JP3694156B2 - 可変径プーリ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
ベルトに対する有効径を変化させることのできる可変径プーリに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ベルトに対する有効径を変化させることのできる可変径プーリを用いたベルト伝動装置が提供されている。このベルト伝動装置では、油圧アクチュエータや電動モー夕等の駆動手段にて駆動される変速比調整用のテンショナによって、ベルトの張力を増大させつつベルトをたぐり寄せ、これにより、可変径プーリの有効径を変更して変速するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このベルト伝動装置では、変速比調整用のテンショナ、このテンショナを駆動させる駆動機構、およびこの駆動機構の動作を制御するためのコントローラ等の機構を用いることが必要であり、このため、部品点数が多くて構造が複雑であると共に製造コストが高く、また、配置スペースを広くとるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、変速するための構造を簡素化でき、ベルト伝動装置に適用された場合に、ベルト伝動装置の構造を簡素化できると共に、製造コストや配置スペースを削減することができる可変径プーリを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための課題解決手段として、請求項1記載の発明の可変径プーリは、ベルトに対する有効径を変化させることのできる可変径プーリにおいて、回転軸の軸方向に移動自在に設けられた環状の第1および第2のプーリ主体と、これらプーリ主体の互いの対向面にそれぞれ形成されたテーパ状の第1および第2の動力伝達面と、これら動力伝達面によって両プーリ主体の軸心に対して偏心可能に挟持され、且つ外周面にベルトが巻き掛けられた動力伝達リングと、第1のプーリ主体と軸方向に一体移動可能に連結されると共に第2のプーリ主体の動力伝達面の背面に対向する対向面を含む対向部材と、この対向部材と第2のプーリ主体の背面との間に介在し両プーリ主体が互いに近づく方向に付勢する弾性部材と、上記対向部材の対向面と第2のプーリ主体の背面との間に区画される収容空間に収容され、該収容空間内を遠心方向に変位することにより、両プーリ主体を介して動力伝達リングを上記軸心と同心位置に付勢する慣性部材と、両プーリ主体を一体回転可能に連結する第1の連結手段と、この第1の連結手段を介して両プーリ主体を回転軸に動力伝達可能に連結する第2の連結手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
この構成では、ベルト張力によって動力伝達リングを偏心側へ変位させようとする力と、弾性部材および慣性部材が両プーリ主体を介して動力伝達リングを同心側へ変位させようとする力がバランスする位置へ動力伝達リングが変位することになる。
したがって、両プーリ主体の回転速度の増大に伴って慣性部材の遠心力が増大し、弾性部材および慣性部材が動力伝達リングを同心側へ変位させようとする力が、ベルト張力が動力伝達リングを偏心側へ変位させようとする力よりも大きくなると、動力伝達リングが同心位置に変位することになる。逆に、両プーリ主体の回転速度の減少に伴って慣性部材の遠心力が減少し、弾性部材および慣性部材が動力伝達リングを同心側へ変位させようとする力が、ベルト張力が動力伝達リングを偏心側へ変位させようとする力よりも小さくなると、動力伝達リングが偏心することになる。
【0007】
ここで、慣性部材を収容する収容空間は、径方向外方へいくほど軸方向の幅が狭くなるくさび形形状をしていることが必要である。そのためには、第2のプーリ主体の背面および対向部材の対向面の少なくとも一方がテーパ状に形成されていれば良い。
さらに、第2の連結手段が、両プーリ主体を一体回転可能に連結する第1の連結手段を介して、両プーリ主体を一括して回転軸に連結するので、各プーリ主体を個別に回転軸に連結する場合と比較して、構造を簡素化することができる。
請求項2記載の発明の可変径プーリは、請求項1において、上記慣性部材は、上記対向部材の対向面および第2のプーリ主体の背面に転動する転動部材を含むことを特徴とするものである。
【0008】
この構成では、転動部材を転動させることによって慣性部材をスムーズに変位させることができる。慣性部材が対向部材の対向面と第2のプーリ主体の背面との間に挟持されて動かなくなるといった事態の発生を未然に防止することができる。
上記の転動部材としては、ボール、ころ等を例示することができる。ころの場合、溝を設けて遠心、求心方向の移動を案内することが好ましく、また、ころが転動する面がテーパ面である場合には、ころの外周面にクラウニングを施すことが好ましい。
【0009】
また、ころを貫く軸部材を設け、この軸部材によって、例えばメタルブッシュ等の軸受を介してころを回転自在に支持することもできる。この場合、対向部材の対向面および第2のプーリ主体の背面の一方によってころを案内し、他方によって軸部材を案内するようにしても
【0010】
求項記載の発明の可変径プーリは、請求項において、上記第1の連結手段は、内径部および外径部がそれぞれ対応するプーリ主体に一体回転可能に係合されたダイヤフラムスプリングを含み、このダイヤフラムスプリングは上記弾性部材を兼用していることを特徴とするものである。
