JP3670244B2 - パターン検査装置および異品種混入検査装置 - Google Patents

パターン検査装置および異品種混入検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像データより1つ1つ切り出された文字、記号、商標等の文字をはじめとして、認識対象となる各種形状パターンの認識を行うパターン認識装置を応用したパターン検査装置および異品種混入検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は例えば「電子情報通信学会論文誌 D」、Vol.J71-D NO.6(1988年)の第1037〜1047頁に掲載された「情景画像からの文字パターン検出と認識」(大谷 淳、塩 昭夫)に示された、従来のパターン認識装置における文字パターンの濃淡画像の2値化法の原理を示す説明図である。この説明図は濃淡画像を複数の小領域に分割して、分割された小領域毎に最適なしきい値を設けて2値化処理を行い、それによって得られた2値化画像から各文字パターンを切り出して、それら各文字パターンの認識を行う例を示したものである。この図11において、141は文字パターンの濃淡画像の原画であり、142はこの原画141を複数に分割した小領域である。
【0003】
次に動作について説明する。
ここで、文字パターンと文字パターンの背景部分との濃度コントラストは高く局所的に2値的であり、文字パターンに対応する箇所をパターンとして切り出せば文字認識処理で読むことが可能である。従って、一般的なパターン認識装置では、テレビカメラなどの画像撮像装置を用いて撮像された文字パターンの濃淡画像を所定のしきい値で2値化して2値化画像に変換し、その2値化画像より各文字パターンを切り出して、それら各文字パターンの認識を行っている。しかしながら、このような方式では、画像撮像の際の照明の照度変化などの影響によって、2値化画像に欠落が発生したり、背景部分の一部が文字パターンと癒着して検出されてしまうことがあり、良好な2値化画像を得るためには照明を厳しく調整する必要が生じてくる。
【0004】
そのため、この方式ではまず、図11(a)に示すように、撮像された文字パターンの濃淡画像の原画141を複数(図示の例では3×3=9個)の小領域142に分割し、分割された小領域142のそれぞれに対して、図11(b)に示すような2値化のための最適なしきい値θ11〜θ33を設定する。このようにして得られた各小領域142のしきい値θ11〜θ33は小領域142の境界で不連続であるために、これをそのまま用いて各小領域142毎に2値化処理を行った場合には、図11(c)に示すように小領域142の境界部分において画像に不連続が生じる。そこで図14(d)に示すように、各小領域142毎に得られたしきい値θ11〜θ33をそれぞれの小領域142の中心の画像に与えて線形補間を行い、得られた画素毎のしきい値を用いて2値化処理を得ている。この方式は、このようにして得られた2値化画像より各文字パターンを切り出して、それら各文字パターンの認識を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のパターン認識装置のほとんどは、固定的な所定のしきい値で文字パターンの濃淡画像全体を2値化処理しているので、照明の照度が変化してしまうと2値化画像に多大な影響を及ぼして、文字パターンの欠落や癒着が発生してしまい、そのために照度の変化に著しく弱い欠点がある。また図11に示した濃淡画像の原画141を複数の小領域142に分割して、分割された小領域142毎の2値化処理から2値化画像を得る方式は、固定的な所定のしきい値で画像全体を2値化処理する方式と比べて、局所的に濃淡むらが発生した低品質画像に有効であるが、小領域142の分割方法によっては雑音領域も抽出してしまうなどの欠点があるため、文字パターンの正確な切り出しができるとは限らない。そのため、非常に優れた認識処理機能を有していても、認識処理自体、認識対象とする文字パターンの正確な切り出しを前提としているため、文字パターン認識が良好に機能しなくなり、撮像環境が必ずしも良いとは限らず、常に良好な画像が得られるとは限らないFA(ファクトリー・オートメーション:Factory Automation)の分野で用いられるパターン認識装置などでは、文字パターンを誤認識することが多くなってしまう。このため、従来のパターン認識装置を適用しても、印字された文字パターンなどの検査対象パターンの品質検査を容易に行なうことができないという課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、照明の照度変化に強く、局所的に濃淡むらがあるような低品質な画像についても常に正確な認識が安定して行え、かつ回路構成も比較的簡単なパターン認識装置を文字パターンの印字品質の検査に適用した文字パターン検査装置を得ることを目的とする。
【0007】
また、この発明は、上記パターン認識装置を生産ライン上を流れる部品などの異品種の混入検査に適用した異品種混入検査装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係るパターン検査装置は、画像撮像装置によって撮像された濃淡画像からパターンとその背景との濃度差を用いて検査対象パターンを1つ1つ切り出すパターン切り出し手段と、前記パターン切り出し手段によって切り出された前記各検査対象パターンの領域内の正規化された特徴量データを、前記濃淡画像から直接抽出するパターン特徴量抽出手段と、ニューラルネットワークによって形成され、前記パターン特徴量抽出手段の抽出した特徴量データを用いて、前記パターン切り出し手段によって切り出された検査対象パターンの認識を行い、前記ニューラルネットワークの出力値が所定のしきい値以下でない場合に、切り出された前記認識対象パターンが不良である判定するパターン認識手段とを備え、前記パターン切り出し手段が、パターン行と平行方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差を用いてパターン行領域を切り出す機能と、それによって切り出された前記パターン行領域内で、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された前記パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算し、得られた計算値に基づいてパターン領域の切り出しを行うことによって認識対象パターンを1つ1つ切り出す機能を有し、前記パターン特徴量抽出手段が、切り出されたパターン領域内で縦方向および横方向の走査を実行し、それぞれの方向毎の各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の分布から求めた縦方向および横方向の濃度差分布の累積関数に基づいて、メッシュ領域の分割を行う機能と、分割された前記各メッシュ領域の特徴量データを濃淡画像から直接計算し、得られた全ての前記メッシュ領域についての計算値を前記パターン認識手段への出力とする機能とを有するようにしたものである。
