JP3678315B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に関し、より詳細には、画素径をほぼ一定とする記録モードと、1個から複数個のインク滴を被記録体上における同一箇所に付着させ、画素径を可変とする記録モードとの2つの記録モードを有するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノンインパクト記録方法は、記録時における騒音の発生が無視できる程度に極めて小さいという点で、オフィス用等に好適な記録方法として注目されている。その中で、高速記録が可能であり、しかも、普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記録を行うことができる、所謂、インクジェット記録方法は極めて有力な記録方法であり、これまでにも様々な方式が提案され、又は、既に製品化,実用化されている。
このようなインクジェット記録方法は、所謂インクと称される記録液体の小液滴(インク滴)を飛翔させ、このインク滴を被記録体に付着させることによって記録を行うものであり、例えば、本出願人が特公昭56−9429号公報において開示している。
【0003】
特公昭56−9429号公報に記載のインクジェット記録装置は、液室内のインクを加熱して気泡を発生させることにより、インクに圧力上昇を生じさせ、このインクを微細なノズル先端のインク吐出口から吐出させて記録を行うものである。
この後、この原理を利用して多くの発明がなされ、その一つとして、例えば、特開昭59−207265号公報に開示された発明が知られている。
【0004】
特開昭59−207265号公報に記載のインクジェット記録方法は、階調記録を行うための方法を示しており、一つのヒータに一群のパルス信号を加えて一個のインク滴を放出するようにしたものである。つまり、この発明では、加えられたパルス信号の数に応じて吐出するインク滴の数が変化するが、これらのインク滴は互いに結合した状態で飛翔し、被記録体上の同一箇所に付着するものであり、パルス信号の数に応じて画素数を変えることができる。又、この考えを受け継ぎ、このような画素数を変える方法について具体的、かつ詳細な条件を明らかにしたものとして、特開平6−297717号公報に開示された発明がある。
【0005】
特開平6−297717号公報に記載のインクジェット記録方法は、一つの画素を形成するために吐出されるインク滴の数を画像濃度情報に応じて変えることにより、画素の大きさを変えて階調記録を行う記録方法である。しかしながら、特開昭59−207265号公報,特開平6−297717号公報に開示された発明は、複数パルスのパルス数に応じて画素径を変えて階調記録を行う技術を開示しているだけであり、このような技術では、階調表現を必要とするイメージ記録については効果を発揮するが、階調表現を必要としない文字などの記録を行う際には、記録速度の点で問題がある。
【0006】
このような問題を解決する技術として、例えば、特開平1−242258号公報,特開平1−242259号公報に開示された技術がある。
ここに開示された技術は、要約すると、上記のような複数パルスによって画素径を変えることのできる手段と、画素径を変える必要のない通常のインクジェット技術とを2つ組合せた記録ヘッドを提案し、階調表現の必要なイメージ記録と、階調表現を必要としない文字などの記録の両方に適するような記録ヘッドとしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開平1−242258号公報,特開平1−242259号公報に開示された記録ヘッドには、画素径が可変な画素と、径がほぼ一定な画素との2種類の画素の関係に関する記載はなく、それらの関係を最適にするには、どのようにしたらよいかに関しては、明確にされていなかった。
【0008】
本発明は、画素径を可変とする場合と、画素径をほぼ一定とする場合の2つの記録モードを有するインクジェッド記録装置を提供するとともに、そのような画素径可変の場合の最大径を合理的に決められた画素径可変のインクジェット記録装置を、印写に使用する時に、実印写に最も合理的な画素径となるようにすることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一定の質量のインク滴(以下、インク滴1)を噴射するノズルと発熱体の組み合わせよりなる噴射手段1と、該インク滴1より小さい質量のインク滴(以下、インク滴2)を噴射するノズルと発熱体の組み合わせよりなる噴射手段2を有するインクジェット記録装置において、該インク滴2は被記録体上の同一箇所に1〜n−1個打ち込まれることにより、画素径を可変とし、前記nは、n個で打ち込んだ時の画素径が、前記インク滴1による画素径と等しくなるように決められた値であり、噴射手段1を用いてインク滴1を噴射する際には、当該インク滴の1滴のみで1画素が形成されることを特徴としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明が適用されるインクジェット記録装置を一例として、バブルジェット型インクジェット記録装置について説明する。