【0011】
この構成では、両プーリ主体を一体回転可能に連結するダイヤフラムスプリングが弾性部材を兼用しているので、構造を簡素化することができる。また、ダイヤフラムスプリングは両プーリ主体を直接付勢できるので、両プーリ主体をスムーズに変位させることができる結果、スムーズな変速が可能となる。
請求項記載の発明の可変径プーリは、請求項において、上記ダイヤフラムスプリングは径方向中間部に複数が周方向に間隔を隔てて配置された連結孔を含み、上記第2の連結手段はダイヤフラムスプリングの周方向変位のみを規制するように連結孔の内面に係合された連結軸を含むことを特徴とするものである。
【0012】
この構成では、ダイヤフラムスプリングの連結孔の径方向位置を所定に設定することにより、ダイヤフラムスプリングの内径部と外径部を(上記連結孔の軸方向位置に関して)互いに逆向きで相等しい変位量で軸方向変位させることができる。これにより、両プーリ主体を相等しい変位量で互いに逆向きに軸方向変位させることができる結果、ベルトのセンタを一定に維持することができる。
【0013】
請求項記載の発明の可変径プーリは、請求項において、上記第1の連結手段は、第1のプーリ主体および上記対向部材にそれぞれ形成された互いに逆向きの傾斜を有する一対のカム面に係合する連結軸を含み、上記一対のカム面は、それぞれ対応するプーリ主体の回転軸に対する相対回転を対応するプーリ主体の軸方向変位に変換することにより、両プーリ主体を互いに逆向きで相等しい変位量で軸方向に変位させることを特徴とするものである。
【0014】
この構成では、例えば変動的な負荷トルクが作用したときに、この負荷トルクが上記一対のカム面によって両プーリ主体を互いに近づける力に変換されるので、両プーリ主体によって動力伝達リングを挟持するクランプ力を増大させることができる。これにより、動力伝達リングと両プーリ主体の動力伝達面との間に滑りが発生することを防止することができる。
【0015】
請求項記載の発明の可変径プーリは、請求項において、上記第1のプーリ主体および上記対向部材には、それぞれ連結軸を案内する一対の案内溝が形成され、上記一対のカム面は上記一対の案内溝の内面によりそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
この構成では、連結軸を案内する案内溝の内面にカム面を設けたので、両プーリ主体の回転変位を軸方向変位にスムーズに変換させることができる。なお、上記連結軸が案内溝の内面を転動する転動部材を設けていれば、よりスムーズな変換が可能となり好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る可変径プーリAの断面図である。図2(a),(b)は本可変径プーリAを用いたベルト式無段変速システムBの要部を示す模式的構成図である。
【0017】
本可変径プーリAは、軸心Kに対して図2(a)に示すように偏心した状態から図2(b)に示すように同心となる状態まで変位可能な動力伝達リング6を有しており、この動力伝達リング6に巻き掛けられたベルト7の有効径を変化させることのできるものである。 この動力伝達リング6は第1および第2のプーリ主体2,3間に挟持されている。
【0018】
本可変径プーリAは駆動プーリおよび従動プーリの少なくとも一方に適用することができるが、本実施の形態では、従動プーリに適用された例に則して説明する。本システムBでは、無端状のベルト7がテンショナ55の変位自在なテンショナプーリ56および固定式のアイドラプーリ58を介して可変径プーリAの動力伝達リング6に巻き回されている。テンショナ55は、テンショナプーリ56がベルト7をたぐり寄せる方向へ付勢する弾性部材57を備えており、この弾性部材57はベルト7を介して動力伝達リング6を偏心させようとする。
【0019】
一方、可変径プーリAは、後に詳述するが、動力伝達リング6をプーリ主体2,3を介して同心位置側へ付勢する付勢部材が備えられている。この付勢部材としては、両プーリ主体2,3同士の軸方向相対変位に応じて動力伝達リング6を介してベルト7に緩み側張力Gを発生させる弾性部材(図1ではダイヤフラムスプリング11に相当)と、可変径プーリAの回転速度に応じて動力伝達リング6を介してベルト7に緩み側張力Hを発生させる慣性部材(図1では慣性部材47に相当)が含まれている。
【0020】
そして、これら可変径プーリAの弾性部材および慣性部材がそれぞれ発生させる張力G,Hの合力(G+H)と、テンショナ55の弾性部材57により発生されるベルト7の張力Fとが釣り合う位置に、動力伝達リング6およびテンショナ55の弾性部材57が変位する。
上記慣性部材は回転速度に応じて遠心方向に変位し、プーリ主体2,3を介して動力伝達リング6を同心位置側へ付勢するものであり、回転速度に応じて変速比を調整する遠心式の変速比自動調整機構として機能する。
【0021】
すなわち、ベルト7の走行速度が比較的遅い状態では、慣性部材による張力Hが小さい。このため、図2(a)に示すように、テンショナ55の弾性部材57が縮み側に変位し、且つ動力伝達リング6が偏心側に変位した状態で、上記張力Fと張力G+Hとが釣り合うことになる。したがって、可変径プーリAに関してベルト7の有効径が小さくなり、可変径プーリAが設けられた回転軸の回転速度は駆動プーリの回転速度に比して相対的に早くなる。
【0022】
