JP3682104B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体からの超音波の受信信号のスペクトラムを変形して画質の向上を図った超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波の生体内での周波数依存減衰に伴う受信信号の劣化を補正し、画質の向上を図った超音波診断装置として、特公昭59−41731号に記載されているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、高空間分解能であれば高画質が得られるが、空間分解能のうち方位方向の分解能は中心周波数に比例してよくなり、距離方向の分解能は帯域幅に比例してよくなることが知られている、
ここで、高画質を得るために広帯域駆動された超音波の受信信号は、生体内での周波数依存減衰により、被検体の深層部になればなるほどその中心周波数は減少し、また狭帯域化してしまう(図8参照)。
【0004】
この問題に対して、上記の従来例は、受信信号の高周波成分を深さに応じて逐次強調するように補正する手段を有する。ここでこの従来例にも以下の問題がある。
【0005】
受信信号の周波数特性は、プローブ単体の周波数特性と生体の周波数依存減衰特性とによって決まる。ここで、生体の周波数依存減衰は深さに従って著しく変化していること、およびプローブ単体の周波数特性が必ずしも単純な形状をしていないことにより、超音波診断装置内で実際に得られる受信信号の周波数特性(以下、スペクトラムと称する)は、深さやプローブの設定によって非常に複雑な形状となる。一方、従来例ではこのような複雑な変化を受けた受信信号に対して、単純に高周波成分のみが減衰しているという仮定に基づいて、その高周波成分を補正しようとしているために、必ずしも最適な補正の効果が得られるとは限らない。
【0006】
本発明はこのような従来の超音波生体減衰補正法の問題点に鑑みて創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、生体内で複雑な変化を受けた受信信号のスペクトラムを、あらかじめ規定した最適なスペクトラムになるように変形することで、従来よりも最適な補正を実施して画質の良い超音波診断装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び図面によって明らかとなるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による超音波診断装置は、超音波プローブと、前記超音波プローブを駆動して被検体中に超音波を送信する送信手段と、前記超音波の前記被検体による反射波を前記超音波プローブで受信して電気信号として取り出す受信手段と、前記受信手段から出力される受信信号のスペクトラムを期待スペクトラムに近似させて距離分解能の劣化を軽減するために、前記期待スペクトラムと、深さ毎の平均的な入力スペクトラムとに基づいてフィルタ特性が深さ毎に決定されているFIR型のディジタルフィルタと、前記ディジタルフィルタの出力について超音波の画像を生成するための処理を行う画像生成手段と、前記画像を表示する手段とを具備したことを要部とする。
【0008】
ここで、スペクトラム変形手段は、深さ毎にあらかじめ規定された所定のスペクトラム形状になるように受信信号スペクトラムを変形させる。従って、単純に高周波成分を強調する従来に比べて、最適な補正を実施することが可能となり、深部でも画質が向上される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に本実施の形態による超音波診断装置の構成を示す。システムコントローラー0は本システム全体の動作に必要とされる全ての制御を司る。超音波プローブ1は、複数の微小圧電素子が先端に配列されているアレイ型プローブであり、セクタスキャン用、リニアスキャン用、他のスキャン用のいずれのタイプであってもよい。
【0010】
送信系2は、クロック発生器、レートパルス発生器、送信遅延回路、パルサを有する。クロック発生器はクロックパルスを発生する。レートパルス発生器は、クロックパルスを分周し、例えば5KHzのレートパルスを発生する。このレートパルスはチャンネル数分に分配され、送信遅延回路に送られる。送信遅延回路は、チャンネル毎に個々に設けられる。送信遅延回路は、超音波をビーム状に集束し、且つ超音波ビームを予定の方向に振るために必要な遅延時間をチャンネル毎に与える。パルサは、チャンネル毎に個々に設けられる。パルサは、同じチャンネルに対応する送信遅延回路からレートパルスをトリガ信号として入力し、高周波の電圧パルスを対応するチャンネルの圧電素子に出力する。電圧パルスが供給された圧電素子は、超音波パルスを発生する。各圧電素子から発生された超音波は、遅延時間の差異に対応する向きに超音波ビームとして集束する。
