JP3681929B2 - レゾネータ装置、圧電共振装置およびその製造方法 - Google Patents

レゾネータ装置、圧電共振装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゾネータ装置、圧電共振装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電共振装置の一例としてのレゾネータ装置は、各種の電子機器において、クロック信号発生用の発振回路などとして用いられている。一般に、レゾネータ装置は、圧電素子とコンデンサ素子とを具備し、これらが発振回路を構成するように、入出力用リード端子および接地用リード端子が接続してある。圧電素子とコンデンサ素子とは、エポキシ樹脂などで構成される封止樹脂により一体的に被覆してある。
【0003】
このようなレゾネータ装置に用いられる従来例に係る入出力用リード端子としては、たとえば実開昭63−131414号公報に示すリード端子が知られている。この公報に示すリード端子は、金属薄板を短冊状に打ち抜き成形し、切り込み加工および折り曲げ加工を経て製造される。
【0004】
この公報に示すリード端子では、その製造のための加工工数が多いという課題を有する。また、このリード端子では、圧電素子の端部を互い違いに両面から保持する構造であるため、圧電素子の振動部の面積が狭められ、その保持のために必要な面積分だけ、圧電素子の縦幅を長くする必要があり、レゾネータ装置の小型化の要請に反する。
【0005】
その他の従来例に係るリード端子としては、実開平3−421号公報に示すリード端子が知られている。この公報に示すリード端子は、金属薄板をT字形状に打ち抜き成形し、端部をU字形状に折り曲げ加工して製造される。
【0006】
この公報に示すリード端子では、製造のための加工工数が多いという課題を有する。また、このリード端子では、実開昭63−131414号公報に示すリード端子ほどではないが、やはり、圧電素子の端部を両面から保持する構造であるため、圧電素子の振動部の面積が狭められ、その保持のために必要な面積分だけ、圧電素子の縦幅を長くする必要があり、レゾネータ装置の小型化の要請に反する。
【0007】
また、実開昭63−131414号公報に示すように、従来のレゾネータ装置は、圧電素子とコンデンサ素子とを略平行に相対させて配置してあるが、このようなレゾネータ装置を温度変化の激しい環境下(たとえば車載用)で使用すると、発振動作不良が発生し易いという課題を有する。このような不都合を防止するためには、圧電素子とコンデンサ素子とを上下方向にずらして配置し、リード端子により接続固定すればよいことが確認されているが、その場合には、レゾネータ装置の小型化の要請に反することになる。
【0008】
さらに、従来のレゾネータ装置では、圧電素子の周囲を囲む封止樹脂に形成される振動空間の大きさは、圧電素子の周波数帯とは無関係に決定されており、良好な共振特性が得られないという課題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、製造が容易で、小型化を図ることが可能なレゾネータ装置およびその製造方法を提供することを第1の目的とする。
【0010】
本発明の第2の目的は、耐熱衝撃性に優れ、且つ小型化を図ることが可能なレゾネータ装置を提供することである。
【0011】
本発明の第3の目的は、共振特性を良好に保ち、且つ耐久性に優れたレゾネータ装置などの圧電共振部品およびその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るレゾネータ装置は、
圧電素子と、
前記圧電素子の端部を保持するテーパ状受け溝が上端部にプレス加工により形成された導電性線材から成るリード端子と、
前記リード端子の受け溝に前記圧電素子の端部が保持された状態で、前記リード端子の上端部外周部に接続され、前記圧電素子と共に共振回路を構成するコンデンサ素子とを有する。
【0013】
本発明の第1の観点に係るレゾネータ装置の製造方法は、
導電性線材から成るリード端子の端部に、プレス加工により、テーパ状受け溝を形成する工程と、
前記テーパ状受け溝の内部に圧電素子の端部を差し込み、圧電素子をリード端子で保持させる工程と、
前記圧電素子と共に共振回路を構成するコンデンサ素子の外部端子を、前記リード端子に接続する工程とを有する。
【0014】
本発明の第1の観点に係るレゾネータ装置およびその製造方法では、導電性線材の端部にプレス加工によりテーパ状受け溝を形成するため、リード端子の製造がきわめて容易になる。また、リード端子に形成されたテーパ状受け溝は、圧電素子の端部を必要最小限の面積で保持するため、圧電素子の有効振動面積を狭めることがなく、レゾネータ装置の小型化が容易である。
【0015】
好ましくは、前記テーパ状受け溝が、前記圧電素子の端部の厚みよりも広い横断面幅の開口部と、前記圧電素子の端部の厚みよりも狭い横断面幅の底壁とを有する。このようなテーパ状受け溝とすることで、多少厚みが異なる圧電素子の端部でも、テーパ状受け溝内に保持可能であり、リード端子部品の共通化を図ることができる。
【0016】
好ましくは、前記リード端子を構成する前記線材の横断面形状が、前記テーパ状受け溝が形成されていない部分で、略円形である。略円形断面の線材は、容易に入手しやすく、製造コストの低減に寄与する。
【0017】
好ましくは、前記テーパ状受け溝が、前記リード端子の上端部において、前記圧電素子の横幅以上の長さで、リード端子の長手方向に沿って形成してある。
【0018】
好ましくは、前記リード端子の長手方向の途中に、折り曲げ部が形成してある。リード端子の折り曲げ部は、リード端子を回路基板の取付孔に差し込む際のストッパとなり、回路基板からの圧電素子およびコンデンサ素子の高さを一定にすることができ、レゾネータ装置の特性の安定化に寄与する。
【0019】
好ましくは、前記リード端子の受け溝に前記圧電素子の端部が保持された状態で、前記圧電素子の表面に形成してある外部電極が、前記受け溝内の半田を介して前記リード端子に電気的に接続してある。受け溝内に半田ペーストを入れ、その後、受け溝内に圧電素子の端部を挿入し、熱処理することで、圧電素子の端部とリード端子との固定と、圧電素子の外部電極とリード端子との電気的接続とを同時に行うことができる。
【0020】
