JP3690703B2 - シアン化物イオンの濃度検出方法 - Google Patents

シアン化物イオンの濃度検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを利用して、溶液中のシアン化物イオンを検出し、濃度推定ができるようにする技術に関する。
例えばメッキ工場などのシアン化物を用いる工場の排水を常時監視できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工場排水等のシアン化物イオンの濃度は、ピリジン−ピラゾロン法、硝酸銀法、等の分析法やシアン化物イオン電極を用いた測定法が採られていた。
ピリジン−ピラゾロン法はシアン排水の分析法として広く使用されている方法である。この試験法は予備処理により水酸化ナトリウム溶液に吸収させた検液を酢酸で中和した後、クロラミンT溶液を加えて塩化シアンとし、これにピリジン−ピラゾロン混液を加え、このとき生じる青色を吸光光度法によって測定する方法である。
硝酸銀法は高濃度の場合に採用される。定量範囲はシアン濃度1ppm以上の場合に適する。p−ジメチルアミノベンジリデンローダニンアセトン溶液を指示薬として1/100N硝酸銀溶液で滴定する。液の色が黄色から赤色に変わる点を終点とし、要した滴定数からシアンイオンの濃度を算出する。pHにより反応が異なるので、pH11.0以上にして滴定しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
分析法を用いる場合は、上述のような各種試薬の調整や妨害物質の除去のための予備処理が必要であり、シアン化物イオン電極を用いる場合は、液温の変化で電位が変動するので、試料の液温を検量線作成時の液温の±1℃以内に調節する必要がある、等簡便にシアン化物イオンの濃度を測定することができない。
【0004】
この発明の目的は、シアン化物イオンの濃度の測定が短時間で簡単にできるシアン化物イオンの濃度検出方法を提供することである。また、例えば浄水場の取水口の水質等の常時監視については、従来は排水の上流から下流に複数の水槽を設けて、毒物等が流れたときは魚が上流の水槽から下流の水槽へ移ることで検知する方法があるが、この方法は、通常は魚が上流の水槽にいるように学習させたり、魚の体調に気を付けたりと、信頼性の維持が大変であり、装置も大型となる。そのような従来の方法に代わる工場排水等の常時監視を可能とするシアン化物イオンの濃度検出方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
両親媒性物質を含む膜の例えば電位応答は味に対して人間の味覚器官に似た応答となることから、この膜を用いたセンサは味覚センサと呼ばれている。味覚センサは特定の物質に選択的に感度を持つセンサではないので、複数種類の味覚センサの応答から、味あるいは味の違い等が計られる。
【0006】
発明者等は、両親媒性物質を含む膜を用いたセンサがシアン化物イオンの濃度に応じた応答をすること、両親媒性物質を含む膜は、膜に含まれる両親媒性物質の親水基の電荷によって、膜表面の電荷がプラスになる膜(以後、プラス膜という。)とマイナスになる膜(以後、マイナス膜という。)とがあるが、プラス膜を用いたセンサとマイナス膜を用いたセンサとを組み合わせて測定を行えば、被測定溶液の測定に先立って、標準液を測定してモデル式をたてることでシアン化物イオンの濃度の推定ができることを見出した。また、プラス膜を用いたセンサまたはマイナス膜を用いたセンサと導電率計と(以後、これらをまとめてセンサ等という。)を組み合わせて測定を行うこととしてもモデル式をたててシアン化物イオンの濃度の推定ができることを見出した。この発明はそれらの知見に基づいている。
【0007】
前述の課題を解決するために、本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法は、
両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、基準液を準備する段階と、シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類Nより1少ないN−1種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BN-1 それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,N−1のいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−1)標準液を準備する段階と、前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−1)標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,N−1)と前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−1)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,N−1)とを得る段階(5)と、前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,N−1)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,N−1)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,N−1)を求める段階(6)と、前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサそれぞれ1個以上の合計N個について行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,N−1)を用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち、前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたものについて行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなっている。
【0008】
また、導電率計とを組合せた本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法は、
