JP3693568B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触転写方式を採用している電子写真装置等の画像形成装置に関するもので、特に、コピア、レーザープリンタにおける像担持体に当接して使用される接触転写部材を具備する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法においては、従来、金属ワイヤーに高電圧を印加して、発生するコロナにより像担持体(感光体)を帯電させたり、転写させたりしている。しかし、このコロナチャージ方式ではコロナ発生時にオゾンやNOx等のコロナ生成物により像担持体の表面を変質させるため、画像白抜けや黒スジが生じる等の画像品質上の他、オフィス環境の点においても問題があった。そこで、オゾンやNOx等を発生させない方式として、導電性弾性体を像担持体などに接触させて帯電及び転写させる方式が提案されている。
【0003】
電子写真方式の画像形成装置において、像担持体上に形成されたトナー像を記録材に転移させるための手段として、像担持体に対向して付設された導電性弾性体に記録材の背面側より数百V〜3kV程度の電圧を印加して接触転写を行うプロセスがある。
通常、接触転写部材を像担持体と共に回転移動して接触転写を行うが、その他の方式として導電性樹脂シート或いは導電性プレートを用いることがあり、この場合、特開平8−314294号公報に提案されているように導電性樹脂シートを像担持体に圧接して、その間に記録材を通過させて転写を行っている。この導電性樹脂シートの抵抗値を1×102〜1×109Ωとなるような半導電領域にすることにより、適切な接触転写を実現することが可能となる。
【0004】
しかし、上述のように導電性樹脂シートを像担持体に圧接して転写を行うと、導電性樹脂シートは常に同一箇所が転写部分となるため、そのシートの表面が残トナーや紙粉によって汚れ、記録材の裏汚れや抵抗値の上昇をまねく。このため、転写に必要な電圧値が大きくなり、像担持体の耐電圧値を超えてしまう。また、像担持体と当接又は圧接する導電性樹脂シートは転写ニップ部分に用いる範囲を変更させることが困難であるため、汚れた領域のクリーニングができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の課題及び要望に応えるためになされたものであり、接触転写部材の体積抵抗率自身を低く抑えて接触転写面の抵抗むらを少なくすると共に、接触転写部材にクリーニング手段を簡単且つコンパクトに取り付けて、該クリーニング手段で該接触転写面の汚れた領域を確実にクリーニングして、接触転写面における抵抗値の上昇を防止する画像成形装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために、次の構成を有するものである。
(1)像担持体に当接させた接触転写部材を有し、前記像担持体と前記接触転写部材とで形成される転写ニップ部に記録材を搬送し、前記像担持体上のトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、前記接触転写部材は、前記像担持体との転写ニップ面が、該トナー像の転写時に固定され、且つ非転写時にクリーニング手段によってクリーニングされると共に、移動させられ、該接触転写部材は、前記非転写時の移動距離が該記録材の搬送方向に沿った前記転写ニップ面幅以上であることを特徴とする画像成形装置。
【0007】
(2)前記接触転写部材は、制御手段によって、固定、移動の制御がなされていることを特徴とする前記(1)記載の画像形成装置。
(3)前記接触転写部材は、該転写部材が回動することにより、転写ニップ面が移動することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
【0008】
(4)前記接触転写部材がローラ形状を有することを特徴とする前記(3)記載の画像形成装置。
【0009】
(5)前記接触転写部材の固定、回動機構は、該接触転写部材の回動軸に設けた凹状係合部と該転写部材の軸受に設けた凸状係合部の噛み合わせ機構であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の画像成形装置。
(6)前記接触転写部材の固定、回動機構は、該接触転写部材の回動軸に設けた凸状係合部と該転写部材の軸受に設けた凹状係合部の噛み合わせ機構であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の画像成形装置。
【0010】
(7)前記接触転写部材の固定、回動機構は、該回動軸の半径方向にスライド可能に設けた一対の挟持手段であり、該スライド操作により該回動軸を挟持或いは開放するものであり、前記制御手段は、該挟持手段のスライドを制御するものであることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の画像成形装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態、及び後述の実施例について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略図である。図2は図1に示された接触転写部材の拡大断面図である。図3(A)及び(B)は、図1に示された接触転写部材の軸と軸受部分の概略断面図である。図4は図1に示された接触転写部材の作動とその制御手段の制御のタイミング図である。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、像担持体、例えば、感光体等に当接する接触転写部材を有し、その接触転写部材が導電性弾性体からなるものであれば、通常の形成装置と異なった適用形体、名称、総称等であって良く、その名称等に限定されない。