【0013】
図3は、バブルジェット記録装置の動作を説明するための図、図4は、バブルジェット記録装置の一例を示す斜視図、図5は、図4に示したバブルジェット記録装置を構成する蓋基板(図5(A))と、発熱体基板(図5(B))に分解した時の斜視図、図6は、図5(A)に示した蓋基板を裏側から見た斜視図で、図中、1は蓋基板、2は発熱体基板、3は記録液体流入口、4はオリフィス、5は流路、6は液室を形成するための領域、7は個別(独立)電極、8は共通電極、9は発熱体(ヒータ)、10は記録液(インク)、11は気泡、12は飛翔インク滴で、本発明は、斯様なバブルジェット記録装置に適用するものである。
【0014】
最初に、図3を参照しながらバブルジェット記録装置によるインク噴射について説明すると、
(A)は定常状態であり、オリフィス面でインク10の表面張力と外圧とが平衡状態にある。
(B)は、ヒータ9が加熱されて、ヒータ9の表面温度が急上昇し、隣接インク層に沸騰現象が起きるまで加熱され、微小気泡11が点在している状態にある。
(C)は、ヒータ9の全面で急激に加熱された隣接インク層が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡11が生長した状態である。この時、ノズル内の圧力は、気泡の生長した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバランスがくずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
(D)は気泡が最大に生長した状態であり、オリフィス面より気泡の体積に相当する分のインク10が押し出される。この時、ヒータ9には電流が流れていない状態にあり、ヒータ9の表面温度は降下しつつある。気泡11の体積の最大値は、電気パルス印加のタイミングからやや遅れる。
(E)は、気泡11がインクなどにより冷却されて収縮を開始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では、押し出された速度を保ちつつ前進し、後端部では、気泡の収縮に伴って、ノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル内へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
(F)は、さらに気泡11が収縮し、ヒータ面にインクが接し、ヒータ面がさらに急激に冷却される状態にある。オリフィス面では、外圧がノズル内圧より高い状態になるため、メニスカスがノズル内に大きく入り込んで来ている。インク柱の先端部は液滴になり、記録紙の方向へ5〜10m/sec の速度で飛翔している。
(G)は、オリフィスにインクが毛細管現象により再び供給(リフィル)されて(A)の状態に戻る過程で、気泡は完全に消滅している。
本発明は、上述のごとく作動するバブルジェット型インクジェット記録装置に適用されるものである。
【0015】
図1は、本発明が適用されるバブルジェット型インクジェット記録装置の要部(発熱体,電極部)の実施の形態例を説明するための構成図で、図1(A)は、発熱体,電極パターンの一例を示すオリフィス部平面図、図1(B)は、オリフィス部断面図(ただし、電極及び保護層等は省略してある)であり、図中、9aはオリフィスに近い発熱体、9bはオリフィスから遠い発熱体、7aは発熱体9aの制御電極、7bは発熱体9bの制御電極、8は共通電極である。
図1に示したバブルジェット記録装置は、基板1と、該基板1と対向離間した発熱体基板2とにより、インク10の流路を構成し、流路の一方端部が開口してオリフィス4を形成している。発熱体基板2には、オリフィス4に近い発熱体9aと、オリフィス4から遠い発熱体9bを有し、共に共通電極8に接続され、各々は単独に制御電極7a,7bに接続され、1つのオリフィス4に対し発熱体が2つあり、それらは独立に駆動できるようになっている。
【0016】
図2は、図1に示したバブルジェット記録装置の動作原理を説明するための図で、図2(A)は、発熱体9bの駆動による動作、図2(B)は、発熱体9aの駆動による動作を示す図であり、図中、13は画素、14は駆動パルスである。
まず、図2(A)に示すオリフィス4から遠い発熱体9bを駆動した場合の動作について説明する。
