JP3692686B2 - Frp構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP構造体に関し、とくに屋根材や壁材として好適なFRP構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋根材や壁材としては、一般にはスチール板やコンクリート、木材等が使用されている。
【0003】
このような材料を用いる場合、とくにスチールやコンクリートを用いる場合、厚みが大きい形状になると、単位面積当りの重量が大きくなり、建物自体の強度を上げる必要が生じ、建物用の材料費の増加や構造的に建造費の増大を招くおそれがある。
【0004】
また、上述のような材料では、一般に複雑な形状を採ることが困難であり、デザイン上の制約を受ける。また、複雑な形状とする場合、その型代等が急騰する。
【0005】
さらに、上述のような材料では、腐食の問題を完全に除去することは困難であり、とくにスチールを代表とする金属の場合、高価な腐食対策は避け難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、軽量でありながら十分に高い強度、剛性を有し、製造が容易で複雑な形状も容易に採ることができ、腐食のおそれも完全に除去可能な、安価なFRP構造体を提供することにある。
【0007】
また、容易に連結可能構造とすることができ、個々のユニットは運搬や取扱いに便利な小ユニットとしつつ、ユニット同士を連結することにより簡単に所望の屋根体や壁体を施工することができるFRP構造体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のFRP構造体は、間に空洞を形成する、互いに結合された一対のFRPパネルと、該一対のFRPパネルのそれぞれに固定され、前記空洞の延在方向と並行に延びる補強部材とを有するFRP構造体を一つのユニットとし、該ユニットが、少なくとも空洞の延在方向に複数連結されており、かつ該ユニット同士の連結部に仕切板が設けられていることを特徴とするものからなる。
【0009】
このFRP構造体においては、前記一対のFRPパネルが別体に成形され、該一対のFRPパネルが互いに結合されていてもよいし、前記一対のFRPパネルが一体成形されていてもよい。
【0010】
また、上記補強部材は、金属、たとえばスチール板からなり、この補強部材の幅としては、全体の重量低減の点から、一枚のFRPパネルの幅の1/2以下とすることが好ましい。
【0011】
補強部材のFRPパネルへの固定方法としては、各補強部材を各FRPパネルの面上に適当な固定用部材(たとえば、ボルトやリベット)等を介して固定するようにしてもよく、FRPパネルに埋設するようにしてもよい。埋設の場合には、FRPパネルと一体成形することによりFRPパネル内に埋め込むようにしてもよく、FRPパネルの面上に補強部材を配置し、それを別のFRP層等によってオーバレイし、実質的に埋設するようにしてもよい。
【0012】
また、一対のFRPパネルは、強化繊維とマトリックス樹脂との複合材料からなるが、強化繊維を適切に配することにより、軽量性を確保しつつ所望の強度、剛性を採ることができる。たとえば、繊維を、空洞の延在方向に対して±30°〜±60°の範囲の角度に配することにより、空洞の延在方向の剪断力に対し高い強度、剛性を発揮させることができる。また、繊維を0°〜±10°の範囲の角度に配することにより、空洞の延在方向に対し高い強度、剛性を発揮させることができる。加えて、±80°〜±90°の範囲の角度に配することにより、空洞の延在方向と直角の方向に対して高い強度、剛性を発現させることができるとともに、FRP構造体の横断面形状を所定形状に保持することができる。また、上記のような方向性をもつ強化繊維とともに、あるいは単独で、チョップドファイバからなる強化繊維をランダムに配しておくこともできる。
【0013】
このような強化繊維としては、たとえば炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等の少なくとも一種を用いることができる。透光性等がある程度要求される場合には、ガラス繊維が好ましい。また、透光性や採光性が要求される場合には、各FRPパネルに適宜穴を形成しておいてもよく、該穴には、排水性等の機能をもたせることも可能である。
