JP3685697B2 - 無線受信システムおよびウェイト更新方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線受信システムおよびウェイト更新方法に関し、より特定的には、移動体通信システムの基地局において、アダプティブアレイ処理により所望の移動端末装置からの受信信号を抽出する無線受信システム、およびそのような無線受信システムにおいてアダプティブアレイ処理に用いられるウェイトの更新方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、基地局と移動端末装置との間の通信に際し、基地局側の無線受信システムにおいて、アダプティブアレイ処理により所望の移動端末装置からの受信信号を抽出する方式が提案されている。
【0003】
図15は、基地局側の無線受信システムのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)によってソフトウェア的に実行されるアダプティブアレイ処理を機能的に説明するための機能ブロック図である。
【0004】
図15を参照して、基地局の複数本のアンテナ、たとえば4本のアンテナ1,2,3,4でそれぞれ受信された移動端末装置からの受信信号からなる受信信号ベクトルX(t)は、図示しないRF回路でそれぞれ増幅された後、図示しないA/D変換機でそれぞれデジタル信号に変換される。
【0005】
これらのデジタル信号は、無線受信システムのDSPに与えられ、図15に示す機能ブロック図にしたがって以後ソフトウェア的にアダプティブアレイ処理が施される。
【0006】
アダプティブアレイ処理とは、受信信号に基づいて、アンテナごとの受信係数(ウェイト)からなるウェイトベクトルを計算して適応制御することによって、所望の移動端末装置からの信号を正確に抽出する処理である。
【0007】
図15に戻って、受信信号ベクトルX(t)は、乗算器5,6,7,8のそれぞれの一方入力に与えられるとともに、ウェイト計算機10に与えられる。
【0008】
ウェイト計算機10は、後述するアルゴリズムによりアンテナごとのウェイトからなるウェイトベクトルW(t)を算出し、乗算器5,6,7,8のそれぞれの他方入力に与えて、対応するアンテナからの受信信号ベクトルX(t)とそれぞれ複素乗算する。
【0009】
加算器9によりその乗算結果の総和Y(t)が得られ、このY(t)は以下のように複素乗算和として表わされる:
Y(t)=W(t)HX(t)
ここで、W(t)HはウェイトベクトルW(t)の複素共役の転置を表わしている。
【0010】
上述のような複素乗算和の結果Y(t)は、ウェイト計算機10に与えられ、メモリ11に予め記憶されている既知の参照信号d(t)との誤差が求められる。この参照信号d(t)は、移動端末装置からの受信信号が含むすべてのユーザに共通の既知の信号であり、たとえばPHSでは、受信信号のうち、既知のビット列で構成されたプリアンブル区間が用いられる。
【0011】
ウェイト計算機10は、ウェイト計算制御装置13の制御下に、算出された誤差の2乗を減少させるようウェイト係数を更新させる処理を実行する。アダプティブアレイ処理では、このようなウェイトベクトルの更新(ウェイト学習)を、時間や信号電波の伝搬路特性の変動に応じて適応的に行ない、受信信号X(t)中から干渉成分やノイズを除去し、所望の移動端末装置からの信号Y(t)を抽出している。
【0012】
このウェイト計算機10では、上述のように誤差の2乗に基づいた最急降下法(Minimum Mean Square Error:以下、MMSE)によりウェイトベクトルの更新すなわちウェイト学習を行なっている。より特定的には、ウェイト計算機10は、後述するようにMMSEによるRLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムを使用している。
【0013】
このようなMMSEによるアダプティブアレイの処理技術、およびMMSEによるRLSアルゴリズムやLMSアルゴリズムは周知の技術であり、たとえば菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されている。
【0014】
図16は、図15に示したアダプティブアレイの機能ブロック図の動作をDSPがソフトウェアで実行する際の処理を示したフロー図である。
【0015】
先に説明したように、アダプティブアレイ処理では、複素乗算和Y(t)と、所定の参照信号d(t)(プリアンブルユニークワード等の既知の信号値)との誤差を求めているが、受信信号の全区間に参照信号値が存在するわけではないので、受信信号が、参照信号が既知の区間にあるか否かで、異なる処理を行なっている。
【0016】
図16を参照して、アダプティブアレイ処理が開始されると、ステップS1においてウェイト初期値が設定され、ステップS2において、図15のカウンタ12によりウェイト計算制御装置13に設定される時刻tが1シンボル目に設定される。なお、たとえばPHSの受信信号の1フレームは1〜120シンボルで構成され、そのうちの前半部に信号既知の区間がある。
【0017】
次に、ステップS3において、シンボルt=1が参照信号既知の区間内か否かが判断され、参照信号既知の区間内であれば、ステップS4において、後述するRLSアルゴリズムが実行され、ウェイトが更新される(RLSアルゴリズムの詳細については上記文献を参照)。
【0018】
一方、ステップS3において、シンボルt=1が参照信号既知の区間内でないと判断されると、ステップS5において、後述するLMSアルゴリズムが実行され、ウェイトが更新される(LMSアルゴリズムの詳細については上記文献を参照)。
【0019】
そして、ステップS6において、シンボルtが当該フレームの最終シンボル(t=120)に到達したことが判断されるまで、ステップS7においてシンボルtをインクリメントしながらステップS3〜S7が繰り返され、ステップS7において最終シンボルに到達したことが判断されるとアダプティブアレイ処理は終了する。
【0020】
ここで、アダプティブアレイ処理前の受信信号ベクトルをX(t)とすれば、処理後の受信信号ベクトルX’(t)は、X’(t)=W(t)HX(t)と表わされる。
【0021】
次に、図17は、図16のステップS3からS5の処理を詳細に説明するフロー図である。
【0022】
まず、ステップS4のRLSアルゴリズムについて詳細に説明する。ステップS4は、ステップS4a〜S4eで構成され、まずステップS4aにおいて、時刻tのカルマンゲインベクトルK(t)を算出する。カルマンゲインベクトルは、K(t)=T(t)/(1+XH(t)T(t))で定義され、ここで、
T(t)=λP(t−1)X(t)である。
【0023】
次に、ステップS4bにおいて、メモリ11から既知の参照信号d(t)が読出される。
【0024】
次に、ステップS4cにおいて、以下のように時刻tでの参照信号と複素乗算和との誤差e(t)が算出される:
e(t)=d(t)−WH(t−1)X(t)
そして、ステップS4dにおいて、カルマンゲインベクトルK(t)を用いて、以下のように時刻tでのウェイトベクトルW(t)が算出される:
W(t)=W(t−1)+e*(t)K(t)
(ただし*は複素共役を表わす)
さらに、ステップS4eにおいて、以下のように時刻tでの相関行列P(t)の更新を行なっておく:
P(t)=λP(t)−K(t)HT(t)
以上で、RLSアルゴリズムは終了し、ステップS6へ進む。そして、シンボルtが参照信号既知の区間内にあることがステップS3において判断される限り、ステップS4a〜S4eのRLSアルゴリズムが繰り返し実行され、各シンボルtごとにステップS4eにおいてそのときのウェイトベクトルW(t)が算出される、すなわちウェイトが更新されることになる。
【0025】
次に、ステップS5のLMSアルゴリズムについて詳細に説明する。ステップS5は、ステップS5a〜S5cで構成される。
【0026】
前述のステップS4a〜S4eの処理では、受信信号のうち参照信号が存在する区間であったため、受信信号X(t)と参照信号d(t)とによりウェイト学習を行なっていたが、以下に説明するステップS5a〜S5cの処理では、受信信号のうち参照信号が存在しない区間であるため、1シンボル前に算出したウェイトベクトルと受信信号との複素乗算和と、π/4シフトQPSKの信号基準点との位相差を誤差としてウェイト学習を行なう。
【0027】
まず、ステップS5aにおいて、1シンボル前のウェイトベクトルW(t−1)から参照信号d(t)を逆算する。すなわち、d(t)=Det[W(t−1)HX(t)]とおき、その信号点のI,Q信号からユークリッド距離が最短の4/πシフトQPSKの信号基準点を選出し、その信号基準点に信号d(t)をもっていく。
【0028】
次に、ステップS5bにおいて、前述のステップS4cと同様に、時刻tでの参照信号と複素乗算和との誤差e(t)が算出される:
e(t)=d(t)−WH(t−1)X(t)
そして、ステップS5cにおいて、以下のように時刻tでのウェイトベクトルW(t)が算出される:
W(t)=W(t−1)+μe*(t)X(t)
以上で、LMSアルゴリズムは終了し、ステップS6へ進む。そして、シンボルtが参照信号既知の区間内にないことがステップS3において判断される限り、ステップS5a〜S5cのLMSアルゴリズムが繰り返し実行され、各シンボルtごとにステップS5cにおいてそのときのウェイトベクトルW(t)が算出される、すなわちウェイトが更新されることになる。
【0029】
なお、図17のフロー図から理解されるように、ステップS4a〜S4eのRLSアルゴリズムは処理が複雑なためウェイト学習に時間を要するが、収束が速いという利点を有する(たとえば10シンボル程度でウェイトが収束する)。これに対し、ステップS5a〜S5cのLMSアルゴリズムは処理が簡略化されているため、ウェイト学習に時間を要しないが、収束が遅いという欠点を有している(ウェイト学習に多くのシンボル数が必要となる)。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来提案されているアダプティブアレイ処理を用いた無線受信システムでは、図16および特に図17に示すように、ウェイト更新のためのDSPの計算処理量が膨大なものとなっている。すなわち、DSPが最大限活動し続けるため、DSPの消費電力が増大し、さらにDSPの発熱のために無線受信システムの筐体を大型化する必要が生じる。また、このような膨大な計算をこなすためには高価なDSPが必要となって無線受信システムの製造コストの増大を招くことになる。
【0031】
それゆえに、この発明の目的は、アダプティブアレイ処理のウェイト更新のための計算処理を大幅に削減することにより、低消費電力化、小型化、低価格化を実現した無線受信システムおよびウェイト更新方法を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る無線受信システムの発明は、複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムであって、前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定する推定および判定手段と、所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ前記受信した信号のフレームごとに前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ前記受信した信号の所定のフレーム数ごとに1フレームの割合で前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させるウェイト更新制御手段とをさらに備える。
【0033】
請求項2に係る無線受信システムは、請求項1に記載の発明において、前記ウェイト更新制御手段は、予め経験的に決定されたフェージング速度と前記所定のフレーム数との対応関係に基づいて、前記推定および判定手段によって推定された前記所望の移動端末装置のフェージング速度に対応して前記所定のフレーム数を決定する。
【0034】
請求項3に係る無線受信システムは、複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムであって、前記移動端末装置からの信号は、所定の区間ごとに所定の参照信号を有し、前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定する推定および判定手段と、所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、前記所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ、前記受信した信号のうち前記参照信号ありの区間では前記ウェイト更新手段にRLSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記受信した信号のうち前記参照信号なしの区間では前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ、参照信号区間か否かに関わらず前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させるウェイト更新制御手段とをさらに備える。
【0035】