逆に、ベルト7の走行速度が速い状態では、慣性部材による張力Hが大きい。このため、図2(b)に示すように、テンショナ55の弾性部材57が伸び側に変位し、且つ動力伝達リング6が同心側に変位した状態で、上記張力Fと張力G+Hとが釣り合うことになる。したがって、可変径プーリAに関してベルト7の有効径が大きく、可変径プーリAが設けられた回転軸の回転速度は駆動プーリの回転速度に比して相対的に遅くなる。
【0023】
図3は駆動プーリの回転速度と、可変径プーリの回転速度との関係を示すグラフ図であり、同図において、駆動プーリの回転速度が回転速度V1に達するまでの領域▲1▼では動力伝達リング6が最大の偏心量で偏心しており、可変径プーリAの回転速度は一定の増加割合で増大していく。回転速度V1から回転速度V2までの領域▲2▼では、次第に動力伝達リング6の偏心量を減少させて可変径プーリAの有効径が増大していくので、可変径プーリAの回転速度は領域▲1▼より増加の割合が低下する。そして、回転速度V3に達すると動力伝達リング6が同心状態となり、可変径プーリAが最大有効径となり、回転速度V3以上の領域▲3▼では、領域▲1▼より少し少ない増加割合で可変径プーリAの回転速度が増大する。
【0024】
図1および図4を参照して、本可変径プーリAは、例えば自動車の補機の回転軸に一体回転可能に連結される回転軸1を備えており、上記した第1および第2のプーリ主体2,3は、この回転軸1の軸方向に移動自在であり環状をしている。これらプーリ主体2,3の互いの対向面にはそれぞれ円錐テーパ状の動力伝達面4,5が形成されている。これら一対の動力伝達面4,5は互いに逆向きに傾斜したテーパ状にされており、両動力伝達面4,5によって、上記した動力伝達リング6が、両プーリ主体2,3の軸心Kに対して偏心可能に挟持されている。動力伝達リング6は断面略台形形状をしている。図1は動力伝達リング6が最大の偏心量で偏心した状態を示しており、図4は動力伝達リング6が同心位置にある状態を示している。動力伝達リング6の変位に応じてベルト7の有効径Dが変化される。Lはベルト7の幅中心の位置(以下、ベルトセンタLという)である。
【0025】
上記動力伝達リング6の外周面にはベルト7への伝動面8が形成され、この伝動面8にベルト7が巻き掛けられている。伝動面8にはベルト7のリブ7aと噛み合う周溝8aが形成されている。動力伝達リング6の両側面はそれぞれ対応する動力伝達面4,5と接触してトルクを伝達する動力伝達面9,10を構成している。
【0026】
ベルト7はゴム製のものが好ましく、また、動力伝達リング6としては、耐久性に優れ且つ摩擦係数が高い樹脂、例えば、フェノール樹脂に、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維およびグラファイトを配合した樹脂材料を成形してなるものが好ましい。本樹脂であれば、高強度を耐摩耗性に優れているにもかかわらず、相手部材への攻撃性が穏やかであり、しかも温度にかかわらず安定した摩擦係数を持つ。また、樹脂材料中における炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維およびグラファイトの含有割合としては、炭素繊維5〜30重量%、芳香族ポリアミド繊維5〜15重量%、グラファイト10〜15重量%の範囲にあることが、耐摩耗性を向上させ、摩擦係数をより安定させる点で好ましい。
【0027】
また、可変径プーリは、第1および第2のプーリ主体2,3を互いに近づく方向に付勢する付勢手段としての、また両プーリ主体2,3を一体回転可能に連結する第1の連結手段としてのダイヤフラムスプリング11を備えており、このダイヤフラムスプリング11は、回転軸1と連動回転する円錐状の環状板からなる連結部12に複数の連結軸13を介して一体回転可能に連結されている。連結部12および複数の連結軸13により第2の連結手段が構成されている。連結部12の内周部は、回転軸1に一体に形成されたフランジ部laの外周部に、スプライン結合により一体回転可能に連結されており、また、図示していないスナップリングによって軸方向の移動を止められている。
【0028】
上記のダイヤフラムスプリング11の内径部14および外径部15は、第1および第2のプーリ主体3にそれぞれ一体回転可能に係合されている。これにより、両プーリ主体2,3とダイヤフラムスプリング11が回転軸1と一体に回転するようになっている。例えば本実施の形態のように本可変径プーリを従動プーリに適用した場合には、ベルト7から、動力伝達リング6、両プーリ主体2,3、ダイヤフラムスプリング11および回転軸1を介して補機の回転軸へトルクが伝達される。
【0029】
図1および図5を参照して、ダイヤフラムスプリング11の内径部14および外径部15には、それぞれ円周等配に配置された放射状の連結溝16,17が形成されている。また、ダイヤフラムスプリング11の径方向の中間部において、上述した連結軸13を貫通させてダイヤフラムスプリング11と連結部12とをトルク伝達可能に連結する連結孔31が円周等配に形成されている。
【0030】
図1を参照して、第1のプーリ主体2は、上記動力伝達面4を形成した円板部18と、この円板部18の内周に一体回転可能に固定され且つ回転軸1と同心に配置された軸部19とを備えている。この軸部19の一端にはテーパ部20が形成され、このテーパ部20に上記円板部18が嵌め込まれナット21により固定されている。
【0031】
また、軸部19の他端には、回転軸1と同心であって軸部19よりも径の大きい円筒伏のボス部22が一体に形成されている。このボス部22は、回転軸1の周面に滑り軸受としてのブッシュ23を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
