JP3677378B2 - 巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スリッター等において、所定幅に切断されたウエッブを紙管等の巻取コアに巻取るための巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、所定幅の薄ものフィルム等のウエッブを巻取る巻取コアを巻取軸上に並列して装着し、該巻取軸の回転を前記巻取コアに伝達し、所定張力でウエッブを巻き取るために使用される巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スリッターは、図10に示されるように、原反シート(51)をカッター(52)によって所定幅の多数条のウエッブ(51a)に切断し、各ウエッブ(51a)を所定の張力で巻取軸(53)に装着された紙管等の巻取コア(図示せず)に巻取る装置である。巻取軸に巻取コアを装着し、巻取軸(53)の回転力を巻取コアに伝達する巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置として、従来より図11、図12に示されるようなものが知られている。
【0003】
図11に示される装置は、巻取軸(61)の軸心に圧縮空気の通路(62)が設けられているとともに、この通路(62)に接続して半径方向の通路(63)が設けられ、これらの通路(62)、(63)を通って膨張パッキン室(64)に及ぶ空気圧によって膨張パッキン(65)が膨張されて、外筒(66)の爪孔(67)に遊嵌された爪体(68)をこの爪孔(67)から突出させ、これにより爪体(68)が紙管(69)の内周に圧接して、紙管(69)を保持することができるようになっている。一方、前記各通路(62)、(63)を通ってパッキン室(71)に及ぶ空気圧によって、このパッキン室(71)に収容されているパッキン(72)が巻取軸(61)の外周面に押し付けられ、これにより気密を保持するとともに、その摩擦力により巻取軸(61)の回転力(トルク)が紙管(69)に伝達されるようになっている。この装置は、空気圧の制御によって伝達トルクを制御できるため、ウエッブの巻取張力を自在に調整できる利点を有しているが、パッキン(72)が摩耗して空気漏れが生じ易く、紙管(69)への伝達トルクにムラが生じたり、紙管(69)の爪体(68)による保持に不均一が生じたりし、そのため、紙管(69)コアへのウエッブ巻取の不良が生じ易い。
【0004】
また、図12に示される装置は、軸(81)上に軸方向に所定の間隔をおいて配設された複数のコアホルダー(82)を有し、前記コアホルダー(82)のそれぞれが、前記軸に軸方向及び回転方向に不動に固定配置されこの軸とともに回転可能な複数の固定円板(83)の隣り合う各一対の間において、前記軸上に軸方向に所定の間隔をおいて軸方向に摺動可能に配置され、かつ、各固定円板の軸方向端面に対面した摩擦面(84a)を有する回転可能な一対のフリクションリング(84)と、前記各コアホルダー(82)の周壁の円周方向の複数箇所に穿設した窓(85)から出没自在な爪(86)と、前記各コアホルダー(82)内において前記一対のフリクションリング(84)間に形成された気密室(87)とを有し、前記軸を通して前記各コアホルダー(82)の気密室(87)内への圧縮空気導入路(88)を設け、この導入路(88)を介して前記各コアホルダー(82)の前記気密室(87)に圧縮空気を導入しその空気圧によって前記爪(86)を前記窓(85)から押出し前記コアホルダー(82)に嵌着したコア(図示せず)の内面に圧接させてこのコアを拘止するとともに、同じ空気圧によって前記各一対のフリクションリング(84)を前記軸上で軸方向に押し拡げその摩擦面(84a)を前記固定円板(83)の軸方向端面に押圧してフリクショントルクを前記各コアホルダー(82)について他のコアホルダーから独立して発生させるようにするため、前記フリクションリング(84)をゴム製のダイヤフラム(89)によって前記固定円板(83)を除く前記各コアホルダー(82)の構成部材に対し非接触に支持させたものである。この装置も図11に示された装置と同様に、空気圧の制御によって伝達トルクを制御でき、ウエッブの巻取張力を自在に調整できる利点を有しているが、部品点数が多いことからコストが高くなる。また、フリクションリングをゴム製のダイヤフラムによって前記固定円板を除くコアホルダーの構成部材に対し非接触に支持させるといった複雑な構造を採用していることから、組立やメンテナンスに高度な組立技術や特殊な治具を用いることが必要とされ、組立や補修コストが高くつくことになる。また、フリクションリングをゴム製のダイヤフラムによってフローティングさせて固定円板に接触させ、空気圧によって一対のフリクションリングを軸上で軸方向に押し拡げその摩擦面を前記固定円板の軸方向端面に押圧してフリクショントルクを発生させており、発生したフリクショントルクがゴム製のダイヤフラムを介して伝達されることから、ダイヤフラムの材質の不均一性、摩擦発熱による温度変化に伴う特性の変化、経年変化による特性の劣化等により伝達されるトルクが変化する可能性がある。また、操作ミス等により気密室内に高圧エアーが供給されるとダイヤフラムがパンクし破損する恐れがある。
