JP3676878B2 - 花粉自動捕集・解析システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空中に浮遊している花粉を自動捕集し、その種類や数を自動判定する花粉自動捕集・解析システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、春先になると花粉症に悩まされている人が増加し、その数は日本の人口の7〜9%とも言われている。
【0003】
この花粉症に対して、様々な予防や治療が試みられているが、社会予防医学の面から空中花粉の正確な飛散情報,調査が求められている。
【0004】
1987年以来、関東地方では、都衛生局と気象協会が協力し、調査ステーションからの花粉飛散実測値をもとに天候,温度,風向き,風速などの気象条件と合わせて予報を行っており、年々改善が加えられている。
【0005】
しかし、現状ではこのデータ収集はすべて人手に依存しており、大変、手間と時間がかかるうえ、検鏡者の技量により結果に相当の差が生じる。
【0006】
そのため、被害者の多いスギ花粉を中心に予報がなされているが、花粉症を引き起こす空中浮遊花粉は10種類以上にものぼり、飛散時期が重なる花粉も存在し、一層正確な情報を提供することは困難であった。
【0007】
また、このように花粉情報の元となるデータは人手によって作成されており、観測者によって捕集方法や計測方法が違い、データに統一性・信頼性がないのが現状である。
【0008】
本発明は、これら空中浮遊花粉の情報収集に際しての問題点を解決すべく、花粉の捕集から検鏡,解析まで自動化し、専門的な技量を必要とすること無く、花粉の種類,飛散分布の情報を短時間で得ることが可能となるシステム開発を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
空中に浮遊している花粉を自動捕集する捕集装置と、この捕集装置により捕集した花粉をゴミや塵などと区別し当該花粉を画像解析しやすいように染色して封埋する染色封埋装置と、この染色封埋装置により染色封埋した花粉の顕微鏡情報をもとに画像解析して当該花粉の種類や数を計測する画像解析装置とで構成され、前記捕集装置は、空気を装置内に吸引し、直列に連結した複数連の捕集室を通過させ、各室に配したカバーグラスに空気中の花粉を捕集するように構成されるとともに、この吸引空気の流入速度は可変可能に構成されており、また、前記染色装置は、前記捕集装置により捕集した花粉をスライドガラスに転写、封埋し、且つ花粉を識別するための染色を自動的に行なうように構成されており、更に、前記画像解析装置は、前記染色装置で花粉が染色され封埋されたスライドガラスが複数枚挿入されたマガジンをCCDカメラが装着された顕微鏡に装着し、自動的にスライドガラスを順次、顕微鏡X−Yステージに挿入、排出し、X−Yステージはプログラミングに従い、順次移動し画像を画像解析コンピュータに転送し、その種類をプログラミング判定基準により識別し、その数を計測するように構成されていることを特徴とする花粉自動捕集・解析システムに係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0012】
図17に示すように、空中に浮遊している花粉を自動捕集する捕集装置と、この捕集装置により捕集した花粉をゴミや塵などと区別させ花粉を画像解析し易いように染色して封埋する染色封埋装置と、この染色封埋装置により染色封埋した花粉の種類や数を計測する画像解析装置とにより構成すると、空中に浮遊している花粉を捕集装置に自動的に捕集することができ、この花粉を染色封埋装置で画像解析し易いように染色して封埋することができ、この染色封埋した花粉を画像解析装置で花粉の種類や数を計測することができ、花粉の捕集から解析までの一連の動作を自動的に行うことができる。
【0013】
従って、従来のように人手で花粉を捕集し、人手で花粉の解析を行う場合に花粉の捕集方法や解析方法に差が生じ、データーに統一性,信頼性がないような状況を招くことを解消でき、また、花粉の捕集から解析に専門的な技量を必要とせず、花粉の種類,飛散情報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性のある解析を行うことができる。
【0014】
図2及び図17に示すように、捕集装置を、空気を装置内に吸引し、直列に連結した複数連の捕集室を通過させ、各室に配したカバーグラスに空気中の花粉を捕集するように構成すると、異なる粒径の花粉を別々のカバーグラスで捕集することができ、塵などの小さなゴミを後方の捕集室に配したカバーグラスで捕集することができ、花粉が捕集される前方の捕集室に配したカバーグラスにはゴミがつかず画像解析を正確に行うことができる。