上記第2の目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るレゾネータ装置は、
圧電素子と、
前記圧電素子の端部を保持する導電性線材から成るリード端子と、
前記リード端子に前記圧電素子の端部が保持された状態で、前記リード端子の上端部に接続され、前記圧電素子と共に共振回路を構成するコンデンサ素子とを有するレゾネータ装置であって、
前記圧電素子を構成する圧電セラミックスの熱膨張係数と、前記コンデンサ素子を構成する誘電体セラミックスの熱膨張係数との差異が5ppm/°C以下である。
【0021】
好ましくは、前記圧電セラミックスが三成分系ジルコン・チタン酸鉛系のセラミックスであり、前記誘電体セラミックスが鉛系のセラミックスである。
【0022】
本発明の第2の観点に係るレゾネータ装置では、圧電素子を構成する圧電セラミックスの熱膨張係数と、コンデンサ素子を構成する誘電体セラミックスの熱膨張係数との差異が5ppm/°C以下であることから、装置の小型化に寄与すると共に、装置の耐熱衝撃性が向上する。すなわち、圧電素子とコンデンサ素子とを平行に配置することで、装置の小型化を図ることができる。また、この装置を温度変化の激しい場所に設置しても、圧電素子とコンデンサ素子との熱膨張差が少ないため、クラックなどが発生するおそれは少なく、耐久性に優れている。
【0023】
なお、本発明において、熱膨張係数(線膨張係数とも言う)の値は、−40°C〜+85°Cの環境下での値で判断される。
【0024】
上記第3の目的を達成するために、本発明に係る圧電共振装置は、
圧電素子と、
前記圧電素子の振動部の周囲に振動空間が形成されるように、前記圧電素子を覆う封止樹脂部とを有する圧電共振装置であって、
前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、前記圧電素子の周波数帯に対して所定の関係にあることを特徴とする。
【0025】
上記第3の目的を達成するために、本発明に係る圧電共振装置の製造方法は、圧電素子の周波数帯に応じて選択されたコテ先幅を持つコテを用いて、ワックスを前記圧電素子の所定部位に塗布する工程と、
前記ワックスが塗布された圧電素子の全体を封止樹脂で被覆する工程と、
前記封止樹脂を加熱し、封止樹脂を硬化させると共に、前記ワックスを封止樹脂中に吸収させ、前記封止樹脂内に振動空間を形成する工程とを有する。
【0026】
好ましくは、前記圧電素子の周波数帯が3MHzである場合に、前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、3.0±0.4mmであることが好ましい。また、前記圧電素子の周波数帯が4MHzである場合に、前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、2.7±0.4mmであることが好ましい。さらに、前記圧電素子の周波数帯が5〜6MHzである場合に、前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、2.4±0.4mmであることが好ましい。
【0027】
本発明に係る圧電共振装置およびその製造方法では、振動空間に接する圧電素子の表面の面積を、圧電素子の周波数帯に対して所定の関係に設定することで、圧電素子の共振特性を良好に保つことが可能になり、圧電素子および/または封止樹脂のクラックや損傷などを有効に防止することができる。また、本発明に係る圧電共振装置の製造方法では、共振特性が良好で耐久性に優れた圧電共振装置を、効率的に生産することができる。
【0028】
なお、本発明に係る圧電共振装置としては、レゾネータ装置に限らず、圧電共振フィルタなどの振動空間を持つ全ての装置が含まれる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明のその他の目的および特徴を、添付図面を参照して詳細に説明する。ここにおいて、
図1(A)は本発明の一実施形態に係るレゾネータ装置の要部概略斜視図、
図1(B)は図1(A)に示すレゾネータ装置の等価回路図、
図2は図1(A)に示すレゾネータ装置の概略断面図、
図3は図1(A)に示すレゾネータ装置の圧電素子とリード端子との接続部の詳細を示す要部断面図、
図4は圧電素子の概略斜視図、
図5はリード端子の製造過程を示す要部斜視図、
図6はレゾネータ装置の製造過程を示す概略図、
図7および図8は本発明のその他の実施形態に係るレゾネータ装置に用いるリード端子の斜視図である。
【0030】
第1実施形態
図1(A)に示すように、本実施形態に係るレゾネータ装置10は、略平行に配置された圧電素子1とコンデンサ素子2とを有する。圧電素子1とコンデンサ素子2とは、図1(B)に示すように、たとえばIC回路の発振回路を構成するように、一対の入出力用リード端子3および単一の接地用リード端子5が接続される。
【0031】
図1(A)および図2に示すように、圧電素子1、コンデンサ素子2およびリード端子3,5の上端部外周は、封止樹脂8で被覆してあり、圧電素子1の振動部の周囲に振動空間20が形成してある。封止樹脂8としては、特に限定されないが、たとえばエポキシ系樹脂などで構成される。
【0032】
一対の入出力用リード端子3の長手方向の途中(封止樹脂8から出た位置)には、外側に膨出する略U字形状の折り曲げ部4が形成してある。リード端子3の折り曲げ部4は、リード端子3の下端を回路基板(図示省略)の取付孔に差し込む際のストッパとなり、回路基板からの圧電素子1およびコンデンサ素子2の高さを一定にすることができ、レゾネータ装置10の特性の安定化に寄与する。
【0033】
接地用リード端子5の上端部には、段差部6が形成してあり、その段差部6の上に、コンデンサ素子2の中央部が保持される。段差部6は、封止樹脂8の内部に埋め込まれる。接地用リード端子5は、特に限定されないが、たとえば丸導線などの金属線で構成される。
【0034】
入出力用リード端子3は、たとえば円形断面の導電性線材で構成してあり、図1(A)および図3に示すように、その上端部には、テーパ状受け溝12が形成してある。本実施形態では、テーパ状受け溝12は、プレス加工の一種である突き押し成形により形成される。すなわち、図5に示すように、リード端子3となる丸棒線材の端部を、台座24に形成された断面半円状の溝部26内に設置し、線材の上から超鋼金型28の先端部を油圧プレス機構などで押し付けることにより、テーパ状受け溝12を形成する。なお、入出力用リード端子となる線材の材質は、接地用リード端子5の材質と同様な金属で構成される。
