JP3678566B2 - 車両のステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外乱やドライバーの操舵等により車両挙動が不安定になった場合に、ドライバーによる操舵の最適化を図ることのできる車両のステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
特開平7‐47970号公報は、車両の走行状態の検出結果に応じて操舵装置を制御するに際し、現時点でのドライバーの運転技術に応じて制御特性を変化させる装置を開示する。すなわち、その車両の走行状態の検出のために車両のヨーレートを検出し、その検出したヨーレートと運転技術に応じて操舵に要するトルクを設定している。運転技術の低いドライバーに対しては操舵に要するトルクを高く設定することで車両挙動を安定させ、運転技術の高いドライバーに対しては操舵に要するトルクを低く設定することで路面からの情報をドライバーに認識し易くしている。
しかし、そのヨーレートは実際に舵角が変化した後でなければ変化しないことから、制御に遅れが生じる。そのため、走行路の摩擦係数の低下等の外乱が急激に作用したような場合や、車線変更等のための進路変更時に過剰な操舵を行った場合、その制御の遅れにより車両の挙動が不安定になり、過剰操舵を行った場合は進路を修正するための操舵が必要になる。また、前方障害物を回避する場合、操舵に要するトルクが高く設定されると、急操舵がしにくいため前方障害物を回避できないおそれがある。
【0003】
また、操舵補助力発生用のアクチュエータの駆動状態、回転速度、電流等に基づいて外乱を検出し、その外乱の影響を補償する装置がある(特開平2‐6272号公報、特開平3‐182881号公報)。
しかし、そのアクチュエータの駆動状態、回転速度、電流等に基づく場合、実際に外乱の影響を受けて車両挙動が不安定になった後でしか、その外乱を検出できない。そのため、急激な外乱が作用したような場合や、車線変更等のための進路変更時に過剰な操舵を行った場合、制御の遅れにより車両の挙動が不安定になり、過剰操舵を行った場合は進路を修正するための操舵が必要になる。また、ドライバーのハンドル操作による不安定挙動に対応することはできない。
【0004】
特開平2‐117467号公報は、操舵トルク発生用モータを車速と舵角に応じて制御することで、ステアリングシャフトの回転を抑制し、高速走行時における急激なハンドル操作による横滑りや横転を防止するステアリングの安全装置を開示する。
しかし、そのモータの制御は車速と舵角のみに基づくため、前方障害物を避けるために急激なハンドル操作をおこなった場合でも、ステアリングシャフトの回転が抑制されてしまう。そのため、前方障害物を回避できないおそれがある。また、車速と舵角のみに基づきモータを制御するだけでは、外乱による横滑り等を充分に防止できない。また、高度な運転技術を有するドライバーが危険回避のためにスピンターンを行う場合に、大きな操舵抑制力を作用させ、ドライバーが意図する車両挙動とは異なる状態に陥らせてしまう。
【0005】
特開平4‐266538号公報は、舵角、ブレーキ油圧、スロットル開度、および現在の車両の運動状態を検出し、この検出情報に基づいて将来の車両の運動状態と規範となる車両の運動状態を推測し、推測した現実の車両の運動状態と規範となる車両の運動状態との偏差が小さくなるように、舵角、ブレーキ油圧、スロットル開度等を制御する車両の運動特性の補正装置を開示する。
しかし、この装置は多数のセンサやアクチュエータを必要とし、また、ステアリング装置以外のブレーキ油圧やスロットル開度も制御する必要がある。そのため、システムが複雑で高価なものになる。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできる車両のステアリング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両のステアリング装置は、ドライバーにより付与される操舵トルクを車輪に伝達するステアリングシャフトと、その操舵トルクに付加されるトルク発生用のアクチュエータと、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクの検出手段と、車速の検出手段と、舵角の検出手段と、検出された車速および舵角に基づき規範操舵トルクを求める手段と、検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差を低減するように、前記アクチュエータにより付与される付加トルクを制御する手段とを備えることを特徴とする。
本発明における規範操舵トルクとは、車両(ステアリングを含む)を幾何学的にモデル化した状態で、且つ、路面等の車両環境が車両に外乱を与えない状態で、車両の運動限界を超えないように操舵を行う上でステアリングシャフトにより伝達されるべきトルクをいう。
