JP3690758B2 - 充填口の位置決め方法及び充填口位置決め装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動液体充填装置において液体を充填する容器の充填口の位置を所定の位置に案内するための充填口の位置決め方法及び充填口位置決め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体を保存する容器を分類する場合の考え方の一つとして、ガラス瓶やプラスチックボトル等のように充填前後の形状が変化せず、一定形状を保持する定型容器と、液体の充填前後の形状が充填量に伴って大きく変化するビニール袋などのように、柔軟性に富んだ材料を用いて形成され、変形が可能な可撓性容器と分ける場合がある。しかし、前者の場合、充填前あるいは使用済みの容器を保管する場合にも、充填時の容器と同じ容積を必要とするので、空き容器の保管や使用済み容器の回収時等の取り扱いが何かと面倒である。また、後者の場合には、液体が充填されていないときには、容器の大きさを小さくすることができるので、容器のみの保管は容易であるが、可撓性であるため液体充填時の形状が不安定であり、また大型になればなるほど、充填時の保管あるいは運搬時における取り扱いが困難になる。
【0003】
そこで、図2(a)(b)に示すように、内側には折り畳み可能な可撓性を有する樹脂容器17を用いる一方、液体が充填されているときの樹脂容器の外面に略密接して覆う形状を有し、折り畳み可能な段ボール箱16を外側に用いる二重構造を有する容器15が考えられている。この容器15は液体の充填時には、段ボール箱16が樹脂容器17の変形を抑制するために、樹脂容器17の壁を薄くすることができると同時に、段ボールの使用とも相まって、軽量かつ積載性が良好で、取り扱いの利便な容器15とすることができる。
【0004】
通常、上記の樹脂容器17は充填前には、図3に示すように、対角方向に内側へ折り畳まれるとともに、充填口17aが陥没するようになっている。そして、上記の容器15は液体が充填される直前に、段ボール箱16を組み立て、樹脂容器17を挿入し、液体の充填により樹脂容器17が形成される構成となっている。従って、充填前には段ボール箱16が折り畳まれている一方、同図に示すように、樹脂容器17・17を重ねることにより、使用直前まで容器の嵩を小さくしたままにしておけるので、容器保管時に占めるスペースが非常に小さくなる。また、使用後においても、段ボール箱16と樹脂容器17とを分離することにより、回収時の取り扱いも容易となる。
【0005】
上記の容器15への液体の充填は、例えば、図4に示す構成の自動液体充填装置により行っている。この自動液体充填装置においては、段ボールが段ボール製缶装置1から段ボール搬送路12を通ってパレット積載装置6で容器としてパレット上に積載されるまでに、容器成形、液体充填、計量、ラベル貼りを行わせることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の自動液体充填装置において、折り畳まれた樹脂容器17の充填口17aは図3の一点鎖線に示す位置にあり、また、樹脂容器17は段ボール箱16に挿入されているので、自動液体充填装置の液体充填工程における樹脂容器17への充填作業を容易にするために、この充填口17aを実線で示す位置に引き起こすとともに、充填ノズルが挿入可能な所定の位置に充填口17aを保持する必要がある。以下、上記の作業を充填口の位置決めと表現し、上記作業を行う装置を充填口位置決め装置7と称することにする。
【0007】
そして、上記の充填口17aの位置決めを行うために、例えば、図15に示すように、先端側に、空気の給排気により伸縮するゴム中空体41が設けられた充填口位置決め装置40を用いている。上記ゴム中空体41を充填口17aに挿入した後にゴム中空体41内に空気を送り込むことにより、ゴム中空体41が点線で示すように膨張して、充填口17aの内径側にゴム中空体41の表面が当接し、摩擦力により充填口17aを保持するもので、その後、充填口位置決め装置40を引き上げれば、充填口17aの引き起こしを行うことができる。
【0008】
しかしながら、上記のように容器15は段ボール箱16と樹脂容器17との二重構造であり、また、段ボール箱16の大きさは、液体を充填したときの樹脂容器17の大きさに設定されている。そして、液体の充填により樹脂容器17が成形される構成とされているために、充填前の樹脂容器17では、段ボール箱16との間にがたが生じ、段ボール箱16の上面における充填口17aの位置が大きくバラついてしまう。がたが少なく、上記の充填口位置決め装置40の挿入が可能であれば位置決めが行えるが、がたが大きくなると、図16に示すように、ゴム中空体41の先端が充填口17a内に挿入されず、充填口17aの端部に当接して、充填口17aを下方に押し下げてしまうことがある。