【0015】
図5に示すように染色装置を、捕集装置により捕集した花粉をスライドガラスに転写,封埋し、且つ花粉を識別するための染色を自動的に行う装置とすると、捕集した花粉をスライドガラスに転写,封埋し、これに染色を自動的に行うことで、捕集装置により捕集した花粉に含まれている塵と花粉とを短時間に人手をかけずに正確に識別することができる。
【0016】
図6,図7,図8,図17に示すように、画像解析装置を、染色装置で花粉が染色され封埋されたスライドガラスが複数枚挿入されたマガジンをCCDカメラが装着された顕微鏡に装着し、自動的にスライドガラスを順次、顕微鏡X−Yステージに挿入し、排出し、X−Yステージにプログラミングに従い、順次移動し画像を画像解析コンピュータに転送し、その種類をプログラミング判定基準により識別し、その数を計測するように構成すると、X−Yステージの無駄な動きを無くすことができ、花粉の種類と数とを正確に短時間に認識して自動的に計数をすることができ、花粉の解析に専門的な技量を必要とせず、花粉の種類,飛散情報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性のある画像解析を行うことができる。
【0017】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0018】
本実施例は、設定された時間に自動的に花粉を捕集する捕集器(自動捕集装置),花粉のみを検鏡するための処理を自動機にて行う染色器(自動染色・封埋装置),顕微鏡データ自動取込装置,そして取り込んだデータより花粉の種類,粒子径分布を高速で求めるための画像解析装置から構成されている。
【0019】
(a) 自動花粉捕集装置
花粉捕集器は、これまで手動捕集器として用いられているカスケード・インパクター捕集器を基に図1のような構成の装置とした。
【0020】
ポンプにより大気を吸収し、捕集器本体内で粘着性薄膜を付けたカバーグラスに花粉を捕集するものである。
【0021】
捕集器本体は図2のように空気流入口のノズル径が異なる(9.0〜1.5mm)四段のステージが連結されており、各段で限られた範囲の粒径の花粉を捕集できるようになっている。
【0022】
各段の構造は図3のように空気流入部の下部にカバーグラス10枚が入っている送りカセットと花粉を捕集したカバーグラスを収納する収納カセットを取り付け、カバーグラスの移動はギヤを介してステッピングモータ二個によって行った。
【0023】
制御は96ビットデジタル入出力ボードPCN−7098を使用した。
【0024】
制御の基本動作のフローチャートを図4に示す。
【0025】
尚、本実施例の全体概略構成を図17に示したが、これに基づいて以下説明する。
【0026】
花粉を吸い込む機械「カスケードインパクター」の中には、観察する花粉をつけるための「カバーグラス」という、薄いガラスがセットされている。カバーグラスは一定の時間が経つと自動的に交換されるようになっているので、観察を長い時間続けることができる。
【0027】
カスケードインパクター内のノズルは各段ごとに太さが変えられる。
【0028】
空気が流れる速さを変えることで、どんな大きさの花粉もカバーグラスにつくようにするための工夫である。
【0029】
「自動花粉捕集装置」でとらえられた花粉は、ゴミや埃と見分け易いように「自動染色・封埋装置」で色を付けられた後、「画像解析装置」で数や種類を観測する。
【0030】
それぞれの作業は、コンピュータ制御によって自動的に行われる。
【0031】
現在花粉の捕集方法は種々な方法があるが、この方法はポンプにより大気を吸引し、グリセリンを付けたカバーグラスに捕集する。
【0032】
この方法は異なるノズル径が四段のステージに連結されており、異なる粒径の花粉を別々に捕集することができる。
【0033】
そのため、塵などの小さなゴミを後方の段で捕集することができ、花粉が捕集される前方段ではゴミがつかず、画像解析がし易いという利点がある。本体は、重量軽減のためアルミ合金で製作した。駆動用ボードはTD62803をP用い試作した。
【0034】
このボードは一枚でステッピングモーターを六個まで作動させることが出来る。
【0035】
本試作器には、一段に二個づつ合計八個のステッピングモータが付いているので二枚使用した。
【0036】
I/Oボードは8255が四枚乗っているパラレルIOボードを使用した。
【0037】
制御はNEC9801VMを用いて行った。
【0038】