【0011】
超音波は、被検体内の音響インピーダンスの境界で反射する。反射波は超音波プローブ1で電気信号に変換される。超音波プローブ1で変換された電気信号は、受信系3に取り込まれる。受信系3としては、特公平6−14934号に記載される構成例のようなディジタルシームフォーマが好適であり、この場合、ディジタル化(深さ方向にサンプリング)された受信信号を出力する。受信系3は、プリアンプ、受信遅延回路、加算器を含む。超音波プローブ1で変換された電気信号は、プリアンプを介して受信遅延回路に送り込まれる。受信遅延回路では受信波を集束し、且つ予定の方向からの反射波成分を強調するために必要な遅延時間がチャンネル毎に与えられる。遅延時間が与えられた電気信号は加算器で加算される。これにより受信信号が生成される。
【0012】
受信系3で生成された受信信号は、スペクトラム処理制御部8による制御を受けるスペクトラム処理部7を介して、検波器4に送られる。検波器4は、スペクトラム処理部7からの出力信号を検波する。検波器4から出力される検波信号は、ログ圧縮器5を介して表示ユニット6に送られ、組織断層像(Bモード画像)として表示される。
【0013】
スペクトラム処理部7と、スペクトラム処理制御部8とは、本発明の特徴的な構成要素であり、以下に、これらの詳細を説明する。
ここで、以下で取り扱うスペクトラム特性について簡単にふれておく。図7に示すように、縦軸が振幅を示し、各々の最大値で規格化した[dB]表示となっている。横軸は周波数を示す。また、dは深さを示す。
図2(a)は、スペクトラム処理部7の1つの構成例を示す。この構成の場合、一般的なFIR(finite impulse responcs) 型ディジタルフィルタ7−1によってスペクトラム形状の変形を実現するのが好適である。以下、このフィルタをエコーフィルタと称する。
【0014】
エコーフィルタ7−1は、深さ方向にサンプリングされた受信信号f(d)を順次ラッチするN−1個のデータラッチ7−1−D1 ,7−1−D2 ,・・・7−1−DN-1 と、N個の係数乗算器7−1−M1 ,7−1−M2 ,・・・7−1−MN と、加算機7−1−Aとから構成される。
【0015】
本エコーフィルタの構成の場合、スペクトラム処理制御部8は、図2(b)に示すような係数記憶部8−1として実現するのが好適である。係数記憶部8−1は、ROMやRAMといった記憶装置で構成され、システムコントローラー0の制御に基づき、受信信号の深さdに応じて、各深さ毎にあらかじめ記憶されていた任意のN個の係数列hj(k,d)を発生する。ここで、システムコントローラー0は、特に図示しないが、例えば、操作卓上に設置された係数制御スイッチ乃至プローブ情報テーブル(超音波プローブの種類を表す情報のテーブル)を記憶したROMといった係数列変更手段と接続されており、これらの係数列変更手段の設定に対応して上述の係数記憶部8−1の制御を実施するようにする。すなわち、係数制御スイッチの設定や、動作可能となっている超音波プローブの種類に対応して、係数記憶部8−1に記憶されていた任意のN個の係数列hjがh1(k,d),h2(k,d),…hl(k,d)の中から選択される。これらの係数列の特性は、以下に示すフィルタ特性算出法によって決定されている。
【0016】
以上のような構成で、(1)式に示した係数の畳み込み演算を実施する(図9参照)。これにより本構成では、時間軸上の演算によって所望のスペクトラム変形を受けた信号gが得られる。
【0017】
【数1】
【0018】
ここで、最適な所定のスペクトラム波形に変形するためのフィルタ特性算出法の一例について以下に説明する。
基本的な考え方は、従来の「ある決まったタイプ(ここでいうタイプとは低域阻止域とか帯域通過域、ないし従来例に記した高域強調型といったものをさす)のフィルタ特性を与え、結果として信号のスペクトラムが得られる」というものではなく、「フィルタの出力において得られるスペクトラムを仕様として与え、そのスペクトラムを得るためのフィルタ特性を、出力スペクトラム期待値と、入力スペクトラムとの両方を用いて決定する」というものである。具体例としては、式(2)に示したように出力スペクトラム期待値と入力スペクトラムの比としてフィルタ特性を算出する。
【0019】
【数2】
【0020】
入力スペクトラムとして、各々周波数特性の異なる超音波プローブ毎に、平均的な被検体の減衰特性を与えた時に各深さ毎に得られるスペクトラムを用いるのが好適である。このような入力スペクトラムは、例えば実際に平均的な被検体や、被検体を模擬したファントムから受信信号を得て規定する方法が考えられる。また、超音波プローブの周波数特性と生体減衰の深さ応答を式で与えて、計算機で演算して規定する方法も考えられる。
