JP3690727B2 - 球止まり防止構造を有するパチンコ遊技機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球の球止まり（球噛み）を防止する球止まり防止構造を有するパチンコ遊技機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、パチンコ遊技機の遊技盤の裏面に配置されるセット板は、遊技盤（ベニヤ板）に木ねじで固定されていて、役物入賞口から入賞した遊技球（以下、入賞球という）を誘導する樋があり、この樋に入賞球をカウントする近接スイッチが取り付けられている。
【０００３】
一般的に、セット板はＡＢＳ（アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体）樹脂やＰＣ（ポリカーボネイド）でできている、いわゆる樹脂成形品であり、その材質や加工特性から製品の反り、バリ、等の品質のばらつきがある。
【０００４】
そして、セット板は木ねじの緩みや上記の反り等の原因で、遊技盤の裏面から浮いてしまう場合が発生する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、セット板が遊技盤の裏面から浮くと、入賞球が近接スイッチの所で球止まり（球噛みともいう）をおこすので、従来では、セット板の近接スイッチ取り付け周辺を木ねじで数箇所固定するようにしていたが、その分だけ木ねじの本数が増えるという課題があった。
【０００６】
また、上記の球止まりは、ゲームの中断や不正行為につながる不具合がある。
【０００７】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、木ネジを多くすること無く、作業工程を増加すること無く、セット板の浮きを防止することにある。
【０００８】
本発明のさらなる目的は、球止まりによるゲームの中断や不正行為を防止することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１のパチンコ遊技機の発明は、パチンコ遊技機の遊技盤の裏面に配置された入賞球誘導部材としてのセット板と、該セット板を覆う回路取り付け用部材を有し、前記セット板に組み込んである近接スイッチが集中している該セット板の下部を前記回路取り付け用部材により押さえつける構造にし、前記近接スイッチは前記セット板に形成され入賞球を誘導する樋に取り付けられていることを特徴とする。
【００１０】
ここで、前記セット板の前記下部に外側周囲に延設してフランジを設け、該フランジを前記回路取り付け用部材により前記遊技盤の裏面に押さえつける構造にしたことを特徴とすることができる。
【００１１】
また、前記フランジは少なくとも２箇所設けられていることを特徴とすることができる。
【００１２】
また、前記回路取り付け用部材は、固定具により前記遊技盤の裏面に組み付けられたときに、前記セット板の前記下部を上から押さえつける押え部を有することを特徴とすることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。
【００１４】
図１は、遊技機の遊技盤の正面全体の概観の一例を示す。遊技機の機械構造はたとえば、特開平１１−３１９２５２号公報に示されるような従来例と同様とすることができるので、説明は本発明に関わる構成部とその補足部位のみに留める。
【００１５】
図１において、本実施形態の遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤１０１、特別図柄表示装置１０２、始動入賞口１０３、普通図柄表示装置作動ゲート（左）１０４、普通図柄表示装置作動ゲート（右）１０５、普通図柄表示装置１０６、普通電動役物１０７、可変入賞球装置１０８を含む。
【００１６】
特別図柄表示装置１０２は、本実施形態では、可変表示装置（図示しない）を有し、複数の数字や図形等の特別図柄（以下、単に図柄とする）を変動表示する。
【００１７】
始動入賞口１０３は、遊技者により打ち出された球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチ（図示しない）のトリガ発生により入賞検知し、特別図柄表示装置１０２の図柄変動の契機を与える。
【００１８】
普通図柄表示装置作動ゲート（左）１０４および普通図柄表示装置作動ゲート（右）１０５は、遊技者により打ち出された球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチ（図示しない）のトリガ発生により、普通図柄表示装置１０６の普通図柄の変動契機を与える。
【００１９】
普通図柄表示装置１０６は、７セグメントＬＥＤ等の表示する普通図柄を変動表示する。