【0035】
図3に示すように、テーパ状受け溝12は、一対の傾斜側壁12aと、底壁12bとを有し、溝12の開口部の横断面幅W1は、圧電素子1の厚みT1よりも広く、底壁12bの横断面幅W2は、圧電素子1の厚みT1よりも狭くなっている。圧電素子1の厚みT1は、発振周波数により決定されるが、一般には、0.25〜0.39mm程度である。図4に示す圧電素子1の横幅W3は、一般には、0.5〜0.7mm程度である。また、圧電素子1の長さL1は、6.0〜6.5mm程度である。
【0036】
図3に示すように、溝12の開口部の横断面幅W1は、圧電素子1の厚みT1に対して、150〜200%程度の寸法であることが好ましく、溝12の底壁12bの横断面幅W2は、厚みT1に対して、0〜80%程度の寸法であることが好ましい。また、溝12の深さD1は、リード端子3を構成する線材の外径D0に対して、120〜140%程度の寸法であることが好ましい。リード端子3を構成する線材の外径D0は、プリント基板の端子取付孔の内径などに応じて決定される。
【0037】
溝12は、図5に示すように、リード端子3を構成する線材の長手方向に沿って形成してあり、その長さL2は、図4に示す圧電素子1の横幅W3以上の長さであり、好ましくは横幅W3の100〜150%の寸法である。
【0038】
図4に示すように、圧電素子1は、平板状の圧電基板11を有する。圧電基板11は、ジルコン・チタン酸鉛、チタン酸鉛などで構成される。この基板11の両面には、外部電極14が各々形成してあり、一方の電極14が素子1の長手方向一端まで延び、他方の電極14が素子1の長手方向他端まで伸びている。これら電極14間に所定の電圧を印加することで、素子1における電極14相互のオーバラップ部が振動する。圧電素子1における電極14相互のオーバラップ部の振動を許容するために、通常、オーバラップ部よりも広い面積S1にて、図2に示すように、振動空間20が圧電素子1の両面に接するように、封止樹脂8の内部に振動空間20が形成される。
【0039】
コンデンサ素子2は、誘電体基板の両表面に電極が形成してある構造を有し、図2に示すように、誘電体基板21の一方の面には、両端部に一対の第1外部電極16が形成してあり、基板21の他方の面には、第2外部電極18が形成してある。第1外部電極16は、入出力用リード端子3の上端外周部に各々電気的に接続してあり、第2外部電極18は、接地用リード端子5の上端部に接続してある。
【0040】
コンデンサ素子2の誘電体基板21は、たとえばチタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの誘電体材料で構成してある。
【0041】
次に、図1(A)に示すレゾネータ装置1Aの製造方法について説明する。
まず、図5に示すように、入出力用リード端子3となる丸棒線材を準備し、その先端部に、突き押し加工によりテーパ状受け溝12を形成する。その後、必要に応じて、線材の途中に折り曲げ部4を形成する。次に、テーパ状受け溝12が形成された線材の先端部を、半田ペースト内にディピングし、受け溝12の内部を半田ペーストで満たす。その後、図3に示すように、圧電素子1の端部を受け溝12の内部に挿入すれば、圧電素子1の端部角部が、溝12の傾斜壁12aに突き当たり、圧電素子1の端部は、リード端子3の受け溝12により確実に仮止め固定される。また、後工程での半田のリフロー用熱処理により、圧電素子1の外部端子14は、受け溝12内の半田17によりリード端子3に対して確実に電気的に接続される。
【0042】
圧電素子1の両端を一対のリード端子3により仮保持した後、図6に示すように、コテ22を用いて、圧電素子1の片面毎に、ワックス20aを塗布する。ワックス20aとしては、後工程での熱処理により封止樹脂の内部に吸収されるものであれば特に限定されないが、パラフィン系ワックスなどが用いられる。
【0043】
その後、第2外部電極18に接地用リード端子5が別工程で既に取り付けられたコンデンサ素子2に形成してある一対の第1外部電極16を、入出力用リード端子3の外周部に接続し、コンデンサ素子2と圧電素子1とを略平行に配置する。その後、半田のリフロー用熱処理を行い、リード端子3および5と、外部端子14,16および18との機械的接続および電気的接続を確実なものとする。
【0044】
その後、圧電素子1、コンデンサ素子2およびリード端子3,5の上端部の全体を、溶融した樹脂中に浸し、その後に熱処理して加熱硬化させることにより、封止樹脂8を形成する。樹脂の加熱処理時に、図6に示すワックス20aは、樹脂8中に吸収され、図2に示すように、振動空間20が形成される。
【0045】
本実施形態に係るレゾネータ装置10およびその製造方法では、導電性線材の端部にプレス加工によりテーパ状受け溝12を形成するため、リード端子3の製造がきわめて容易になる。また、リード端子3に形成されたテーパ状受け溝12は、圧電素子1の端部を必要最小限の面積で保持するため、圧電素子1の有効振動面積を狭めることがなく、レゾネータ装置10の小型化が容易である。
【0046】
第2実施形態
本実施形態に係るレゾネータ装置は、図1(A)および図2に示すレゾネータ装置10と、その構造が同じであるが、圧電素子1の圧電基板11を構成する圧電セラミックスの熱膨張係数と、コンデンサ素子2の誘電体基板21を構成する誘電体セラミックスの熱膨張係数との差異が5ppm/°C以下であるように、セラミックス材料を選択してある点が相違する。
【0047】
本実施形態では、圧電素子1の圧電基板11を構成する圧電セラミックスは、PbTiO−PbZrO−Pb(Mg1/3 Nb2/3 )Oで示される三成分系ジルコン・チタン酸鉛で構成してあり、0.2〜0.8ppm/°C、好ましくは0.5ppm/°C程度の線膨張係数を有する。また、コンデンサ素子2の誘電体基板21を構成する誘電体セラミックスは、Pb(Mg,Nb)O、Pb(Fe,Nb)O、Pb(Zn,Nb)O、Pb(Mn,Nb)Oなど、またはこれらの組み合わせなどを主成分とする鉛系の誘電体セラミックスで構成してあり、2.5〜5.5ppm/°C、好ましくは3.0〜4.9ppm/°C程度の線膨張係数を有する。なお、本発明における線膨張係数は、−40°C〜+85°Cの範囲内の周囲環境での値である。