両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、基準液を準備する段階と、シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類N−1より1少ないN−2種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BN-2 それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,N−2のいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−2)標準液、および前記ブランクサンプル液と同種の液であって導電率が前記ブランクサンプル液とは異なり、かつ該導電率またはブランクサンプル液の導電率との差が既知である導電率標準液を準備する段階と、前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−2)標準液および前記導電率標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,N−2)およびVkdと前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−2)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,N−2)および前記導電率標準液の測定値Vd とを得る段階(5)と、前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,N−2)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,N−2)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,N−2)および前記測定値Vd と前記測定値Vkdとの差Vdk=Vd −Vkdを求める段階(6)と、前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサ合わせて1個以上の合計N−1個と導電率計とについて行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,N−2),Vdkを用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたもの、および導電率計について行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなっている。
【0009】
そして、M種類の物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液を用いるようにした本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法は、
両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、基準液を準備する段階と、シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類N以上のM種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BM それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,Mのいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液を準備する段階と、前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,M)と前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,M)とを得る段階(5)と、前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,M)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,M)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,M)を求める段階(6)と、前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサそれぞれ1個以上の合計N個について行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,M)を用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち、前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたものについて行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなっている。
【0010】
そして、M種類の物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液を用い、導電率計とを組合せた本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法は、
両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、基準液を準備する段階と、シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類N−1以上のM種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BM それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,Mのいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液、および前記ブランクサンプル液と同種の液であって導電率が前記ブランクサンプル液とは異なり、かつ該導電率またはブランクサンプル液の導電率との差が既知である導電率標準液を準備する段階と、前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液および前記導電率標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,M)およびVkdと前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,M)および前記導電率標準液の測定値Vd とを得る段階(5)と、前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,M)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,M)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,M)および前記測定値Vd と前記測定値Vkdとの差Vdk=Vd −Vkdを求める段階(6)と、前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサ合わせて1個以上の合計N−1個と導電率計とについて行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,M),Vdkを用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたもの、および導電率計について行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなっている。
【0011】
【作用】
