JP3680421B2 - 棒状ワークの鍛造成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は棒状ワークの鍛造成形方法に関する。本発明は例えばボルト素材の成形に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
棒状ワークの鍛造成形方法として、金属製の棒状ワークの軸長方向の少なくとも一部に、据え込み鍛造によって脹らみ部を成形する方法が知られている。
この方法によれば、棒状ワークを鍛造型にセットした後、棒状ワークに軸長方向に荷重を加えて、棒状ワークのワーク材料を鍛造型の脹らみキャビティに装填し、これにより棒状ワークの軸長方向の一部に脹らみ部を成形する据え込み鍛造が実施される。
【0003】
また実公昭62−8912号公報、特開平7−1068号公報には、棒状ワークの据え込み鍛造を利用して、テンションボルトとも呼ばれる塑性域締め付けボルトを製造する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記したように棒状ワークを据え込み鍛造して脹らみ部を成形する際に、脹らみ部に深い欠肉部が発生することがある。
この欠肉部は、ワーク材料の装填が不充分な箇所である。棒状ワークの軸長方向における据え込み長さが長いほど、ワーク材料の装填に必要な成形荷重が大きくなる傾向であるため、後加工で除去できない程の深い欠肉部が発生する頻度が増す。
【0005】
また据え込み比、つまり(据え込み後の据え込み径/据え込み前の材料径)の値が大きいほど、ワーク材料の装填に必要な成形荷重が大きくなるため、後加工で除去できない程の深い欠肉部が発生する頻度が増す。
後加工で除去できない程の深い欠肉部が発生する理由として、一般的な棒状ワークを据え込み鍛造する場合を例にとって説明すると、図9(a)(b)に模式的に示すように、棒状ワーク1の圧縮に伴い、棒状ワーク1が『くの字』形状に座屈し、『くの字』形状のまま座屈が進行するためである。なお図9(a)(b)はプレス加工便覧(編者:社団法人 日本塑性加工学会、発行所:丸善株式会社、昭和50年10月25日発行)の542ページの図に基づくものである。
【0006】
深い欠肉部の発生を抑えるには、成形荷重を過大にすることが有効である。しかし、成形荷重が過大であると、鍛造型が破損し易くなる。そのため実際の操業では深い欠肉部がある程度発生することを許容し、これを不良として評価したり、しごき加工等の後工程で深い欠肉部を除去することとし、成形荷重の過剰な増大を抑えて鍛造型の寿命を確保しているのが実情である。
【0007】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その課題は、後加工であるしごき加工で除去できない程の欠肉部が発生する頻度を低減するのに有利な棒状ワークの鍛造成形方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題のもとに開発を進め、そして棒状ワークに据え込み鍛造を実施するに際して、棒状ワークにねじれが生じるようにすれば、深い欠肉部の抑制に有利であることを知見し、試験で確認し、本発明を完成させたものである。
欠肉部の抑制に有利である理由は、必ずしも明確ではないものの、ねじれにより、棒状ワークのせん断変形性が向上し、ひいては鍛造成形性が向上するためと推察される。
【0009】
即ち、請求項1に係る棒状ワークの鍛造成形方法は、金属製の棒状ワークの軸長方向の少なくとも一部に据え込み鍛造によって脹らみ部を成形する棒状ワークの鍛造成形方法において、
棒状ワークの据え込み長さをL1とし、据え込み鍛造前の棒状ワークの材料径をD1とするとき、L1/D1の値を3.7〜7に設定し、
棒状ワークを鍛造型にセットした後、棒状ワークに軸長方向に荷重を加えて鍛造型のキャビティに棒状ワークのワーク材料を装填して棒状ワークに脹らみ部を成形する据え込み鍛造を実施するに際して、据え込み鍛造を行った棒状ワークの脹らみ部にねじれが生じるようにし、