また、従来の手動で走査するカスケードインパクターによる捕集器とハンの木の花粉を用いて比較した結果、吸引流量7リトル/min以上で試作器の捕集花粉個数がカスケードのそれを上回り、流量が少ない時には捕集能力が低かった。これは軸受け部よりの空気漏れに起因していた。この傾向は前段より後段において顕著であった。
【0039】
しかし、流量をあまり多くすると、カバーグラスへの衝突速度が早くなり花粉形状がくずれ浮遊状態と異なってくる。
【0040】
そのため、低流量で捕集能力を高める必要がある。
【0041】
これらの欠点を改良するため、図3に示したように各段で二個のステップモータを使用した密閉型の四連花粉捕集器へ改良し軸受け摺動部の減少をはかり、シーケンス制御するためにこれらステップモータの制御プログラムを開発し、動作活動を行った。その結果、図10に示すように2,3段目においても捕集能力はカスケードインパクターのそれに劣らない結果が得られた。
【0042】
また、各部の動作もプログラム仕様通り十分な信頼性を有することが確認できた。
【0043】
(b) 自動染色・封埋装置
【0044】
前述の捕集器によってカバーグラス上に捕集されたものは花粉以外に多くの塵埃も含まれている。
【0045】
これらと花粉を区別して検鏡するためには特有な染色液を用いて花粉を染色させる必要がある。と同時に花粉を固着させる必要もある。
【0046】
そのため、本装置の構成は前述の収納カセットに納められているカバーグラス上の花粉をスライドグラスに90℃に保ったGVグリセリンゼリー染色液を一滴添加し、滴下したものに空気が混入しないように重ね合わせ、染色された花粉がスライドグラス上に移動,固着させる機構とこれらグラス類のカセットへの送り出し、収納機能を備えたものとなる。
【0047】
本実施例の染色器の制御動作のフローチャートを図5に示す。
【0048】
花粉の画像解析は、捕集した花粉の顕微鏡情報をもとに行うため、観察用プレパラートを作成しなければならない。
【0049】
その際、花粉の識別を容易にするため封埋材中に染色される液を入れておき植物性の物体が赤紫色になるように染色・封埋を行う。
【0050】
これにより、花粉とゴミを識別している。
本装置は、プレパラートに染色液を一滴滴下しこのプレパラートに自動花粉捕集装置で花粉を捕集したカバーグラスを重ね合わせ、収納カセットに収納する。駆動用ボード,IOボードは、自動花粉捕集装置と同じものを用い、合計六個のステッピングモーターを駆動させる。
【0051】
本装置は八箇所の動作部より構成されている。
【0052】
各部装置を八回動作させ、その駆動精度を検討した。その結果、スライドガラス送り装置,重ね合わせ装置,収納送り装置はすべて正常であった。しかし、カバーグラス送り装置,ホルダー送り装置には1〜2回約1mm程度の位置のズレが見られたが、この誤差は機能には影響しない。しかし、一番の問題点は染色器での染色位置に送られてきたスライドガラスに粘性のある染色液を正確な量だけ滴下する部分である。八回中三回滴下量が多めの状態になった。
【0053】
しかし、封埋花粉の外部流失は見られず、全く問題なく本装置を使用することができた。
【0054】
また、四個の試料処理に要した時間は熟練者が手動で行うのに比べて四割弱の時間で処理を完了させることができる。
【0055】
(c) データ取込ステージ
染色器によって染色されたスライドグラスに固定された試料から顕微鏡により画像解析に必要な花粉情報を取り込む必要がある。そのために、本装置は収納ケースからスライドグラスを顕微鏡のステージ上に送り込み、或いは交換する機構と自動的にステージを移動させ、スライド上の決められた位置の数箇所から一定面積内のデータを取り込む機構を備えている。
【0056】
図6はシステム構成図である。
【0057】
試料交換装置は基本的に捕集,染色装置のそれと大きな違いはないがステージと対物レンズの狭い間でそれを行う機構が備わっている。
【0058】
データ取込に際しての制御は次のような仕様を設定した。
【0059】
(1) 視野網状スライドグラスの1x1mmの枠。
視野幅bと倍率Xの関係はb=105/X(μm)
【0060】
(2) 走査範囲花粉捕集時のカバーグラスの寸法に合わせ18mmの円
【0061】
(3) 走査パターンと1ステップ長さホームポジションより走査範囲内を一定間隔で往 復移動し最後に、ホームポジションに戻る。1ステップ長さは視野幅と同一。
【0062】
(4) 走査倍率100,400,1000倍の三種類。
【0063】
これら、制御仕様を基にX−Yステージ制御プログラムを作成した。図7にそのフローチャートを示す。