本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法を用いる場合、モデル式が決定してしまえば、通常の測定は段階(7)以降を行えばよい。
【0012】
モデル式の各係数の決定は例えば次のように行う。
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
で左辺には、ブランクサンプル液の測定ではブランクサンプル液のシアン化物イオン濃度(すなわち、0ppm )、シアンサンプル標準液の測定ではシアンサンプル標準液のシアン化物イオン濃度、物質Bi 標準液の測定では物質Bi イオン濃度のブランクサンプル液との差、導電率標準液の測定では導電率またはブランクサンプル液との導電率の差を代入し、右辺は左辺に対応した各液の測定値で、Vs1にはセンサ1から得られた値を、Vs2にはセンサ2から得られた値を、・・・、VsNにはセンサN(または導電率計)から得られた値をそれぞれ代入する。
その結果、
シアン化物イオン濃度0ppm =a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
シアン化物イオン濃度1ppm =a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
物質B1 イオン濃度差 =a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
物質B2 イオン濃度差 =a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
・ ・ ・
・ ・ ・
物質BN イオン濃度差(または導電率)=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
を得る。この連立方程式を解いて、各係数を求める。
また、物質Bi 標準液の数がM種類あって、係数の数より2以上多い式が立っている場合は、例えば重回帰分析にかけて各係数を求める。
【0013】
【発明の実施の形態】
前述のように、本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法では両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用する。ここで、両親媒性物質の一例を表1に示す。
表1には、両親媒性物質の一種である脂質も挙げられているが、脂質を含む脂質膜を用いたセンサは脂質膜センサとも呼ばれる。
【0014】
【表1】
Figure 0003690703
【0015】
表1の膜の極性の欄の+,−は当該脂質を含む膜がプラス膜,マイナス膜であることを示す。
表1にもあるように、プラス膜とマイナス膜はそれぞれ複数種類があり、種類により味に対する応答に特徴がある。中には違う種類の膜でありながら、被測定溶液によって同じ応答をするものもあるが、複数種類の膜を用いれば1種類のときより味の情報を多く得られる。
【0016】
各実施の形態を説明する前に、本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法に用いるセンサ等と標準液について説明する。
本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法に用いるセンサ等には、
▲1▼両親媒性物質を含む膜のうちプラス膜を用いたセンサ(以後、プラス膜センサという。)
▲2▼両親媒性物質を含む膜のうちマイナス膜を用いたセンサ(以後、マイナス膜センサという。)
▲3▼導電率計
があり、▲1▼プラス膜センサおよび▲2▼マイナス膜センサは、前述のように、用いる膜に種類があることから、それぞれ複数種類存在する。
【0017】
したがって、本発明の方法に用いる組合せは、センサ等の数が少ない組合せとしては、
(1)プラス膜センサ1種類およびマイナス膜センサ1種類
(2)プラス膜センサ1種類および導電率計
(3)マイナス膜センサ1種類および導電率計
があり、物質のイオン濃度についてより多くの情報を加味するために、(1) 〜(3) のいずれかに、当該組合せに含まれていない種類の両親媒性物質を含む膜を用いたプラス膜センサおよびマイナス膜センサのうちの1種類または複数種類を加えた組合せがある。すなわち、
(4)プラス膜センサ1種類およびマイナス膜センサ複数種類
(5)プラス膜センサ複数種類およびマイナス膜センサ1種類
(6)プラス膜センサ複数種類およびマイナス膜センサ複数種類
(7)プラス膜センサ複数種類および導電率計
(8)マイナス膜センサ複数種類および導電率計
(9)プラス膜センサ1種類、マイナス膜センサ1種類、および導電率計
(10)プラス膜センサ複数種類、マイナス膜センサ複数種類、および導電率計
等である。
【0018】
前述のセンサ等の各組合せに応じて、準備する標準液が異なる。
(1)プラス膜センサ1種類およびマイナス膜センサ1種類の場合は、
(a)ブランクサンプル液(シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%の液。具体的には、測定対象が工場排水なら、例えばその工場排水でシアン化物イオンの濃度が無視できるような状態のときのものをブランクサンプル液とする。あるいは、その組成が分かっていれば、同じ組成のものを作製する。)
(b)シアン標準液(シアン化物イオンの濃度が既知であり、かつ、その濃度が (a)ブランクサンプル液と異なる。具体的には、例えばブランクサンプル液にシアン化物を添加して作製する。)
(c)物質Bの標準液(使用するセンサが濃度依存性を持っているような物質B(例えば、KCl)について既知の濃度であり、かつ、その濃度が (a)ブランクサンプル液と異なる。また、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%の液。具体的には、例えばブランクサンプル液に物質Bを添加して作製する。)
【0019】
(2)プラス膜センサ1種類および導電率計の場合と (3)マイナス膜センサ1種類および導電率計の場合は、
(a)ブランクサンプル液
(b)シアン標準液
(d)導電率標準液(導電率またはブランクサンプル液との導電率の差が既知であり、かつ、その導電率が (a)ブランクサンプル液と異なる。具体的には、例えばブランクサンプル液に導電率を変化させる物質を添加して作製する。)
である。
【0020】
また、前述の (4)〜(10)のセンサ等の組合せのようにプラス膜センサまたはマイナス膜センサが増えた場合は、増えたセンサの種類n分の物質B1,B2,・・・,Bn 各々の標準液が必要となる。該標準液はそれぞれ前記物質Bの標準液と同様に、使用するセンサが濃度依存性を持っているような物質B1,B2,・・・,Bn についてブランクサンプル液との差が既知の濃度であり、かつ、その濃度が (a)ブランクサンプル液と異なる。
【0021】
なお、センサの種類を増やすと、標準液の種類も増え、その調製や測定、モデル式の決定、その後の被測定溶液の測定およびシアン化物イオン濃度の推定に手数がかかるが、シアン化物イオン以外の物質の濃度情報も加味されるので、シアン化物イオンの実際の濃度と推定値との相関は高くなる。他に、使用するセンサの種類は増やさず標準液の種類は増やして、使用するセンサの種類より2以上多い式を立て、重回帰分析にかけて各係数を求めるようにすれば、連立方程式を解いて得られた単一の解である係数よりも、多くの物質の濃度の変化に対して、対応できる係数が得られる。