また、コアホルダーの部品点数が多く重量が大きくなることから慣性モーメントが大きく、慣性重量の不均一による巻取ムラが発生しやすく、巻取速度をアップできない。さらに、重量のあるコアホルダーが軸方向に多数並列配置されることで、軸が撓み易く、巻取不良につながりやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、構造が簡単で、軽量であり、巻取軸からの回転トルクの摩擦伝達が良好であってムラが生ぜず、高速巻取を可能とする巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置は、巻取軸上に所定間隔をおいて複数の軸受が固定配置され、該軸受の隣り合う各一対の軸受間において、一対の環状摩擦体がそれぞれ回り止めされるとともに巻取軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動可能に配設され、前記各軸受の外輪にはフランジが外輪と一体回転可能に支持され、該フランジの内側面の前記環状摩擦体との対向面が環状摩擦体の摩擦面を介して巻取軸からの回転トルクを伝達する摩擦伝達面となっており、前記フランジ間には、外筒がフランジと一体回転可能に取り付けられ、該外筒には、円周方向に沿って所定間隔に爪孔が穿設され、該爪孔から出没可能な爪体が外筒に内装された拡張パッキンに支持されており、該拡張パッキンと前記環状摩擦体との間の空間が、巻取軸に設けられた空気導入孔と連通した気密室を形成しており、巻取軸の空気導入孔を介して前記気密室に導入される空気の圧力によって、前記環状摩擦体の摩擦面をフランジの内側面の環状摩擦体との摩擦伝達面に押圧させ、巻取軸からの回転トルクを外筒に摩擦伝達させるとともに、前記拡張パッキンを巻取軸の半径方向に拡張させ、爪体を外筒の爪孔から外方に突出させ、外筒の外側に遊嵌されている巻取コアの内周面に爪体を押し付けて、外筒に巻取コアを装着するようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
これによれば、フランジの内側面の摩擦伝達面と環状摩擦体の摩擦面との間での空気漏れの恐れが少なく、また、軸受の隣り合う各一対の軸受間において、一対の環状摩擦体がそれぞれ回り止めされるとともに巻取軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動可能に配設され、フランジの内側面の前記環状摩擦体との対向面が環状摩擦体の摩擦面を介して巻取軸からの回転トルクを伝達する摩擦伝達面となっていることから、空気の圧力によって、前記環状摩擦体の摩擦面をフランジの内側面の環状摩擦体との摩擦伝達面に押圧させ、巻取軸からの回転トルクを外筒に摩擦伝達させることで、トルクの伝達が良好に行われ、しかも故障の恐れが少ない。そして、巻取軸の空気導入孔を介して前記気密室に導入される空気の圧力を制御することで、前記環状摩擦体の摩擦面のフランジの内側面の摩擦伝達面への押圧力を変化させ、巻取軸から外筒への摩擦伝達トルクを調整し、所定張力でウエッブを巻取コアに巻き取ることができる。
また、空気圧摩擦継手装置の部品点数が比較的少なく軽量となることから慣性モーメントが大きくならず、高速巻取が可能となる。
さらに、個々の空気圧摩擦継手装置が軽量なことから、空気圧摩擦継手装置を軸方向に多数並列配置しても、軸が撓むことがなく、良好な巻取が可能となる。
一対の環状摩擦体にはスリーブシールが被着されるとともに、巻取軸の外周面側の一対の環状摩擦体の間は前記スリーブシールで被覆されていると、環状摩擦体側のシールが良好であって、空気漏れが少ない。
【0008】