【0014】
また、FRPパネルに使用する樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。とくに本発明のFRP構造体を建物の屋根材や壁材として用いる場合には、難燃性樹脂、あるいはそれを含む樹脂とすることが好ましい。
【0015】
また、前記空洞には、一対のFRPパネル間にわたって延びる仕切板が設けられる。この仕切板は、軽量の部材であればとくにその材料は限定しないが、一対のFRPパネルと同様FRPから構成することができる。仕切板は、空洞の延在方向に、一対のFRPパネルの一端部、両端部、中央部等に適宜配置すればよく、少なくとも一枚設ければよい。仕切板とFRPパネルとの結合方法としては、ボルトやリベットによる連結の他、接着剤による接合によってもよい。また、仕切板には、必要に応じて適宜穴を形成してもよく、仕切板の形状も、空洞の横断面を実質的に全面にわたって覆う形状、部分的に覆う形状のいずれでもよい。
【0017】
上記のような本発明に係るFRP構造体は、容易に連結可能な構造とすることができ、それらを連結したFRP構造体を構成することができる。
【0018】
すなわち、本発明に係るFRP構造体は、上記のようなFRP構造体ユニットが、横方向に複数連結されたものからなる。
【0019】
ユニット同士は、ボルトやリベット、あるいは接着剤を介して直接連結されてもよく、連結用部材を介して連結されてもよい。
【0020】
また、前述と同様の仕切板を、ユニット同士の連結部に設けておくこともできる
【0021】
このようにユニットを複数連結すると、個々のユニットは小さくても、広い面積の構造体を構成でき、所望の大きさ、形状の屋根体や壁体に構成できる。
【0022】
上記のような本発明に係るFRP構造体においては、主構成部材が一対のFRPパネルあるいは中実のFRPパネルであるから、全体として軽量の構造体に構成できる。とくに一対のFRPパネルを用いて構成する場合には、間に空洞を形成するので、構造的に剛性が高く、かつ、厚みがあるので外観上強度や剛性的に安心感を与える構造となる。また、補強部材が空洞延在方向に、あるいは、FRPパネルの長手方向に部分的に効率よく延設されているので、重量増を抑えつつ、全体の強度、剛性を効果的に向上できる。とくに、空洞延在方向やFRPパネルの長手方向における強度、剛性を効率よく向上できる。
【0023】
FRPからなるので、スチール等に比べて成形型を安価に製作することができ、樹脂型を使用するため、複雑な形状にも容易に対応でき、デザイン上の自由度が大幅に向上する。また、FRPには腐食の問題が実質的にないので、スチールやコンクリート、木材等における腐食のおそれが除去され、かつ、腐食対策も実質的に不要となる。
【0024】
また、仕切板を設けておけば、一層強度、剛性を向上できるとともに、空洞を形成する一対のFRPパネルの断面形状を保持することができ、長期間安定した構造体を実現できる。
【0025】
さらに、個々のFRP構造体を、互いに連結可能なユニット構成としておくことにより、運搬や取扱いが極めて容易かつ便利になる。このユニット同士を連結して、所望の大きさや形状のFRP構造体とすることにより、施工や組立の容易性を確保しつつ、目標とする屋根体や壁体を容易に完成させることがきる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のFRP構造体の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るFRP構造体を示しており、複数のユニットが縦横に連結された構造体を示している。図2は、図1の構造体における一つのFRP構造体ユニットを示している。
【0027】
図1において、1はFRP構造体の一つのユニットを示しており、該FRP構造体ユニット1が縦横に複数連結されて、連結構造体としてのFRP構造体2が構成されている。まず、図2を参照して、一つのユニットとしてのFRP構造体1について説明する。
【0028】
FRP構造体1は、間に空洞3を形成する、互いに結合された上下一対のFRPパネル4a、4bと、一対のFRPパネル4a、4bのそれぞれに固定され、空洞3の延在方向5に対して並行する方向に延びる補強部材6a、6bとを有している。補強部材6a、6bは、本実施例ではスチール板からなるが、他の材料からなるものであってもよく、好ましくは各FRPパネル4a、4bよりも剛性や強度の高い素材からなることが好ましい。
