JP3686789B2 - 軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばホイールローダ等の作業車両に適用される軸受装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の軸受装置としては、例えば図7に示したものが知られている。
当該軸受装置50は、ボス51と、これに嵌挿されたブッシュ52と、これに回転可能に設けられた軸53と、ブッシュ52の両側に設けられてボス51と軸53との間を密封するシール54と、ブッシュ52の左右方向の中程で内周に削設された周溝55と、ボス51とブッシュ52に形成されて周溝55に連通する給脂孔56と、から構成されている。
而して、この様なものは、グリス等の潤滑剤が給脂孔から周溝を経てブッシュと軸との間に供給され、この間の潤滑が行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この様なものは、合成樹脂製等の変形し易いブッシュを使用した場合には、給脂に依り潤滑剤がブッシュの外周側(ボスとブッシュとの間)に回ってしまい、潤滑剤に依りブッシュが内周側に変形して軸を圧迫する惧れがあった。又、潤滑剤がブッシュと軸との間に均等に供給される為には、給脂孔の位置が中央(左右方向の中程)に限られてしまう難点があった。
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、変形し易いブッシュを使用しても軸を圧迫する惧れがないと共に、給脂孔の位置を自由に設定できる様にした軸受装置を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の軸受装置は、基本的には、ボスと、ボスに嵌挿されたブッシュと、ブッシュに回転可能に設けられた軸と、ブッシュの両側に設けられてボスと軸との間を密封するシールと、ブッシュの一側に形成された切欠と、ボスに形成されて切欠に連通する給脂孔と、ブッシュに形成されて切欠とブッシュの内周側とを連通させる面取部と、から構成した事に特徴が存する。
【0005】
グリス等の潤滑剤が給脂孔から供給されると、潤滑剤が切欠と面取部を経てブッシュと軸との間に送られ、潤滑剤に依りこれらの間の潤滑が行なわれる。
ブッシュには、給脂孔に連通する切欠と面取部が形成されているので、給脂孔からの潤滑剤が確実にブッシュの内周側(ブッシュと軸との間)に導かれる。従って、潤滑剤がブッシュの外周側(ボスとブッシュとの間)に入り込んでブッシュが変形される事に依り軸が圧迫される事がなく、軸の回転に支障を与える事がない。
切欠と面取部がブッシュの一側に形成されているので、これに伴って給脂孔をボスの一側に形成する事もでき、給脂孔の位置を自由に設定できる。
切欠と面取部をブッシュの一側に形成しているので、中央に形成する場合に比べて容易に形成でき、ブッシュのコストを低減する事ができる。
【0006】
切欠に隣接する側のシールをダブルリップタイプのダストシールにすると共に、その反対側のシールをシングルリップタイプのダストシールにするのが好ましい。この様にすれば、切欠に隣接する側のシールから潤滑剤が漏れる事がなくなり、ブッシュと軸との間の全体に潤滑剤を行き渡らせる事ができる。
【0007】
切欠に隣接する側のシールをシングルリップタイプのダストシールとオイルシールとを組合せたものにすると共に、その反対側のシールをシングルリップタイプのダストシールにするのが好ましい。この様にすれば、切欠に隣接する側のシールから潤滑剤が漏れる事がなくなり、ブッシュと軸との間の全体に潤滑剤を行き渡らせる事ができる。
【0008】
ブッシュは、合成樹脂製であるのが好ましい。この様にすれば、製作が容易でコストの低減を図る事ができる。
【0009】
ブッシュの内周面には、面取部に連通して軸方向に延びる貯溜溝が形成されているのが好ましい。この様にすれば、給脂孔から供給された潤滑剤が貯溜溝に貯溜されるので、長期に亘って間断のない潤滑を行なう事ができる。
【0010】
切欠と面取部は、円周の所定間隔毎に複数形成されているのが好ましい。この様にすれば、給脂孔からの潤滑剤をより確実にブッシュの内周側に導く事ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一例に係る軸受装置を示す要部縦断正面図。図2は、ブッシュを示す縦断正面図。図3は、半分のみを示す図2の側面図である。
【0012】
軸受装置1は、ボス2、ブッシュ3、軸4、シール5、切欠6、給脂孔7、面取部8とからその主要部が構成されている。
【0013】
