JP3667249B2 - 樹脂封止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂封止型の半導体装置の製造に使用される樹脂封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂封止型の半導体装置を製造する方法として、ウエハまたは片面に多数個の半導体素子が搭載された基板を被成形品とし、ウエハまたは基板の片面全体を一括して樹脂封止し、ウエハおよび基板をスライシングして個片の半導体装置を製造する方法がある。
図5は、このような半導体装置の製造に使用する樹脂封止装置の構成例を示す。この樹脂封止装置は、固定プラテン20に固設した下型ベース22に下型23を支持し、可動プラテン30に固設した上型ベース32に、上型ホルダ33を介して上型34を支持し、リリースフィルム40a、40bを介して被成形品10を下型23と上型34とでクランプして樹脂封止するように構成されている。
【0003】
36は上型34の側面を囲む枠形に形成したクランパであり、スプリング37により下型23に向けて常時付勢され、型開き時にクランパ36の下端面が上型34の樹脂成形面よりも下方に突出するように設けられている。型締め時における樹脂封止領域(キャビティ)は、上型34の樹脂成形面とクランパ36の内側面とによって包囲された内側領域となる。
26は下型ベース22に立設されたクランプストッパ、39は上型ベース32に立設されたクランプストッパである。下型23と上型34の型締め時の位置は、このクランプストッパ26、39の端面が当接する位置によって規定される。
【0004】
リリースフィルム40a、40bは被成形品10の樹脂封止領域を被覆可能な幅寸法に形成したフィルムであり、金型温度に耐える耐熱性、樹脂および金型と容易に剥離可能な素材によって形成されている。金型装置を挟む一方側と他方側にはリリースフィルムの供給ロール42a、42bと巻取りロール44a、44bが配置され、供給ロール42a、42bと巻取りロール44a、44bとを駆動することによって所定長さずつリリースフィルム40a、40bが金型上に供給される。上型34を被覆するリリースフィルム40aは、上型34の内面とクランパ36の内面にエア吸着されて樹脂が充填されるキャビティを構成する。36aはリリースフィルム40aをクランパ36のクランプ面にエア吸着するエア流路、36bは上型34の樹脂成形面とクランパ36の内側面にリリースフィルム40aをエア吸着するためのエア流路である。エア流路36a、36bは金型装置の外部のエア機構に接続されている。
【0005】
この樹脂封止装置による樹脂封止操作は、上型34と下型23の金型面にリリースフィルム40a、40b引き出して金型面をリリースフィルム40a、40bによって被覆した後、下型23に被成形品10をセットし、被成形品10の上面に封止用の樹脂50を供給し、次いで、上型34を下動させて上型34と下型23とで樹脂50を押圧しながら被成形品10をクランプすることによってなされる。上型34が下動することにより、まずクランパ36の下端面が被成形品10の周縁部を押圧してキャビティの周縁部が閉止され、さらに上型34が下動することによってキャビティに樹脂50が充填される。上型と下型のクランプストッパ26、39が当接した状態が最終的に樹脂部が所定形状に成型される状態である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した樹脂封止装置による樹脂封止方法の場合は、被成形品10に封止用の樹脂50をディスペンサ等の樹脂供給装置によって供給し、樹脂部の厚さが所定の厚さとなるまでクランプして樹脂封止するから、被成形品10に供給した樹脂50の樹脂量が最終的に樹脂が充填されるキャビティの容量に足りない場合は、製品の樹脂部のが所定の厚さよりも薄くなり、一方、供給した樹脂50の樹脂量が所要のキャビティの容量を上回っている場合には、キャビティからクランパ36の側に樹脂がオーバーフローして樹脂封止される。
【0007】
図6は、上型34と下型23とで被成形品10をクランプして樹脂封止する状態を拡大して示す。図6(a)が、型締め前の状態、図6(b)が型締め後の状態である。クランパ36は型締め方向に付勢するように弾性的に支持されているから、キャビティの容量を上回って樹脂が供給された場合には、キャビティからオーバーフローした樹脂は、付勢力に抗して、クランパ36と被成形品10とのクランプ部分からキャビティの外側に樹脂ばり状に漏出して樹脂封止される。