本発明の構成によれば、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクと、規範操舵トルクとの偏差が小さくなるように、アクチュエータにより付加トルクを付与することができる。これにより、外乱やドライバーの操舵等により車両挙動が不安定になった場合に、車両の運転限界を超える前に、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクを、ドライバーの運転技術に拘りなく、車両の運動限界を超えない範囲に戻すことができる。
また、車両に外乱が作用した場合、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクは、実際の舵角変化等により車両挙動が不安定になる前に変化する。よって、外乱が急激に作用したような場合でも、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクの検出結果に応じてアクチュエータにより付与される付加トルクを迅速に制御することで、車両の挙動が不安定になるのを防止できる。
また、舵角、車速、およびステアリングシャフトにより伝達されるトルクを検出し、付加トルク発生用アクチュエータを制御するだけでよいので、構成を簡単化してコスト低減を図ることができる。
【0008】
本発明において、その検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値が設定値以上であって、その検出されたトルクの変化加速度の絶対値が設定値以上である場合は、その偏差の絶対値が設定値未満である場合よりも、前記アクチュエータにより付与される付加トルクの絶対値が大きくされ、その検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値が設定値以上であって、その検出されたトルクの変化加速度の絶対値が設定値未満である場合は、その偏差の絶対値が設定値未満である場合よりも、前記アクチュエータにより付与される付加トルクの絶対値が小さくされるのが好ましい。
ドライバーが意図的に急操舵を行った場合や、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合、舵角が大きくなるとコーナリングフォースが飽和し、路面反力は上昇し難くなる。また、路面の摩擦抵抗が低下した場合、路面反力を減少させるモーメントが作用する。そのため、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合、また、路面の摩擦抵抗が低下した場合、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値は大きくなる。
その検出されたトルクの変化加速度の絶対値は、ドライバーが意図的に急操舵を行うことで大きくなる。
よって、その偏差の絶対値が設定値以上で、その検出されたトルクの変化加速度の絶対値が設定値以上である場合、ドライバーが意図的に急操舵を行ったと判断できる。この場合において、アクチュエータにより付与される付加トルクを増大することで、ドライバーの意図的な操舵を促進し、前方障害物の回避等のドライバーの意図を反映した操舵ができる。
一方、路面の摩擦抵抗が低下したり進路変更操舵を行った場合、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合に比べ、その検出されたトルクの変化加速度の絶対値は小さくなる。よって、その検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値が設定値以上で、トルクの変化加速度の絶対値が設定値未満である場合、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行ったか、あるいは、路面の摩擦抵抗が低下したと判断できる。この場合において、アクチュエータにより付与される付加トルクを小さくすることで、車両挙動の安定化を図ることができる。
【0009】
さらに、その規範操舵トルクの一部として、検出された車速および舵角から求められる規範タイヤ横滑り角に対応する規範路面反力トルクが、記憶された規範タイヤ横滑り角と規範路面反力トルクとの線形関係から求められるのが好ましい。
タイヤ横滑り角と路面反力トルクとの関係は実際は非線形である。すなわち、その関係を線形とみなす場合に比べて、タイヤ横滑り角の絶対値が大きくなると路面反力トルクの絶対値は小さくなり、車両挙動は不安定になり易い。よって、その関係を線形とみなすことで、タイヤ横滑り角の絶対値が大きくなって車両挙動が不安定になり易い場合に、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値を上記設定値以上にできる。