JP3670104B2 - 殺菌済食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多品種の殺菌済食品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、食品に対する嗜好は多種多様さを要求され、同一の食品種であってもその内容は種々変化に富んだものとなっている。
【0003】
このような食品において、微生物特に食中毒菌や腐敗菌等、人に危害を加える微生物に対する対策は非常に重要であるが、近年では、食品加工技術の発達により、食品を無菌状態に殺菌する技術が確立され、このような殺菌済の食品が数多くみられるようになった。これらの殺菌済食品は、そのままの状態で長期間保存することができる利便性、また開封して直ちにあるいは若干加温する等の簡単な処理をするだけですぐに食することができる簡便性により、非常に有用な食品の形態である。
【0004】
同様の効果を持つ形態として、食品を加工した後、冷凍あるいは冷蔵温度で保存することにより、微生物の増殖を抑え長期間保存することのできる食品も存在する。しかしながら、これらの食品を低温度域で保管、流通するには、その温度まで食品を冷却する、あるいはその温度を維持するために、大規模な設備、また多大なエネルギ一を要する。これに対し、上記の殺菌済食品は常温温度域で保存することが可能であり、これら設備面、消費エネルギー面においても殺菌済食品は非常に有用である。
【0005】
このような殺菌処理は現在主として、食品を加熱することにより行われている。しかし、殺菌における過度の加熱処理は食品に対して様々な影響を及ぼし、場合によっては、その本来の性質を変化させてしまい、嗜好性を大きく低下させる原因となる。すなわち、加熱臭など風味の劣化、褐変などの色調の変化、粘性・食感の変化等である。そこで、殺菌に要する加熱処理をできるだけ短時間で行い、加熱による食品の劣化を最小限にするために、種々の殺菌方法が開発されている。
【0006】
たとえば、直接加熱法としてスチームインジェクション法(スチームインフュージョン法)、間接加熱法としてプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、表面かき取り式殺菌、その他の方法として通電加熱殺菌等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの殺菌方法はいずれも、以下に述べるように、一品種の食品を連続して大量に製造するのには適しているが、多品種の食品を連続して製造するのには適さない。
【0008】
すなわち、これらの方法はすべて、殺菌後に充填包装する方法であり、殺菌から充填までを、連続した密閉されたインライン中で無菌状態で行わなければならない。このような無菌状態を保つための装置には、外部とインラインの境界にスチームによる遮断部を設ける等、外部からの微生物の混入を防止する必要があり、そのための付帯設備も含めた装置は大規模かつ経済的負担が大きい欠点がある。また、工程中に高温部分が存在するために作業面での危険性がある。
【0009】
さらに、製造を開始する際あるいは洗浄等により一旦中断後再開する際には必ずインラインの殺菌作業が必要であり、そのエネルギー消費や時間のロスによって効率が悪化する欠点もある。稼働効率を上げるには、なるべく無菌状態を持続させ、連続して製造する必要がある。しかし、これらの方法で、品種の異なる食品を連続して製造する場合には、品種が替わる間に両種の食品が混じった部分が生じ、その大部分がロスとなってしまう。このため、頻繁な品種の切替は困難である。また、色や風味に濃淡の差がある食品を連続して製造する場合、少しでもロスを減らすためには、必ず薄いものから製造する必要があり、製造上融通がきかない。
【0010】
このように、上記従来の殺菌処理方法を用いて製造した場合は、少品種の殺菌済食品を大量に生産するのには適しているが、種々多様な多品種の殺菌済食品を、同一ラインで連続してあるいは同時に製造するのには全く適さず、非常に困難であるという問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的は、食品を短時間で殺菌処理し、かつ多品種の殺菌済食品を容易に連続してあるいは同時に製造する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載の殺菌済食品の製造方法は、複数の充填系列をもつ非無菌的充填工程により食品を容器に充填し、1MHz〜数GHzの周波数の電界中での誘電加熱により上記容器中の食品を殺菌することを特徴としている。