【0009】
請求項2記載の発明に係る異品種混入検査装置は、画像撮像装置によって撮像された濃淡画像からパターンとその背景との濃度差を用いて、製品の品種を示す識別パターンを1つ1つ切り出すパターン切り出し手段と、前記パターン切り出し手段によって切り出された前記各識別パターンの領域内の正規化された特徴量データを、前記濃淡画像から直接抽出するパターン特徴量抽出手段と、ニューラルネットワークによって形成され、前記パターン特徴量抽出手段の抽出した特徴量データを用いて、前記パターン切り出し手段によって切り出された識別パターンの認識を行い、前記ニューラルネットワークの出力値が最小になった前記識別パターンを強制的に出力して、異品種の混入を検査するパターン認識手段とを備え、前記パターン切り出し手段が、パターン行と平行方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差を用いてパターン行領域を切り出す機能と、それによって切り出された前記パターン行領域内で、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された前記パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算し、得られた計算値に基づいてパターン領域の切り出しを行うことによって認識対象パターンを1つ1つ切り出す機能を有し、前記パターン特徴量抽出手段が、切り出されたパターン領域内で縦方向および横方向の走査を実行し、それぞれの方向毎の各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の分布から求めた縦方向および横方向の濃度差分布の累積関数に基づいて、メッシュ領域の分割を行う機能と、分割された前記各メッシュ領域の特徴量データを濃淡画像から直接計算し、得られた全ての前記メッシュ領域についての計算値を前記パターン認識手段への出力とする機能とを有するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるパターン認識装置の構成を示すブロック図である。図において、11は文字、記号、商標などの認識対象としてのパターンが表記されている被写体を撮像して、当該認識対象の濃淡画像の画像データを生成する画像撮像装置であり、例えばCCD(電荷結合デバイス)によるテレビカメラなどが用いられる。12はこの画像撮像装置11によって撮像された濃淡画像の画像処理を行って、その濃淡画像より認識対象パターンを1つ1つ切り出し、それら各認識対象パターンの認識処理を行うパターン認識装置であり、例えばニューラルネットワークを用いた電子計算機などが用いられる。
【0011】
また、このパターン認識装置12内において、13は画像撮像装置11よりこのパターン認識装置12に入力された濃淡画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段である。14はこの画像データ記憶手段13に記憶されている画像データを読み出し、その濃淡画像からパターンと当該パターンの背景との濃度差を用いて直接、認識対象パターンの領域としての文字パターン領域を1つ1つ切り出すパターン切り出し手段である。15はこのパターン切り出し手段14によって切り出された各文字パターン領域内の正規化された特徴量データを、前記濃淡画像より直接抽出するパターン特徴量抽出手段である。
【0012】
16はこのパターン特徴量抽出手段15によって抽出された特徴量データを用いて、パターン切り出し手段14によって切り出された文字パターン領域の認識処理を実行するパターン認識手段であり、例えば学習機能を備えたニューラルネットワークによって構成されている。17はこのパターン認識手段16を構成するニューラルネットワークの学習手段であるパターン学習手段であり、18はその学習データベースであるパターン学習データベースである。ちなみに、このパターン認識手段16を構成しているニューラルネットワークはパターン学習手段17において、パターン学習データベース18に記憶されている基準パターンデータを学習済みである。
【0013】
次に動作について説明する。
ここで、図2はこの実施の形態1におけるパターン認識装置12の処理の流れを示すフローチャートである。また、図3〜図8はパターン切り出し手段14による文字パターン領域の切り出し方法を説明するための動作説明図であり、図9はパターン特徴量抽出手段15による特徴量データの抽出方法を説明するための動作説明図である。
【0014】
まずステップST1において、画像撮像装置11によって撮像されて画像データ記憶手段13に記憶された濃淡画像の画像データがパターン切り出し手段14に入力される。図3は入力された濃淡画像の画像データから、認識対象となる文字パターン領域を切り出すパターン切り出しの原理を説明するための動作説明図であり、ここでは、文字パターン「A」の画像データから文字パターン領域を切り出す場合について示している。なお、図中の31、32はパターン濃度画像を走査する走査線であり、33は切り出される文字パターン領域である。また、図3(a)は文字パターン背景上を通る走査線31上の濃度値の様子を示したものであり、図3(b)は文字パターン上を通る走査線32上の濃度値の様子を示したものである。
【0015】