これにより、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行ったり、路面の摩擦抵抗が低下した場合、アクチュエータにより付与される付加トルクの絶対値を小さくし、車両挙動の安定化を図ることができ、また、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合において、アクチュエータにより付与される付加トルクを増大することで、ドライバーの意図的な操舵を促進し、前方障害物の回避等のドライバーの意図を反映した操舵ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1に示すラックピニオン式電動パワーステアリング装置1は、車両AのステアリングホイールHに連結される入力軸2と、この入力軸2にトルクセンサ3を介して連結される出力軸4と、舵角センサ5とを備えている。その入力軸2と出力軸4とがステアリングシャフトを構成する。そのトルクセンサ3によりステアリングシャフトにより伝達されるトルクが連続して検出される。その出力軸4はピニオン6に接続され、そのピニオン6に噛み合うラック7に操舵用車輪8が連結される。これにより、ドライバーにより付与される操舵トルクがステアリングホイールH、入力軸2、トルクセンサ3、出力軸4、ピニオン6およびラック7を介して車輪8に伝達され、車両Aの操舵がなされる。
【0012】
そのラック7の一部はボールスクリュー11とされ、このボールスクリュー11に噛み合うボールナット12の外周にギアが形成され、そのギアに噛み合うギア13に、駆動ギア14が噛み合う。その駆動ギア14は、付加トルク発生用のアクチュエータであるDCサーボモータ15により回転駆動される。これにより、そのモータ15により付与されるトルクがドライバーによる操舵トルクに付加されて車輪8に伝達される。
【0013】
そのトルクセンサ3とモータ15は制御装置20に接続される。また、その制御装置20に、舵角としてステアリングシャフトの回転角を連続的に検出する舵角センサ5と、車両Aの車速を連続的に検出する車速センサ16とが接続される。
【0014】
その制御装置20は、車速と舵角と規範操舵トルクとの予め求めた関係を記憶し、その記憶した関係と舵角センサ5により検出される舵角と車速センサ16により検出された車速とに基づき、規範操舵トルクを求める。尚、車速および舵角から所定の関数を用いて演算により規範操舵トルクを求めてもよい。図2は、その制御装置20の機能を示すブロック図である。
すなわち、制御装置20においては、その車速センサ16により検出される車速Vと、舵角センサ5により検出される舵角θと、伝達関数G(s)とにより、規範となるタイヤ横滑り角βが求められる。その伝達関数G(s)は、例えば、sをラプラス演算子、ξを減衰係数、ωを角周波数、Kをゲインとして、K/(s2 +2ξs+ω2 )とされ、その定数は実験により予め求められ、記憶される。その規範タイヤ横滑り角βから規範路面反力トルクTkが、予め実験により求められて記憶されたタイヤ横滑り角βと路面反力トルクTkとの関係から求められる。その記憶されるタイヤ横滑り角βと路面反力トルクTkとの関係は、実際には図において破線で示すように非線形であるが、本発明においては図において実線で示すように線形とされる。
また、その舵角センサ5により検出される舵角θの微分により求められる舵角速度と、ステアリングホイールHから車輪8までの間の操舵系の粘性摩擦係数Csとから、操舵系の粘性摩擦に基づく規範となるトルクTbが求められる。その粘性摩擦係数は実験により予め求められ、記憶される。
また、その舵角センサ5により検出される舵角θの2階微分により求められる舵角加速度と、ステアリングホイールHから車輪8までの間の操舵系の慣性モーメントIsとから、操舵系の慣性モーメントに基づく規範となるトルクTcが求められる。その慣性モーメントは実験により予め求められ、記憶される。
上記規範路面反力トルク、操舵系の粘性摩擦に基づく規範トルク、および慣性モーメントに基づく規範トルクの和(Tk+Tb+Tc)が、規範操舵トルクとされる。
また、制御装置20は、上記トルクセンサ3により検出されるステアリングシャフトにより伝達されるトルクTと、その規範操舵トルクとの偏差ΔTを求める。そのトルクセンサ3により検出されるトルクTは、ドライバーにより付与される操舵トルクTdと、上記モータ15により付与される付加トルクTaとの和である。制御装置20は、その偏差ΔTを低減するように、そのモータ15により付与される付加トルクTaを制御する。すなわち、その偏差ΔTに対応する付加トルクTaを演算し、その演算した付加トルクTaを発生するようにモータ15を駆動する。
【0015】
その付加トルクTaの演算は、その偏差ΔTとトルクセンサ3により検出されるトルクTの変化加速度d2 T/dt2 とに基づき求められるドライバーの操舵意図に基づき行われる。