前記画像形成装置において、被画像形成体に画像を記録する為に必要な像担持体(感光体等)への画像形成はカールソンプロセスや背面露光方式や、その他の種々の作像原理を使用することが可能であって特に限定されるものではない。本実施の形態ではカールソンプロセスによる画像形成装置を例にとって説明する。
【0013】
図1は画像形成装置の概略断面図である。前記画像形成装置9は、コンピューターの出力装置として使用されるものであるが、これ以外にワードプロセッサやファクシミリの印字部、デジタル複写機の印字部としても使用可能である。画像形成装置9は、主に、画像を形成する画像形成部10と画像形成部10に記録材Pを供給する給紙装置30と定着装置17とから構成されている。画像形成部10は、アルミ素管に感光層を配置した像担持体(感光体ドラム)11と像担持体11の周囲にこの順序で配置される帯電装置12、露光装置(レーザーユニット)13、現像装置14、転写装置15、及び除電装置(除電ランプ)16とを備えている。
【0014】
前記帯電装置12は、像担持体11の表面に均一な電荷を付与するための帯電部材(帯電手段)18と、該帯電部材18に電位を供給するための帯電電源19とを備えている。
前記レーザーユニット13は、帯電された像担持体11の表面に画像データに応じてレーザーを照射し、像担持体11上に電荷パターンからなる静電潜像を形成する。
前記現像装置14は、レーザーユニット13の露光によって形成された静電潜像に対して現像剤であるトナーを供給してトナー像50を形成する現像部材(現像手段)21と、現像部材21に現像電圧を供給する現像電源22とを備えている。
前記転写装置15は、記録材Pを像担持体11に圧接して像担持体11に形成されたトナー像を記録材Pに転写する接触転写部材(転写ローラ)23と、転写時に接触転写部材23に転写電圧を供給する転写電源24とを備えている。
【0015】
前記除電ランプ16は複数のLEDからなり、像担持体11の表面に光を照射して像担持体11の表面に残留した電荷を中和して除電する。
前記給紙装置30は記録材Pを収容するカセット31、カセット31から記録材Pを送り出すピックアップローラ32、供給された記録材Pをガイドする給紙ガイド33、給紙された記録材Pを所定の速度で搬送する一対のレジストローラ34からなる。
また、給紙装置30は、記録材Pが供給されたことを検出する給紙センサー(図示せず)を備えている。
前記のピックアップローラ32、帯電部材18、現像部材21、接触転写部材23(共駆動時の場合)、及び像担持体11は図示しない駆動装置によって回転駆動させられる。これらの回転駆動は不図示のプロセスコントロールユニットによって所定のタイミングで適宜制御される。また、画像形成部10の記録材Pの出紙側には、記録材Pを装置外に排出する排紙ローラ41と排紙された記録材Pを保持する排紙トレイ42を配している。
【0016】
帯電部材18、現像部材21、及び接触転写部材23に用いられる導電性部材は一般に以下に示す材質から構成されるものが採用されている。
例えば、画像形成装置9における接触転写部材23及びその他の部材の一例は図2に示すような構造を有している。
即ち、基体1(又は回転軸)は鉄、アルミニウム、SUS、真鍮などで構成された、いわゆる「芯金」のほか、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂からなる芯体及びその表面にメッキを施したもの、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂に導電性付与剤としての導電性カーボンブラック、金属粉末などを配合した導電性樹脂成形品で形成した芯体、またはこれらの組み合わせからなる芯体など、プラスチック、金属、セラミックから選ばれた任意の材料からなる基体1であり、その基体1に被覆された1層以上の弾性体2を有している。その弾性体2の内部を通電する手段として、弾性体2の内部に導電性充填剤3を混入し、電圧を印加した場合にはこの分散した導電性充填剤3間の通電により、導電性弾性体の通電を可能としている。
【0017】