【0064】
実験結果を図11に示す。
【0065】
図中の調査点の数はホームポジションから直径18mmの走査範囲を往復移動し、最後にもとの位置まで戻ってくる間の画像取込視野の数を示している。
【0066】
倍率の増加(視野が狭い)と共に調査点の数は倍率の二乗で急激に増加し、それと共に図12で定義した花粉捕捉率は図示したように視野の境界によって分断される花粉の数が増加してくるため減少してくる。
【0067】
また、処理時間も膨大な値になってくる。
【0068】
一方、熟練者の花粉の計数・認識はプレパラート一枚につき約一時間で90%以上の正確さで行われている。これと同等の認識率で処理時間を早めるためには低倍率(100倍)で花粉の位置を把握し、X−Yステージの無駄な動きを無くし、調査点の数を減少させることである。
【0069】
そして、花粉の存在する調査点に対してのみ認識率の高い400倍で識別するなど、プログラムを改良することにより、花粉の認識率を高め処理時間を早めることができる。
【0070】
(d) 画像解析装置
画像解析に用いたシステムは図8のようにパソコン(PC-9801DS)、画像解析装置(HRU-TAICHI IV-80)、画像入力モノクロカメラから構成されている。
【0071】
画像解析装置では、プレパラートの上の花粉の数と種類を観察する。
【0072】
花粉の画像は顕微鏡を通してコンピュータに入力され、それぞれの花粉の見た目の特徴,花粉ひとつひとつの大きさなどを調べ、どの植物の花粉がどれだけついているかを割り出す。
【0073】
人手で花粉を識別する場合、倍率は1000倍で行われ、計数作業は100〜400倍の倍率で行われる。
【0074】
このため、入力画像は高倍率で画像解析装置に取り込み、その後、画像解析装置で適切に縮小処理を行い、画像入力されたときの実質倍率が400倍になるように設定した。
【0075】
画像はノイズ除去のため収縮・膨張,メディアンフィルタによる平滑化を行い、その後、判別分析法による二値化を行った。
【0076】
また、複数花粉に際しては、ラベリング,フィレ径算出を行い、単数花粉に分離した。
【0077】
このように二値化した画像より以下の諸値を求めた。
【0078】
(1) 図形最大長、(2) 最大垂直幅、(3) (1)と(2)の比、(4) 図形最大長と図形最小幅、(5) 複雑度。
【0079】
一方、識別順序は花粉症の原因として割合が一番高いスギを始めとし、図9のような順序で行った。
【0080】
図9の識別順序に従い、前述の(1)図形最大長〜(5)複雑度の諸値を求め、まず(1)〜(3)の条件について、スギと認め得る値の範囲を定めた。熟練者の認識率に合わせ、基準として認識率が七割以上に収まるように設定した。
【0081】
その結果を図13に示す。
【0082】
図中の認識率は、スギであると認識した割合であり、その他1はスギ以外、その他2はスギ,マコモ,マツ以外を示す。
【0083】
(1)の図形最大長の設定値は、スギとスギ以外の区別に有効で、マコモのうち50%がスギの設定値に収まっている。
【0084】
(2)の最大垂直幅の値は他の花粉がスギの設定値に収まることがないことを示しているが、スギの25%が設定値を外れてしまった。
【0085】
また、(3)の図形最大長と最大垂直幅の比はスギとマコモ,マツを分別する目的には十分な値である。
【0086】
前述の一度目の処理でスギの条件に合わなかったものについて更に分別する。
【0087】
(3)の条件は考えないものとして、新たに(4)図形最大長と図径最小幅の比と(5)複雑度を加えた。
【0088】
その結果、図14に示すように、(4)はスギとマコモの分別に用いることができ、(5)よりスギのほうがマコモより、値のばらつきが少なく設定値を絞り込むことができる。
【0089】
次にスギと識別された以外の花粉,マツについての識別を行う。(1)〜(3)について設定値を定めた。
【0090】
その結果、図15に示すように、三つのどの条件についても優位差がはっきり現れた。
【0091】
最後に残った花粉についてマコモの識別を行った。
【0092】
その結果、図16に示したように(3)の条件ではマコモのとり得る値にばらつきが多く、設定値の指定が困難である。
【0093】
しかし、(1)(2)の条件によりすべて分離することが可能である。
【0094】
このように、倍率400倍において、複数の花粉が入力画像として取り込まれていても正しい識別が可能となった。
【0095】
これは、捕集器により、一枚のカバーグラス上での花粉粒径の寸法がある範囲内に納めることが出来たことにも起因している。
【0096】