【0008】
上記のように、キャビティの容量にくらべて供給された樹脂量が不足している場合には成型不良となるから、被成形品に供給する樹脂量は所要のキャビティの容量を上回るようにして、成型不良が生じないようにするのがよい。このように、樹脂がキャビティからオーバーフローすることを見込んで樹脂量を設定した場合は、キャビティの外側にオーバーフロー分を溜めておく樹脂溜めを確保するといった方法が考えられる。
【0009】
近年の半導体製品のように製品の樹脂部の厚さが1mm以下といったきわめて薄い製品の場合には、キャビティの容量にくらべて樹脂量をわずかに多く供給した場合であっても、相当量の樹脂がオーバーフロー分としてあらわれる。このような製品を樹脂封止する場合に、被成形品に供給する樹脂量を精度よく計量して供給することは、装置構成が煩雑になるという問題がある。したがって、キャビティの容量を十分に上回る分量の樹脂を供給するようにして、供給する樹脂量にばらつきがあった場合でも、ばらつきを吸収して確実に樹脂封止することができれば都合がよい。
【0010】
また、被成形品10は製品ごとに若干の厚さのばらつきがあり、このような厚さのばらつきがある場合でも、これらのばらつきを吸収して樹脂封止できることが望まれる。このような被成形品10の厚さのばらつきは、製品全体としての厚さが薄くなればなるほど、樹脂部での樹脂量のばらつきに影響を与えることになるから、製品の厚さのばらつきにも対応して的確に樹脂封止できることは、薄型の製品を樹脂封止する樹脂封止装置には重要な条件となる。
【0011】
本発明は、これらの従来の課題を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、被成形品に供給する樹脂量がばらついたり、製品の厚さにばらつきがあった場合でも、これらのばらつきを吸収して的確に樹脂封止することができ、製品の歩留まりを向上させることができる樹脂封止装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、被成形品の樹脂封止領域に封止用の樹脂供給装置により所定量の樹脂を供給し、上型と下型とで前記樹脂とともに被成形品をクランプする際に、型締め方向に付勢して設けられたクランパにより、被成形品の樹脂封止領域を囲む周縁部をクランプして、上型あるいは下型の一方の金型の金型面と前記クランパとによって囲まれたキャビティ内に樹脂を充填して被成形品の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、前記クランパの前記被成形品をクランプする領域よりも外側のクランプ面に前記キャビティと連通するオーバーフローキャビティを設けるとともに、該オーバーフローキャビティの底部を構成する調圧プランジャを型締め方向に付勢して設け、前記樹脂封止領域と前記クランパのクランプ面を金型および封止用の樹脂との剥離性を有するリリースフィルムにより被覆するリリースフィルムの供給機構を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、前記オーバーフローキャビティを、前記クランパに複数個設けたことを特徴とする。
また、前記調圧プランジャの背面側にスプリングを設けて、調圧プランジャを型締め方向に常時付勢して設けたことを特徴とする。これによって、キャビティからオーバーフローする樹脂量に応じてオーバーフローキャビティの容積を調節して樹脂量のばらつきに対応することができる。
また、前記一方の金型に設けたクランパと対向する配置で、他方の金型に型締め方向に付勢して他方のクランパを設けたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面とともに詳細に説明する。
図1は、本発明に係る樹脂封止装置の一実施形態の主要構成部分を示す断面図である。本実施形態の樹脂封止装置も図5に示した従来の樹脂封止装置と同様に下型23に被成形品10をセットし、被成形品10の上面にディスペンサ等の樹脂供給装置により所定分量の樹脂50を供給した後、上型34と下型23とで被成形品10をクランプすることによって被成形品10の片面を樹脂封止するものである。
【0015】