ここで、上記走査線31と走査線32の濃度値の様子を見てみると、文字パターン背景上の走査線31と比べて文字パターン上の走査線32の方がその変動が激しいことがわかる。従って、図3(c)に示すように、走査線32上の濃度値幅(走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差)が大きいところが文字パターン領域であると考えられる。そのため、次に図2のステップST2において、パターン切り出し手段14はまず、パターン行と平行方向の走査を実行して各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度値幅の計算値cal1を求め、図3(d)に示すような各走査線上の濃度値幅の分布を調べ、それに基づいて文字パターン行領域の切り出しを実施する。続いて、先ほど切り出された文字パターン行領域内において、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と先に切り出した文字パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加えることによって計算値cal2を算出し、その計算値cal2を参照して、画像データ記憶手段13から読み出した濃淡画像から直接、図3(e)に示す認識対象の文字パターン領域33を1つ1つ切り出す。
【0016】
このように、文字パターン領域33の切り出しに際して、パターン行と平行方向に繰り返し走査し、各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差を用いて文字パターン行領域を切り出すようにしているため、文字パターン行領域とその背景とのわずかな違いも検出して文字パターン行領域を切り出すことができる上、続いて、その切り出された文字パターン行領域内でパターン行と垂直方向に走査した走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差に、前記走査線上の平均濃度値と先に切り出された文字パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算した計算値を用いて、1つ1つパターンを切り出すようにしているため、例えば「1」のように、パターン行と垂直方向に走査しても濃度差が検出されにくいパターンであっても、前記計算値を見れば、パターンの濃度が薄くてもその文字パターン領域33を特定することができるようになり、照明の照度変化よってパターンの濃度が薄くなるような場合であってもその影響を受けにくくなり、局所的に濃淡むらが発生しているような低品質画像からでも、正確な認識対象パターンの切り出しを行うことができる。
【0017】
なお、この文字パターン領域を切り出す際に参照した計算値cal1およびcal2のしきい値は、それぞれ計算値cal1、cal2の出現頻度分布を求め、図4に示すように、その出現頻度分布をクラス1とクラス2の2クラスに分割したときの、次の式(1)で示すクラス間分散値を最大にする値に設定しており、このようにして自動的に最適な文字パターン領域33を切り出している。
【0018】
Figure 0003670244
【0019】
ただし、μは全体の平均値、ω0 は出現頻度分布をしきい値αで左右に分割した場合の左側の面積、ω1 は同じく右側の面積、μ0 は左側の平均値、μ1 は右側の平均値をそれぞれ表している。
【0020】
このように、パターン切り出し手段14は、文字パターン行領域あるいは文字パターン領域を切り出す時のしきい値を、パターン行と平行方向に走査する各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の出現頻度分布、あるいはパターン行と垂直方向に走査する各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された文字パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算して得られた値の出現頻度分布を2つのクラスに分割したときの、クラス間分散値を最大にする値に設定しているので、パターンと背景を最適に分離することができ、そのため、照明の照度変化に強く、局所的に濃淡むらが発生した低品質画像からも、文字パターン行領域あるいは文字パターン領域と思われる領域を自動的に切り出すことができる。
【0021】
ここで、前述のようにして文字パターン行領域を切り出した場合、切り出された文字パターン行領域の中には雑音などの影響によって、本来文字パターン行領域が存在しない箇所でも、文字パターン行領域として切り出されてしまうことがある。そこで、まず切り出された複数の文字パターン行領域の高さに基づいてその平均値を求めた場合、当該平均値に含まれる標準誤差εを次に示す式(2)のように定義する。
【0022】
【数1】
Figure 0003670244
【0023】
ただし、σは切り出した文字パターン行領域の高さの標準偏差を表し、nはその文字パターン行領域の数を表す。
【0024】
そして、その標準誤差εを文字パターン行領域の最小の高さとして、この値よりも高さの大きい文字パターン行領域のみを真の文字パターン行領域とみなしてその切り出しを行うことにする。その様子は図5(a)に示され、その時の背景の平均濃度値の算出範囲を図5(b)に示す。なお、図5(a)において、51は雑音、52は非文字パターン行領域、53は真の文字パターン行領域をそれぞれ表しており、図5(b)において、54は背景の平均濃度値の算出範囲を表している。
【0025】
図5(a)に示すように、雑音51に対応した文字パターン行領域はその高さH1 が標準誤差εよりも小さいので、それは非文字パターン行領域52とみなされてその切り出しは行われない。一方、文字パターンに対応した文字パターン行領域はその高さH2 が標準誤差εよりも大きいので、それは真の文字パターン行領域53とみなされてその文字パターン行領域の切り出しが行われる。ちなみに、このとき切り出した文字パターン行領域の上下座標、およびその領域内と背景の平均濃度値を記憶しておく。また、図5(b)に示すように、文字パターン行領域の背景の平均濃度値は、例えば、文字パターン行領域の上下両端からそれぞれ当該文字パターン行領域の高さHの1/4までの間に設定された算出範囲54から算出した平均濃度値を用いる。
【0026】
