ステータスレジスタSTATUS(Kn)は、ステップSP48において“001111”に設定され、さらにマスクタイマ最大値MASKTMmaxが経過した時にステップSP124において“000111”に設定される。何れの場合においても、第1接点10のオンオフ状態は処理に影響を及ぼさないため、このチャタリングによる影響を排除することができる。
【0057】
(2)図3(b)においては、第1および第2接点12が順次オン状態になった後、第2接点12にチャタリングが生じた場合の波形図を示す。上述したように、第2接点12がオン状態になると、ステータスレジスタSTATUS(Kn)は“001111”に設定された後、“000111”に設定される。ここで、第2接点12がオフ状態になると、ステップSP58においてステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000101”に設定されるが、第1接点10がオフ状態になる前に第2接点12が再びオン状態になると、ステップSP60,SP62を介してレジスタSTATUS(Kn)が再び“000111”に設定される。これにより、以後は第2接点12のチャタリングが無かった場合と同様の動作が実行され、第2接点12のチャタリングによる影響を排除することができる。
【0058】
(3)図4(a)においては、第1および第2接点12が順次オン状態になった後、マスクタイマ最大値MASKTMmaxに対応するマスク時間が経過する以前に第1および第2接点12に同時にチャタリングが生じた場合の波形図を示す。ここで、このようなチャタリングが生じる背景について説明しておく。
【0059】
自然楽器のピアノにおいては、押鍵操作によってハンマアクションを持ち上げ、ハンマが弦を打つことによって楽音が発生される。そして、ハンマアクションが基準位置に戻る際に鍵に衝突し、演奏者はそのショックを指先に感じることができる。そこで、電子ピアノにおいてもこのようなピアノタッチを再現すべく、鍵にショックを与えるような機構が付与されている。しかし、鍵にこのようなショックを与えると、第1および第2接点12が共にオフ状態になることがある。図4(a)は、かかる状態を想定したものである。
【0060】
マスク時間が経過する以前はレジスタSTATUS(Kn)は“001111”に設定されており、この期間中における第1および第2接点12のオンオフ状態は処理になんら影響を及ぼさない。従って、ピアノタッチを模擬した場合に特有のチャタリングも排除することができる。なお、マスクタイマ最大値MASKTMmaxは、ピアノタッチを与える機構部分の特性に応じて、決定されることは言うまでもない。
【0061】
(4)図4(b)においては、第1接点10が一旦オン状態になった後にチャタリングが発生し、そのチャタリングの途中、第1接点10がオフ状態である時に第2接点12がオン状態になった場合の波形図を示す。本実施形態のように弾性変形する部材によって接点を構成した場合には、このようなチャタリングも起こりうる。かかる場合には、「第1接点10のチャタリング中に第2接点12がオン状態になった場合」において説明したように、第1接点10が最後にオン状態になった後第2接点12がオン状態になるまでの時間に応じてベロシティVEL(Kn)が決定されるから、かかる状態におけるチャタリングの影響も排除することができる。
【0062】
(5)図4(c)においては、第1接点10においてチャタリングが生じた後第1接点10がオン状態に安定し、しかる後に第2接点12がオン状態になった場合の波形図を示す。この例においても、第1接点10が最後にオン状態になった後第2接点12がオン状態になるまでの時間に応じてベロシティVEL(Kn)が決定されるから、第1接点10のチャタリングの影響を排除することができる。
【0063】
(6)図4(d)においては、第1接点10においてチャタリングが生じた後第1接点10がオン状態に安定し、第2接点12はオフ状態に保持された場合の波形図を示す。この例においては、第1接点10がオン状態になった後、チャタリング閾値TDCchtrを経過したことを条件としてステータスレジスタSTATUS(Kn)が“000000”に戻る。従って、この期間内に第2接点12がオン状態になると、第1接点10がオフ状態であってもキーオン信号を生成することが可能になる。
【0064】
5.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記各実施形態はキースキャンCPU54においてキーオン・キーオフイベント検出処理を行ったが、上述した各処理をシステムCPU64において実行してもよい。同様に、キーオン・キーオフイベント検出処理も含めて電子鍵盤楽器の各構成要素を各種コンピュータ上で動作するソフトウエアによって構成してもよい。その場合、このソフトウエアをCD−ROM、フロッピーディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1の操作検出手段において最後に第1の状態から第2の状態へ変化したタイミングに基づいて操作速度情報を出力するから、チャタリングの影響を防止しつつ操作速度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の電子鍵盤楽器のブロック図である。
