JP3689627B2 - 超音波画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波画像処理装置に関し、特に断層画像から左室の体積を演算する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
心機能を評価する指標として駆出率(Ejection Fraction:EF)が知られている。EFは、拡張末期の左室体積(EDV)及び収縮末期の左室体積(ESV)によって定義されるものである。具体的には、
EF=(EDV−ESV)/EDV×100 ・・・(1)
の演算式により、駆出率(%)が演算される。
【0003】
二次元の断層画像から左室体積を近似計算する手法としてSimpson法が公知である。この手法では、断層画像上で左室の内腔を抽出した状態で、まず、左室の長軸方向に沿ってその内腔を20個の帯状要素に分割し、各帯状要素の面積要素(画素数)を求め、それに基づいて各帯状要素ごとに要素体積を計算し、それらを加算することによって最終的に左室の体積を近似的に求めるものである。つまり、左室を20個のディスクあるいはスライス体の集合として近似するものである。
【0004】
この手法において、各帯状要素の面積から体積を算出するために帯状要素の高さ(長軸方向の幅)を演算しておく必要がある。このため、従来においては、三平方の定理を利用して、長軸の端点の座標などから、当該高さが演算されていた。従って、その演算には二乗演算及び平方根演算が不可欠となるので、どうしても演算量が著しく増大する。また、一般に、従来装置においては、上記のSimpson法に従った計算をそのまま遂行しており、断層画像の形成と並行して、実質的にリアルタイムで体積演算を行うことが困難であった。なお、特開平6−292667号公報には関連する技術が開示されているが、本発明に係る原理とは大きく異なるものである。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、超音波画像処理装置において、比較的簡易なハードウエアで体積演算を実現することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、実質的にリアルタイムで体積演算を遂行できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、超音波断層画像に対して二値化処理を行い、体腔領域が抽出された二値化画像を出力する二値化処理手段と、前記二値化画像に基づいて体腔体積を計算する体積演算手段と、を含み、前記体積演算手段は、前記二値化画像において体腔輪郭上に2つの端点を決定する端点決定手段と、前記各端点の座標及び前記各端点を通過する軸線の角度に基づいて、前記2つの端点の間に、前記軸線と直交する方向に伸長した帯状のn個のセグメントを設定するセグメント設定手段と、前記二値化画像に基づいて前記各セグメントごとに体腔の要素面積を演算する要素面積演算手段と、前記各セグメントごとに、その要素面積に基づいて体腔の要素体積を演算する要素体積演算手段と、前記各セグメントの要素体積を加算して前記体腔体積を演算する加算手段と、を含み、前記セグメント設定手段は、前記各端点の座標及び前記軸線の角度に基づいてセグメント水平幅を演算する水平幅演算手段と、左側の端点の座標及び前記軸線の角度に基づいて各垂直アドレスごとに開始水平アドレスを演算する開始水平アドレス演算手段と、前記開始水平アドレス及び前記セグメント水平幅に基づいて各垂直アドレスごとに各セグメントの水平区間を算定する水平区間算定手段と、を含み、前記要素面積演算手段は、前記水平区間の算定に基づいて、前記二値化画像のラスタースキャンに従って入力される二値化データが属するセグメントを判定し、且つ、当該二値化データが体腔内二値化データであるか否かを判定する判定手段と、前記n個のセグメントについて、セグメント内に属する体腔内二値化データを計数する計数手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、二値化画像上における体腔の2つの端点の座標及びそれらを通過する軸線(通常は長軸)の角度に基づいて、体腔上に重ねて、互いに並行かつ整列したn個のセグメントからなるセグメントアレイが設定され、各セグメントごとに体腔の要素面積が演算され、更に要素体積が演算される。そして、それらが加算されて体腔体積が求められる。
【0009】