【0013】
上記の方法により、食品は必要に応じて調合等の処理工程を経た後、複数の充填系列を持つ非無菌的充填工程により容器に充填される。容器に充填された食品は、容器ごとに1MHzから数GHzの周波数の電磁波を使用した誘電加熱によって加熱殺菌される。
【0014】
したがって、非無菌的な充填工程によって食品を容器に充填し、充填包装後に殺菌する。充填工程が非無菌的であるため、無菌的な充填装置に比べてはるかに簡単な装置で済み、また、他品種への切替時に無菌状態の維持や再無菌化の必要がないため、切替の際のエネルギーや時間のロスが少なくなる。また、充填包装後に殺菌するので、品種の異なる食品を連続してあるいは同時に製造しても、殺菌工程においてそれら両種の食品が混じる恐れがない。それゆえ、多品種の食品を連続してあるいは同時に殺菌処理し、多品種の殺菌済食品を短時間かつ容易に製造することができる。
【0015】
また、前述した従来の外部から加熱して殺菌する方法と異なり、食品の内部から発熱を起こすので、殺菌工程中の高温部分による危険性が少ない。
【0016】
また、本発明は、上記の構成に加えて、略同形状の容器に充填して誘電率をほぼ同じとした、充填系列ごとに異なる組成の食品を、同時に殺菌部に送り込み、次いで、これらの複数の充填系列から得られる食品を1回の加熱で同時に複数個ずつ加熱殺菌する。
本殺菌済食品の製造方法は、上記の構成に加えて、複数種の上記食品を略同形状の上記容器に充填し、上記食品に対して連続してあるいは同時に上記誘電加熱を行うように構成することもできる。
【0017】
上記の方法により、複数種の食品を略同形状の容器に充填し、連続してあるいは同時に誘電加熱にて殺菌する。
【0018】
容器の形状がほぼ一定なので、容器内の内容物である食品同士を容器ごとに比べてみた場合に、例えばその原料の組成や量等に極端な差が無ければ、容器と食品とを含めた加熱対象物の誘電率に大きな差が生じない。
【0019】
殺菌工程は、1MHzから数GHzの周波数の電磁波を使用した誘電加熱によって殺菌している。このような誘電加熱による殺菌では、殺菌効果の大小は加熱対象物の誘電率に影響される。しかし、上記のように、容器内の食品が替わっても加熱対象物の誘電率に大きな差が無いので、誘電加熱の条件をほぼ一定としたまま、連続してあるいは同時に異種の食品を十分殺菌することができる。
【0020】
したがって、品種が替わるごとに加熱条件を変更する手間や時間が大幅に減少する。それゆえ、多品種の殺菌済食品を、短時間かつ容易に製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0022】
本発明における食品とは、広く一般的な食品すべてを含み、特にその性状、組成に限定を加えるものではない。すなわち、食品が液体状、半流動状、固体、粉体等どのような性状でもよく、粘弾性等の物性についても制限はなく、また、その組成において、水分含量の高低や糖分含量、塩類濃度、また非連続相の存在や固液混合等、その形状にも特に限定を加えるものではない。ただし、連続してあるいは同時に殺菌する食品は、極端に内容に変化があってはならない。誘電率が大きく変化すると、殺菌工程において個々の食品に応じた最適の設定へ調整しなければならないためである。
【0023】
充填工程は、複数の充填系列を持つ非無菌的な充填装置により行う。複数の充填系列とは、単独の装置に複数の充填部をもつものでも、単独の充填部をもつ複数の装置でもよい。
【0024】
充填した後に殺菌するため、充填装置は非無菌的な装置でよく、充填方式等に特に限定を加えるものではない。
【0025】
充填される容器の材質については、電磁波透過性がありかつ殺菌工程に耐えられる耐熱性があればよい。一般的にはCP(セルロースプロピオネート)、PP(ポリプロピレン)、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)等、あるいはこれらの複合素材が適している。
【0026】