請求項4に係るウェイト更新方法は、複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムにおけるウェイト更新方法であって、前記無線受信システムは、所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、前記ウェイト更新方法は、前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定するステップと、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ前記受信した信号のフレームごとに前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ前記受信した信号の所定のフレーム数ごとに1フレームの割合で前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させるステップとを備える。
【0036】
請求項5に係るウェイト更新方法は、請求項4に記載の発明において、前記ウェイトを更新するステップは、予め経験的に決定されたフェージング速度と前記所定のフレーム数との対応関係に基づいて、前記推定された前記所望の移動端末装置のフェージング速度に対応して前記所定のフレーム数を決定する。
【0037】
請求項6に係るウェイト更新方法は、複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムにおけるウェイト更新方法であって、前記移動端末装置からの信号は、所定の区間ごとに所定の参照信号を有し、前記無線受信システムは、所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、前記所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、前記ウェイト更新方法は、前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定するステップと、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ、前記受信した信号のうち前記参照信号ありの区間では前記ウェイト更新手段にRLSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記受信した信号のうち前記参照信号なしの区間では前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ、参照信号区間か否かに関わらず前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させるステップとを備える。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0058】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図2は、この発明の実施の形態1によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0059】
前述したように、従来のアダプティブアレイ処理では、ウェイト更新処理のためにDSPが最大限活動させられている。これは常に理想的ウェイトに近づけるべくウェイト更新処理が続行されるためであるが、受信信号の伝搬路特性は一般的にそれほど急激に変動するものではなく、理想的ウェイト自体もそう大きくは変動するものではない。
【0060】
伝搬路の特性は、たとえば伝搬路の受信係数の変動、すなわちフェージング速度によって表わすことができる。この発明の実施の形態1では、所望の移動端末装置から受信した信号のフェージング速度が遅ければ、ウェイト自体にそれほど変動はないものと判断し、先行するフレームで算出されたウェイトをそのまま用いることによりウェイト更新回数を減らし、もってDSPの計算処理量の削減を図るものである。
【0061】
図1を参照して、実施の形態1によるアダプティブアレイ処理は、以下の点を除いて図15の従来のアダプティブアレイ処理と同じである。
【0062】
すなわち、受信信号ベクトルX(t)および抽出された受信信号Y(t)に基づいて、フェージング速度推定装置14が所望の移動端末装置の信号伝搬路におけるフェージング速度を推定する。伝搬路におけるフェージング速度はたとえば次のようにして推定される。
【0063】
アダプティブアレイ処理で抽出される所望の移動端末装置からの受信信号の時間的に前後する2つの受信係数ベクトルの相関値を計算する。フェージングがなければ、2つの受信係数ベクトルは一致し、相関値は1となる。一方、フェージングが激しければ受信係数ベクトルの差は大きくなり、相関値は小さくなる。
【0064】
このような受信係数ベクトルとフェージング速度との関係を予め実験的に求め、メモリに保持しておけば、受信係数ベクトルの相関値を算出することによって、そのときのフェージング速度を推定することができる。フェージング速度推定装置14は、そのようなメモリを内蔵しており、受信信号ベクトルX(t)および抽出された受信信号Y(t)から受信係数ベクトルの相関値を算出して対応するフェージング速度を推定し、図示するテーブルを含むメモリ15と、ウェイト計算制御装置13とに与える。
【0065】
次に、図2を参照して、実施の形態1によるウェイト更新処理について説明する。図2のステップS10において、上述の方法でフェージング速度推定装置14によって推定されたフェージング速度FDが所定の閾値よりも遅いか否かが判断される。ここで、遅くないと判断されると、伝搬路特性に一定量以上の変動があるものと判断され、通常のウェイト更新処理が受信信号のフレームごとに必要であると判断される。
【0066】
したがって、この場合には、ステップS1に進み、図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が受信信号の各フレームごとに実行される。これらのステップS1〜S7については図16を参照してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0067】
一方、ステップS10において、推定されたフェージング速度FDが所定の閾値よりも遅いと判断されると、伝搬路特性の変動が小さいため、ウェイトの更新は、数フレームに1度に削減される。すなわち、フェージング速度が遅ければ遅いほどウェイト更新回数は少なくてすむため、メモリ15に予め記憶されている経験的に決定された、フェージング速度と、ウェイト更新を間引くためのフレーム数との対応関係を示すテーブルに基づいて、ステップS11においてウェイト更新を省略するフレーム数(更新ステップ数)を決定する。
【0068】
たとえば推定されたフェージング速度が5Hzであれば、メモリ15のテーブルから更新ステップ数は10であり、これは、あるフレームにおいてウェイト更新処理をすれば、その後の10フレームについてはウェイト更新の必要がないことを意味している。
【0069】
ステップS12において、前回ウェイト更新されてからウェイト更新していないフレーム数が図1のカウンタ16によりカウントされ、ステップS11で決定された更新ステップ数に達したことが判断されると、ステップS1に進み、当該フレームにおいてウェイト更新処理が、たとえば10フレームぶりに実行されることになる。