その後、棒状ワークの脹らみ部の外周面をしごき加工することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に係る棒状ワークの鍛造成形方法によれば、据え込み鍛造は、第1据え込み鍛造と第2据え込み鍛造とを含み、第1据え込み鍛造を行った棒状ワークの脹らみ部にねじれが生じるようにしていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明方法によれば、脹らみ部を成形する据え込み鍛造を実施するに際して、棒状ワークにねじれが生じる。
本発明方法によれば、深さが深い欠肉部が発生しがちな『くの字』に棒状ワークが座屈することが抑制される。
【0012】
本発明方法によれば、据え込み鍛造の回数は一回でも良いし、或いは、後述する実施例に示すように第1据え込み鍛造と第2据え込み鍛造との双方を実行することにしても良い。
棒状ワークにねじれを発生させるには、据え込み鍛造の際に、棒状ワークを押込むための据え込み鍛造型の要素であるパンチ型を周方向に所定角度回転させることを利用して、棒状ワークのねじれを促進させる形態としても良い。あるいは、極めて潤滑性に富む潤滑剤を鍛造型の型面に塗布することを利用して、棒状ワークのねじれを促進させる形態でも良い。
【0013】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本方法は冷間据え込み鍛造成形に適用したものである。図1(a)〜(d)は成形順を示す。先ず、全長にわたり直径が実質的に同一の棒状ワーク1(径:D1 )を用いる。棒状ワーク1の材質は一般的には合金鋼系、炭素鋼系を採用できるが、これに限定されるものではない。棒状ワーク1の横断面は円形状である。
【0014】
そして図1(b)から理解できるように、第1据え込み鍛造工程で棒状ワーク1を軸方向に圧縮すると共にワーク材料を径方向に張出させ、これにより棒状ワーク1の軸長方向の一部に第1脹らみ部10を成形する。第1脹らみ部10は、一端側の円錐面10aと、他端側の円錐面10cとをもつ。第1脹らみ部10の横断面は円形状である。第1脹らみ部10の円錐面10a側には、第1脹らみ部10よりも径が小さな径小軸部11が延設され、円錐面10c側には、第1脹らみ部10よりも径が小さな径小軸部12が延設されている。
【0015】
その後、第1据え込み鍛造工程が実行された棒状ワーク1を用い、第2据え込み鍛造工程で軸方向に圧縮し、これにより図1(c)に示すように棒状ワーク1に第2脹らみ部15を成形する。第2脹らみ部15は円錐面15a、15cをもつ。第2脹らみ部15の横断面は円形状である。第2脹らみ部15の円錐面15cの側には、第2脹らみ部15よりも径が小さな径小軸部16が延設されている。なお径小軸部16、12、11の径は、基本的にはD1 と同様である。
【0016】
その後、第2脹らみ部15の外周面をしごき型でしごき加工して縮径し、これによりしごき加工面19とする。しごき代は、しごく前の寸法に比較して1〜5%程度、例えば3%程度にできる。
しごき加工するため、第2脹らみ部15の径の精度を向上させ得、更に仮に、浅い欠肉部が第2脹らみ部15に発生していた場合であっても、その欠肉部をしごき加工により除去するのに有利となる。従ってしごき代は、欠肉部の深さを考慮して設定することが好ましい。
【0017】
上記した第1据え込み鍛造工程は、図2(a)〜(c)に示されている。図2(a)は第1鍛造型3に棒状ワーク1が配置されていない形態を示し、図2(b)は第1鍛造型3に棒状ワーク1が配置されており、第1据え込み鍛造を開始する形態を示し、図2(c)は第1据え込み鍛造の終期を示す。
図2(a)に示すように第1鍛造型3は第1脹らみキャビティ30を備えている。第1鍛造型3の第1脹らみキャビティ30では、据え込み長さがL1 で、第1脹らみキャビティ30の内径で規定される据え込み径がF1 で示される。深い欠肉部を抑制できる本方法によれば、据え込み長さL1 と前記した棒状ワーク1の材料径D1 との比、つまりL1 /D1 の値は3.7以上に設定る。例えばL1 /D1 の値は3.7〜7に設定できる。