前記弾性体2としては、ニトリルブタジェンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ノルボルネンゴムなどの有極性エラストマーや、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、およびこれらの共重合体や混合物などの無極性樹脂、クロロポリスチレン、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体およびスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、フツ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂およびこれらの共重合体や混合物などの有極性樹脂も可能である。特に、環境変化に伴う体積抵抗率変動の抑制効果及び低硬度化から、エチレン−プロピレンジェン重合体(EPDM)、ブタジェンゴム、スチレン−ブタジェンゴム(SBR)、ハイスチレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、天然ゴム(NR)などの無極性エラストマーが最も好ましい。
【0018】
前記導電性充填剤3としては電子導電性充填剤が望ましく、例えば、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレンおよびポリエチレンイミンなどの導電性樹脂、カーボン、アルミニウム、ニッケルなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−ビニル共重合体およびポリメタクリル酸メチルなどの樹脂中に分散した導電性粒子分散樹脂、アルミニウム、ニッケル及びステンレスなどの金属紛未、酸化チタン、酸化スズ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの導電性無機粒子、またそれらのウイスカー及びマイカーに必要に応じて酸化スズ、酸化アンチモン、カーボン等で表面処理を行ったもの、またはカーボンブラック(チャンネルブラック、フアーネスブラック、アセチレンブラック)が挙げられ、これらの形状も球状、繊維状、板状、不定型などどのような形状でもよい。
導電性充填剤3としてこのような電子導電性充填剤を使用すると、電子導電性充填剤間の放電により導電するので、長時間、弾性体2に電圧を印加しても履歴を残すことがなく使用することが可能となる。
【0019】
前記導電性充填剤以外の添加剤としては、他に加硫剤、加流促進剤、発泡剤、老化防止剤、補強剤、充填剤を必要に応じて配合することができる。
前記加硫剤としては、例えば硫黄、有機含硫黄化合物の他、有機過酸化物なども使用可能である。有機含硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。また、有機過酸化物としては、ベンゾイルペルオキシド等を挙げることができる。なお、これらのうち、加硫とともに発泡を行う場合に加硫速度と発泡速度のバランスが良くなる点から硫黄を用いるのが好ましい。
前記加硫促進剤としては、例えば、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、以下に記す有機促進剤を使用することができる。有機促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン等のチアゾール系加硫促進剤や、N−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、プロピルアミン等の脂肪族第1アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン等の脂肪族第2アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、脂環式第1アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、モリフォリン系化合物と2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物等のスルフェンアミド系加硫促進剤や、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジモノスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジモノスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系加硫促進剤や、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−N−ブチルカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを使用することができる。また、加硫促進助剤を配合することもでき、例えば、亜鉛華などの金属化合物やステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸を用いることができる。
【0020】
前記発泡剤としては、例えば、水、A.I.B.N.(アゾビスイソブチロニトリル)系、A.D.C.A.(アゾジカルボンアミド)系、D.P.T.(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)系、T.S.H.(4−トルエンサルフオニルヒドラジド)系、O.B.S.H.(4,4'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド)などの有機系発泡剤が用いられる。発泡剤の配合量は組成物のゴム成分100重量部に対して5〜11重量部程度とする。これは5重量部未満では発泡が不十分になり、11重量部よりも多くなると発泡剤が加硫を阻害して、加硫が不十分になるためである。組成物を発泡体とした場合、柔軟性が向上する。これを転写手段として使用したときに、感光体と転写手段のニップが十分に確保でき、良好な画質を得ることができる。
