JP3690540B2 - 投影露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中で、マスクパターンを感光基板上に転写するために使用される投影露光装置に関し、特にエキシマレーザ光のような紫外線を露光用の照明光として用いて、マスク及び感光基板を投影光学系に対して同期走査することによって露光を行うステップ・アンド・スキャン方式等の走査型の投影露光装置に適用して卓効あるものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体素子を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンをフォトレジストが塗布されたウエハの各ショット領域に転写するための投影露光装置として、従来はステップ・アンド・リピート方式(一括露光方式)の縮小投影型露光装置(ステッパー)が多用されていた。これに対して最近、投影光学系に対する負担をあまり大きくすることなく、転写対象パターンを大面積化するという要請に応えるために、レチクル上のパターンの一部を投影光学系を介してウエハ上に縮小投影した状態で、レチクルとウエハとを投影光学系に対して同期走査することにより、レチクル上のパターンの縮小像を逐次ウエハ上の各ショット領域に転写する所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が注目されている。このステップ・アンド・スキャン方式は、1回の走査露光でレチクルの全面のパターンを等倍でウエハの全面に転写するアライナーの転写方式(スリットスキャン方式)の長所と、ステッパーの転写方式の長所とを組み合わせて発展させたものである。
【0003】
また、一般に投影露光装置ではより解像度を高めることが求められているが、解像度を高めるための1つの方法が、露光用の照明光としてより短波長の光束を使用することである。そこで、最近は露光用の照明光として、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、若しくはArFエキシマレーザ光(波長193nm)等の紫外域、更には遠紫外域のエキシマレーザ光が使用されつつある。また、金属蒸気レーザ光やYAGレーザ光の高調波等の使用も検討されている。
【0004】
例えば、露光用の照明光としてエキシマレーザ光を使用する場合、エキシマレーザ光源では通常、広帯化レーザ光源と狭帯化レーザ光源とがあり、狭帯化レーザ光源とはレーザ光のスペクトルの半値幅が2〜3pm以下のものを指し、広帯化レーザ光源とはレーザ光のスペクトルの半値幅が100pm以上のものを指している。このように露光用の照明光として、エキシマレーザ光のような紫外域以下の短波長の照明光を使用する場合、投影光学系用の屈折レンズの硝材として使用できるものは、石英、及び蛍石等に限られている。そのため、そのような短波長の照明光を使用する程、投影光学系の色消しを行うのが困難になる。従って、投影光学系の色消しを容易に行う観点からは、狭帯化レーザ光源が望ましいことになる。
【0005】
ところが、エキシマレーザ光の帯域は本来は広帯域であるため、狭帯化レーザ光源では、インジェクション・ロッキング等を行って発振スペクトルを狭帯化している。そのため、狭帯化レーザ光源では、レーザ出力が広帯化レーザ光源に比べて低下し、且つ寿命、及び製造コストの点でも広帯化レーザ光源に比べて悪化している。従って、レーザ出力、寿命、及び製造コストに関しては、広帯化レーザ光源の方が有利である。そこで最近は、投影光学系の構造を色消しが容易な構造にして、広帯化レーザ光源を使用することが試みられている。
【0006】
さて、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置(走査型投影露光装置)に使用される投影光学系としては、特開平6−132191号公報に開示されているように、凹面鏡を使用する反射屈折光学系、又は屈折レンズのみを組み合わせた屈折光学系がある。前者のように反射屈折光学系を使用する場合、凹面鏡では色収差が無いため、屈折レンズ群中に凹面鏡を配置することによって色消しが容易になり、結果としてレーザ出力や寿命等の点で有利な広帯化レーザ光源の使用が可能になる。
【0007】
また、後者の屈折光学系を使用する場合でも、全体の屈折レンズの内で蛍石の割合を多くすることによって色消しの幅を広くできるため、広帯化レーザ光源の使用が可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き従来の技術において、エキシマレーザ光のような紫外光を露光用の照明光として使用する場合、紫外光はオゾンにより吸収されると共に、フォトレジストの特性をも考慮して、投影露光装置の内部に窒素(N2)ガス、又はオゾンを除去した気体(空気等)を循環させる必要性が指摘されていた。しかしながら、例えば単に投影露光装置が設置されているチャンバの内部の気体の全部を窒素ガス等に置き換えるのでは、メンテナンス時等における作業者の安全上で問題がある。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑み、露光時には露光用の照明光の吸収が少ないと共に、メンテナンス時等における作業者の安全を確保できる投影露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の投影露光装置は、露光用の照明光を発生する露光光源を備え、その照明光で転写用パターンの形成されたマスク(R)を照明する照明光学系(2〜5,10,11,14)と、その照明光のもとでマスク(R)のパターンの像を感光基板(W)上に投影する投影光学系(PL)と、感光基板(W)を移動する基板ステージ(22)と、を有する投影露光装置において、その露光光源として紫外域以下の波長で発振するレーザ光源(2)を使用し、その照明光学系、投影光学系(PL)、及び基板ステージ(22)を複数個の独立のケーシング(111,113,114)内に収納し、これら複数個のケーシングの内の少なくとも1つのケーシング(111,114)内に複数種類の気体を切り換えて供給する気体供給手段(116,117,120A)を設けたものである。
【0014】
なお、本発明において、その照明光学系、その投影光学系、及びその基板ステージを複数個の独立のケーシング内に収納する代わりに、その照明光学系を収容する照明系ユニット(111)とその投影光学系を収容する投影系ユニット(113)と、その基板ステージを収容する基板ステージユニット(114)とを設け、その気体供給手段がその照明系ユニット内に、互いに種類が異なる2つの気体を切り換えて供給するようにしてもよい。
斯かる本発明によれば、選択されたケーシング内又は照明系ユニット内に、例えば通常の露光時には露光用の照明光に対する吸収率の低い気体が供給され、メンテナンス時に試験的に露光を行うようなときには、作業者にとって安全な空気等の気体が供給される。
この場合、複数種類の気体として、窒素、空気、及びオゾンを除去した空気よりなる気体群から選択された複数種類の気体を用いることが望ましい。このとき、紫外域以下の照明光に対する吸収率の低い気体としては、窒素及びオゾンを除去した空気があり、作業者にとって安全な気体としては空気及びオゾンを除去した空気がある。そこで、それら3種類の内のどの2種類の気体を使用した場合でも、通常の露光時には照明光に対する吸収率の低い気体が供給でき、メンテナンス時等には、作業者にとって安全な気体が供給できる。
【0015】