オリフィス4から遠い発熱体9bは、図3で説明したような動作をする。つまり、図2(A)に示すように、発熱体9bはパルス14によって駆動されるが、該発熱体9bによって形成される画素13は大画素であり、ほとんどいつも同じ大きさである。また、その駆動周波数は5〜15kHz程度で使用される。つまり、この場合の画素13は、階調表現を必要としない文字等の印写、あるいは、全面を塗りつぶすような場合の印写に使用される。
【0017】
一方、図2(B)に示すオリフィス4に近い発熱体9aを駆動した場合の動作について説明する。
発熱体9aは細かい間隔で1つ以上のパルスエネルギーが加えられ、図においては、微小インク滴(121、〜、124)、すなわち、n=4が被記録体の同一箇所に形成され、これらの微小インク滴の数nに応じて大きくなる画素13を形成する。
原理的には、図3で説明したように、駆動パルスに応じて気泡が発生し、発生した気泡に応じてインク滴が飛翔するが、この場合、加えられる駆動パルスエネルギーは、図2(A)の場合より小さく、又、発熱体9aは発熱体9bより小さくしているので、形成される飛翔インク滴121、〜、124も小さい。更に、また、この小さい駆動パルスエネルギーは、10k〜50kHzと高い周波数で、1〜複数パルスが加えられるため、図2(B)に示したように、微小インク滴が連続的に吐出飛翔し、紙に付着し、微小インク滴の数に応じた大きさの1つの画素13を形成する。また、それらが合体して紙に付着することもある。つまり、インク滴の数に応じて画素の大きさが変えられ、階調表現を必要とするようなイメージの印写に使用される。
【0018】
なお、以上の説明では、発熱体9aを画素径可変の記録に使用し、発熱体9bを画素径一定の記録に使用するという例を示したが、発熱体9aを画素径可変の記録に使用して画素径一定の記録を行う際には、発熱体9aと9bの両方をほぼ同時に駆動して、1つの大きな発熱体9、すなわち、発熱体(9a+9b)として使用することも良い方法である。この場合は、画素径可変記録に使用する発熱体と、画素径一定の記録に使用する発熱体の大きさの比率を大きくできるので、階調記録の階調数を広くとれ、より高画質記録に適するという利点がある。
【0019】
次に、本発明が適用される、他のインクジェット記録装置の構成を説明する。図7は、EDGE SHOOTERヘッド(図4)の要部断面図であり、図8は、SIDE SHOOTERヘッドの要部断面図であり、図3〜図5と同様な作用をする部分には、図3〜図5の場合と同様の参照番号を付してある。
【0020】
図9は、SIDE SHOOTERヘッドの動作原理を示す図であり、この動作原理は、図3に関して説明したのと同様であり詳細な説明を省くが、図9(A)の状態から図9(D)の状態に至り飛翔インク滴を噴射する。その後、図9(A)と同じ状態の図9(E)の状態に戻り、その間に飛翔インク滴12を噴射するものである。
【0021】
図10は、SIDE SHOOTERヘッドの一例を示す断面図で、図中、4aは第1のオリフィス、4bは第2のオリフィス、9aは第1の熱エネルギー作用部(発熱体)、9bは第2の熱エネルギー作用部(発熱体)である。
図10に示したSIDE SHOOTERヘッドのインク飛翔動作を図2に従って説明する。
まず、発熱体9bに加えられる駆動パルス14は、図2(A)に示す駆動パルス14と同様にパルス幅が広く、エネルギーは大きい。従って、オリフィス4からの飛翔インク滴12は、図3あるいは図9に示したと同様の経過により、大きい液滴として噴射されるので、この大きい飛翔インク滴12によって形成される画素13も大画素であり、画素13は殆どいつも同じ大きさである。
【0022】
一方、オリフィス4aから噴射される飛翔インク滴は、図2(B)に示すように、細かい間隔で1つ以上のパルスエネルギーが加えられ、それに応じて1つ以上n個の微小インク滴が噴射される。図2(B)においては、微小インク滴、(121、〜、124)が被記録体の同一箇所に形成され、微小インク滴12の数に応じた大きさの画素13が得られる。この場合、加えられるパルスエネルギーは、図2(A)に示した場合よりも小さく、又、オリフィス4a,発熱体9aも、オリフィス4b,発熱体9bよりも小さいため、形成されるインク滴も小さい。つまり、この例では、オリフィス4bおよび発熱体9bは、画素径一定の記録に使用され、オリフィス4aおよび発熱体9aは、画素径可変の階調記録に使用される。
【0023】
なお、以上の説明は、すべて、インク滴飛翔の駆動エネルギーとして発熱体を使用し、インク中で気泡を発生させて気泡内圧による作用力でインク噴射を行う、いわゆるバブルジェット記録装置の例を示してきたが、画素径一定の記録と、画素径可変の記録の2種類のモードをもつ記録ヘッドは、何もバブルジェット記録装置に限定されることなく、例えば、ピエゾ振動子を使用するドロップオンデマンド方式のインクジェット記録ヘッドでも可能である。具体的には、1つのオリフィスと、1つのピエゾ振動子を持つようなヘッドで、ピエゾ振動子に加えるエネルギーを小さくし、微小インク滴を形成し、それを1〜複数滴同一箇所に打ち込むことで、画素径可変が可能であり、同じヘッドでピエゾ振動子に加えるエネルギーを大きくし、いつも一定のエネルギーを加えれば、大きな画素の画素径一定記録となる。