本発明によれば、上記の演算において、軸線の角度が利用されているので、必ずしも従来のように三平方の定理を利用しなくても、三角関数を利用して、セグメント水平幅、セグメント軸線幅などを演算できる。例えば、そのような演算ではsinθ(あるいはcosθ)の演算が必要となるが、それはROMなどを利用して簡単に実現でき、またリアルタイム演算を実現できる。勿論、三平方の定理の遂行に当たっても理論上はROMなどを利用することも不可能ではないが、その場合には入力アドレスの個数が著しく増大し、装置構成を複雑化させ、また演算時間の増大を招く。一方、本発明によれば、後述する各種の特有の構成と相俟って、演算を簡略化、迅速化することが可能である。
【0010】
ここで、上記のセグメント数nは基本的には20個である。これは今までのSimpson法に基づくものである。但し、演算精度などに応じて、nをユーザー選択あるいは自動選択できるように構成してもよい。2つの端点の設定は後述のように自動化するのが望ましく、その場合には、例えば、体腔の原点及び軸線(角度)がユーザー設定されるか、自動設定される。
【0011】
望ましくは、前記計数手段はn個のカウンタからなり、前記各カウンタは、対応セグメント内に属する体腔内の二値化データを計数する。
【0012】
上記構成において、n個のカウンタを並列に設け、それぞれを独立動作させるのが望ましい。かかる構成において、二値化画像のラスタースキャンに従って二値化データが順次入力されると、その二値化データ(スキャンポイント)が属するセグメントが自動的に識別され、且つ、その二値化データが体腔内データであるか否かが自動的に判定され、それが体腔内の二値化データであれば、当該二値化データが属するセグメントに対応したカウンタ(対応カウンタ)の計数値がインクリメントされる。
【0014】
上記構成において、各セグメントの水平幅は同一であり、よって、ラスタースキャンに従って最初にスキャンされる第1のセグメントの左辺上の各水平座標(X座標)を特定すれば、それを開始座標(開始アドレス)として、それに続く各セグメントの水平区間を自動的に算出することができる。これが各垂直座標(Y座標)ごとに行われる。このような水平区間の設定によれば、ラスタースキャンに従って順次入力される二値化データのリアルタイム処理を実現可能である。換言すれば、二値化データの特別な読み出しが不要となり、時系列順での計数処理が可能となる。望ましくは、n個のカウンタが並列設置され、それらを用いて1フレームの二値化画像について上記の処理を行うならば、各カウンタには、対応セグメントに属する体腔内の二値化データの個数が蓄積され、それは要素面積に相当するものである。
【0015】
望ましくは、前記各端点の座標及び前記軸線の角度に基づいて前記軸線の方向に沿ったセグメント軸線幅を演算するセグメント軸線幅演算手段を含み、前記要素体積演算手段は前記要素面積及び前記セグメント軸線幅に基づいて前記要素体積を演算する。
【0016】
ここで望ましくは、セグメント軸線幅は、2つの端点間の距離、セグメントの個数n及び軸線の角度により演算され、すなわち簡単な演算式から求められる。
【0017】
望ましくは、前記端点決定手段は、前記二値化画像上において前記軸線上で体腔内の二値化データを探索する探索手段と、前記軸線上における最も端の2つの体腔内の二値化データを前記2つの端点と決定する比較手段と、を含む。
【0018】
この構成によれば、一旦軸線が定められると、それに沿って体腔内データの両端が自動的に特定され、それらが端点とされる。
【0019】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、超音波断層画像に対して二値化処理を行い、左室領域が抽出された二値化画像を出力する二値化処理手段と、前記二値化画像に基づいて左室体積を計算する体積演算手段と、を含み、前記体積演算手段は、前記二値化画像において左室輪郭上に2つの端点を決定する端点決定手段と、前記各端点の座標及び前記各端点を通過する軸線の角度に基づいて、前記2つの端点の間に、前記軸線と直交する方向に伸長した帯状のn個のセグメントを設定するセグメント設定手段と、前記二値化画像に基づいて前記各セグメントごとに左室の要素面積を演算する要素面積演算手段と、前記各セグメントごとに、その要素面積に基づいて左室の要素体積を演算する要素体積演算手段と、前記各セグメントの要素体積を加算して前記左室体積を演算する加算手段と、生体信号に基づいて拡張末期の左室体積及び収縮末期の左室体積を特定し、それらに基づいて心臓の機能を評価する評価値を演算する評価値演算手段と、を含み、前記セグメント設定手段は、前記各端点の座標及び前記軸線の角度に基づいてセグメント水平幅を演算する水平幅演算手段と、左側の端点の座標及び前記軸線の角度に基づいて各垂直アドレスごとに開始水平アドレスを演算する開始水平アドレス演算手段と、前記開始水平アドレス及び前記セグメント水平幅に基づいて各垂直アドレスごとに各セグメントの水平区間を算定する水平区間算定手段と、を含み、前記要素面積演算手段は、前記水平区間の算定に基づいて、前記二値化画像のラスタースキャンに従って入力される二値化データが属するセグメントを判定し、且つ、当該二値化データが左室内二値化データであるか否かを判定する判定手段と、前記n個のセグメントについて、セグメント内に属する左室内二値化データを計数する計数手段と、を含むことを特徴とする。