このように、パターン切り出し手段14は、切り出す各文字パターン行領域の高さHを、切り出された複数の文字パターン行領域の高さに基づいて算出した標準誤差εと比較て、その高さHが標準誤差εよりも小さい、雑音である可能性のが高い文字パターン行領域については、それを切り出さずに排除するようにしているため、雑音を多少含んだ撮像画像からでも正確に文字パターン行領域の切り出しを行うことが可能となる。
【0027】
また、前述のようにして文字パターン行領域から認識対象の文字パターン領域を切り出した場合、切り出された文字パターン領域の中には、本来1個であるべき文字パターン領域が誤って2個の文字パターン領域に分離して切り出されてしまうことがある。このような誤切り出しを防止するために、まず切り出された複数の文字パターン領域の幅の平均値である平均パターン領域幅Wave と、隣接する文字パターン領域の間隔の平均値である平均パターン領域間隔Dave を求める。次いでそれら平均パターン領域幅Wave および平均パターン領域間隔Dave に含まれる標準誤差εw およびεd についても、次に示す式(3)および式(4)によってそれぞれ求めておく。
【0028】
【数2】
Figure 0003670244
【0029】
ただし、σw 、σd は切り出した複数の文字パターン領域の幅および隣接する文字パターン領域間隔の標準偏差を表し、nは前記文字パターン領域の数、mは前記文字パターン領域間隔の数を表わす。
【0030】
次に前記式(3)および式(4)を参照して、文字パターン領域の最小間隔幅Dsmall 、文字パターン領域の最小幅Wsmall および最大幅Wlarge を、次に示す式(5)〜式(7)を用いて求める。ただし、この式(5)中のαは定数であり、例えば3などの値をとる。
【0031】
Dsmall =Dave −α×εd ・・・・ (5)
Wsmall =εw ・・・・ (6)
Wlarge =Wave +Dsmall +Wsmall ・・・・ (7)
【0032】
続いて、隣接している2つの文字パターン領域において、それら2つの文字パターン領域を接合させた場合の文字パターン領域のパターン領域幅Wと、2つの文字パターン領域の間のパターン領域間隔Dとが、次に示す条件式(8)と条件式(9)を同時に満たしている場合には、それら2つの文字パターン領域は1つの文字パターン領域であるものとみなして接合させる。
【0033】
W≦ Wlarge ・・・・・ (8)
D≦ Dsmall ・・・・・ (9)
【0034】
すなわち、パターン切り出し手段14は、図6(a)の中央に示した隣接している2つの文字パターン領域のように、それら2つの文字パターン領域を接合させた場合のパターン領域幅Wが、式(7)より求めた文字パターン領域の最大幅Wlarge よりも小さく、かつ、それら2つの文字パターン領域のパターン領域間隔Dが、式(5)より求めた文字パターン領域の最小間隔幅Dsmall よりも小さければ、図6(b)の中央部に示すように、それらを結合して1つの文字パターン領域として切り出す。
【0035】
このように、パターン切り出し手段14は、隣接して切り出された2つの文字パターン領域のパターン領域間隔Dが、複数の文字パターン領域間隔より算出された平均パターン領域間隔幅Dave からその標準誤差εd のα倍を減算した計算値である最小間隔幅Dsmall より小さく、かつ、隣接した2つの文字パターン領域を接合させた場合のパターン領域幅Wが、前記最小間隔幅Dsmall に文字パターン領域を含む文字パターン行領域内の平均パターン領域幅Wave とその標準誤差εw を加算して得られた計算値である最大幅Wlarge より小さい場合には、当該隣接した2つの文字パターン領域を接合するようにしているので、雑音などにより誤って1つの文字パターン領域が分離して切り出されてしまっても、その文字パターン領域が自動的に修正されて結合されるため、正確に1つの文字パターン領域として切り出すことができる。
【0036】
次に、前記のような処理を終えて切り出された文字パターン領域の幅Wcharを調べておく。これは雑音などの影響によって、本来文字パターン領域でないにもかかわらず、文字パターン領域として切り出される場合があるからである。そこで、以下に示す条件式(10)を満たす文字パターン領域のみを真の文字パターン領域と見なして切り出しを行うことにより、文字パターン領域の誤切り出しを防止する。
【0037】
Wsmall ≦Wchar ・・・・・ (10)
【0038】
なお、その様子は図7(a)に示され、その時の背景の平均濃度値の算出範囲を図7(b)に示す。図7(a)において、71は雑音、72は非文字パターン領域、73は真の文字パターン領域をそれぞれ表しており、また、図7(b)において、74は背景の平均濃度値の算出範囲を表している。図7(a)に示すように、雑音71に対応した文字パターン領域の幅W1は文字パターン領域の最小幅Wsmall である標準誤差εw よりも小さいので、それを非文字パターン行領域72とみなしてその切り出しは行わない。一方、文字パターンに対応した文字パターン行領域の幅W2、W3は文字パターン領域の最小幅Wsmall よりも大きいので、それを真の文字パターン行領域73とみなしてその文字パターン行領域を切り出す。
【0039】
ちなみに、このとき切り出した文字パターン領域の左右座標、およびその領域内と背景の平均濃度値を記憶しておく。また、図7(b)に示すように、文字パターン領域の背景の平均濃度値は、例えば、文字パターン領域の左右端から文字パターン領域の幅Wの1/4までの間に設定された算出範囲74から算出した平均濃度値を用いる。
【0040】
このように、パターン切り出し手段14は、各文字パターン行領域から切り出された複数の文字パターン領域の幅から算出された標準誤差εw と、当該文字パターン領域の幅Wcharとの比較を行って、その幅Wcharが前記標準誤差εw よりも小さい、雑音である可能性のが高い文字パターン領域については、それを切り出さずに排除するようにしているため、雑音を多少含んだ撮像画像からでも正確に文字パターン領域の切り出しを行うことが可能となる。
【0041】
次に、各文字パターン領域毎に、各文字パターン領域内の平均濃度値Ave_Charとその背景領域の平均濃度値Ave_Backを求める。そして両平均濃度値Ave_CharとAve_Backとを比べることで、文字パターン濃度を以下に示す条件式(11)を用いて判定する。
【0042】
Ave_Char≧ Ave_Back (11)
【0043】