【0021】
本発明では、フィルタの出力において得られるスペクトラムを仕様として与えるので、この出力スペクトラム期待値の仕様が、得られる画質を左右する。これは期待される出力スペクトラムを上手に与えることで、最適な画質を得ることが可能であることを意味している。本発明では、最適な所定のスペクトラム期待値の一例として、(3)式で与えられるガウス関数を用いることを特徴とする。ガウス関数は、(4)式に示すように、周波数軸においても時間軸においてもガウス型の形状が維持されることが知られている。
【0022】
【数3】
【0023】
従って、フィルタの出力において得られるスペクトラムをガウス型にすれば、フィルタ出力結果で得られる時間特性もガウス型となり、フィルタのインパルス応答によって時間特性すなわち距離分解能が劣化することが軽減されるので、高画質化の観点から好適な関数となり得る。ガウス関数を用いた出力スペクトラム期待値の一例を、図10に示した。
【0024】
ここで、超音波プローブの周波数特性が必ずしも単峰性でないことや、生体減衰の分散性のために、上述のようにして決定されるフィルタ特性は、一般的な単峰性を有することはまれで、複雑な多峰性を有する特性が深さ毎に刻々と変化することも本発明の特徴である。図8に示す受信信号スペクトラムと、図10に示した出力スペクトラム期待値とから得られたフィルタのスペクトラム特性の一例を図11に示す。
【0025】
また、このような複雑な周波数特性をフィルタで実現するためには、アナログフィルタで構成するのは望ましくなく、ディジタルフィルタで実現することもまた、本発明の特徴である。
【0026】
フィルタをFIR型で構成するのが好適である理由は、フィルタ特性を深さ毎に刻々と変化させた際のフィルタの過渡応答が、IIR型よりも小さく抑えることが容易なためである。
【0027】
次に、(2)式で算出されたフィルタの周波数特性F(w,d)(w=1,2,…M)から、N個の係数例h(k,d)を得るには、F(w,d)を逆フーリエ変換した後、必要なN個のインパルス系列を係数列として取り出せば良い。但し、この方法で得られるインパルス系列は、F(w,d)が中心対称となるとは限らないため、直線位相特性が得られにくい。そこで、直線位相特性を確保して、波形歪みを極力軽減するために、F(w,d)の中心から片側の周波数特性のみが有効となるように設定し、この特性を中心対称に折り返したF’(w,d)を逆フーリエ変換した後、必要なN個のインパルス系列を係数列として取り出す方法も考えられる。図8の受信信号スペクトラムに対して、このようにして得られた出力スペクトラムの一例を、受信信号スペクトラムと共に図12(a),(b)に示した。
【0028】
もちろん、このような前処理をせずに、F(w,d)をそのまま逆フーリエ変換した後に取り出したN個のインパルス系列を用いてフィルタ処理を実施する方法も考えられる。このようにして得られる係数列は、一般に複素数となるので、図6に示すような複素型のフィルタ構成にすれば、本方法の実現が可能である。上記のF’(w,d)を用いた係数列では、中心から片側しか出力スペクトラム期待値と合致しないが、本複素型のフィルタ構成では両側の出力スペクトラム期待特性を再現するので、信号帯域外の不要なノイズ成分をより多く除去することが出来、S/Nの面で有利となる。所望のスペクトラム変形を受けた信号g(d)を(5)式に示す。
【0029】
【数4】
【0030】
以上の構成例では、時間軸の演算によってスペクトラムの変形を実施しているが、これを周波数軸上で実施してもよい。以下に、周波数軸上での構成例を示す。
【0031】
図3(a)は、スペクトラム処理部7の他の構成例を示す。この構成の場合、周波数イコライザ7−2によってスペクトラム形状の変形を実現する。以下、この周波数イコライザを、エコーイコライザと称する。
【0032】
エコーイコライザ7−2は、深さ方向にサンプリングされた受信信号f(d)を一時記憶する信号メモリ7−2−M1 と、この信号メモリ7−2−M1 に記憶された受信信号f(d)をM個の塊毎に順次読み出して、フーリエ変換処理を行うFFT処理部7−2−Fと、FFT処理結果のF(w,d)に対してM個の各周波数に応じて必要なゲインを与えるイコライザ7−2−Eと、イコライザ処理結果のM個の周波数データG(w,d)を一時記憶する信号メモリ7−2−M2 と、この信号メモリ7−2−M2 に記憶された周波数データG(w,d)をM個の塊毎に順次読み出して、逆フーリエ変換処理を行う逆FFT処理部7−2−Iとから構成される。尚、本エコーイコライザ7−2の構成は、演算の高速化のために、ASICで実現されるのが好適である。