【0048】
本実施形態に係るレゾネータ装置では、圧電素子1を構成する圧電セラミックスの熱膨張係数と、コンデンサ素子2を構成する誘電体セラミックスの熱膨張係数との差異が5ppm/°C以下であることから、装置10の小型化に寄与すると共に、装置10の耐熱衝撃性が向上する。すなわち、圧電素子1とコンデンサ素子2とを平行に配置することで、装置の小型化を図ることができる。また、この装置10を、自動車などの温度変化の激しい場所に設置しても、圧電素子1とコンデンサ素子2との熱膨張差が少ないため、これら素子1および2または封止樹脂8にクラックなどが発生するおそれは少なく、耐久性に優れている。
【0049】
なお、本実施形態に係るレゾネータ装置では、図1(A)に示す入出力用リード端子3の代わりに、図7または図8に示す一般的なリード端子30aまたは30bを用いても良い。
【0050】
第3実施形態
本実施形態に係る圧電共振装置としてのレゾネータ装置は、図1(A)および図2に示すレゾネータ装置10と、その構造が同じであるが、振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1(図4参照)が、圧電素子1の周波数帯に対して所定の関係にある点が相違する。
【0051】
すなわち、圧電素子1の周波数帯が3MHzである場合には、振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1を、3.0±0.4mmとし、周波数帯が4MHzである場合には、面積S1を、2.7±0.4mmとし、周波数帯が5〜6MHzである場合には、面積S1を、2.4±0.4mmとする。そして、その他の周波数帯域の場合には、これらの周波数帯と面積S1との関係から、外挿法または内挿法により求める。
【0052】
圧電素子1の周波数帯が高くなると、周波数の波長λが短くなる。波長が短くなると、圧電素子1の厚みも薄くする必要がある。本発明者等の実験によれば、圧電素子1の周波数帯が高くなるにつれて、振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1(図4参照)を小さくすることで、共振特性を損なわず、圧電素子1の基板11および/または封止樹脂のクラック発生を抑制できることが判明した。
【0053】
振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1は、図6に示すコテ22のコテ先幅W4に比例することから、本実施形態では、圧電素子1の周波数帯に応じて選択されたコテ先幅W4を持つコテを用いて、ワックス20aを圧電素子1の両面に塗布する。このワックス20aの塗布面積が、図4に示す振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1に対応する。ワックス20aの最大塗布厚みは、振動空間20における最大厚みに対応する。この最大塗布厚みは、圧電素子1の周波数帯域とは関係なく、厚すぎると、封止樹脂の最小厚みが小さくなることから好ましくなく、好ましくは0.35〜0.45mm程度である。
【0054】
圧電素子1の周波数帯域とコテ先幅W4との関係は、圧電素子1の周波数帯が3MHzである場合には、コテ先幅W4を、4.5±0.5mmとし、周波数帯が4MHzである場合には、コテ先幅W4を、4.0±0.5mmとし、周波数帯が5〜6MHzである場合には、コテ先幅W4を、3.5±0.5mmとする。
【0055】
本実施形態に係るレゾネータ装置およびその製造方法では、振動空間20に接する圧電素子の表面の面積S1を、圧電素子1の周波数帯に対して所定の関係に設定することで、圧電素子1の共振特性を良好に保つことが可能になり、圧電素子1および/または封止樹脂8のクラックや損傷などを有効に防止することができる。また、本実施形態に係るレゾネータ装置の製造方法では、共振特性が良好で耐久性に優れたレゾネータ装置を、効率的に生産することができる。
【0056】
なお、本実施形態に係るレゾネータ装置では、図1(A)に示す入出力用リード端子3の代わりに、図7または図8に示す一般的なリード端子30aまたは30bを用いても良い。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0058】
実施例1
まず、圧電素子1を準備した。圧電素子1の圧電基板11は、主成分の化学組成が、PbTiO−PbZrO−Pb(Mg1/3 Nb2/3 )Oで表される三成分系ジルコン・チタン酸鉛系圧電セラミックスで構成してあり、その線膨張係数は、0.5ppm/°Cであった。圧電基板11の幅は0.65mmであり、長さは6.5mmであり、厚みは0.313mmであった。圧電基板11の両面に形成される外部電極14の材質は、Ni+Cuであった。
【0059】
次に、コンデンサ素子2を準備した。コンデンサ素子2の誘電体基板21は、主成分の化学組成が、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiOで表される鉛系誘電体セラミックスで構成してあり、その線膨張係数は、4.9ppm/°Cであった。誘電体基板21の幅は0.6mmであり、長さは7.0mmであり、厚みは0.35mmであった。誘電体基板21の両面に形成される外部電極16および18の材質は、Ni+Cuであった。誘電体基板21と圧電基板11との熱膨張係数の差は、4.4ppm/°Cであった。
【0060】
圧電素子1の両端を、図8に示す一対のリード端子30bで保持し、圧電素子1の両面に、図6に示すコテ22を用いてパラフィン系ワックス20aを塗布した。ワックス20aの塗布面積S1(図4参照)は4.3mmであった。
【0061】
その後、圧電素子1に対してコンデンサ素子2を略平行に配置し、コンデンサ素子2の外部電極16をリード端子30bにロー付け接合すると共に、図1(A)に示すリード端子5の上端をコンデンサ素子2の外部端子18にロー付け接合した。その後、圧電素子1およびコンデンサ素子2の全体を溶融したエポキシ樹脂中に浸し、樹脂を加熱硬化させて、封止樹脂8を得た。樹脂の加熱硬化に際して、ワックス20aが樹脂中に吸収され、封止樹脂中には、振動空間20が形成された。
【0062】
