JP3693750B2 - 電気泳動センサー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動を利用して試料中の物質を分析する電気泳動センサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば特開昭62−220853号に示されるように、電気泳動を利用して試料中の物質を分析するための電気泳動装置が知られている。この電気泳動装置は基本的に、試料を含浸する電気泳動媒体に直流電圧を印加して、試料中の蛋白質、蛋白質分核物、核酸、核酸分解物等の電荷を有する物質を該媒体において電気泳動させ、各物質の泳動速度の違いを利用してそれらを電気泳動媒体において空間的に分離させるものである。
【0003】
従来の電気泳動装置においては、電気泳動媒体としてポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル等からなるゲルシートが多く用いられている。そして、そこに空間的に分離した試料中の物質を分析する上では、試料中の物質に予め蛍光体や放射線同位元素等からなる標識を付けておき、電気泳動後の電気泳動媒体における標識の位置を、写真感光材料や、例えば特開昭62−90600号に示されている蓄積性蛍光体シート等に記録する手法が広く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記標識の位置を記録するには、写真感光材料や蓄積性蛍光体シート等に対する露光操作や、さらには写真感光材料の現像処理、蓄積性蛍光体シートの蓄積記録情報を読み取る処理等が必要であり、そのために、電気泳動装置による試料分析はかなり面倒なものとなっていた。また、試料中の物質に放射線同位元素等からなる標識を付ける作業は煩わしいものであり、そして人体への悪影響も懸念されるものである。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、面倒な操作や処理を必要とせずに、試料中の物質を簡単に分析可能な電気泳動センサーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の電気泳動センサーは、請求項1に記載の通り、試料を含浸する固体状の電気泳動媒体と、この電気泳動媒体の一端に接する状態に配された、金属膜からなる第1の電極と、上記電気泳動媒体の他端側に配された第2の電極と、上記第1および第2の電極を介して電気泳動媒体に、試料中の検出対象物質を上記他端から一端側に泳動させる直流電圧を印加する手段と、上記電気泳動媒体の一端と反対側から第1の電極に接する状態に配置されたプリズムと、光ビームを上記プリズムに通し、該プリズムと第1の電極との界面に対して、種々の入射角が得られるように入射させるビーム照射系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を、上記種々の入射角毎に検出可能な光検出手段とを備えてなるものである。
【0007】
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを偏向させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面で集束するように入射させてもよい。前者の場合は、光ビームの偏向にともなって出射角が変化する光ビームを、光ビームの偏向に同期移動する小さな光検出器によって検出したり、出射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサーによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の出射角で出射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサーによって検出することができる。
【0008】
また本発明による第2の電気泳動センサーは、請求項2に記載の通り、
上記と同様の電気泳動媒体、第1の電極(ただし、この場合は金属膜に限るものではなく、透明電極とされる)、第2の電極、直流電圧印加手段およびプリズムに加えて、
所定の偏光状態とした光ビームを、上記プリズムと第1の電極との界面で全反射するように、該プリズム側から入射させるビーム照射系と、
この光ビームの、上記全反射による偏光状態の変化を検出する手段とが設けられてなるものである。
【0009】
さらに本発明による第3の電気泳動センサーは、特に蛍光体による標識が付けられた検出対象物質を含む試料を対象とするものであり、詳しくは請求項3に記載の通り、
第2の電気泳動センサーにおけるのと同様の電気泳動媒体、第1の電極、第2の電極、直流電圧印加手段およびプリズムに加えて、
光ビームを、上記プリズムと第1の電極との界面で全反射するように、該プリズム側から入射させるビーム照射系と、
上記界面から漏れ出たエバネッセント波により励起されて、蛍光体標識から発せられた蛍光を検出する手段とが設けられてなるものである。
【0010】
【発明の効果】