【0009】
そこで、従来は、上記のような場合に、充填口17aの位置を人手により、充填口位置決め装置40の位置に合わせていたため、完全な自動化を行うことができずに、液体充填作業の効率を低下させる要因となっていた。
【0010】
もちろん、センサーを使用して充填口17aの位置を検出し、充填口位置決め装置40側あるいは段ボール箱16側を移動させて、充填口17aの位置決めを行わせることも考えられるが、自動液体充填装置としての構成が複雑になると同時に検出の為の時間がかかり、コストの上昇と作業効率の低下を招く恐れがあった。
【0011】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、簡単な構成で、自動液体充填装置において、樹脂容器の充填口のピッキングを自動化することができる充填口位置決め装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る充填口の位置決め方法は、上記の課題を解決するために、保管時には、充填口が陥没させられるとともに、折り畳まれ、内容物の充填により所定の形状に成形される可撓性樹脂容器に自動的に内容物の充填を行う際に、充填口の内部にガイド部を挿入するとともに、樹脂容器内に空気を送り込むことを特徴としている。
【0013】
上記の構成により、樹脂容器が折り畳み状態にある結果、充填口内部側において、充填口の位置決めを行うために必要な、ガイド部の挿入可能深さが少ない場合でも、空気を送り込むことにより、樹脂容器が膨らみ、上記挿入深さが確保されるとともに、膨らむ反動により、充填口が所定位置方向側に移動することになるので、充填口の位置決めが容易に行えるようになる。
【0014】
本発明に係る充填口位置決め装置は、上記の課題を解決するために、保管時には、充填口が陥没させられるとともに、折り畳まれ、内容物の充填により所定の形状に成形される可撓性樹脂容器の充填口内部へのガイド部の挿入により充填口の位置決めを行う充填口位置決め装置において、先端にテーパー状のガイド部が形成されるとともに、該ガイド部に空気噴出口が設けられていることを特徴としている。
【0015】
上記の構成により、ガイド部に形成されたテーパーにより充填口のガイドを行わせながら、空気噴出口から空気を噴出させて樹脂容器を膨らませて、折り畳み状態にある樹脂容器の充填口におけるガイド部の挿入深さを確保し、ガイド部を所定の挿入状態として、充填口の位置決めを確実に行わせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態〕
本発明に係る自動液体充填装置の実施の一形態について図1ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0017】
上記自動液体充填装置は、図2に示す容器15に所定量の液体を自動的に充填するものであり、容器15は、外側を覆い、容器15の形状を保持する段ボール箱16と、該段ボール箱16の内壁に略密着する外形状を有する可撓性の樹脂容器17とから構成されている。
【0018】
この樹脂容器17の断面は、通常、図3の実線に示すような形状をしているが、側面17bと底面17cとが内側に折り込まれると同時に、充填口17aを陥没状態とすることにより、図3の一点鎖線で示す形状となるので、同図に示すように、樹脂容器17同士を重ねることが可能となり、保管時の容積を小さくすることができる。この容器15は、予め組み立てておいた容器15に液体を充填するのではなく、段ボールが搬送される間に、自動液体充填装置内を搬送されるにつれて、容器組み立て、液体充填、計量、包装、ラベル貼りが行われるもので、その構成は図4に示すように、段ボール製缶装置1、ストックコンベア2、液体充填装置3、段ボール封缶装置4、ラベル貼着装置5、パレット積載装置6から構成されている。
【0019】
また、上記液体充填装置3内には、充填口位置決め装置7、粗充填装置8、計量装置11を備えた精密充填装置9、オートキャッパー10が設けられている。
【0020】
上記構成に基づいて、自動液体充填装置の動作を以下に説明する。
【0021】