【0018】
また前述したように据え込み比、つまり(据え込み径/材料径)=(F1 /D1 )の値が大きいほど、ワーク材料の装填に必要な成形荷重が大きくなるため、成形荷重が過大となれば、欠肉部が発生し易い。即ち、従来の据え込み鍛造では(F1 /D1 )の値を1.8や2.0に近づけると、脹らみ部に深い欠肉部が発生し易かった。この点欠肉部の発生が抑制される本方法によれば、第1鍛造型3において(F1 /D1 )の値を、従来の商業的操業としては困難とされていた1.8や2.0に近づけるのに有利である。
【0019】
換言すれば、第1据え込み鍛造における(F1 /D1 )≧Mの関係とすれば、Mの値の増大化を図ることができる。例えば、Mは1.3や1.5や1.8にでき、勿論1.2以下でも良い。
本方法に係る第2据え込み鍛造工程は、図3(a)〜(d)に示されている。図3(a)は第2鍛造型5に棒状ワーク1が配置されていない形態を示す。図3(a)に示すように第2鍛造型5は第2脹らみキャビティ50を備えている。図3(b)は第2鍛造型5に棒状ワーク1が配置されており、第2据え込み鍛造を開始する形態を示す。図3(c)は第2据え込み鍛造の終期を示す。
【0020】
図3(d)は図3(b)の要部を示す。図3(d)には据え込み長さL2 、材料径D2 が示されている。L2 は、第2鍛造型5の型面で棒状ワーク1の第1脹らみ部10が拘束されている箇所と、第2鍛造型5のつなぎ部55の径小端との間の距離を意味する。D2 は第1脹らみ部10の円錐面10aの平均径を意味する。本方法によればL2 /D2 の値は2.5以下に設定されている。例えばL2 /D2 の値は0〜2.4に設定されている。
【0021】
さて第1据え込み鍛造を実行するにあたり、先ず、図2(b)に示すように、第1据え込み鍛造前の棒状ワーク1を第1鍛造型3にセットする。このとき、第1脹らみキャビティ30の型面と棒状ワーク1の外壁面との間には、リング状の第1クリアランス31が形成される。
その後、図略の第1パンチ型により棒状ワーク1に軸長方向に荷重が加えられ、第1据え込み鍛造工程が実行される。第1据え込み鍛造工程によれば、図2(b)に示すように、ワーク材料で第1クリアランス31が埋まるように、第1鍛造型3の第1脹らみキャビティ30にワーク材料が装填されて、棒状ワーク1の軸長方向の一部に第1脹らみ部10が成形される。その後、棒状ワーク1は第1据え込み鍛造型から離型される。
【0022】
ところで本方法によれば、第1据え込み鍛造工程を実施するに際して、据え込み鍛造を行った棒状ワーク1のうち第1膨らみ部10に、ねじれが生じるようにされる。例えば螺旋状のねじれが生じる。
図2(c)や図1(b)(c)に示すねじれは、仮想的に示すものである。ねじれが発生する結果、図2(c)に示す棒状ワーク1の一端部1Aの周方向の位相と、第1脹らみ部10の周方向の位相とは、周方向においてずれている。同様に、図2(c)に示す棒状ワーク1の他端部1Bの周方向の位相と、第1脹らみ部10の周方向の位相とは、周方向においてずれている。
【0023】
ねじれが発生する形態は次の様に推察される。即ち、図4はねじれが発生する形態を誇張して模式的に示すものである。ここで円弧Pは第1脹らみキャビティ30の型面を仮想的に示し、PX は第1脹らみキャビティ30内におけるX方向、PY はそれと直交するY方向を示す。A点は、棒状ワーク1の上部が第1鍛造型3で拘束されている部位として、B点は、棒状ワーク1の下部が第1鍛造型3で拘束されている部位として仮定する。
【0024】
図4(a)に示す様に第1据え込み鍛造が実行される前の棒状ワーク1は、一直線状に延びており、第1据え込み鍛造型の第1脹らみキャビティ30の略中央に配置されている。第1据え込み鍛造の初期では、図略のパンチ型の進行により、図4(b)に示す様に棒状ワーク1に一次座屈が生じ、棒状ワーク1の一部が第1脹らみキャビティ30の型面に点接触の状態、または、点接触に近い状態で接触する。その部位を点Cとして仮定する。その後、パンチ型のさらなる進行に伴い、図4(c)に示す様に棒状ワーク1に二次座屈が生じ、第1脹らみキャビティ30内で棒状ワーク1がねじれる。