上記第1の電気泳動センサーにおいて、光ビームを金属膜からなる第1の電極に対して全反射角以上の入射角で入射させると、この第1の電極に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。入射角がある特定の角度θSPになったとき、エバネッセント光の波数と表面プラズモンの波数とが等しくなり、波数整合が成立する。この状態では、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、プリズムと第1の電極との界面で全反射する光の強度が鋭く低下する。ただし、この現象が生じるのは、入射光がP偏光(偏光が金属膜に垂直な状態)のときに限られる。
【0011】
この現象が生じる入射角θSPより表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εm とεs をそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0012】
【数1】
Figure 0003693750
【0013】
試料の誘電率εs が分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることにより、試料中の特定物質を定量分析することができる。
【0014】
本装置ではこのようにして、第1の電極に到達した物質のみが検出されるのであるが、試料中に含まれる複数の物質は、泳動速度の違いにより、互いに時間差を伴って第1の電極に到達するから、それらの物質は時間的に分離して検出されることになる。
【0015】
以上の通り、本発明による第1の電気泳動センサーによれば、試料中に含まれる複数の物質が時間的に分離して検出されるから、これらの物質を空間的に分離、記録するための露光操作や現像処理等が不要となり、試料中の物質を簡単に分析可能となる。
【0016】
またこの第1の電気泳動センサーは、前述の反射光強度に基づいて試料中の物質を分析するものであるから、その使用に際して試料中の物質に標識を付ける必要がなく、この点からも分析作業が簡素化され得る。
【0017】
次に、本発明の第2の電気泳動センサーによる効果について説明する。第1媒質中を進行する光ビームが、該第1媒質とそれよりも低屈折率の第2媒質との界面で全反射するとき、上にも述べた通り、第2媒質側にエバネッセント波と呼ばれる光が漏れ出る。上記界面に偏光している光ビームを入射させた際には、全反射の前と後とで偏光状態(つまりp偏光成分とs偏光成分との間の位相差)が変化し、そしてこの偏光状態の変化は、上記エバネッセント波と相互作用する第2媒質に応じた固有のものとなる。
【0018】
本発明の第2の電気泳動センサーは、プリズムを上記第1媒質として、また第1の電極およびそこに到達した物質を上記第2媒質として作用するように構成したものであり、そこで、全反射による光ビームの偏光状態の変化を検出することにより、試料中の物質を定量分析可能となる。このように本装置でも、第1の電極に到達した物質のみが検出される。そして、試料中に含まれる複数の物質は、泳動速度の違いにより互いに時間差を伴って第1の電極に到達するから、それらの物質は時間的に分離して検出されることになる。
【0019】
なお、この第2の電気泳動センサーにおける第1の電極は透明電極であるから、エバネッセント波は試料液中に漏れ出るようになり、したがって、試料分析はこの電極に妨げられることなく行なわれ得る。
【0020】
以上の通り、本発明による第2の電気泳動センサーによれば、試料中に含まれる複数の物質が時間的に分離して検出されるから、これらの物質を空間的に分離、記録するための露光操作や現像処理等が不要となり、試料中の物質を簡単に分析可能となる。
【0021】
またこの第2の電気泳動センサーは、前記偏光状態の変化を検出して試料中の物質を分析するものであるから、その使用に際して試料中の物質に標識を付ける必要がなく、この点からも分析作業が簡素化され得る。
【0022】
次に、本発明の第3の電気泳動センサーによる効果について説明する。この第3の電気泳動センサーは、光ビームをプリズムと第1の電極との界面で全反射させ、そのとき該界面から漏れ出たエバネッセント波により励起されて、標識をなす蛍光体から発せられた蛍光を検出するように構成されているので、第1の電極に到達している物質をこの蛍光に基づいて定量分析可能となる。
【0023】
このように本装置でも、第1の電極に到達した物質のみが検出される。そして、試料中に含まれる複数の物質は、泳動速度の違いにより互いに時間差を伴って第1の電極に到達するから、それらの物質は時間的に分離して検出されることになる。
【0024】
以上の通り、本発明による第3の電気泳動センサーによれば、試料中に含まれる複数の物質が時間的に分離して検出されるから、これらの物質を空間的に分離、記録するための露光操作や現像処理等が不要となり、試料中の物質を簡単に分析可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である電気泳動センサーの側面形状を示すものである。
【0026】