すなわち、上記条件式(11)を満たしている場合にはその文字パターンの濃度は「白」と判定され、また上記条件式(11)を満たしていない場合にはその文字パターンの濃度は「黒」と判定される。
【0044】
このように、パターン切り出し手段14は、切り出された各文字パターン領域内の平均濃度値Ave_Charとその背景領域の平均濃度値Ave_Backとを比較することによって、各文字パターンの濃度を自動的に識別しているので、あらかじめ認識対象とする文字パターンの濃度を設定することなしに、正確に文字パターンの切り出しを行ってその認識処理を行うことができる。
【0045】
次に、パターン切り出し手段14は切り出した文字パターン領域の高さの調整を行う。例えば、小文字によるアルファベットの「a」と「b」のような、高さの異なる文字パターンが同一文字パターン行領域内に存在する場合には、前述の切り出し方法ではまだ不十分である。そこで、文字パターン領域の高さの調整処理が必要となる。この文字パターン領域の高さの調整処理は、まず切り出された各文字パターン領域内で、横方向(パターン行と平行方向)に走査した場合の走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と文字パターン領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算した計算値を求める。この計算値は文字パターン部分では高い値を示すが、その背景部分では小さい値を示すようになる。従って、切り出した文字パターン領域の上下端の走査線からそれぞれ順番に前記計算値を求めてゆき、その計算値が最初に所定のしきい値を上回る位置を文字パターン領域の上下端位置とする。
【0046】
図8にその様子を示す。なお、図中の81が文字パターン領域の上端位置、82が文字パターン領域の下端位置を示し、83が高さ調整前の切り出し枠、84が高さ調整後の切り出し枠を示している。すなわち、図8(a)に示すように、高さ調整前の切り出し枠83の上端側から前記計算値が所定のしきい値を最初に上回る位置を求めてそれを当該文字パターン領域の上端位置81とし、高さ調整前の切り出し枠83の下端側から前記計算値が所定のしきい値を最初に上回る位置を求めてそれを当該文字パターン領域の下端位置82とする。そして、この文字パターン領域の上端位置81と下端位置82にて規定される、図8(b)に示した高さ調整後の切り出し枠84に従って、当該文字パターン領域の切り出しを行う。なお、このときその文字パターン領域の上下左右の座標およびその領域内と背景の平均濃度値を記憶しておく。
【0047】
このように、パターン切り出し手段14は、切り出された各文字パターン領域内で横方向に繰り返し走査して、各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差に、その走査線上の平均濃度値と文字パターン領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算した計算値を求めることで、文字パターン領域とその背景とを明確に区別できるようにしているため、前記計算値を参照して各文字パターン領域の高さの調整を行うことが可能となり、同一文字パターン行領域内での高さの異なる文字パターン領域の切り出しも正確に行うことが可能となる。
【0048】
次に、処理は図2のステップST3に進み、パターン特徴量抽出手段15は前述のようにしてパターン切り出し手段14が切り出した文字パターン領域内から、文字パターンのパターン特徴量を示す特徴量データを抽出する。図9はこの特徴量データの抽出方法を示した動作説明図であり、図において、91は切り出された認識対象となる文字パターン領域であり、92(i、j)はこの文字パターン領域91を複数(m×n個)に分割したメッシュ領域である。なお、この図9では文字パターン領域91を128個(m=8、n=16個)の領域に分割した場合について示しており、従って、メッシュ領域92(i、j)のカッコ内のiおよびjはそれぞれ、i=0,1,・・・・,7、j=0,1,・・・・,15である。
【0049】
パターン特徴量抽出手段15はまず、パターン切り出し手段14が前述のようにして切り出した文字パターン領域91内で、縦方向(パターン行と垂直方向)および横方向(パターン行と平行方向)毎に走査を行って、それぞれの方向毎の走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差から求めた濃度差分布を調べる。図9(a)はその様子を示したものであり、以後、横方向をX軸方向、縦方向をY軸方向という。ここで、図中のhは当該文字パターン領域91の高さを示し、wはその幅を示している。また、H(x)はX軸方向の走査線上の濃度差分布を表し、V(y)はY軸方向の走査線上の濃度差分布を表している。なお、そのときのx、yはそれぞれ、0≦x≦(w−1)、0≦y≦(h−1)で規定される文字パターン領域区間内にある。
【0050】
次にパターン特徴量抽出手段15は、パターン切り出し手段14によって切り出された文字パターン領域91をm×n個のメッシュ領域92(i、j)に分割する。図9(b)はその様子を示したものであり、この文字パターン領域91の分割に際しては、まず、0≦x≦(w−1)、0≦y≦(h−1)で規定される文字パターン領域区間内における走査線上の濃度差分布の累積関数Cx (X)およびCy (Y)を、次に示す式(12)および式(13)を用いて求める。
【0051】
【数3】
Figure 0003670244
【0052】
そして、文字パターン領域91をm×n個のメッシュ領域92(i、j)に分割するために、以下に示す式(14)および式(15)を用いて、メッシュ間隔δx (i)とδy (j)とを求める。
【0053】
δx (i)=Xi+1 −Xi ・・・・・ (14)
δy (j)=Yj+1 −Yj ・・・・・ (15)
【0054】
ただし、上記式(14)および式(15)におけるXi およびYj は、それぞれ次に示す式(16)あるいは式(17)の条件を満たすものである。
【0055】
Xi =min{X|Cx (X)≧i×Cx (w−1)/n}・・・・・ (16)
Yj =min{Y|Cy (Y)≧j×Cy (h−1)/m}・・・・・ (17)
【0056】
