JP3692329B2 - 強度部材、トラス構造、及び強度部材の製造方法 - Google Patents

強度部材、トラス構造、及び強度部材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部材間に配され、これら部材間の荷重伝達を行う強度部材と、この強度部材の製造方法と、この強度部材を用いたトラス構造とに関する。特には、軽くて低コストな強度部材、トラス構造、及び強度部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、宇宙ロケットにおける燃料タンク支持構造などの航空宇宙トラス構造や、一般建材などの建築構造において、軽量でありながらも比較的高い強度を発揮できるトラス構造が広く用いられている。
この種のトラス構造の構成要素に用いられる強度部材としては、例えば一般建材では、金属製パイプの両端に端部金具を溶接固定もしくはボルト固定したものが一般的である。また、航空宇宙トラス構造では、軽量化が求められるため、金属製パイプの代わりにCFRP(繊維強化プラスチック)製のチューブを採用し、その両端に金属製(例えばアルミ材)の端部金具をファスナ結合したものが採用されている。
【0003】
このファスナ結合は、図示を省略するが、両端が開口した円筒形状のCFRPチューブに対し、前記各開口部分を他のCFRPリングで補強した後、この補強部分に前記端部金具を嵌合させ、これら端部金具及び補強部分の壁面を同時に貫く複数本のファスナにより、締結させた構造をなしている。そして、このようにして製作された強度部材の端部をなす前記端部金具には、予め雌ねじが切られているため、ここにロッドエンド(アイボルト)の雄ねじを螺着させることで、他の部品間を、これらロッドエンドを介して接続可能な強度部材となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来の強度部材は、以下に説明する問題を有していた。
すなわち、従来の強度部材は、その端部を金属部品(端部金具)で構成しているため、この金属部品を製作するための製造コストと、CFRPチューブに取り付けるための取り付け加工費がかかるため、コストが高いという問題を有していた。
また、端部を金属部品(端部金具)で構成することは、重量増加も招くことになるので、強度部材そのものの軽量化の妨げになるという別の問題も有している。特に、航空宇宙分野では、極力、部品を軽量化させることが切望されている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低コスト化と軽量化を達成できる強度部材、トラス構造と、その強度部材の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項1に記載の強度部材は、部材間に配され、これら部材間の荷重伝達を行う強度部材において、前記部材に取り付けられる結合体と、該結合体が固定される端部に向かって収束する繊維強化プラスチック中空構造体とを備え、該繊維強化プラスチック中空構造体の前記端部には、前記結合体が螺着する螺合部が設けられるとともに、前記繊維強化プラスチック中空構造体の内部には、前記螺合部の少なくとも一部をなす螺着体が一体に備えられていることを特徴とする。
記強度部材によれば、その端部は、従来の金属部品に代わり、胴体と同じ繊維強化複合材料で構成されている。しかも、この端部には螺合部が設けられているため、従来通り、ロッドエンド等の結合体を容易に取り付けることができるものとなっている。したがって、端部をなす金属部品を必要としないことから、その金属部品の製造コストと取り付けコストとを削減することができるようになる。
【0007】
また、記強度部材によれば、螺着体がない場合に比較して、螺合部の全長を長く取ることができるため、結合体と繊維構造体との間の螺着長さを十分に長く確保することができる。
【0008】