まず、段ボール製缶機1に、折り畳まれている段ボール箱16を供給すると、段ボール箱16が組み立てられて搬送される。ストックコンベア2には折り畳まれた樹脂容器17が前記のように複数重ねられた状態で積載されており、この樹脂容器17を一つずつ段ボール箱16内に挿入することにより容器15としての形態を成す。もちろん、この時点では、樹脂容器17は折り畳まれた状態のままである。
【0022】
上記容器15が、液体充填装置3上に搬送されて、容器15における段ボール箱16が所定の位置に配置されると、充填口位置決め装置7が充填口17aの内部に挿入されて、充填口17aを引き起こすとともに、図示しない充填口保持装置により固定する。次に、粗充填装置8では粗充填ノズルが充填口17aに挿入されて、粗充填が行われる。さらに、精密充填装置9では、精密充填ノズルが充填口17aに挿入されて計量装置11で容器15の重量を計量しながら充填が行われる。そして、所定量の充填が終了すれば、オートキャッパー10で樹脂容器17の蓋が閉じられ、液体の充填が終了する。
【0023】
液体の充填が2段階に分かれているのは、充填する重量により制御可能な最小液量が異なるからである。口径の大きい粗充填ノズルを用いて、大量の液体を迅速に充填するとともに、容器15に充填する液量の誤差以下の制御が可能な小さい精密充填ノズルを用いて精密充填を行っている。
【0024】
続いて、段ボール封缶装置4では、段ボール箱16の上蓋が閉じられテープで固定される。そして、ラベル貼着装置5では、目的や行き先などを示すラベルが貼着され、最後にパレット積載装置6により、パレット上への積載が行われる。
【0025】
この自動充填装置における充填口位置決め装置7の動作の詳細を、図1、図5ないし図11に基づいて以下に説明する。
【0026】
図1に示すように、充填口位置決め装置7は、充填口17a(図3)の引き起こしを行うピッキング部20と充填口位置決め装置7に対する充填口17aのセンタリングを行うガイド部30とから構成されている。そして、図5(a)に示すように、ピッキング部20は、ボディ本体21と、ゴム中空体22とにより構成されており、ゴム中空体22は、ボディ本体21を貫通する給排気口21aを覆うように設けられる一方、給排気口21bには圧縮空気の配管23が接続され、ゴム中空体22に送り込む空気量を制御することにより、充填口17aの内径側の保持及び非保持を切り換えている。さらに、同図(b)に示すように、ボディ本体21内部には、後述のガイド部30側に圧縮空気を送出する空気孔21cが貫通して設けられるとともに、ガイド部30をボディ本体21に取り付けるための雌ねじ部21dが中央に形成されている。また、上記空気孔21cにも圧縮空気の配管24が接続されている。
【0027】
一方、ガイド部30は充填口17a(図3)を傷つけないように先端を半球状に形成した頂角30°の円錐形状を有している。この頂角の角度は大きすぎるとガイドとしての役目を果たさず、充填口17aを下方に押しつけることになり、また、頂角の角度が小さすぎると、ガイド部30の下方への移動量が折り畳み時に充填口17aの下方に位置する樹脂容器17の側面17bにより制限されるため、水平面方向の充填口17aの移動量が小さくなる。従って、ガイド部30の表面の状態やピッキング部20の作動速度、樹脂容器17の材質、充填口17aの断面形状等により変化するため、実施条件に合わせて適宜設定すればよいが、実質的には45°以下であり、30°前後が良いことが実験的に判っている。
【0028】
また、ピッキング部20への取付面30a側には、中央に雌ねじ部30bが形成されるとともに、雌ねじ部30bを中心とする円形溝30cと、この円形溝30cに連通する空気噴出口30dが円錐形状の中腹部に開口している。そして、前記ピッキング部20とガイド部30とは雌ねじ部21d・30bとイモネジ25により連結されている。このときに、上記空気孔21cと空気噴出口30dとは、円形溝30cを介して導通しているが、これは、直結する穴とした場合には、取付面30aや雌ねじ部21d・30b、イモネジ25の磨耗により、ガイド部30とピッキング部20のボディ本体21に形成された互いの穴の位置がずれて、空気の流れが阻止される可能性があるからである。
【0029】
上記の充填口位置決め装置7の構成と図6及び図11に基づいて、充填口位置決め時の動作を詳細に説明する。
【0030】
まず、容器15が所定の位置にセットされると、図6に示す矢印Y2 方向に充填口位置決め装置7が下方に作動し始める。同図に示すように、ガイド部30のセンターに対して、充填口17aのセンターがずれている場合、充填口位置決め装置7の下降に伴い、ガイド部30の中腹部が、充填口17aの縁部のどこかに当接することになる(図7)。