このようなレゾネータ装置を20個作製し、これらのヒートサイクル試験(熱衝撃試験)を行った。ヒートサイクル試験は、−55°Cの状態を30分±3分間保持した後、その後、+125°Cの状態を30分±3分間保持し、それらを1サイクルとし、10サイクル、50サイクル、100サイクルおよび200サイクル後に、レゾネータ装置の不良品の発生率を求めた。不良品か否かの判断は、目視により、圧電素子または封止樹脂にクラックが入ったか否かで行った。20個のレゾネータ装置中で、何個のレゾネータ装置に不良品が発生したか否かで不良率(%)を算出した。
【0063】
結果を表1に示す。表1に示すように、全てのヒートサイクル試験において、不良率は0%であった。
【0064】
【表1】
Figure 0003681929
【0065】
実施例2
コンデンサ素子2の誘電体基板21として、主成分の化学組成は実施例1の鉛系誘電体セラミックスと同じであるが、その線膨張係数が2.5ppm/°Cであるものを用いた以外は、実施例1と同様にして20個のレゾネータ装置を作製し、実施例1と同様にしてヒートサイクル試験を行った。
結果を表1に示す。表1に示すように、全てのヒートサイクル試験において、不良率は0%であった。
【0066】
比較例1
コンデンサ素子2の誘電体基板21として、主成分の化学組成がBaTiOで表される誘電体セラミックスであり、その線膨張係数が13.0ppm/°Cであるものを用いた以外は、実施例1と同様にして20個のレゾネータ装置を作製し、実施例1と同様にしてヒートサイクル試験を行った。
結果を表1に示す。表1に示すように、50サイクル以上のヒートサイクル試験において、不良品の発生が観察された。
【0067】
比較例2
コンデンサ素子2の誘電体基板21として、主成分の化学組成がBaTiOで表される誘電体セラミックスであり、その線膨張係数が8.0ppm/°Cであるものを用いた以外は、実施例1と同様にして20個のレゾネータ装置を作製し、実施例1と同様にしてヒートサイクル試験を行った。
結果を表1に示す。表1に示すように、100サイクル以上のヒートサイクル試験において、不良品の発生が観察された。
【0068】
評価1
表1に示すように、実施例1および2と、比較例1および2とを比較することで、誘電体基板21と圧電基板11との熱膨張係数の差が、5ppm/°C以下の範囲において、耐熱衝撃特性が向上することが確認できた。
【0069】
実施例3
まず、圧電素子1を準備した。圧電素子1の圧電基板11は、主成分の化学組成が、PbTiO−PbZrO−Pb(Mg1/3 Nb2/3 )Oで表される三成分系ジルコン・チタン酸鉛系圧電セラミックスで構成した。圧電基板11の幅は0.65mmであり、長さは6.5mmであり、厚みは0.35mmであった。圧電基板11の両面に形成される外部電極14の材質は、Ni+Cuであった。各外部電極14の面積は、2.56mmであった。また、圧電基板11の両面に形成される外部電極14のオーバラップ部の面積は、1.36mmであった。
【0070】
次に、コンデンサ素子2を準備した。コンデンサ素子2の誘電体基板21は、主成分の化学組成が、Pb(Mg1/3 Nb2/3 )O−PbTiOで表される鉛系誘電体セラミックスで構成した。誘電体基板21の幅は0.6mmであり、長さは7.0mmであり、厚みは0.35であった。誘電体基板21の両面に形成される外部電極16および18の材質は、Ni+Cuであった。コンデンサ素子2における外部電極16および16間の容量は、15pFに設定した。
【0071】
圧電素子1の両端を、図8に示す一対のリード端子30bで保持し、圧電素子1の両面に、図6に示すコテ22を用いてパラフィン系ワックス20aを塗布した。コテ22のコテ先幅W4は、4.0mmであった。ワックス20aの塗布面積S1(図4参照)は、片面で2.7mmであった。
【0072】
その後、圧電素子1に対してコンデンサ素子2を略平行に配置し、コンデンサ素子2の外部電極16をリード端子30bにロー付け接合すると共に、図1(A)に示すリード端子5の上端をコンデンサ素子2の外部端子18にロー付け接合した。その後、圧電素子1およびコンデンサ素子2の全体を溶融したエポキシ樹脂中に浸し、樹脂を加熱硬化させて、封止樹脂8を得た。樹脂の加熱硬化に際して、ワックス20aが樹脂中に吸収され、封止樹脂中には、振動空間20が形成された。
【0073】
このようなレゾネータ装置を200個作製し、不良品の発生率を調べた。所望の共振周波数特性(3MHz±15kHz以内)が得られなかったものと、各レゾネータ装置のインピーダンス特性を測定し、環境温度変化による波形歪みが観察されたものとを、不良品として判断した。なお、不良品と判断されたレゾネータ装置の内部を目視により観察したところ、クラックの発生が確認された。
【0074】
不良品の発生率(%)を表2に示す。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0075】
【表2】
Figure 0003681929
【0076】
実施例4
図6に示すコテ先幅W4を4.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.0mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0077】
実施例5
図6に示すコテ先幅W4を5.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.4mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0078】
比較例3
図6に示すコテ先幅W4を2.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を1.7mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、20%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0079】
比較例4
図6に示すコテ先幅W4を3.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.1mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、19%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0080】