【0021】
前記老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。前記充填剤としては、例えば、シリカ、グレー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合するとゴム組成物の強度が向上する。
【0022】
また、本発明による導電性弾性体の製法であるが、まず、1種類または2種類以上を組み合わせた前記2種もしくは3種以上の化合物からなる電子導電性充填剤と前記発泡剤(目的の導電性弾性体が発泡層を有する場合)、過酸化物または白金触媒存在下でのハイドロジェンポリシロキサンや硫黄などの加硫剤を所望の割合で一様に分散させた未加硫・未発泡のゴム材料をオープンロール、バンバリーミキサー等の公知のゴム混練装置を用いて混練する。この時、必要に応じて加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、補強剤、老化防止剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合することもできる。前記未加硫・(未発泡)のゴム材料を、例えばプレス成形、押出成形、射出成形などの方法により形成する。次に加熱処理による加硫、硬化、(発泡)を行って、(未発泡)弾性体と基体1を一体化させ、金型の内周面に沿った形状を有する目的の弾性体2を得ることができる。基体1は弾性体2の硬度を高くせずとも基体1でささえることができ、時間的なへたりなどによる圧力抜けを生じ耐久寿命が短くなることを防止することが可能となる。基体1には、その外周に耐熱温度が220℃の接着剤が塗布されている。この弾性体2の表面に作製させたスキン層を研磨及び研削する。これにより、弾性体2の硬度を低下させることが可能となるので、圧接部材との磨耗を防止することが可能となる.また、疲労によるスキン層のひび割れを事前に防止することが可能となる。以上の工程から基体1と弾性体2のみから構成される導電性弾性体を得る事が可能となる。
【0023】
以上の如く構成される実施の形態の画像形成装置において、接触転写部材23は、像担持体11との転写ニップ面が、トナー像を記録材Pに転写する時に固定され、非転写時に、図示しないクリ−ニング手段によってクリーニングされると共に、移動させられる。
尚、本実施形態の画像形成装置9のように、接触転写部材23はローラ形状であるが、接触転写部材は前記導電性材からなるプレートでも良く、又は断面が円弧形状のプレートでも良い。この場合、導電性材が平坦プレートであれば、前記移動形式はスライド形式となり、またローラ形状或いは断面が円弧形状のプレートであれば、移動形式は回動或いは回転となる。本発明に係る画像形成装置においては、クリーニング手段を簡単且つコンパクトに設ける必要から、また転写ニップ面以外の像担持体部分で通電しなようにする必要から、接触転写部材23はローラ形状、或いは、断面が円弧形状のプレートが好ましく、特に、回転可能なローラ形状のものが望ましい。しかしながら、本発明において、転写機能を発揮する限り、接触転写部材の形状は上記形状に限ることはない。
【0024】
前記接触転写部材23の転写ニップ面は、トナー像50の転写時に固定される。転写ニップ面が固定されたとき、転写ニップ面における体積抵抗率は、移動状態のときの転写ニップ面における体積抵抗率に比べて約1オーダー高くなる。転写ニップ面が固定された状態で転写処理が遂行されると、その転写ニップ面でのコンデンサ成分が移動状態に比べて十分に補充される。移動状態にある接触転写部材の体積抵抗率が適正値とすれば、適正体積抵抗率よりも約1オーダー低い範囲にある体積抵抗率の接触転写部材23を画像形成装置9(接触転写部材が転写時に固定状態となる装置)に用いれば、見掛け上、適正体積抵抗率となる。
このように固定状態における接触転写部材23の体積抵抗率が見掛け上、約1オーダー上昇するため、従来のものより低い体積抵抗率の接触転写部材23を用いることができ、接触転写部材23面での抵抗むらを軽減することができる。
【0025】
本発明に係る画像形成装置において、前記接触転写部材23は、転写ニップ面が非転写時に移動させられる。
前記接触転写部材23の転写ニップ面が非転写時に移動させられることにより、接触転写部材の同一箇所を絶えず使用し続けることがない。また、次回の印字時或いは転写時に使用される接触転写部材23の転写ニップ面は汚れがない。
従って、同一箇所を使用し続ける不都合、即ち接触転写部材のC−Set(瞬時に弾性を示さない状態)やトナー及び紙粉の付着による接触転写部材の体積抵抗率の上昇に起因する像担持体11の耐電圧以上の転写電圧印加や記録材の裏汚れを防止する。
【0026】
本発明に係る画像形成装置において、前記クリーニング手段が非転写時に上記転写ニップ面をクリーニングする。クリーニング手段としては以下のものを具体的に挙げることができる。
第1のクリーニング手段は、前記接触転写部材23が移動する直前に、転写電圧の逆電圧を該部材に印加するものである。
