JP3689004B2 - 発電設備の系統連系保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮断器を介して系統電源と連系される、ゴミ発電システム、コージェネレーション等の自家用発電設備の系統連系保護装置に係り、特に高価な転送遮断装置を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側で確実にかつ容易に検出して保護できるようにした発電設備の系統連系保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、一般需要家がゴミ発電システム、コージェネレーション等の自家用発電設備と系統電源とを連系するために、例えば図12のブロック図に示すような系統連系保護装置が用いられている。
【0003】
すなわち、図12において、上位変電所4では、系統電源1の電圧を変圧器2を介して降圧し、遮断器3を通して一般需要家7に電力を供給している。一般需要家7では、遮断器5を介して負荷6に電力を供給している。
【0004】
一方、自家用発電設備10では、交流発電機12の出力を、遮断器11を介して系統電源1と連系している。
【0005】
交流発電機12の出力電圧の制御は、自動電圧調整装置(AVR)13により交流発電機12の界磁巻線14の電圧を制御することによって行ない、交流発電機12の出力周波数の制御は、交流発電機12を駆動するエンジン16の調速機15によりエンジンパワーを制御することによって行なわれている。
【0006】
また、故障検出手段として、発電機12の出力電流を変流器21で検出し、発電機12の出力電圧との関係から発電機異常検出回路22で異常電流を検出し、この検出信号を故障トリップ回路23に与えて遮断器11を開放するようにしている。
【0007】
この他に、保護手段として、遮断器11の出力側(変電所側)に変流器24を設け、過電流継電器(OC)25により故障トリップ回路23を動作させるようにしている。
【0008】
また、系統電源1の異常時、特に系統電源1が遮断された場合、例えば遮断器3が開放になった時、交流発電機12の出力電力と負荷6の負荷電力とのアンバランスから、周波数や電圧が異常となることを、周波数低下継電器(UF)26、周波数上昇継電器(OF)27、過電圧継電器(OV)28、不足電圧継電器(UV)29等の保護継電器により検出する。
【0009】
そして、これらの検出信号に基づいて、故障トリップ回路23が遮断器11に対してトリップ指令を与えて遮断器11を開放し、遮断器3の再閉路が可能な状態としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような発電設備の系統連系保護装置においては、例えば系統電源1に異常が発生して遮断器3が開となった時に、交流発電機12の出力電力と負荷6の所要電力が、有効分および無効分共にほぼ等しくなっていると、周波数も電圧もほとんど変化しないので、保護継電器25〜29のいずれも動作せず、運転を継続する。いわゆる単独運転(アイランディング)現象が発生し、遮断器3の再閉路を妨げることになる。
【0011】
そこで、従来では、このような単独運転を防ぐ目的で、変電所4からの専用線により接続された転送遮断装置8を設けて、遮断器11に対して転送遮断を実施する方法が採用されているものがある。
【0012】
すなわち、この転送遮断装置8は、上位変電所4の遮断器3が開となった信号を検出した時に、遮断器11に対して遮断信号を送って遮断器11を開放するものである。
【0013】
しかしながら、この種の転送遮断装置8は、数百kW程度の出力である中小容量の自家用発電設備10にとっては、非常にコストが高く、系統連系による実用上のメリットが少ない。
【0014】
本発明の目的は、高価な転送遮断装置を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側で確実にかつ容易に検出して保護することが可能な発電設備の系統連系保護装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置は、遮断器を介して系統電源と連系される自家用発電設備の出力から周波数を検出する周波数検出手段と、周波数検出手段により検出された周波数の変化率を検出する周波数変化率検出手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率に基づいて、当該周波数変化率が正である場合には自家用発電設備の進み無効電力を増加(出力電圧を低下)させ、周波数変化率が負である場合には自家用発電設備の遅れ無効電力を増加(出力電圧を上昇)させる電圧変動基準をそれぞれ出力するように、周波数変化率と電圧変動基準との関係を関数で定義する電圧変動基準決定手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率を積算する周波数変化率積算手段と、周波数変化率積算手段により積算された周波数変化率積算量に基づいて、周波数の変動方向(周波数上昇、あるいは周波数下降)の傾向を判定する周波数変動傾向判定手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性と、周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性とを比較し、それぞれの極性が一致していない場合には、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性を、周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性に一致させるように反転処理して電圧変動基準決定手段に与える極性調整手段と、極性調整手段からの周波数変化率に基づいて得られた電圧変動基準を発電設備の自動電圧調整装置の電圧基準に加算することで生じる自家用発電設備の電圧変動に伴なって助長される周波数変動を検出し、遮断器を開放して系統母線から自家用発電設備を解列させる保護手段とを備えている。
【0016】