【0020】
上記構成において、超音波断層画像は、一般にBモード画像であるが、二次元ドプラ画像に上記手法を適用してもよい。その場合には、一定流速以上の速度成分を有するデータを二値化処理によって抽出するのが望ましい。超音波断層画像上には、望ましくは、左室の原点を表すマーカー、それを通過する軸線を表すラインの他、画面上に、拡張末期及び収縮末期の左室体積の数値や上記駆出率を表すデータを表示するようにしてもよい。更に、動画像としての超音波断層画像に対して、上記の画像処理及び演算をリアルタイムで実行し、演算結果をリアルタイム表示するのが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
まず、本発明の原理について図1〜図3を用いて説明する。図1には、Bモード断層画像などの超音波断層画像に対して二値化処理を行った後の二値化画像が表されている。図1において、X軸は表示座標系における水平方向であり、Y軸は表示座標系における垂直軸である。超音波診断画像に対して二値化処理を行うことにより、心臓の左室(体腔)のみが抽出され、それが符号104で表されている。この左室の領域104内における各データは値として1を有しており、それ以外の左室外における領域106に含まれるデータは値として0を有している。図において102は左室の輪郭に相当している。
【0023】
本実施形態においては、図1に示されるような二値化画像上において、ユーザー操作により、左室の領域104の中央部分に原点Oが設定され、また軸線100の角度θが設定される。これにより、図1に示されるように、原点Oを通過し、Y軸と角度θをなす軸線100が固定的に定められる。ちなみに、表示画面上においては、原点Oを表すマーカーをトラックボールなどを利用して移動させ、これにより領域104のほぼ中央部に原点Oを設定し、その後に原点Oを通過するラインを画面表示させ、そのラインの角度θをマニュアル設定することにより軸線100の方向が定められる。
【0024】
本実施形態においては、上記のように軸線100が設定されると、軸線100に沿って二値化データが順番に読み取られ、左室の領域104の両端に位置する二値化データの存在位置をもって2つの端点A,Bが自動的に決定される。もちろん、端点A,Bをユーザー設定させ、これにより角度θを自動演算させたり、原点Oを自動的に決定するようにしてもよい。角度θは後の演算において必須パラメータであるが、原点Oについては必ずしも特定する必要はない。
【0025】
図1においては、端点Aの座標(Xa,Ya)が表され、端点Bについてその座標(Xb,Yb)が表されている。ちなみに、原点Oの座標は(Xo,Yo)である。
【0026】
従来においては、2つの端点A,Bの座標の差分が演算され、具体的にはX軸方向の距離及びY軸方向の距離のそれぞれの二乗が加算された後、その加算結果に対して平方根を演算することにより、線分ABの距離が求められ、それを20分割することによって、後述する各セグメントの軸線方向の幅すなわち高さが演算されていた。
【0027】
本実施形態においては、以下に説明するように、そのような三平方の定理を利用することなく、三角関数を利用することによって軸線100に沿った方向の各セグメントの幅や水平方向に沿ったセグメントの幅などが演算されている。
【0028】
図2には、2つの端点A,Bを結ぶ領域に対して設定された20個のセグメントS1〜S20からなるセグメントアレイが示されている。各セグメントは軸線100に直交した一定の軸線幅を有する帯状の領域として構成され、各セグメントの軸線幅は互いに同一である。
【0029】
図3を用いてパラメータ演算に関して詳述する。図3には、セグメントの一例として端点Aを含む最後のセグメントS20の部分的な拡大図が例示されている。ここにおいて、線分AEは端点Aを通るX軸と平行な直線であり、点Eはその直線とセグメントの左側の辺との交点に相当している。また、その線分AEに点Dから垂線を下ろしたものが線分DFである。以上のような幾何学的関係において、線分AFは以下のように算出される。