容器の形状については、特に限定を加えない。ピロータイプ包装(ピロー状容器)のような不定形でも、成形された定型容器でも良い。ただし、連続してあるいは同時に殺菌する複数種の食品は、同一形状の容器に充填されていることが望ましい。
【0027】
すなわち、図1に示すように同一形状の容器に多種の食品が充填されている場合は、内容物に極端な変化が無ければ、それら多種の食品を連続してあるいは同時に並行して殺菌処理することが可能である。
【0028】
同図に示すように、非無菌的充填工程11において、充填系列21、充填系列22、充填系列23がある。充填系列21では、充填器24により容器31に食品Aが充填される。充填系列22では、充填器25により同じく容器31に食品Bが充填される。充填系列23では、充填器26により同じく容器31に食品Cが充填される。
【0029】
各食品を充填された各容器31は、ベルトコンベヤ等により殺菌工程12に移り、順次、殺菌部13内へ送り込まれて殺菌される。この殺菌工程12において、同図に示すように、各容器31に入っている食品は一様でなく、食品Aが入っている場合、食品Bが入っている場合、食品Cが入っている場合がある。しかし、容器31が1種類で共通であるため、これらをどのような順序で殺菌部13へ送り込んでも、一定の加熱条件下でほぼ同様の殺菌処理効果を上げることが可能になっている。このため、同図に示すように、これらの食品を食品の品種に無関係に任意の順序で殺菌部13に送り込んで多種の食品を同時に並行して殺菌処理することが可能である。また、食品の種類順に殺菌部13に送り込んで品種の切り替え時も含めて多種の食品を連続して殺菌処理することも可能である。
【0030】
一方、図2に示すように、形状の異なる容器に多種の食品が充填されている場合を考える。非無菌的充填工程14において、充填系列21、充填系列22、充填系列23がある。充填系列21では、容器31に食品Aが充填されるが、充填系列22では、容器31とは異なる形状の容器32に食品Bが充填される。充填系列23では、容器31や容器32とは異なる形状の容器33に食品Cが充填される。
【0031】
各食品を充填された各容器31、32、33は、ベルトコンベヤ等により殺菌工程15に移り、順次、殺菌部13内へ送り込まれて殺菌される。ここでは、容器Aの列が容器B・Cより先にすべて殺菌部13へ送り込まれて容器A用の殺菌条件下で連続して殺菌される。それが終われば、次に、容器Cより容器Bの列が先にすべて殺菌部13へ送り込まれて容器B用の殺菌条件下で連続して殺菌される。それが終われば、次に、容器Cの列が殺菌部13へ送り込まれて容器C用の殺菌条件下で連続して殺菌される。
【0032】
このように、容器の形状が途中で替わることになる場合は、殺菌時の条件を、個々の容器(31、32、33)に応じた最適の条件に適宜調整しなければならない可能性がある。その場合は、図1のように多種の食品をほぼ一定の殺菌条件で同時に並行して殺菌処理することは困難となる。したがって、この場合は、図2のように、同種の食品をある程度連続して殺菌処理し、容器の形状が変わるごとに殺菌時の条件の切り替えを行う必要がある。
【0033】
ただし、容器形状が異なっても、殺菌条件に変化が無ければ、図1のように同時に並行して多種の食品を殺菌処理することは可能である。
【0034】
なお、上記の例では、異なる品種の食品を1個ずつ殺菌しているが、他の例として、図3に示すように、同じ容器31に充填した複数個の同じまたは異なる品種の食品を、同時に殺菌部13に送り込み、次いで、これらの複数個の食品を1回の加熱で同時に複数個ずつ加熱殺菌するように構成することもできる。
【0035】
また、殺菌部13を複数個用意し、同じまたは異なる品種の食品をその複数個の殺菌部13で並行して加熱殺菌するように構成することもできる。
【0036】
本発明において殺菌に使用する電磁波の周波数は、誘電加熱として有効な1MHzから数GHzである。これより小さい周波数では、あらかじめ容器に充填された食品は誘電加熱による加熱はされない。また、これより大きい周波数では、実用上困難である。
【0037】
殺菌温度は、対象物の内容、組成に応じて最適の温度を設定すればよいが、120℃から180℃の温度が食品の殺菌には効果的であり好ましい。あまり低い温度では食品を殺菌するためには長時間を要し、またあまり高い温度では食品が焦げる等加熱による悪影響が生じる。
【0038】
