JP3668954B2 - 自動車排気系用フレキシブルチューブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンからの排気管の途中に設けられ、エンジン振動や走行振動を吸収する自動車排気系用フレキシブルチューブの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車排気系用フレキシブルチューブとしては、例えば、実公昭63−47613号公報や実公平3−55778号公報等に記載のものが知られている。
【0003】
これらの従来出典には、図7に示すように、ベローズ100の外周を覆うように設けられたアウタブレード101が記載されていている。
【0004】
そして、これら従来出典に記載のアウタブレード101は、図8に示すように、いずれも細い線径の金属線材(ステンレス線材)を複数本用意し、互いに隣り合う金属線材が接するように横並べすることでバンド状とした線材束102を1組とし、1周当り必要とする複数組のバンド状線材束102を斜め方向に編んで筒状としている。
【0005】
このようにメリアス編み状に形成されたアウタブレード101は、適度な伸縮性を有しているので、ベローズ100の外周を覆って設けることにより、ベローズ100を異物から保護すると共にその伸び切りを防止している。
【0006】
そして、このアウタブレード101では、前記バンド状線材束102を編み込むに際し、図8に示すように、それぞれの線材束102の端部が互いに重なり合う部分がわずかに空間になって4つの線材束102により囲まれた微小開口部103を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアウタブレード101は、通常、線材束102を密に編み込んだ結果、きわめてわずかな開口面積による微小開口部103が形成されるもので、特に開口と意識される程のもではなかった。
【0008】
このようなアウタブレード101を有する自動車排気系用フレキシブルチューブにあっては、ベローズ100に外部からの融雪塩が浸入しにくくなるが、反面、一旦、融雪塩が内部に浸入すると外部に排出されず、融雪塩の内部蓄積によりベローズ100とアウタブレード101との間の空間が塩分濃度の高い環境となり、高温塩害腐食を引き起こすという問題を有する。
【0009】
すなわち、アウタブレード101を構成するバンド状線材束102は細い線径の金属線材をバンド状にしたものであり、且つ、バンド状線材束を交互に重ねて編んだものであるため、走行中に排気管に加わる振動変位を吸収するべくアウタブレード101が伸縮変形すると、隣り合う金属線材との間やバンド状線材束の重なり部分に隙間が形成されたり隙間が閉じたり、また、上記4つの線材束102により囲まれた微小開口部103が拡縮したりする。よって、いかにバンド状線材束を密に編んでいても融雪塩の内部浸入を確実に阻止することはできない。また、塩分を含んだ融雪水は上記の隙間形成時ないしは毛細管現象で随時アウタブレード101内に浸入する。そして、浸入してきた融雪塩がベローズ100の表面やアウタブレード101の内面に付着し、その後、水の蒸発により塩分が析出したり、融雪塩が乾燥しベローズ100やアウタブレード101の変形に伴ない乾燥塩塊となって表面から剥がれ落ちてもベローズ100とアウタブレード101との間の空間に残ったままとなる。
【0010】
一方、ベローズ100はステンレスを素材としているため、高温環境に対する耐久性と塩に対する耐腐食性とをそれぞれ単独の条件下では有するものの、両条件が共に加わる排気熱+塩分高濃度の環境下では高温塩害腐食に至る。つまり、ベローズ100が排気熱による高温熱影響を長時間受けるとステンレス材のクロムが炭素と化合し、ステンレス材のクロム含有量が減ってくるため、クロムの減った隙間に塩化ナトリウム等が入り込むというメカニズムにより腐食する。言い換えると、ステンレス材のクロム含有量が減って鉄材により近くなり、腐食し易くなる。
【0011】
したがって、従来の密に編み込んだアウタベローズ101を用いたフレキシブルチューブでは、高温塩害腐食による板厚の減少を考慮した場合、必然的にベローズ100の板厚を十分に厚く設定しなければならず、ベローズ100の要求性能である伸縮変位の吸収性能を発揮させるには、山数を多くすることでバネ定数を低く抑えることになる。
【0012】
ちなみに、図7は従来の密に編み込んだアウタベローズ101を用いたフレキシブルチューブの一例を示している。
【0013】