以上のように、花粉の種類,飛散情報を短時間で得るために、花粉の捕集,染色,データサンプリング、そして画像解析をすべて自動化し、熟練技術なしに処理できるシステムを開発することができた。
【0097】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、空中に浮遊している花粉を捕集装置に自動的に捕集することができ、この花粉を染色封埋装置で画像解析し易いように染色して封埋することができ、この染色封埋した花粉を画像解析装置で花粉の種類や数を計測することができ、花粉の捕集から解析までの一連の動作を自動的に行うことができる。
【0098】
従って、従来のように人手で花粉を捕集し、人手で花粉の解析を行う場合に花粉の捕集方法や解析方法に差が生じ、データーに統一性,信頼性が無いような状況を招くことを解消でき、また、花粉の捕集から解析に専門的な技量を必要とせず、花粉の種類,飛散情報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性のある解析を行うことができる。
【0099】
また、本発明は、異なる粒径ノ花粉を別々のカバーグラスで捕集することができ、塵などの小さなゴミを後方の捕集室に配したカバーグラスで捕集することができ、花粉が捕集される前方の捕集室に配したカバーグラスにはゴミがつかず画像解析を正確に行うことができる。
【0100】
また、本発明は、捕集した花粉をスライドガラスに転写,封埋し、これに染色を自動的に行うことで、捕集装置により捕集した花粉に含まれている塵と花粉とを短時間に人手をかけずに正確に識別することができる。
【0101】
また、本発明は、X−Yステージの無駄な動きを無くすことができ、花粉の種類と数とを正確に短時間に認識して自動的に計数することができ、花粉の解析に専門的な枚数を必要とせず、花粉の種類,飛散情報を人手をかけずに短時間で信頼性,統一性のある画像解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の花粉捕集器の構成を示す説明図である。
【図2】 本実施例の四段花粉捕集器の接続を示す説明図である。
【図3】 本実施例の花粉捕集器一段の詳細構造を示す説明図である。
【図4】 本実施例の基本動作のフローチャートを示す説明図である。
【図5】 本実施例の染色器の動作制御フローチャートを示す説明図である。
【図6】 本実施例のデータ取込ステージの構成図を示す説明図である。
【図7】 本実施例のステージ制御フローチャートを示す説明図である。
【図8】 本実施例の画像解析装置の構成図を示す説明図である。
【図9】 本実施例の識別順序示す説明図である。
【図10】 本実施例の捕集器の花粉捕捉特性を示す説明図である。
【図11】 本実施例のデータ取込装置の特性を示す表である。
【図12】 本実施例の捕捉率の定義を示す説明図である。
【図13】 捕捉のスギの設定値に収まった割合(%)を示す表である。
【図14】 本実施例のスギの設定値に収まった割合(再処理)を示す表である。
【図15】 本実施例のマツの設定値に収まった割合を示す表である。
【図16】 マコモの設定値に収まった割合を示す表である。
【図17】 本実施例の構成をわかり易く表した概略構成説明図である。
Claims (1)
- 空中に浮遊している花粉を自動捕集する捕集装置と、この捕集装置により捕集した花粉をゴミや塵などと区別し当該花粉を画像解析しやすいように染色して封埋する染色封埋装置と、この染色封埋装置により染色封埋した花粉の顕微鏡情報をもとに画像解析して当該花粉の種類や数を計測する画像解析装置とで構成され、前記捕集装置は、空気を装置内に吸引し、直列に連結した複数連の捕集室を通過させ、各室に配したカバーグラスに空気中の花粉を捕集するように構成されるとともに、この吸引空気の流入速度は可変可能に構成されており、また、前記染色装置は、前記捕集装置により捕集した花粉をスライドガラスに転写、封埋し、且つ花粉を識別するための染色を自動的に行なうように構成されており、更に、前記画像解析装置は、前記染色装置で花粉が染色され封埋されたスライドガラスが複数枚挿入されたマガジンをCCDカメラが装着された顕微鏡に装着し、自動的にスライドガラスを順次、顕微鏡X−Yステージに挿入、排出し、X−Yステージはプログラミングに従い、順次移動し画像を画像解析コンピュータに転送し、その種類をプログラミング判定基準により識別し、その数を計測するように構成されていることを特徴とする花粉自動捕集・解析システム。
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