従って、請求項1に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置においては、自家用発電設備の周波数の変化率を検出し、周波数変化率が正の場合には電圧低下指令を得て、周波数変化率が負の場合には電圧上昇指令を得て、さらに周波数変動の大まかな傾向に乗っ取るように周波数変化率の極性を調整して得られる電圧変動基準を自動電圧調整装置に与えることで、自家用発電設備の出力電圧を変化させることにより、周波数変動を拡大して、前述した従来のように高価な転送遮断装置を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側で確実にかつ容易に検出して保護することができる。
【0017】
また、請求項2に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置は、遮断器を介して系統電源と連系される自家用発電設備の出力から周波数を検出する周波数検出手段と、周波数検出手段により検出された周波数の変化率を検出する周波数変化率検出手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率に基づいて、当該周波数変化率が正である場合には自家用発電設備の進み無効電力を増加(出力電圧を低下)させ、周波数変化率が負である場合には自家用発電設備の遅れ無効電力を増加(出力電圧を上昇)させる電圧変動基準をそれぞれ出力するように、周波数変化率と電圧変動基準との関係を関数で定義すると共に、関数のゲインを複数段で切り換え可能または関数の形状を複数段で切り換え可能とした電圧変動基準決定手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率に対して複数のしきい値を設定し、当該各しきい値を越える毎に電圧変動基準決定手段に対して関数のゲイン切り換えまたは関数の形状切り換えの切り換え指令を出力する電圧変動基準切り換え手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率を積算する周波数変化率積算手段と、周波数変化率積算手段により積算された周波数変化率積算量に基づいて、周波数の変動方向(周波数上昇、あるいは周波数下降)の傾向を判定する周波数変動傾向判定手段と、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性と、周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性とを比較し、それぞれの極性が一致していない場合には、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性を、周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性に一致させるように反転処理して電圧変動基準決定手段に与える極性調整手段と、電圧変動基準切り換え手段から出力される切り換え指令に応じて、極性調整手段による極性調整を行なうかどうかを制御するスイッチ手段と、極性調整手段からの周波数変化率に基づいて得られた電圧変動基準を発電設備の自動電圧調整装置の電圧基準に加算することで生じる自家用発電設備の電圧変動に伴なって助長される周波数変動を検出し、遮断器を開放して系統母線から自家用発電設備を解列させる保護手段とを備えている。
【0018】
従って、請求項2に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置においては、多段階検出の手法により、系統連系中には系統に与える影響を少なくし、単独運転時には周波数変動を早く拡大する動作に加えて、多段階検出の初期段階では周波数変動の大まかな傾向に乗っ取るように周波数変化率の極性を調整し、単独運転時の周波数変動を拡大して、周波数や周波数変化率異常を検出することにより、周波数変動を拡大して、前述した従来のように高価な転送遮断装置を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側でより一層確実にかつ容易に検出して保護することができる。
【0019】
一方、請求項3に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置は、上記請求項1または請求項2に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置において、周波数変化率積算手段としては、あらかじめ設定された時限内の周波数変化率のみを積算するようにしている。
【0020】
従って、請求項3に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置においては、ことにより、自家用発電設備の周波数変化率を積算する場合に、あらかじめ設定された時限内のみ積算を行なうことにより、自家用発電設備の単独運転状態に移行直前から単独運転状態に移行した後の時間における周波数の変動傾向のみが必要な情報であることから、古い情報の影響を受けて電圧変動基準の極性(上昇指令、または低下指令)を反対方向に出力するのを防止することができる。
【0021】
また、請求項4に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置は、上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置において、保護手段としては、周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率があらかじめ設定された値以上になったことを検出すると出力を生じる周波数変化率過大検出手段と、周波数変化率積算手段により積算された周波数変化率積算量があらかじめ設定された値以上になったことを検出すると出力を生じる周波数変化率積算量過大検出手段とを備え、周波数変化率過大検出手段の出力と周波数変化率積算量過大検出手段の出力との論理積条件が成立した場合に、遮断器を開放して系統母線から自家用発電設備を解列させるようにしている。
【0022】
従って、請求項4に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置においては、周波数変化率過大検出手段の出力と周波数変化率積算量過大検出手段の出力との論理積の条件が成立したことで、系統母線から自家用発電設備を解列させることにより、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側で、周波数変化率のみで判定するよりも誤判定を防いで、より一層確実にかつ容易に検出して保護することができる。