前記転写電源24により、接触転写部材23が回転する直前に転写電圧と逆の電圧を転写部材23に印加すれば、これがクリーニング手段として働く。即ち、転写電源24がクリーニング手段の役割を果たし、別途クリーニング手段を設けることなく、像担持体11面に残トナーを戻すことができる。
第2のクリーニング手段はまた、前記接触転写部材23が移動させられるため、接触転写部材23の表面から直接汚れを除去する清掃部材とすることができる。
前記清掃部材は、移動時に接触転写部材23の前回における転写ニップ面から直接汚れを除去するものであり、清掃部材としては接触転写部材23に直接当接するダスト吸着ローラ、ブラシ、ブレード等やブロー或いは吸引装置等を挙げることができるが、直接接触転写部材23の面に作用する清掃部材である限り限定されるものではない。
このような第2のクリーニング手段にあっては、像担持体11への悪影響を与える虞のある逆電圧印加方式を用いないため、像担持体11を損傷することがない。また逆帯電した汚染トナーの除去も可能であり、更に接触転写部材23に付着した紙粉の除去回収も可能である。
【0027】
前記接触転写部材23は制御手段によって、固定、移動の制御がなされる。
画像形成装置9おいて、通常、制御手段は上述のプロセスコントロールユニットに内蔵され、各駆動手段の制御機構と連動している。尚、本発明の画像形成装置においては、必ずしもこのようなユニットに接触転写部材23の制御手段を設ける必要はない。
接触転写部材23の制御手段は、転写時に接触転写部材23を固定し、非転写時に接触転写部材23を移動させる。このように接触転写部材23を適宜、固定、移動の制御をすることにより、転写ニップ面の汚染を防止すると共に、接触転写部材23面での抵抗むらを軽減することができる。
【0028】
前記接触転写部材23は、その転写部材23が回動することによって転写ニップ面が移動し、特に、転写部材23の回動角度が60°以上、特に70°乃至90°の範囲であることが望ましい。更に、前記クリーニング手段は2つであり、接触転写部材23の回動角度は120°以上にすることが望ましい。
接触転写部材23がローラ形状或いは断面が円弧状のプレートであれば、回動、特に回転することによって、転写ニップ面を簡単に移動させることができる。尚、接触転写部材23が実施形態のようにローラ形状、或いは断面が円弧形状のプレートであれば、回動、回転装置が設けられ、非転写時に回動、或いは回転させる。接触転写部材が単純な平板プレートであれば、スライド移動、或いは往復移動装置が設けられ、非転写時に移動させる。
【0029】
このような構成の接触転写部材23にあっては、転写部材23自身の設置スペースが少なくて済み、回動、回転によって転写ニップ面の俊敏な移動変更ができる。また、接触転写部材23の回動角度を60°以上とすると、接触転写部材23の前回で使用した転写ニップ面の汚れた部分を完全に回避することができ、次回の転写(印字)で使用する転写ニップ面は汚れがなく、記録材の裏汚れなどが起こらず、良好な画像を提供することができる。更に、接触転写部材23に直接当接するクリーニング手段でクリーニングする場合に、そのクリーニング手段の設置スペースを簡単に確保することができ、クリーニング処理による記録材や像担持体11への悪影響などの不具合がない。
また、接触転写部材23の回転角度が120°以上で240°以下の場合、2個の直接当接型クリ−ニング手段を設置することができ、2個のクリーニング手段によって、確実に転写ニップ面を清掃することができる。
【0030】
図3(A)に示すように、接触転写部材23の固定、回動機構は、接触転写部材23の回動軸(主に芯金1)62の半径方向に突設した4個の凸状係合部64と転写部材の軸受66に設けたスライド部材68の凹状係合部70の噛み合わせ機構であるか、又は図3(B)に示すように、接触転写部材23の回動軸62の半径方向に窪ませた4つの凹状係合部72と転写部材23の軸受66に設けたスライド部材74の凸状係合部76の噛み合わせ機構であるとすることができる。
【0031】
図3(A)及び(B)に示すように、軸受66に取り付けた各スライド部材68、74は、図中の矢印A、Bの方向に往復移動可能に設けられる。各スライド部材68、74の凹状係合部70又は凸状係合部76は接触転写部材23の軸の凸状係合部64又は凹状係合部72に係合される。係合時、接触転写部材23の回転或いは回動は停止され、接触転写部材23は固定される。
【0032】
尚、本実施形態の接触転写部材23では軸に4個の係合部を設けて、接触転写部材23の回動角度を90°としたが、6個の係合部を設けて回動角度を60°としても良く、また3個の係合部を設けて120°としても良い。係合部の数によって適宜接触転写部材23の回動角度を替えることができる。
また、本発明においては、凸状係合部或いは凹状係合部の断面形状は、コ字状、V字状、U字状など、適宜の形状を挙げることができる。
更に、上記係合部は接触転写部材23の両側の軸受に配することができるが、芯金1を電圧印加装置24に接続する関係から、その接続軸受の反対側に係合部を形成或いは配することが望ましい。スペース的な関係と、印加電圧がスライド部材等からリークしないようにするためである。
【0033】