【0029】
一対のFRPパネル4a、4bは、それぞれ、一方側に開口する略コ字状の横断面を有するとともに、両側にフランジ部7を有し、両部材の対向するフランジ部7同士が互いに結合され、間に空洞3を形成している。各補強部材6a、6bは、本実施例では、各FRPパネル4a、4bに対し一本づつ設けられており、各補強部材6a、6bは、対応するFRPパネル4a、4bの内面上の幅方向中央部に固定されている。
【0030】
補強部材6a、6bの断面形状はとくに限定されず、補強効果、全体の重量等を勘案して適宜決定できる。たとえば図3に示すように、帯状平板形状の補強部材6a(6b)(イ)、中空の矩形横断面形状の補強部材8(ロ)、コ字状横断面形状の補強部材9(ハ)、L字状横断面形状の補強部材10(ニ)等を適宜採用すればよい。
【0031】
補強部材6a(6b)は、本実施例では図4に示すように、FRPパネル4a(4b)の内面上にボルトやリベットからなる固定用部材11を介して固定されている。ただしこの固定は、接着剤による接合によってもよい。
【0032】
また、図5(イ)に示すように、補強部材6aをFRPパネル12と一体成形することにより、つまりFRP成形時に補強部材6aを埋め込むことにより、埋設して固定することもできる。また、図5(ロ)に示すように、補強部材8をFRPパネル13の面上に配置するとともに、その上からさらにFRP層をオーバレイ(オーバレイ層14)し、実質的にFRP部材内に埋設する構成としてもよい。
【0033】
FRPパネル4a、4bは、強化繊維とマトリックス樹脂の複合材料からなる。成形は、樹脂の成形型を用いて行うが、成形時には強化繊維の層を適宜複数層配することが好ましい。強化繊維の層構成としては、一方向に引き揃えられた強化繊維の層を、互いに異なる配向方向となるように積層する構成、あるいは、チョプドファイバからなる強化繊維をランダムに配する構成、若しくはこれらの組合せ構成を採用できる。
【0034】
強化繊維の配向方向としては、たとえば図6に示すように、空洞の延在方向5に対する角度θが、±30°〜±60°や0°〜±10°、±80°〜90°の範囲に入るように設定することが好ましい。強化繊維50の配向方向を±30°〜±60°にした場合には、空洞の延在方向5の剪断力に対し高い強度、剛性を発現させることができる。0°〜±10°にした場合には、空洞の延在方向5に対して高い強度、剛性を発現させることができる。加えて、±80°〜90°にした場合は空洞の延在方向5と直角の方向に対して高い強度、剛性を発現させることができるとともに、FRP横断面形状を所定形状に保持することに有効である。
【0035】
強化繊維の種類としてはとくに限定しないが、強度、剛性をより重視する場合には炭素繊維やアラミド繊維が好ましく、透光性等が要求される場合にはガラス繊維が好ましい。また、必要に応じて、各種強化繊維の混合構成、ハイブリッド構成とすることもできる。
【0036】
マトリックス樹脂についてもとくに限定されず、たとえばエポキシ樹脂やフェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。とくに屋根材や壁材として使用する場合、難燃剤を配合した難燃性樹脂を用いたり混合したりすることが好ましい。
【0037】
再び図1、図2を参照するとともに、図7を参照するに、本実施例のFRP構造体1には、その空洞3内に、一対のFRPパネル4a、4bの内面間にわたって延びる仕切板15が設けられている。仕切板15は、本実施例では、FRPパネル4a、4bの空洞延在方向端部に形成された、空洞3の内方に向かって延びるフランジ部16上に、ボルトやリベット等の固定用部材17を介して固定されている。この固定は、接着剤による接合によってもよい。仕切板15およびフランジ部16は、補強部材6a、6bの配設部に対応する部分で切り欠かれている。仕切板15の材質は、本実施例ではFRPからなるが、他の軽量材料、とくに軽量かつ高強度・高剛性材料から形成してもよい。
【0038】