【0023】
さらに、請求項5に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置は、上記請求項4に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置において、保護手段としては、周波数変化率過大検出手段の出力をあらかじめ設定された時限保持する第一のタイマー要素と、周波数変化率積算量過大検出手段の出力をあらかじめ設定された時限保持する第二のタイマー要素とを付加し、第一のタイマー要素の出力と周波数変化率積算量過大検出手段の出力との論理積条件、または第二のタイマー要素の出力と周波数変化率過大検出手段の出力との論理積条件の少なくとも一方が成立した場合に、遮断器を開放して系統母線から自家用発電設備を解列させるようにしている。
【0024】
従って、請求項5に対応する発明の発電設備の系統連系保護装置においては、第一のタイマー要素の出力と周波数変化率積算量過大検出手段の出力との論理積条件が成立するか、または第二のタイマー要素の出力と周波数変化率過大検出手段の出力との論理積条件が成立するか、あるいはこれら両者の論理和の条件が成立したことで、系統母線から自家用発電設備を解列させることにより、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側で、周波数変化率のみで判定するよりも誤判定を防いで、より一層確実にかつ容易に検出して保護することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の構成例を示すブロック図であり、図12と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置が、前記図12に示した従来の発電設備の系統連系保護装置と異なる点は、前述した高価な転送遮断装置8を省略し、その代わりに、以下のような構成としていることである。
【0028】
すなわち、図1に示すように、前記交流発電機12の出力電圧から、周波数 (f)検出器31により周波数を検出し、この検出周波数から、周波数変化率 (df/dt)検出器32により周波数変化率V30を検出する。
【0029】
周波数変化率(df/dt)過大検出器33は、周波数変化率V30が設定値以上になるかどうかを検出し、設定値以上になった場合に異常出力信号V31を出力して、故障トリップ回路23に与える。
【0030】
故障トリップ回路23は、異常出力信号V31が与えられた場合に、遮断器11に対してトリップ信号を与えて電路を開放する。
【0031】
無効電力(Q)検出器35は、変流器21により検出された交流発電機12の出力電流と、交流発電機12の出力電圧を入力して無効電力Qを検出する。
【0032】
有効電力(P)検出器36は、変流器21により検出された交流発電機12の出力電流と、交流発電機12の出力電圧とを入力して、これらを基に有効電力Pを検出する。
【0033】
一方、有効電力制御回路(APR)38は、有効電力基準(P* )設定器37からの有効電力基準P* と、有効電力検出器36からの有効電力Pとを比較し、これらの偏差を調速機15に与えてエンジン16の原動機制御を行なう。
【0034】
周波数変化率積算手段41は、周波数変化率V30の正(周波数が上昇中)と負(周波数が下降中)の信号を積算する。
【0035】
周波数変動傾向判定手段42は、周波数変化率積算手段41により得られる周波数変化率積算量を基に、大まかな周波数の変動方向を判定する。
【0036】
極性調整手段43は、周波数変化率検出手段32からの周波数変化率V30の極性と、周波数変動傾向判定手段42からの周波数変動傾向の極性とを比較し、その結果それぞれの極性が一致していない場合には、周波数変化率検出手段32からの周波数変化率V30の極性を、周波数変動傾向判定手段42による周波数変動傾向の極性に一致させるように反転処理して出力する。
【0037】
電圧変動基準決定手段40は、周波数変化率検出器32からの周波数変化率V30を極性調整手段43により処理した信号を入力として、電圧変動基準ΔV*を出力するものであり、周波数変化率V30が正(周波数が上昇中)の場合には、交流発電機12の出力電圧を低下させて周波数上昇を助長させ、また周波数変化率V30が負(周波数が下降中)の場合には、交流発電機12の出力電圧を上昇させて周波数下降を助長させる電圧変動基準ΔV*をそれぞれ出力するように、周波数変化率V30と電圧変動基準ΔV*との関係を、例えば図2で示すような関数で定義する。
【0038】
なお、図2では、二つの例の関数(a)と(b)について示している。
【0039】
無効電力制御回路(AQR)45は、無効電力基準(Q* )設定器44からの無効電力基準Q* と、無効電力検出器35で検出した無効電力Qとを一致させるための電圧基準ΔVQ* を出力する。
【0040】
自動電圧調整装置(AVR)13は、電圧基準(V* )設定器(90R)46からの電圧基準V* と、無効電力制御回路45からの電圧基準ΔVQ* と、電圧変動基準決定手段40からの電圧変動基準ΔV*とに基づいて、交流発電機12の出力電圧を制御するように界磁巻線14の界磁を調整する。
【0041】
なお、上記において、有効電力基準(P* )設定器37と、有効電力制御回路38と、調速機15と、エンジン16とにより、有効電力制御ループを構成している。
【0042】
また、無効電力基準設定器44と、無効電力検出器35と、無効電力制御回路45とにより、無効電力制御ループを構成している。
【0043】
さらに、電圧基準(V* )設定器(90R)46と、無効電力制御回路45の出力である電圧基準ΔVQ* と、電圧変動基準決定手段40からの電圧変動基準ΔV* と、自動電圧調整装置13とにより、電圧制御ループを構成している。
【0044】
次に、以上のように構成した本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の作用について、図3乃至図6を参照して説明する。
【0045】