図示されるようにこの電気泳動センサーは、試料液11が満たされる保温水槽10と、この保温水槽10の下部において試料液11に接するように配された第1電極12と、保温水槽10の上部において試料液11に接するように配された第2電極13と、この第2電極13と第1電極12との間に直流電圧を印加する直流電源14とを有している。なお上記第1電極12としては、例えば金、銀等からなる金属膜が用いられている。
【0027】
またこの電気泳動センサーは、第1電極12に下側(保温水槽10の外側)から接する三角柱状のプリズム15と、1本の光ビーム16を発生させる半導体レーザー等の光源17と、この光源17から発散光状態で出射した光ビーム16をプリズム15の長軸に垂直な面(紙面に平行な面)内のみで集束させるシリンドリカルレンズ18と、プリズム15と第1電極12との界面15aで全反射した光ビーム16の強度を検出する光検出手段19とを備えている。
【0028】
光ビーム16は、シリンドリカルレンズ18の作用により上述のように集束するので、図中に最小入射角θ1 と最大入射角θ2 とを例示するように、界面15aに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム16は界面15aで全反射し、この反射した光ビーム16には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。
【0029】
光検出手段19としては、上記のように種々の反射角で反射した全部の光ビーム16を受光できる方向に受光部が延びる、例えばCCDラインセンサ等が用いられている。そこで、この光検出手段19の各受光素子毎に出力される光検出信号S1は、上記種々の反射角毎に(つまり、種々の入射角毎に)光ビーム16の強度を示すものとなる。
【0030】
以下、上記構成の電気泳動センサーによる試料分析について説明する。保温水槽10の中には、一端(図中の下端)が第1電極12に接する状態にして、例えばポリアクリルアミドゲルからなる電気泳動媒体としてのゲルシート20が配される。またこの保温水槽10の中には、試料液11が満たされる。一方、直流電源14により、第1電極12と第2電極13との間に直流電圧が印加される。そして、上述のように集束する光ビーム16が、第1電極12に向けて照射される。この第1電極12とプリズム15との界面15aで全反射した光ビーム16は、光検出手段19によって検出される。
【0031】
前述した通り、光検出手段19の各受光素子毎に出力される光検出信号S1は、全反射した光ビーム16の強度Iを入射角θ毎に示すものとなる。そしてこの反射光強度Iと入射角θとの関係は、概ね図2に示すようなものとなる。
【0032】
ここで、ある特定の入射角θSPで入射した光は、第1電極12と試料液11との界面に表面プラズモンを励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。光検出手段19の各受光素子毎に出力される光検出信号S1を用いれば上記入射角θSPが分かり、このθSPの値に基づいて試料液11中の物質を定量分析することができる。その理由は、先に詳しく説明した通りである。
【0033】
また、上述のように直流電源14に接続された第1電極12と第2電極13との間に直流電圧が印加されているので、第1電極12には、ゲルシート20を電気泳動した試料液11中の複数の物質が次々に到達する。このとき、これら複数の物質は電気泳動速度の違いにより、互いに時間間隔を置いて第1電極12に到達する。つまり、上記光検出信号S1に基づいて定量分析される物質はこのように電気泳動した物質であり、そして各物質は時間軸上で変化する光検出信号S1に基づいて、互いに分離して検出されることとなる。
【0034】
なお以上の実施形態においては、種々の入射角θを得るために、比較的太い光ビーム16を界面15aで集束するように入射させているが、比較的細い光ビームを偏向させることによって種々の入射角θを得るようにしてもよい。
【0035】
次に図3を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なおこの図3において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての重複した説明は省略する(以下、同様)。
【0036】
この図3の電気泳動センサーは図1のものと比べると、基本的に、電気泳動用の構成は同等で、光によるセンサー部が異なるものである。すなわちこの図3の電気泳動センサーは、前述と同様のプリズム15と、このプリズム15の一面(図中の上面)に形成されて、試料液11に接触させられる透明な第1電極30と、1本の光ビーム31を発生させるレーザー光源32と、この光源32から出射した光ビーム31の偏光状態を制御する偏光子33およびλ/4板34と、プリズム15と第1電極30との界面15aで全反射した光ビーム31の光路に配された検光子35と、この検光子35を通過した光ビーム31の強度を検出する光検出手段36とを備えている。
【0037】
レーザー光源32、偏光子33およびλ/4板34からなるビーム照射系は、光ビーム31が上記界面15aに全反射角以上の入射角で入射するように配置されている。また偏光子33およびλ/4板34によって光ビーム31は、界面15aに入射する直前に円偏光となる。また検光子35は光軸周りに回転されるようになっている。