また、モデル式を決定するための測定は、センサの種類を多くして行い、得られたデータを重回帰分析等にかけて、測定により有効なセンサを選ぶこととすれば、モデル式の決定以後の手数は軽減される。
【0022】
ここで、本発明の方法の各段階の順序について説明すると、基準液他の各液を準備する段階ではどのような順番で準備してもよく、各液について測定を行うときに準備できていればよい。また、基準液以外の各液の測定順序も特に制限はなく、組になっている基準液の測定と他の各液の測定(例えば、段階(1)と段階(2)、段階(7)と段階(8)等)もどちらを先にしてもよい。なお、センサの測定安定度と要求されるイオン濃度推定精度との関係によっては、基準液の測定を毎回は行う必要はなく、あるいは、全く行わなくてもよい。
【0023】
本発明の第一の実施の形態は、プラス膜センサ1種類とマイナス膜センサ1種類を用いたものであり、前述の (1)の場合に当たる。測定対象は工場排水とする。
1)10mM(m mol/l)KCl(塩化カリウム)溶液を基準液として準備する。また、基準液と同じ液を基準液用共洗い液として用意する。基準液用共洗い液は、基準液がセンサ等に付いている別の液等で汚れるのを防ぐために、基準液を測定する前に共洗いするための液である。10mM(m mol/l)KCl溶液は、センサに用いられている膜が乾燥してしまわないように、その保存液としても使われる。
2)シアン化物イオンが含まれていない工場排水をブランクサンプル液として準備する。また、ブランクサンプル液と同じ液をブランクサンプル液用共洗い液として用意する。
3)前記ブランクサンプル液と同じ液にシアン化物を加えシアン化物イオン濃度1ppm としたシアンサンプル標準液を準備する。シアン化物イオン濃度をここでは1ppm としたが、測定対象に応じて適宜決めればよい。また、シアンサンプル標準液と同じ液をシアンサンプル標準液用共洗い液として用意する。
4)前記ブランクサンプル液と同じ液に含まれる、使用するセンサが濃度依存性を有する物質Bを選び、該物質Bを前記ブランクサンプル液と同じ液に添加して、前記ブランクサンプル液との当該物質Bの濃度差が既知である物質B標準液を準備する。また、物質B標準液と同じ液を物質B標準液用共洗い液として用意する。この実施の形態で使用するセンサは2個であるから、物質Bは1種類選べばよい。物質Bはセンサの測定値に影響の大きい物質がよく、濃度依存性大のもの、混入量の変化が大きいもの、等である。
【0024】
5)前記基準液を測定し、測定値Vkbを得る。
この実施の形態では、プラス膜センサとマイナス膜センサを各1個使用することとしている。それらのセンサを基準液用共洗い液に2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液にセンサを浸漬しプラス膜センサの測定値VkbP とマイナス膜センサの測定値VkbM とを得る。
6)前記ブランクサンプル液を測定し、測定値Vbsを得る。
ブランクサンプル液用共洗い液に前記センサ2個を2〜10回出し入れして、共洗いした後、ブランクサンプル液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VbsP とVbsM とを得る。
7)再び、前記基準液を測定し、測定値Vkcを得る。
基準液用共洗い液に両センサを2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VkcP とVkcM とを得る。
8)前記シアンサンプル標準液を測定し、測定値Vcsを得る。
シアンサンプル標準液用共洗い液に両センサを2〜10回出し入れして、共洗いした後、シアンサンプル標準液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VcsP とVcsM とを得る。
9)前記基準液を測定し、測定値Vk を得る。
基準液用共洗い液にセンサを2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VkPとVkMとを得る。
10)前記物質B標準液を測定し、測定値VB を得る。
物質B標準液用共洗い液に両センサを2〜10回出し入れして、共洗いした後、物質B標準液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VBPとVBMとを得る。
【0025】
11)前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、および前記測定値VB と前記測定値Vk との差VBk=VB −Vk を求める。
これらをプラス膜センサとマイナス膜センサそれぞれについて行うから、差VbskP=VbsP −VkbP 、差VcskP=VcsP −VkcP 、差VBkP =VBP−VkP、差VbskM=VbsM −VkbM 、差VcskM=VcsM −VkcM 、および差VBkM =VBM−VkMが求まる。
12)シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式を決定する。
使用するセンサが2個であるから、モデル式は次のようになる。
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+c
このモデル式の各係数a1 ,a2 ,cを決定するために、11)で求めた各値(差)を用いる。前述の各液毎に式が立てられ、式の左辺は、各液の注目する物質についてのイオン濃度となる。また、式の右辺のVs1およびVs2にはプラス膜センサ、はマイナス膜センサの各値(差)が代入される。この実施の形態では、
シアン化物イオン濃度0ppm =a1 VbskP+a2 VbskM+c
シアン化物イオン濃度1ppm =a1 VcskP+a2 VcskM+c
物質Bイオン濃度差 ppm =a1 VBkP +a2 VBkM +c
の3つの式が立つ。この連立方程式を解いて、各係数a1 ,a2 ,cを決定する。
【0026】
13)前記基準液を測定し、測定値Vskh を得る。
基準液用共洗い液に両センサを2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VskhPとVskhMとを得る。
14)被測定サンプル液を測定し、測定値Vhsを得る。
被測定サンプル液と同じ液を被測定サンプル液用共洗い液として用いる。
被測定サンプル液用共洗い液に両センサを2〜10回出し入れして、共洗いした後、被測定サンプル液に両センサを浸漬し、両センサの測定値VhsP とVhsM とを得る。
15)前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める。
これらをプラス膜センサとマイナス膜センサそれぞれについて行うから、差VhskP=VhsP −VskhPと差VhskM=VhsM −VskhMとが求まる。
16)15)で求めた各値(差)を各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する。すなわち、被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度は、