【0031】
この状態から、充填口位置決め装置7を下方に作動させると、充填口位置決め装置7側は矢印Y1 −Y2 方向にしか移動しないので、充填口17a側がガイド部30の斜面に沿って、水平方向に移動することになり(図7では矢印X1 方向)、充填口17aのセンタリングが行われることになる。さらに、充填口位置決め装置7を矢印Y2 方向に移動させると、ガイド部30の先端が、折り畳み状態にある樹脂容器17の側面17bに当接することになる(図8)。
【0032】
最終的には、ゴム中空体22を、充填口17aの保持が可能な位置に持ってくる必要があり、充填口位置決め装置7を矢印Y2 方向に移動させると、そのままでは、ガイド部30の先端に当接する側面17bが下降してしまうので、それに引きずられるように、充填口17aも下降してしまう。
【0033】
そこで、ガイド部30の先端が、前記側面17bに略当接する位置にきたときに、充填口位置決め装置7の矢印Y2 方向への移動と同時に、ガイド部30の中腹部に設けられている空気噴出口30bから空気を吹き出させることにより、樹脂容器17が膨らみ始めて樹脂容器17の側部17bが矢印Y2 方向に移動する一方、充填口17a側は逆に矢印Y1 方向に移動し、充填口17aが前記ゴム中空体22を覆う位置まで上昇する(図9)。
【0034】
上記で空気の噴出を開始するタイミングは、充填口位置決め装置7の位置やタイマーなどを用いて行わせればよく、また、噴出させる時間は、樹脂容器17の容量や樹脂容器17の可撓性等の諸条件により異なるが、充填口位置決め装置7が充填口17aに完全に挿入されたときに、ガイド部30の先端が側部17bに当接しない程度に空気が入った状態になればよく、この状態になるように上記諸条件に合わせて、空気の噴射時間を設定すればよい。
【0035】
そして、ゴム中空体22を膨らませれば、充填口位置決め装置7に対する充填口17aのセンタリングが完了する(図10)。また、ゴム中空体22の膨張により、充填口17aが保持されているため、充填口位置決め装置7を矢印Y1 方向に移動させると、その移動に伴って、陥没していた充填口17aが引き起こされる(図11)。その後、図示しない充填口保持装置がフランジ17dを掴んで、所定の位置に充填口17aを保持し、ゴム中空体22内の空気を抜いて充填口位置決め装置7を外されば、充填口17aの位置決めが完了し、粗充填や精密充填を行う際に、各充填ノズルを移動させることなく、充填口17aへの挿入が可能となり、これにより、充填ノズルの挿入ミスによる液体の漏れなどを心配することなく、確実に容器15内への液体の充填が行えるようになる。
【0036】
本実施の形態で示した自動液体充填装置においては、上記の充填口位置決め装置7を用いることにより、充填口17aのずれが大きくても、充填口位置決め装置7のガイド部30によりその位置が修正可能となり、確実な充填口17aの引き起こしが行えるので、液体の充填作業を完全に自動化することができ、充填作業の効率を向上させることができる。
〔参考の形態〕
本発明にかかる自動液体充填装置の参考の形態について図1及び図12ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態で示した構成については、その説明を省略する。
【0037】
本参考の形態において、実施の形態と異なる点は、充填口位置決め装置7であるので、この構成と動作について、図12ないし図14に基づいて以下に説明する。
【0038】
この充填口位置決め装置7は図12に示すように、充填口17a(図3)の外側に設けられたフランジ部17dを係止することにより、充填口17aの引き起こしを行う構成としており、中央部にテーパー状のガイド部32と、充填口17aの内径より少し小さい外形を有するセンタリング部33からなる充填口ガイド31が設けられ、その両側に、上記フランジ部17dの外形に沿った形状の係止部34・34が設けられており、この係止部34・34は油圧により矢印X1 −X2 方向に開閉作動することによりフランジ部17dの保持・非保持を切り換えることができる。また、上記ガイド部32にも、実施の形態で示した圧縮空気を噴出させる空気噴出口32aが形成されている。
【0039】
上記充填口位置決め装置の動作を図13及び図14に基づいて、説明すれば以下の通りである。
【0040】