【0025】
もっとも図4は、前記したように理解の容易のために誇張して示したものであり、第1脹らみキャビティ30の型面を仮想的に示す円弧Pと棒状ワーク1の外壁面との間におけるPX 方向やPY 方向の実際のクリアランスは、もっと小さいものである。
上記のように第1据え込み鍛造工程が実施されてねじれが発生した第1脹らみ部10を備えた棒状ワーク1を用い、これを図3(b)に示すように第2鍛造型5にセットする。この状態では図3(b)に示すように、第2据え込み鍛造型の第2脹らみキャビティ50の型面と棒状ワーク1との間に、リング状の第2クリアランス52が形成される。
【0026】
そして、図略の第2パンチ型により棒状ワーク1に軸長方向に荷重が加えられ、これにより第2クリアランス52がワーク材料で埋まるようにされ、第2据え込み鍛造工程が実行される。第2据え込み鍛造工程によれば、第2鍛造型5の第2脹らみキャビティ50にワーク材料が装填されて、棒状ワーク1の軸長方向の端部に第2脹らみ部15が成形される。本方法によれば、第2据え込み鍛造した後の第2脹らみ部15の直径は、第1据え込み鍛造した後の第1脹らみ部10の直径よりも若干大きいが、両者の直径を実質的に同一サイズとして鍛造設計することもできる。
【0027】
上記したように第1据え込み鍛造した棒状ワーク1の第1脹らみ部10にねじれが発生すれば、しごき加工で除去できない程の深い欠肉部が抑えられることが本発明者による試験により確認された。深い欠肉部が抑えられる理由は、棒状ワーク1の第1脹らみ部10にねじれが生じているため、パンチ型が進行するにつれて、棒状ワーク1にせん断変形が発生し易くなり、ワーク材料の装填性が向上するためと推察される。せん断変形は、棒状ワーク1を軸長方向に単に圧縮変形する場合に比較して、成形抵抗の低減に有利である。また棒状ワーク1にねじれが発生していれば、棒状ワーク1が『くの字』のまま座屈が進行して第1鍛造型3のキャビティ壁面と摩擦する場合に比較して、棒状ワーク1の摩擦力が低減することも起因していると推察される。従って棒状ワーク1に作用する成形荷重が同一であれば、棒状ワーク1にねじれが発生した方が、ワーク材料の装填性、据え込み鍛造成形性が向上し、深い欠肉部の低減に有利であると推察される。
【0028】
更に本方法によれば、図2(a)から理解できるように、第1鍛造型3の第1脹らみキャビティ30にはつなぎ部33が形成されている。つなぎ部33は、据え込み長さの端に向かうにつれて縮径するように円錐面状に傾斜している領域を意味する。本発明者が試験したところ、つなぎ部33の長さが長いほど、欠肉部が生じ易く、一方、つなぎ部33の長さが短いほど、欠肉部が生じ難い一般的傾向が得られた。
【0029】
その理由は次のように推察される。即ち図5(a)はつなぎ部33が短い場合を模式的に示し、図5(b)はつなぎ部が長い場合を模式的に示す。図5(b)から理解できるように、つなぎ部33が長い場合には、変形した棒状ワーク1の外壁面がつなぎ部33の型面33hに接触し易くなり、型面33hと棒状ワーク1との間の摩擦力が増大し、棒状ワーク1のねじれに対する抵抗が増加し、棒状ワーク1がねじれにくくなると推察される。
【0030】
これに対して、図5(a)から理解できるように、つなぎ部33が短い場合には、棒状ワーク1の外壁面がつなぎ部33の型面33hに接触しにくくなるか、あるいは、接触の度合が低減され、型面33hと棒状ワーク1との間の摩擦力が低減し、棒状ワーク1のねじれに対する抵抗が軽減され、棒状ワーク1が旋回し易くなり、じれ性が確保され易くなるためと推察される。
【0031】
従って、第1据え込み鍛造におけるつなぎ部33の軸長方向の長さには、技術的意義がある。一般的には、図1(b)に示すように、据え込み長さL1 を規定した条件において、棒状ワーク1の径D10に対して第1脹らみ部10の軸長が(2.4×D10)以上となるように、つなぎ部33の長さを短めに設定することが好ましい。
【0032】