【0070】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、推定されたフェージング速度が遅い場合にはウェイト自体にはそれほど大きな変動はないものと判断し、フェージング速度の高低に従って決定される所定のフレーム数ごとに1フレームの割合でウェイト更新処理を間引いて実行することにより、ウェイト更新処理のためのDSPの計算処理量を大幅に削減することができる。また、フェージング速度が所定値以上に速いときには従来通り各フレームごとにウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0071】
[実施の形態2]
図3は、この発明の実施の形態2によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図4は、この発明の実施の形態2によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0072】
前述したように、従来のアダプティブアレイ処理では、理想的ウェイトに近づけるべく参照信号の有無に応じてRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムを組み合わせてウェイト更新処理を実行している。このためDSPの計算処理量が増大することとなっている。
【0073】
図17の詳細な説明から明らかなように、LMSアルゴリズムに比べてRLSアルゴリズムの方が計算処理量がはるかに多い。これはRLSアルゴリズムが複素数の行列演算を大量に処理する必要があることによるものであり、その処理量は、LMSアルゴリズムのおよそ10倍に及ぶ場合もある。
【0074】
この発明の実施の形態2では、所望の移動端末装置から受信した信号のフェージング速度が遅ければ、ウェイト自体にそれほど変動はないものと判断し、参照信号の有無に関わらず、計算処理量の少なくてすむLMSアルゴリズムのみを使用することにより、もってDSPの計算処理量の削減を図るものである。
【0075】
図3を参照して、実施の形態2によるアダプティブアレイ処理は、以下の点を除いて図15の従来のアダプティブアレイ処理と同じである。すなわち、フェージング速度推定装置14が所望の移動端末装置からの信号伝搬路におけるフェージング速度を推定する。
【0076】
一方、ウェイト計算機10で計算されたウェイトベクトルW(t)は、乗算器5,6,7,8に与えられるとともに、メモリ16に保持され、前フレームのウェイトとしてウェイト計算機10に与えられる。
【0077】
次に、図4を参照して、実施の形態2によるウェイト更新処理について説明する。図4のステップS10において、推定されたフェージング速度FDが所定の閾値よりも遅いか否かが判断される。ここで、遅くないと判断されると、伝搬路特性に一定量以上の変動があるものと判断され、RLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムの双方を用いた通常のウェイト更新処理が必要であると判断される。
【0078】
したがって、この場合には、ステップS1に進み、図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が各フレームごとに実行される。すなわち、参照信号区間であるか否かに応じてRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムの双方が利用される。
【0079】
一方、ステップS10において、推定されたフェージング速度FDが所定の閾値よりも遅いと判断されると、伝搬路特性の変動が小さいため、処理量の少ないLMSアルゴリズムのみを用いたウェイト更新が実行される。
【0080】
すなわち、この場合には、参照信号区間であるか否かには関わりなく、ステップS13において、メモリ16に保持されている前フレームのウェイトを用いてウェイト初期値を設定する。そしてその後は、ステップS14において1シンボル目に設定された時刻(シンボル)tを、ステップS17でインクリメントしながら、ステップS16において最終シンボルに到達したことが判断されるまで、ステップS15においてLMSアルゴリズムのみによるウェイト更新処理が繰返し実行される。LMSアルゴリズムの詳細については、図17に関連してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0081】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、推定されたフェージング速度が遅い場合にはウェイト自体にはそれほど大きな変動はないものと判断し、計算処理量の比較的少ないLMSアルゴリズムのみを用いてウェイト更新処理を実行することにより、ウェイト更新処理のためのDSPの計算処理量を大幅に削減することができる。また、フェージング速度が所定値以上に速いときには従来通り各フレームごとにRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムを組み合わせてウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0082】
[実施の形態3]
図5は、この発明の実施の形態3によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図6は、この発明の実施の形態3によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0083】
この実施の形態3は、基本的には上述の実施の形態2を改良したものである。すなわち、フェージング速度FDが所定の閾値よりも遅い場合に、単にLMSアルゴリズムのみを実行するだけでなく、前述の実施の形態1と同様に、実行回数を数シンボルに1度に削減することにより、DSPの計算処理量のさらなる低減を図ろうとするものである。
【0084】
図5を参照して、実施の形態3によるアダプティブアレイ処理は、以下の点を除いて図3の実施の形態2のアダプティブアレイ処理と同じである。すなわち、メモリ15には、経験的に決定された、フェージング速度と、ウェイト更新を間引くためのシンボル数との対応関係を示すテーブルが予め格納されている。また、カウンタ16は、ウェイト更新していないシンボル数(更新ステップ数)をカウントする。
【0085】
次に、図6を参照して、実施の形態3によるウェイト更新処理について説明する。図6のステップS10において、推定されたフェージング速度FDが所定の閾値よりも遅いか否かが判断される。ここで、遅くないと判断されると、伝搬路特性に一定量以上の変動があるものと判断され、RLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムの双方を用いた通常のウェイト更新処理が必要であると判断される。
【0086】