なお、上記FRP構造体1においては、一対のFRPパネル4a、4bを別々に成形して両者を結合するようにしたが、たとえば図8に示すように、空洞18を形成する一対のFRPパネル部分19a、19bを一体成形したFRP構造体20とすることも可能である。
【0039】
また、一ユニットとしてのFRP構造体が長目のものの場合は、たとえば図9に示すように、複数の仕切板21a、21b、21cを空洞22内に配設したFRP構造体23としてもよい。仕切板21a、21b、21cの配設位置としては、たとえば空洞22の延在方向の両端部および中央部とすることができる。
【0040】
さらに、図1および図2に示したFRP構造体ユニット1およびユニット連結のFRP構造体2においては、一対のFRPパネル4a、4bによって横断面が閉断面の空洞3を形成するようにしたが、一対のFRPパネル4a、4bには、必要に応じて適宜穴を開けておいてもよい。穴を開けておくことにより、FRP構造体1、2に採光性や排水性をもたせることが可能になる。
【0041】
上記のような構成を有するユニットとしてのFRP構造体1は、該FRP構造体ユニット1を縦横の少なくとも一方向に複数連結することにより、所望の面積を有する連結構造体としてのFRP構造体に構成できる。図1に示したFRP構造体2は、縦横の両方向に複数のFRP構造体ユニット1が連結される場合の、連結構造体の一部を示したものである。
【0042】
図1に示す構造では、FRP構造体1同士が、空洞3の延在方向5において、直接的に連結されているとともに、空洞3の延在方向5と直交する方向において、フランジ部7同士が突き合わされ、連結用部材24を介して連結されている。
【0043】
FRP構造体1同士の空洞延在方向5における連結部の構造は、たとえば図10(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように構成できる。図10(イ)に示す構造では、FRPパネル4a(4b)同士が、それらのフランジ部16間に仕切板15を介在させた状態にて、ボルトやリベット等の固定用部材17を介して互いに連結されている。図10(ロ)に示す構造では、仕切板15が一方のFRPパネル4a(4b)のフランジ部16の内面側に配置され、フランジ部16同士が直接突き合わされて、フランジ部16同士および仕切板15が固定用部材17を介して連結されている。図10(ハ)に示す構造では、FRPパネル25aの端部にはフランジ部は設けられておらず、代わりにフランジ26を有する仕切板27が用いられて、該フランジ26と、隣接するFRPパネル25a、25aの端部が固定用部材28で固定されることにより、FRPパネル25a同士が互いに連結されている。これら以外にも、たとえば連結部に仕切板が配置されない構造の場合、隣接するFRPパネル同士を固定や接着による接合によって互いに連結することが可能である。
【0044】
FRP構造体1同士の空洞延在方向5と直交する方向における連結部の構造は、本実施例では図11に示すように、隣接するFRPパネル4a、4bのフランジ部7の先端同士が突き合わされ、フランジ部7間にわたって延びる幅を有し、空洞延在方向に延びる、帯状平板からなる連結用部材24と両フランジ部7のそれぞれとをボルトやリベット等の固定用部材29で固定することにより、FRP構造体1同士が互いに連結されている。
【0045】
このような連結により、所望の面積の屋根体や壁体を容易に構成することができる。
【0046】
上記のようなFRP構造体1、2においては、主構成部材を一対のFRPパネル4a、4bとしているので、従来のスチールやコンクリートに比べ大幅に軽量化でき、重量的には半減程度まで十分に可能である。また、一対のFRPパネル4a、4bによって、間に空洞3を形成するので、構造的に高強度、高剛性となり、かつ、構造体として厚みのあるものになるので、外観上も重厚感をもたせることができる。そして、一対のFRPパネル4a、4bに対して部分的に補強部材6a、6bを設けてあるので、軽量性を確保しつつ十分に高い強度と剛性を保証できる。したがって、このFRP構造体1、さらには複数のFRP構造体1を連結したFRP構造体2にあっては、とくに平面荷重に対して極めて高い強度、剛性を発揮でき、屋根体として使用した場合の風圧や積雪荷重、壁体として使用した場合の風圧等に対し、十分に高い強度と剛性を示す。
【0047】