図3において、いま交流発電機12の出力の有効電力をP、無効電力をQ、負荷6が必要とする有効電力をPL、無効電力をQLとすると、系統電源1へ流出する有効電力ΔPおよび無効電力ΔQは、それぞれ次のように表わされる。
【0046】
ΔP=P−PL
ΔQ=Q−QL
ここで、交流発電機12と系統間のインダクタンス分をlとし、負荷6の電圧をV、周波数をfとする。
【0047】
そうすると、通常の場合には、ΔP≒0、ΔQ≒0に近い状態で遮断器3が開となっても、負荷6の電圧V、周波数fはほとんど変化しないため、保護継電器25〜29で検出することができず、単独運転を継続することになる。
【0048】
しかし、系統電源1と負荷6の位相はゆっくりとずれてくるので、遮断器3の再投入は事故拡大につながり危険なために行なえない状態が発生し、配電系統の安定性を低下させることになる。
【0049】
単独運転中の電圧は、P=V2 /Rで決まる。
【0050】
一方、単独運転中の周波数fは、Q=(V2 ωC)−(V2 /ωL)で決まる。
【0051】
特に、周波数fに着目すると、負荷6が要求する無効電力QLよりも、交流発電機12が供給する無効電力が進み方向にずれている時には、周波数fが上昇してコンデンサCの電流iCが増加し、インダクタンス電流iLが減少して無効電力がバランスする方向に変化する。
【0052】
また、交流発電機12が供給する無効電力が負荷6の要求する無効電力QLよりも遅れ方向にずれている時には、周波数fが下降してインダクタンス電流iLが増加し、コンデンサ電流iCが減少して無効電力がバランスする方向に変化する。
【0053】
次に、ΔP≒0でΔQ≠0状態で単独運転になった場合の周波数変動は、図4に示すように、系統遮断(t0)後、周波数fが変動しながら安定点f1,f2に接近する。
【0054】
図4において、f1はΔQがわずかに進みの場合であり、f2はΔQがわずかに遅れた場合である。
【0055】
図4に示す+Δf、−Δfは、保護継電器25〜29で単独運転が検出できるレベルである。
【0056】
図5は、図1に示す実施の形態の作用効果を説明するための図である。
【0057】
図5において、fは周波数検出器31に検出された周波数fであり、df/dtは周波数変化率検出器32により検出された周波数変化率であり、電圧変動基準ΔV* は電圧変動基準決定手段40の出力を示している。
【0058】
いま、周波数fが図5に示すように変化すると、df/dtはこれより90°位相の進んだ波形となる。
【0059】
ここで、df/dt>0の場合には、周波数fが上昇中であるので、この間に電圧変動基準決定手段40から電圧低下指令(進み無効電力指令)が出力され、周波数fは更に上昇するように作用する。
【0060】
また、df/dt<0の場合には、周波数fが下降中であるので、この間に電圧変動基準決定手段40から電圧上昇指令(遅れ無効電力指令)が出力され、周波数fは更に下降するように作用する。
【0061】
この時、系統解列後のdf/dtの極性が、微少時間間隔で正負に変化すると、励磁系の遅れのために電圧変動基準による電圧変動が充分に為されず、スムーズな周波数変動に移行し難いことが考えられる。
【0062】
そこで、周波数変化率積算手段41と周波数変動傾向判定手段42とを用いて、周波数変化率を積算することで周波数fの大まかな変動を捉え、電圧変動基準ΔV*を決定する際の周波数変化率の極性を大まかな周波数変動の方向に一致させることで、電圧変動方向を上昇あるいは下降方向の片側に保持して、電圧変動し易くなるようにアシストする。
【0063】
電圧変動に伴なう正帰還作用によって周波数変動を増大させ、周波数異常や周波数変化率過大を周波数変化率過大検出器33によって検出することにより、従来用いていた高価な転送遮断装置8を用いなくても、自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側で確実に検出することができる。
【0064】
このようにして、自家用発電設備10の単独運転時の周波数変動を、図4に示すような特性から図6に示すような特性に拡大して、周波数や周波数変化率異常を検出することにより、自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側で確実に検出することが容易になる。
【0065】
上述したように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置では、交流発電機12の周波数変化率df/dtを検出し、周波数変化率がdf/dt>0の場合には電圧低下指令を得て、周波数変化率がdf/dt<0の場合には電圧上昇指令を得て、さらに周波数変動の大まかな傾向に乗っ取るように周波数変化率df/dtの極性を調整して得られる電圧変動基準を自動電圧調整装置13に与えることで、交流発電機12の出力電圧を変化させるようにしているので、周波数変動を拡大して、前述した従来のように高価な転送遮断装置8を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側で確実にかつ容易に検出して保護することが可能となる。
【0066】
(第2の実施の形態)
図7は、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0067】
図7に示すように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置が、前記図1に示した発電設備の系統連系保護装置と異なる点は、以下のような構成としていることである。
【0068】
すなわち、図7に示すように、前記図1における電圧変動基準決定手段40に下記の機能を追加し、さらに電圧変動基準切り換え手段51と、スイッチ手段52とを、新たに付加した構成としている。
【0069】
電圧変動基準決定手段40は、前述したように、周波数変化率V30と電圧変動基準V30との関係を関数で定義すると共に、上記関数のゲインを複数段で切り換え可能または上記関数の形状を複数段で切り換え可能としている。
【0070】
電圧変動基準切り換え手段51は、前記周波数変化率検出器32により検出された周波数変化率に対して複数のしきい値を設定し、この各しきい値を越える毎に、電圧変動基準決定手段40に対して、上記関数のゲイン切り換え、または上記関数の形状切り換えの切り換え指令を出力する。