したがって、この場合には、ステップS1に進み、図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が各フレームごとに実行される。すなわち、参照信号区間であるか否かに応じてRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムの双方が利用される。
【0087】
一方、ステップS10において、推定されたフェージング速度FDが所定の閾値よりも遅いと判断されると、伝搬路特性の変動が小さいため、処理量の少ないLMSアルゴリズムのみを用いたウェイト更新が実行される。
【0088】
すなわち、この場合には、参照信号区間であるか否かには関わりなく、ステップS13において、メモリ16に保持されている前フレームのウェイトを用いてウェイト初期値を設定する。
【0089】
ただし、この実施の形態3では、それだけではなく、ウェイトの更新は、数シンボルに1度に削減される。すなわち、フェージング速度が遅ければ遅いほどウェイト更新回数は少なくてすむため、メモリ15に予め記憶されている経験的に決定された、フェージング速度と、ウェイト更新を間引くためのシンボル数との対応関係を示すテーブルに基づいて、ステップS18においてウェイト更新を省略するシンボル数(更新ステップ数)を決定する。
【0090】
たとえば推定されたフェージング速度が5Hzであれば、メモリ15のテーブルから更新ステップ数は5であり、これは、あるシンボルにおいてウェイト更新処理をすれば、その後の5シンボルについてはウェイト更新の必要がないことを意味している。
【0091】
ステップS19において、前回ウェイト更新されてからウェイト更新していないシンボル数が図5のカウンタ16によりカウントされ、ステップS18で決定された更新ステップ数に達したことが判断されると、ステップS15に進み、当該シンボルにおいてLMSアルゴリズムによるウェイト更新処理が、たとえば5シンボルぶりに実行されることになる。
【0092】
そしてその後は、ステップS17において時刻(シンボル)tをインクリメントしながら、ステップS16において最終シンボルに到達したことが判断されるまで、LMSアルゴリズムのみによる間引かれたウェイト更新処理が繰返し実行される(ステップS18,S19,S15,S16,S17)。LMSアルゴリズムの詳細については、図17に関連してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0093】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、推定されたフェージング速度が遅い場合にはウェイト自体にはそれほど大きな変動はないものと判断し、計算処理量の比較的少ないLMSアルゴリズムのみを用いて、しかも数シンボルに1シンボルの割合でウェイト更新処理を間引いて実行することにより、ウェイト更新処理のためのDSPの計算処理量をさらに大幅に削減することができる。また、フェージング速度が所定値以上に速いときには従来通り各フレームごとにRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムを組み合わせてウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0094】
[実施の形態4]
図7は、この発明の実施の形態4によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図8は、この発明の実施の形態4によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0095】
上述の実施の形態1〜3においては、一人のユーザの移動端末装置のチャネルのみが同一周波数の同一タイムスロットにおいて基地局に接続されている場合を想定していた。しかしながら、以下に説明する実施の形態4では、同一周波数の同一タイムスロットを、たとえば周知のPDMA(Path Division Multiple Access)方式によって空間的に分割するなどして、複数のユーザの移動端末装置からのチャネルが基地局にパス多重接続されている場合を想定するものとする。
【0096】
この発明の実施の形態4では、パス多重接続している複数のユーザの全員について、それぞれのフェージング速度を推測し、全員のフェージング速度が所定の閾値よりも遅い場合に限り、各ユーザの先行するフレームで算出されたウェイトをそのまま用いることにより各ユーザのウェイト更新回数を減らし、もってDSPの計算処理量の大幅な削減を図るものである。
【0097】
まず、図7を参照して、基地局のアンテナ1,2,3,4でそれぞれ受信された複数の移動端末装置からの受信信号からなる受信信号ベクトルX(t)は、複数のユーザごとに設けられた無線受信システムに共通に与えられる。図7においては、ユーザ1およびユーザ2の2人のユーザの移動端末装置に対応する2系統の無線受信システムのうちユーザ1に対応する構成のみが示されており、図示されていないがユーザ2に対しても同じ構成の無線受信システムが設けられているものとする。
【0098】
また、図7に示したユーザ1の無線受信システムの構成は、図1に示した実施の形態1の無線受信システムの構成と基本的に同じである。
【0099】
次に、図8を参照して、実施の形態4によるウェイト更新処理について説明する。なお、図8に示したフロー図は、パス多重接続している複数のユーザのうちの特定のユーザ、たとえばユーザ1からの受信信号に対するウェイト更新処理を示すものである。
【0100】
まず、ステップS20においてユーザ番号iを1人目のユーザ1に設定する。そして、ステップS21において当該ユーザの推定されたフェージング速度FD[i]が所定の閾値よりも遅いか否かが判断される。ステップS21において遅いと判断されるかぎり、ステップS23でユーザ番号iをインクリメントしながら、ステップS22において最終のユーザに到達したことが判断されるまで、ステップS21の判断が繰返し実行される。
【0101】
ここで、ステップS21において、あるユーザiの受信信号のフェージング速度FD[i]が所定の閾値よりも遅くないと判断されると、もはやその他のユーザについてはステップS21の判断は行なわず、図8のフロー図の対象であるユーザ1のウェイト更新処理はステップS1に進むことになる。そして図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が受信信号の各フレームごとに実行される。これらのステップS1〜S7については図16を参照してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0102】
このように1人のユーザiのフェージング速度が速かった場合、上述のユーザ1に限らず、当該基地局にパス多重接続している各ユーザは同様に、ステップS1〜S7のウェイト更新処理を実行することになる。
【0103】