【0033】
このようなエコーイコライザ構成の場合、スペクトラム処理制御部8は、図3(b)に示すような周波数特性記憶部8−2として実現するのが好適である。周波数特性記憶部8−2は、ROMやRAMといった記憶装置で構成され、システムコントローラー0の制御に基づき、受信信号の深さdに応じて、各深さ毎にあらかじめ記憶されていた任意のM個の周波数特性列Hj(w,d)を発生する。
【0034】
ここで、上述と同様の制御を実施することにより、係数制御スイッチの設定や、動作可能となっている超音波プローブの種別に対応して周波数特性記憶部8−2に記憶されていた任意のM個の周波数特性列Hjが、H1(w,d),H2(w,d),…Hl(w,d)の中から選択される。
【0035】
以上のような構成で、(6)式に示した周波数特性の乗算を実施する。これにより本構成では、周波数軸上の演算によって所望のスペクトラム変形を受けた信号g(d)が得られる。
【0036】
【数5】
【0037】
本構成においても、上述の時間軸での構成で説明したのと基本的に同じ原理と特徴を持って、スペクトラムの変形が達成される。上述の時間軸での構成の説明における「フィルタ」を、「イコライザ」に読み替えれば理解される。本構成は、上記時間軸の構成よりも複雑となるが、スペクトラム上で直接的に変形を行うことが出来ることが上記時間軸の構成に対する利点である。
【0038】
これまでの構成は、基本的にあらかじめ規定した平均的な受信信号スペクトラムによって得られたスペクトラム変形特性を用いている。従って、個体差によって平均からずれた被検体の場合には、出力スペクトラムも最適ではなくなる。この問題の対策の一つとして、同一の超音波プローブにおいて複数のスペクトラム変形特性を有し、上述の実施の形態で説明したような、操作卓に設置された係数制御スイッチを用いて、検査者が最適な変形特性を選択する方法が考えられる。
【0039】
また、別の対策としては、適応型の処理によって逐次受信信号のスペクトラムを演算し、各被検体に応じて最適な変形特性を自動的に与える構成も考えられる。本構成は、上述したエコーフィルタ構成や、エコーイコライザ構成のどちらでも実施可能であるが、以下では、エコーイコライザ構成を例にとって説明する。
【0040】
図4(a)は、適応型処理を実施するためのスペクトラム処理部7の別の構成を示す。基本的構成と動作は図3で説明したものと重複する部分は省略する。本構成で特徴となるのは、周波数特性演算部7−3と、周波数特性一時記憶部8−3であり、この動作を説明する。図4(b)は、周波数特性記憶部8−2の構成を示す。
【0041】
周波数特性演算部7−3は、F(w,d)と、Hj(w,d)とを入力とし、最適なスペクトラム変形特性H’(w,d)を(8)式に従って演算し出力する。演算されたスペクトラム変形特性H’(w,d)を(7)式に示す。
【0042】
【数6】
【0043】
尚、本構成では、周波数特性記憶部8−2に記憶されているHj(w,d)が、出力スペクトラム期待値であることが、これまでの説明と異なる。
H’(w,d)=Hj(w,d)/F(w,d) …(8)
周波数特性演算部7−3で演算されたスペクトラム変形特性H’(w,d)は、周波数特性一時記憶部8−3に一時記憶され、イコライザ7−2−Eは周波数特性一時記憶部8−3から最適なスペクトラム変形特性であるH’(w,d)を読み出して、スペクトラムの変形を実施する。ここで、必要に応じて(被検体や対象部位の変化があった時が好適)、周波数特性演算部7−3での演算を逐次実施して、周波数特性記憶部8−2に随時記憶し直せば、適応型の処理が実現される。
【0044】
以上説明したように本発明によれば、各深さにおいて受信信号を最適なスペクトラムに変形して空間分解能の向上をはかったので、各深さで解像度の優れた最適な画像が得られる。従って、従来から画質劣化が大きかった深部領域はもちろん、浅部領域においても従来より解像度の優れた画像を得ることが可能となり、有効性の高い診断結果を得ることができる超音波診断装置を提供することが出来る。
【0045】
本発明の構成は上述してきたような実施の形態だけにとどまらず、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形例が得られることは言うまでもない。
例えば従来から用いられているアナログビームフォーマを有する超音波診断装置にも、本発明は適応される。この場合、上述の実施の形態では図1の受信系3に含まれていたA/D変換器が、後段のブロックに含まれるため、スペクトラム処理部7の入力はアナログの信号となる。従って、スペクトラム処理部7の入力側にA/D変換器を具備し、スペクトラム処理部7として上記で説明した種々の構成のいずれかを用いることで本発明が実現される。本変形例における超音波診断装置の2種の構成例を、A/D変換器の位置に着目して、図5(a),(b)に示す。