このフレキシブルチューブは、ベローズ100を、0.3mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により28山の山数に設定することにより構成し、荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られる引っ張り方向のバネ定数を達成している。この結果、ベローズ100の要求性能である伸縮変位の吸収性能を発揮することができるものの、フレキシブルチューブの全長L2が略270mmとなり、大型化してしまうという問題がある。
【0014】
本発明が解決しようとする課題を下記に列挙する。
【0015】
課題1は、伸縮変位を吸収するベローズと細い金属線材を編むことで構成されたアウタブレードを有する自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、ステンレス材を素材とするベローズの高温塩害腐食を低減し、高温塩害腐食による板厚減少を少なくし、ベローズの板厚を薄く設定することで、ベローズによる伸縮変位吸収という要求性能を満足しながら大幅なコンパクト化を図ったフレキシブルチューブを提供することにある。
【0016】
課題2は、従来のフレキシブルチューブに比べて全長が半分以下のフレキシブルチューブを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)
上記課題1の解決手段1(請求項1)は、両端部にそれぞれ接続される排気管の伸縮変位を吸収するベローズと、該ベローズの保護と伸び切り防止のためにベローズの外周を覆うように設けられたアウタブレードと、を備えた自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、
細い線径の金属線材を複数本横並びに束ねたバンド状線材束を1組とし、1周当り必要とする複数組のバンド状線材束を斜め方向に編んで筒状とすると共に、4方向に編み込まれるバンド状線材束の側端により囲まれる部分を開口部とし、このアウタブレードの全体にわたって多数形成される開口部のトータル開口面積がアウタブレードの全表面積に対して20%〜50%の範囲に設定されたアウタブレードと、
ステンレス材を素材とし、山数が15山以下で、且つ、荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られる引っ張り方向のバネ定数を持つ板厚に設定されたベローズと、
の組み合わせにより構成したことを特徴とする。
【0018】
作用を説明する。
【0019】
融雪塩が散布された雪路での走行時、アウタブレードに多数形成された開口部より融雪塩が内部に浸入してくる。しかし、浸入してきた融雪塩がベローズの表面やアウタブレードの内面に付着し、その後、水分を含む融雪塩が排気熱等により乾燥しベローズやアウタブレードの変形に伴ない小さな塊状となって表面から剥がれ落ちると、この乾燥塩塊はアウタブレードの開口部から外部に排出され、ベローズとアウタブレードとの間の空間に塩塊が残留蓄積されることがない。
【0020】
よって、ステンレス材を素材とするベローズが塩分高濃度の環境下にさらされることがなく、塩分濃度が低く保たれる分、ベローズの高温塩害腐食が低減される。
【0021】
この結果、ベローズの板厚を設定するにあたって、開口部を有するアウタブレードの採用により、高温塩害腐食による板厚減少が少なくなるため、ベローズの板厚を従来より薄く設定することができる。そして、この薄板設定に伴って、ベローズのバネ定数が低くなり、山数を従来のベローズより少なくしてもベローズの要求性能である伸縮変位の吸収性能を発揮させる大きさのバネ定数を維持することができる。
【0022】
そこで、開口部を有するアウタブレードと、山数が15山以下で、且つ、荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られる引っ張り方向のバネ定数を持つ板厚に設定されたベローズとを組み合わせることで、ベローズによる伸縮変位吸収という要求性能を満足しながらフレキシブルチューブの大幅なコンパクト化が図られることになる。
【0023】
(解決手段2)
上記課題2の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載の自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、
前記ベローズを、0.2mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により9山の山数に設定したことを特徴とする。