また本発明者がつなぎ部33の長さに関して、第1据え込み鍛造において実行した試験結果を図6に示す。図6の横軸は据え込み長さを示し、縦軸はつなぎ部33のつなぎ長さを示す。●は棒状ワーク1にねじれが発生した場合を示す。○は棒状ワーク1が従来のような『くの字』に座屈した場合を示す。●の領域と○の領域とを区分けする判別関数は、YK で示される。第1据え込み鍛造における据え込み長さL1 をαで表し、つなぎ部33の長さをγで表せば、判別関数YK は次の一般式で表される。なおC1 、C2 は定数である。
【0033】
判別関数YK =−(C1 ・α)+(C2 ・γ)+初期値
K <0:ねじれが発生する領域、YK ≧0:くの字形状が発生する領域
上記式のようにαには負符号がつくので、αが大きいほど、つまり第1据え込み鍛造における据え込み長さL1 が長いほど、YK <0となり易く、ねじりが生じ易い傾向となり、深い欠肉部の抑制に有利である。また上記式のようにγには正符号がつくので、γが大きいほど、つまり第1据え込み鍛造におけるつなぎ部の長さが長いほど、YK ≧0となり易く、くの字形状の座屈が発生し易い傾向となり、欠肉部が発生し易い。なお上記した棒状ワーク1としては、ボルト素材、軸状部材、長尺部材等に適用できる。
【0034】
(試験例)
さて据え込み鍛造においてL/Dが小さければ、ワーク材料の装填に必要な必要成形荷重が少なくて済むことから、L/Dが大きくなれば、必要成形荷重が増大すると、従来より産業界では予想されていた。しかし本発明者が行った試験によれば、図7に示すような一般的傾向が得られた。即ち、L/Dが小さい領域、つまり2.5以下の領域(I)であれば、成形荷重は小さく、そしてL/Dが次第に大きくなれば、つまりL/Dが2.5〜3.7の領域(II)となれば、即ち棒状ワーク1が細長くなれば必要成形荷重はかなり大きくなる。しかしL/Dが更に増大すれば、つまり3.7〜7の領域(III)となれば、その必要成形荷重は予想に反して、L/Dが2.5〜3.7の場合の必要成形荷重よりも、抑えられて小さくなることを本発明者は知見した。これは前述したように棒状ワーク1のねじれが据え込み鍛造成形性に大きな影響を与えているものと推察される。
【0035】
従って上記した本方法は、据え込み鍛造成形を2段階とし、第1据え込み鍛造工程を領域(III)で行ない、第2据え込み鍛造工程を領域(I)で行なうものであり、領域(II)では据え込み鍛造しないものである。
(適用例)
上記した方法を、塑性域締めボルトの製造に適用した。塑性域締めボルトは、内燃機関等の機器の部品の締結に利用され、降伏軸力を利用するため、座面と被締結物との摩擦係数のばらつきによる影響が少ないので軸力のばらつきが小さい。従来は、弾性域締めボルトが使用されていたが、内燃機関の高出力化、高品質化、軽量化等の要因から、強固で高品質の締結が必要とされる部位には、近年、塑性域締めボルトが使用されている。
【0036】
塑性域締めボルト7は、図8に示すように、頭部70と軸部71とを備えている。軸部71は、雄螺子が形成される螺子形成部73と、頭部71と螺子形成部73との間に位置するテンション部74とを備えている。図8ではまだ螺子形成部73には雄螺子部が形成されていない。テンション部74は横断面積が小さくなるように設計され、螺子形成部73の塑性変形を防止する。テンション部74は前述した径小軸部16に基づいて構成されるものである。螺子形成部73の外周部には、転造型で雄螺子部が形成される。
【0037】
この適用例によれば、径小なテンション部74を切削加工で形成せずとも、前述したように据え込み鍛造成形で形成できる。
(他の例)
上記した実施例では、据え込み鍛造として第1据え込み鍛造と第2据え込み鍛造とが合計2回実施されている。しかし1回目の据え込み鍛造成形で成形されたねじれを備えた第1脹らみ部10の欠肉部が実質的にないか、欠肉部の深さが浅いときには、第1据え込み鍛造を行い、その後に第2据え込み鍛造を行うことなく、しごき加工することにしても良い。
【0038】
(付記)
上記した実施例から次の技術的思想も把握される。