一方、ステップS21〜S23の処理の結果、パス多重接続しているすべてのユーザのフェージング速度FDが閾値よりも遅いと判断されると、すべてのユーザのウェイト更新回数は、数フレームに1度に削減される。
【0104】
たとえば、図8のユーザ1の場合、ステップS24において、図7のメモリ15のテーブルの内容から当該フレームがウェイト更新を実行するフレームであるか否かについて判断する。その判断方法については、実施の形態1の図2のステップS11およびS12に関して詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。ただし、この実施の形態4では、メモリ15のテーブルから更新ステップ数を読み出すためのフェージング速度FDとしては、すべてのユーザのフェージング速度のなかで最も速いフェージング速度FDを用いるものとする。
【0105】
ステップS25において、当該フレームがウェイト更新処理を実行すべきフレームであることが判断されれば、ステップS1〜S7のウェイト更新処理が実行され、そうでなければ、当該フレームの処理を終了する。
【0106】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、パス多重接続している全ユーザの推定されたフェージング速度が遅い場合にはウェイト自体にはそれほど大きな変動はないものと判断し、各ユーザごとに所定のフレーム数ごとに1フレームの割合でウェイト更新処理を間引いて実行することにより、ウェイト更新処理のためのDSPの計算処理量を大幅に削減することができる。また、1人でもフェージング速度が所定値以上に速いユーザが存在するときは、各ユーザについて従来通り各フレームごとにウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0107】
[実施の形態5]
図9は、この発明の実施の形態5によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図10は、この発明の実施の形態5によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0108】
この実施の形態5は、上述の実施の形態4と同様に、複数のユーザの移動端末装置からのチャネルが基地局にパス多重接続されている場合を想定したものである。そして、パス多重接続している複数のユーザの全員について、それぞれのフェージング速度を推定し、全員のフェージング速度が所定の閾値よりも遅い場合に限り、前述の実施の形態2と同様に、計算処理量の少なくてすむLMSアルゴリズムのみを使用することによって、DSPの計算処理量の削減を図るものである。
【0109】
まず、図9は、図7と同様に、2系統の無線受信システムのうちユーザ1に対応する構成のみを示しており、他のユーザに対しても同じ構成の無線受信システムが設けられている。また、図9に示したユーザ1の無線受信システムの構成は、図3に示した実施の形態2の無線受信システムの構成と基本的に同じである。
【0110】
次に、図10を参照して、実施の形態5によるウェイト更新処理について説明する。なお、図10に示したフロー図は、パス多重接続している複数のユーザのうちの特定のユーザ、たとえばユーザ1からの受信信号に対するウェイト更新処理を示すものである。
【0111】
図10において、ステップS21〜S23は、図8の実施の形態4のステップS21〜S23と同じであり、ステップS21において、あるユーザiの受信信号のフェージング速度FD[i]が所定の閾値よりも遅くないと判断されると、もはやその他のユーザについてはステップS21の判断は行なわず、図10のフロー図の対象であるユーザ1のウェイト更新処理はステップS1に進むことになる。そして図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が受信信号の各フレームごとに実行される。これらのステップS1〜S7については図16を参照してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0112】
なおこのように1人のユーザiのフェージング速度が速かった場合、上述のユーザ1に限らず、当該基地局にパス多重接続している各ユーザは同様に、ステップS1〜S7のウェイト更新処理を実行することになる。
【0113】
一方、ステップS21〜S23の処理の結果、パス多重接続しているすべてのユーザのフェージング速度FDが閾値よりも遅いと判断されると、すべてのユーザのウェイト更新は、処理量の少ないLMSアルゴリズムのみを用いて行なわれることになる。
【0114】
すなわち、この場合には、参照信号区間であるか否かには関わりなく、ステップS13において、メモリ16に保持されている前フレームのウェイトを用いてウェイト初期値を設定する。そしてその後は、ステップS14において1シンボル目に設定された時刻(シンボル)tを、ステップS17でインクリメントしながら、ステップS16において最終シンボルに到達したことが判断されるまで、ステップS15においてLMSアルゴリズムのみによるウェイト更新処理が繰返し実行される。LMSアルゴリズムの詳細については、図17に関連してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0115】
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、パス多重接続している全ユーザの推定されたフェージング速度が遅い場合にはウェイト自体にはそれほど大きな変動はないものと判断し、各ユーザごとに計算処理量の比較的少ないLMSアルゴリズムのみを用いてウェイト更新処理を実行することにより、ウェイト更新処理のためのDSPの計算処理量を大幅に削減することができる。また、1人でもフェージング速度が所定値以上に速いユーザが存在するときには、各ユーザについて従来通り各フレームごとにRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムを組み合わせてウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0116】
[実施の形態6]
図11は、この発明の実施の形態6によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図12は、この発明の実施の形態6によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0117】
アダプティブアレイ処理では、所望のユーザの移動端末装置からの電波(所望波)の到来方向に対する干渉波の到来方向の影響、所望波と干渉波との受信電力の差、などの種種の要因により、所望波を正確に抽出できない場合、すなわち受信エラーが発生する場合がある。このような受信エラーの代表的なものとして、CRC(Cyclic Redundancy Check)エラー、UW(Unique Word)エラーなどがある。
【0118】