殺菌温度まで到達するのに要する時間は、食品に対する加熱の影響を少なくするためには短いほど良く、10〜90秒の範囲が好ましい。あまり短くすると殺菌温度の制御が困難となる。また、あまり長いと食品に加熱による悪影響が生じる。
【0039】
上記殺菌温度に到達した後、必要に応じ、食品を殺菌するための保持時間(殺菌時間)だけ食品をこの温度に維持する。この保持時間は、殺菌温度および加熱対象物の内容組成、大きさ等に応じて適宜設定するが、0〜180秒の保持時間が好ましい。あまり長いと食品に加熱による悪影響が生じ、また殺菌処理効率が低下する。
【0040】
一般的には、任意の温度Ti における殺菌時間Mは以下の式により算出される。
M=F×10(Tr-Ti)/z
この式において、Fは必要とするF値、Tr は基準温度、Ti は任意の温度、zは微生物の耐熱性を示すパラメーターである。基準温度Tr 、zの値およびF値は個々の食品の性質に応じて設定するが、例えばpHが中性域の食品においては、基準温度を121.1℃、z=10℃、F値は最低限4分とするのが通例である。この殺菌時間Mの間だけ、上記殺菌温度を保持する。
【0041】
冷却については、食品に対する加熱による影響をできるだけ少なくするためには、殺菌処理終了後、直ちに迅速に行う必要があるが、個々の食品の熱に対する影響度に応じて時間、冷却温度を設定すればよい。冷却方法は特に限定するものではないが、一般的には、冷却された液体または気体を食品の周囲に接触させその熱伝導により冷却させる。殺菌装置内に冷却させる機構を付随させても良いし、殺菌装置から食品を取り出した後冷却する方法でも良い。
【0042】
冷却された食品は、必要に応じてさらに包装され、そのまま常温で保管、流通される。ただし、食品の特性上、必要であれば冷蔵温度等に冷却保管される。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例に使用した装置の概略は以下の通りである。
図4に示すように、殺菌装置1は、周波数13.56MHz、出力7kWの真空管式の高周波発振器2を有し、静電容量が可変のコンデンサーとインピーダンスが可変のコイルからなる同調回路3を経て、加熱部4へ接続されている。
【0044】
加熱部4は、上下2枚の電極板すなわち上側電極板5a・下側電極板5bと、絶縁体で形成されたシェル6とを備えている。上側電極板5aには上記同調回路3を経て上記高周波発振器2が接続されており、下側電極板5bは接地されている。上側電極板5aにはプレスシリンダー7が連結しており、下側電極板5bに向かってプレスすることができる。上記シェル6は、上記上側電極板5aと下側電極板5bとの間に位置しており、その中央部には、加熱対象の試料を配置するための空間がある。
【0045】
加熱は以下の方法により行う。以下の実施例ではすべて同様の方法で実施した。すなわち、試料は、200gの食品原料を用い、CPとナイロンとの2層で形成されたピロー状容器にこの食品原料を充填し、ヒートシールにより密封包装して作製した。この試料をシェル6の中央部に配置し、上側電極板5aをプレスシリンダー7により下降させ、シェル6の中央部の空間を密閉状態とした後、高周波発振器2により高周波を発振させて試料を加熱した。このとき、上側電極板5aからの高周波出力を1.82kWとなるように調整し、以下の実施例においてはすべて同設定にて加熱処理を行った。試料はすべて加熱開始後所定温度まで昇温され、その時点で高周波の発振を停止してその温度を約1分保った。続いて冷却に移り、試料温度が30℃以下になるようにした。
【0046】
〔実施例1〕
砂糖10重量部、水飴16重量部、ヤシ油6重量部、脱脂粉乳4重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、カラギーナン0.05重量部を、加熱、撹拌しながら水に順次加え、全体を100とした。70℃まで加熱し、完全に溶解させた後、ホモゲナイザーで均質化し、アイスクリームミックスを得た。これを上記要領で容器に充填、包装して試料とし、上記装置、条件にて加熱殺菌処理を行った。
【0047】
〔実施例2〕
砂糖8重量部、水飴9重量部、ヤシ油4重量部、脱脂粉乳8重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、カラギーナン0.05重量部を、加熱、撹拌しながら水に順次加え、全体を100とした。70℃まで加熱し、完全に溶解させた後、ホモゲナイザーで均質化し、シェークミックスを得た。これを上記要領で容器に充填、包装して試料とし、上記装置、条件にて加熱殺菌処理を行った。