まず、充填口位置決め装置7に対して、容器15が所定の位置に配置される(図13(a))。そして、充填口17aに対して、充填口位置決め装置7が矢印Y2 方向に移動させていくと、充填口位置決め装置7に対して、充填口17aのセンターがあっていないと、図13(b)に示すようにガイド部32の中腹部に充填口17aの縁部が当接する。さらに、充填口位置決め装置7を矢印Y2 方向に移動させていくと、ガイド部32が、樹脂容器17の側面部17bに当接する(図14(a))。
【0041】
そして、係止部34・34がフランジ部17dを係止可能な位置まで、充填口位置決め装置7を下げる必要があるが、上記のように、ガイド部32の先端が折り畳まれた状態の樹脂容器17の側面17bに当接してしまう。そこで、空気噴出口32aから空気を噴出させることにより、樹脂容器17が膨らんで、充填口17aの矢印Y1 方向への移動に伴って、センタリング部33が充填口17aに挿入されて、充填口位置決め装置7に対する充填口17aの位置決めが完了する一方、側面17bが矢印Y2 方向に移動することにより、係止部34とフランジ部17dとが係止する位置までガイド部32を矢印Y2 方向に移動させることができる。そして、係止部34・34を作動させれば、充填口17aが保持され、充填口17aの引き起しが可能となる(図14(b))。
【0042】
上記においては、前記の実施の形態で示した充填口位置決め装置と異なり、充填口ガイド31と係止部34が独立しているが、この場合、充填口ガイド31のみによって、充填口17aの位置決めを行わせるために、充填口17aの内径より少し小さいセンタリング部33を設ける必要があり、また、ガイド部32による位置決めが確実に行われるためには、ガイド部32のテーパー角度は30°前後がよいことを考えると、充填口17aにおける十分な挿入深さを確保するために、ガイド部32の空気噴出口32aから空気を送りだして、樹脂容器17を少し膨らませることが必要である。
【0043】
上記に示した実施の形態および参考の形態で示した何れの充填口位置決め装置においても、折り畳み状態の可撓性の樹脂容器17において、樹脂容器17内に空気を送り込んで膨らませることにより、ガイド部30またはガイド部32における位置決めを十分に行わせるための挿入深さを確保することができるので、確実に充填口17aを保持して、引き起こすことができる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る充填口の位置決め方法は、保管時には、充填口が陥没させられるとともに、折り畳まれ、内容物の充填により所定の形状に成形される可撓性樹脂容器に自動的に内容物の充填を行う際に、充填口の内部にガイド部を挿入するとともに、樹脂容器内に空気を送り込む構成である。
【0045】
それゆえ、折り畳まれた樹脂容器が膨らみ、これにより、ガイド部の挿入深さが確保されると同時に、膨らむ反動に伴って充填口が所定位置方向に移動するので、充填口の位置決め作業が容易に行えるようになるという効果を奏する。
【0046】
また、本発明に係わる充填口位置決め装置は、保管時には、充填口が陥没させられるとともに、折り畳まれ、内容物の充填により所定の形状に成形される可撓性樹脂容器の充填口内部へのガイド部の挿入により充填口の位置決めを行う充填口位置決め装置において、先端にテーパー状のガイド部が形成されるとともに、該ガイド部に空気噴出口が設けられている構成である。
【0047】
それゆえ、折り畳み状態における樹脂容器の充填口のガイド挿入可能深さが浅くても、ガイド部に設けられた空気噴出口から空気を噴出させることにより、樹脂容器を膨らませ、ガイド部を充填口内に完全に挿入させるための深さを確保するとともに、テーパー形状により、充填口がガイドされ、充填口の位置決めが確実に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る充填口位置決め装置の一構成例を示すものであり、同図(a)は側面図であり、同図(b)は下面図である。
【図2】 本発明において充填口位置決め装置が用いられる樹脂容器を示すものであり、同図(a)は上面図であり、同図(b)は側面図である。
【図3】 図2(a)に示す樹脂容器のC−C矢視断面図である。
【図4】 本発明の適用が可能な自動液体充填装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】 図1(b)に示す充填口位置決め装置の断面を示すものであり、同図(a)は図1(b)のA−A矢視断面図であり、同図(b)は図1(b)のB−B矢視断面図である。