なお、図5に示した従来例では、上型34と下型23の各々にリリースフィルム40a、40bを供給し、被成形品10の両面をリリースフィルム40a、40bにより被覆して樹脂封止しているが、本実施形態では樹脂封止時に樹脂50が接触する上型34にのみリリースフィルム40aを供給して樹脂封止する。リリースフィルム40aの供給機構は図5に示すと同様に、金型装置を挟む一方側と他方側に各々供給ロール42aと巻取りロール44aとを配置し、樹脂封止操作に合わせて供給ロール42aと巻取りロール44aとを駆動して所定の長さずつリリースフィルム40aを送出するように構成されている。
【0016】
図1において、A−A線の左半部はリリースフィルム40aを介して被成形品10をクランプした状態の断面図である。金型装置の基本的な構成は図5に示す従来の金型装置と同様であり、従来の金型装置と同一の部材については同一の部材番号を付している。
下型23は固定プラテン(不図示)に固設された下型ベース22に下型ホルダ21を介して支持されている。下型23を支持する構成において、図5に示す従来の金型装置と異なる構成は、下型23の側面にガイドされて上下動可能に下型クランパ24を設けた点である。下型クランパ24は、上型34の側面にガイドされて上下動可能に支持されている上型のクランパ36に対向して配置され、スプリング25の弾性力により型閉じ方向に常時付勢して支持されている。
【0017】
前述したように、クランパ36は上型34の側面を囲む枠形に形成され、同様に下型クランパ24も下型23の側面を囲む枠形に形成されている。実施形態では下型23の平面寸法を被成形品10の平面寸法に合致させ、下型クランパ24が被成形品10と干渉しない配置とする一方、上型のクランパ36は被成形品10の縁部を所定幅でクランプするように設定している。したがって、上型のクランパ36と下型クランパ24とは、図1に示すように、上型のクランパ36の内側面が下型クランパ24の内側面よりも若干内側に位置することになる。27は下型クランパ24の吊りボルト、27aはガイドブッシュである。
【0018】
一方、上型34は可動プラテン(不図示)に固設された上型ベース32に上型ホルダ33を介して支持されている。上型34の支持構造、および上型34の側面にガイドされてクランパ36が上下動可能に支持されている構成は図5に示す従来の金型装置の構成と同様である。38はクランパ36の吊りボルト、38aはガイドブッシュである。クランパ36と上型ベース32との間には、吊りボルト38に外挿するようにスプリング37が装着され、スプリング37の弾性力によってクランパ36は型締め方向に常時付勢して支持されている。
【0019】
35はリリースフィルム40aを上型34の内面にエア吸着する際にエア路をエアシールするためのOリングである。上型34とクランパ36との摺接面にエア吸引用のエア流路が設けられ、このエア流路からリリースフィルム40aをエア吸引することによってリリースフィルム40aが上型34の内面にエア吸着される。55が上型34と下型23とにより被成形品10をクランプして形成されるキャビティである。
【0020】
本実施形態の樹脂封止装置においてもっとも特徴的な構成は上型のクランパ36のクランプ面にオーバーフローキャビティ60を設け、オーバーフローキャビティ60の内底面(天井面)を加圧する調圧プランジャ62を設けたことにある。図1でA−A線の右半部は、クランパ36のオーバーフローキャビティ60を設けた部位を示している。
調圧プランジャ62はクランパ36に設けた摺動孔63に型開閉方向に摺動可能に装着され、調圧プランジャ62の背面に当接するスプリング64によって弾性的に型締め方向に付勢されている。スプリング64は上型ホルダ33に形成した貫通孔33aに配され、調圧プランジャ62の背面と上型ベース32に取り付けた係止駒66の端面との間を弾発して調圧プランジャ62を付勢している。スプリング64の弾性力および係止駒66による係止位置により調圧プランジャ62の加圧力が調整される。もちろん、調圧プランジャ62を付勢する付勢手段はスプリングに限らずエアスプリング等の他の付勢手段によることもできる。
【0021】
図1に示すように、調圧プランジャ62はクランパ36のクランプ面内で被成形品10をクランプする位置よりも外側の位置で、下型クランパ24に対向する位置に配置する。調圧プランジャ62にはフランジ部62aを設け、調圧プランジャ62が下降した状態で一定のオーバーフローキャビティ60の容積が確保されるようにしている。
