JP3681567B2 - 基板接続用コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板同志を接続するための基板接続用コネクタに関し、詳しくは、雄コネクタの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に、従来の基板接続用コネクタを示している。基板1aには雌コネクタ2が取り付けられ、基板1bには雄コネクタ3が取り付けられている。雌コネクタ2は、雌ハウジング4とこの雌ハウジング4に取り付けられた雄タブ5とからなり、雄タブ5の脚部5aは基板1aと半田付けされている。雄コネクタ3は、雄ハウジング6と、この雄ハウジング6に形成された角形のタブ収容室6a(図6参照)内に収容されたばね性の雌タブ7とからなり、雌タブ7の脚部7bが基板1bに半田付けされている。雄コネクタ3を雌コネクタ2の雌ハウジング4に嵌合させると、雄タブ5が雌タブ7のばね部7aに嵌まり、雄、雌のタブ5、7が電気的に接続されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の基板接続用コネクタは、図5および図6に示すように、雄ハウジング6に角形のタブ収容室6aを形成するため、短幅側の側部に外側壁60を設けている。そのため、この外側壁60の分だけ雄ハウジング6の短幅方向の寸法が大きくなり、雄コネクタ3がそれだけ大型化し、この雄コネクタ3が嵌まる雌コネクタ2も大型化するという問題がある。
【0004】
本発明は上述の点に着目してなされたもので、雄ハウジングの構造を改善することにより、小型化された基板接続用コネクタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、仕切板で仕切られた複数のタブ収容室を有する雄ハウジングを有し、前記タブ収容室にばね性の雌タブが収容された雄コネクタを備えた基板接続用コネクタであって、
前記タブ収容室は、底板部と、この底板部上に形成される中央壁部と、この中央壁部の両側に形成され前記雌タブに合致する外端縁を有する複数の仕切壁とを有して外側部を開放した構造に構成されており、
前記雌タブは、前記仕切壁間に摩擦係止されて前記タブ収容室に収容されていることを特徴とするものである。
【0006】
このため、請求項1記載の発明では、雄ハウジングのタブ収容室の外側壁が除去された構造となり、その分雄ハウジングの短幅が小さくなり、雌コネクタ及び雄コネクタの小型化ができる。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板接続用コネクタであって、前記雌タブは、雄タブが挿入されるばね部と、該ばね部の側部に一体に形成された脚部とからなり、前記タブ収容室の下端部の外側に当接部が形成され、該当接部に前記ばね部の下面を当接させて前記雌タブを前記タブ収容室に取り付けたことを特徴とするものである。
【0008】
このため、請求項2記載の発明では、雌タブのばね部の外端縁を仕切板の外端縁と合わせる位置まで延ばすことができ、ばね部の幅を小さくすることなく、雄ハウジングのみ小型化できる。
【0009】
また、雌タブのばね部は、その下面をハウジングの当接部に当接させて取り付けられるので、雄タブ嵌合時の嵌合荷重を前記当接部で受けることができ、これによって前記ばね部の変形を避けることができる。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板接続用コネクタであって、前記雌タブは、一側部が開放された箱部内に折曲げられたばね部が形成され、前記箱部の下部に前記脚部が一体に形成された構造であり、前記箱部の底辺を前記タブ収容室の下端部の外側に形成された当接部に当接させて前記雌タブを前記タブ収容室に取り付けたことを特徴とするものである。
【0011】
このため、請求項3記載の発明では、雌タブの箱部は、その底辺をハウジングの当接部に当接させて取り付けられるので、雄タブ嵌合時の嵌合荷重を前記当接部で受けることができ、これによって前記箱部の変形を避けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図5および図6と同一部材または同一機能のものは同一符号で示している。
【0015】
図1において、基板1aには雌コネクタ2が取り付けられ、基板1bには雄コネクタ3が取り付けられている。雌コネクタ2は、雌ハウジング4と、この雌ハウジング4に取り付けられた雄タブ5とからなる。雄タブ5は、雌ハウジング4外の脚部5aにおいて基板1aと半田付けされる。
【0016】
雄コネクタ3は、雄ハウジング6と、この雄ハウジング6に取り付けられた雌タブ7とからなる。この雄コネクタ3の構造の詳細を図2の組立て図により説明する。なお、図2の(A)は斜視図、(B)は側面図を示す。
【0017】
図2(a)において、雌タブ7は、ばね部7aと、その側部に一体に形成された脚部7bとからなり、ばね部7aに形成された折曲部8を相対向させている。脚部7bの両側縁には突起10が形成されている。
【0018】
図2(b)において、雄ハウジング6は、底板部11上に長手方向に向く中央壁部12と、この中央壁部12の両側に形成された複数の仕切板13とを有し、該中央壁部12と仕切板13とで外側部が開放された複数のタブ収容部6aが形成されている。底板部11の上部の短幅方向両側には各仕切板13の間に位置する当接部15が形成され、この当接部15の内側は凹部16となっている(図1参照)。底板部11の裏面には、仕切板13と対応する位置にリブ17が形成されている。
【0019】
図2(c)において、前記タブ収容室6aに雌タブ7を圧入することにより、脚部7bは底板部11から下方に突出し、突起10が凹部16の上面に係止すると共に、ばね部7aの下面7cは、当接部15に当接され、かつばね部7aの両面は仕切板13に圧接して摩擦係止される。
【0020】
脚部7bを図2(a)に示す折曲線18、19で直角に折曲げることにより、図2(d)に示す雄コネクタ3が得られる。脚部7bは、図1に示す基板1bに半田付けされる。
【0021】