比較例5
図6に示すコテ先幅W4を3.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.4mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、18%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0081】
比較例6
図6に示すコテ先幅W4を5.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.6mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、25%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0082】
実施例6
レゾネータ装置で4MHzの共振周波数が得られるように、コンデンサ素子2における外部電極16および16間の容量を、15pFに設定すると共に、圧電基板11の厚みを0.31mmに設定し、しかも、図6に示すコテ先幅W4を3.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.4mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。なお、本実施例6では、インピーダンス特性を測定し、波形歪みが観察されたものと、4MHz±20kHz以内の共振周波数特性が得られなかったものを不良品と判断した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0083】
実施例7
図6に示すコテ先幅W4を4.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.7mmとした以外は、実施例6と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例6と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0084】
実施例8
図6に示すコテ先幅W4を4.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.0mmとした以外は、実施例6と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例6と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0085】
比較例7
図6に示すコテ先幅W4を2.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を1.7mmとした以外は、実施例6と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例6と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、20%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0086】
比較例8
図6に示すコテ先幅W4を3.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.1mmとした以外は、実施例6と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例6と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、15%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0087】
比較例9
図6に示すコテ先幅W4を5.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.4mmとした以外は、実施例6と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例6と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、21%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0088】
比較例10
図6に示すコテ先幅W4を5.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.7mmとした以外は、実施例6と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例6と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、17%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0089】
実施例9
レゾネータ装置から5MHzの共振周波数が得られるように、コンデンサ素子2における外部電極16および16間の容量を、15pFに設定すると共に、圧電基板11の厚みを0.25mmに設定し、しかも、図6に示すコテ先幅W4を3.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.1mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。なお、本実施例9では、インピーダンス特性を測定し、波形歪みが観察されたものと、5MHz±25kHz以内の共振周波数特性が得られなかったものを不良品と判断した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0090】
実施例10
図6に示すコテ先幅W4を3.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.4mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0091】
実施例11