ボス2は、軸受装置1の基本部分を為すもので、この例では、ブロック状を呈し、軸方向(図1に於て、左右方向)に貫通するボス穴9を備えている。ボス穴9は、軸方向の中央に形成されたブッシュ収容腔10と、これの両側に隔壁11を介して形成されたシール収容腔12とから成っている。左側のシール収容腔12は、側方が閉ざされていると共に、右側のシール収容腔12は、側方が開放されている。
【0014】
ブッシュ3は、ボス2に嵌挿されたもので、この例では、合成樹脂製で円筒状を呈し、軸方向に貫通するブッシュ穴13を備えて居り、ブッシュ収容腔10に嵌挿されている。ブッシュ3の内周面には、面取部8に連通して軸方向に延びる貯溜溝14が形成されている。貯溜溝14は、潤滑剤を貯溜する為のもので、断面略円弧状を呈し、ブッシュ3の内周面の所定間隔毎(45度毎)に複数(八つ)形成されている。
【0015】
軸4は、ブッシュ3に回転可能に設けられたもので、この例では、円柱状を呈してブッシュ穴13に回転可能に嵌挿されている。
【0016】
シール5は、ブッシュ3の両側に設けられてボス2と軸4との間を密封するもので、この例では、切欠6に隣接する側(図1に於て左側)のシール5を断面略ス字状を呈するダブルリップタイプのダストシール15にしてあると共に、その反対側(図1に於て右側)のシール5を断面略フ字状を呈するシングルリップタイプのダストシール16にしてある。
【0017】
切欠6は、ブッシュ3の一側に形成されたもので、この例では、ブッシュ3の左側に形成されている。つまり、ブッシュ3の左側に於ける円周の所定間隔毎(45度毎)には、略台形状を呈する複数(八つ)の切欠6が形成されていると共に、隣接する切欠6の間には、略倒立台形状を呈する複数(八つ)の突起17が形成され、これらに依りブッシュ3の左側は、冠歯車状を呈している。切欠6は、面取部8を介して貯溜溝14と連続する様にこれらと同じ円周の角度位置に形成されている。
【0018】
給脂孔7は、ボス2に形成されて切欠6に連通するもので、この例では、ボス2の左側の外周面からブッシュ収容腔10の左部に達する様に穿設されている。給脂孔7と切欠6の一つは、連通する様にブッシュ3が軸廻りに適宜廻されてブッシュ収容腔10に嵌挿されている。
【0019】
面取部8は、ブッシュ3に形成されて切欠6とブッシュ3の内周側とを連通させるもので、この例では、切欠6の端面とブッシュ3の内周面との間を所定の角度(45度)で切除する事に依り形成されている。突起17の端面とブッシュ3の内周面との間にも、所定の角度(45度)で切除する事に依り面取部18が形成されている。
【0020】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
グリス等の潤滑剤(図示せず)が給脂孔7から供給されると、潤滑剤が切欠6と面取部8を経てブッシュ3と軸4との間に送られると共に、貯溜溝14に貯溜され、これらの潤滑剤に依りブッシュ3と軸4との間の潤滑が行なわれる。
ブッシュ3には、給脂孔7に連通する切欠6と面取部8が形成されているので、給脂孔7からの潤滑剤が確実にブッシュ3の内周側(ブッシュ3と軸4との間)に導かれる。従って、潤滑剤がブッシュ3の外周側(ボス2とブッシュ3との間)に入り込んで合成樹脂製のブッシュ3が変形される事に依り軸4が圧迫される事がなく、軸4の回転に支障を与える事がない。
【0021】
切欠6に隣接する左側のシール5をダブルリップタイプのダストシール15にすると共に、その反対側のシール5をシングルリップタイプのダストシール16にしているので、ダブルリップタイプのダストシール15から潤滑剤が漏れる事がなくなり、ブッシュ3と軸4との間の全体に潤滑剤を行き渡らせる事ができる。
切欠6と面取部8がブッシュ3の左側に形成されているので、これに伴って給脂孔7をボス2の左側に形成する事ができ、給脂孔7の位置を中央以外の位置に自由に設定できる。
切欠6と面取部8をブッシュ3の左側に形成しているので、中央に形成する場合に比べて容易に形成でき、ブッシュ3のコストを低減する事ができる。
【0022】
次に、本発明の第二例を、図4に基づいて説明する。
第二例は、ボス2の一側(左側)上部に傾斜面19を形成した点、給脂孔7をブッシュ収容腔10の左部から傾斜面19に達する様に斜め(左上斜め方向)に形成した点、が第一例と異なり、その他は第一例と同様である。この様にすれば、給脂位置をボス2の側方に位置させる事ができる。
【0023】
次に、本発明の第三例を、図5に基づいて説明する。
第三例は、給脂孔7をブッシュ収容腔10の左部から上方に延びる垂直孔20とこれの上端からボスの左側面まで左方に延びる水平孔21とから成る所謂直角なものにした点、が第一例と異なり、その他は第一例と同様である。この様にすれば、給脂位置をボス2の側方に位置させる事ができる。