第2のプーリ主体3は、上記動力伝達面5を形成した円錐状の円板部24と、この円板部24の内周に形成された円筒状のボス部25とを備えている。第2のプーリ主体3のボス部25は、第1のプーリ主体2の軸部19およびボス部22の一部を取り囲み、これら第1のプーリ主体2の軸部19およびボス部22によってそれぞれ滑り軸受としてのブッシュ26,27を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
【0032】
第2のプーリ主体3の動力伝達面5の背面28は動力伝達面5に平行な母線を持つ円錐状のテーパ面からなる。第2のプーリ主体3の外周縁部には断面L字形形状の環状フランジ部32が一体に延設されており、この環状フランジ部32のダイヤフラムスプリング11側の面には、ダイヤフラムスプリング11の外径部15の複数の連結溝17にそれぞれ嵌め入れられる複数の板状の連結突起29が円周等配で放射状に形成されている。第2のプーリ主体3の環状フランジ部32がダイヤフラムスプリング11の外径部15によって押圧されて、第2のプーリ主体3が第1のプーリ主体2へ近づく方向へ(図1において左方へ)付勢されている。
【0033】
第1のプーリ主体2の軸部19およびボス部22は、第2のプーリ主体3のボス部25を貫通して第2のプーリ主体3の動力伝達面5の背面28側へ延びており、ボス部22が第2のプーリ主体3の背面側へ延びる部分を構成している。この背面側へ延びる部分としてのボス部22の端部には、当該端部とダイヤフラムスプリング11の内径部14とを一体回転可能に連結するための環状フランジからなる連結部30が一体に形成されている。
【0034】
この連結部30の内周部はボス部22の端部にねじ結合されて一体回転可能に固定されている。この連結部30を介して伝達されるトルクがねじ締め方向に働くようにされており、固定が緩むことがないようになっている。
この連結部30はダイヤフラムスプリング11の内径部14を軸方向に押すための押圧面33と、この押圧面33に円周等配で放射状に形成された複数の連結突起34とを形成している。上記の押圧面33がダイヤフラムスプリング11の内径部14によって押圧され、連結部30、ボス部22および軸部19を介して第1のプーリ主体2が第2のプーリ主体3へ近づく方向へ(図1において右方へ)付勢されている。また、複数の連結突起34は、ダイヤフラムスプリング11の内径部14の複数の連結溝16にそれぞれ嵌め入れられている。
【0035】
上記の連結部12は、軸方向に貫通する複数の貫通孔35を円周等配に形成しており、各貫通孔35にはワッシャ部材40およびダイヤフラムスプリング11の連結孔31を貫通した上記連結軸13が挿通されて固定されている。すなわちダイヤフラムスプリング11は連結孔31の周辺部において、ワッシャ部材40と連結部12とによって挟持された状態となっており、これらワッシャ部材40および連結部12がダイヤフラムスプリング11と対向する部分は、ダイヤフラムスプリング11の変位時の傾斜を許容するように、連結軸13を中心とする円錐テーパ状の傾斜面41,42に形成されている。また、各連結軸13は回転軸1の軸方向に平行に形成されており、ダイヤフラムスプリング11の連結孔31に嵌め入れられてダイヤフラムスプリング11と連結部12とをトルク伝達可能に連結する。連結軸13としては、例えば頭付きリベットを用いることができ、リベットを用いた場合、先端をかしめて拡径させることにより、容易に固定が行える。
【0036】
図6を参照して、連結孔31は径方向に沿って長い長孔からなり、図6に示すように、その内面に径方向に沿って長い互いに平行な一対の係合面36,37を形成している。一方、上記連結軸13はいわゆる二面幅をとった断面形状をしており、連結孔31の一対の係合面36,37にそれぞれ係合する一対の係合面38,39を有している。
【0037】
連結孔31の一対の係合面36,37は、対応する連結軸13の一対の係合面38,39よりも、ダイヤフラムスプリング11の径方向に長くなるように設定されている。また、各係合面36〜39は、ダイヤフラムスプリング11の軸方向(図6において紙面に垂直な方向)および径方向(図6において上下方向)に平行な面となっている。連結孔31の両係合面36,37間の幅は、連結軸13の両係合面38,39間の幅と略等しく設定されている。このようにして、上記連結軸13はダイヤフラムスプリング11の周方向Rの変位のみを規制するように連結孔31の内面に係合されていることになる。
【0038】
連結孔31の径方向位置(図1および図4において軸心Kからの距離dで示す)は、仮に連結軸13によって連結孔31の位置におけるダイヤフラムスプリング11の軸方向変位を規制した場合に、内径部14と外径部15とを相等しいストローク量で互いに逆向きに変位させることが可能となる位置である。
再び図1および図4を参照して、第1のプーリ主体2のボス部22の外周には、第2のプーリ主体3の背面28と対向する対向面43を有する対向部材44が一体回転可能に固定されている。この対向部材44は円板部45とボス部46を有しており、ボス部46が第1のプーリ主体2のボス部22の外周に嵌められている。
【0039】