【0024】
作用を説明すると、従来のベローズは、0.3mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により28山の山数に設定したものは、全長L2が略270mmであったのに対し、0.2mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により9山の山数に設定したものは、全長L1が略105mmとなり、ベローズの全長が半分以下(約2/5)に短縮される。尚、両フレキシブルチューブの山の間隔及び両端円筒部の直径は同一である。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
まず、構成を説明する。
【0026】
図1は請求項1及び請求項2記載の発明に対応する実施の形態1の自動車排気系用フレキシブルチューブを示す半断面図、図2は実施の形態1の自動車排気系用フレキシブルチューブのアウタブレードを示す一部拡大図、図3は実施の形態1の自動車排気系用フレキシブルチューブのベローズを示す側面図、図4はベローズ示す図3のA部拡大断面図である。
【0027】
図1において、Fはフレキシブルチューブ、1はベローズ、2はアウタブレード、3はプロテクタである。
【0028】
前記ベローズ1は、その両端部にそれぞれ図外の排気管が接続され、両排気管がエンジン振動や走行振動等により伸縮変位した場合、その伸縮変位を吸収する目的で設けられる。
【0029】
実施の形態1でのベローズ1は、図3及び図4に示すように、厚み0.2mmのオーステナイト系ステンレス板材を2層重ね合わせた多層品を素材とし、これを屈曲成形により9山の山数による山部1aと両側の円筒部1bを設定して製造される。尚、中央部の5つの山部1aは外径が一定であるが、両側のそれぞれ2つの山部1aは円筒部1bから段階的に外径が大きくして設定されている。
【0030】
前記アウタブレード2は、前記ベローズ1の保護と伸び切り防止を本来の目的とし、ベローズ1の外周を覆うように設けられる。
【0031】
このアウタブレード2は、図2に示すように、細い線径のステンレス線材を複数本用意し、互いに隣り合うステンレス線材が接するように横並べすることでバンド状としたものを1組とし、1周当り必要とする複数組のバンド状線材束2aを斜め方向に編んで筒状とすると共に、4方向に編み込まれるバンド状線材束2aの側端により囲まれる部分を開口部4とし、このアウタブレード2の全体にわたって多数形成される開口部4のトータル開口面積がアウタブレード2の全表面積に対して20%〜30%の範囲となるように設定されている。
【0032】
実施の形態1でのアウタブレード2は、バンド状線材束2aの1周当りの組数は48組とし(従来のアウタブレードの1周当りの組数は48組で変更なし)、バンド状線材束2aを構成するステンレス線材の線径は0.4mmとし(従来のアウタブレードの線径は0.4mmで変更なし)、バンド状線材束2aを構成するステンレス線材の本数を10本とし、開口部4がほとんどなく密に編まれる従来のアウタブレードで設定される本数(14本)よりも少なくすることにより、1個あたりの開口部4の面積を2mm〜4mmの径の穴に相当する開口面積とし、それぞれの開口部4の開口面積を合計したトータル開口面積がアウタブレード2の全表面積に対して20%〜30%の範囲となるように設定している。
【0033】
前記プロテクタ3は、ベローズ1の両端部を保護すると共にアウタブレード2の固定を目的とし、ベローズ1及びアウタブレード2の両端部にスポット溶接(スポット溶接部5)により設けられている。
【0034】
次に、作用を説明する。
【0035】
[アウタブレード2への開口部設定作用]
アウタブレード2のバンド状線材束2aの1周当りの組数(48組)は変更しないことで、バンド状線材束2aの編み込み間隔は変わらない。
【0036】
また、バンド状線材束2aを構成するステンレス線材の線径(0.4mm)は変更せず、ステンレス線材の本数を10本とし、開口部がほとんどなく密に編まれるアウタブレードで設定される本数(14本)よりも少なくすることで、本数が少ない分だけバンド状線材束2aの幅が狭くなる。
【0037】
よって、ステンレス線材の本数を減らすだけで従来のアウタブレードの製造方法を変えることのない簡単な手法により、4方向に編み込まれるバンド状線材束2aの側端により囲まれる部分には、図2に示すように、開口部4が形成されることになる。
【0038】
[開口部による融雪塩排除作用]