請求項に記載の強度部材は、請求項1に記載の強度部材において、前記繊維強化プラスチック中空構造体の外部には、前記端部に螺着された前記結合体に対して面接触し、これら繊維強化プラスチック中空構造体及び結合体間に作用する引張荷重や圧縮荷重あるいは曲げ荷重等を受ける当接面を備えた当接部材が固定されていることを特徴とする。
記強度部材によれば、繊維強化プラスチック中空構造体及び結合体間に比較的大きな引張荷重や圧縮荷重あるいは曲げ荷重等が作用しても、これらの全てを螺合部で受けるのではなく、当接面による面接触で受け、さらには、この当接部材を介して繊維強化プラスチック中空構造体に逃がすことができるため、荷重が集中しないように分散させることができる。
【0009】
請求項に記載のトラス構造は、請求項1または請求項2に記載の強度部材が用いられていることを特徴とする。
記トラス構造によれば、その強度部材が、低コスト化と軽量化を同時に達成できるため、低コストで軽量なトラス構造を構成することができる。
【0010】
請求項に記載の強度部材の製造方法は、結合部材を介して部材間に配され、これら部材間の荷重伝達を行う強度部材の製造方法において、型材の周囲に、前記結合部材が取り付けられる端部にかけて収束するように繊維組織を形成して繊維構造体を製造する母材製造工程と、該母材製造工程後の前記繊維構造体の繊維組織に、溶融した樹脂を含浸させて固める樹脂含浸工程と、該樹脂含浸工程後の前記端部に、前記結合部材を取り付ける取り付け工程とを有するとともに、前記樹脂含浸工程では、前記繊維構造体を収容する凹部が形成された金型内に、前記繊維構造体を密閉した後、前記凹部内に前記樹脂を注入することで前記繊維組織に含浸させ、前記樹脂注入中の前記型材に内圧を加えることで、前記繊維組織の形状を保持し、前記型材として伸縮可能な材料からなる中空部材を用い、前記型材の内部加圧を、前記結合部材が取り付けられる貫通孔より行い、前記母材製造工程では、前記型材の端部に、前記結合部材と結合する被結合部材を取り付けて一体とした上で、これら型材及び被結合部材の周囲に前記繊維組織を形成することを特徴とする。
記強度部材の製造方法によれば、製造された強度部材の端部が、従来の金属部品に代わり、胴体と同じ繊維強化複合材料で構成できる。したがって、端部をなす金属部品を必要としないことから、その金属部品の製造コストと取り付けコストとを削減することができるようになる。
【0011】
また、記強度部材の製造方法によれば、金型の凹部内を満たす樹脂が、隙間なく繊維組織に含浸されていく。
【0012】
また、記強度部材の製造方法によれば、製造後に強度部材の一部となる型材に、中空部材を採用することにより、強度部材を軽量化できるようになる。しかも、この型材は、樹脂注入中は内圧を受けた状態に保たれるため、注入樹脂による外圧(圧縮)を受けても、その形状を適切に維持することができ、繊維組織に形状を付与するための型としての機能も十分に発揮することができる。
【0013】
また、記強度部材の製造方法によれば、内部加圧を行うためだけの専用の孔を強度部材壁面に形成する必要がない。
【0014】
また、記強度部材の製造方法によれば、繊維組織形成後の強度部材内に、被結合部材を一体に固定することができる。これにより、被結合部材がない場合に比較して、結合体の取り付け強度をより高くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の強度部材は、例えば部材間に配され、これら部材間の荷重伝達を行うものであり、その一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。
なお、図1は、本実施形態の強度部材を示す図であって、その軸線を含む断面で見た場合の断面図である。また、図2は、同強度部材の端部を示す部分拡大図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の強度部材は、一対(2個)のアイボルトであるロッドエンド1(結合体)と、これらロッドエンド1が固定される固定部分に向かって収束する両端2aを有するチューブ状の繊維強化プラスチック中空構造体2とを備えて概略構成されている。同図では、説明のために、各ロッドエンド1を繊維強化プラスチック中空構造体2から取り外した状態を示しているが、実際には、図2に示すように、繊維強化プラスチック中空構造体2に対して各ロッドエンド1を取り付けた状態で、1部品として用いられる。