【0030】
AF=(Xa−Xb)/ 20 ・・・(2)
また、図3に示す関係から、
AF/AD=sinθ ・・・(3)
であり、上記(2)及び(3)式から、以下が導かれる。
【0031】
AD=h=(Xa−Xb)・(1/sinθ)/20 ・・・(4)
となり、これにより軸線100に沿った方向の各セグメントの軸線幅hが求められる。更に、図3に示す関係から、
AD/AE=sinθ ・・・(5)
となり、上記の(4)式及び(5)式より、以下が導かれる。
【0032】
Figure 0003689627
よって、以上により、各セグメントのX軸に沿った方向の水平幅dが求められる。各セグメントについてそれに包含される左室内のデータの個数より要素面積dSが演算されるが、それに基づいて各セグメントの要素体積dVは以下のように算出される。
【0033】
dV=πdS2/4h ・・・(7)
以上のように、本実施形態においては、2つの端点A,Bが定められると、角度θを用いて上記の演算が実行され、それに伴って図2に示すように20個のセグメントが自動設定されることになる。そして、後に詳述するように、各セグメントごとにそれに属する左室内の二値化データの個数がカウントされ、それにより各セグメントごとに要素面積dSが求められる。そして、各セグメントごとにdSから要素体積dVが求められ、その各セグメントの要素体積dVを加算することによって左室の体積Vが最終的に求められることになる。
【0034】
ちなみに、後に詳述するように、本実施形態においては各セグメントごとに独立したカウンタが設けられており、二値化画像を構成する各二値化データがラスタースキャンによってすなわち時系列順で入力される場合において、各カウンタが独立して動作し、すなわちスキャンポイントが属するカウンタのみが計数を行っており、これによって1フレーム分の二値化画像を構成する二値化データが処理されると、個々のカウンタ内にdSに相当するデータ数が格納される。よって、このような構成によれば、二値化データに対して特別なアドレス制御を行う必要がなく時系列順でリアルタイムに体積演算を行えるという利点がある。
【0035】
図4には、本実施形態に係る超音波画像処理装置の全体構成がブロック図として示されている。この超音波画像処理装置は超音波診断装置内に組み込まれるものであり、あるいは超音波診断装置から出力されるBモード画像データなどのデータを処理する装置である。ここで、Bモード画像データは、送受波座標系から表示座標系への変換がなされた後のものであり、各データの大きさはエコー強度に相当している。ただし、本発明はドプラ画像の処理についても適用することができる。
【0036】
図4において、二値化演算器10は、Bモード画像データを入力して平滑化処理や閾値判定などを実行することにより二値化画像を生成する回路である。これにより図1に示したような左室内のみが値1をもった二値化画像が構成される。そのような二値化画像データは本実施形態においてパラメータ演算器12及び要素面積計測回路14に出力されている。
【0037】
パラメータ演算器12は、入力器15によって指定される原点の座標及び原点を通過する軸線の角度θに基づいて、端点Aの座標(Xa,Ya)及び(Xb,Yb)を演算するものである。これについて図5を用いて詳述する。
【0038】
図5において、演算器42には、上述した原点OについてのX方向の座標Xo、Y方向の座標Yo及び角度θが入力されており、演算器42は、次の演算を実行する。
【0039】
X=(−tanθ)(Y−Yo)+Xo ・・・(8)
すなわち、アドレス発生器40はYアドレスとして0〜511までの数値を発生しており、演算器42にYの値が入力されると、図1に示した軸線100上におけるYアドレスに対応するXアドレスが生成される。
【0040】
心腔内判定器44には、二値化画像データが入力されており、その二値化画像データは心腔内判定器44内に設けられたフレームメモリなどに一時的に格納されている。もちろん、外部から軸線100上における各二値化データが供給されるように構成することもできる。
【0041】
心腔内判定器44は、以上のように座標指定される軸線100上の各点について二値化データの値を参照し、その値が1であれば心腔内すなわち左室内であると判定し、0であれば心腔外であると判定する。その判定結果はY座標比較器46に出力されている。
【0042】