【0024】
あるいは、図10に示したバブルジェット記録装置のように、小さいオリフィスと小さいピエゾ振動子からなるヘッド1と、大きいオリフィスと大きいピエゾ振動子からなるヘッド2をもつヘッドユニット(ヘッド1、プラス、ヘッド2)として、ヘッド2による画素径一定記録とヘッド1による画素径可変記録の2種類のモードをもつようにしてもよい。
【0025】
いずれにしろ、このような微小インク滴を1〜複数個ほぼ被記録体の同一箇所に打ち込み、その打ち込み数を変えることによって画素径を変える階調記録と、画素が大きく、ほぼ一定の大きさのインク滴によって画素径を変えない記録とを行うことのできるインクジェット記録装置ヘッドにおいて、本発明では、画素径可変の場合の最大画素径が画素径一定の場合の画素径とほぼ等しくなるように、微小インク滴の打ち込み数を決めるようにしている。
【0026】
あるいは、画素径可変の場合に形成された最大画素で全面印写(ベタ印写)を行った場合の光学濃度が、画素径一定の場合の画素で全面印写を行った場合の光学濃度に最も近くなるように、微小インク滴の打ち込み数を決めるようにする。こうすることにより、画素径可変の場合の打ち込み数を最適化でき、打ち込み数過不足による不具合をなくすことができる。
【0027】
〔実施例1〕
図1に示したようなヘッドを試作したディメンション等を以下に示す。
・発熱体 9a ・発熱体 9b
サイズ:16μm×30μm サイズ:16μm×60μm
抵抗体:41.5Ω 抵抗体:82.0Ω
・発熱体9aと発熱体9bの間隔:4μm
・発熱体9aの左端部からオリフィス部までの距離:70μm
・オリフィスサイズ:□16μm(600dpi配列128ノズル)
【0028】
・記録体:三菱製マットコート紙NM
・インク
純水:48wt%,グリセリン:45wt%
エチルアルコール:4.8wt%
染料(C.I.ダイレクトブラック154):2.2wt%
・発熱体9aの駆動条件
駆動電圧V0:14V バルス幅Pw:3μs
駆動周波数F0:12kHz
【0029】
このようなバブルジェット記録装置で、発熱体9aを駆動し、形成される微小インク滴を、1滴で1画素,2滴で1画素,3滴で1画素……6滴で1画素という具合に、記録紙上にn=1,2〜6の画素を形成し、その画素径を測定したところ、表1のような結果となった。この時、画素径測定とは別に全面ベタ印写も行い、光学濃度も測定した。なお、画素径測定は10個の測定値の平均値である。
【0030】
【表1】
【0031】
一方、発熱体9aと9bを同時に駆動し、1滴により1画素を形成したところ
画素径は60.4μm
この時の全面印写による光学濃度は、1.26であった。なお、この時の発熱体9a,9bの駆動条件は以下のとおりである。
駆動電圧V0:25V バルス幅Pw:5μs
駆動周波数F0:6kHz
【0032】
以上の結果より、画素径可変とするためのインク滴の数nは、最大5滴とすれば、その画素径は60.8μmでなり、画素径一定で1滴で1画素を形成する場合の画素径は60.4μmに最も近い画素径となることがわかる。又、光学濃度も5滴印写した場合に、1.27となり、画素径一定で1滴で1画素を形成する場合のそれが、1.26であり最も近い値となることがわかる。
つまり、この場合、n=5とすることにより、画素径可変の場合の画素径および光学濃度が画素径一定の場合のそれらと最も近い値となるため、それ以上の数(n=6以上)をとることは不必要であることがわかる。又、実際に印写する場合には、n=5の時の画素径および光学濃度は、画素径一定の場合の1画素で、ほぼ等しい値が得られるので画素径可変の場合の滴数は、1滴からn−1滴(4滴)とするのが最も合理的であるといえる。
【0033】
〔実施例2〕
図10に示したようなヘッドを試作したディメンション等を以下に示す。
・発熱体 9a ・発熱体 9b
サイズ:30μm×30μm サイズ:50μm×50μm
抵抗体:70.3Ω 抵抗体:70.5Ω
・オリフィスサイズ4a:φ30μm ・オリフィスサイズ4b:φ48μm
・発熱体面からオリフィスまでの距離
9a−4a間:15μm 9b−4b間:35μm
・各オリフィス4a,4bともに、千鳥配列とされ、最終印写密度は300dpiとなるように配置した(オリフィス数は各50個)。
【0034】
記録紙,インク組成等も、実施例1と同じ条件である。なお、発熱体9aの駆動条件は以下のとおりである。
駆動電圧V0:17V バルス幅Pw:3μs
駆動周波数F0:10kHz
【0035】