図6に示すコテ先幅W4を4.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.7mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0092】
比較例11
図6に示すコテ先幅W4を2.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を1.7mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、20%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0093】
比較例12
図6に示すコテ先幅W4を4.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.1mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、14%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0094】
比較例13
図6に示すコテ先幅W4を5.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.4mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、14%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0095】
比較例14
図6に示すコテ先幅W4を5.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.7mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、17%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0096】
実施例12
レゾネータ装置から6MHzの共振周波数が得られるように、コンデンサ素子2における外部電極16および16間の容量を、15pFに設定すると共に、圧電基板11の厚みを0.21mmに設定し、しかも、図6に示すコテ先幅W4を3.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.1mmとした以外は、実施例3と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例3と同様にして、不良品発生率を測定した。なお、本実施例12では、インピーダンス特性を測定し、波形歪みが観察されたものと、6MHz±30kHz以内の共振周波数特性が得られなかったものを不良品と判断した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0097】
実施例13
図6に示すコテ先幅W4を3.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.4mmとした以外は、実施例12と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例12と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0098】
実施例14
図6に示すコテ先幅W4を4.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を2.7mmとした以外は、実施例9と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例9と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、3%以下であり、総合判断として、良好(○)であることが確認された。
【0099】
比較例15
図6に示すコテ先幅W4を2.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を1.8mmとした以外は、実施例12と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例12と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、20%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0100】
比較例16
図6に示すコテ先幅W4を4.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.1mmとした以外は、実施例12と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例12と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、16%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0101】
比較例17
図6に示すコテ先幅W4を5.0mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.4mmとした以外は、実施例12と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例12と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、18%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0102】
比較例18
図6に示すコテ先幅W4を5.5mmとし、塗布面積S1(図4参照)を3.7mmとした以外は、実施例12と同様にして200個のレゾネータ装置を作製し、実施例12と同様にして、不良品発生率を測定した。
表2に示すように、不良品の発生率は、18%以上であり、総合判断として、良好でない(×)であることが確認された。
【0103】
評価2