Y座標比較器46は、軸線100上における心腔内において最も右側すなわち最大のXアドレスを端点Aの座標Xaと定め、一方において、軸線100上における最も左側すなわち最もX座標が小さいものを端点Bの座標Xbとして定める。
【0043】
以上のように、軸線100に沿って心腔内判定が行われ、その心腔の両端の端点A,Bの座標を簡便に特定することが可能となり、このような構成によれば、動画像に対してリアルタイムに端点を定めることも可能となる。
【0044】
図4に戻って、減算器16には、パラメータ演算器12から出力される座標Xa及びXbが入力され、減算器16はそれらの差分を演算し、その差分値を乗算器18へ出力している。乗算器18には、ROM20から出力される(1/sinθ)の値が入力されており、その値を減算器16から出力される差分値に乗算している。その結果、図1において線分ABの距離が求められることになる。
【0045】
ちなみに、ROM20には、パラメータ演算器12から出力されるθが入力されており、そのθをアドレスとして特定される(1/sinθ)の値が出力となっている。
【0046】
割算器22は、線分ABの距離を20で割ることにより、各セグメントの軸線幅hを演算する。この割算器22は乗算器として構成することも可能である。軸線幅hは、乗算器24に送られると共に、後に説明する要素体積演算回路26にも出力されている。
【0047】
乗算器24は、入力されるhに対してROM20から出力される(1/sinθ)を乗算し、これにより各セグメントの水平幅dを求める。すなわちこの乗算器24は上述した(6)式を実行するものである。ちなみに、上述した乗算器18及び割算器22は上述した(4)式を実行するものである。乗算器24から出力されるdは要素面積計測回路14に出力されている。
【0048】
図6には、図4に示した要素面積計測回路14の具体的な構成例が示されている。
【0049】
アドレス発生部50は大別してYアドレス発生器52及びXアドレス発生器54で構成されている。1つのYアドレスごとに0〜511までのXアドレスが発生されている。これはラスタースキャンに対応したアドレス発生である。
【0050】
開始X座標演算器58は、図2に示すように第1番目のセグメントS1における左側のラインL1上のX座標を発生する回路である。具体的には、Xb及びYbとθとで決定される直線L1の式にYを代入することにより当該Yアドレスに対応するXアドレスとしてXsyが求められている。すなわち、ラスタースキャンの実行に伴って、Yアドレスが1つずつインクリメントされるが、各Yアドレスごとに直線L1上のXアドレスがXsyとして生成されている。
【0051】
セグメント形成器60は、複数の有効信号発生器62を有している。この有効信号発生器62は、各セグメントごとに設けられており、ラスタースキャンにおけるスキャンポイントが担当セグメント内にある場合にだけ、値1を有する有効信号を出力するものである。
【0052】
ここにおいて、第1セグメントはXsy≦X<Xsy+dで定義され、Xアドレス発生器54で生成されるXアドレスが上記の不等式条件を満たすならば、当該有効信号発生器62から有効信号が出力される。これと同様に、各有効信号発生器は自己が担当するセグメント内にスキャンポイントが属する場合に有効信号を生成している。ここで、各セグメントの計算式から理解されるように、各セグメントは座標Xsyと上記のように求められたセグメントの水平幅dとセグメント番号とから特定されている。
【0053】
ゲート回路64は、各セグメントごとに設けられたAND回路で構成されており、そのAND回路の一方の入力端子には有効信号発生器62からの有効信号が入力され、他方の入力端子にはフレームメモリ56から読み出された二値化データが入力されている。ここで、フレームメモリ56には二値化画像データが1フレーム分格納されており、アドレス発生部50によって指定されるアドレスの二値化データが読み出されている。もちろん、外部から時系列順に入力される二値化データをゲート回路64に供給するようにしてもよい。
【0054】
以上の構成において、各AND回路では、値1をもった有効信号と値1をもった二値化データとが同時に入力された場合に1を出力している。AND回路はそれぞれセグメントごとに設けられているため、ラスタースキャンが実行されるとスキャンポイントを担当するAND回路のみが有効に動作可能となり、その際に値1をもった二値化データが入力されると、当該AND回路から1が出力され、それが対応するカウンタに入力される。
【0055】