【0017】
各ロッドエンド1は、例えばアルミなどの金属部品であり、図1に示すように、前記部材や他の強度部材のロッドエンド(図示せず)に接続される接続部1aと、前記端部2aに螺着される雄ねじ部1bとを備えている。なお、各ロッドエンド1としては、金属に限らず、樹脂材をその材質として採用しても良い
【0018】
繊維強化プラスチック中空構造体2は、主にCFRP(繊維強化プラスチック)製のチューブからなり、図2に示すように、両端2aで絞られた長尺の中空円筒形状をなしている。この繊維強化プラスチック中空構造体2は、両端が絞られた、熱可塑性樹脂等の伸縮可能な材料からなる中空円筒形状のライナー4(型材)の周囲に、強化繊維3をブレイディングやフィラメントワインディングなどの手法を用いて隙間なく巻き付けた組み物を作成し、強化繊維3中に溶融した樹脂を含浸させ、さらには硬化させたものである。樹脂の含浸/硬化については、後述する。
【0019】
図2に示すように、繊維強化プラスチック中空構造体2の両端部2aには、前記各ロッドエンド1の雄ねじ部1bが螺着する雌ねじ部2b(螺合部)が形成されている。これら雌ねじ部2bは、繊維強化プラスチック中空構造体2の内部に一体に固定された螺着体5(螺着体、被結合部材)と、繊維強化プラスチック中空構造体2の外部に一体に固定された当接部材6と、これら螺着体5及び当接部材6間に挟み込まれる両端部2aの壁部とを同時に貫く雌ねじ孔である。
【0020】
各螺着体5は、例えばアルミ材などの金属部品からなり、中空の球体を半分に割った概略形状を有している。これら螺着体5は、その内側に形成された球面において、繊維強化プラスチック中空構造体2の外部両端の外壁面に密着固定されている。なお、各螺着体5としては、金属に限らず、樹脂材をその材質として採用しても良い。
各当接部材6は、例えばアルミ材などの金属部品からなり、繊維強化プラスチック中空構造体2の各端部2aに対して密着する内壁面を有している。そして、これら当接部材6は、その内壁面において、各端部2aの外壁面に接着固定されている。また、これら当接部材6の外壁面には、螺着された前記ロッドエンド1のナット部1cに対して面接触し、これらロッドエンド1及び繊維強化プラスチック中空構造体2間に作用する引張荷重や圧縮荷重あるいは曲げ荷重等を受ける、当接面6aがそれぞれ形成されている。なお、各当接部材6としては、金属に限らず、樹脂材をその材質として採用しても良い。
【0021】
以上説明の構成を有する強度部材は、軽量でありながらも、圧縮荷重、引張荷重、さらには曲げ荷重に対して極めて高い強度を発揮できるため、この強度部材を複数本、互いに組み合わせることにより、軽くて強度的に優れ、しかも低コストなトラス構造を構成することが可能である。このトラス構造の適した用途としては、例えば、航空宇宙分野等の輸送構造物、建築構造物、などが例示されるが、これに限らず、その他の幅広い用途にも適用可能である。
【0022】
次に、図3及び図4を用いて、本実施形態の強度部材の製造方法の一実施形態について以下に説明する。なお、図3は、同強度部材の製造方法を説明するための図であって、金型内に挿入された強度部材を示す断面図である。また、図4は、同金型内における同強度部材の端部を示す部分拡大図である。また、図5は、同強度部材の変形例を示す図であって、端部の部分拡大断面図である。
【0023】
本実施形態の製造方法は、以下に説明する母材製造工程と、樹脂含浸工程と、当接部材取り付け工程と、ロッドエンド取り付け工程とを経て製造される。
すなわち、図示を省略するが、母材製造工程では、各螺着体5が予め外部に固定されているライナー4の周囲に、強化繊維3を、各両端部2aにかけて収束するように、ブレイディングやフィラメントワインディングなどの手法を用いて繊維組織を形成し、繊維構造体を製造する。この時点では、まだ強化繊維3に樹脂が含浸されていない。
