JP3677653B2 - 近接場光プローブ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場光プローブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、微細加工技術の発展を基盤に、ナノメートルサイズの微細構造を有する素子が実用化されようとしている。ナノメートルオーダーの分解能をもつ近接場光学顕微鏡は、上述したようなデバイスの開発あるいは評価に欠かせないものとなっている。
【0003】
この近接場光学顕微鏡は、例えば試料からの発光あるいは透過光の光強度、波長、偏光等を検出することにより、試料から得られる発光あるいは透過光から試料の物性を知ることができる。
【0004】
近接場光学顕微鏡は、ナノメートルサイズのプローブを備え、光の波長を超えた分解能をもつ光学像を得ることができる。従って、この近接場光学顕微鏡技術を利用することにより、ナノメートル級の分解能で、例えば生体試料、半導体試料、光メモリー材料、感光性材料等の物体の形状測定や分光測定、さらにはメモリー操作(書き込み/読み出し/消去)、光加工などを行うことができる。
【0005】
この近接場光学顕微鏡は、試料の物性を得るときには物質表面の光の波長より小さい領域に局在するエバネッセント光を検出して物体の形状を測定し、全反射条件下で物体にレーザ光が照射されることにより生じたエバネッセント光を、プローブのナノメートルサイズとなされた先鋭部の先端によって形成させる。この場合には、プローブが光ファイバーで形成されており、先鋭部によって散乱された光は当該先鋭部を通じて光ファイバーのコアに送られる。そして、コア内に導かれた光は、光ファイバーのもう一方の出射端から出射し、検出器により検出される。つまり、この顕微鏡では、光ファイバープローブによって散乱と検出の両方が行われる。そして、このとき、プローブを物体上で走査させることにより、2次元的な検出光の画像が得られることになる。
【0006】
上述の光ファイバープローブは、先鋭部の先端に微小開口を形成することにより光を閉じこめ、或いは先鋭部を微小構造とすることにより光を散乱させる現象を生じさせて近接場光学顕微鏡として利用されている。光ファイバープローブは、先端を鋭く尖らせた構造とするとともに、その外面を金属被膜からなる遮光膜で覆うことにより、近接場領域への光を閉じこめ、局所的な散乱を可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、この金属被膜は蒸着やスパッタリング等によって形成されるが、蒸着やスパッタリング等によって形成された金属被膜は、数nm〜数十nmのクラスタによって構成されている。したがって、金属被膜の膜厚を例えば100nm以下と薄くした場合には、当該クラスタの間隙より光がリークしてしまい、金属被膜に十分な遮光性を付与することができなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、金属被膜の間隙からのリークを無くした近接場光プローブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の近接場光プローブは、少なくとも突起部を有し、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされてなる近接場光プローブであって、上記金属被膜が、Hgによってアマルガム化されていることを特徴とする。
【0010】
上述したような本発明に係る近接場光プローブでは、上記金属被膜がアマルガム化されているので、金属被膜のクラスタ間隙が埋まり、金属被膜の遮光性が向上する。
【0011】
また、本発明の近接場光プローブの製造方法では、少なくとも突起部を有し、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされてなる近接場光プローブを製造するに際し、上記金属被膜にHgを接触させることにより、当該金属被膜をアマルガム化することを特徴とする。
【0012】
上述したような本発明に係る近接場光プローブの製造方法では、上記金属被膜をアマルガム化しているので、金属被膜のクラスタ間隙を埋めて、金属被膜の遮光性を向上させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した近接場光プローブ及びその製造方法の、実施の形態について説明する。
【0014】
図1に近接場光プローブとして、光ファイバープローブの概略図を示す。この光ファイバープローブ1は、その中心軸に沿って伸びるコア部2と、コア部2の外周面を覆うクラッド部3と、クラッド部3の表面部分を覆う金属被膜4とから構成され、その先端部分が略円錐状に尖鋭化されて突起部5とされている。
【0015】
コア部2は、光ファイバープローブ1に入射した光が伝播する部分である。このコア部2は、例えば純粋石英(SiO2)からなる第1のコア部と、その中心部に例えば二酸化ゲルマニウム(GeO2)がドープされてなる第2のコア部とからなる2重コア構造となっている。また、コア部2を伝播する光が外部へと漏れるのを防止するために、コア部2の外周面はクラッド部3によって覆われている。
【0016】
そして、コア部2は、光ファイバプローブ1の一端においてクラッド部3の端面から突出して突起部5となされている。この突起部5と、その近傍に位置するクラッド部4の表面は、アルミニウム等からなる金属被膜4で覆われている。ただし、突起部5の頂点部分は、例えば集束イオンビーム(FIB)等の適宜手段により金属被膜が除去されて開口部6が形成されており、コア部2が露出している。この開口部6は光ファイバープローブ1における光の出射口となる。
【0017】
ここで、本発明に係る光ファイバープローブ1では、金属被膜4が、Hgとの合金であるアマルガム化されている。