【0048】
〔実施例3〕
ヤシ油23重量部、脱脂粉乳6重量部、カゼインナトリウム3重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.7重量部、シュガーエステル0.5重量部、カラギーナン0.05重量部を、加熱、撹拌しながら水に順次加え、全体を100とした。70℃まで加熱し、完全に溶解させた後、ホモゲナイザーで均質化し、コーヒー用クリームを得た。これを上記要領で容器に充填、包装して試料とし、上記装置、条件にて加熱殺菌処理を行った。
【0049】
〔実施例4〕
砂糖18重量部、ヤシ油25重量部、脱脂粉乳7重量部、カゼインナトリウム2重量部、グリセリン脂肪酸エステル0.5重量部を、加熱、撹拌しながら水に順次加え、全体を100とした。70℃まで加熱し、完全に溶解させた後、ホモゲナイザーで均質化し、ホイップクリーム用ミックスを得た。これを上記要領で容器に充填、包装して試料とし、上記装置、条件にて加熱殺菌処理を行った。
【0050】
〔実施例5〕
2個の容器を用意し、一方の容器には、実施例1にて得られたアイスクリームミックス100gを、もう一方の容器には、実施例3にて得られたコーヒー用クリーム100gを、上記要領で充填、包装して試料とした。そして、上記装置、条件にて、これら2個の容器を同時に加熱殺菌した。
【0051】
実施例1〜5において、各試料はほぼ同様の昇温傾向を示し、1分30秒で130℃まで達した。各試料において菌検査を実施したところ、すべて菌は検出されなかった。また、色調、風味においても何ら問題の無いものであった。
【0052】
この結果、これらの実施例で挙げた食品原料のように、異なる品種の食品を、同一の容器に充填し、これを任意の順序で上記装置に送り込み、すべて同一の加熱条件にて連続してあるいは同時に並行して加熱殺菌することにより、風味等の品質の良好な大量の殺菌済食品を短時間かつ容易に製造できることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の殺菌済食品の製造方法は、複数の充填系列をもつ非無菌的充填工程により食品を容器に充填し、1MHz〜数GHzの周波数の電界中での誘電加熱により上記容器中の食品を殺菌する方法である。
【0054】
それゆえ、多品種の食品を連続してあるいは同時に殺菌処理し、多品種の殺菌済食品を短時間かつ容易に製造することができるという効果を奏する。
【0055】
本殺菌済食品の製造方法は、上記の構成に加えて、複数種の上記食品を略同形状の上記容器に充填し、上記食品に対して連続してあるいは同時に上記誘電加熱を行うように構成することもできる。
【0056】
それゆえ、請求項1の構成による効果に加えて、多品種の殺菌済食品をさらに短時間かつ容易に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る殺菌装置の一構成例における殺菌工程を示す説明図である。
【図2】本発明に係る殺菌装置の他の構成例における殺菌工程を示す説明図である。
【図3】本発明に係る殺菌装置のさらに他の構成例における殺菌工程を示す説明図である。
【図4】本発明に係る殺菌装置の一構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 殺菌装置
2 高周波発振器
3 同調回路
4 加熱部
5a 上側電極板
5b 下側電極板
6 シェル
7 プレスシリンダー
11 非無菌的充填工程
12 殺菌工程
13 殺菌部
14 非無菌的充填工程
15 殺菌工程
21、22、23 充填系列
24、25、26 充填器
31、32、33 容器
Claims (1)
- 複数の充填系列をもつ非無菌的充填工程により充填系列ごとに異なる組成の食品を略同形状の容器に充填して誘電率をほぼ同じとし、同時に殺菌部に送り込み、
1MHz〜数GHzの周波数の電界中での誘電加熱により、これらの複数の充填系列から得られる食品を1回の加熱で同時に複数個ずつ加熱殺菌することを特徴とする殺菌済食品の製造方法。
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