すなわち、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合や、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合、舵角θが大きくなるとコーナリングフォースが飽和し、路面反力は上昇し難くなる。また、路面の摩擦抵抗が低下した場合、路面反力を減少させるモーメントが作用する。そのため、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合、また、路面の摩擦抵抗が低下した場合、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクTと規範操舵トルクとの偏差ΔTの絶対値は大きくなる。その検出されたトルクTの変化加速度d2 T/dt2 の絶対値は、ドライバーが意図的に急操舵を行うことで大きくなる。よって、その検出されたトルクTと規範操舵トルクとの偏差ΔTの絶対値が設定値以上で、その検出されたトルクTの変化加速度d2 T/dt2 の絶対値が設定値以上である場合、ドライバーが意図的に急操舵を行ったと判断できる。
一方、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合や、路面の摩擦抵抗が低下した場合は、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合に比べ、その検出されたトルクTの変化加速度d2 T/dt2 の絶対値は小さくなる。よって、その検出されたトルクTと規範操舵トルクとの偏差ΔTの絶対値が設定値以上で、検出されたトルクTの変化加速度d2 T/dt2 の絶対値が設定値未満である場合、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行ったか、路面の摩擦抵抗が低下したと判断できる。進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合、進路を修正するための操舵が必要になるため、その過剰操舵をドライバーは抑制しようとする。路面の摩擦抵抗が低下した場合、ドライバーの操舵に対する抵抗は小さくなるので、ドライバーは操舵を抑制しようとする。
【0016】
図3のフローチャートは、そのドライバーの操舵意図の判断手順を示す。
まず、その偏差ΔTの絶対値が設定値T1以上か否かを判断する(ステップ1)。その設定値T1は、その偏差ΔTの絶対値が設定値T1未満であれば車両の運動限界内において適正な操舵が行われるように設定する。その偏差ΔTの絶対値が設定値T1未満である場合、ドライバーの操舵意図は通常であると判断する(ステップ2)。その偏差ΔTの絶対値が設定値T1以上であれば、トルクセンサ3により検出されるトルクTの変化加速度d2 T/dt2 の絶対値が設定値E1以上か否かを判断する(ステップ3)。その設定値E1は、ドライバーが車両を急操舵する場合の変化加速度d2 T/dt2 の最小値に対応するように設定する。その変化加速度d2 T/dt2 の絶対値が設定値E1以上である場合は、ドライバーの操舵意図は操舵の促進であると判断する(ステップ4)。その変化加速度d2 T/dt2 の絶対値が設定値E1未満である場合は、ドライバーの操舵意図は操舵の抑制であると判断する(ステップ5)。
【0017】
図4は、その偏差ΔTとモータ15により付与される付加トルクTaとの関係を示し、実線はドライバーの操舵意図が通常の場合、一点鎖線はドライバーの操舵意図が操舵の促進の場合、破線はドライバーの操舵意図が操舵の抑制の場合である。すなわち、操舵意図が促進の場合は通常の場合よりもモータ15により付与される付加トルクTaの絶対値が大きくされ、操舵意図が抑制の場合は通常の場合よりもモータ15により付与される付加トルクTaの絶対値が小さくされる。
【0018】
本発明の構成によれば、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクTと、規範操舵トルクとの偏差ΔTが小さくなるように、モータ15により付加トルクTaを付与することができる。これにより、外乱やドライバーの操舵等により車両挙動が不安定になった場合に、車両の運転限界を超える前に、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクを、ドライバーの運転技術に拘りなく、車両の運動限界を超えない範囲に戻すことができる。
また、車両に外乱が作用した場合、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクTは、実際の舵角変化等により車両挙動が不安定になる前に変化する。よって、外乱が急激に作用したような場合でも、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクTの検出結果に応じてモータ15により付与される付加トルクTaを迅速に制御することで、車両の挙動が不安定になるのを防止できる。
また、舵角θ、車速V、およびステアリングシャフトにより伝達されるトルクTを検出し、モータ15を制御するだけでよいので、構成を簡単化してコスト低減を図ることができる。