【図2】 上記実施形態のメモリマップである。
【図3】 上記実施形態の波形図である。
【図4】 上記実施形態の他の状態における波形図である。
【図5】 上記実施形態のメインルーチンのフローチャート(1/2)である。
【図6】 上記実施形態のメインルーチンのフローチャート(2/2)である。
【図7】 上記実施形態のタイマ処理ルーチンのフローチャートである。
【図8】 従来技術および上記実施形態における接点構造を示す図である。
【符号の説明】
1……内パターン、2……外パターン、3……共通パターン、4……内ペア、5……外ペア、6……固定接点、10……第1接点、12……第2接点、25……第1可動接点、26……第2可動接点、27……2メイクスイッチ、29……押圧部、52……鍵盤、54……キースキャンCPU、56……ROM、58……RAM、60……バス、62……内部バス、64……システムCPU、66……ROM、68……RAM、70……操作表示部、72……音源部、74……バス、562……CPUプログラム領域、564……プリセットデータ領域、582……CPUワークエリア、584……TDC用エリア、586……MASKTM用エリア、588……RTRGTM用エリア、590……ステータスレジスタ領域。
Claims (3)
- 操作子の操作によって検出状態が変化する第1および第2の操作検出手段を用いて、これら第1および第2の操作検出手段の検出状態が変化する時間間隔に基づいて該操作子の操作速度情報を出力する操作速度情報出力方法であって、
前記第1の操作検出手段の、第1の状態から第2の状態への変化を検出して時間測定を開始する第1検出過程と、
該第1検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出する第2検出過程と、
該第2検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第1の状態から前記第2の状態への変化を検出すると、前記第1検出過程において開始された時間測定をクリアして再度時間測定を開始する第3検出過程と、
該第3検出過程の後に、前記第2の操作検出手段の状態変化を検出する第4検出過程と、
前記第4検出過程における時間測定結果に基づいて前記操作速度情報を出力する出力過程と
を有することを特徴とする操作速度情報出力方法。 - 操作子の操作によって検出状態が変化する第1および第2の操作検出手段を用いて、これら第1および第2の操作検出手段の検出状態が変化する時間間隔に基づいて該操作子の操作速度情報を出力する操作速度情報出力装置であって、
前記第1の操作検出手段の、第1の状態から第2の状態への変化を検出して時間測定を開始する第1検出手段と、
該第1検出手段が前記時間測定を開始した後に、前記第1の操作検出手段の、前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出する第2検出手段と、
該第2検出手段が前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出した後に、前記第1の操作検出手段の、前記第1の状態から前記第2の状態への変化を検出すると、前記第1検出手段において開始された時間測定をクリアして再度時間測定を開始する第3検出手段と、
該第3検出手段によって前記時間測定が再度開始された後に、前記第2の操作検出手段の状態変化を検出する第4検出手段と、
前記第4検出手段が前記第2の操作検出手段の状態変化を検出した際の時間測定結果に基づいて前記操作速度情報を出力する出力手段と
を有することを特徴とする操作速度情報出力装置。 - 操作子の操作によって検出状態が変化する第1および第2の操作検出手段を用いて、これら第1および第2の操作検出手段の検出状態が変化する時間間隔に基づいて該操作子の操作速度情報を出力する処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、
前記第1の操作検出手段の、第1の状態から第2の状態への変化を検出して時間測定を開始する第1検出過程と、
該第1検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第2の状態から前記第1の状態への変化を検出する第2検出過程と、
該第2検出過程の後に、前記第1の操作検出手段の、前記第1の状態から前記第2の状態への変化を検出すると、前記第1検出過程において開始された時間測定をクリアして再度時間測定を開始する第3検出過程と、
該第3検出過程の後に、前記第2の操作検出手段の状態変化を検出する第4検出過程と、
前記第4検出過程における時間測定結果に基づいて前記操作速度情報を出力する出力過程と
を前記コンピュータに実行させるプログラムを記憶したことを特徴とする記録媒体。
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