カウンタ群66は各セグメントごとに設けられた例えば20個のカウンタによって構成されており、対応するAND回路の出力が1となった回数を計数する回路である。各カウンタには1フレーム分の計数値が蓄積され、各フレーム間ごとにリセットされる。たとえば、図2に示すように、カウンタ1にはセグメントS1内でかつ体腔領域に属する二値化データの個数が計数されることになり、それが要素面積dSとされる。各Yアドレスごとに一連のXアドレスが発生されているが、そのようなX方向のスキャンの際に20個のカウンタが順番に動作し、次のYアドレスについても20個のカウンタが順番に動作し、これが1フレーム分繰り返されると、最終的に各カウンタに、担当するセグメント内に属する左室内の二値化データの個数が蓄積されることになる。
【0056】
セレクタ68は、上記のように各カウンタに蓄積された計数値を切換信号にしたがって順番に選択し、その選択された計数値が図4に示す要素体積演算回路26に出力されている。
【0057】
図4に戻って、要素体積演算回路26は、各セグメントごとに上記の(7)式の演算を実行し、これによって要素体積dVを求めている。その要素体積dVは加算器28においてラッチ30から出力される累積体積値と加算される。ラッチ30は、加算器28の出力を一旦保持するものであり、この加算器28とラッチ30とによって20個の要素体積dVが加算され、その最終的な加算値が換算回路32に取り込まれる。
【0058】
換算回路32は加算器28及びラッチ30による累積加算値をcm3の単位に換算する回路であり、これによって所定時相における左室の体積が推定されることになる。その体積値は図示されていない表示器上に数値として表示され、また本実施形態においては拡張末期体積判定回路34及び収縮末期体積判定回路36に入力されている。これらの拡張末期体積判定回路34及び収縮末期体積判定回路36には心電信号としてのR波に同期した信号が入力されており、その信号に基づいて各回路34,36は拡張末期と収縮末期とを特定し、当該時相における体積値をもって拡張末期体積及び収縮末期体積としている。それらの体積値は本実施形態においてEF演算回路38に入力されており、当該回路38は上述した(1)式を実行することによって左室の駆出率(%)を演算している。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば超音波画像処理装置において、比較的簡易なハードウエアで体積演算を実現することができ、かつ実質的にリアルタイムで体積演算を遂行できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二値化画像を説明するための図である。
【図2】 セグメントアレイを説明するための図である。
【図3】 セグメント軸線幅及びセグメント水平幅を説明するための図である。
【図4】 本発明に係る超音波画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 図4に示すパラメータ演算器の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図6】 図4に示す要素面積計測回路の具体的な構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 二値化演算器、12 パラメータ演算器、14 要素面積計測回路、20 ROM、26 要素体積演算回路、32 換算回路、34 拡張末期体積判定回路、36 収縮末期体積判定回路、38 EF演算回路、42 演算器、44 心腔内判定器、46 Y座標比較器、50 アドレス発生部、56 フレームメモリ、58 開始X座標演算器、60 セグメント形成器、62 有効信号発生器、64 ゲート回路、66 カウンタ群、68 セレクタ。

Claims (7)

  1. 超音波断層画像に対して二値化処理を行い、体腔領域が抽出された二値化画像を出力する二値化処理手段と、
    前記二値化画像に基づいて体腔体積を計算する体積演算手段と、
    を含み、
    前記体積演算手段は、
    前記二値化画像において体腔輪郭上に2つの端点を決定する端点決定手段と、
    前記各端点の座標及び前記各端点を通過する軸線の角度に基づいて、前記2つの端点の間に、前記軸線と直交する方向に伸長した帯状のn個のセグメントを設定するセグメント設定手段と、
    前記二値化画像に基づいて前記各セグメントごとに体腔の要素面積を演算する要素面積演算手段と、
    前記各セグメントごとに、その要素面積に基づいて体腔の要素体積を演算する要素体積演算手段と、
    前記各セグメントの要素体積を加算して前記体腔体積を演算する加算手段と、
    を含み、
    前記セグメント設定手段は、