前記スライド部材68、74は上述した接触転写部材23の制御手段によって往復動の制御がされる。図4に示すごとく、作像プロセス制御が転写を指令しているとき、接触転写部材23の制御手段は、前記スライド部材68、または74を矢印Aの方向に移動させ、各係合部を接触転写部材23の軸の係合部に係合させて、接触転写部材23を固定する。転写が終了して非転写時となったとき、接触転写部材23の制御手段は前記スライド部材68、または74を矢印Bの方向に移動させ、係合関係を解除して、接触転写部材23を90°回転させる。この回転中にクリーニング制御手段がクリーニング手段を作動させ、今までの転写ニップ面がクリーニング手段によって清掃される。かかる制御サイクルが4回繰り替えされることにより、接触転写部材23は1回転する。
このような接触転写部材23の固定、回動機構では、接触転写部材23の回転及び固定を精度よく制御することができ、また大きな機構、構造を必要としないので省スペースが可能となる。
【0034】
本発明に係る画像形成装置は、実施形態の画像形成装置9とは別な接触転写部材の固定、回動機構であってもよい。
例えば、接触転写部材の固定、回動機構は、接触転写部材の回動軸の半径方向にスライド可能に設けた一対の挟持手段であり、スライド操作により回動軸を挟持或いは開放するものである。
前記一対の挟持手段で回転軸を固定し、それにより接触転写部材を固定することにより、接触転写部材の回転、固定を変則的に制御することが簡単にでき、連続印字時の記録材間の回転時間から、ジャム発生による重度の汚れのクリーニングを実現する回転時間まで、必要とされる期間中の接触転写部材の固定及び回転を行う。
【0035】
また、本発明に係る画像形成装置の前記接触転写部材の固定、移動機構は、該接触転写部材の軸と該像担持体の軸を相対的にねじれの位置に回動してもよい。接触転写部材を構成する回転軸(芯体1)が軸受とねじれて接触、非接触を行うため、この場合も、接触転写部材の回転、固定を変則的に制御することが簡単にでき、連続印字時の記録材間の回転時間から、ジャム発生による重度の汚れのクリーニングを実現する回転時間まで、必要とされる期間中の接触転写部材の回転を行うことができる。
即ち、転写時に前記接触転写部材の回転軸を像担持体の軸方向と該接触転写部材の軸方向のねじれの位置方向にねじることによって、該接触転写部材の固定を実現する。例えば、前記接触転写部材の回転軸と軸受の摩擦を利用して、その固定を行い転写を実施する。また、像担持体の軸方向と前記接触転写部材の軸方向が平行となり、通常状態に戻し、前記接触転写部材の回動、回転を実現する。このときに、隣接したクリーニング手段等によって、前記接触転写部材をクリーニングする。以上の工程を繰り返すことにより、回動の動力を像担持体からの従動であることと相まって、上記平行位置及びねじれの位置を制御することによって、接触転写部材を容易に回動、固定を実現する。またこの場合、固定時の転写ニップ部はその中央部が狭く両端部が広くなり、これにより、最も広い転写ニップ部を移動させるに十分な量だけ回動させてクリーニングを実施する。
【0036】
尚、前記接触転写部材23は以下の場合に所定期間、回動、回転状態にあることが好ましい。
第一に、画像形成装置9の電源を入れた後、ジャムが発生した後の所定期間である。このような回転状態は、長期間使用されなかった場合、或いは直前に記録材にジャムが生じて停止した場合における接触転写部材23の汚れを防止し、またローラの圧接変形を修正することが可能となる。
第二に、前記トナー像の転写直前に、前記接触転写部材は所定期間、回転状態にあることである。このような回転状態は、スリープモードからの立ち上げや、直前に記録材にジャムが発生して停止した場合における接触転写部材23の汚れを防止することができる。
第三に、前記トナー像の転写後に、前記接触転写部材は所定期間、回転状態にあることである。このような回転状態は、次回の転写処理に接触転写部材23表面の使用箇所を毎回変更することができ、接触転写部材23表面の同一箇所のみの汚れや劣化を防止することができる。
第四に、複数枚の記録材Pをニップ部で連続搬送し、記録材Pと記録材Pとの間隙時に、前記接触転写部材23は、回転状態にあることである。このような回転状態は、連続印刷の場合において、搬送の際に記録材Pと記録材Pとの間隙時に回転させるため、各記録材Pに順次転写を行うときに、接触転写部材23の表面の使用箇所を毎回変更することができ、接触転写部材23の表面の同一箇所のみの汚れや劣化を防止することができる。
【0037】
本発明によれば、前記接触転写部材23をOPCなどの像担持体11に当接又は圧接し、トナー像50の転写を行うとき接触転写部材23を固定状態とし、逆に非転写時は接触転写部材23を移動状態として転写ニップ面の汚れをクリーニング手段で除去する。尚、供給電源としては、特に限定しないが定電圧装置を用い、供給電圧を定電圧制御することにより転写する。
前記接触転写部材23の固定状態でトナー像の転写を行うことにより、転写ニップ面における接触転写部材23表面のコンデンサ成分が十分に補充され、見掛け上の体積抵抗率は約1オーダーの値で上昇する。このため、接触転写部材表面の実質的な体積抵抗率が低く設定されて抵抗むらが軽減され、安定した良好な画質を得ることができる。