また、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合において、モータ15により付与される付加トルクTaを増大することで、ドライバーの意図的な操舵を促進し、前方障害物の回避等のドライバーの意図を反映した操舵ができる。また、路面の摩擦抵抗が低下した場合において、モータ15により付与される付加トルクTaを小さくすることで、車両挙動の安定化を図ることができる。また、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行った場合、モータ15により付与される付加トルクTaを小さくすることで、従来であれば図5において破線で示すように車両Aの進路の修正操舵が必要であったのに対して、実線で示すように車両Aの挙動を安定化して進路修正操舵を不要にできる。
さらに、その規範操舵トルクの一部として、車速Vと舵角θとから求められる規範タイヤ横滑り角βに対応する規範路面反力トルクTkが、記憶されたタイヤ横滑り角βと路面反力トルクTkとの線形関係から求められる。これにより、そのタイヤ横滑り角βと路面反力トルクTkとの関係を正確に非線形とする場合に比べ、タイヤ横滑り角βの絶対値が大きくなって車両挙動が不安定になり易い場合に、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクTと規範操舵トルクとの偏差ΔTの絶対値を上記設定値T1以上にできる。すなわち、進路変更に際して必要以上に過剰に操舵を行ったり、路面の摩擦抵抗が低下し、車両挙動が不安定になり易い場合に、モータ15により付与される付加トルクTaの絶対値を小さくし、車両挙動の安定化を図ることができ、また、ドライバーが意図的に急操舵を行った場合において、アクチュエータにより付与される付加トルクを増大することで、ドライバーの意図的な操舵を促進し、前方障害物の回避等のドライバーの意図を反映した操舵ができる。
【0019】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、図4に示す例では偏差ΔTとモータ15により付与される付加トルクTaとの関係は線形であるが、非線形であってもよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、外乱やドライバーの操舵により車両の挙動が運動限界を越えそうな時に、積極的に操舵トルクを制御することにより、運転の未熟なドライバーでも熟練ドライバーと同様に車両を常に適切に操舵し、車両を運動限界内に引き戻し、安全性を向上できる車両のステアリング装置を、簡単な構成で低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両のステアリング装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の車両のステアリング装置の制御装置の機能を示すブロック線図
【図3】本発明の実施形態の車両のステアリング装置の制御装置によるドライバーの操舵意図の判断手順を示すフローチャート
【図4】本発明の実施形態の車両のステアリング装置におけるステアリングシャフトにより伝達されるトルクと規範操舵トルクとの偏差に対する、モータにより付与される付加トルクの関係を示す図
【図5】車両の進路を示す図
【符号の説明】
2 入力軸
3 トルクセンサ
4 出力軸
5 舵角センサ
15 モータ
16 車速センサ
20 制御装置

Claims (2)

  1. ドライバーにより付与される操舵トルクを車輪に伝達するステアリングシャフトと、
    その操舵トルクに付加されるトルク発生用のアクチュエータと、
    そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクの検出手段と、
    車速の検出手段と、
    舵角の検出手段と、
    検出された車速および舵角に基づき規範操舵トルクを求める手段と、
    検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差を低減するように、前記アクチュエータにより付与される付加トルクを制御する手段とを備え
    その検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値が設定値以上であって、その検出されたトルクの変化加速度の絶対値が設定値以上である場合は、その偏差の絶対値が設定値未満である場合よりも、前記アクチュエータにより付与される付加トルクの絶対値が大きくされ、
    その検出されたトルクと規範操舵トルクとの偏差の絶対値が設定値以上であって、その検出されたトルクの変化加速度の絶対値が設定値未満である場合は、その偏差の絶対値が設定値未満である場合よりも、前記アクチュエータにより付与される付加トルクの絶対値が小さくされる車両のステアリング装置。
  2. その規範操舵トルクの一部として、検出された車速および舵角から求められる規範タイヤ横滑り角に対応する規範路面反力トルクが、記憶された規範タイヤ横滑り角と規範路面反力トルクとの線形関係から求められる請求項1に記載の車両のステアリング装置。
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