図1において、雄コネクタ3を雌コネクタ2の雌ハウジング4内に嵌合させると、雄タブ5が雄コネクタ3のばね部7aに嵌まり、雄、雌のタブ5、7が電気的に接続される。
【0022】
この雄コネクタ3は、図5及び図6に示す従来の雄コネクタ3の雄ハウジング6の外側壁60を除去した構造に相当しており、外側壁60の分だけ雄ハウジング6の短幅側の寸法を短くできることになり、これにより、雄コネクタ3の短幅側の寸法を小さくできる。したがって必然的に雌コネクタ2の短幅側の寸法も小さくでき、基板接続用コネクタの小型化が可能となる。
【0023】
このコネクタの小型化に伴い、基板およびコネクタ用金型の縮小化を図ることができ、ひいてはコストダウンを達成することができる。また、基板の大きさを従来通りに維持した場合には、コネクタを小型にした分、印刷回路形成面積の拡大を図ることができる。
【0024】
雄ハウジング6には、各仕切板13の間に位置する当接部15を形成し、雌タブ7のばね部7aの下面7cを当接部15に当接させているので、ばね部7aの外端縁を仕切板13の外端縁と合わせる位置まで延ばすことができる。したがって、ばね部7aの幅は小さくすることなく、図5の外側壁60のみを除去して雄ハウジング6の短幅寸法のみ縮小可能である。
【0025】
また、雌タブ7のばね部7aは、その下面7cを雄ハウジング6の当接部15に当接させて取り付けられるので、雄タブ5嵌合(図1参照)時の嵌合荷重を当接部15で受けることができ、これによってばね部7aの変形を避けることができる。
【0026】
図3は、雌タブ7の他の実施の形態を示すもので、箱ばね型の構造のものを示している。一側部が開放された箱部20の下部に脚部22が一体に形成され、上部に一体に形成されたばね部21が箱部20内に折曲げられたものである。この構造の雌タブ7では、箱部20の底辺20aが雄ハウジング6の当接部15に当接され、箱部20が仕切板13に摩擦係止される。
【0027】
雌タブ7の箱部20は、その底辺20aをハウジング6の当接部15に当接させて取り付けられるので、雄タブ5嵌合(図1参照)時の嵌合荷重を当接部15で受けることができ、これによって箱部20の変形を避けることができる。
【0028】
図4は雌タブ7の脚部7bの変形例であって、脚部7bの両側縁部に加締用舌片23を形成し、この加締用舌片23で電線24を加締めつけることにより、電線24の接続を可能としたもので、基板接続以外の電線接続に使用可能としたものである。なお、この構造は図3の箱ばね型のものにも適用可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳述したように、請求項1記載の発明によれば、タブ収容室を、中央壁部と、中央壁部の両側に形成され雌タブに合致する外端縁を有する複数の仕切壁とを有して、外側部を開放した構造にしたので、従来の雄ハウジングのタブ収容室の外側壁が除去されたことにより、雄ハウジングの短幅寸法が小さくなり、雌コネクタ及び雄コネクタの小型化が可能となる。
【0030】
また、請求項2記載の発明によれば、タブ収容室の下端部の外側に形成された当接部にばね部の下面を当接させた構造にしたので、雌タブのばね部の外端縁を仕切板の外端縁と合わせる位置まで延ばすことができ、これにより請求項1記載の発明の効果に加えて、ばね部の幅は小さくすることなく、雌ハウジングのみの小型化ができ、小型化による電気的接触の機能の低下を避けることができる。
【0031】
また、請求項3記載の発明によれば、雌タブは、一側部が開放された箱部内に折曲げられたばね部が形成された箱ばね型としたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、一般的な箱ばね型の雌タブも使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板接続用コネクタの実施の形態を示す縦断側面図である。
【図2】(a)〜(d)は雄コネクタの組立て工程図で、左側の(A)は斜視図、右側の(B)は側面図である。
【図3】雌タブの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】雌タブの脚部の変形例を示す側面図である。
【図5】従来の基板接続用コネクタを示す縦断側面図である。
【図6】図5の雌コネクタの平面図である。
【符号の説明】
1a,1b 基板
2 雌コネクタ
3 雄コネクタ
6 雄ハウジング
6a タブ収容室
7 雌タブ
7a、21 ばね部
7b 脚部(雌タブの)
7c 下面(ばね部の)
13 仕切板
15 当接部
20 箱部
20a 底辺(箱部の)
23 加締用舌片
Claims (3)
- 仕切板で仕切られた複数のタブ収容室を有する雄ハウジングを有し、前記タブ収容室にばね性の雌タブが収容された雄コネクタを備えた基板接続用コネクタであって、
前記タブ収容室は、底板部と、この底板部上に形成される中央壁部と、この中央壁部の両側に形成され前記雌タブに合致する外端縁を有する複数の仕切壁とを有して外側部を開放した構造に構成されており、
前記雌タブは、前記仕切壁間に摩擦係止されて前記タブ収容室に収容されていることを特徴とする基板接続用コネクタ。 - 前記雌タブは、雄タブが挿入されるばね部と、該ばね部の側部に一体に形成された脚部とからなり、前記タブ収容室の下端部の外側に当接部が形成され、該当接部に前記ばね部の下面を当接させて前記雌タブを前記タブ収容室に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の基板接続用コネクタ。
- 前記雌タブは、一側部が開放された箱部内に折曲げられたばね部が形成され、前記箱部の下部に前記脚部が一体に形成された構造であり、前記箱部の底辺を前記タブ収容室の下端部の外側に形成された当接部に当接させて前記雌タブを前記タブ収容室に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の基板接続用コネクタ。
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