【0071】
スイッチ手段52は、電圧変動基準切り換え手段51から出力される切り換え指令に応じて、前記極性調整手段43による極性調整を行なうかどうかを制御する。
【0072】
すなわち、このスイッチ手段52は、具体的には、周波数変化率検出器32からの周波数変化率V30、および周波数変化率検出器32からの周波数変化率V30を極性調整手段43により処理した信号を入力とし、電圧変動基準切り換え手段51から出力される切り換え指令に応じて、そのいずれか一方を前記電圧変動基準決定手段40に切換え入力する。
【0073】
次に、以上のように構成した本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の作用について、図8を参照して説明する。
【0074】
図7において、電圧変動基準決定手段40は、周波数変化率検出器32からの周波数変化率V30を入力し、電圧変動基準ΔV* を出力する。
【0075】
ここで、前述した第1の実施の形態と同様に、周波数変化率が正(周波数が上昇中)の場合には、交流発電機12の出力電圧を低下させて周波数上昇を助長させ、また周波数変化率が負(周波数が下降中)の場合には、交流発電機12の出力電圧を上昇させて周波数下降を助長させるような電圧変動基準ΔV* を出力する。
【0076】
電圧変動に基づく周波数変動は、電圧変動が大きいと周波数変動も大きくなる。自家用発電設備10が、単独運転であるか系統連系中であるかを区別するには、単独運転に陥った時に十分な周波数変動を招く電圧変動を与えることが好ましいが、系統連系中に大きな電圧変動指令を与えることは系統に擾乱を招く要素になることが懸念される。
【0077】
そこで、最初は系統に悪影響とならないレベルの小さい電圧変動基準ΔV* にしておく。最初の電圧変動基準ΔV* の働きで、周波数変化率が最初に設定していたしきい値を越えると、電圧変動基準ΔV* を大きく与えるようにする。
【0078】
そして、この影響でさらに周波数変化率が次のしきい値を越えると、さらに電圧変動基準ΔV* を大きく与えるようにする。
【0079】
以上の繰り返しを何回か行ない、単独運転らしきを確認しながら、電圧変動基準ΔV* による作用を段階的に大きくする多段階検出の手法を実現する。
【0080】
この多段階検出の手法は、複数の周波数変化率しきい値を持ち、電圧変動基準決定手段40に電圧変動基準の切り換え指令を出力する電圧変動基準切り換え手段51により実現する。
【0081】
また、電圧変動基準決定手段40においては、周波数変化率から電圧変動基準を決定する関数のゲインの切り換えまたは関数の形状を切り換え可能とし、電圧変動基準切り換え手段51からの指令に応じて切り換える。
【0082】
図8は、電圧変動基準を決定する関数の一例を示すイメージ図で、関数を複数段用意し、リミットレベルを設けることもできる。
【0083】
周波数変化率積算手段41、周波数変動傾向判定手段42、極性調整手段43は、前述した第1の実施の形態と同様に作用するが、周波数変化率の拡大がある程度進行すると、周波数変化率の極性を調整しなくとも、多段階検出の手法において十分な電圧変動基準ΔV* が得られる。
【0084】
そこで、スイッチ手段52により、多段階検出の進行に合わせて、電圧変動基準決定手段40に入力する信号を、周波数変化率検出器32からの周波数変化率V30の信号に切り換える。
【0085】
このようにして、多段階検出の手法により、系統連系中には系統に与える影響を少なくし、単独運転時には周波数変動を早く拡大する動作に加えて、多段階検出の初期段階では周波数変動の大まかな傾向に乗っ取るように周波数変化率df/dtの極性を調整し、自家用発電設備10の単独運転時の周波数変動を、図4に示すような特性から図6に示すような特性に拡大して、周波数や周波数変化率異常を検出することにより、自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側で確実に検出することが容易になる。
【0086】
上述したように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置では、交流発電機12の周波数変化率df/dtを検出し、周波数変化率がdf/dt>0の場合には電圧低下指令を得て、周波数変化率がdf/dt<0の場合には電圧上昇指令を得、さらにこの際に多段階にゲインを切り換えることで電圧指令の大きさを切り換え、多段階検出の初期段階では周波数変動の大まかな傾向に乗っ取るように周波数変化率df/dtの極性を調整し、単独運転時の周波数変動を拡大して、周波数や周波数変化率異常を検出するようにしているので、周波数変動を拡大して、前述した従来のように高価な転送遮断装置8を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側でより一層確実にかつ容易に検出して保護することが可能となる。
【0087】
(第3の実施の形態)
図9は、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の要部構成例を示すブロック図であり、図1および図7と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0088】
図9に示すように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置が、前記図1および図7に示した発電設備の系統連系保護装置と異なる点は、以下のような構成としていることである。
【0089】
すなわち、図9に示すように、前記図1および図7における周波数変化率検出器32と周波数変化率積算手段41との間に、バッファ要素61を新たに付加した構成としている。
【0090】
バッファ要素61は、例えばマイクロコンピュータベースで考えると、前記周波数変化率検出器32により検出された周波数変化率V30を入力とするもので、最新のデータを入力すると最も古いデータを破棄する。
【0091】
これにより、周波数変化率積算手段41が、周波数変化率V30の正(周波数が上昇中)と負(周波数が下降中)の信号を、あらかじめ設定された時限内のみ積算するようにしている。
【0092】
次に、以上のように構成した本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の作用について説明する。