    前記各端点の座標及び前記軸線の角度に基づいてセグメント水平幅を演算する水平幅演算手段と、
    左側の端点の座標及び前記軸線の角度に基づいて各垂直アドレスごとに開始水平アドレスを演算する開始水平アドレス演算手段と、
    前記開始水平アドレス及び前記セグメント水平幅に基づいて各垂直アドレスごとに各セグメントの水平区間を算定する水平区間算定手段と、
    を含み、
    前記要素面積演算手段は、
    前記水平区間の算定に基づいて、前記二値化画像のラスタースキャンに従って入力される二値化データが属するセグメントを判定し、且つ、当該二値化データが体腔内二値化データであるか否かを判定する判定手段と、
    前記n個のセグメントについて、セグメント内に属する体腔内二値化データを計数する計数手段と、
    を含むことを特徴とする超音波画像処理装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記計数手段はn個のカウンタからなり
    前記各カウンタは、対応セグメント内に属する体腔内の二値化データを計数することを特徴とする超音波画像処理装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記体腔領域内に原点をユーザーにより設定し、また、前記原点を通過する軸線の角度をユーザーにより設定するための入力手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記各端点の座標及び前記軸線の角度に基づいて前記軸線の方向に沿ったセグメント軸線幅を演算するセグメント軸線幅演算手段を含み、
    前記要素体積演算手段は前記要素面積及び前記セグメント軸線幅に基づいて前記要素体積を演算することを特徴とする超音波画像処理装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記端点決定手段は、
    前記二値化画像上において前記軸線上で体腔内の二値化データを探索する探索手段と、
    前記軸線上における最も端の2つの体腔内の二値化データを前記2つの端点と決定する比較手段と、
    を含むことを特徴とする超音波画像処理装置。
  6. 超音波断層画像に対して二値化処理を行い、左室領域が抽出された二値化画像を出力する二値化処理手段と、
    前記二値化画像に基づいて左室体積を計算する体積演算手段と、
    を含み、
    前記体積演算手段は、
    前記二値化画像において左室輪郭上に2つの端点を決定する端点決定手段と、
    前記各端点の座標及び前記各端点を通過する軸線の角度に基づいて、前記2つの端点の間に、前記軸線と直交する方向に伸長した帯状のn個のセグメントを設定するセグメント設定手段と、
    前記二値化画像に基づいて前記各セグメントごとに左室の要素面積を演算する要素面積演算手段と、
    前記各セグメントごとに、その要素面積に基づいて左室の要素体積を演算する要素体積演算手段と、
    前記各セグメントの要素体積を加算して前記左室体積を演算する加算手段と、
    生体信号に基づいて拡張末期の左室体積及び収縮末期の左室体積を特定し、それらに基づいて心臓の機能を評価する評価値を演算する評価値演算手段と、
    を含み、
    前記セグメント設定手段は、
    前記各端点の座標及び前記軸線の角度に基づいてセグメント水平幅を演算する水平幅演算手段と、
    左側の端点の座標及び前記軸線の角度に基づいて各垂直アドレスごとに開始水平アドレスを演算する開始水平アドレス演算手段と、
    前記開始水平アドレス及び前記セグメント水平幅に基づいて各垂直アドレスごとに各セグメントの水平区間を算定する水平区間算定手段と、
    を含み、
    前記要素面積演算手段は、
    前記水平区間の算定に基づいて、前記二値化画像のラスタースキャンに従って入力される二値化データが属するセグメントを判定し、且つ、当該二値化データが左室内二値化データであるか否かを判定する判定手段と、
    前記n個のセグメントについて、セグメント内に属する左室内二値化データを計数する計数手段と、
    を含むことを特徴とする超音波画像処理装置。
  7. 請求項6記載の装置において、
    前記計数手段はn個のカウンタからなり、
    前記各カウンタは、対応セグメント内の属する左室内の二値化データを計数することを特徴とする超音波画像処理装置。
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