図3、4に金型装置におけるオーバーフローキャビティ60の配置例を示す。図3は被成形品10の長手方向の両側縁に各々3個所オーバーフローキャビティ60を配置した例、図4は被成形品10の短手方向の両側縁に各々2個所オーバーフローキャビティ60を配置した例である。いずれも樹脂封止領域に対して対称配置となる位置にオーバーフローキャビティ60を配置して樹脂封止領域に均等に樹脂50が充填されるようにしている。
【0022】
図3、4に示す実施形態では、被成形品10が短冊状に形成された基板であり、被成形品10の外周を囲むように枠形にクランパ36が配置されること、被成形品10の周縁部がクランパ36によってクランプされること、クランパ36によってクランプされる内側領域がキャビティ55であり、上型34と下型23とで被成形品10をクランプすることによって所定の厚さでこのキャビティ55の部分が樹脂によって封止されることを示す。
【0023】
オーバーフローキャビティ60はキャビティ55から押し出される樹脂を収容する樹脂溜めとして作用する部分であり、樹脂のオーバーフロー量を考慮して、適宜数配置すればよい。60aはキャビティ55とオーバーフローキャビティ60とを連絡する連絡路である。キャビティ55から押し出される樹脂は連絡路60aを介してオーバーフローキャビティ60と連通する。
【0024】
次に、本実施形態の樹脂封止装置を用いて樹脂封止する方法について図2にしたがって説明する。
図2(a)は、型開きした状態で、下型23に被成形品10をセットし、ディスペンサ等により被成形品10の上に樹脂50を供給した状態である。本実施形態の樹脂封止装置の場合、被成形品10に供給する樹脂量はキャビティ55を充填するに必要な樹脂量を必ず上回る分量とする。これは、樹脂封止した際にキャビティ55から樹脂50がオーバーフローすることを前提として金型装置に樹脂50を供給するということである。
【0025】
ディスペンサ等の樹脂50の供給装置側にも樹脂量の供給誤差があるし、被成形品10の厚さのばらつき等による変動量もある。本実施形態の樹脂封止装置は、このような不確定さを考慮し、被成形品10に供給する樹脂50の分量としてキャビティ55を充填するに十分な量を確保することとし、キャビティ55からオーバーフローした樹脂についてはオーバーフローキャビティ60によって吸収するようにしたものである。
【0026】
図2(a)に示すように、型開きした状態で上型側のクランパ36のクランプ面は上型34の金型面(キャビティ凹部の内底面)よりも下方に突出している。36cはクランパ36の下型クランパ24に当接するクランプ面である。
金型内に供給されたリリースフィルム40aは上型34の金型面とクランパ36のクランプ面にエア吸着されて支持される。上型34の内底面およびクランパ36の内側面には、上型34とクランパ36の摺接面に設けたエア流路を介してエア吸引することによりリリースフィルム40aがエア吸着される。クランパ36のクランプ面には、クランパ36のクランプ面で開口するエア流路36aからエア吸引することによってリリースフィルム40aがエア吸着される。オーバーフローキャビティ60および連絡路60aが配置されている部分についてもリリースフィルム40aがエア吸着され、図2(a)に示すように、調圧プランジャ62の端面がリリースフィルム40aによって被覆される。
【0027】
上型34の内面とクランパ36の内側面を一連のリリースフィルム40aによって被覆することにより、樹脂封止時に上型34とクランパ36との摺接面の隙間に樹脂が入り込むことを防止し、樹脂ばりの発生を防止するとともにクランパ36の円滑な動作を確保することができる。また、リリースフィルム40aによってクランパ36のクランプ面に設けられたオーバーフローキャビティ60を被覆することにより、調圧プランジャ62と摺動孔63との隙間に樹脂が入り込むことを防止して、調圧プランジャ62の円滑な動作を確保することができる。
【0028】
図2(a)の状態から、上型34を徐々に下降させ、被成形品10を上型34と下型23とでクランプする。上型34が下降することによって、まず、クランパ36のクランプ面が被成形品10の縁部に当接する。すなわち、クランパ36が被成形品10の上面に当接することによって、被成形品10の上面に閉止空間としてのキャビティ55が形成される。被成形品10に樹脂50をポッティング等で供給した際には、粘性によって樹脂50が被成形品10上で盛り上がり形状となる。この状態で単にクランプすると樹脂50が高速で押し広がり、樹脂封止領域を超えて流れ出してしまう。クランパ36の端面を上型34の金型面(天井面)よりも下方に突出させておくと、クランプ時に樹脂50が樹脂封止領域を超えて流れ出すことを規制し、被成形品10を確実に樹脂封止することができ、樹脂封止領域の外側に樹脂ばりが生じることを防止することができる。