【0046】
【発明の効果】
本発明による超音波診断装置は、超音波プローブと、前記超音波プローブを駆動して被検体中に超音波を送信する送信手段と、前記超音波の前記被検体による反射波を前記超音波プローブで受信して電気信号として取り出す受信手段と、前記受信手段から出力される受信信号のスペクトラムを期待スペクトラムに近似させて距離分解能の劣化を軽減するために、前記期待スペクトラムと、深さ毎の平均的な入力スペクトラムとに基づいてフィルタ特性が深さ毎に決定されているFIR型のディジタルフィルタと、前記ディジタルフィルタの出力について超音波の画像を生成するための処理を行う画像生成手段と、前記画像を表示する手段とを具備したことを要部とする。
【0047】
ここで、スペクトラム変形手段は、深さ毎にあらかじめ規定された所定のスペクトラム形状になるように受信信号スペクトラムを変形させる。従って、単純に高周波成分を強調する従来に比べて、最適な補正を実施することが可能となり、深部でも画質が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る超音波診断装置の構成を示す図。
【図2】図1のスぺクトラム処理部の一構成例を示す図。
【図3】図1のスペクトラム処理部の他の構成を示す図。
【図4】図1のスペクトラム処理部のさらに他の構成を示す図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る超音波診断装置の構成を示す図。
【図6】複索型のフィルタの一構成例を示す図。
【図7】スペクトラム特性の説明図。
【図8】代表的な深さでの受信信号スぺクトラム特性例を示す図。
【図9】本発明におけるスペクトル変形手段の特性算出法の一例の説明図。
【図10】本発明における出力スペクトラムの期待値の一例を示す図。
【図11】代表的な深さでのスペクトル変形手段の特性の一例を示す図。
【図12】出力スペクトラムの一例を受信信号スペクトラムと共に示す図。
【符号の説明】
1…プローブ、
2…送信系、
3…受信系、
4…検波器、
5…ログ圧縮器、
6…表示ユニット、
7…スペクトラム処理部、
8…スペクトラム処理制御部、
0…システムコントローラー、
7−1…エコーフィルタ部、
7−2…エコーイコライザ部、
7−3…周波数特性演算部、
8−1…係数記憶部、
8−2…周波数特性記憶部、
8−3…周波数特性一時記憶部。
Claims (6)
- 超音波プローブと、
前記超音波プローブを駆動して被検体中に超音波を送信する送信手段と、
前記超音波の前記被検体による反射波を前記超音波プローブで受信して電気信号として取り出す受信手段と、
前記受信手段から出力される受信信号のスペクトラムを期待スペクトラムに近似させて距離分解能の劣化を軽減するために、前記期待スペクトラムと、深さ毎の平均的な入力スペクトラムとに基づいてフィルタ特性が深さ毎に決定されているFIR型のディジタルフィルタと、
前記ディジタルフィルタの出力について超音波の画像を生成するための処理を行う画像生成手段と、
前記画像を表示する手段とを具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記ディジタルフィルタの周波数特性が、フィルタ入力での平均的な信号スペクトラムとフィルタ出力での所定の信号スペクトラム期待値とにより決定されることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記ディジタルフィルタの周波数特性が多峰性であることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記ディジタルフィルタの周波数特性を前記超音波プローブ毎に切り換える手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記フィルタ入力での信号スペクトラムを逐次演算するスペクトラム演算手段と、前記スペクトラム演算手段により得られる信号スペクトラムとフィルタ出力での所定の信号スペクトラム期待値とにより前記ディジタルフィルタの周波数特性を逐次決定する手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
- 前記フィルタ出力での所定の信号スペクトラム期待値としてガウス関数を用いることを特徴とする請求項2又は請求項5記載の超音波診断装置。
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