また転写ニップ面は転写毎に異なるため、その転写ニップ面が残トナーや紙粉によって汚れ、記録材の裏汚れや抵抗値の上昇を招いても、クリーニング手段により清掃される。このため、転写時に印加電圧が像担持体11の耐電圧値を超えることはなく、また接触転写部材23にクリーニング手段を簡単且つコンパクトに取り付けられる。
【0038】
【実施例】
本発明の画像形成装置を以下の実施例に基づいて詳しく説明する。
先ず、図1に示す画像形成装置9の接触転写部材23は、具体的には以下の方法で作製する。
アルミニウムからなる芯金の周囲に、EPDMにカーボンブラックを混入し発泡させた導電性弾性体を被服させてスキン層を除去した種々の接触転写部材23を画像形成装置9の中に組み込んで先ず以下の評価を行った。
【0039】
実施例として図1に示す画像形成装置9に、回転状態の体積抵抗率が2.2×107(Ω・cm)、且つ固定状態の体積抵抗率が2.5×108(Ω・cm)の接触転写部材23を、転写ニップ幅を1.0mm以上保持し、転写電圧を0.6〜2.4kVの範囲で変化させて、転写像の評価を行った。表1に示す。
尚、評価基準は、○が良好、△が普通、×が不良の三段階である。
【0040】
【表1】
【0041】
上記転写電圧が1.2〜1.8kVのときに転写効率及びトナー飛散、文字の中抜け評価において最も優れた良好な画像を得ることができた。
また、本実施例では、図4に示すように、像担持体11と接触転写部材23との転写ニップ部にて転写を行うとき、ローラ形状の接触転写部材23を固定し、非転写時は接触転写部材23を回動(又は回転)させて、転写ニップ面であった部分をクリーニング手段でクリーニング(清掃)した。
【0042】
接触転写部材23の回動(又は回転)及び固定の制御手段及び機構として、図3(A)に示すように、接触転写部材23の回転軸62(芯金1)に電圧を印加する側と反対側の軸受66に矢印A又はBの方向に往復動可能な一対の絶縁性高分子材からなるスライド部材68を取り付けた。スライド部材68に凹状係合部70を形成し、接触転写部材23の回転軸62に凸状係合部64を形成した。
このような構成において、接触転写部材23の制御手段によって、スライド部材68が図3の矢印Aの方向にスライドされると固定され、スライド部材68が図3の矢印Bの方向にスライドされると解除された。従って、タイミング的には、凸状係合部64は角度90°間隔で設けられ、この角度が1回分の回動距離となり、転写時に使用した転写ニップ面は、次回の転写ニップ面と確実に交換される。
【0043】
クリーニング手段は、接触転写部材23が回動(又は回転)する直前で、像担持体11との転写ニップ面が、記録材Pが抜けて直接接触したときに、転写電圧と反対の電圧を印加することによって、接触転写部材23面に付着したトナーをクリーニングした。
このクリーニング手段のみの場合、逆帯電したトナーが若干残るものの、記録紙の裏汚れが発生するほど汚れてはいなかったので、使用するのに耐えられる程度であった。
【0044】
また、別のクリーニング手段として、接触転写部材23の固定を解除し回動させた時に、接触転写部材23の表面に直接当接させたクリーニングローラにて清掃をした。クリーニングローラは1つでは、少数枚の転写では問題なかったが、1000枚以上のエージングでは不十分であった。
そこで、更に本実施例では、クリーニングローラを2つ設置した。エージング時においても記録紙の裏汚れは生じず、十分にクリーニングすることができた。
【0045】
尚、図3(B)に示すように、逆に、接触転写部材23の回転軸62に凹状係合部72を形成し、スライド部材74に凸状係合部76を形成した場合も、同様な固定、回動制御が可能であった。
また、接触転写部材23の回転、固定機構を芯金1に電圧を印加する軸受と反対側の軸受66で行ったのは、スペース的な問題と、印加電圧がリークしないようにするためである。両側の軸受に接触転写部材23の回転及び固定機構を設けることが好ましいが、本実施例においては、片側の軸受で十分であった。
更に、図3に示すように、回転軸62における凹凸状係合部の数は便宜上4つであるが、特に限定はなく任意の数量でかまわないが、接触転写部材23の1回分の回動移動距離が記録材の搬送方向に沿った転写ニップ幅以上を確保することが必要であった。これにより、汚れた同一個所を続けて使用することはなく、記録紙の裏汚れが生じることを確実に防止できた。
【0046】
本実施例では2000枚のエージングでは問題発生することもなく、制御可能であった。一方、比較例として、接触転写部材23を全く回動させず、固定してクリーニングもせずに記録材に転写したところ、ジャムの発生しない状況であっても、10枚程度を転写することによって、記録材の裏汚れが発生した。
また本実施例では、接触転写部材23は像担持体11と従動にて動作しており、回転軸62(芯金1)を固定した際は、俊敏に固定することができた。
【0047】
また、前記クリーニング手段にクリーニングローラを用いた場合、クリーニングローラの設置場所による転写への悪影響などは、接触転写部材23の1回分の回動角度が60°以上であれば問題はないことが分かった。更に、接触転写部材23の1回分の回動角度を120°以上として、クリーニングローラを2個設けることも、最適であることが分かった。
【0048】