但し、オゾンは紫外線に対する吸収率が高いため、作業者にとって安全で且つ照明光に対する吸収率の最も低い気体はオゾンを除去した空気であり、最も照明光に対する吸収率の低い気体は窒素である。そこで、窒素及びオゾンを除去した空気を組み合わせることが最も望ましい。また、窒素の代わりにヘリウム等の不活性ガス等を使用してもよい。
【0016】
また、その気体供給手段に、供給対象のケーシング内の気体の種類を切り換える際に、このケーシング内で気体が実質的に完全に置き換えられたことを確認するための確認手段(137A〜137C)を設けることが望ましい。これによって安全性が高まる。その確認手段としては、所定の気体の濃度計測センサの他に、タイマのような計時手段も使用できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による投影露光装置の実施の形態の一例につき図面を参照して説明する。本例は、露光光源としてエキシマレーザ光源を使用し、投影光学系として反射屈折系を使用するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したものである。
【0021】
図1は本例の投影露光装置の概略構成を示し、この図1において、露光制御装置1により発光状態が制御されたエキシマレーザ光源2から射出されたパルスレーザ光よりなる照明光ILは、偏向ミラー3で偏向されて第1照明系4に達する。エキシマレーザ光源2として本例では、発振スペクトルの半値幅が100pm以上にされたKrFエキシマレーザ(波長248nm)の広帯化レーザ光源が使用される。但し、露光用の光源としては、ArFエキシマレーザ(波長193nm)の広帯化レーザ光源を使用してもよく、金属蒸気レーザ光源、YAGレーザの高調波発生装置、又は水銀ランプ等の輝線ランプ等を使用してもよい。
【0022】
第1照明系4には、ビームエキスパンダ、光量可変機構、照明光学系のコヒーレンスファクタ(所謂σ値)を変更した場合に照明光の光量を切り換えるための照明切り換え機構、及びフライアイレンズ等が含まれている。そして、第1照明系4の射出面に照明光ILの面状に分布する2次光源が形成され、この2次光源の形成面に照明条件を種々に切り換えるための照明系開口絞り用の切り換えレボルバ5が配置されている。切り換えレボルバ5の側面には、通常の円形の開口絞り、光軸から偏心した複数の開口よりなる所謂変形照明用の開口絞り、輪帯状の開口絞り、及び小さい円形開口よりなる小さいσ値用の開口絞り等が形成され、切り換え装置6を介して切り換え用レボルバ5を回転することによって、所望の照明系開口絞り(σ絞り)をその第1照明系4の射出面に配置できるようになっている。また、そのように照明系開口絞りを切り換えた場合には、切り換え装置6によって同期して、最も光量が大きくなるように第1照明系4内の照明切り換え機構が切り換えられる。
【0023】
切り換え装置6の動作は、露光制御装置1によって制御され、露光制御装置1の動作は、装置全体の動作を統轄制御する主制御装置7によって制御されている。
切り換え用レボルバ5で設定された照明系開口絞りを透過した照明光ILは、透過率が大きく反射率の小さいビームスプリッタ8に入射し、ビームスプリッタ8で反射された照明光は、フォトダイオード等の光電検出器よりなるインテグレータセンサ9で受光される。このインテグレータセンサ9で照明光を光電変換して得られる検出信号が露光制御装置1に供給される。その検出信号とウエハ上での露光量との関係は予め計測して記憶されており、露光制御装置1では、その検出信号よりウエハ上での積算露光量をモニタする。また、その検出信号は、露光用の照明光ILを使用する各種センサ系の出力信号を規格化するのにも利用される。
【0024】
ビームスプリッタ8を透過した照明光ILは、第2照明系10を介して照明視野絞り系(レチクルブラインド系)11を照明する。この照明視野絞り系11の配置面は、第1照明系4中のフライアイレンズの入射面と共役であり、フライアイレンズの各レンズエレメントの断面形状とほぼ相似の照明領域でその照明視野絞り系11が照明される。照明視野絞り系11は、可動ブラインドと固定ブラインドとに分かれており、固定ブラインドは固定された矩形の開口を有する視野絞りであり、可動ブラインドはレチクルの走査方向及び非走査方向に独立に動く開閉自在の2対の可動ブレードである。固定ブラインドでレチクル上の照明領域の形状の決定が行われ、可動ブラインドで走査露光の開始時及び終了時にその固定ブラインドの開口の覆いをそれぞれ徐々に開く動作、及び閉める動作が行われる。これによって、ウエハ上で本来の露光対象のショット領域以外の領域に照明光が照射されるのが防止される。
【0025】
この照明視野絞り系11中の可動ブラインドの動作は、駆動装置12によって制御されており、ステージ制御装置13によって後述のようにレチクルとウエハとの同期走査を行う際に、ステージ制御装置13は、駆動装置12を介してその可動ブラインドを同期して駆動する。照明視野絞り系11を通過した照明光ILは、第3照明系14を経てレチクルRのパターン面(下面)の矩形の照明領域15を均一な照度分布で照明する。照明視野絞り系11の固定ブラインドの配置面は、レチクルRのパターン面と共役であり、照明領域15の形状はその固定ブラインドの開口によって規定されている。
【0026】
以下では、レチクルRのパターン面に平行な面内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取り、レチクルRのパターン面に垂直にZ軸を取って説明する。このとき、レチクルR上の照明領域15は、X方向に長い矩形領域であり、走査露光時には、照明領域15に対してレチクルRが+Y方向、又は−Y方向に走査される。即ち、走査方向はY方向に設定されている。
【0027】
レチクルR上の照明領域15内のパターンは、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックな投影光学系PLを介して投影倍率β(βは例えば1/4,1/5等)で縮小されて、フォトレジストが塗布されたウエハW上の露光領域16に結像投影される。
レチクルRは、レチクルステージ17上に保持され、レチクルステージ17はレチクル支持台18上のY方向に伸びたガイド上にエアベアリングを介して載置されている。レチクルステージ17はリニアモータによってレチクル支持台18上をY方向に一定速度で走査できると共に、X方向、Y方向、及び回転方向(θ方向)にレチクルRの位置を調整できる調整機構を備えている。レチクルステージ17の端部に固定された移動鏡19m、及び不図示のコラムに固定されたレーザ干渉計19によって、レチクルステージ17(レチクルR)のX方向、Y方向の位置が常時0.001μm(1nm)程度の分解能で計測されると共に、レチクルステージ17の回転角も計測され、計測値がステージ制御装置13に供給され、ステージ制御装置13は供給された計測値に応じてレチクル支持台18上のリニアモータ等の動作を制御する。
【0028】
一方、ウエハWはウエハホルダ20を介して試料台21上に保持され、試料台21はウエハステージ22上に載置され、ウエハステージ22は、定盤23上のガイド上にエアベアリングを介して載置されている。そして、ウエハステージ22は、定盤23上でリニアモータによってY方向に一定速度での走査、及びステッピング移動ができると共に、X方向へのステッピング移動ができるように構成されている。また、ウエハステージ22内には、試料台21をZ方向に所定範囲で移動するZステージ機構、及び試料台21の傾斜角を調整するチルト機構(レベリング機構)が組み込まれている。
【0029】