一般的に、理想的なウェイトは変動するものであるが、この発明の実施の形態6では、受信エラーが発生するほどウェイト誤差が広がるまでウェイトの更新処理を行なわないことにより、DSPの計算処理量の削減を図るものである。
【0119】
図11を参照して、実施の形態6によるアダプティブアレイ処理は、以下の点を除いて、図15の従来のアダプティブアレイ処理と同じである。
【0120】
すなわち、抽出された受信信号Y(t)に基づいて、受信エラーの有無を判定し、その結果をウェイト計算制御装置13に知らせる受信エラー検出装置17が設けられている。なお、受信エラーの判定方法は周知であり、たとえばPHSの規格書であるRCR STD−28などに詳細に開示されているので、ここでは説明を省略する。
【0121】
次に、図12を参照して、実施の形態6によるウェイト更新処理について説明する。まず、ステップS30において、上述の周知の方法により受信エラーの発生の有無が判定される。受信エラーが発生していなければ、当該フレームにおいてウェイト更新処理を行なうことなく処理を終了する。
【0122】
一方、ステップS30において受信エラーの発生が判定されれば、ステップS1に進み、図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が受信信号の各フレームごとに実行される。これらのステップS1〜S7については図16を参照してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0123】
以上のように、この発明の実施の形態6によれば、受信エラーが検出されない場合には、ウェイト更新処理を行なわないことにより、DSPの計算処理量を大幅に削減することができる。また、一旦受信エラーが検出されると、従来通り各フレームごとにウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0124】
[実施の形態7]
図13は、この発明の実施の形態7によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、図14は、この発明の実施の形態7によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【0125】
この発明の実施の形態7は、上述の実施の形態6と同様に受信エラーの有無を検出し、受信エラーが発生するまでは、計算処理量の少なくてすむLMSアルゴリズムのみを使用することによって、DSPの計算処理量の削減を図るものである。
【0126】
図13を参照して、実施の形態7によるアダプティブアレイ処理は、以下の点を除いて、図11の実施の形態6のアダプティブアレイ処理と同じである。すなわち、ウェイトベクトル計算機10で計算されたウェイトベクトルW(t)は、メモリ16に保持され、前フレームのウェイトとしてウェイト計算機10に与えられる。
【0127】
次に、図14を参照して、実施の形態7によるウェイト更新処理について説明する。まず、ステップS30において、上述の周知の方法により受信エラーの発生の有無が判定される。受信エラーが発生していなければ、処理量の少ないLMSアルゴリズムのみを用いたウェイト更新が実行される。
【0128】
すなわち、この場合には、参照信号区間であるか否かには関わりなく、ステップS13において、メモリ16に保持されている前フレームのウェイトを用いてウェイト初期値を設定する。そしてその後は、ステップS14において1シンボル目に設定された時刻(シンボル)tを、ステップS17でインクリメントしながら、ステップS16において最終シンボルに到達したことが判断されるまで、ステップS15においてLMSアルゴリズムのみによるウェイト更新処理が繰返し実行される。LMSアルゴリズムの詳細については、図17に関連してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0129】
一方、ステップS30において受信エラーの発生が判定されれば、ステップS1に進み、図16の従来方法に関連して説明したステップS1〜S7の処理が受信信号の各フレームごとに実行される。これらのステップS1〜S7については図16を参照してすでに詳細に説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0130】
以上のように、この発明の実施の形態7によれば、受信エラーが検出されない場合には、計算処理量の比較的少ないLMSアルゴリズムのみを用いてウェイト更新処理を実行することにより、DSPの計算処理量を大幅に削減することができる。また、一旦受信エラーが検出されると、従来通り各フレームごとにRLSアルゴリズムおよびLMSアルゴリズムを組み合わせてウェイト更新を実行するので、伝搬路特性に変動があるときでも理想的なウェイトを目指した更新処理を行なうことができる。
【0131】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、フェージング速度の高低や受信エラーの有無などの受信信号の伝搬路特性に応じて最も効率的にウェイト更新回数およびウェイト更新アルゴリズムを選択し実行しているので、ウェイト更新のためのDSPの計算処理量を大幅に削減することができ、ひいては基地局側の無線受信システムの低消費電力化、筐体サイズの小型化、製造コストの低価格化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図5】 この発明の実施の形態3によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態3によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図7】 この発明の実施の形態4によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態4によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図9】 この発明の実施の形態5によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態5によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図11】 この発明の実施の形態6によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態6によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図13】 この発明の実施の形態7によるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態7によるウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図15】 従来のアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図16】 従来のウェイト更新処理を示すフロー図である。