【００２０】
普通電動役物１０７は、普通図柄表示装置１０６が特定の普通図柄を停止表示した場合に開放し、始動入賞口１０３への入賞をアシストする。
【００２１】
可変入賞球装置１０８は、特別図柄表示装置１０２の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合、すなわち、特賞（大当たり）になった時に、可変入賞球装置１０８前面の大入賞口の開放動作を行う。
【００２２】
また、１１７はチャッカー、１１８はアタッカーである。
【００２３】
図２は、図１のパチンコ遊技機の遊技盤の裏面全体の概観を示す。ここで、２００は主回路、２０１はセット板（入賞球誘導部材）、２０２は回路アダプタセット、２０４は遊技盤１０１のベニヤ板である。
【００２４】
図３は、遊技盤の裏面からみたセット板２０１と回路アダプタセット２０２を示す。ここで、２０５は回路アダプタセット２０２を構成する回路アダプタであって、同図に示すように、回路取り付け用部材として主回路２００を遊技盤に取り付けている。２０６は回路アダプタ２０５に取り付けられている集合樋、２０７は集合樋の回路アダプタ組み付けボスである。２０８はセット板２０１の近接スイッチ受け防止用部分であって、上記集合樋２０６により押さえつけられる部分あり、近接スイッチ（図４の２０３）が集中しているセット板２０１の下部の少なくとも2個所に外側周囲に向かって延設されたフランジ（鍔）である。集合樋２０６は、集合樋の回路アダプタ組み付けボス２０７と回路アダプタ２０５のかん合部がビスによって組みつけられることで、回路アダプタ２０５に組み付けられる。
【００２５】
図４は遊技盤の裏面からみたセット板２０１と入賞球２１０の経路および近接スイッチ２０３の設置位置を示す。セット板２０１には、入賞球２１０を誘導する樋が形成されており、この樋に入賞球２１０の通過を検知する近接スイッチ２０３が取り付けられている。そのため、入賞口から入った入賞球２１０は夫々の近接スイッチ２０３を通過し、樋に沿う図４の矢印の経路を通って下方に落下し、アダプタセット２０２の集合樋２０６に導かれる。
【００２６】
図５は遊技盤の裏面からみたセット板２０１の構成を示す。セット板２０１の下部には複数の近接スイッチ２０３が集中して組込まれており、その近接スイッチ２０３の近傍のセット板２０１の下部の左右２個所に、フランジ状の近接スイッチ浮き防止用部分２０８が形成されている。
【００２７】
なお、図５では、近接スイッチ浮き防止用部分２０８を黒べたで塗りつぶして図示しているが、これは近接スイッチ浮き防止用部分２０８の箇所を明示するためであり、セット板２０１の一体成形による延設部分であるので、通常、色や材質等はセット板本体と変わらない。
【００２８】
図６の（Ａ）〜（Ｃ）は図３のアダプタセット２０２の詳細を示し、図６の（Ａ）はその正面図、図６の（Ｂ）はその下面図、図６の（Ｃ）は図６の（Ａ）のＡ−Ａ切断線に沿う拡大断面図である。回路アダプタセット２０２は、回路アダプタ２０５、集合樋６０６、集合樋の回路アダプタ取り付けボス２０７を有し、これら部品は、図６に示すような配置構成となっている。
【００２９】
図７の（Ａ）〜（Ｃ）は図６の回路アダプタ２０５の詳細を示し、図７の（Ａ）はその正面図、図７の（Ｂ）はその下面図、図７の（Ｃ）は図７の（Ａ）のＡ−Ａ切断線に沿う拡大断面図である。回路アダプタ２０５は、図７に示すような形状となっている。
【００３０】
図８の（Ａ）〜（Ｃ）は図６の集合樋２０６の詳細を示し、図８の（Ａ）はその正面図、図８の（Ｂ）はその下面図である。図８の（Ｃ）は図８の（Ａ）のＡ−Ａ切断線に沿う拡大断面図であり、集合樋２０６のセット板押え部２０９の形状を示している。集合樋２０６は、集合樋の回路アダプタ取り付けボス２０７と、集合樋のセット板押え部２０９を有し、集合樋２０６の下部の左右２個所に外側に張り出した張り出し部を木ねじで止めることにより、集合樋のセット板押え部２０９によりセット板２０１の近接スイッチ浮き防止用部分２０８を上から押さえつけ、これによりセット板２０１が遊技盤１０１の裏面に押さえつけられる。
【００３１】
図６の（Ａ）、図７の（Ａ）および図８の（Ａ）のそれぞれのＡ−Ａ切断線の位置は図３のＡ−Ａ切断線の位置と同じであり、図６の（Ｃ）、図７の（Ｃ）および図８の（Ｃ）の断面図は、図３のＡ−Ａ切断線で切断した詳細図に対応する。
【００３２】
次に、図３〜図８を参照して、遊技盤１０１の裏面へのセット板２０１と回路アダプタセット２０２の取り付け方法を説明する。
【００３３】
まず、図３に示すように、遊技盤１０１のベニヤ板２０４の裏面にセット板２０１を乗せ、回路アダプタセット２０２をセット板２０１のかん合部に合わせて乗せ、木ねじで所定の箇所を止めることで遊技盤１０１の裏面に組みつけられる。
【００３４】