FRPパネル4a、4bにおける強化繊維の配向を適切に設定すれば、一層高い強度、剛性を実現できる。また、各方向に対する強度や剛性にも十分に配慮することが可能となる。
【0048】
また、FRPパネル4a、4bを主構成部材とするFRP構造体であり、FRPパネル4a、4bは樹脂型を用いて成形されるので、スチール等の成形に比べ安価に製造できるとともに、複雑な形状にも容易に対応できる。したがって、デザイン上の自由度を大幅に向上でき、FRPパネルの形状としても、後述の変形例等で述べるように、極めて多様の形状を採り得る。
【0049】
また、FRP構造体であるから、スチールやコンクリート、木材等におけるような腐食の問題がなく、腐食のための対策は実質的に不要となり、それだけ安価な製造、施工が可能となる。したがって、通常腐食対策として施される塗装も、外観上の点からのみ施せばよく、必要最小限に抑えることができる。
【0050】
また、仕切板15を配置する構成とすれば、FRP構造体1、2の強度、剛性を一層向上できると同時に、各FRP構造体1の横断面形状を所定形状に保持することができる。したがって、長期間にわたって変形のない安定した建造物を得ることができる。
【0051】
さらに、複数のFRP構造体1を容易に連結することができるので、所望の面積の屋根体や壁体を容易に施工できる。施工に用いるユニットとしてのFRP構造体1は比較的小さなものでよいので、可搬性、取扱性ともに極めて良好であり、運搬、現場での施工ともに容易である。
【0052】
なお、FRP構造体1の横断面形状については、上記実施例に示したものに限らず、各種形状を採り得る。たとえば図12に示す例では、横断面略半円形のFRPパネル31a、31bを互いに結合し、形成された空洞32に略円形の仕切板33を設けたFRP構造体34とされており、このFRP構造体34を複数連結した構造のFRP構造体35を示している。図13に示す例では、横断面山形のFRPパネル41a、41bを互いに結合し、形成された空洞42に角形の仕切板43を設けたFRP構造体44とされており、このFRP構造体44を複数連結した構造のFRP構造体45を示している。図1、図12、図13に示した構造以外にも、各FRPパネルを湾曲形状や波形形状にした構造とすることも可能であり、構造上、デザイン上必要に応じて種々の形状を採り得る。
【0056】
このように、軽量で高強度、高剛性であり、腐食の問題がなく、運搬、取扱い、組立、施工に便利であり、しかもデザイン上の自由度が極めて大きい本発明に係るFRP構造体は、屋根体や壁体、各種防風構造体や防雪構造体、さらには各種建造物に用いて極めて好適なものである。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のFRP構造体によれば、一対の空洞を形成するFRPパネルと補強部材とを有する構成により、軽量で高強度、高剛性であり、重厚感も備え、腐食の問題がなく、かつ、運搬、取扱い、組立、施工が極めて容易であり、しかもデザイン上の自由度が大きく複雑な形状も容易に採り得る、屋根体や壁体に用いて好適な構造体を安価に提供できる。
【0058】
また、空洞を形成しない中実のFRPパネルを用いる構成の場合にあっても、同様に、軽量で高強度、高剛性であり、湾曲等の形状により重厚感も備え、腐食の問題がなく、かつ、運搬、取扱い、組立、施工が極めて容易であり、しかもデザイン上の自由度が大きく複雑な形状も容易に採り得る、屋根体や壁体に用いて好適な構造体を安価に提供できる。
【0059】
また、仕切板配設構造により、強度、剛性、形態保持性に一層優れたFRP構造体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るFRP構造体の斜視図である。
【図2】図1の構造体の一ユニット分のFRP構造体の拡大斜視図である。
【図3】補強部材の各種構造例を示す横断面図である。
【図4】図2のFRP構造体における補強部材取付部の拡大部分断面図である。
【図5】別の補強部材接合構造を示す断面図である。
【図6】図2のFRP構造体のFRPパネルにおける強化繊維の配置例を示す概略斜視図である。
【図7】図2のFRP構造体の仕切板取付部の拡大部分断面図である。
【図8】一対のFRPパネルを一体成形した例を示すFRP構造体の概略斜視図である。