【0093】
図9において、バッファ要素61は、周波数変化率検出器32からの周波数変化率V30を常に入力し、最新のデータを入力すると最も古いデータを破棄する。
【0094】
その結果、周波数変化率積算手段41による周波数変化率V30の積算としては、あらかじめ設定された時限内の周波数変化率V30のみを積算する。
【0095】
これにより、自家用発電設備10の単独運転状態に移行直前から単独運転状態に移行した後の時間における周波数の変動傾向のみが必要な情報であることから、系統連系中の周波数の緩やかな変動に伴なって、周波数変化率の積算量が増加し続けることを防ぎ、古い情報の影響を受けて電圧変動基準の極性(上昇指令、または低下指令)を反対方向に出力するのを防止することができる。
【0096】
上述したように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置では、自家用発電設備10の周波数変化率を積算する場合に、あらかじめ設定された時限内のみ積算を行なうようにしているので、自家用発電設備10の単独運転状態に移行直前から単独運転状態に移行した後の時間における周波数の変動傾向のみが必要な情報であることから、古い情報の影響を受けて電圧変動基準の極性(上昇指令、または低下指令)を反対方向に出力するのを防止することが可能となる。
【0097】
(第4の実施の形態)
図10は、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の要部構成例を示すブロック図であり、図1および図7と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0098】
図10に示すように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置が、前記図1および図7に示した発電設備の系統連系保護装置と異なる点は、以下のような構成としていることである。
【0099】
すなわち、図10に示すように、前記図1および図7に、周波数変化率積算量過大検出器62と、論理積回路ANDとを、新たに付加した構成としている。
【0100】
周波数変化率積算量過大検出器62は、前記周波数変化率積算手段41からの周波数変化率積算量があらかじめ設定された値以上になったかどうかを検出し、過大を示す信号を出力する。
【0101】
論理積回路ANDは、前記周波数変化率過大検出器33からの検出信号と、周波数変化率積算量過大検出器62からの検出信号とを入力し、両者の論理積信号を異常出力信号V31として、前記故障トリップ回路23に与える。
【0102】
次に、以上のように構成した本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の作用について説明する。
【0103】
図10において、周波数変化率積算量過大検出器62は、周波数変化率積算量があらかじめ設定された値以上になったかどうかを検出し、過大を示す信号を出力する。
【0104】
論理積回路ANDは、周波数変化率過大検出器33からの検出信号と周波数変化率積算量過大検出器62からの検出信号とを基に、周波数変化率が過大になり、かつ周波数変化率積算量が過大になった場合に、故障トリップ回路23に異常出力信号V31を与える。
【0105】
上述したように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置では、自家用発電設備10の周波数変化率がある値を超え、かつ周波数変化率積算量がある値を超えた論理積の条件が成立したことで、系統母線から自家用発電設備10を解列させるようにしているので、系統連系中の自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側で、周波数変化率のみで判定するよりも誤判定を防いで、より一層確実にかつ容易に検出して保護することが可能となる。
【0106】
(第5の実施の形態)
図11は、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の要部構成例を示すブロック図であり、図1および図7と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0107】
図11に示すように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置が、前記図1および図7に示した発電設備の系統連系保護装置と異なる点は、以下のような構成としていることである。
【0108】
すなわち、図11に示すように、前記図1および図7に、周波数変化率積算量過大検出器62と、第一のタイマー要素63と、第二のタイマー要素64と、第一の論理積回路AND1と、第二の論理積回路AND2と、論理和回路ORとを、新たに付加した構成としている。
【0109】
周波数変化率積算量過大検出器62は、前記周波数変化率積算手段41からの周波数変化率積算量があらかじめ設定された値以上になったかどうかを検出し、過大を示す信号を出力する。
【0110】
第一のタイマー要素63は、前記周波数変化率過大検出器33からの検出信号をあらかじめ設定された時限保持する。
【0111】
第二のタイマー要素64は、周波数変化率積算量過大検出器62からの検出信号をあらかじめ設定された時限保持する。
【0112】
第一の論理積回路AND1は、周波数変化率積算量過大検出器62からの検出信号と、第一のタイマー要素63の出力とを入力し、両者の論理積信号を論理和回路ORに与える。
【0113】
第二の論理積回路AND2は、周波数変化率過大検出器33からの検出信号と、第二のタイマー要素64の出力とを入力し、両者の論理積信号を論理和回路ORに与える。
【0114】
論理和回路ORは、第一の論理積回路AND1の出力と、第二の論理積回路AND2の出力とを入力し、両者の論理和信号を異常出力信号V31として、前記故障トリップ回路23に与える。
【0115】
次に、以上のように構成した本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置の作用について説明する。
【0116】