すなわち、X軸上の第i番目のメッシュ分割点iは、上記式(14)によって得られたメッシュ間隔δx (i)内での走査線上の濃度差分布H(x)の和が一定になるところに定められる。Y軸に対しても同様に、Y軸上の第j番目のメッシュ分割点jは、式(15)で得られたメッシュ間隔δy (j)内での走査線上の濃度差分布V(y)の和が一定になるところに定められる。以上の操作を行うことによって、文字パターン領域91をm×n個のメッシュ領域92(i、j)に分割する。
【0057】
ここで、各走査線においては濃度差が高い部分ほど文字パターン部分であると考えられる。そこで、前述のようにメッシュ間隔δx (i)およびδy (j)内での走査線上の濃度差分布H(x)あるいはV(y)の和がそれぞれ一定となるように、文字パターン領域91をメッシュ領域92(i、j)に分割した場合には、文字パターン部分では走査線上の濃度差は当然高い値を示すため、メッシュ間隔δx (i)およびδy (j)は細かなものとなる。従って、文字パターン領域91は文字パターン部分ではより多くのメッシュ領域92(i、j)に分割されることになるため、詳細に文字パターンの特徴量データを抽出することが可能となる。その上、文字パターンをメッシュ化しているので、位置ずれによる影響を抑えることができ、また、同一の字種では文字パターンの各部分がほぼ同じメッシュ位置に配置されるようになるため、文字パターンのフォントや印字太さに違いがある場合においても、それらの違いを吸収することが可能になる。
【0058】
このように、パターン特徴量抽出手段15は、切り出された各パターン領域91を複数のメッシュ領域92(i、j)に分割し、濃淡画像よりそれら全てのメッシュ領域92(i、j)の特徴量データを直接計算しているので、画像データを取り込む際に生じた雑音による位置ずれによる誤差を考慮する必要性がなくなり、パターン認識手段16へ入力される特徴量データのデータ量も減少して、認識に要する時間を短縮することができる。また、切り出されたパターン領域91内でのX軸方向およびY軸方向毎の走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差から求めた濃度差分布の累積関数Cx (X)およびCy (Y)に基づいてメッシュ分割を行っているので、文字パターン領域の切り出しに際して多少の位置ずれがあっても、その影響を受けずに文字パターンを認識することが可能となり、さらに、X軸方向およびY軸方向毎の走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差による濃度差分布の累積関数Cx (X)およびCy (Y)上で、メッシュ間隔内の和が一定となるように分割幅を変動させてメッシュ分割を行っているので、パターンの位置ずれの影響を抑えることが可能となり、パターン認識などに適用した場合には、フォントや印字太さなどの多少の違いを吸収して、少ない登録数で多品種の認識対象のパターンを認識することが可能となる。
【0059】
次にパターン特徴量抽出手段15は、前述のようにして分割した各メッシュ領域92(i、j)毎にその平均濃度値を求め、続いてそれら平均濃度値の最大値である最大濃度値と、最小値である最小濃度値も求めておく。そして、文字パターンの濃度が、文字パターン領域内の平均濃度値の方が背景領域のそれよりも高い「白」の場合には、各メッシュ領域92(i、j)毎に、その平均濃度値から前述の最小濃度値を減算して得られた各メッシュ領域92(i、j)の差引平均濃度値を、前記最大濃度値から最小濃度値を減算した値で除算した、0から1までの実数による計算値を、当該メッシュ領域92(i、j)の正規化された特徴量データとして抽出する。
【0060】
同様にして、文字パターンの濃度が、文字パターン領域内の平均濃度値の方が背景領域のそれよりも低い「黒」の場合には、各メッシュ領域92(i、j)毎に、前述の最大濃度値からその平均濃度値を減算して得られた各メッシュ領域92(i、j)の差引平均濃度値を、前記最大濃度値から最小濃度値を減算した値で除算した計算値(0から1までの実数)を、当該メッシュ領域92(i、j)の正規化された特徴量データとして抽出する。この演算処理を全てのメッシュ領域92(i、j)について実行することにより、文字パターン領域91の1つ1つをm×n個の実数データに変換する。図9(c)はその様子を示したものであり、ここでは、その正規化された0から1までの実数データの値を濃度の変化によって表現している。
【0061】
このように、前述の方法によって各メッシュ領域92(i、j)の特徴量データを抽出した場合には、それぞれメッシュ領域92(i、j)毎に正規化しているため、抽出される特徴量データが以下の照明変化に対して不変となる。すなわち、その1つは、直流的な雑音の重畳などによって濃度が全体的にαだけシフトした場合である。そのときには濃度fは濃度f+αとなるが、それに対応して平均値、最小濃度値、最大濃度値もαだけシフトするため、以前と比べて変わることはない。よって、これらの比である特徴量データも不変である。また、もう1つは、コントラストが変化して各部の濃度がその濃度に応じてk倍された場合である。そのときには濃度fは濃度kfとなるが、それに対応して平均値−最小濃度値、最大濃度値−平均値もk倍される。しかしながら、両者の比をとることによって、分子、分母のk倍が打ち消され、結果的に特徴量データは不変になる。なお、以上の2つの場合において、特徴量データの不変性を示したが、実際の照明変化はこれら2つの場合の組み合わせで近似することができ、従って、特徴量データが実際の照明変化によって影響を受けることはほとんどない。
【0062】
このように、パターン特徴量抽出手段15は分割された各メッシュ領域の平均濃度値を算出し、それら各平均濃度値の最小濃度値と最大濃度値を求めた後に、パターンの濃度が「白」である場合には、その最小濃度値を各メッシュ領域の平均濃度値から減算した差引濃度値を前記最大濃度値と最小濃度値の濃度差で除算した計算値を、またパターンの濃度が「黒」である場合には、前記最大濃度値から各メッシュ領域の平均濃度値を減算した差引濃度値を前記最大濃度値と最小濃度値の濃度差で除算した計算値を、各メッシュ領域の特徴量データとして抽出しているため、抽出される特徴量データは、照明の照度変化による影響を受けにくい、ロバスト(robust:頑強)性に優れたものとなる。
【0063】