試料台21の側面部に固定された移動鏡24m、及び不図示のコラムに固定されたレーザ干渉計24によって、試料台21(ウエハW)のX方向、Y方向の位置が常時0.001μm程度の分解能で計測されると共に、試料台21の回転角及びチルト角も計測され、計測値がステージ制御装置13に供給され、ステージ制御装置13は供給された計測値に応じてウエハステージ22の駆動用のリニアモータ等の動作を制御する。
【0030】
走査露光時には、主制御装置7からステージ制御装置13に露光開始のコマンドが送出され、これに応じてステージ制御装置13では、レチクルステージ17を介してレチクルRをY方向に速度VR で走査するのと同期して、ウエハステージ22を介してウエハWをY方向に速度VW で走査する。レチクルRからウエハWへの投影倍率βを用いて、ウエハWの走査速度VW はβ・VR に設定される。
【0031】
また、投影光学系PLは外部のベース部材上に植設されたコラム25(図5参照)の中板上に保持されている。そして、投影光学系PLのX方向の側面部に、ウエハWの表面の複数の計測点に斜めにスリット像等を投影して、それら複数の計測点でのZ方向の位置(フォーカス位置)に対応する複数のフォーカス信号を出力する、斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(以下、「AFセンサ」という)26が配置されている。多点のAFセンサ26からの複数のフォーカス信号は、フォーカス・チルト制御装置27に供給され、フォーカス・チルト制御装置27では、それら複数のフォーカス信号よりウエハWの表面のフォーカス位置及び傾斜角を求め、求めた結果をステージ制御装置13に供給する。
【0032】
ステージ制御装置13では、供給されたフォーカス位置及び傾斜角が、それぞれ予め求められている投影光学系PLの結像面のフォーカス位置及び傾斜角に合致するように、ウエハステージ22内のZステージ機構、及びチルト機構をサーボ方式で駆動する。これによって、走査露光中においても、ウエハWの露光領域16内の表面はオートフォーカス方式、及びオートレベリング方式で投影光学系PLの結像面に合致するように制御される。
【0033】
更に、投影光学系PLの+Y方向の側面にオフ・アクシス方式のアライメントセンサ28が固定されており、アライメント時にはアライメントセンサ28によってウエハWの各ショット領域に付設されたアライメント用のウエハマークの位置検出が行われ、検出信号がアライメント信号処理装置29に供給されている。アライメント信号処理装置29にはレーザ干渉計24の計測値も供給され、アライメント信号処理装置29では、その検出信号及びレーザ干渉計24の計測値より検出対象のウエハマークのステージ座標系(X,Y)での座標を算出して、主制御装置7に供給する。ステージ座標系(X,Y)とは、レーザ干渉計24によって計測される試料台21のX座標及びY座標に基づいて定められる座標系を言う。主制御装置7では、供給されたウエハマークの座標より、ウエハW上の各ショット領域のステージ座標系(X,Y)での配列座標を求めてステージ制御装置13に供給し、ステージ制御装置13では供給された配列座標に基づいて各ショット領域に走査露光を行う際のウエハステージ22の位置を制御する。
【0034】
また、試料台21上には基準マーク部材FMが固定され、基準マーク部材FMの表面にはアライメントセンサの位置基準となる種々の基準マーク、及びウエハWの反射率の基準となる基準反射面等が形成されている。そして、投影光学系PLの上端部に、ウエハW側から投影光学系PLを介して反射される光束等を検出する反射光検出系30が取り付けられ、反射光検出系30の検出信号が自己計測装置31に供給されている。主制御装置7の管理のもとで後述のように、自己計測装置31ではウエハWの反射量(反射率)のモニタ、照度むらの計測、及び空間像の計測等を行う。
【0035】
次に、図2を参照して図1内の本例の投影光学系PLの構成について詳細に説明する。
図2は、投影光学系PLを示す断面図であり、この図2において、投影光学系PLは機構的には、第1対物部41、光軸折り返し部43、光軸偏向部46、及び第2対物部52の4つの部分より構成されている。そして、光軸折り返し部43内に凹面鏡45が配置されている。
【0036】
本例のように照明光ILとして広帯化されたレーザ光を用いた場合、同じ電源電力でも光量を増やすことができスループットを高められると共に、コヒーレンシィが低下して干渉による悪影響が軽減されるという利点がある。但し、本例のようにKrFエキシマレーザ光又はArFエキシマレーザ光のような紫外域の照明光を使用する場合、投影光学系PL内の屈折レンズとして使用できる硝材が石英や蛍石等に限られてしまい、屈折光学系のみではその設計が困難である。そのため本例では、凹面鏡のような色収差が発生しない反射光学系と屈折光学系とを併用することで広帯色消しを行うこととしている。但し、反射光学系は一般には1対1(等倍)の光学系であり、本例のように1/4倍、又は1/5倍のような縮小投影を行う場合には、以下のようにその構成には特殊な工夫が必要である。
【0037】
即ち、先ず、レチクルRの直下に第1対物部41が配置され、第1対物部41は鏡筒42内にレチクルR側から順にレンズ枠を介してレンズL1,L2,L3,L4を固定して構成されている。そして、鏡筒42の下に、光軸偏向部46の鏡筒47を介して、光軸折り返し部43の鏡筒44が配置され、鏡筒44内にレチクルR側から順にレンズ枠を介して、レンズL11,L12,…,L20,L21、及び凹面鏡45が固定されている。第1対物部41と光軸折り返し部43とは同軸であり、その光軸を光軸AX1とする。光軸AX1はレチクルRのパターン面に垂直である。
【0038】
このとき、鏡筒42と鏡筒44との間の光軸偏向部46の鏡筒47内で、光軸AX1から+Y方向に偏心した位置に、光軸AX1に対して+Y方向にほぼ45°で傾斜した反射面を有する小型ミラー48が配置されている。また、鏡筒47内に小型ミラー48から+Y方向に順に、レンズL31,L32、補正光学系49、及びビームスプリッタ50が配置されている。光軸偏向部46の光軸AX2は光軸AX1に直交しており、ビームスプリッタ50の反射面は小型ミラー48の反射面に直交するように光軸AX2にほぼ45°で傾斜している。ビームスプリッタ50は、透過率が5%で反射率が95%程度の高反射率のビームスプリッタであり、ウエハ側から反射されてビームスプリッタ50を透過した光束を受光することによって、ウエハの反射率やレチクルのパターンの投影像の状態等をモニタできるようになっている。
【0039】
そして、補正光学系49は、光軸AX2に沿った方向に微動できると共に、光軸AX2に垂直な平面に対する傾斜角が微調整できるレンズ群等より構成され、補正光学系49の位置及び傾斜角は結像特性補正装置51によって制御されている。結像特性補正装置51の動作は図1の主制御装置7によって制御されている。
【0040】
また、光軸AX2をビームスプリッタ50で折り曲げた方向に、鏡筒47に接触するように第2対物部52の鏡筒53が配置され、ビームスプリッタ50側から順に鏡筒53内にレンズ枠を介して、レンズL41,L42,L43,…,L52が配置され、レンズ52の底面はウエハWの表面に対向している。第2対物部52の光軸AX3は、第1対物部41及び光軸折り返し部43の光軸AX1に平行であり、且つ光軸偏向部46の光軸AX2に直交している。
【0041】
この場合、照明光ILによるレチクルR上の矩形の照明領域15は光軸AX1から−Y方向に偏心した位置に設定され、照明領域15を通過した照明光(以下、「結像光束」と呼ぶ)は、第1対物部41内のレンズL1,L2,…,L4を経て、光軸偏向部46の鏡筒47の内部を通過して光軸折り返し部43に入射する。光軸折り返し部43に入射した結像光束は、レンズL11,L12,…,L20,L21を経て凹面鏡45に入射し、凹面鏡45で反射集光された結像光束は、再びレンズL21,L20,…,L12,L11を経て光軸偏向部46の鏡筒47内の小型ミラー48で+Y方向に偏向される。