【0018】
金属被膜4の膜厚については、近接場光プローブの分解能という点からは、より薄いことが要求され、同時に、一方で背景ノイズを減らすために十分な遮光性能が要求される。
【0019】
一般的に、この金属被膜は蒸着やスパッタリング等によって形成されるが、蒸着やスパッタリング等によって形成された金属被膜は、数nm〜数十nmのクラスタによって構成されている。したがって、金属被膜4の膜厚を例えば100nm以下と薄くした場合には、当該クラスタの間隙より光がリークしてしまうことになり、金属被膜に十分な遮光性を付与することができなかった。
【0020】
金属被膜4をアマルガム化することで、当該クラスタの間隙を埋めることができ、これによりクラスタの間隙からの光のリークを抑えて、金属被膜に十分な遮光性を付与することができる。
【0021】
金属被膜4をアマルガム化する方法としては、例えば、光ファイバープローブ表面をコートする金属被膜4の表面に、水銀を接触させ、その後水銀を取り除くという方法が挙げられる。金属被膜4の表面に、水銀を接触させることで、簡便に金属被膜4をアマルガム化することができる。
【0022】
この金属被膜4を構成する材料としては、Hgと合金化(アマルガム化)する金属であれば、種々の金属を用いることができるが、その中でも特に、Au、Alを用いることが好ましい。
【0023】
ここで、金属被膜にAuを用いて光ファイバープローブを作製し、当該金属被膜に水銀処理を施さない場合の光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真を図2(a)に、水銀処理を施すことにより金属被膜をアマルガム化した光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真を図2(b)に示す。
【0024】
図2(a)と図2(b)とを比較することにより、水銀処理によって金属被膜をアマルガム化した図2(b)の光ファイバープローブでは、金属被膜に水銀処理を施さなかった図2の光ファイバープローブに比べて、金属被膜表面のホモロジーが緩和されていることがわかる。
【0025】
また、金属被膜にAuを用い、プローブ先端に開口部を形成しないで光ファイバープローブを作製し、プローブ先端からリークする光量の、入力光に対する依存性を調べた。その結果を図3に示す。なお、図3では、水銀処理によって金属被膜をアマルガム化した場合を◇で、金属被膜に水銀処理を施さなかった場合を◆で示している。
【0026】
図3から、水銀処理によって金属被膜をアマルガム化することで、金属被膜に水銀処理を施さなかった場合に比べてリーク光量が1/6に減少するとともに、光ファイバープローブが強い入力光によってダメージを受けるしきい値も増加し改善していることがわかる。
【0027】
以上の結果より、金属被膜をアマルガム化することで、当該クラスタの間隙を埋めることができ、これによりクラスタの間隙からの光のリークを抑えて、金属被膜に十分な遮光性を付与することができることがかった。
【0028】
なお、上述した実施の形態では、近接場光プローブとして、光ファイバープローブを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば基板上に突起部が形成されてなるようなプローブなど、一般に近接場光プローブとして用いられているものに対しても広く適用可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、近接場光プローブにの表面をコートする金属被膜をアマルガム化することで、金属被膜のクラスタの間隙を埋めることができ、これによりクラスタの間隙からの光のリークを抑えて、金属被膜に十分な遮光性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバープローブの一構成例を示す断面図である。
【図2】(a)は、金属被膜に水銀処理を施さない場合の光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真であり、(b)は、水銀処理を施すことにより金属被膜をアマルガム化した光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真である。
【図3】プローブ先端からリークする光量の、入力光に対する依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 光ファイバープローブ、 2 コア部、 3 クラッド部、 4 金属被膜、5 突起部、 6 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場光プローブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、微細加工技術の発展を基盤に、ナノメートルサイズの微細構造を有する素子が実用化されようとしている。ナノメートルオーダーの分解能をもつ近接場光学顕微鏡は、上述したようなデバイスの開発あるいは評価に欠かせないものとなっている。
【0003】
この近接場光学顕微鏡は、例えば試料からの発光あるいは透過光の光強度、波長、偏光等を検出することにより、試料から得られる発光あるいは透過光から試料の物性を知ることができる。
【0004】
近接場光学顕微鏡は、ナノメートルサイズのプローブを備え、光の波長を超えた分解能をもつ光学像を得ることができる。従って、この近接場光学顕微鏡技術を利用することにより、ナノメートル級の分解能で、例えば生体試料、半導体試料、光メモリー材料、感光性材料等の物体の形状測定や分光測定、さらにはメモリー操作(書き込み/読み出し/消去)、光加工などを行うことができる。
【0005】