第2のプーリ主体3の背面28と、これに対向する対向部材44の対向面43との間に、慣性部材47を収容する環状の収容空間48が区画されている。この収容空間48の外方は、第2のプーリ主体3の断面L字形形状の環状フランジ部32によって区画され、また、収容空間48の内方は、第2のプーリ主体3のボス部25によって区画されている。第2のプーリ主体3の背面28がテーパ状に傾斜していることから、収容空間48は径方向外方にいくにしたがって幅が狭くなる断面くさび形形状をしている。
【0040】
慣性部材47は、上記収容空間48内を遠心方向に(図1に示す状態から図4に示す状態へと)変位することにより、ダイヤフラムスプリング11と協働して両プーリ主体2,3を介して動力伝達リング6を上記軸心Kと同心位置に付勢するものである。図1,図4および図7を参照して、慣性部材47は、転動部材としての円筒からなるころ49と、このころ49を軸方向に貫通する支軸部材50とを備えている。また、慣性部材47は、支軸部材50ところ49との間に介在してころ49と支軸部材50との相対回転を許容する、例えばメタル製のブッシュからなる軸受51を備えている。
【0041】
対向部材44の対向面43には、その縁部53,54に支軸部材50の両端部を支持した状態で、ころ49の転がり移動を案内する案内溝52が放射方向に形成されている。ころ49の外周面には軸方向に沿ってクラウニングを施すようにしても良い。慣性部材47は両プーリ主体2,3と連れ回りし、回転速度の増大に伴って増大する遠心力を発生する。この遠心力によって慣性部材47が旋回径を増大させ、収容空間48の狭い側(径方向外方)へ移動すると、両プーリ主体2,3が互いに近接され、動力伝達リング6が同心位置側へ変位することになる。
【0042】
本実施の形態では、内蔵した慣性部材47の遠心力を用いる簡単な構造にて、可変径プーリAの有効径Dを自動的に変更して、自動的に変速することができる。ひいては、本可変径プーリAを用いたベルト式無段変速システムにおいて、変速比調整用のテンショナ、このテンショナを駆動させる駆動機構およびこの駆動機構の動作を制御するためのコントローラ等の機構を用いることは必要なく、一般的な受動型のテンショナ55(いわゆるオートテンショナ)を用いれば十分であるので、構造を格段に簡素化でき、製造コストや配置スペースを削減することができる。
【0043】
また、慣性部材47が収容空間48を区画する第2のプーリ主体3の背面28に転動するころ49を有しているので、慣性部材47をスムーズに変位させることができる結果、慣性部材47が収容空間48内に挟持されて動かなくなるといった事態の発生を未然に防止できる。
さらに、第2の連結手段としての連結部12が、両プーリ主体2,3を第1の連結手段としてのダイヤフラムスプリング11を介して一括して回転軸1に連結するので、各プーリ主体2,3を個別に回転軸1に連結する場合と比較して、構造を簡素化することができる。
【0044】
また、両プーリ主体2,3を一体回転可能に連結するダイヤフラムスプリング11が付勢部材を兼用するので、構造を簡素化できる。また、ダイヤフラムスプリング11が両プーリ主体2,3を直接付勢できるので、両プーリ主体2,3をスムーズに変位させることができる結果、スムーズな変速が可能となる。
また、ダイヤフラムスプリング11の内径部14および外径部15に連結された両プーリ主体2,3を、相等しい変位量で対称に軸方向変位させることができるので、簡単な構造にてスムーズな変速を図りつつ、ベルトセンタLを一定に維持することができる。
【0045】
両プーリ主体2,3の変位に伴ってダイヤフラムスプリング11が撓むが、仮に内径部14と外径部15とで軸方向変位が異なっていても、連結軸13がダイヤフラムスプリング11の連結孔31の部分の軸方向変位を許容するので、連結孔13の周辺に過大な応力が生じることかない。その結果、ダイヤフラムスプリング11の耐久性を向上することができる。また、動力伝達リングの中心は常にベルトセンタの位置と一致するため、動力伝達リングに振動や異常摩耗の発生はなくなる。
【0046】
特に、本実施の形態では、連結軸13が連結孔31の径方向に沿って長い一対の係合面36,37に接触するので、接触面積を広く確保でき、ダイヤフラムスプリング11に負荷される応力を一層軽減することができる。その結果、耐久性をより向上することができる。
また、両プーリ主体2,3はベルト7の幅方向変位に追随して、実際のベルトセンタLに見合う位置に変位することになり、簡単な構造でスムーズな変速が可能となる。
【0047】
上記の接触面積確保のために連結軸13の二面幅を広く確保すると、副次的に連結軸13の曲げ剛性を増大させることになり、これによりトルク負荷時の連結軸13の倒れを防止することができる結果、この倒れがダイヤフラムスプリング11やその連結孔31に及ぼす悪影響を防止することができる。
なお、上記実施の形態において、ダイヤフラムスプリング11の連結孔31の周辺の軸方向変位を、連結軸13によって規制するようにすることもできる。この場合、連結軸13と連結孔31との間にユニバーサルジョイントを介在させても良い。
【0048】
次いで、図8は本発明の他の実施の形態の可変径プーリを示している。図8を参照して、本可変径プーリA1が図4の可変径プーリと主に異なるのは、下記の1)〜3)である。すなわち、
1)図4の実施の形態では両プーリ主体2,3を一体回転可能に連結する第1の連結手段を、ダイヤフラムスプリング11により構成し、該ダイヤフラムスプリング11によって両プーリ主体2,3が互いに近づく方向に付勢する弾性部材を兼用するようにしたが、本実施の形態では、第1の連結手段を、第1のプーリ主体62に固定された対向部材69と、第2のプーリ主体62とを連結する複数の連結軸89,90により構成する一方、弾性部材を第2のプーリ主体62と対向部材69との間に介在する圧縮コイルばね85により構成した。