【0042】
その光軸偏向部46において、小型ミラー48で反射された結像光束は、レンズL31,L32及び補正光学系49を介してビームスプリッタ50に入射する。この際に、鏡筒47の内部でビームスプリッタ50の近傍に、レチクルR上の照明領域15内のパターンのほぼ等倍の像(中間像)が形成される。そこで、第1対物部41及び光軸折り返し部43よりなる合成系を「等倍光学系」と呼ぶ。ビームスプリッタ50で−Z方向に偏向された結像光束は、第2対物部52に向かい、第2対物部52において、その結像光束は、レンズL41,L42,…,L51,L50を介してウエハW上の露光領域16に、レチクルR上の照明領域15内のパターンの縮小像を形成する。そこで、第2対物部52を「縮小投影系」とも呼ぶ。
【0043】
以上のように、レチクルR上の照明領域15をほぼ−Z方向に透過した結像光束は、本例の投影光学系PL内で第1対物部41、及び光軸折り返し部43によってほぼ+Z方向に折り返される。その結像光束は、更に光軸偏向部46によって順次ほぼ+Y方向、及び−Z方向に折り返される過程でその照明領域15内のパターンのほぼ等倍の中間像を形成した後、第2対物部52を介してウエハW上の露光領域16にその照明領域15の縮小像を形成する。この構成によって、本例の投影光学系PLでは、全部のレンズL2〜L4,L11〜L21,L31,L32,L41〜L52を軸対称にできると共に、それらのレンズの内のほぼ全部を石英より形成し、その内の3〜4枚のレンズのみを蛍石より形成するだけで、広帯化された照明光ILの帯域幅である100pm程度の範囲内で色消しを高精度に行うことができる。
【0044】
本例の投影光学系PLは、光学的には、以上のように第1対物部41及び光軸折り返し部43よりなる等倍光学系と、光軸偏向部46と、第2対物部52よりなる縮小投影系との3つに分けられるが、機械的構造としては、小型ミラー48が第1対物部41のレンズL4と光軸折り返し部43のレンズL11との間に入っている。そのため、仮にレンズL4、小型ミラー48及びレンズL11を同一の鏡筒に組み込むと、光軸偏向部46内の小型ミラー48とビームスプリッタ50とを調整上別々の鏡筒に組み込む必要がある。しかしながら、小型ミラー48とビームスプリッタ50とを異なる鏡筒に組み込むと、それら2つの部材の反射面の直交度が変動する恐れがある。それら2つの反射面の直交度が変動すると、結像性能の劣化を招くため、本例では、等倍結像系を、光軸偏向部46の鏡筒47を介して第1対物部41と光軸折り返し部43とに分割して、小型ミラー48及びビームスプリッタ50をその鏡筒47内に固定している。
【0045】
また、投影光学系PLを組み立てる際には、予め第1対物部41、光軸折り返し部43、光軸偏向部46、及び第2対物部52を別々に組立調整する。その後、コラム25の中板の貫通孔に光軸折り返し部43の鏡筒44、及び第2対物部52の鏡筒53の下部を挿通し、鏡筒44のフランジ44a及び鏡筒53のフランジ53aとコラム25の中板との間に座金を挟み、フランジ44a及び53aをその中板にねじで仮止めする。次いで、それら鏡筒44及び53の上端に光軸偏向部46の鏡筒47を載せて、鏡筒47のフランジ47a及び鏡筒53の上端のフランジ53bとの間に座金を挟み、フランジ47aをフランジ53b上にねじで仮止めする。
【0046】
そして、鏡筒44内のレンズL11の上方から調整用のレーザビームを鏡筒44の内部に照射して、そのレーザビームが鏡筒53の最下端のレンズL52から射出されて通過する位置(ウエハWの表面に相当する面上での位置)をモニタし、このモニタされた位置が目標位置になるように、フランジ44a,53a,47aの底部の座金の厚さの調整や、鏡筒42,53,47の横移動等を行う。そして、そのレーザビームの位置が目標位置に達した状態で、フランジ44a,53a,47aをねじ止めすることによって、光軸折り返し部43、第2対物部52、及び光軸偏向部46を固定する。最後に、鏡筒47の−Y方向の端部上方に第1対物部41の鏡筒42を移動し、鏡筒41の不図示のフランジと鏡筒47の対応する不図示のフランジとの間に座金を挟んで、鏡筒47上に鏡筒42を載置する。そして、再び例えば鏡筒42のレンズL1の上方から調整用のレーザビームを照射して、光軸調整を行った後、鏡筒47上に鏡筒42をねじ止めすることによって、投影光学系PLの投影露光装置への組み込みが終了する。
【0047】
更に、本例では、振動に対する結像特性の安定性や投影光学系PLのバランスを考慮して、投影光学系PL内で結像光束の光路外に投影光学系PLの全体の重心54の位置を設定している。即ち、図2において、投影光学系PLの重心54は、光軸折り返し部43と第2対物部52との中間付近で、且つ鏡筒44のフランジ44a及び鏡筒53のフランジ53aより僅かに低い位置(コラム25の上板の内部)に設定されている。このように、投影光学系PLの重心54を更にフランジ44a,53aの近傍に設定することによって、投影光学系PLはより振動に強く、且つ高剛性の構造となっている。
【0048】
また、上述のように本例の投影光学系PLの光軸偏向部46の内部で、且つビームスプリッタ50の近傍にレチクルRのパターン面と共役な中間像面が存在し、この中間像面の近傍に補正光学系49が配置されている。この補正光学系49としての例えばレンズ群を光軸AX2方向に微動するか、又はそのレンズ群の光軸AX2に垂直な面に対する傾斜角を調整することによって、ウエハW上に投影されるレチクルRの縮小像の投影倍率、及びディストーション等の結像特性を補正できる。これに対して、従来はそのような結像特性補正機構はレチクルRのほぼ直下に設けられていた。本例によれば、レチクルRの直下には結像特性補正機構が無く、機構上の制約が無いため、図1のレチクル支持台18の剛性を設計上高くできる利点がある。
【0049】
次に、図3を参照して、図2のレチクルR上の照明領域15とウエハW上の露光領域16との位置関係につき説明する。
図3(a)は、図2のレチクルR上の照明領域15を示し、この図3(a)において、図2の投影光学系PLの第1対物部41の円形の有効照明視野41a内で、光軸AX1に対して僅かに−Y方向に外れた位置に、X方向に長い矩形の照明領域15が設定されている。照明領域15の短辺方向(Y方向)がレチクルRの走査方向となっている。図2において、第1対物部41及び光軸折り返し部43よりなる等倍光学系では、レチクルR上の照明領域15を通過した結像光束は、凹面鏡45によって折り返されて小型ミラー48まで導かれるため、照明領域15は光軸AX1に対して偏心させておく必要がある。
【0050】
一方、図3(b)は図2のウエハW上の露光領域16(照明領域15と共役な領域)を示し、この図3(b)において、図2の投影光学系PLの第2対物部52(縮小投影系)の円形の有効露光フィールド52a内で、光軸AX3に対して僅かに+Y方向に外れた位置に、X方向に長い矩形の露光領域16が設定されている。
【0051】