シアン化物イオン濃度=a1 VhskP+a2 VhskM+c
と推定される。
本実施の形態では、各液について2個のセンサで同時に測定しているが、1個ずつ測定することとしてもよい。
【0027】
本発明の第二の実施の形態は、プラス膜センサ2種類とマイナス膜センサ2種類と導電率計を用いたものであり、前述の(10)プラス膜センサ複数種類、マイナス膜センサ複数種類、および導電率計の場合に当たる。測定対象は、第一の実施の形態の場合と同じく、工場排水とする。
1)10mM(m mol/l)KCl(塩化カリウム)溶液を基準液として準備する。また、基準液と同じ液を基準液用共洗い液として用意する。
2)シアン化物イオンが含まれていない工場排水をブランクサンプル液として準備する。また、ブランクサンプル液と同じ液をブランクサンプル液用共洗い液として用意する。
3)前記ブランクサンプル液と同じ液にシアン化物を加えシアン化物イオン濃度10ppm としたシアンサンプル標準液を準備する。また、シアンサンプル標準液と同じ液をシアンサンプル標準液用共洗い液として用意する。
4)前記ブランクサンプル液と同じ液に含まれる、使用するセンサが濃度依存性を有する物質B1 ,B2 ,B3 を選び、該物質B1 ,B2 ,B3 を前記ブランクサンプル液と同じ液にそれぞれ添加して、前記ブランクサンプル液との当該物質B1 ,B2 ,B3 の濃度差が既知である物質B1 標準液、物質B2 標準液、および物質B3 標準液を準備する。また、物質B1 標準液、物質B2 標準液、および物質B3 標準液と同じ液をそれぞれ物質B1 標準液用共洗い液、物質B2 標準液用共洗い液、および物質B3 標準液用共洗い液として用意する。この実施の形態で使用するセンサは4個であるから、物質Bは3種類選ぶことになる。
さらに、導電率計を使用するので、前記ブランクサンプル液と同じ液に例えばKClを加えてその導電率を変えた導電率標準液を準備する。そして、導電率標準液と同じ液を標準液用共洗い液としても用意する。
【0028】
5)前記基準液を測定し、測定値Vkbを得る。
この実施の形態では、プラス膜センサとマイナス膜センサを各2個それに導電率計を使用することとしている。それらのセンサ等を基準液用共洗い液に2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液にセンサ等を浸漬し2個のプラス膜センサの測定値VkbP1,VkbP2と、2個のマイナス膜センサの測定値VkbM1,VkbM2と、導電率計の測定値Vkbd とを得る。
6)前記ブランクサンプル液を測定し、測定値Vbsを得る。
ブランクサンプル液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、ブランクサンプル液にセンサ等を浸漬し、各センサ等の測定値VbsP1,VbsP2,VbsM1,VbsM2,Vbsd を得る。
7)再び、前記基準液を測定し、測定値Vkcを得る。
基準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に浸漬し、各センサ等の測定値VkcP1,VkcP2,VkcM1,VkcM2,Vkcd を得る。
8)前記シアンサンプル標準液を測定し、測定値Vcsを得る。
シアンサンプル標準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、シアンサンプル標準液に浸漬し、各センサ等の測定値VcsP1,VcsP2,VcsM1,VcsM2,Vcsd を得る。
【0029】
9−1)前記基準液を測定し、測定値Vk を得る。
基準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に浸漬し、各センサ等の測定値Vk1P1,Vk1P2,Vk1M1,Vk1M2,Vk1d を得る。
10−1)前記物質B標準液を測定し、測定値VB を得る。
物質B1 標準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、物質B1 標準液に浸漬し、各センサ等の測定値VB1P1,VB1P2,VB1M1,VB1M2,VB1d を得る。
9−2)前記基準液を測定し、測定値Vk を得る。
基準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に浸漬し、各センサ等の測定値Vk2P1,Vk2P2,Vk2M1,Vk2M2,Vk2d を得る。
10−2)前記物質B標準液を測定し、測定値VB を得る。
物質B2 標準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、物質B2 標準液に浸漬し、各センサ等の測定値VB2P1,VB2P2,VB2M1,VB2M2,VB2d を得る。
9−3)前記基準液を測定し、測定値Vk を得る。
基準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に浸漬し、各センサ等の測定値Vk3P1,Vk3P2,Vk3M1,Vk3M2,Vk3d を得る。
10−3)前記物質B標準液を測定し、測定値VB を得る。
物質B3 標準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、物質B3 標準液に浸漬し、各センサ等の測定値VB3P1,VB3P2,VB3M1,VB3M2,VB3d を得る。
9−4)前記基準液を測定し、測定値Vkdを得る。
基準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に浸漬し、各センサ等の測定値VkdP1,VkdP2,VkdM1,VkdM2,Vkdd を得る。
10−4)前記物質B標準液を測定し、測定値Vd を得る。
導電率標準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、導電率標準液に浸漬し、各センサ等の測定値VdP1 ,VdP2 ,VdM1 ,VdM2 ,Vddを得る。
【0030】
11)前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VB と前記測定値Vk との差VBk=VB −Vk (ただし、この実施の形態では物質B1 ,物質B2 ,物質B3 の標準液を用いるので、差VBkについては、差VBk1 =VB1−Vk1,差VBk2 =VB2−Vk2,および差VBk3 =VB3−Vk3)、および前記測定値Vd と前記測定値Vkdとの差Vdk=Vd −Vkdを求める。
これらをプラス膜センサ2個、マイナス膜センサ2個、および導電率計の測定値それぞれについて行うから、
差VbskP1 =VbsP1−VkbP1、差VcskP1 =VcsP1−VkcP1、
差VBk1P1 =VB1P1−Vk1P1、差VBk2P1 =VB2P1−Vk2P1、
差VBk3P1 =VB3P1−Vk3P1、差VdkP1=VdP1 −VkdP1、
差VbskP2 =VbsP2−VkbP2、差VcskP2 =VcsP2−VkcP2、
差VBk1P2 =VB1P2−Vk1P2、差VBk2P2 =VB2P2−Vk2P2、