その際、回路アダプタセット２０２は、セット板２０１の近接スイッチ浮き防止部分２０８を、図８に示す集合樋２０６のセット板押え部２０９で押さえつける状態になる。
【００３５】
セット板２０１の近接スイッチ浮き防止部分２０８の位置は、図５で説明したように、近接スイッチ２０３が集中しているセット板２０１の下部に、少なくとも２個所設ける。
【００３６】
図６〜図８には、セット板２０１の近接スイッチ浮き防止部分２０８は記載していないが、この近接スイッチ浮き防止部分２０８の形状は、集合樋のセット板押え部２０９の切り欠き（図８の（Ｃ）参照）の高さと同じ厚さの板状の形状である。
【００３７】
このセット板押え部２０９の切り欠きの部分に近接スイッチ浮き防止部分２０８をはめ込み、セット板押え部２０９で近接スイッチ浮き防止部分２０８を押さえつけることで、セット板２０１の浮きが解消される。
【００３８】
（他の実施形態）
上述した本発明の一実施形態では、回路アダプタセットの集合樋のセット板押え部で近接スイッチ浮き防止部分を押さえつける構造としたが、本発明はこれに限らず、例えば、セット板を覆う上部カバー、役物保護カバーを用いて同様にセット板の浮き防止を図ることが可能である。
【００３９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、近接スイッチが集中している入賞球誘導路を備えたセット板の下部を回路取り付け用部材（回路アダプタ）により押さえつける構造にしたので、木ねじの本数を削減でき、作業工程を増加すること無く、セット板の浮きを防止し、近接スイッチ部の球止まり（球噛み）を防止することができる。
【００４０】
また、本発明によれば、木ねじでセット板延長部を止めないので、工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】遊技機の遊技盤の正面全体の概観の一例を示す正面図である。
【図２】図１のパチンコ遊技機の遊技盤の裏面全体の概観を示す裏面図である。
【図３】本発明の一実施形態の遊技盤の裏面からみたセット板と回路アダプタセットを示す裏面図である。
【図４】本発明の一実施形態の遊技盤の裏面からみたセット板と入賞球の経路および近接スイッチの設置位置を示す裏面図である。
【図５】本発明の一実施形態の遊技盤の裏面からみたセット板の構成を示す裏面図である。
【図６】図３のアダプタセットの詳細を示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその下面図、（Ｃ）は（Ａ）のＡ−Ａ切断線に沿う拡大断面図である。
【図７】図６の回路アダプタの詳細を示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその下面図、（Ｃ）は（Ａ）のＡ−Ａ切断線に沿う拡大断面図である。
【図８】図６の集合樋の詳細を示し、（Ａ）はその正面図、（Ｂ）はその下面図、（Ｃ）は（Ａ）のＡ−Ａ切断線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
１０１ 遊技盤
１０２ 特別図柄表示装置
１０３ 始動入賞口
１０４ 普通図柄表示装置作動ゲート（左）
１０５ 普通図柄表示装置作動ゲート（右）
１０６ 普通図柄表示装置
１０７ 普通電動役物
１０８ 可変入賞球装置
１１７ チャッカー
１１８ アタッカー
２０１ セット板
２０２ 回路アダプタセット
２０３ 近接スイッチ
２０４ ベニヤ板
２０５ 回路アダプタ
２０６ 集合樋
２０７ 集合樋の回路アダプタ組み付けボス
２０８ セット板の近接スイッチ浮き防止用部分
２０９ 集合樋のセット板押え部

Claims (4)

1. パチンコ遊技機の遊技盤の裏面に配置された入賞球誘導部材としてのセット板と、該セット板を覆う回路取り付け用部材を有し、
   前記セット板に組み込んである近接スイッチが集中している該セット板の下部を前記回路取り付け用部材により押さえつける構造にし、
   前記近接スイッチは前記セット板に形成され入賞球を誘導する樋に取り付けられていることを特徴とするパチンコ遊技機。
2. 前記セット板の前記下部に外側周囲に延設してフランジを設け、該フランジを前記回路取り付け用部材により前記遊技盤の裏面に押さえつける構造にしたことを特徴とする請求項１に記載のパチンコ遊技機。
3. 前記フランジは少なくとも２箇所設けられていることを特徴とする請求項２に記載のパチンコ遊技機。
4. 前記回路取り付け用部材は、固定具により前記遊技盤の裏面に組み付けられたときに、前記セット板の前記下部を上から押さえつける押え部を有することを特徴とする請求項１ないし３に記載のパチンコ遊技機。

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