【図6】 充填口位置決め装置の作動を示すもので、樹脂容器が充填口位置決め装置下に配置された状態を示す概略図である。
【図7】 図6に続く充填口位置決め装置の作動を示すもので、充填口位置決め装置が下降しガイド部が充填口に当接した状態を示す概略図である。
【図8】 図7に続く充填口位置決め装置の作動を示すもので、さらに、充填口位置決め装置が下降し、ガイド部の先端が折り畳まれた樹脂容器の側面に当接した状態を示す概略図である。
【図9】 図8に続く充填口位置決め装置の作動を示すもので、ガイド部の空気噴出口から空気が噴出された後の充填口位置決め装置と樹脂容器の位置関係を示す概略図である。
【図10】 図9に続く充填口位置決め装置の作動を示すもので、ゴム中空体により充填口のピッキングを行った状態を示す概略図である。
【図11】 図10に続く充填口位置決め装置の作動を示すもので、充填口が引き起こされた状態を示す概略図である。
【図12】 本発明に係る充填口位置決め装置の他の構成例を示すものであり、同図(a)は側面図であり、同図(b)は、同図(a)における係止部のみのD−D矢視断面図である。
【図13】 本発明に係る充填口位置決め装置の他の構成例において、充填口位置決め装置の作動を示すもので、同図(a)は樹脂容器がピッキング部の位置に配置された状態を示す概略図であり、同図(b)はピッキング部が充填口に当接した状態を示す概略図である。
【図14】 本発明に係る充填口位置決め装置の他の構成例において、図13に続く充填口位置決め装置の作動を示すもので、同図(a)はガイド部の先端が折り畳まれた樹脂容器の側面に当接した状態を示す概略図であり、同図(b)は、空気の噴出が行われ、充填口のピッキングが行われた状態を示す概略図である。
【図15】 従来、自動液体充填装置に用いられていた充填口位置決め装置の側面図である。
【図16】 上記充填口位置決め装置の一作動状態を示す概略図である。
【符号の説明】
7 充填口位置決め装置
15 容器
16 段ボール箱
17 樹脂容器
17a 充填口
30 ガイド部
30d 空気噴出口
Claims (2)
- 保管時には、充填口が陥没させられるとともに、折り畳まれ、内容物の充填により所定の形状に成形される可撓性樹脂容器の充填口の位置決めを行う際に、
先端が半球状に形成された円錐形状をなし、かつ空気噴出口が設けられ、上記可撓性樹脂容器の充填口内部に挿入可能であり、空気噴出口から空気を送り込んで容器を膨らませることが可能なガイド部と、
ガイド部の後端側に設けられ、ボディ本体と、ボディ本体の外周部に環状に設けられたゴム中空体とを有し、ゴム中空体の膨張により充填口を保持可能なピッキング部とを備えている充填口位置決め装置を使用して、
ガイド部を充填口内部に挿入し、空気噴出口から空気を送り込んで容器を膨らませ、ピッキング部のゴム中空体を充填口の位置に配置し、ゴム中空体を膨張させて充填口を保持し、陥没している充填口を引き起こすことを特徴とする充填口の位置決め方法。 - 保管時には、充填口が陥没させられるとともに、折り畳まれ、内容物の充填により所定の形状に成形される可撓性樹脂容器の充填口の位置決めを行う充填口位置決め装置であって、
先端が半球状に形成された円錐形状をなし、かつ空気噴出口が設けられ、上記可撓性樹脂容器の充填口内部に挿入可能であり、空気噴出口から空気を送り込んで容器を膨らませることが可能なガイド部と、
ガイド部の後端側に設けられ、ボディ本体と、ボディ本体の外周部に環状に設けられたゴム中空体とを有し、ゴム中空体の膨張により充填口を保持可能なピッキング部とを備え、
ガイド部が充填口内部に挿入され、空気噴出口から送り込まれる空気により容器を膨らませ、ピッキング部のゴム中空体が充填口の位置に配置され、ゴム中空体の膨張により充填口が保持され、陥没している充填口を引き起こすようになっていることを特徴とする充填口位置決め装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19873695A JP3690758B2 (ja) | 1995-08-03 | 1995-08-03 | 充填口の位置決め方法及び充填口位置決め装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP19873695A JP3690758B2 (ja) | 1995-08-03 | 1995-08-03 | 充填口の位置決め方法及び充填口位置決め装置 |
Publications (2)
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