環状摩擦体の回り止め構造として、前記環状摩擦体の内周に巻取軸の軸方向に沿った凹溝が形成され、該凹溝に巻取軸側に植設されたピンが挿入される構造、環状摩擦体の内周に巻取軸の軸方向に沿ったキー遊嵌溝が形成され、該キー遊嵌溝に巻取軸側に固設されたキーが遊嵌されている構造、または、環状摩擦体の内周に巻取軸の軸方向に沿った断面円弧状凹溝が形成され、該円弧状凹溝に巻取軸側に埋設固定された球が遊嵌されている構造が採用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、この発明の空気圧摩擦継手装置の一例を示す要部の縦断面図で、圧縮空気が供給されていない状態を示す。図2は図1の装置において圧縮空気が供給されている状態を示す。図3は、図1の装置の横部分断面図、図4は図2の横部分断面図である。
図1から図2に示されるように、紙管などの巻取コアを装着するための多数の空気圧摩擦継手装置(1)は巻取軸(2)の軸方向に沿って並設されるものである。図1から図4に示されるように、巻取軸(2)には軸心に沿って圧縮空気の通路(3)が形成されており、該通路(3)は図示していない圧縮空気供給装置に接続され、圧縮空気が供給されるようになっている。そして、前記通路(3)に直交して空気導入孔(4)がその半径方向に所定間隔ごとに設けられている。巻取軸(2)には多数の玉軸受(5)が外嵌されており、これら玉軸受(5)の内の隣り合う一対の玉軸受(5)、(5)は、巻取軸(2)に外嵌された固定カラー(6)によって所定間隔離間され、他の一対の玉軸受(図示せず)とは間隔カラー(7)によって所定間隔隔てられている。なお、図1におけるように間隔カラー(7)、玉軸受(5)、固定カラー(6)、玉軸受(5)、間隔カラー(7)の順に巻取軸(2)に外嵌され、玉軸受(5)の内輪(5a)と、固定カラー(6)、間隔カラー(7)は当接され、巻取軸(2)の一端に設けられたフランジ(図示せず)と、他端に設けられたネジとの間でナットによって締め付け一体固定されている。
【0010】
前記固定カラー(6)には、そのほぼ中央に接続孔(8)が穿設されており、巻取軸(2)に設けられた空気導入孔(4)と接続されている。一対の玉軸受(5)、(5)からそれぞれ所定距離内側において固定カラー(6)に植設されたピン(9)、(9)が、巻取軸(2)の半径方向に突出している。固定カラー(6)には一対の環状摩擦体(10)、(10)が所定距離離れてすきまばめ状態に遊嵌されており、その内周の巻取軸の軸方向に形成された凹溝(11)に前記ピン(9)が挿入・係合され、環状摩擦体(10)の巻取軸の円周方向への回動を阻止するとともに、巻取軸の軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動するようになっている。これにより、環状摩擦体(10)、(10)は巻取軸(2)と一体となって回転するようになっている。前記環状摩擦体(10)、(10)にはシリコンゴム等からなる柔軟で弾力性のあるスリーブシール(12)が被着されるとともに、固定カラー(6)の外周表面がスリーブシール(12)で被覆されている。該スリーブシール(12)には固定カラー(6)の接続孔(8)に連通する連通孔(13)が設けられ、圧縮空気が巻取軸(2)の空気導入孔(4)から固定カラーの接続孔(8)を経、スリーブシール(12)の連通孔(13)を介して供給されるようになっている。スリーブシール(12)は両端部の内周側に沿ってそれぞれ環状凸部(12a)、(12a)が形成され、環状摩擦体(10)の外周面に刻設された環状凹溝に嵌入されている。
【0011】
各環状摩擦体(10)の玉軸受側の外側面は、玉軸受(5)の外輪(5b)に嵌合されたフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)と対向した摩擦面(10a)となっており、一対の玉軸受(5)、(5)の外輪(5b)、(5b)に嵌合されたフランジ(14)、(14)間には外筒(15)が止め輪(18)、(18)を介して固定・支持され、フランジ(14)、(14)と外筒(15)とが図示していないネジ等の固定手段によって一体化されている。巻取軸(2)の回転トルクが環状摩擦体(10)の摩擦面(10a)を介し前記フランジ(14)に伝達されることで、外筒(15)がフランジ(14)、(14)と一体になって回転されることになる。環状摩擦体(10)の摩擦面(10a)は、黒鉛、カーボン等の材料が使用され、フランジ(14)に密着してスリップしながら摩擦により伝達がなされるようになっており、一種のメカニカルシールを形成している。
【0012】