図11において、周波数変化率積算量過大検出器62は、周波数変化率積算量があらかじめ設定された値以上になったかどうかを検出し、過大を示す信号を出力する。
【0117】
第一のタイマー要素63は、周波数変化率過大検出器33からの検出信号を設定時限保持し、また第二のタイマー要素64は、周波数変化率積算量過大検出器62からの検出信号を設定時限保持する。
【0118】
第一の論理積回路AND1は、周波数変化率積算量過大検出器62からの検出信号と、第一のタイマー要素63の出力とを基に、両者の論理積条件が成立した場合に、論理和回路ORに出力信号を与える。
【0119】
第二の論理積回路AND2は、周波数変化率過大検出器33からの検出信号と、第二のタイマー要素64の出力とを基に、両者の論理積条件が成立した場合に、論理和回路ORに出力信号を与える。
【0120】
論理和回路ORは、第一の論理積回路AND1の出力と、第二の論理積回路AND2の出力とを基に、周波数変化率が過大になったか、または周波数変化率積算量が過大になった場合に、故障トリップ回路23に異常出力信号V31を与える。
【0121】
すなわち、周波数変化率と周波数変化率積算量は、単純に考えると、相互を微分あるいは積分した関係にあることから、それぞれでピークが現われるタイミングにずれが生じる。
【0122】
ここで、過大検出の際に、周波数変化率と周波数変化率積算量のピークのタイミングずれが問題にならないぐらい周波数変動が十分に大きければよいが、必ずしもそうとは言えない。
【0123】
この点、本実施の形態ではこれを考慮して、周波数変化率および周波数変化率積算量の過大検出信号を保持するように、第一のタイマー要素63および第二のタイマー要素64を設けていることにより、周波数変化率と周波数変化率積算量のピークのタイミングずれを解消することができる。
【0124】
これにより、先に周波数変化率が過大と判定された場合でも、先に周波数変化率積算量が過大と判定された場合でも、故障トリップ回路23に異常出力信号V31を与えることができる。
【0125】
上述したように、本実施の形態による発電設備の系統連系保護装置では、自家用発電設備10の周波数変化率がある値を超え、かつ周波数変化率積算量がある値を超えた論理積の条件が成立したことで、系統母線から自家用発電設備10を解列させるようにしているので、系統連系中の自家用発電設備10の単独運転を自家用発電設備10側で、周波数変化率のみで判定するよりも誤判定を防いで、より一層確実にかつ容易に検出して保護することが可能となる。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の発電設備の系統連系保護装置によれば、高価な転送遮断装置を設けることなく、系統連系中の自家用発電設備の単独運転を自家用発電設備側で確実にかつ容易に検出して保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発電設備の系統連系保護装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】同第1の実施の形態による発電設備の系統連系保護装置における電圧変動基準を決定する関数の形状例を示す図。
【図3】同第1の実施の形態による発電設備の系統連系保護装置における動作を説明するための図。
【図4】同第1の実施の形態による発電設備の系統連系保護装置における動作を説明するための図。
【図5】同第1の実施の形態による発電設備の系統連系保護装置における動作を説明するための図。
【図6】同第1の実施の形態による発電設備の系統連系保護装置における動作を説明するための図。
【図7】本発明による発電設備の系統連系保護装置の第2の実施の形態を示すブロック図。
【図8】同第2の実施の形態による発電設備の系統連系保護装置における多段階検出手法における電圧変動基準を決定する関数の形状例を示す図。
【図9】本発明による発電設備の系統連系保護装置の第3の実施の形態を示す要部ブロック図。
【図10】本発明による系統連系保護装置の第4の実施の形態を示す要部ブロック図。
【図11】本発明による系統連系保護装置の第5の実施の形態を示す要部ブロック図。
【図12】従来の発電設備の系統連系保護装置の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…系統電源、
2…変圧器、
3,5,11…遮断器、
4…上位変電所、
6…負荷、
7…一般需要家、
10…自家用発電設備、
12…交流発電機、
13…自動電圧調整装置(AVR)、
14…界磁巻線、
15…調速機、
16…エンジン、
20…系統連系保護装置、
21,24…変流器、
23…故障トリップ回路、
22…発電機異常検出器、
25…過電流継電器(OC)、
26…周波数低下継電器(UF)、
27…周波数上昇継電器(OF)、
28…過電圧継電器(OV)、
29…不足電圧継電器(UV)、
31…周波数検出器、
32…周波数変化率検出器、
33…周波数変化率過大検出器、
35…無効電力検出器、
36…有効電力検出器、
37…有効電力基準設定器、
38…有効電力制御回路(APR)、
40…電圧変動基準決定手段、
41…周波数変化率積算手段、
42…周波数変動傾向判定手段、
43…極性調整手段、
44…無効電力基準設定器、
45…無効電力制御回路(AQR)、
46…電圧基準設定器(90R)、
51…電圧変動基準切り換え手段、
52…スイッチ手段、
61…バッファ要素、
62…周波数変化率積算量過大検出器、
63…第一のタイマー要素、
64…第二のタイマー要素、
AND…論理積回路、
AND1…第一の論理積回路、
AND2…第二の論理積回路、
OR…論理和回路。

Claims (5)

  1. 遮断器を介して系統電源と連系される自家用発電設備の系統連系保護装置において、
    前記自家用発電設備の出力から周波数を検出する周波数検出手段と、
    前記周波数検出手段により検出された周波数の変化率を検出する周波数変化率検出手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率に基づいて、当該周波数変化率が正である場合には前記自家用発電設備の進み無効電力を増加(出力電圧を低下)させ、前記周波数変化率が負である場合には前記自家用発電設備の遅れ無効電力を増加(出力電圧を上昇)させる電圧変動基準をそれぞれ出力するように、前記周波数変化率と電圧変動基準との関係を関数で定義する電圧変動基準決定手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率を積算する周波数変化率積算手段と、