【0024】
次に、本発明の第四例を、図6に基づいて説明する。
第四例は、切欠6に隣接する側(左側)のシール5を、シングルリップタイプのダストシール(断面略ワ字状を呈するもの)22と、これの内側に設けられたオイルシール(Оリング)23とをから成るものにした点、が第一例と異なり、その他は第一例と同様である。この様にすれば、第一例と同様の効果を奏する事ができる。
【0025】
尚、ブッシュ3は、先の例では、合成樹脂製であったが、これに限らず、例えば金属製でも良い。
【0026】
【発明の効果】
以上、既述した如く、本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) ボス、ブッシュ、軸、シール、切欠、給脂孔、面取部とで構成し、とりわけブッシュの一側に切欠を形成すると共に、切欠とブッシュの内周側とを連通させる面取部を形成する様にしたので、潤滑剤をブッシュの内周側に確実に供給する事ができ、変形し易いブッシュを使用しても軸を圧迫する惧れがないと共に、給脂孔の位置を自由に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第一例に係る軸受装置を示す要部縦断正面図。
【図2】図2は、ブッシュを示す縦断正面図。
【図3】図3は、半分のみを示す図2の側面図。
【図4】本発明の第二例に係る軸受装置を示す要部縦断正面面。
【図5】本発明の第三例に係る軸受装置を示す要部縦断正面図。
【図6】本発明の第四例に係る軸受装置を示す要部縦断正面図。
【図7】従来の軸受装置を示す縦断正面図。
【符号の説明】
1,50…軸受装置、2,51…ボス、3,52…ブッシュ、4,53…軸、5,54…シール、6…切欠、7,56…給脂孔、8,18…面取部、9…ボス穴、10…ブッシュ収容腔、11…隔壁、12…シール収容腔、13…ブッシュ穴、14…貯溜溝、15,16、22…ダストシール、17…突起、19…傾斜面、20…垂直孔、21…水平孔、23…オイルシール、56…周溝。
Claims (1)
- ボスと、ボスに嵌挿されたブッシュと、ブッシュに回転可能に設けられた軸と、ブッシュの両側に設けられてボスと軸との間を密封するシールと、ブッシュの一側に形成された切欠と、ボスに形成されて切欠に連通する給脂孔と、ブッシュに形成されて切欠とブッシュの内周側とを連通させる面取部と、から構成し、ブッシュの内周面には、面取部に連通して軸方向に延びる貯溜溝が形成されている事を特徴とする軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19267299A JP3686789B2 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19267299A JP3686789B2 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 軸受装置 |
Publications (2)
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---|---|
JP2001020953A JP2001020953A (ja) | 2001-01-23 |
JP3686789B2 true JP3686789B2 (ja) | 2005-08-24 |
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ID=16295132
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP19267299A Expired - Fee Related JP3686789B2 (ja) | 1999-07-07 | 1999-07-07 | 軸受装置 |
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JP6193118B2 (ja) * | 2013-12-27 | 2017-09-06 | 三菱重工業株式会社 | 軸受装置及び粉砕装置 |
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1999
- 1999-07-07 JP JP19267299A patent/JP3686789B2/ja not_active Expired - Fee Related
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