【0024】
続く樹脂含浸工程では、まず、前記母材製造工程後の前記繊維構造体の繊維組織(強化繊維3)に、溶融した樹脂を含浸させる。すなわち、図3に示すように、前記繊維構造体を、該繊維構造体を収容する凹部10aが形成された雌金型10(金型)内に密閉した後、この凹部10a内に樹脂Lを注入することで前記繊維組織に含浸させる。
【0025】
この雌金型10は、樹脂注入ポート10bを介して、樹脂Lの収容タンク11に接続されており、収容タンク11から凹所10a内への樹脂注入が可能となっている。また、雌金型10には、凹所10a内に連通する排気口10cを介して、図示されない真空ポンプに接続されている。したがって、この真空ポンプで凹所10a内を真空引きすると同時に、樹脂Lの注入を行うことにより、凹所10aの内壁面とライナー4の外周面との間に気泡を生じることなく樹脂Lが充填されるものとなっている。これにより、強化繊維3に隙間なく樹脂Lが含浸されていく。
【0026】
なお、この樹脂含浸工程における樹脂注入中のライナー4は、凹所10a内に充填される樹脂Lによって周囲からの圧縮荷重を受けるが、このライナー4が、図示されない加圧ポンプからの圧縮空気Aによって一定内圧に保たれているので、へこむことなくその形状を適切に維持することができ、繊維組織に形状を付与するための雄型としての機能を十分に発揮できるようになっている。
この時のライナー4の内部加圧は、ロッドエンド1が取り付けられる端部の貫通孔を利用して行われる。これにより、内部加圧を行うためだけの専用の孔を強度部材壁面に形成する必要がないものとなっている。
【0027】
なお、図4に示すように、加圧のための前記貫通孔を有する端部は、雌金型10の外部に露出しているが、雌金型10内に備えられているOリング12でシールされているため、ここから外部に樹脂Lが漏れないようになっている。
排気口10cから樹脂Lが雌金型10外に出てくることで、凹所10a内への樹脂注入が完了したと判断されるので、樹脂注入を停止させる。そして、雌金型10を所定時間加熱した後、加熱を停止させて常温まで雌金型10の冷却を行う。すると、強化繊維3に含浸されている樹脂Lが硬化するので、雌金型10を開いて中身を取り出し、内部加圧のための両端の突起部分を切り取る。
【0028】
続く当接部材取り付け工程では、各当接部材6を、繊維強化プラスチック中空構造体2の両端2aそれぞれに接着固定する。そして、前記各雌ねじ部2bの雌ねじを切ることにより、図1に示す状態となり、繊維強化プラスチック中空構造体2が完成する。
続くロッドエンド取り付け工程(取り付け工程)では、上記樹脂含浸工程後の両端2aに、ロッドエンド1を完全に螺着させることで、図2に示す固定状態となり、強度部材の完成となる。
【0029】
以上説明の本実施形態の強度部材は、各ロッドエンド1と、両端部2aに向かって収束する繊維強化プラスチック中空構造体2とを備え、該繊維強化プラスチック中空構造体2の両端部2aに雌ねじ部2bを形成する構成を採用した。また、その製造方法においては、母材製造工程と、樹脂含浸工程と、当接部材取り付け工程と、ロッドエンド取り付け工程とを経て製造する方法を採用した。この強度部材の構成及び製造方法によれば、強度部材の両端部2aが、胴体と同じ繊維強化複合材料で構成されており、別部品でかつ重量のある金属部品を必要としないため、低コスト化と軽量化を同時に達成することが可能となっている。
【0030】
また、本実施形態の強度部材は、繊維強化プラスチック中空構造体2の内部に各螺着体5を一体に備える構成を採用した。この構成によれば、各ロッドエンド1と繊維構造体2との間の螺着部分の長さを十分に長く確保できるため、繊維構造体2に対する各ロッドエンド1の固定強度を強固にすることが可能となっている。
【0031】