○請求項1において、据え込み鍛造は、第1据え込み鍛造と第2据え込み鍛造とからなり、第1据え込み鍛造を行った棒状ワークの脹らみ部にねじれが生じるようにしていることを特徴とする棒状ワークの鍛造成形方法。
【0039】
【発明の効果】
本発明方法によれば、脹らみ部を成形する据え込み鍛造を実施するに際して、棒状ワークはねじれが生じるようになる。即ち据え込み鍛造の際に、しごき加工で除去できないほどの深い欠肉部を誘発しがちな『くの字』変形が棒状ワークに生じることは、抑制される。
【0040】
そのため据え込み成形性の向上が図られ、棒状ワークの脹らみ部に深い欠肉部が発生する頻度は、低減される。これは試験で確認されている。
深い欠肉部を低減するのに有利な本発明方法によれば、欠肉部の発生を抑えるため成形荷重を過剰に大きくせずとも良い。従って成形荷重の過大化を抑制するのに有利である。よって据え込み鍛造型の破損の防止にも貢献でき、据え込み鍛造型の長寿命化、小型化にも有利である。更に安価な材質で据え込み鍛造型を製造するのにも有利である。更に成形荷重の過大化を抑制できることから、鍛造装置を過剰に高剛性化せずとも良く、従って設備費の低減、省スペース化にも有利である。
【0041】
また本発明方法によれば、深い欠肉部の発生が抑制されるため、据え込み比、つまり(据え込み後の径/据え込み前の径)の値を大きくしても、例えば、合金鋼系の冷間据え込み鍛造において従来より困難とされていた据え込み比を2に近づけたとしても、深い欠肉部を抑制できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る棒状ワークの変遷過程を示す構成図である。
【図2】第1鍛造型で第1据え込み鍛造を実行する際の構成図である。
【図3】第2鍛造型で第2据え込み鍛造を実行する際の構成図である。
【図4】棒状ワークにねじれが発生する形態を模式的に示す構成図である。
【図5】第1鍛造型におけるつなぎ部の長さの技術的意義を説明するための構成図である。
【図6】据え込み長さとつなぎ部の長さとの関係を示すグラスである。
【図7】据え込み鍛造におけるL/Dと成形荷重との一般的関係を示す構成図である。
【図8】実施例に係る方法を適用して製造した塑性域締めボルトの側面図である。
【図9】一般的な据え込み鍛造における座屈の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1は棒状ワーク、10は第1脹らみ部、15は第2脹らみ部、3は第1鍛造型、30は第1脹らみキャビティ、33はつなぎ部、5は第2鍛造型、50は第2脹らみキャビティを示す。

Claims (3)

  1. 金属製の棒状ワークの軸長方向の少なくとも一部に据え込み鍛造によって脹らみ部を成形する棒状ワークの鍛造成形方法において、
    前記棒状ワークの据え込み長さをL1とし、据え込み鍛造前の前記棒状ワークの材料径をD1とするとき、L1/D1の値を3.7〜7に設定し、
    前記棒状ワークを鍛造型にセットした後、前記棒状ワークに軸長方向に荷重を加えて前記鍛造型のキャビティに前記棒状ワークのワーク材料を装填して前記棒状ワークに脹らみ部を成形する据え込み鍛造を実施するに際して、前記据え込み鍛造を行った前記棒状ワークの脹らみ部にねじれが生じるようにし、
    その後、前記棒状ワークの脹らみ部の外周面をしごき加工することを特徴とする棒状ワークの鍛造成形方法。
  2. 請求項1において、前記据え込み鍛造は、第1据え込み鍛造と第2据え込み鍛造とを含み、前記第1据え込み鍛造を行った棒状ワークの脹らみ部にねじれが生じるようにしていることを特徴とする棒状ワークの鍛造成形方法。
  3. 請求項2において、前記第2据え込み鍛造において、前記棒状ワークの据え込み長さをL2とし、前記棒状ワークの材料径をD2としたとき、L2/D2の値を2.5以下に設定した前記第2据え込み鍛造を実施することを特徴とする棒状ワークの鍛造成形方法。
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