【0038】
以下、上記構成の電気泳動センサーによる試料分析について説明する。保温水槽10の中には、一端(図中の下端)が第1電極30に接する状態にして、前述のゲルシート20が配される。またこの保温水槽10の中には、試料液11が満たされる。一方、直流電源14により、第1電極30と第2電極13との間に直流電圧が印加される。そして、上述のような円偏光とされた光ビーム31が、第1電極30に向けて照射される。この第1電極30とプリズム15との界面15aで全反射した光ビーム31は、光検出手段36によって検出される。
【0039】
上記のように光ビーム31が界面15aで全反射するとき、入射光と反射光とでは、そのp偏光成分(界面15aに平行な振動面を有する偏光成分)とs偏光成分(界面15aに垂直な振動面を有する偏光成分)との位相差が異なる。この全反射による位相差の変化つまり偏光状態の変化は、第1電極30に付着している分析対象物質の物性および総量を反映したものとなる。そこで、光検出手段36の出力S2から偏光の楕円率を測定し、円偏光からのずれを調べることで、全反射による偏光状態の変化、つまりは分析対象物質の物性および総量を求めることができる。
【0040】
この場合も、第1電極30と第2電極13との間に直流電圧が印加されているので、第1電極30には、ゲルシート20を電気泳動した試料液11中の複数の物質が次々に到達する。そして、これら複数の物質は電気泳動速度の違いにより、互いに時間間隔を置いて第1電極30に到達するから、時間的に互いに分離して検出されることとなる。
【0041】
この実施形態においては、光ビーム31の全反射による偏光状態の変化を、回転する検光子35と光検出手段36とによって検出しているが、この偏光状態の変化はその他の公知の手法によって検出することも可能である。例えば、検光子35を固定状態にしておけば、偏光状態の変化にともなって光検出信号S2が刻々変化するので、この光検出信号S2の値に基づいて偏光状態の変化をリアルタイムで検出することができる。なお図4には、時間経過に伴なう光検出信号S2の変化の様子の一例を示してある。
【0042】
以上のような物質の分離検出の例としては、コラーゲンポリペプチド鎖の分離検出が挙げられる。コラーゲン中のα鎖、β鎖、γ鎖は、分子量がそれぞれ96000、192000、288000である。それらを検出する場合、第1電極30が陽極となるように電圧を掛けるとそれぞれの物質が第1電極30側に泳動し、そして、それらの泳動速度は分子量が小さいものほど大となる。したがって、α鎖、β鎖、γ鎖がこの順に第1電極30に到達する。それぞれの物質が第1電極30に到達すると、該電極30の表面近傍の誘電率(屈折率)が各物質に応じて変化し、それにより上述の偏光状態が変化する。この偏光状態の変化は、上記の通り光検出信号S2の変化として検出される。
【0043】
次に図5を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。この図5の電気泳動センサーも図1のものと比べると、基本的に電気泳動用の構成は同等で、光によるセンサー部が異なるものである。すなわちこの図5の電気泳動センサーは、透明な第1電極30に接する状態に配置された断面略台形状のプリズム40と、1本の光ビーム41をこのプリズム40に入射させるレーザー光源42と、後述する蛍光46を集光する集光レンズ43と、上記蛍光46を選択的に透過させる波長フィルター44と、上記蛍光46を検出する光検出器45とを有している。なお上記光源42は、そこから出射した光ビーム41がプリズム40と第1電極30との界面40aで全反射するように配置されている。
【0044】
以下、この電気泳動センサーによる試料分析について説明する。保温水槽10の中には、一端(図中の下端)が第1電極30に接する状態にして、前述のゲルシート20が配される。またこの保温水槽10の中には、試料液11が満たされる。なおこの試料液11中の検出対象物質は、蛍光体の一種である色素で標識される。一方、直流電源14により、第1電極30と第2電極13との間に直流電圧が印加される。そして光ビーム41が、第1電極30に向けて照射される。
【0045】
上述のように光ビーム41が界面40aで全反射するとき、該界面40aから第1電極30側にエバネッセント波が漏れ出る。このとき、試料液11中の色素で標識された物質が第1電極30に到達していれば、この色素はこのエバネッセント波により励起されて、蛍光46を発する。この蛍光46は集光レンズ43により集光されて光検出器45に導かれ、該光検出器45によって検出される。つまり本装置では、光検出器45の光検出信号S3に基づいて、色素で標識された試料液11中の物質を検出することができる。
【0046】
この場合も、第1電極30と第2電極13との間に直流電圧が印加されているので、第1電極30には、ゲルシート20を電気泳動した試料液11中の複数の物質が次々に到達する。そして、これら複数の物質は電気泳動速度の違いにより、互いに時間間隔を置いて第1電極30に到達するから、時間的に互いに分離して検出されることとなる。