この近接場光学顕微鏡は、試料の物性を得るときには物質表面の光の波長より小さい領域に局在するエバネッセント光を検出して物体の形状を測定し、全反射条件下で物体にレーザ光が照射されることにより生じたエバネッセント光を、プローブのナノメートルサイズとなされた先鋭部の先端によって形成させる。この場合には、プローブが光ファイバーで形成されており、先鋭部によって散乱された光は当該先鋭部を通じて光ファイバーのコアに送られる。そして、コア内に導かれた光は、光ファイバーのもう一方の出射端から出射し、検出器により検出される。つまり、この顕微鏡では、光ファイバープローブによって散乱と検出の両方が行われる。そして、このとき、プローブを物体上で走査させることにより、2次元的な検出光の画像が得られることになる。
【0006】
上述の光ファイバープローブは、先鋭部の先端に微小開口を形成することにより光を閉じこめ、或いは先鋭部を微小構造とすることにより光を散乱させる現象を生じさせて近接場光学顕微鏡として利用されている。光ファイバープローブは、先端を鋭く尖らせた構造とするとともに、その外面を金属被膜からなる遮光膜で覆うことにより、近接場領域への光を閉じこめ、局所的な散乱を可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、この金属被膜は蒸着やスパッタリング等によって形成されるが、蒸着やスパッタリング等によって形成された金属被膜は、数nm〜数十nmのクラスタによって構成されている。したがって、金属被膜の膜厚を例えば100nm以下と薄くした場合には、当該クラスタの間隙より光がリークしてしまい、金属被膜に十分な遮光性を付与することができなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、金属被膜の間隙からのリークを無くした近接場光プローブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の近接場光プローブは、少なくとも突起部を有し、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされてなる近接場光プローブであって、上記金属被膜が、Hgによってアマルガム化されていることを特徴とする。
【0010】
上述したような本発明に係る近接場光プローブでは、上記金属被膜がアマルガム化されているので、金属被膜のクラスタ間隙が埋まり、金属被膜の遮光性が向上する。
【0011】
また、本発明の近接場光プローブの製造方法では、少なくとも突起部を有し、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされてなる近接場光プローブを製造するに際し、上記金属被膜にHgを接触させることにより、当該金属被膜をアマルガム化することを特徴とする。
【0012】
上述したような本発明に係る近接場光プローブの製造方法では、上記金属被膜をアマルガム化しているので、金属被膜のクラスタ間隙を埋めて、金属被膜の遮光性を向上させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した近接場光プローブ及びその製造方法の、実施の形態について説明する。
【0014】
図1に近接場光プローブとして、光ファイバープローブの概略図を示す。この光ファイバープローブ1は、その中心軸に沿って伸びるコア部2と、コア部2の外周面を覆うクラッド部3と、クラッド部3の表面部分を覆う金属被膜4とから構成され、その先端部分が略円錐状に尖鋭化されて突起部5とされている。
【0015】
コア部2は、光ファイバープローブ1に入射した光が伝播する部分である。このコア部2は、例えば純粋石英(SiO2)からなる第1のコア部と、その中心部に例えば二酸化ゲルマニウム(GeO2)がドープされてなる第2のコア部とからなる2重コア構造となっている。また、コア部2を伝播する光が外部へと漏れるのを防止するために、コア部2の外周面はクラッド部3によって覆われている。
【0016】
そして、コア部2は、光ファイバプローブ1の一端においてクラッド部3の端面から突出して突起部5となされている。この突起部5と、その近傍に位置するクラッド部4の表面は、アルミニウム等からなる金属被膜4で覆われている。ただし、突起部5の頂点部分は、例えば集束イオンビーム(FIB)等の適宜手段により金属被膜が除去されて開口部6が形成されており、コア部2が露出している。この開口部6は光ファイバープローブ1における光の出射口となる。
【0017】
ここで、本発明に係る光ファイバープローブ1では、金属被膜4が、Hgとの合金であるアマルガム化されている。
【0018】
金属被膜4の膜厚については、近接場光プローブの分解能という点からは、より薄いことが要求され、同時に、一方で背景ノイズを減らすために十分な遮光性能が要求される。
【0019】
一般的に、この金属被膜は蒸着やスパッタリング等によって形成されるが、蒸着やスパッタリング等によって形成された金属被膜は、数nm〜数十nmのクラスタによって構成されている。したがって、金属被膜4の膜厚を例えば100nm以下と薄くした場合には、当該クラスタの間隙より光がリークしてしまうことになり、金属被膜に十分な遮光性を付与することができなかった。
【0020】
金属被膜4をアマルガム化することで、当該クラスタの間隙を埋めることができ、これによりクラスタの間隙からの光のリークを抑えて、金属被膜に十分な遮光性を付与することができる。
【0021】
金属被膜4をアマルガム化する方法としては、例えば、光ファイバープローブ表面をコートする金属被膜4の表面に、水銀を接触させ、その後水銀を取り除くという方法が挙げられる。金属被膜4の表面に、水銀を接触させることで、簡便に金属被膜4をアマルガム化することができる。
【0022】