これに対して、図3(c)は、図3(a)と同じく円形の有効照明視野41a内で、光軸AX1に対して僅かに−Y方向に外れた位置に設定された矩形の照明領域15を示している。また、図3(d)は、図2の第2対物部52を変形させた第2対物部の有効露光フィールド52aAを示し、この有効露光フィールド52aAの光軸AX3Aを中心として、X方向に長い矩形の露光領域16A(図3(c)の照明領域15と共役な領域)が設定されている。即ち、図3(d)に示すように、投影光学系PLの最終段である第2対物部52(縮小投影系)の構成を変更することによって、ウエハW上の露光領域16Aは有効露光フィールド52aAの光軸を中心とする領域に設定できる。図3(b)と図3(d)とは、投影光学系PLの収差を除去するための設計の行い易さによって選択されるが、図3(b)は設計が容易であり、図3(d)は第2対物部(縮小投影系)のレンズ径を僅かに小さくできるという利点がある。
【0052】
次に、図4を参照して、本例の投影露光装置の空調系につき説明する。本例の投影露光装置は全体として所定のチャンバ内に設置されているが、更にその投影露光装置は複数のユニットに分けられ、各ユニット別に独立に空調が行われている。このような空調システムを、以下では「ユニット別空調システム」と呼ぶ。図4は本例のユニット別空調システムを示し、この図4において、図1の投影露光装置が照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、投影光学系ユニット113、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115に大きく分かれている。具体的に、照明系ユニット111は、箱状のケーシング内に図1のエキシマレーザ光源2、偏向ミラー3、第1照明系4、切り換えレボルバ5、ビームスプリッタ8、インテグレータセンサ9、第2照明系10、照明視野絞り系11、及び第3照明系14よりなる照明光学系を収納したものである。また、レチクルステージ系ユニット112は、箱状のケーシング内に図1のレチクル支持台18、レチクルステージ17(移動鏡19mを含む)、レチクルR、レチクルRと第3照明系14との間の光路、及びレチクルRと投影光学系PLとの間の光路を収納したものである。
【0053】
そして、投影光学系ユニット113は、図2の投影光学系PLそのものであるが、投影光学系PLの鏡筒42,44,47,53をケーシングとみなして、このケーシング内のレンズ群の間の気体の流れを制御できるように構成されている。更に、ウエハステージ系ユニット114は、図1の定盤23上に設置された箱状のケーシング内にウエハステージ22、試料台21(移動鏡24m、基準マーク部材FMを含む)、ウエハホルダ20、ウエハW、及び投影光学系PLとウエハWとの間の空間部を収納したものであり、ウエハ搬送系ユニット115は、箱状のケーシング内に図1では省略されているウエハ搬送系を収納したものである。本例では、照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、投影光学系ユニット113、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115のそれぞれに対して、所定の気体の供給及び排気が独立に行えるようになっている。
【0054】
そのための空調装置として、塵除去フィルタ及びオゾン除去フィルタを内蔵した第1空調装置116と、不図示の窒素ガスボンベより供給された窒素(N2)ガスを循環させる第2空調装置117とが備えられている。そして、第1空調装置116は、チャンバの外部から取り込んだ空気、及び配管118Bを介して戻される空気より塵除去フィルタを介して塵等を除去すると共に、オゾン除去フィルタを介してオゾンを除去して得られる空気の温度及び流量を調整し、調整後の空気を配管118Aを介して気体切り換え器120Aに供給する。一方、第2空調装置117は、配管119B及び133Bを介して戻される窒素ガスの内で、純度の高い部分の温度及び流量を調整して配管119A及び133Aを介して循環させると共に、純度の低い部分を配管136を介してチャンバが設置されているクリーンルームの外部の大気中に放出する。更に、第2空調装置117は、不足した窒素ガスを窒素ガスボンベより補う、即ち不足分についてパージを行うようにしている。
【0055】
次に、気体切り換え器120Aでは供給された2種類の気体(オゾン除去後の空気、及び窒素ガス)の一方を配管121Aを介して空調風量制御器122Aに供給し、空調風量制御器122Aでは配管123Aを介して照明系ユニット111内部に気体を供給すると共に、配管124Aを介して空調風量制御器125Aにも気体を供給する。空調風量制御器122A,125A(その他も同様)では、それぞれ供給された気体の温度及び流量(風量)の調整を行って吹き出す機能を有する。そして、空調風量制御器125Aでは配管126A及び127Aを介して、それぞれレチクルステージ系ユニット112内部及び空調風量制御器128Aに気体を供給する。更に、空調風量制御器128Aでは配管129Aを介してウエハ搬送系ユニット115内部に気体を供給すると共に、配管130A、空調風量制御器131A、及び配管132Aを介してウエハステージ系ユニット114内部にも気体を供給する。
【0056】
また、ウエハ搬送系ユニット115内部を循環した気体は配管129Bを介して空調風量制御器128Bに排気され、ウエハステージ系ユニット114内部を循環した気体は配管132B、空調風量制御器131B、及び配管130Bを介して空調風量制御器128Bに排気され、空調風量制御器128Bから排気される気体、及びレチクルステージ系ユニット112内部を循環した気体は、それぞれ配管127B及び126Bを介して空調風量制御器125Bに排気される。同様に、空調風量制御器125Bから排気される気体、及び照明系ユニット111内部を循環した気体はそれぞれ配管124B及び123Bを介して空調風量制御器122Bに排気され、空調風量制御器122Bから排気される気体は配管121Bを介して気体切り換え器120Bに供給され、気体切り換え器120Bでは供給された気体が空気であるときには配管118Bを介して第1空調装置116に戻すと共に、供給された気体が窒素ガスであるときには配管119Bを介して第2空調装置117に戻すように構成されている。従って、照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115には共通に、オゾンを除去した空気か又は窒素ガスの何れかが選択的に供給できるようになっている。
【0057】
また、第2空調装置117では、配管133A、空調風量制御器134A及び配管135Aを介して、投影光学系ユニット113に対して温度及び流量が制御された窒素ガスを供給し、投影光学系ユニット113内を循環した窒素ガスが配管135B、空調風量制御器134B、及び配管133Bを介して第2空調装置117に戻されるように構成されている。従って、投影光学系ユニット113には、他のユニットとは異なり、常時窒素ガスのみが供給されるようになっている。これは、投影光学系PLは特にメンテナンスを行う必要がないためである。即ち、投影光学系ユニット113は外部に対して高い気密性を保つように構成され、常時窒素ガスが供給されるようになっている。
【0058】
また、空調風量制御器134A及び134B中にはそれぞれ温度センサ、及び窒素ガスの純度を計測する純度センサが設置されており、計測される純度が所定の許容値以下となったときには、第2空調装置117において純度の低い窒素ガスが配管136を介して外部に排出されて、不足分が窒素ガスボンベより補給される。
【0059】
本例では、図1において、露光光源としてKrFエキシマレーザ、又はArFエキシマレーザ等のエキシマレーザ光源2が使用されている。例えば、ArFエキシマレーザ光は、通常の空気の成分中では、オゾン(O3)による吸収率が最も高く、次いで酸素(O2)がオゾンに変化する際の吸収率が高くなっており、窒素ガスの吸収率は殆ど無視できる程度である。そのため、露光用の照明光ILの光路上には、気体を流すとすれば窒素ガスを流すことによって、最も効率的に(高い透過率で)ウエハWへの露光を行うことができる。