差VBk3P2 =VB3P2−Vk3P2、差VdkP2=VdP2 −VkdP2、
差VbskM1 =VbsM1−VkbM1、差VcskM1 =VcsM1−VkcM1、
差VBk1M1 =VB1M1−Vk1M1、差VBk2M1 =VB2M1−Vk2M1、
差VBk3M1 =VB3M1−Vk3M1、差VdkM1=VdM1 −VkdM1、
差VbskM2 =VbsM2−VkbM2、差VcskM2 =VcsM2−VkcM2、
差VBk1M2 =VB1M2−Vk1M2、差VBk2M2 =VB2M2−Vk2M2、
差VBk3M2 =VB3M2−Vk3M2、差VdkM2=VdM2 −VkdM2、
差Vbskd=Vbsd −Vkbd 、 差Vcskd=Vcsd −Vkcd 、
差VBk1d=VB1d −Vk1d 、 差VBk2d=VB2d −Vk2d 、
差VBk3d=VB3d −Vk3d 、 差Vdkd =Vdd −Vkdd 、
が求まる。
【0031】
12)シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式を決定する。
使用するセンサ等が5個であるから、モデル式は次のようになる。
シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+a3 Vs3+a4 Vs4+a5 Vs5+c
このモデル式の各係数a1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 ,cを決定するために、11)で求めた各値(差)を用いる。前述の各液毎に式が立てられ、式の左辺は、各液の注目する物質についてのイオン濃度等となる。また、式の右辺のVs1,Vs2,Vs3,Vs4,Vs5にはセンサ等の各値(差)が代入される。この実施の形態では、
シアン化物イオン濃度0ppm =a1 VbskP1 +a2 VbskP2 +a3 VbskM1 +a4 VbskM2 +a5 Vbskd+c
シアン化物イオン濃度10ppm =a1 VcskP1 +a2 VcskP2 +a3 VcskM1 +a4 VcskM2 +a5 Vcskd+c
物質B1 イオン濃度差 ppm =a1 VBk1P1 +a2 VBk1P2 +a3 VBk1M1 +a4 VBk1M2 +a5 VBk1d+c
物質B2 イオン濃度差 ppm =a1 VBk2P1 +a2 VBk2P2 +a3 VBk2M1 +a4 VBk2M2 +a5 VBk2d+c
物質B3 イオン濃度差 ppm =a1 VBk3P1 +a2 VBk3P2 +a3 VBk3M1 +a4 VBk3M2 +a5 VBk3d+c
導電率 =a1 VdkP1 +a2 VdkP2 +a3 VdkM1 +a4 VdkM2 +a5 Vdkd +c
の6つの式が立つ。この連立方程式を解いて、各係数a1 ,a2 ,a3 ,a4 ,a5 ,cを決定する。
【0032】
13)前記基準液を測定し、測定値Vskh を得る。
基準液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、基準液に浸漬し、各センサ等の測定値VskhP1 ,VskhP2 ,VskhM1 ,VskhM2 ,Vskhdを得る。
14)被測定サンプル液を測定し、測定値Vhsを得る。
被測定サンプル液と同じ液を被測定サンプル液用共洗い液として用いる。
被測定サンプル液用共洗い液に前記センサ等を2〜10回出し入れして、共洗いした後、被測定サンプル液に浸漬し、各センサ等の測定値VhsP1,VhsP2,VhsM1,VhsM2,Vhsd を得る。
15)前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める。
これらをプラス膜センサ2個、マイナス膜センサ2個、および導電率計の測定値それぞれについて行うから、差VhskP1 =VhsP1−VskhP1 ,差VhskP2 =VhsP2−VskhP2 ,差VhskM1 =VhsM1−VskhM1 ,差VhskM2 =VhsM2−VskhM2 ,差Vhskd =Vhsd −Vskhdが求まる。
16)15)で求めた各値(差)を各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する。すなわち、被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度は、
シアン化物イオン濃度=a1 VhskP1 +a2 VhskP2 +a3 VhskM1 +a4 VhskM2 +a5 Vhskd+c
と推定される。
【0033】
表2に、本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法を用いてシアン化物イオンの濃度が既知の被測定溶液を測定し、得られたシアン化物イオン濃度の推定値と実際の濃度との相関の高さを示す。プラス膜センサ、マイナス膜センサ、導電率計の欄の丸印は、測定に用いたセンサ等である。
表2から分かるように、相関はかなり高い。
【0034】
【表2】
Figure 0003690703
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、プラス膜を用いたセンサ、マイナス膜を用いたセンサ、および導電率計のうち少なくとも二つを組み合わせて測定することとし、適当な標準液を準備し、該標準液の測定値を用いてモデル式を求め、シアン化物イオンの濃度を推定することとしたから、
従来のシアン化物イオンの濃度測定法である分析法のような被測定液の予備処理を必要とせず、シアン化物イオン電極を用いる方法のような液温の調節も必要としない、シアン化物イオンの濃度の測定が短時間で簡単にできるシアン化物イオンの濃度検出方法が提供できる。
また、本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法を用いれば、工場排水等の常時監視も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法の流れ図である。
【図2】本発明のシアン化物イオンの濃度検出方法の流れ図である。

Claims (4)

  1. 両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、
    基準液を準備する段階と、
    シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類Nより1少ないN−1種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BN-1 それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,N−1のいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−1)標準液を準備する段階と、
    前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、
    前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、