外筒(15)の内側には、筒状の拡張パッキン(19)が設けられており、該拡張パッキン(19)の両端は環状凸条(19a)とされ、外筒(15)とフランジ(14)の段部(14b)とで圧着固定されている。外筒(15)には、円周方向に沿って等間隔に所定数(通常3個)の爪孔(20)が穿設され、各爪孔(20)の中には、爪体(21)が皿ネジ(22)でボス(23)に固定され、該ボス(23)は、拡張パッキン(19)に支持された復帰用板バネ(24)にリベット(25)で固定されている。該復帰用板バネ(24)は、前記爪体(21)を爪孔(20)内に収容し、爪体(21)が外筒(15)の外周表面から突出しないようにするものである。
【0013】
拡張パッキン(19)、一対のフランジ(14)、(14)、該フランジに当接している環状摩擦体(10)、(10)、および、スリーブシール(12)によって気密室(26)が形成され、該気密室(26)内に、圧縮空気が供給されるようになっている。前記スリーブシール(12)は環状摩擦体(10)を被着するとともに固定カラー(6)の外周表面を被覆していることから、固定カラー(6)と環状摩擦体(10)との間の気密を確保しここからのエアーの漏洩を防止することができるようになっている。また、エアーが気密室(26)内に供給されていない無圧状態において、スリーブシール(12)の弾性により環状摩擦体(10)、(10)が互いに軸方向に沿って離間し、環状摩擦体の摩擦面(10a)とフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)とが軽く接触するようになっており、エアーが気密室内に供給された初期段階での環状摩擦体の摩擦面(10a)とフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)との間の気密を確保しここからのエアーの漏洩を防止することができるようになっている。これにより気密室(26)の気密状態を良好とすることができる。なお、環状摩擦体の摩擦面(10a)とフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)との間の気密を確保するためにスリーブシール(12)の外周にコイルスプリングを設け、環状摩擦体(10)、(10)が互いに軸方向に沿って離間し、環状摩擦体の摩擦面(10a)とフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)とが軽く接触するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0014】
図1、図3に示される状態において、圧縮空気が巻取軸(2)の通路(3)、空気導入孔(4)、接続孔(8)、連通孔(13)を経て気密室(26)内に供給されると、図2、図4に示されるように、復帰用板バネ(24)に抗して拡張パッキン(19)が巻取軸の半径方向に拡張し、爪体(21)が押し上げられて、外筒(15)の爪孔(20)から外方に突出し、外筒(15)の外側に遊嵌されている巻取コア(29)の内周面に爪体(21)を押し付けて、外筒(15)に巻取コア(29)を装着する。また、気密室(26)に供給された圧縮空気によって、環状摩擦体(10)の摩擦面(10a)がフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)に押し付けられ、空気圧に応じた摩擦力が生じ、巻取軸(2)の回転トルクが外筒(15)に伝達されるようになる。環状摩擦体(10)の摩擦面(10a)と、該摩擦面(10a)が押し付けられたフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)とは常時一定のスリップが生じており、巻取コア(29)に巻取られるウエッブを所定の張力で巻き取ることができる。
【0015】
気密室(26)内への圧縮空気の供給を断つと、復帰用板バネ(24)の作用によって、爪体(21)は爪孔(20)内に引っ込み、環状摩擦体(10)の摩擦面(10a)とフランジ(14)の内側面の摩擦伝達面(14a)との押圧が解除され、巻取軸(2)の回転トルクの外筒(15)への伝達が遮断され、巻取コア(29)に巻取られたウエッブを巻取軸(2)から取り出すことが可能となる。
【0016】
環状摩擦体(10)の巻取軸(2)の円周方向への回動を阻止するとともに、巻取軸の軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動するような機構としては、図1から図4に示されたピン(9)を用いた機構に限られず、図5、図6に示されるように巻取軸(2)の軸方向に沿ってキー(31)を固定カラー(6)に固設し、環状摩擦体(10)の内周には巻取軸の軸方向に沿ったキー遊嵌溝(32)が形成されている機構であってもよく、または、図7、図8に示されるように固定カラー(6)に球(33)を埋設固定し、環状摩擦体(10)の内周には巻取軸の軸方向に沿った断面円弧状凹溝(34)が形成されている機構であってもよい。