融雪塩が散布された雪路での走行時、アウタブレード2に多数形成された開口部4を介して融雪塩が内部に浸入してくる。
【0039】
そして、浸入してきた融雪塩は、ベローズ1の表面やアウタブレード2の内面に付着し、その後、水分を含む融雪塩が排気熱等により乾燥して結晶状の塩の塊となって付着する。
【0040】
しかし、ベローズ1やアウタブレード2の伸縮変形に伴ない小さな塩の塊状となってベローズ1の表面やアウタブレード2の内面から剥がれ落ちると、この乾燥塩塊はアウタブレード2の開口部4から外部に排出され、ベローズ1とアウタブレード2との間の空間に塩塊が残留蓄積されることがない。
【0041】
よって、ベローズ1が塩分高濃度の環境下にさらされることがなく、塩分濃度が低く保たれる分、ベローズ1の高温塩害腐食が低減される。
【0042】
ちなみに、本発明者が行なった高温塩害腐食試験の結果を図5に示す。
【0043】
この試験の対象品は、厚み0.3mmのオーステナイト系ステンレス板材を2層重ね合わせた多層品を素材とする同じベローズに対し、従来の開口部がほとんどない密な編み方によるアウタブレードを組み合わせた従来のフレキシブルチューブと、開口部4を形成したアウタブレードを組み合わせた実施の形態1のフレキシブルチューブとする。
【0044】
また、試験方法は、飽和塩化ナトリウム水溶液に浸漬→高温加熱(550℃以上)→冷却を1サイクルとし、高温塩害腐食の条件(粒界腐食環境)を人工的に作り出し、これを繰り返し行ない、ベローズの板厚減少率を測定する。
【0045】
この高温塩害腐食試験の結果、図5に示すように、実施の形態1の編み方によるアウタブレードを用いたフレキシブルチューブの場合、従来の編み方によるアウタブレードを用いたフレキシブルチューブに対しベローズの板厚減少率が大幅に低減することが確認された。
【0046】
このことは、実施の形態1の編み方によるアウタブレードを用いた場合、高温塩害腐食性に優位であることが証明されたことになる。
【0047】
[フレキシブルチューブのコンパクト化]
ベローズ1の板厚を設定するにあたっては、上記のように、開口部4を有するアウタブレード2を採用した場合、高温塩害腐食性に優位であり、高温塩害腐食による板厚減少が少なくなるため、ベローズ1の板厚を従来より薄く設定することができる。そして、この薄板設定に伴って、ベローズ1のバネ定数が低くなり、山数を従来のベローズより少なくしてもベローズの要求性能である伸縮変位の吸収性能を発揮させる大きさのバネ定数を維持することができる。
【0048】
このことは、山数を従来のベローズより少なくしたベローズを採用することにより、ベローズによる伸縮変位吸収という要求性能を満足しながらフレキシブルチューブのコンパクト化を図ることができることになる。
【0049】
ちなみに、本発明者が行なったベローズの引っ張り方向バネ定数試験の結果を図6に示す。
【0050】
この試験の対象品は、厚み0.3mmのオーステナイト系ステンレス板材の2層品を素材とするベローズで、山数が28山,21山,27山のものと、厚み0.2mmのオーステナイト系ステンレス板材の2層品を素材とするベローズで、山数が9山,12山,15山のものとを用いた。試験方法は、各ベローズの一端側を固定し、他端側から引っ張り方向の荷重を与え、ベローズの伸び変位と与えた荷重を測定した。
【0051】
このベローズバネ定数試験の結果、厚み0.3mmの2層品を素材とするベローズの場合、28山のみが要求されるバネ定数レベル(荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られるバネ定数)を下回るものの、21山,27山の場合には要求されるバネ定数レベルより高くなる。
【0052】
これに対し、厚み0.2mmの2層品を素材とするベローズの場合、9山,12山,15山のいずれもが要求されるバネ定数レベルを下回る。
【0053】
そこで、開口部4を有するアウタブレード2と、0.2mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により9山の山数に設定したベローズ1とを組み合わせることで、ベローズ1による伸縮変位吸収という要求性能を満足しながらフレキシブルチューブFの大幅なコンパクト化が図られた。具体的に、0.3mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により28山の山数に設定した図7に示す従来のベローズは、全長L2が略270mmとなるのに対し、0.2mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により9山の山数に設定した図1に示す本願のベローズ1は、全長L1が略105mmとなり、ベローズ1の全長が従来に比べて半分以下(約2/5)に短縮された。尚、両フレキシブルチューブの山の間隔及び両端円筒部の直径は同一である。