【0060】
そこで、通常の露光シーケンスでは、図4の気体切り換え器120Aでは、第2空調装置117からの窒素ガスを配管121Aに供給する。これによって、照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115には共通に窒素ガスが供給されて、ウエハには高い照明効率で転写露光が行われる。
【0061】
一方、メンテナンス時又は試験的に露光を行うような場合には、投影光学系ユニット113以外のユニットは作業者によってケーシングが開かれる可能性があるため、安全上の見地より窒素ガスを供給することはできない。そのため、メンテナンス時等には、図4の気体切り換え器120Aでは、第1空調装置116からのオゾン除去後の空気を配管121Aに供給する。これによって、照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115には共通にその空気が供給されて、作業者は安全に作業を行うことができる。しかも、投影光学系ユニット113以外のユニットに供給されている気体はオゾン除去後の空気であり、露光用の照明光ILに対する吸収率は低いため、照明効率の低下も僅かである。
【0062】
また、図4において、照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115の内部の排気口の近傍にそれぞれ窒素ガス用の濃度センサ137A〜137Dが設置され、濃度センサ137A〜137Dの検出結果が図1の主制御装置7に供給されている。主制御装置7では、メンテナンス時等にそれらのユニットに供給する気体をオゾン除去後の空気に切り換えた際には、濃度センサ137A〜137Dで検出される窒素濃度が通常の空気の濃度程度になるまで、作業開始可の表示を行わないか、又はチャンバのカバーを閉じた状態でロックしておく。これによって安全に作業が行われる。
【0063】
なお、それ以外に、主制御装置7にタイマを接続しておき、主制御装置7では、メンテナンス時等にそれらのユニットに供給する気体をオゾン除去後の空気に切り換えた際には、そのタイマを用いて所定の時間経過後に作業開始可の表示等を行うようにしてもよい。
また、露光用の照明光の光路上の気体の種類によって吸収率が異なるので、主制御装置7には、それぞれの気体に対するウエハの表面上での照度がパラメータとして記憶され、気体の種類の切り換え時にパラメータの変換が行われるようになっている。
【0064】
更に、図4の例では例えば照明系ユニット111、レチクルステージ系ユニット112、ウエハステージ系ユニット114、及びウエハ搬送系ユニット115に対して並列に気体が供給されているが、それらのユニットの全部、又は一部を配管で直列に接続し、接続されたユニットに直列に選択された気体を供給するようにしてもよい。これによって、配管の配列が簡略化される。
【0065】
また、オゾン除去後の空気は取り込まれた空気(外気)をオゾン除去フィルタにかけるのみで得られるが、窒素ガスは連続的に使用する際には窒素ガスボンベの交換を行う必要があり、且つ露光時とメンテンナンス時等とで部分的に空気との入れ換えを行う必要がある。そこで、ウエハ上に塗布されるフォトレジストの必要露光量が大きい(感度が低い)場合には、スループットを高めるために照明系ユニット111〜ウエハ搬送系ユニット115に対して窒素ガスを流して照明光の吸収率を低くする一方、フォトレジストの必要露光量が小さい(感度が高い)場合には、吸収による光量低下があっても殆どスループットに影響しないため、オゾン除去後の空気を流すようにしてもよい。このように感光条件によって使用する気体の使い分けを行うことによって、スループット及び運転コストを全体として最適化できる。
【0066】
また、後者のようにフォトレジストの必要露光量が小さい場合には、オゾン除去後の空気の代わりに、外部から取り込まれた空気(大気)そのものを使用してもよい。更に、窒素ガスの代わりに、KrFエキシマレーザ光、又はArFエキシマレーザ光に対する吸収率の低い他の気体(例えばヘリウムのような不活性ガス等)を使用してもよい。
【0067】
更に、上述の気体による照明光の吸収を利用して本例では照明光の光量を制御している。以下では、図5を参照してその光量制御方式につき説明する。
図5(a)は、図1のエキシマレーザ光源2及び第1照明系4の一部を示し(偏向ミラー3は省略されている)、この図5(a)において、エキシマレーザ光源2からの照明光ILは、両側面に光透過性の窓が設けられ、内部に所定の気体が供給されている容器141の内部を透過している。本例では容器141の内部にはオゾン(O3)を所定の濃度で含んだ気体(例えば空気)が不図示の配管を介して供給されている。また、容器141にはベローズ機構142が接続され、図1の露光制御装置1が切り換え装置6を介してベローズ機構142の伸縮量を制御することによって、容器141内の気体の圧力、即ち照明光ILに対する吸収率が所定範囲で連続的に調整できるように構成されている。具体的に、照明光ILの光量を低下させたいときには、容器141内の気体の圧力を上げてその気体による吸収率を高くし、光量を上げたいときにはその内部の気体の圧力を下げて真空に近い状態にまで制御すれば、透過率が上がり、高いパワーが得られる。この方式によって、光量可変が連続的に行えると共に、NDフィルタを使用する場合とは異なって制御機構の損傷等が少ないという利点がある。
【0068】
なお、オゾンによる照明光の吸収が飽和する恐れもあるため、容器141及びベローズ機構142内の気体を所定の割合ずつ入れ換えるようにしてもよい。
次に、図5(b)は気体中のオゾンの濃度を変える例を示し、この図5(b)において、エキシマレーザ光源2から射出される照明光ILが容器141の内部を透過している。そして、本例では容器141の内部に濃度可変機構143を介してオゾンの濃度が0〜100%の範囲内で制御された気体(例えば空気)が供給されている。照明光ILの光量を上げるときには、オゾンの濃度を0%に向けて低くし、照明光ILの光量を下げるときには、そのオゾンの濃度を100%に向けて高くすることによって、照明光ILの光量を連続的に制御できる。このシステムを用いる場合、照明光の吸収により発熱するので容器141の冷却を行う必要があるが、図5(a)の場合と同様に、光量可変が連続的に行える利点と、NDフィルタを使用する場合とは異なって制御機構の損傷等が少ないという利点とがある。
【0069】
なお、図5(a)及び(b)において、オゾンの代わりに例えば酸素(O2)等のエキシマレーザ光を吸収する気体を使用してもよい。
次に、図6及び図7を参照して本例の投影露光装置の各部の支持機構、及びステージの座標計測用のレーザ干渉計の構造につき説明する。
図6は本例の投影露光装置の機構部の概略構成を示し、この図6において、矩形の大きな定盤32上に4個の防振機構33A〜33D(図6では33A,33B,33Cのみが図示されている)を介して、ウエハステージ用の定盤23が載置され、定盤23上に4脚の第1のコラム34が植設されている。
【0070】
そして、定盤23上にウエハステージ22及び試料台21等(図1参照)が載置され、第1のコラム34の上板34a上にレチクル支持台18を介してレチクルステージ17及びレチクルRが載置されている。また、コラム34の上板34aの上に突き出たL字型の支持部材34bの先端部に図1の照明光学系内の照明視野絞り系11中の可動ブラインドが固定されている。即ち、本例では、走査露光時に同期して動く部分が全て防振機構33A〜33Dで支持された定盤23上に直接的に、又は間接的にコラム34を介して取り付けられている。