表2に示すように、実施例3〜14と、比較例3〜18とを比較して分かるように、周波数帯が3MHzである場合には、振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1を、3.0±0.4mmとし、周波数帯が4MHzである場合には、面積S1を、2.7±0.4mmとし、周波数帯が5〜6MHzである場合には、面積S1を、2.4±0.4mmとすることで、共振特性を損なわず、クラック発生を抑制できる。すなわち、周波数帯が高くなるにつれて、振動空間20に接する圧電素子1の表面の面積S1を小さくすることで、共振特性を損なわず、クラック発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の一実施形態に係るレゾネータ装置の要部概略斜視図、図1(B)は図1(A)に示すレゾネータ装置の等価回路図である。
【図2】 図2は図1(A)に示すレゾネータ装置の概略断面図である。
【図3】 図3は図1(A)に示すレゾネータ装置の圧電素子とリード端子との接続部の詳細を示す要部断面図である。
【図4】 図4は圧電素子の概略斜視図である。
【図5】 図5はリード端子の製造過程を示す要部斜視図である。
【図6】 図6はレゾネータ装置の製造過程を示す概略図である。
【図7】 図7は本発明のその他の実施形態に係るレゾネータ装置に用いるリード端子の斜視図である。
【図8】 図8は本発明のその他の実施形態に係るレゾネータ装置に用いるリード端子の斜視図である。
【符号の説明】
1… 圧電素子
2… コンデンサ素子
3… 入出力用リード端子
4… 折り曲げ部
5… 接地用リード端子
6… 段差部
8… 封止樹脂
10… レゾネータ装置
11… 圧電基板
12… テーパ状受け溝
12a… 傾斜側壁
12b… 底壁
14… 外部端子
20… 振動空間
20a… ワックス
21… 誘電体基板
22… コテ

Claims (14)

  1. 所定の長さと幅と厚みとを持つ平板形状の圧電素子と、
    前記圧電素子の端部を保持するテーパ状受け溝が上端部にプレス加工により形成された導電性線材から成るリード端子と、
    前記リード端子の受け溝に前記圧電素子の端部が保持された状態で、前記リード端子の上端部外周部に接続され、前記圧電素子と共に共振回路を構成するコンデンサ素子とを有し、
    前記テーパ状受け溝が、前記リード端子の上端部において、前記圧電素子の幅以上の長さで、リード端子の長手方向に沿って形成してあることを特徴とする
    レゾネータ装置。
  2. 請求項1に記載のレゾネータ装置であって、
    前記テーパ状受け溝が、前記圧電素子の端部の厚みよりも広い横断面幅の開口部と、前記圧電素子の端部の厚みよりも狭い横断面幅の底壁とを有するレゾネータ装置。
  3. 請求項1に記載のレゾネータ装置であって、
    前記リード端子を構成する前記線材の横断面形状が、前記テーパ状受け溝が形成されていない部分で、略円形であるレゾネータ装置。
  4. 請求項1に記載のレゾネータ装置であって、
    前記リード端子の長手方向の途中に、折り曲げ部が形成してあるレゾネータ装置。
  5. 請求項1に記載のレゾネータ装置であって、
    前記リード端子の受け溝に前記圧電素子の端部が保持された状態で、前記圧電素子の表面に形成してある外部電極が、前記受け溝内の半田を介して前記リード端子に電気的に接続してあるレゾネータ装置。
  6. 請求項1に記載のレゾネータ装置であって、
    前記圧電素子を構成する圧電セラミックスの熱膨張係数と、前記コンデンサ素子を構成する誘電体セラミックスの熱膨張係数との差異が5ppm/°C以下であるレゾネータ装置。
  7. 請求項6に記載のレゾネータ装置であって、
    前記圧電セラミックスが三成分系ジルコン・チタン酸鉛系のセラミックスであり、前記誘電体セラミックスが鉛系のセラミックスであるレゾネータ装置。
  8. 請求項1に記載のレゾネータ装置であって、
    前記圧電素子の振動部の周囲に振動空間が形成されるように、前記圧電素子と、前記コンデンサ素子と、前記リード端子の上端部とを覆う封止樹脂部をさらに有するレゾネータ装置。
  9. 請求項8に記載のレゾネータ装置であって、
    前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、前記圧電素子の周波数帯に対して所定の関係にあるレゾネータ装置。
  10. 請求項9に記載のレゾネータ装置であって、
    前記圧電素子の周波数帯が3MHzである場合に、前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、3.0±0.4mmであるレゾネータ装置。
  11. 請求項9に記載のレゾネータ装置であって、
    前記圧電素子の周波数帯が4MHzである場合に、前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、2.7±0.4mmであるレゾネータ装置。
  12. 請求項9に記載のレゾネータ装置であって、
    前記圧電素子の周波数帯が5〜6MHzである場合に、前記振動空間に接する前記圧電素子の表面の面積が、2.4±0.4mmであるレゾネータ装置。
  13. 導電性線材から成るリード端子の端部に、プレス加工により、テーパ状受け溝を形成する工程と、
    前記テーパ状受け溝の内部に圧電素子の端部を差し込み、圧電素子をリード端子で保持させる工程と、
    前記圧電素子と共に共振回路を構成するコンデンサ素子の外部端子を、前記リード端子に接続する工程と、
    前記圧電素子の振動部の周囲に振動空間が形成されるように、前記圧電素子と、前記コンデンサ素子と、前記リード端子の端部とを封止樹脂で覆う工程とを有する
    レゾネータ装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載のレゾネータ装置の製造方法であって、
    前記封止樹脂で覆う工程が、
    前記圧電素子の周波数帯に応じて選択されたコテ先幅を持つコテを用いて、ワックスを前記圧電素子の所定部位に塗布する工程と、
    前記ワックスが塗布された圧電素子の全体を封止樹脂で被覆する工程と、
    前記封止樹脂を加熱し、封止樹脂を硬化させると共に、前記ワックスを封止樹脂中に吸収させ、前記封止樹脂内に振動空間を形成する工程とを有するレゾネータ装置の製造方法。
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