    前記周波数変化率積算手段により積算された周波数変化率積算量に基づいて、前記周波数の変動方向(周波数上昇、あるいは周波数下降)の傾向を判定する周波数変動傾向判定手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性と、前記周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性とを比較し、それぞれの極性が一致していない場合には、前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性を、前記周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性に一致させるように反転処理して前記電圧変動基準決定手段に与える極性調整手段と、
    前記極性調整手段からの周波数変化率に基づいて得られた前記電圧変動基準を前記発電設備の自動電圧調整装置の電圧基準に加算することで生じる前記自家用発電設備の電圧変動に伴なって助長される周波数変動を検出し、前記遮断器を開放して系統母線から前記自家用発電設備を解列させる保護手段と、
    を備えて成ることを特徴とする発電設備の系統連系保護装置。
  2. 遮断器を介して系統電源と連系される自家用発電設備の系統連系保護装置において、
    前記自家用発電設備の出力から周波数を検出する周波数検出手段と、
    前記周波数検出手段により検出された周波数の変化率を検出する周波数変化率検出手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率に基づいて、当該周波数変化率が正である場合には前記自家用発電設備の進み無効電力を増加(出力電圧を低下)させ、前記周波数変化率が負である場合には前記自家用発電設備の遅れ無効電力を増加(出力電圧を上昇)させる電圧変動基準をそれぞれ出力するように、前記周波数変化率と電圧変動基準との関係を関数で定義すると共に、前記関数のゲインを複数段で切り換え可能または前記関数の形状を複数段で切り換え可能とした電圧変動基準決定手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率に対して複数のしきい値を設定し、当該各しきい値を越える毎に前記電圧変動基準決定手段に対して前記関数のゲイン切り換えまたは前記関数の形状切り換えの切り換え指令を出力する電圧変動基準切り換え手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率を積算する周波数変化率積算手段と、
    前記周波数変化率積算手段により積算された周波数変化率積算量に基づいて、前記周波数の変動方向(周波数上昇、あるいは周波数下降)の傾向を判定する周波数変動傾向判定手段と、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性と、前記周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性とを比較し、それぞれの極性が一致していない場合には、前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率の極性を、前記周波数変動傾向判定手段による周波数変動傾向の極性に一致させるように反転処理して前記電圧変動基準決定手段に与える極性調整手段と、
    前記電圧変動基準切り換え手段から出力される切り換え指令に応じて、前記極性調整手段による極性調整を行なうかどうかを制御するスイッチ手段と、
    前記極性調整手段からの周波数変化率に基づいて得られた前記電圧変動基準を前記発電設備の自動電圧調整装置の電圧基準に加算することで生じる前記自家用発電設備の電圧変動に伴なって助長される周波数変動を検出し、前記遮断器を開放して系統母線から前記自家用発電設備を解列させる保護手段と、
    を備えて成ることを特徴とする発電設備の系統連系保護装置。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の発電設備の系統連系保護装置において、
    前記周波数変化率積算手段としては、あらかじめ設定された時限内の周波数変化率のみを積算するようにしたことを特徴とする発電設備の系統連系保護装置。
  4. 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発電設備の系統連系保護装置において、
    前記保護手段としては、
    前記周波数変化率検出手段により検出された周波数変化率があらかじめ設定された値以上になったことを検出すると出力を生じる周波数変化率過大検出手段と、
    前記周波数変化率積算手段により積算された周波数変化率積算量があらかじめ設定された値以上になったことを検出すると出力を生じる周波数変化率積算量過大検出手段とを備え、
    前記周波数変化率過大検出手段の出力と前記周波数変化率積算量過大検出手段の出力との論理積条件が成立した場合に、前記遮断器を開放して系統母線から前記自家用発電設備を解列させるようにしたことを特徴とする発電設備の系統連系保護装置。
  5. 前記請求項4に記載の発電設備の系統連系保護装置において、
    前記保護手段としては、
    前記周波数変化率過大検出手段の出力をあらかじめ設定された時限保持する第一のタイマー要素と、
    前記周波数変化率積算量過大検出手段の出力をあらかじめ設定された時限保持する第二のタイマー要素とを付加し、
    前記第一のタイマー要素の出力と前記周波数変化率積算量過大検出手段の出力との論理積条件、または前記第二のタイマー要素の出力と前記周波数変化率過大検出手段の出力との論理積条件の少なくとも一方が成立した場合に、前記遮断器を開放して系統母線から前記自家用発電設備を解列させるようにしたことを特徴とする発電設備の系統連系保護装置。
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