上記したピン(9)、キー(31)、球(33)はいずれも固定カラー(6)に設けられているが、これに限られるものではなく、巻取軸と一体に回転するようにして巻取軸側に設けられていればよいものであり、例えば、ピンを巻取軸に植設し、固定カラーに穿設されたピン挿通孔からピンを突出させる構造、キーを巻取軸に固設し、固定カラーに穿設されたキー挿通孔からキーを突出させる構造、または、球を巻取軸に埋設固定し、固定カラーに穿設された球挿通孔から球を突出させる構造等の態様であってもよいことはいうまでもない。
【0017】
また、図9に示されるように、固定カラー(6)の内周に円周方向にOリング(36)用の凹溝(37)を設け、該凹溝(37)内にOリング(36)を配設し、巻取軸(2)との間の気密性を高めることで、圧縮空気の漏洩をより完全に遮断するようにすることが好ましい。
【0018】
なお、図5から図9において、図1から図4と同一部材、部分については、同一番号を付し詳細な説明は省略する。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
この発明の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置は、巻取軸上に所定間隔をおいて複数の軸受が固定配置され、該軸受の隣り合う各一対の軸受間において、一対の環状摩擦体がそれぞれ回り止めされるとともに巻取軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動可能に配設され、前記各軸受の外輪にはフランジが外輪と一体回転可能に支持され、該フランジの内側面の前記環状摩擦体との対向面が環状摩擦体の摩擦面を介して巻取軸からの回転トルクを伝達する摩擦伝達面となっており、前記フランジ間には、外筒がフランジと一体回転可能に取り付けられ、該外筒には、円周方向に沿って所定間隔に爪孔が穿設され、該爪孔から出没可能な爪体が外筒に内装された拡張パッキンに支持されており、該拡張パッキンと前記環状摩擦体との間の空間が、巻取軸に設けられた空気導入孔と連通した気密室を形成しており、巻取軸の空気導入孔を介して前記気密室に導入される空気の圧力によって、前記環状摩擦体の摩擦面をフランジの内側面の環状摩擦体との摩擦伝達面に押圧させ、巻取軸からの回転トルクを外筒に摩擦伝達させるとともに、前記拡張パッキンを巻取軸の半径方向に拡張させ、爪体を外筒の爪孔から外方に突出させ、外筒の外側に遊嵌されている巻取コアの内周面に爪体を押し付けて、外筒に巻取コアを装着するようにされていることから、フランジの内側面の摩擦伝達面と環状摩擦体の摩擦面との摩耗による空気漏れの恐れが少ない。また、部品点数が少なくコストを低く抑えることができる。また、比較的簡単な構造を採用していることから、組立やメンテナンスに高度な組立技術や特殊な治具を用いる必要がなく、組立や補修コストを低く抑えることができる。
そして、軸受の隣り合う各一対の軸受間において、一対の環状摩擦体がそれぞれ回り止めされるとともに巻取軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動可能に配設され、フランジの内側面の前記環状摩擦体との対向面が環状摩擦体の摩擦面を介して巻取軸からの回転トルクを伝達する摩擦伝達面となっていること、および、環状摩擦体が回り止めされていることから、空気の圧力によって、前記環状摩擦体の摩擦面をフランジの内側面の環状摩擦体との摩擦伝達面に押圧させ、巻取軸からの回転トルクを外筒に摩擦伝達させることで、トルクの伝達が良好に行われ、しかも故障の恐れが少ない。
また、巻取軸の空気導入孔を介して前記気密室に導入される空気の圧力を制御すれば、前記環状摩擦体の摩擦面のフランジの内側面の摩擦伝達面への押圧力を変化させ、巻取軸から外筒への摩擦伝達トルクを調整し、所定張力でウエッブを巻取コアに巻き取ることができる。
また、空気圧摩擦継手装置の部品点数が比較的少なく軽量となることから慣性モーメントが大きくならず、高速巻取が可能となる。
さらに、個々の空気圧摩擦継手装置が軽量なことから、空気圧摩擦継手装置を軸方向に多数並列配置しても、軸が撓むことがなく、良好な巻取が可能となる。
前記一対の環状摩擦体にはスリーブシールが被着されるとともに、巻取軸の外周面側の一対の環状摩擦体の間は前記スリーブシールで被覆されていると、環状摩擦体側のシールが良好であって、空気漏れが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気圧摩擦継手装置の一例を示す要部の縦断面図で、圧縮空気が供給されていない状態を示す。