次に処理はステップST4に進み、パターン認識手段16はパターン特徴量抽出手段15によって抽出されたm×n個の実数データによる特徴量データを入力として文字パターンの認識処理を実行する。なお、このパターン認識手段16はニューラルネットワークで構成されており、そのニューラルネットワークとしては、例えばコホーネンによる学習ベクトル量子化法に基づく自己組織化ネットワークが用いられる。また、パターン学習手段17によって認識処理の基準データとなる文字パターンの学習はすでに済んでおり、その学習済のデータはパターン学習データベース18に記憶されている。このニューラルネットワークに入力される文字パターンの種類が英数字である場合、当該パターン認識手段16の出力値は、例えば“A”である可能性が0.9、“B”である可能性が3.2などのようになる。ニューラルネットワークの出力値は、その文字パターンに対してどれだけ近いかという量を定量化したもので、出力値の小さいものほどその文字パターンに近いことを示している。
【0064】
以下、上記パターン認識装置を適用したこの発明によるパターン検査装置について説明する。図10はこの発明のパターン検査装置によって良否判定される文字パターンの不良の一例を示す説明図である。図において、131は文字パターンの欠けであり、132は文字パターンについた傷である。
【0065】
次に動作について説明する。
ここで、文字パターンの印字品質の検査とは、図10(a)に符号131を付して示すような文字パターンの欠けや、図10(b)に符号132を付して示すような傷を検出して不良品とするものである。これは、実施の形態1の場合と同様に、パターン特徴量抽出手段15によって抽出された特徴量データを用いて、パターン切り出し手段14の切り出した文字パターンの認識をパターン認識手段16で行う。そして、そのときパターン認識手段16を構成しているニューラルネットワークの出力値が所定のしきい値以下でないときに、その文字パターンは不良であると判定することによって容易に実現できる。
【0066】
以上のように、この実施の形態1によれば、パターン認識手段をニューラルネットワークで構成し、そのニューラルネットワークの出力値が所定のしきい値以下であるか否かで、切り出されたその認識対象パターンが良/不良を判定しているので、文字パターンの欠けや傷などの印字品質の検査を容易に行うことができる効果がある。
【0067】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、上記この発明によるパターン認識を文字パターンの印字品質の検査に適用した場合について説明したが、生産ラインにおける異品種の混入検査にも適応可能である。生産ライン上を流れる部品などに異品種が混入したことを検出するためは、文字パターンなどの識別対象パターンそのものの良品/不良品の判別をする必要はなく、部品等の型名さえ認識できればよい。従って、そのような場合には、実施の形態1と同様にパターン認識手段16において、パターン特徴量抽出手段15の抽出した特徴量データを用いてパターン切り出し手段14によって切り出された識別パターンの認識を行い、そのときにパターン認識手段16を構成しているニューラルネットワークの出力値が最小になった識別パターンを強制的に出力して、それに基づいて異品種の混入を検査するようにする。
【0068】
以上のように、この実施の形態2によれば、パターン認識手段をニューラルネットワークによって形成し、そのニューラルネットワークの出力値が最小になった識別パターンを強制的に出力することによって、異品種の混入を検査しているので、生産ライン上を流れる部品などに異品種が混入したことを容易に検出することが可能になる効果がある。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、パターン切り出し手段が、パターン行と平行方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差を用いてパターン行領域を切り出す機能と、それによって切り出された前記パターン行領域内で、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された前記パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算し、得られた計算値に基づいてパターン領域の切り出しを行うことによって認識対象パターンを1つ1つ切り出す機能を有し、パターン特徴量抽出手段が、切り出されたパターン領域内で縦方向および横方向の走査を実行し、それぞれの方向毎の各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の分布から求めた縦方向および横方向の濃度差分布の累積関数に基づいて、メッシュ領域の分割を行う機能と、分割された前記各メッシュ領域の特徴量データを濃淡画像から直接計算し、得られた全ての前記メッシュ領域についての計算値をパターン認識手段への出力とする機能とを有し、パターン認識手段をニューラルネットワークによって形成し、パターン特徴量抽出手段の抽出した特徴量データを用いて、パターン切り出し手段の切り出した検査対象パターンの認識を行って、ニューラルネットワークの出力値が所定のしきい値以下でなければ、その切り出された検査対象パターンが不良であると判定するように構成したので、印字された文字パターンなどの検査対象パターンの品質検査を容易に行うことができるパターン検査装置が得られる効果がある。
【0070】