【0049】
2)また、図4の実施の形態では、両プーリ主体2,3が互いに対称に軸方向に変位させることを、ダイヤフラムスプリング11の連結孔31の径方向位置dを所要に設定することにより達成したが、本実施の形態では、第1の連結手段に含まれる連結軸90の両端に設けたローラ97,97を、第1のプーリ主体62および対向部材69にそれぞれ形成されたカム面100,101にそれぞれ係合させることにより達成した。各カム面100,101と、対応するカム面100,101にそれぞれ係合されるカムフォロワとしてのローラ97,97によって、各プーリ主体62,63の回転軸61に対する回転角変位を互いに逆向きの軸方向変位にそれぞれ変換する一対の変換機構T,T(トルクカム機構とも呼ぶ)が構成されている。
【0050】
3)本実施の形態では、慣性部材および転動部材をボール82により構成した。
より具体的に説明すると、図8を参照して、可変径プーリA1は、回転軸61の周囲に回転自在で且つ軸方向に移動自在な第1および第2の環状のプーリ主体62,63を備えており、これらプーリ主体62,63の互いの対向面にそれぞれ動力伝達面64,65を形成している。これら一対の動力伝達面64,65は互いに逆向きに傾斜したテーパ状にされており、両動力伝達面64,65によって、断面略台形形状の動力伝達リング6が、両プーリ主体62,63の軸心Kに対して偏心可能に挟持されている。なお、図8は動力伝達リング6が軸心Kに対して同心となった状態を示している。
【0051】
第1のプーリ主体62は、円錐状の円板部66と、この円板部66の内周に形成された円筒状のボス部67とを備えている。円板部66は上記の動力伝達面64を形成している。また、ボス部67は回転軸61の周面に滑り軸受としてのブッシュ68,68を介して軸方向にスライド自在に支持されている。ボス部67の端部は後述する対向部材69にねじ70により一体に結合されている。71は第1のプーリ主体62が回転軸61から抜脱することを防止するストッパであり、このストッパ71は、回転軸61の端部にねじ込まれるナット72により回転軸61に固定されている。
【0052】
第2のプーリ主体63は、孔付き円錐板の外周に円板を延設した形状の環状板部73と、この環状板部73の内周に延設された内筒部としてのボス部74と、環状板部73の外周に延設された外筒部75と、環状板部73の径方向中間部に形成された中間筒部76とを備えている。ボス部74、外筒部75および中間筒部76は何れも、第2のプーリ主体63の動力伝達面65の背面77側へ延びるように形成されている。第2のプーリ主体63のボス部74は、第1のプーリ主体62のボス部67の外周面に滑り軸受としてのブッシュ78を介して軸方向に移動自在に支持されている。
【0053】
上記の対向部材69は、環状の部材からなり、第2のプーリ主体63の背面77のテーパ状部分79に対向するテーパ状の対向面80を有している。そして、第2のプーリ主体63のボス部74と中間筒部76との間に、上記背面77のテーパ状部分79および対向部材69の対向面80とによって、収容空間81が形成されており、この収容空間81に、慣性部材および転動部材としての複数のボール82が収容されている。収容空間81は径方向外方へいくほど幅が狭くなる断面くさび形形状をしており、遠心力の増大に伴ってボール82が遠心方向へ変位することにより、両プーリ主体2,3を互いに近づけさせることができるようになっている。
【0054】
また、対向部材69は、上記対向面80よりも径方向内方に、内筒部83を有しており、この内筒部83の環状の端面部84は、ねじ70によって、第1のプーリ主体2のボス部67の端部に固定されている。これにより、対向部材69は第1のプーリ主体62と一体回転し且つ軸方向に一体移動するようになっている。
【0055】
対向部材69の内筒部83内には、両プーリ主体62,63が互いに近づく方向に付勢する弾性部材として、圧縮コイルばね85が収容されている。この圧縮コイルばね85の一端(図においての左端)は、第2のプーリ主体63のボス部74の先端の小径部86に嵌められた状態で、ボス部74の段付部87に係合しており、段付部87を介して第2のプーリ主体63を、第1のプーリ主体62側へ押圧付勢する。一方、圧縮コイルばね85の他端(図においての右端)は、対向部材69の内筒部83の端面部84に係合しており、端面部84を介して第1のプーリ主体62を、第2のプーリ主体63側へ押圧付勢する。また、圧縮コイルばね85は、対向部材69の内筒部83、および第2のプーリ主体63のボス部74の小径部86によって、伸縮を案内されるので、スムーズに変位できるようになっている。
【0056】
対向部材69の外周部88と、第2のプーリ主体63の外筒部75とは、第1の連結手段としての、放射方向に沿って配置された複数の連結軸89,90を介して、一体回転可能に連結されている。連結軸89は、一端が対向部材69の外周部88に固定されると共に、他端にブッシュ91を介してローラ92を回転自在に支持している(図9参照)。このローラ92は、第2のプーリ主体63の外筒部75に形成された、回転軸61と平行であって一端が開放した案内溝93に転動可能に嵌め入れられ係合している。
【0057】