【0054】
次に、効果を説明する。
【0055】
(1)1周当り必要とする複数組のバンド状線材束2aを斜め方向に編んで筒状とすると共に、4方向に編み込まれるバンド状線材束2aの側端により囲まれる部分を開口部4とし、このアウタブレード2の全体にわたって多数形成される開口部4のトータル開口面積がアウタブレード2の全表面積に対して20%〜30%の範囲となるように設定したアウタブレード2と、厚み0.2mmのオーステナイト系ステンレス板材を2層重ね合わせた多層品を素材とし、これを屈曲成形により9山の山数を持つベローズ1とを組み合わせてフレキシブルチューブFを構成したため、ベローズ1による伸縮変位吸収という要求性能を満足しながら、従来のフレキシブルチューブに比べて全長が半分以下の大幅なコンパクト化を図ったフレキシブルチューブFを提供することができる。
【0056】
(2)バンド状線材束2aの1周当りの組数とバンド状線材束2aを構成するステンレス線材の線径は変更せず、ステンレス線材の本数を、開口部がほとんどなく密に編まれるアウタブレードで設定される本数よりも少なくすることでアウタブレード2を構成したため、バンド状線材束2aを構成するステンレス線材の本数を少なくするだけの簡単な手法により、アウタブレード2に開口部4を設定することができる。
【0057】
(3)アウタブレード2に開口部4を形成したため、従来の密に編んだアウタブレードに比べ、バンド状線材束2aの動きの自由度が大きくなり、アウタブレード2のバネ定数を低減することができる。
【0058】
この結果、開口部4を有するアウタブレード2が用いられたフレキシブルチューブFのブレード変位域(ベローズ変位域よりも荷重及び変位量が大きな領域)での振動吸収性能の向上が図られることになり、耐久性や音振性の面で好ましいものとなる。
【0059】
(4)ベローズ1及びアウタブレード2が共に従来のフレキシブルチューブに比べて小型となるため、ベローズ1の素材であるステンレス2層板材とアウタブレード2の素材であるステンレス線材の使用量が削減され、フレキシブルチューブFのコスト低減を図ることができる。
【0060】
(他の実施の形態)
実施の形態1では、厚み0.2mmのオーステナイト系ステンレス板材を2層重ね合わせた多層品を素材とし、これを屈曲成形により9山の山数を持つベローズ1の例を示したが、山数が15山以下で、且つ、荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られる引っ張り方向のバネ定数を持つ板厚に設定されたベローズであれば本発明に含まれる。例えば、図6に示す厚み0.2mmの2層品を素材とし、12山,15山としたものも本発明に含まれる。
【0061】
実施の形態1では、バンド状線材束2aの1周当りの組数とステンレス線材の線径は変更せずに、ステンレス線材の本数を、開口部がほとんどなく密に編まれるアウタブレードで設定されるステンレス線材の本数よりも少なくすることにより、開口部4を形成する例を示したが、バンド状線材束の1周当りの組数と金属線材の本数は変更せずに、金属線材の線径を、開口部がほとんどなく密に編まれるアウタブレードで設定される金属線材の線径よりも細くすることにより、開口部を形成するようにしても良い。また、バンド状線材束の1周当りの組数と金属線材の本数と金属線材の線径のうち、バンド状線材束の1周当りの組数を減らすことで開口部を形成するようにしても良いし、組数と本数と線径のうち2つを選択して変更もしくは3つ全てを変更することで開口部を形成するようにしても良い。
【0062】
実施の形態1では、開口部4のトータル開口面積をアウタブレード2の全表面積に対して20%〜30%の範囲に設定したものを示したが、開口部のトータル開口面積をアウタブレードの全表面積に対して20%(塩塊の排出機能を考慮した下限)〜50%(ベローズ保護機能を考慮した上限)の範囲に設定したものであれば本発明に含まれる。
【0063】