この金属被膜4を構成する材料としては、Hgと合金化(アマルガム化)する金属であれば、種々の金属を用いることができるが、その中でも特に、Au、Alを用いることが好ましい。
【0023】
ここで、金属被膜にAuを用いて光ファイバープローブを作製し、当該金属被膜に水銀処理を施さない場合の光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真を図2(a)に、水銀処理を施すことにより金属被膜をアマルガム化した光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真を図2(b)に示す。
【0024】
図2(a)と図2(b)とを比較することにより、水銀処理によって金属被膜をアマルガム化した図2(b)の光ファイバープローブでは、金属被膜に水銀処理を施さなかった図2の光ファイバープローブに比べて、金属被膜表面のホモロジーが緩和されていることがわかる。
【0025】
また、金属被膜にAuを用い、プローブ先端に開口部を形成しないで光ファイバープローブを作製し、プローブ先端からリークする光量の、入力光に対する依存性を調べた。その結果を図3に示す。なお、図3では、水銀処理によって金属被膜をアマルガム化した場合を◇で、金属被膜に水銀処理を施さなかった場合を◆で示している。
【0026】
図3から、水銀処理によって金属被膜をアマルガム化することで、金属被膜に水銀処理を施さなかった場合に比べてリーク光量が1/6に減少するとともに、光ファイバープローブが強い入力光によってダメージを受けるしきい値も増加し改善していることがわかる。
【0027】
以上の結果より、金属被膜をアマルガム化することで、当該クラスタの間隙を埋めることができ、これによりクラスタの間隙からの光のリークを抑えて、金属被膜に十分な遮光性を付与することができることがかった。
【0028】
なお、上述した実施の形態では、近接場光プローブとして、光ファイバープローブを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば基板上に突起部が形成されてなるようなプローブなど、一般に近接場光プローブとして用いられているものに対しても広く適用可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明では、近接場光プローブにの表面をコートする金属被膜をアマルガム化することで、金属被膜のクラスタの間隙を埋めることができ、これによりクラスタの間隙からの光のリークを抑えて、金属被膜に十分な遮光性を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバープローブの一構成例を示す断面図である。
【図2】(a)は、金属被膜に水銀処理を施さない場合の光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真であり、(b)は、水銀処理を施すことにより金属被膜をアマルガム化した光ファイバープローブの金属被膜表面のSEM写真である。
【図3】プローブ先端からリークする光量の、入力光に対する依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 光ファイバープローブ、 2 コア部、 3 クラッド部、 4 金属被膜、5 突起部、 6 開口部
Claims (8)
- 少なくとも突起部を有し、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされてなる近接場光プローブであって、
上記金属被膜が、Hgによってアマルガム化されていることを特徴とする近接場光プローブ。 - 上記近接場光プローブは、開口型プローブであり、プローブの外面は遮光のための金属膜によって覆われているとともに、その一部分は近接場光を発生させるために金属膜を除去してあることを特徴とする請求項1記載の近接場光プローブ。
- 上記近接場光プローブは、光ファイバープローブであり、
上記光ファイバープローブは、コア部と当該コア部の周囲に配されたクラッド部とからなる光ファイバーの一端部が略円錐形状の突起部とされ、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされていることを特徴とする請求項1記載の近接場光プローブ。 - 上記金属被膜は、Al又はAuからなることを特徴とする請求項1記載の近接場光プローブ。
- 少なくとも突起部を有し、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされてなる近接場光プローブを製造するに際し、
上記金属被膜にHgを接触させることにより、当該金属被膜をアマルガム化することを特徴とする近接場光プローブの製造方法。 - 上記近接場光プローブは、開口型プローブであり、プローブの外面は遮光のための金属膜によって覆われているとともに、その一部分は近接場光を発生させるために金属膜を除去してあることを特徴とする請求項5記載の近接場光プローブの製造方法。
- 上記近接場光プローブは、光ファイバープローブであり、
上記光ファイバープローブは、コア部と当該コア部の周囲に配されたクラッド部とからなる光ファイバーの一端部が略円錐形状の突起部とされ、当該突起部の外面は金属被膜によって覆われているとともに、当該突起部の頂点部は金属被膜が形成されず開口部とされていることを特徴とする請求項5記載の近接場光プローブの製造方法。 - 上記金属被膜を、Al又はAuから形成することを特徴とする請求項5記載の近接場光プローブの製造方法。
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003014608A JP2003014608A (ja) | 2003-01-15 |
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