【0071】
また、定盤32上に防振機構33A〜33Dの外側の4個の防振機構35A〜35D(図6では35A,35Cのみが図示されている)を介して4脚の第2のコラム25が植設され、コラム25の中板25cがコラム34の上板34aと定盤23の上面との間を通過し、コラム25の上板25dがコラム34の上板34aの上部に架設されている。防振機構33A〜33D、及び35A〜35Dはそれぞれエアパッド及び制振用の電磁ダンパを含むアクティブ型の防振機構である。そして、第2のコラム25の中板25c中に投影光学系PLが固定され(図2参照)、コラム25の上板25d上に照明光学系のケーシング36が載置され、ケーシング36内の上板25d上に図1のエキシマレーザ光源2〜第3照明系14までの照明光学系が固定されている。但し、その照明光学系中の照明視野絞り系11の可動ブラインドのみは、ケーシング36の窓部36aを介して挿通された、コラム34の支持部材34bの先端部に固定されている。即ち、走査露光中に静止している部分が防振機構35A〜35Dで支持されたコラム25に取り付けられている。
【0072】
本例では、静止している部材を支持する防振機構35A〜35Dでは、主に床からの振動を減衰するための制御が行われ、走査露光時に動く部材を支持する防振機構33A〜33Dでは、床からの振動を減衰させると共に、走査露光時のレチクルステージ17及びウエハステージ22の反力を吸収するための制御が行われている。即ち、投影光学系PL及びケーシング36内の照明光学系には、大きな加速度で駆動される重量の大きい部材がないため、防振機構35A〜35Dとしては、床からの高周波外乱による振動を除去するためのエアパッドと、それによって発生する低周波振動を除去する電磁ダンパとが組み合わされている。
【0073】
一方、ウエハステージ22及びレチクルステージ17を含むステージ系では、大きな加速度で駆動される重量の大きい部材を含むため、防振機構33A〜33Dには、そのときの反力を防ぐために十分なパワーを持つ電磁ダンパが取り付けられている。ウエハステージ22及びレチクルステージ17はそれぞれ定盤23に対して直接的、又は間接的にエアガイドで支持されており、且つリニアモータで駆動されるので、床からの高周波外乱による振動に対して定盤23自体は振動するものの、それらのステージ自身にはその高周波外乱は伝わりにくい。従って、防振機構33A〜33D内のエアパッドはそれ程高精度である必要はない。このように本例によれば、走査露光に同期して動く部分と静止している部分とが異なる防振機構によって支持されているため、用途に応じて防振機構を最適化でき、レチクルのパターンを高い重ね合わせ精度でウエハ上に転写できる。
【0074】
次に、図1において、ウエハ側のレーザ干渉計24は実際にはX方向、及びY方向用の複数軸のレーザ干渉計を表し、同様にレチクル側のレーザ干渉計19もX方向、及びY方向用の複数軸のレーザ干渉計を表している。同様に、移動鏡19m及び24mもそれぞれX軸用及びY軸用の移動鏡を表している。図6では、レチクル側のレーザ干渉計19の内のY軸用(走査方向用)の2軸のレーザ干渉計19Y1及び19Y2、並びにウエハ側のレーザ干渉計24の内のY軸用の1軸のレーザ干渉計24Y1を示し、レチクル側のY軸の移動鏡19mYも示している。
【0075】
図6において、ウエハ側のY軸用のレーザ干渉計24Y1はコラム25の1つの脚部に固定され、レチクル側のY軸用のレーザ干渉計19Y1,19Y2もそれぞれコラム25の上板25dと脚部との間に固定されている。同様に他のY軸用のレーザ干渉計もコラム25に固定され、本例の走査方向であるY軸用のレーザ干渉計は全て静止部材を支持するコラム25に取り付けられている。また、X軸用のレーザ干渉計については、図6ではコラム25に取り付けにくいように表わされているが、コラム25の側面に設けた不図示のフレーム等に取り付けるようにしてもよい。
【0076】
図7は、図6を−X方向に見た一部を断面とした図であり、この図7において、コラム25の脚部内にウエハ側のレーザ干渉計24Y1が固定されている。そして、外部のレーザ光源145からの周波数が異なり偏光方向が直交する成分を含むレーザビームは、ミラー146及び147を経てレーザ干渉計24Y1内の偏光ビームスプリッタ(以下、「PBS」と呼ぶ)148に入射する。このとき、P偏光成分のレーザビームLB1は、PBS148を透過して1/4波長板149を経て試料台21の側面のY軸用の移動鏡24mYに向かい、移動鏡24mYで反射されたレーザビームLB1は1/4波長板149を経てS偏光としてPBS148で反射される。
【0077】
一方、PBS148に入射したレーザビームの内で、S偏光成分のレーザビームLB2は、1/4波長板150を経てプリズム型のミラー151の反射面151aで反射された後、1/4波長板150を経てP偏光としてPBS148を透過する。PBS148で同軸に合成された周波数の異なるレーザビームLB1,LB2は、プリズム型のミラー152で反射されて、レーザ干渉計24Y1の外部に射出され、射出されたレーザビームLB1,LB2はミラー153及び154を経てフォトダイオード等のレシーバ155で受光される。この場合、ミラー151が参照鏡として作用する。レシーバ155からの光電変換信号は所定の周波数のビート信号であり、試料台21(移動鏡24mY)がY方向に移動すると、そのビート信号の位相又は周波数が変化することを利用して、参照鏡(ミラー151)を基準としてその試料台21のY座標が計測される。
【0078】
同様に、レチクル側のY軸用のレーザ干渉計19Y1も、コラム25の上板25dと脚部との間に固定され、レーザ干渉計19Y1は、レーザ干渉計24Y1と同様にPBS148A、1/4波長板149A,150A、ミラー151A,152Aより構成され、プリズム型の反射面を有するミラー151Aが参照鏡となっている。そして、外部のレーザ光源145Aからのレーザビームがミラー147A等を介してレーザ干渉計19Y1に導かれ、レーザ干渉計19Y1からのレーザビームがミラー153A等を介してレシーバ155Aで受光され、レシーバ155Aからのビート信号によってレチクルステージ17(移動鏡19mY)の位置が、その参照鏡を基準として計測される。
【0079】
本例のように投影光学系PL等の静止部材を支持するコラム25側にレーザ干渉計24Y1,19Y1及び参照鏡としてのミラー151,151Aを取り付けることによって、床からの振動に影響されない干渉計モニタシステムが実現できる。これに関して、レーザ干渉計24Y1,19Y1を動く部分を支持するコラム34側に設ける方法も考えられるが、この方法では、レーザ干渉計による計測値に基づいてレチクルステージ17とウエハステージ22との同期を取ることは容易であるが、ステージ系の移動に伴う加速によりコラム34自体が歪むので、実際にレチクルRとウエハWとが正確に位置合わせされているかどうかの信頼性は必ずしも高くない。
【0080】
それに対して、本例のようにステージ系の加速によって歪む恐れのあるコラム34とは異なるコラム25にレーザ干渉計24Y1,19Y1、他のレーザ干渉計、及び投影光学系PLが固定されている場合には、レチクルステージ17及びウエハステージ22の位置がそれぞれ高精度に計測されるため、結果としてレチクルRとウエハWとの位置合わせ精度が向上する。
【0081】