一方、連結軸90の中間部は、回転軸61の周囲に一体に形成された二段筒状をした、第2の連結手段としての連結部94の外筒部95を径方向に貫通して固定されている。図8および図10(a),(b)を参照して、連結軸90の両端には、それぞれブッシュ96を介してローラ97が回転自在に支持されている。各ローラ97は、第2のプーリ主体63の外筒部75に形成された案内溝98、および対向部材69の外筒部95に形成された案内溝99にそれぞれ転動可能に嵌め入れられ係合されている。
【0058】
これらの案内溝98,99は、図10(a),(b)に示すように、互いに逆向きに傾斜しており、これら案内溝98,99の内面によってそれぞれカム面100,101が構成されている。これらのカム面100,101は、本可変径プーリA1への負荷トルクに応じて両プーリ主体62,63が回転軸61に対して回転角変位を生ずると、この回転角変位を両プーリ主体62,63の軸方向変位に変換し、図10(a),(b)に示すように、両プーリ主体62,63が互いに逆向きで相等しい変位量で軸方向変位するようにする(いわゆるトルクカム機構である。)。これにより、ベルトセンタLの位置が変速にかかわらず一定に維持されることになる。なお、図10(a)が、動力伝達リング6が同心位置となる図の状態に対応して、図10(b)は動力伝達リング6が偏心した状態に対応している。
【0059】
なお、本実施の形態において図1の実施の形態と同様の構成については、図に同一符号を付して、その説明を省略した。
本実施の形態によれば、図1の実施の形態と同様にして、弾性部材としての圧縮コイルばね85および慣性部材としてのボール82がベルト7に与える張力の合力(G+H)と、テンショナ55の弾性部材57がベルト7に与える張力Fとが釣り合う位置に、動力伝達リング6が自動的に変位されることになり、内蔵のボール82からなる慣性部材の遠心力を利用した簡単な構造にて、自動的に可変径プーリA1の有効径Dを変更して自動変速を達成することができる。
【0060】
また、慣性部材として転動部材を兼用するボール82を用いたので、より構造を簡素化することができると共に、慣性部材が収容空間81内で挟持されて動かなくなるといった事態の発生を未然に防止できる。
また、負荷トルクが作用したときに、変換機構(トルクカム機構)Tに含まれるカム面100,101の働きで両プーリ主体62,63が互いに近づけられ、動力伝達リング6をクランプする力を増大できるので、動力伝達リング6と両プーリ主体62,63の動力伝達面64,65との間に滑りが発生することを防止することができる。その結果、効率の高い動力伝達が可能となる。
【0061】
さらに、上記のカム面100,101を案内溝98,99の内面に設けて、連結軸90の両端のローラ97,97を転動させるようにしたので、両プーリ主体62,63の回転軸61に対する相対回転を軸方向変位にスムーズに変換させることができる。その結果、変速をスムーズに行うことができる。
また、上記のカム面100,101の働きで、両プーリ主体62,63を軸方向に対称に変位させることができるので、変速にかかわらず、ベルトセンタLを一定に維持することができる。
【0062】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。例えば、可変径プーリに含まれる上記の一対の変換機構Tとして、互いに逆ねじからなる一対のねじ結合機構を用いることもできる。
また、本発明をベルト伝動装置に適用する場合において、テンショナとして一般的な受動型のテンショナ(いわゆるオートテンショナ)を用いることに限定されるものではなく、テンショナプーリの動作位置を能動的に変更する変速比調整用のテンショナを用いることも無論可能である。
【0063】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、内蔵した慣性部材の遠心力を用いる簡単な構造にて、動力伝達リングを自動的に同心側又は偏心側に変位させ、自動的に変速することができる。ひいては、本可変径プーリを用いたベルト伝動装置において、変速比調整用のテンショナ、このテンショナを駆動させる駆動機構およびこの駆動機構の動作を制御するためのコントローラ等の機構を用いることは必要なく、一般的な受動型のテンショナ(いわゆるオートテンショナ)を用いれば十分であるので、構造を格段に簡素化でき、製造コストや配置スペースを削減することができる。また、第2の連結手段が両プーリ主体を一括して回転軸に連結するので、各プーリ主体を個別に回転軸に連結する場合と比較して、構造を簡素化することができる。
【0064】
請求項2記載の発明では、転動部材を用いて慣性部材をスムーズに変位させることができるので、慣性部材が収容空間内に挟持されて動かなくなるといった事態の発生を未然に防止できる
【0065】
請求項記載の発明では、両プーリ主体を一体回転可能に連結するダイヤフラムスプリングが付勢部材を兼用するので、構造を簡素化できる。また、ダイヤフラムスプリングが両プーリ主体を直接付勢できるので、両プーリ主体をスムーズに変位させることができる結果、スムーズな変速が可能となる。
請求項記載の発明では、ダイヤフラムスプリングの内径部および外径部に連結された両プーリ主体を、相等しい変位量で対称に軸方向変位させることができるので、簡単な構造にてスムーズな変速を図りつつ、ベルトのセンタを一定に維持することができる。
【0066】
請求項記載の発明では、負荷トルクが作用したときに、両プーリ主体によって動力伝達リングをクランプする力を増大できるので、動力伝達リングと両プーリ主体の動力伝達面との間に滑りが発生することを防止することができる。