【0047】
次に図6を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。この図6の電気泳動センサーは、図5の構成に、図1に示された光によるセンサー部が付加された形のものである。
【0048】
この図6の電気泳動センサーにより試料液11中の複数の物質を分離検出する際には、ある特定の物質のみが色素で標識される。これら複数の物質は、表面プラズモンを利用するセンサー部(図1のものと同じ)によって全て検出されるが、特にそれらの中で色素で標識されたものは、蛍光観測によっても検出され得る。したがって、良く分かっている特定の物質を標準サンプルとして色素標識しておくことにより、蛍光検出信号S3から基準信号を得ながら、その他の物質を光検出信号S1に基づいて分析可能となる。
【0049】
次に図7を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。この図7の電気泳動センサーは、図5の構成に、図3に示された光によるセンサー部が付加された形のものである。
【0050】
この図7の電気泳動センサーにより試料液11中の複数の物質を分離検出する際にも、良く分かっている特定の物質が標準サンプルとして色素標識される。それにより、図6の電気泳動センサーにおけるのと同様に蛍光検出信号S3から基準信号を得ながら、その他の物質を分析可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である電気泳動センサーの側面図
【図2】図1の電気泳動センサーにおける、プリズムへの光ビーム入射角と全反射光強度との概略関係を示すグラフ
【図3】本発明の第2の実施形態である電気泳動センサーの側面図
【図4】図3の電気泳動センサーにおける光検出信号の変化の様子を概略的に示すグラフ
【図5】本発明の第3の実施形態である電気泳動センサーの側面図
【図6】本発明の第4の実施形態である電気泳動センサーの側面図
【図7】本発明の第5の実施形態である電気泳動センサーの側面図
【符号の説明】
10 保温水槽
11 試料液
12 金属膜からなる第1電極
13 第2電極
14 直流電源
15 プリズム
15a プリズムと第1電極との界面
16 光ビーム
17 光源
18 シリンドリカルレンズ
19 光検出手段
20 ゲルシート
30 透明な第1電極
31 光ビーム
32 光源
33 偏光子
34 λ/4板
35 検光子
36 光検出手段
40 プリズム
40a プリズムと第1電極との界面
41 光ビーム
42 光源
43 集光レンズ
44 波長フィルター
45 光検出器

Claims (3)

  1. 試料を含浸する固体状の電気泳動媒体と、
    この電気泳動媒体の一端に接する状態に配された、金属膜からなる第1の電極と、
    前記電気泳動媒体の他端側に配された第2の電極と、
    前記第1および第2の電極を介して前記電気泳動媒体に、前記試料中の検出対象物質を前記他端から一端側に泳動させる直流電圧を印加する手段と、
    前記電気泳動媒体の一端と反対側から前記第1の電極に接する状態に配置されたプリズムと、
    光ビームを前記プリズムに通し、該プリズムと第1の電極との界面に対して、種々の入射角が得られるように入射させるビーム照射系と、
    前記界面で全反射した光ビームの強度を、前記種々の入射角毎に検出可能な光検出手段とを備えてなる電気泳動センサー。」
  2. 試料を含浸する電気泳動媒体と、
    この電気泳動媒体の一端に接する状態に配された透明な第1の電極と、
    前記電気泳動媒体の他端側に配された第2の電極と、
    前記第1および第2の電極を介して前記電気泳動媒体に、前記試料中の検出対象物質を前記他端から一端側に泳動させる直流電圧を印加する手段と、
    前記電気泳動媒体の一端と反対側から前記第1の電極に接する状態に配置されたプリズムと、
    所定の偏光状態とした光ビームを、前記プリズムと第1の電極との界面で全反射するように、該プリズム側から入射させるビーム照射系と、
    前記光ビームの、前記全反射による偏光状態の変化を検出する手段とを備えてなる電気泳動センサー。
  3. 蛍光体による標識が付けられた検出対象物質を含む試料を含浸する電気泳動媒体と、
    この電気泳動媒体の一端に接する状態に配された透明な第1の電極と、
    前記電気泳動媒体の他端側に配された第2の電極と、
    前記第1および第2の電極を介して前記電気泳動媒体に、前記試料中の検出対象物質を前記他端から一端側に泳動させる直流電圧を印加する手段と、
    前記電気泳動媒体の一端と反対側から前記第1の電極に接する状態に配置されたプリズムと、
    光ビームを、前記プリズムと第1の電極との界面で全反射するように、該プリズム側から入射させるビーム照射系と、
    前記界面から漏れ出たエバネッセント波により励起されて、前記蛍光体から発せられた蛍光を検出する手段とを備えてなる電気泳動センサー。
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