このようなヘッドで発熱体9aを駆動し、実施例1と同様にインク滴数nと画素径,光学濃度の関係を調べたところ表2のような結果が得られた。
【0036】
【表2】
【0037】
一方、発熱体9bを以下の条件で駆動し、1滴により1画素を形成したところ、画素径は120.5μm、この時の全面印写による光学濃度は1.27であった。
駆動電圧V0:24V バルス幅Pw:6μs
駆動周波数F0:4.2kHz
【0038】
以上の結果より、画素径可変とするためのインク滴の数nは、最大7滴とすればその画素径は、121.5μmとなり、画素径一定で、1滴で1画素を形成する場合の画素径120.5μmに最も近い画素径となることがわかる。又、光学濃度も7滴印写した場合に、1.28となり、画素径一定で、1滴で1画素を形成する場合のそれが、1.27であり、最も近い値となることがわかる。
つまりこの場合、n=7とすることにより、画素径可変の場合の画素径および光学濃度が、画素径一定の場合のそれらと最も近い値となるため、それ以上の数(n=8以上)をとることは不必要であることがわかる。又、実際に印写する場合には、n=7の時の画素径および光学濃度は、画素径一定の場合の1画素で、ほぼ等しい値が得られるので、画素径可変とする場合の滴数は、1滴からn−1滴(6滴)とするのが最も合理的であるといえる。
【0039】
【発明の効果】
一定の質量のインク滴(以下、インク滴1)を噴射するノズルと発熱体の組み合わせよりなる噴射手段1と、該インク滴1より小さい質量のインク滴(以下、インク滴2)を噴射するノズルと発熱体の組み合わせよりなる噴射手段2を有するインクジェット記録装置において、該インク滴2は被記録体上の同一箇所に1〜n−1個打ち込まれることにより、画素径を可変とし、前記nは、n個で打ち込んだ時の画素径が、前記インク滴1による画素径と等しくなるように決められた値であるので、打ち込み数に過不足がなく、最適数とすることができた。よって、打ち込み数の不足によって引き起こされる低画像濃度およびそれによる低画像品質ということがないので、得られる画像は高画質となる。また打ち込み数が過剰の場合には、印写時間が不必要に長くなり、また、被記録体上のインクも必要以上に多くなるため、乾燥時間が長くなったり、画素にじみ,画像の流れ等が生じるが、本発明では、打ち込み数が最適数に決められるので、そのような不具合はいっさいない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるバブルジェット型インクジェット記録装置の要部(発熱体,電極部)の実施の形態例を説明するための構成図である。
【図2】 図1に示したバブルジェット記録装置の動作原理を説明するための図である。
【図3】 バブルジェット記録装置の動作を説明するための図である。
【図4】 バブルジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】 図4に示したバブルジェット記録装置を構成する蓋基板(図5(A))と、発熱体基板(図5(B))に分解した時の斜視図である。
【図6】 図5(A)に示した蓋基板を裏側から見た斜視図である。
【図7】 EDGE SHOOTERヘッドの図4の要部断面図である。
【図8】 SIDE SHOOTERヘッドの要部断面図である。
【図9】 SIDE SHOOTERヘッドの動作原理を示す図である。
【図10】 SIDE SHOOTERヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…蓋基板、2…発熱体基板、3…記録液体流入口、4…オリフィス、4a…第1のオリフィス、4b…第2のオリフィス、5…流路、6…液室を形成するための領域、7…個別(独立)電極、7a…発熱体9aの制御電極、7b…発熱体9bの制御電極、8…共通電極、9…発熱体(ヒータ)、9a…第1の熱エネルギー作用部(発熱体)、9b…第2の熱エネルギー作用部(発熱体)、10…記録液(インク)、11…気泡、12…飛翔インク滴、13…画素、14…駆動パルス。
Claims (1)
- 一定の質量のインク滴(以下、インク滴1)を噴射するノズルと発熱体の組み合わせよりなる噴射手段1と、該インク滴1より小さい質量のインク滴(以下、インク滴2)を噴射するノズルと発熱体の組み合わせよりなる噴射手段2を有するインクジェット記録装置において、該インク滴2は被記録体上の同一箇所に1〜n−1個打ち込まれることにより、画素径を可変とし、前記nは、n個で打ち込んだ時の画素径が、前記インク滴1による画素径と等しくなるように決められた値であり、噴射手段1を用いてインク滴1を噴射する際には、当該インク滴の1滴のみで1画素が形成されることを特徴とするインクジェット記録装置。
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