なお、上述の実施の形態では、レーザ干渉計の参照鏡としてのミラー151,151Aはコラム25に設けてあるが、温度変化等でコラム25自体が伸縮する可能性もある。このような場合は、投影光学系PLの側面に参照鏡としてのミラーを設けてもよい。また、上述の実施の形態では、独立のコラム25及び34側にそれぞれ投影光学系PL及びステージ系を設けたので、各部を高精度にそれぞれ調整した後組み合わせることが可能となり、製造期間が短縮するという利点もある。但し、この場合は、精度のゆるいステージ側のコラム34の一部を着脱することで組み立てを行う必要がある。
【0082】
なお、上述の実施の形態において、図4に示すように、投影露光装置を複数のユニットに分けて、各ユニット毎に独立に気体の入れ換えを行うシステム、及び図5に示すように、露光用の照明光の強度を気体の吸収率によって制御するシステム等は、走査型のみならず、ステッパーのような静止露光型(一括露光型)の投影露光装置においても同様に適用することができる。このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0083】
【発明の効果】
本発明の第1の投影露光装置によれば、投影露光装置の照明光学系、投影光学系、及び基板ステージを分割して収納した複数個のケーシング内、又は照明系ユニット内にそれぞれ気体を切り換えて供給する気体供給手段が設けられている。そのため、例えば通常の露光時には露光用の照明光に対する吸収率の低い気体を供給し、メンテナンス時等で作業者が近くにいる状態で試験的に露光を行うときには、例えば投影光学系内には露光用の照明光に対する吸収率の低い気体を供給し、その他の部分には作業者にとって安全な気体(空気等)を供給することによって、露光時には露光用の照明光の吸収が少ないと共に、メンテナンス時等における作業者の安全を確保できる利点がある。
【0084】
この場合、複数種類の気体として、窒素、空気、及びオゾンを除去した空気よりなる気体群から選択された複数種類の気体を用いる場合、通常の露光時には窒素、又はオゾンを除去した空気を使用することによって、特に露光用の照明光が紫外光である場合の照明光の吸収を少なくできると共に、メンテナンス時等には空気、又はオゾンを除去した空気を使用することによって作業者の安全が確保される。
【0085】
また、その気体供給手段に、供給対象のケーシング内の気体の種類を切り換える際に、このケーシング内で気体が実質的に完全に置き換えられたことを確認するための確認手段を設けた場合には、例えばそのケーシング内の気体を照明光の吸収が少ない気体から作業者にとって安全な気体に切り換えるようなときに、作業者にとって安全な気体にほぼ完全に置き換えられたかどうかが確認できる。従って、作業者の安全性が高まる利点がある。また、確認手段としては、気体の濃度センサやタイマ等があるが、例えば濃度センサを使用する場合には、タイマを使用する場合と比べて、無駄な待ち時間が無く、且つ安全性も高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の実施の形態の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1中の投影光学系PLの構成を示す縦断面図である。
【図3】図2の投影光学系PLの照明領域と露光領域との関係、及びその露光領域の変形例を示す説明図である。
【図4】その実施の形態の一例のユニット別空調システムを示す構成図である。
【図5】(a)はその実施の形態の一例における照明光の光量制御システムの要部を示す構成図、(b)はその変形例を示す構成図である。
【図6】図1の投影露光装置の機構部の支持構造を示す斜視図である。
【図7】図6を−X方向に見た一部を断面とした側面図である。
【符号の説明】
1 露光制御装置
2 エキシマレーザ光源
5 照明系開口絞り用の切り換えレボルバ
7 主制御装置
11 照明視野絞り系
R レチクル
PL 投影光学系
W ウエハ
13 ステージ制御装置
17 レチクルステージ
19Y1,19Y2 レチクル側のレーザ干渉計
21 試料台
22 ウエハステージ
23 定盤
24Y1 ウエハ側のレーザ干渉計
25 第2のコラム
32 定盤
34 第1のコラム
111 照明系ユニット
112 レチクルステージ系ユニット
113 投影光学系ユニット
114 ウエハステージ系ユニット
115 ウエハ搬送系ユニット
116 第1空調装置
117 第2空調装置
120A,120B 気体切り換え器
122A,122B 空調風量制御器
151,151A ミラー

Claims (8)

  1. 露光用の照明光を発生する露光光源を備え、前記照明光で転写用パターンの形成されたマスクを照明する照明光学系と、前記照明光のもとで前記マスクのパターンの像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記感光基板を移動する基板ステージと、を有する投影露光装置において、
    前記露光光源として紫外域以下の波長で発振するレーザ光源を使用し、
    前記照明光学系、前記投影光学系、及び前記基板ステージを複数個の独立のケーシング内に収納し、
    該複数個のケーシングの内の少なくとも1つのケーシング内に複数種類の気体を切り換えて供給する気体供給手段を設けたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 請求項1に記載の投影露光装置であって、
    前記複数種類の気体として、窒素、空気、及びオゾンを除去した空気よりなる気体群から選択された複数種類の気体を用いることを特徴とする投影露光装置。
  3. 請求項1又は2に記載の投影露光装置であって、
    前記気体供給手段に、供給対象のケーシング内の気体の種類を切り換える際に、該ケーシング内で気体が実質的に完全に置き換えられたことを確認するための確認手段を設けたことを特徴とする投影露光装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の投影露光装置において、
    前記少なくとも1つのケーシングは、前記照明光学系を収容するケーシングであることを特徴とする投影露光装置。
  5. 露光用の照明光を発生する露光光源を備え、前記照明光で転写用パターンの形成されたマスクを照明する照明光学系と、前記照明光のもとで前記マスクのパターンの像を感光基板上に投影する投影光学系と、前記感光基板を移動する基板ステージと、を有する投影露光装置において、
    前記露光光源として紫外域以下の波長で発振するレーザ光源を使用し、
    前記照明光学系、前記投影光学系、及び前記基板ステージを複数のユニットに分けて、各ユニット別に独立に空調を行い
    前記照明光学系を収容する照明系ユニット内に、互いに種類が異なる2つの気体を切り換えて供給する気体供給手段を設けたことを特徴とする投影露光装置。
  6. 請求項5に記載の投影露光装置であって、
    前記気体供給手段は、露光時に前記照明系ユニット内に所定の気体を供給するとともに、前記照明系ユニットのメンテナンス時に、前記照明系ユニット内に空気又はオゾン除去後の空気を供給することを特徴とする投影露光装置。
  7. 請求項6に記載の投影露光装置であって、
    前記気体供給手段は、常時、前記投影光学系を収容する投影系ユニット内に前記所定の気体を供給することを特徴とする投影露光装置。
  8. 請求項6又は7に記載の投影露光装置であって、
    前記照明系ユニット内の前記所定の気体が前記空気又はオゾン除去後の空気に置換されたことを確認するための確認手段を有することを特徴とする投影露光装置。
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