請求項2記載の発明によれば、パターン切り出し手段が、パターン行と平行方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差を用いてパターン行領域を切り出す機能と、それによって切り出された前記パターン行領域内で、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された前記パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算し、得られた計算値に基づいてパターン領域の切り出しを行うことによって認識対象パターンを1つ1つ切り出す機能を有し、パターン特徴量抽出手段が、切り出されたパターン領域内で縦方向および横方向の走査を実行し、それぞれの方向毎の各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の分布から求めた縦方向および横方向の濃度差分布の累積関数に基づいて、メッシュ領域の分割を行う機能と、分割された前記各メッシュ領域の特徴量データを濃淡画像から直接計算し、得られた全ての前記メッシュ領域についての計算値をパターン認識手段への出力とする機能とを有し、パターン認識手段をニューラルネットワークによって形成し、パターン特徴量抽出手段の抽出した特徴量データを用いて、パターン切り出し手段の切り出した識別パターンの認識を行って、ニューラルネットワークの出力値が最小になった識別パターンを強制的に出力するように構成したので、部品等の型名を簡易的に認識することができ、生産ライン上における異品種の混入を容易に検出できる異品種混入検査装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パターン認識装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 パターン認識装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】 パターン認識装置におけるパターン切り出しの原理を示す動作説明図である。
【図4】 パターン認識装置におけるパターン切り出しのためのしきい値算出の原理を示す動作説明図である。
【図5】 パターン認識装置における文字パターン行領域の切り出しの様子を示す動作説明図である。
【図6】 パターン認識装置における文字パターン領域の接合の様子を示す動作説明図である。
【図7】 パターン認識装置における文字パターン領域の切り出しの様子を示す動作説明図である。
【図8】 パターン認識装置における文字パターン領域の高さ調節の様子を示す動作説明図である。
【図9】 パターン認識装置における特徴量データの抽出方法を示す動作説明図である。
【図10】 パターン認識装置を適応したこの発明の実施の形態1によるパターン検査装置で良否判定される文字パターンの不良の一例を示す説明図である。
【図11】 従来のパターン認識装置における文字パターンの濃淡画像の2値化原理を示す説明図である。
【符号の説明】
11 画像撮像装置、14 パターン切り出し手段、15 パターン特徴量抽出手段、16 パターン認識手段。

Claims (2)

  1. 画像撮像装置によって撮像された濃淡画像からパターンとその背景との濃度差を用いて検査対象パターンを1つ1つ切り出すパターン切り出し手段と、
    前記パターン切り出し手段によって切り出された前記各検査対象パターンの領域内の正規化された特徴量データを、前記濃淡画像から直接抽出するパターン特徴量抽出手段と、
    ニューラルネットワークによって形成され、前記パターン特徴量抽出手段の抽出した特徴量データを用いて、前記パターン切り出し手段によって切り出された検査対象パターンの認識を行い、前記ニューラルネットワークの出力値が所定のしきい値以下でない場合に、切り出された前記認識対象パターンが不良である判定するパターン認識手段とを備え、
    前記パターン切り出し手段が、パターン行と平行方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差を用いてパターン行領域を切り出す機能と、それによって切り出された前記パターン行領域内で、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された前記パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算し、得られた計算値に基づいてパターン領域の切り出しを行うことによって認識対象パターンを1つ1つ切り出す機能を有し、
    前記パターン特徴量抽出手段が、切り出されたパターン領域内で縦方向および横方向の走査を実行し、それぞれの方向毎の各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の分布から求めた縦方向および横方向の濃度差分布の累積関数に基づいて、メッシュ領域の分割を行う機能と、分割された前記各メッシュ領域の特徴量データを濃淡画像から直接計算し、得られた全ての前記メッシュ領域についての計算値を前記パターン認識手段への出力とする機能とを有するパターン検査装置。
  2. 画像撮像装置によって撮像された濃淡画像からパターンとその背景との濃度差を用いて、製品の品種を示す識別パターンを1つ1つ切り出すパターン切り出し手段と、
    前記パターン切り出し手段によって切り出された前記各識別パターンの領域内の正規化された特徴量データを、前記濃淡画像から直接抽出するパターン特徴量抽出手段と、
    ニューラルネットワークによって形成され、前記パターン特徴量抽出手段の抽出した特徴量データを用いて、前記パターン切り出し手段によって切り出された識別パターンの認識を行い、前記ニューラルネットワークの出力値が最小になった前記識別パターンを強制的に出力して、異品種の混入を検査するパターン認識手段とを備え、
    前記パターン切り出し手段が、パターン行と平行方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差を用いてパターン行領域を切り出す機能と、それによって切り出された前記パターン行領域内で、前記パターン行と垂直方向の走査を実行して、その各走査線上の最大濃度値と最小濃度値の濃度差に、当該走査線上の平均濃度値と切り出された前記パターン行領域の背景の平均濃度値との濃度差を加算し、得られた計算値に基づいてパターン領域の切り出しを行うことによって認識対象パターンを1つ1つ切り出す機能を有し、
    前記パターン特徴量抽出手段が、切り出されたパターン領域内で縦方向および横方向の走査を実行し、それぞれの方向毎の各走査線上の最大濃度値と最小濃度値との濃度差の分布から求めた縦方向および横方向の濃度差分布の累積関数に基づいて、メッシュ領域の分割を行う機能と、分割された前記各メッシュ領域の特徴量データを濃淡画像から直接計算し、得られた全ての前記メッシュ領域についての計算値を前記パターン認識手段への出力とする機能とを有する異品種混入検査装置。
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