【図9】複数の仕切板を配設した例を示すFRP構造体の概略斜視図である。
【図10】空洞延在方向におけるFRP構造体同士の連結部の各種構造例を示す断面図である。
【図11】図1のFRP構造体における空洞延在方向と直交する方向におけるFRP構造体同士の連結部の拡大正面図である。
【図12】別の形状を有するFRP構造体の正面図である。
【図13】さらに別の形状を有するFRP構造体の正面図である。
【符号の説明】
1、20、23、34、44 FRP構造体(ユニット)
2、35、45 連結構造体としてのFRP構造体
3、18、22、32、42 空洞
4a、4b、12、13、25a、31a、31b、41a、41b FRPパネル
5 空洞延在方向
6a、6b、8、9、10 補強部材
7 フランジ部
11、17、28、29固定用部材
14 オーバレイ層
15、21a、21b、21c、27、33、43 仕切板
16 フランジ部
19a、19b FRPパネル部分
24 連結用部材
26 フランジ
50 強化繊維

Claims (20)

  1. 間に空洞を形成する、互いに結合された一対のFRPパネルと、該一対のFRPパネルのそれぞれに固定され、前記空洞の延在方向と並行に延びる補強部材とを有するFRP構造体を一つのユニットとし、該ユニットが、少なくとも空洞の延在方向に複数連結されており、かつ該ユニット同士の連結部に仕切板が設けられていることを特徴とするFRP構造体。
  2. 前記一対のFRPパネルが別体に成形され、該一対のFRPパネルが互いに結合されている、請求項1のFRP構造体。
  3. 前記一対のFRPパネルが一体成形されている、請求項1のFRP構造体。
  4. 前記補強部材の幅が一枚のFRPパネルの幅の1/2以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載のFRP構造体。
  5. 前記補強部材が金属からなる、請求項1ないし4のいずれかに記載のFRP構造体。
  6. 前記補強部材が各FRPパネルの面上に固定されている、請求項1ないし5のいずれかに記載のFRP構造体。
  7. 前記補強部材が各FRPパネルに埋設されている、請求項1ないし5のいずれかに記載のFRP構造体。
  8. 前記一対のFRPパネルには、前記空洞の延在方向に対して±30°〜±60°の範囲の角度に強化繊維が配されている、請求項1ないし7のいずれかに記載のFRP構造体。
  9. 前記一対のFRPパネルには、前記空洞の延在方向に対して0°〜±10°の範囲の角度に強化繊維が配されている、請求項1ないし7のいずれかに記載のFRP構造体。
  10. 前記一対のFRPパネルには、前記空洞の延在方向に対して±80°〜90°の範囲の角度に強化繊維が配されている、請求項1ないし7のいずれかに記載のFRP構造体。
  11. 前記一対のFRPパネルには、チョップドファイバからなる強化繊維がランダムに配されている、請求項1ないし10のいずれかに記載のFRP構造体。
  12. 前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維の少なくとも一種からなる、請求項8ないし11のいずれかに記載のFRP構造体。
  13. 前記一対のFRPパネルの樹脂に難燃性樹脂を含んでいる、請求項1ないし12のいずれかに記載のFRP構造体。
  14. 前記空洞に、前記一対のFRPパネル間にわたって延びる少なくとも一枚の仕切板が設けられている、請求項1ないし13のいずれかに記載のFRP構造体。
  15. 各FRPパネルに穴が形成されている、請求項1ないし14のいずれかに記載のFRP構造体。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載のFRP構造体のユニットが、横方向に複数連結されていることを特徴とするFRP構造体。
  17. ユニット同士が直接連結されている、請求項16のFRP構造体。
  18. ユニット同士が連結用部材を介して連結されている、請求項16のFRP構造体。
  19. 屋根材である、請求項1ないし18のいずれかに記載のFRP構造体。
  20. 壁材である、請求項1ないし19のいずれかに記載のFRP構造体。
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