更に、実際にクリーニングを行うために接触転写部材23の固定及び回動の制御を行ったタイミングは、転写終了直後、転写直前を基本にして、ジャムが発生した時の対応として、画像形成装置の電源投入時と、連続印刷の対応として、記録材と記録材の間にて、クリーニングを行った。
最も効果が大きかったのは、転写終了後と画像形成装置の電源投入時であった。尚、更にクリーニング性能を高めるためには、転写直前及び記録材と記録材の間にてクリーニングを行うことが適していた。この場合、1000枚以上のエージングにおいても記録紙の裏汚れを発生することなく、良好な転写を実現することができた。
【0049】
前記画像形成装置9において、上記以外の接触転写部材23の固定、回動機構の実施例として、制御手段のタイミングに合わせて、接触転写部材23の回転軸62を挟持手段によって高圧力で扶持することにより、接触転写部材23を固定した。
このような実施例にあっては、接触転写部材23の回転軸を高圧力によって挟持しても接触転写部材23固定、回動の制御が十分にできた。この場合、ジャム等の不測の事態が生じても、任意の場所での固定、回動が可能であるため十分に対応することができた。尚、接触転写部材23の回転軸と挟持手段との磨耗が問題となるが、本実施例では2000枚のエージングでは問題発生することもなく、制御は可能であった。
【0050】
また、前記画像形成装置9において、上記以外の接触転写部材23の固定、回動機構の実施形態として、接触転写部材23の回転軸を像担持体11の中心軸と相対的にねじれの位置になるようにねじる機構とすることができる。回転軸を支えている軸受と接触し、接触転写部材23を固定させる手段、接触転写部材23の回転軸をねじることにより、接触転写部材23の回動及び固定の制御が可能になる。尚、この場合は、回転軸と軸受の磨耗が問題となるが、本実施例では2000枚のエージングでは問題発生することもなく、制御は可能であった。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る画像形成装置によれば、前記接触転写部材は、前記像担持体との転写ニップ面が、該トナー像の転写時に固定され、且つ非転写時にクリーニング手段によってクリーニングされると共に移動させられるので、接触転写部材の体積抵抗率自身を低く抑えて接触転写面の抵抗むらを少なくすると共に、接触転写面における抵抗むらを軽減して、転写画像の濃度むら、飛散、中抜け等が生じない安定した良好な画像を得ることができ、また接触転写部の同一箇所での汚れを少なくしてクリーニング性を高め、且つその汚れの除去等が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態を示す画像形成装置の概略図である。
【図2】図2は図1に示された接触転写部材の拡大断面図である。
【図3】図3(A)及び(B)は、図1に示された接触転写部材の軸と軸受部分の概略断面図である。
【図4】図4は図1に示された接触転写部材の作動とその制御手段の制御のタイミング図である。
【符号の説明】
1 基体
2 弾性体
3 導電性充填剤
9 画像形成装置
10 画像形成部
11 感光体
13 露光装置
15 転写装置
16 除電装置
17 定着装置
23 接触転写部材
24 転写電源
Claims (7)
- 像担持体に当接させた接触転写部材を有し、前記像担持体と前記接触転写部材とで形成される転写ニップ部に記録材を搬送し、前記像担持体上のトナー像を記録材上に転写する画像形成装置において、前記接触転写部材は、前記像担持体との転写ニップ面が、該トナー像の転写時に固定され、且つ非転写時にクリーニング手段によってクリーニングされると共に、移動させられ、該接触転写部材は、前記非転写時の移動距離が該記録材の搬送方向に沿った前記転写ニップ面幅以上であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記接触転写部材は、制御手段によって、固定、移動の制御がなされていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記接触転写部材は、該転写部材が回動又は回転することにより、転写ニップ面が移動することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記接触転写部材がローラ形状を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記接触転写部材の固定、回動機構は、該接触転写部材の回動軸に設けた凹状係合部と該転写部材の軸受に設けた凸状係合部の噛み合わせ機構であることを特徴とする請求項3又は4記載の画像成形装置。
- 前記接触転写部材の固定、回動機構は、該接触転写部材の回動軸に設けた凸状係合部と該転写部材の軸受に設けた凹状係合部の噛み合わせ機構であることを特徴とする請求項3又は4記載の画像成形装置。
- 前記接触転写部材の固定、回動機構は、該回動軸の半径方向にスライド可能に設けた一対の挟持手段であり、該スライド操作により該回動軸を挟持或いは開放するものであり、前記制御手段は、該挟持手段のスライドを制御するものであることを特徴とする請求項3又は4記載の画像成形装置。
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