また、本実施形態の強度部材は、繊維強化プラスチック中空構造体2の両端2aの外部に、引張荷重や圧縮荷重あるいは曲げ荷重等を受ける当接面6aを備えた当接部材を接着固定する構成を採用した。この構成によれば、当接部材6を介して繊維強化プラスチック中空構造体2に荷重を均等に逃がすことにより、荷重が集中しないように分散させることができるので、機械的強度のさらなる向上が達成可能であり、強度部材としての高い信頼性を確保することが可能となっている。
【0032】
また、本実施形態の強度部材の製造方法では、前記樹脂含浸工程で、前記繊維構造体を雌金型10内に密閉した後、真空引きしながら樹脂Lを注入することで繊維組織に含浸させる方法を採用した。この方法によれば、樹脂Lが、確実に隙間なく繊維組織に含浸されていくので、欠陥のない強度部材を確実に製造することが可能となっている。
【0033】
なお、上記実施形態では、繊維強化プラスチック中空構造体2の両端2aそれぞれに形成した各雌ねじ部2bに、各ロッドエンド1を直接、螺着させるものとしたが、これに限らず、例えば図5に示すように、雌ねじ孔13aが同軸に形成されたボルト13を繊維強化プラスチック中空構造体2の両端2aに螺着させ、その雌ねじ孔13aに、各ロッドエンド1を螺着させて取り付ける構成も採用可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の強度部材は、結合体と、端部に向かって収束する繊維強化プラスチック中空構造体とを備え、該繊維強化プラスチック中空構造体の端部に螺合部を設ける構成を採用した。この構成によれば、強度部材の端部が、胴体と同じ繊維強化複合材料で構成されており、別部品でかつ重量のある金属部品を必要としないため、低コスト化と軽量化を同時に達成することが可能となる。
【0035】
また、本発明の強度部材は、前記繊維強化プラスチック中空構造体の内部に螺着体を一体に備える構成を採用した。この構成によれば、結合体と繊維構造体との間の螺着長さを十分に長く確保できるため、繊維構造体に対する結合体の固定強度を強固にすることが可能となる。
【0036】
また、本発明の強度部材は、前記繊維強化プラスチック中空構造体の外部に、引張荷重や圧縮荷重あるいは曲げ荷重等を受ける当接面を備えた当接部材を固定する構成を採用した。この構成によれば、当接部材を介して繊維強化プラスチック中空構造体に荷重を逃がすことにより、荷重が集中しないように分散させることができるので、機械的強度のさらなる向上が達成可能であり、強度部材としての高い信頼性を確保することが可能となる。
【0037】
また、本発明のトラス構造は、上記強度部材を用いる構成を採用した。この構成によれば、その強度部材が、低コスト化と軽量化を同時に達成できるため、低コストで軽量なトラス構造を構成することが可能となる。
【0038】
また、本発明の強度部材の製造方法は、型材の周囲に、その端部にかけて収束するように繊維組織を形成して繊維構造体を製造する母材製造工程と、繊維組織に溶融した樹脂を含浸させて固める樹脂含浸工程と、結合部材を取り付ける取り付け工程とを有する方法を採用した。この方法によれば、製造された強度部材の端部が、胴体と同じ繊維強化複合材料で構成されており、別部品でかつ重量のある金属部品を必要としないため、低コスト化と軽量化を同時に達成することが可能となる。
【0039】
また、本発明の強度部材の製造方法は、前記樹脂含浸工程で、前記繊維構造体を金型内に密閉した後、樹脂を注入することで繊維組織に含浸させる方法を採用した。この方法によれば、樹脂が、確実に隙間なく繊維組織に含浸されていくので、欠陥のない強度部材を確実に製造することが可能となる。
【0040】
また、本発明の強度部材の製造方法は、前記樹脂含浸工程で、樹脂注入中の型材に内圧を加えることで繊維組織の形状を保持する方法を採用した。また、前記型材として伸縮可能な材料からなる中空部材を用いた。この方法によれば、中空の型材を用いることにより、強化部材を軽量化することが可能となる。さらに、この型材は、中空でありながらも、樹脂注入中には、内圧を受けて型としての強度を確保できるようになっているため、製品の歩留まりを良くすることも可能となっている。