請求項記載の発明では、連結軸を案内する案内溝の内面にカム面を設けたので、両プーリ主体の回転軸に対する相対回転を軸方向変位にスムーズに変換させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の可変径プーリの断面図であり、動力伝達リングが偏心した状態を示している。
【図2】図1の可変径プーリが従動プーリに適用されたベルト式無段変速システムの要部の概略図である。
【図3】駆動プーリと、図1の可変径プーリとの回転速度の関係を示すグラフ図である。
【図4】図1の可変径プーリにおいて、動力伝達リングが同心にある状態を示す断面図である。
【図5】図1の可変径プーリのダイヤフラムスプリングの正面図である。
【図6】図1の可変径プーリのダイヤフラムスプリングの連結孔と連結軸の組み合わせ状態を示す略図である。
【図7】図1の可変径プーリにおいて第2のプーリ主体に固定される対向部材の要部を示す一部破断斜視図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の可変径プーリの断面図であり、動力伝達リングが同心位置にある状態を示している。
【図9】図8の可変径プーリにおいて、第2のプーリ主体の外周面の一部を示す側面図である。
【図10】図8の可変径プーリにおいて、第2のプーリ主体、対向部材およびこれらを連結するローラ付の連結軸を示す概略図であり、(a)は動力伝達リングが同心位置にある状態に対応し、(b)は動力伝達リングが偏心した状態に対応する。
【符号の説明】
A 可変径プーリ
1 回転軸
2 第1のプーリ主体
3 第2のプーリ主体
4,5 動力伝達面
6 動力伝達リング
7 ベルト
11 ダイヤフラムスプリング(第1の連結手段、弾性部材)
12 連結部(第2の連結手段)
13 連結軸(第2の連結手段)
14 内径部
15 外径部
28 背面
31 連結孔
36,37,38,39 係合面
43 対向面
44 対向部材
47 慣性部材
48 収容空間
49 ころ(転動部材)
50 支軸部材
51 軸受
52 案内溝
55 テンショナ
56 テンショナプーリ
57 弾性部材
61 回転軸
62 第1のプーリ主体
63 第2のプーリ主体
64,65 動力伝達面
69 対向部材
77 背面
80 対向面
81 収容空間
82 ボール(慣性部材、転動部材)
85 圧縮コイルばね(弾性部材)
89,90 連結軸(第1の連結手段)
94 連結部(第2の連結手段)
96 ブッシュ
97 ローラ
98,99 案内溝
100,101 カム面
T 変換機構(トルクカム機構)

Claims (6)

  1. ベルトに対する有効径を変化させることのできる可変径プーリにおいて、
    回転軸の軸方向に移動自在に設けられた環状の第1および第2のプーリ主体と、
    これらプーリ主体の互いの対向面にそれぞれ形成されたテーパ状の第1および第2の動力伝達面と、
    これら動力伝達面によって両プーリ主体の軸心に対して偏心可能に挟持され、且つ外周面にベルトが巻き掛けられた動力伝達リングと、
    第1のプーリ主体と軸方向に一体移動可能に連結されると共に第2のプーリ主体の動力伝達面の背面に対向する対向面を含む対向部材と、
    この対向部材と第2のプーリ主体の背面との間に介在し両プーリ主体が互いに近づく方向に付勢する弾性部材と、
    上記対向部材の対向面と第2のプーリ主体の背面との間に区画される収容空間に収容され、該収容空間内を遠心方向に変位することにより、両プーリ主体を介して動力伝達リングを上記軸心と同心位置に付勢する慣性部材と
    両プーリ主体を一体回転可能に連結する第1の連結手段と、
    この第1の連結手段を介して両プーリ主体を回転軸に動力伝達可能に連結する第2の連結手段とを備えたことを特徴とする可変径プーリ。
  2. 上記慣性部材は、上記対向部材の対向面および第2のプーリ主体の背面に転動する転動部材を含むことを特徴とする請求項1記載の可変径プーリ。
  3. 上記第1の連結手段は、内径部および外径部がそれぞれ対応するプーリ主体に一体回転可能に係合されたダイヤフラムスプリングを含み、
    このダイヤフラムスプリングは上記弾性部材を兼用していることを特徴とする請求項記載の可変径プーリ。
  4. 上記ダイヤフラムスプリングは径方向中間部に複数が周方向に間隔を隔てて配置された連結孔を含み、
    上記第2の連結手段はダイヤフラムスプリングの周方向変位のみを規制するように連結孔の内面に係合された連結軸を含むことを特徴とする請求項3記載の可変径プーリ。
  5. 上記第1の連結手段は、第1のプーリ主体および上記対向部材にそれぞれ形成された互いに逆向きの傾斜を有する一対のカム面に係合する連結軸を含み、
    上記一対のカム面は、それぞれ対応するプーリ主体の回転軸に対する相対回転を対応するプーリ主体の軸方向変位に変換することにより、両プーリ主体を互いに逆向きで相等しい変位量で軸方向に変位させることを特徴とする請求項記載の可変径プーリ。
  6. 上記第1のプーリ主体および上記対向部材には、それぞれ連結軸を案内する一対の案内溝が形成され、
    上記一対のカム面は上記一対の案内溝の内面によりそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項記載の可変径プーリ。
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