【図2】図1に示す空気圧摩擦継手装置において圧縮空気が供給されている状態を示す要部の縦断面図である。
【図3】図1に示す空気圧摩擦継手装置の横部分断面図である。
【図4】図2の横部分断面図である。
【図5】この発明の空気圧摩擦継手装置の他の例を示す要部の縦断面図である。
【図6】図5に示す空気圧摩擦継手装置の横部分断面図である。
【図7】この発明の空気圧摩擦継手装置のさらに他の例を示す要部の縦断面図である。
【図8】図7に示す空気圧摩擦継手装置の横部分断面図である。
【図9】この発明の空気圧摩擦継手装置のさらに他例を示す要部の縦断面図である。
【図10】スリッターの概略斜視図である。
【図11】従来の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置の一例を示す縦断面図である。
【図12】従来の他の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 空気圧摩擦継手装置
2 巻取軸
4 空気導入孔
5 玉軸受
9 ピン
10 環状摩擦体
12 スリーブシール
14 フランジ
15 外筒
19 拡張パッキン
21 爪体
24 復帰用板バネ
Claims (4)
- 巻取軸上に所定間隔をおいて複数の軸受が固定配置され、
該軸受の隣り合う各一対の軸受間において、一対の環状摩擦体がそれぞれ回り止めされるとともに巻取軸方向に沿って所定のクリアランスを持って摺動可能に配設され、
前記一対の環状摩擦体にはスリーブシールが被着されるとともに、巻取軸の外周面側の一対の環状摩擦体の間は前記スリーブシールで被覆され、
前記各軸受の外輪にはフランジが外輪と一体回転可能に支持され、該フランジの内側面の前記環状摩擦体との対向面が環状摩擦体の摩擦面を介して巻取軸からの回転トルクを伝達する摩擦伝達面となっており、
前記フランジ間には、外筒がフランジと一体回転可能に取り付けられ、
該外筒には、円周方向に沿って所定間隔に爪孔が穿設され、該爪孔から出没可能な爪体が外筒に内装された拡張パッキンに支持されており、
該拡張パッキンと前記環状摩擦体との間の空間が、巻取軸に設けられた空気導入孔と連通した気密室を形成しており、
巻取軸の空気導入孔を介して前記気密室に導入される空気の圧力によって、前記環状摩擦体の摩擦面をフランジの内側面の環状摩擦体との摩擦伝達面に押圧させ、巻取軸からの回転トルクを外筒に摩擦伝達させるとともに、前記拡張パッキンを巻取軸の半径方向に拡張させ、爪体を外筒の爪孔から外方に突出させ、外筒の外側に遊嵌されている巻取コアの内周面に爪体を押し付けて、外筒に巻取コアを装着するようにしたことを特徴とする巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置。 - 前記環状摩擦体の内周には巻取軸の軸方向に沿った凹溝が形成されており、該凹溝に巻取軸側に植設されたピンが挿入され、環状摩擦体の回り止めが確保されるとともに、環状摩擦体の巻取軸方向への摺動が確保されてなることを特徴とする請求項1記載の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置。
- 前記環状摩擦体の内周には巻取軸の軸方向に沿ったキー遊嵌溝が形成されており、巻取軸側に固設されたキーによって環状摩擦体の回り止めが確保されるとともに、環状摩擦体の巻取軸方向への摺動が確保されてなることを特徴とする請求項1記載の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置。
- 前記環状摩擦体の内周には巻取軸の軸方向に沿った断面円弧状凹溝が形成されており、巻取軸側に埋設固定された球によって環状摩擦体の回り止めが確保されるとともに、環状摩擦体の巻取軸方向への摺動が確保されてなることを特徴とする請求項1記載の巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24336397A JP3677378B2 (ja) | 1997-08-24 | 1997-08-24 | 巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP24336397A JP3677378B2 (ja) | 1997-08-24 | 1997-08-24 | 巻取コア装着用の空気圧摩擦継手装置 |
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