【0041】
また、本発明の強度部材の製造方法は、前記型材の内部加圧を、結合部材が取り付けられる貫通孔より行う方法を採用した。この方法によれば、内部加圧を行うためだけの孔を強度部材壁面に形成する必要がないので、製造後の強度部材に、余計な孔が残ることがない。したがって、強度部材の強度低下が防止可能となっている。
【0042】
また、本発明の強度部材の製造方法は、前記母材製造工程で、前記型材の端部に被結合部材を取り付けて一体とした上で、繊維組織を形成する方法を採用した。この方法によれば、被結合部材がない場合に比較して、繊維構造体に対する結合体の固定強度を強固にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の強度部材の一実施形態を示す図であって、その軸線を含む断面で見た場合の断面図である。
【図2】 同強度部材の端部を示す部分拡大図である
【図3】 同強度部材の製造方法を説明するための図であって、金型内に挿入された強度部材を示す断面図である。
【図4】 同金型内における同強度部材の端部を示す部分拡大図である。
【図5】 同強度部材の変形例を示す図であって、端部の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・ロッドエンド(結合体)
2・・・繊維強化プラスチック中空構造体
2a・・・端部
2b・・・雌ねじ孔(螺合部)
3・・・強化繊維(繊維組織)
4・・・ライナー(型材)
5・・・螺着体(螺着体、被結合部材)
6・・・当接部材
6a・・・当接面
10・・・雌金型(金型)
10a・・・凹部
L・・・樹脂

Claims (4)

  1. 部材間に配され、これら部材間の荷重伝達を行う強度部材において、前記部材に取り付けられる結合体と、該結合体が固定される端部に向かって収束する繊維強化プラスチック中空構造体とを備え、
    該繊維強化プラスチック中空構造体の前記端部には、前記結合体が螺着する螺合部が設けられるとともに、
    前記繊維強化プラスチック中空構造体の内部には、前記螺合部の少なくとも一部をなす螺着体が一体に備えられていることを特徴とする強度部材。
  2. 請求項1に記載の強度部材において、
    前記繊維強化プラスチック中空構造体の外部には、前記端部に螺着された前記結合体に対して面接触し、これら繊維強化プラスチック中空構造体及び結合体間に作用する引張荷重や圧縮荷重あるいは曲げ荷重等を受ける当接面を備えた当接部材が固定されていることを特徴とする強度部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の強度部材が用いられていることを特徴とするトラス構造。
  4. 結合部材を介して部材間に配され、これら部材間の荷重伝達を行う強度部材の製造方法において、
    型材の周囲に、前記結合部材が取り付けられる端部にかけて収束するように繊維組織を形成して繊維構造体を製造する母材製造工程と、該母材製造工程後の前記繊維構造体の繊維組織に、溶融した樹脂を含浸させて固める樹脂含浸工程と、該樹脂含浸工程後の前記端部に、前記結合部材を取り付ける取り付け工程とを有するとともに、
    前記樹脂含浸工程では、前記繊維構造体を収容する凹部が形成された金型内に、前記繊維構造体を密閉した後、前記凹部内に前記樹脂を注入することで前記繊維組織に含浸させ、前記樹脂注入中の前記型材に内圧を加えることで、前記繊維組織の形状を保持し、
    前記型材として伸縮可能な材料からなる中空部材を用い、
    前記型材の内部加圧を、前記結合部材が取り付けられる貫通孔より行い、
    前記母材製造工程では、前記型材の端部に、前記結合部材と結合する被結合部材を取り付けて一体とした上で、これら型材及び被結合部材の周囲に前記繊維組織を形成することを特徴とする強度部材の製造方法。
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