    前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、
    前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、
    前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−1)標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,N−1)と前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−1)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,N−1)とを得る段階(5)と、
    前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,N−1)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,N−1)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,N−1)を求める段階(6)と、
    前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサそれぞれ1個以上の合計N個について行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,N−1)を用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
    シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
    の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、
    前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、
    被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、
    前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、
    前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち、前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたものについて行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなるシアン化物イオンの濃度検出方法。
  2. 両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、
    基準液を準備する段階と、
    シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類N−1より1少ないN−2種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BN-2 それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,N−2のいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−2)標準液、および前記ブランクサンプル液と同種の液であって導電率が前記ブランクサンプル液とは異なり、かつ該導電率またはブランクサンプル液の導電率との差が既知である導電率標準液を準備する段階と、
    前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、
    前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、
    前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、
    前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、
    前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−2)標準液および前記導電率標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,N−2)およびVkdと前記物質Bi (i =1,2,・・・,N−2)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,N−2)および前記導電率標準液の測定値Vd とを得る段階(5)と、
    前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,N−2)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,N−2)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,N−2)および前記測定値Vd と前記測定値Vkdとの差Vdk=Vd −Vkdを求める段階(6)と、
    前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサ合わせて1個以上の合計N−1個と導電率計とについて行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,N−2),Vdkを用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
    シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
    の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、
    前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、
    被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、
    前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、
    前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたもの、および導電率計について行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなるシアン化物イオンの濃度検出方法。
  3. 両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、
    基準液を準備する段階と、
    シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類N以上のM種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BM それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,Mのいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液を準備する段階と、
    前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、
    前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、
    前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、
    前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、
    前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,M)と前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,M)とを得る段階(5)と、
    前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,M)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,M)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,M)を求める段階(6)と、
    前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサそれぞれ1個以上の合計N個について行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,M)を用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
    シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
    の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、
    前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、
    被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、
    前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、
    前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち、前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたものについて行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなるシアン化物イオンの濃度検出方法。
  4. 両親媒性物質を含む膜を用いたセンサを使用するシアン化物イオンの濃度検出方法であって、
    基準液を準備する段階と、
    シアン化物イオンの濃度検出の対象となる液と同種の液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が実質的に0%のブランクサンプル液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液にシアン化物を添加した液であって、かつ、シアン化物イオンの濃度が既知であるシアンサンプル標準液を準備する段階と、
    前記ブランクサンプル液と同種の液に含まれる、使用するセンサの種類N−1以上のM種類の、使用するセンサが濃度依存性を有する各物質B1,B2,・・・,BM それぞれの物質Bi (i は1,2,・・・,Mのいずれか一つ)標準液であって、かつ、前記ブランクサンプル液との当該物質Bi の濃度差が既知である前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液、および前記ブランクサンプル液と同種の液であって導電率が前記ブランクサンプル液とは異なり、かつ該導電率またはブランクサンプル液の導電率との差が既知である導電率標準液を準備する段階と、
    前記基準液の測定値Vkbを得る段階(1)と、
    前記ブランクサンプル液の測定値Vbsを得る段階(2)と、
    前記基準液の測定値Vkcを得る段階(3)と、
    前記シアンサンプル標準液の測定値Vcsを得る段階(4)と、
    前記基準液の測定と前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液および前記導電率標準液の各測定とを交互に行い、前記基準液の測定値Vki(i =1,2,・・・,M)およびVkdと前記物質Bi (i =1,2,・・・,M)標準液の各測定値VBi(i =1,2,・・・,M)および前記導電率標準液の測定値Vd とを得る段階(5)と、
    前記測定値Vbsと測定値Vkbとの差Vbsk =Vbs−Vkb、前記測定値Vcsと測定値Vkcとの差Vcsk =Vcs−Vkc、前記測定値VBi(i =1,2,・・・,M)と前記測定値Vki(i =1,2,・・・,M)との差VBki =VBi−Vki(i =1,2,・・・,M)および前記測定値Vd と前記測定値Vkdとの差Vdk=Vd −Vkdを求める段階(6)と、
    前記段階(1)から段階(6)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサ合わせて1個以上の合計N−1個と導電率計とについて行い、それぞれについて得られた前記差Vbsk ,Vcsk ,VBki (i =1,2,・・・,M),Vdkを用いて、シアン化物イオンの濃度を推定するモデル式
    シアン化物イオン濃度=a1 Vs1+a2 Vs2+・・・+aN VsN+c
    の各係数a1 ,a2 ,・・・,aN ,cを決定する段階と、
    前記基準液の測定値Vskh を得る段階(7)と、
    被測定サンプル液の測定値Vhsを得る段階(8)と、
    前記測定値Vhsと測定値Vskh との差Vhsk =Vhs−Vskh を求める段階(9)と、
    前記段階(7)から段階(9)までを、両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がプラスの膜を用いたセンサおよび両親媒性物質を含む膜であって当該両親媒性物質の親水基の電荷がマイナスの膜を用いたセンサのうち前記モデル式の各係数を決定するに際して用いたもの、および導電率計について行い、それぞれについて得られた前記差Vs1,Vs2,・・・,VsNを各係数が決定した前記モデル式に代入して、前記被測定サンプル液のシアン化物イオンの濃度を推定する段階とからなるシアン化物イオンの濃度検出方法。
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