実施の形態1では、ベローズ1の内側にインナブレードを有さないフレキシブルチューブを示したが、ベローズの内側にインナブレードやインナパイプ等が設けられたフレキシブルチューブに本願の開口部を有するアウタブレードを適用することもできる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、伸縮変位を吸収するベローズと細い金属線材を編むことで構成されたアウタブレードを有する自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、アウタブレードを、細い線径の金属線材を複数本横並びに束ねたバンド状線材束を1組とし、1周当り必要とする複数組のバンド状線材束を斜め方向に編んで筒状とすると共に、4方向に編み込まれるバンド状線材束の側端により囲まれる部分を開口部とし、このアウタブレードの全体にわたって多数形成される開口部のトータル開口面積がアウタブレードの全表面積に対して20%〜50%の範囲に設定したアウタブレードと、ステンレス材を素材とし、山数が15山以下で、且つ、荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られる引っ張り方向のバネ定数を持つ板厚に設定されたベローズと、の組み合わせにより構成したため、ステンレス材を素材とするベローズの高温塩害腐食を低減し、高温塩害腐食による板厚減少を少なくし、ベローズの板厚を薄く設定することで、ベローズによる伸縮変位吸収という要求性能を満足しながら大幅なコンパクト化を図ったフレキシブルチューブを提供することことができるという効果が得られる。
【0065】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、前記ベローズを、0.2mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により9山の山数に設定したため、ベローズによる伸縮変位吸収という要求性能を満足しながら従来のフレキシブルチューブに比べて全長が半分以下のフレキシブルチューブを提供することができる。
【0066】
また、これにより、フレキシブルチューブの全長が大幅に短くなったので、排気系設計上の制約が小さくなり、設計の自由度が増す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の自動車排気系用フレキシブルチューブを示す半断面図である。
【図2】実施の形態1のフレキシブルチューブのアウタブレードを示す部分拡大図である。
【図3】実施の形態1のフレキシブルチューブのベローズを示す側面図である。
【図4】実施の形態1のベローズの図3A部断面図である。
【図5】実施の形態1のフレキシブルチューブと従来の密に編んだアウタブレードを用いたフレキシブルチューブとの高温塩害腐食試験結果図である。
【図6】ベローズの厚みと山数を異ならせて測定したバネ定数特性比較図である。
【図7】従来の自動車排気系用フレキシブルチューブを示す半断面図である。
【図8】従来の自動車排気系用フレキシブルチューブのアウタブレードを示す部分拡大図である。
【符号の説明】
F フレキシブルチューブ
1 ベローズ
1a 山部
1b 円筒部
2 アウタブレード
2a バンド状線材束
3 プロテクタ
4 開口部

Claims (2)

  1. 両端部にそれぞれ接続される排気管の伸縮変位を吸収するベローズと、該ベローズの保護と伸び切り防止のためにベローズの外周を覆うように設けられたアウタブレードと、を備えた自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、
    細い線径の金属線材を複数本横並びに束ねたバンド状線材束を1組とし、1周当り必要とする複数組のバンド状線材束を斜め方向に編んで筒状とすると共に、4方向に編み込まれるバンド状線材束の側端により囲まれる部分を開口部とし、このアウタブレードの全体にわたって多数形成される開口部のトータル開口面積がアウタブレードの全表面積に対して20%〜50%の範囲に設定されたアウタブレードと、
    ステンレス材を素材とし、山数が15山以下で、且つ、荷重が14kgf以下で10mmの変位が得られる引っ張り方向のバネ定数を持つ板厚に設定されたベローズと、
    の組み合わせにより構成したことを特徴とする自動車排気系用フレキシブルチューブ。
  2. 請求項1記載の自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、
    前記ベローズを、0.2mm厚のステンレス板材を2枚重ね合わせた2層品を素材とし、屈曲成形により9山の山数に設定したことを特徴とする自動車排気系用フレキシブルチューブ。
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