【図17】 図16の処理のアルゴリズムを詳細に示すフロー図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 アンテナ、5,6,7,8 乗算器、9 加算器、10 ウェイト計算機、11,15 メモリ、12,16 カウンタ、13 ウェイト計算制御装置、14 フェージング速度推定装置、17 受信エラー検出装置。
Claims (6)
- 複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムであって、
前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定する推定および判定手段と、
所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、
前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、
所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、
前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ前記受信した信号のフレームごとに前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ前記受信した信号の所定のフレーム数ごとに1フレームの割合で前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させるウェイト更新制御手段とをさらに備える、無線受信システム。 - 前記ウェイト更新制御手段は、予め経験的に決定されたフェージング速度と前記所定のフレーム数との対応関係に基づいて、前記推定および判定手段によって推定された前記所望の移動端末装置のフェージング速度に対応して前記所定のフレーム数を決定する、請求項1に記載の無線受信システム。
- 複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムであって、
前記移動端末装置からの信号は、所定の区間ごとに所定の参照信号を有し、前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定する推定および判定手段と、
所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、
前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、
前記所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、
前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ、前記受信した信号のうち前記参照信号ありの区間では前記ウェイト更新手段にRLSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記受信した信号のうち前記参照信号なしの区間では前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ、参照信号区間か否かに関わらず前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させるウェイト更新制御手段とをさらに備える、無線受信システム。 - 複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムにおけるウェイト更新方法であって、
前記無線受信システムは、所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、
前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、
所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、
前記ウェイト更新方法は、
前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定するステップと、前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ前記受信した 信号のフレームごとに前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ前記受信した信号の所定のフレーム数ごとに1フレームの割合で前記ウェイト更新手段にウェイトを更新させるステップとを備える、ウェイト更新方法。 - 前記ウェイトを更新するステップは、予め経験的に決定されたフェージング速度と前記所定のフレーム数との対応関係に基づいて、前記推定された前記所望の移動端末装置のフェージング速度に対応して前記所定のフレーム数を決定する、請求項4に記載のウェイト更新方法。
- 複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置からの信号をパス多重受信する無線受信システムにおけるウェイト更新方法であって、前記移動端末装置からの信号は、所定の区間ごとに所定の参照信号を有し、
前記無線受信システムは、
所望の移動端末装置から受信した信号のウェイトを更新するウェイト更新手段と、
前記更新されたウェイトと前記受信した信号との積和演算を行ない、その結果を前記所望の移動端末装置からの信号として出力する演算手段と、
前記所定の参照信号を記憶した記憶手段とを備え、
前記ウェイト更新手段は、前記積和演算の結果と前記記憶されている参照信号との誤差を減少させるようにウェイトを更新し、
前記ウェイト更新方法は、
前記複数の移動端末装置のフェージング速度を推定し、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が所定値よりも遅いか否かを判定するステップと、
前記複数の移動端末装置の少なくとも一つのフェージング速度が所定値よりも遅くなければ、前記受信した信号のうち前記参照信号ありの区間では前記ウェイト更新手段にRLSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記受信した信号のうち前記参照信号なしの区間では前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させ、前記複数の移動端末装置のすべてのフェージング速度が前記所定値よりも遅ければ、参照信号区間か否かに関わらず前記ウェイト更新手段にLMSアルゴリズムを用いてウェイトを更新させるステップとを備える、ウェイト更新方法。
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