【0029】
クランパ36が被成形品10の上面に当接してキャビティ55が形成された状態から、さらに型締めが進むことによって、クランパ36の高さ位置が変わらずに上型34が下降し、キャビティ55の容積が徐々に減少していく。すなわち、キャビティ55に樹脂50が満たされていく。
なお、下型クランパ24が型閉じ方向に付勢して設けられていることにより、被成形品10の厚さのばらつきに関わらず、クランパ36の端面に下型クランパ24が当接し、樹脂封止領域およびオーバーフローキャビティ60の外側領域を閉止して、樹脂封止時に金型外に樹脂が漏出することを防止する。
【0030】
上型34の下降動作は、最終的に上型と下型のクランプストッパ26、39が当接した時点で停止する。図2(b)は、この型締め時の状態を示す。クランプストッパ26、39が当接することにより、下型23と上型34の間隔が正確に規定され、キャビティ55の厚さ寸法が所定寸法に決められる。本実施形態の樹脂封止装置では、前述したように、キャビティ55を充填するに必要な分量を必ず上回る分量の樹脂50を供給して樹脂封止するから、型締め操作とともに、キャビティ55に樹脂50が充填されるとともに、キャビティ55から余分の樹脂50オーバーフローしてくる。
同図で10aが樹脂封止領域、10bが被成形品(基板)が配置されている領域、10cが被成形品10の非樹脂封止領域である。
【0031】
オーバーフローキャビティはキャビティ55からオーバーフローしてきた樹脂50を収容する樹脂溜めとして作用する。キャビティ55から押し出される樹脂50は連絡路60aを介してオーバーフローキャビティ60に流れ込む。図2(b)に示すように、連絡路60aはキャビティ55とオーバーフローキャビティ60とを連通する部位であり、本実施形態の樹脂封止装置では連絡路60aから容易にオーバーフローキャビティ60に樹脂が排出できるよう、連絡路60aの深さをキャビティ55の厚さと同程度としている。
【0032】
このようにオーバーフローキャビティ60はキャビティ55から押し出されてくるオーバーフロー樹脂を収容するが、本実施形態ではオーバーフローキャビティ60に調圧プランジャ62を設けることによって、キャビティ55からオーバーフローしてくる樹脂50の分量に応じてオーバーフローキャビティ60の容積を調節し、オーバーフローする樹脂量のばらつきに好適に対処することができる。調圧プランジャ62は型開閉方向に可動であり、型締め時にキャビティ55から押し出されてくる樹脂50の樹脂圧によって型開閉方向に移動し、これによってオーバーフローキャビティ60の容積が可変となる。
【0033】
図2(b)に示すように、キャビティ55から押し出された樹脂50は連絡路60aを介してキャビティ55とオーバーフローキャビティ60とを連通する。したがって、オーバーフローキャビティ60の最少容積分を超えて樹脂50がキャビティ55から押し出されてくると、樹脂圧によって調圧プランジャ62が押し上げられ、これによって樹脂50の過剰分を吸収する。調圧プランジャ62はキャビティ55から押し出されてくる樹脂50に対してスプリング64の付勢力によって弾性的に樹脂50を押圧するから、キャビティ55から押し出される樹脂50の分量に応じて自動的に移動位置が設定され、樹脂量のばらつきに対応することができる。
【0034】
本実施形態の樹脂封止装置の場合は、このように、キャビティ55からオーバーフローする樹脂量に応じてオーバーフロー分の樹脂を溜める容積を可変にして樹脂封止するから、樹脂量のばらつきに対して的確に対応できるという利点があり、さらにまた、オーバーフローしてきた樹脂50に対して調圧プランジャ62によって加圧力を加えることで、キャリヤ55内における樹脂量のバランスをとりつつ樹脂封止することができ、信頼性の高い樹脂封止が可能になる。すなわち、調圧プランジャ62によって加圧する作用は、型締め後、キャビティ55に充填されている樹脂50に加圧力を加えるように作用することでキャビティ55内の樹脂を圧縮してキャビティ55内でのボイドの発生を減少させるという効果もある。
【0035】
キャビティ55からオーバーフローしてくる樹脂量は被成形品の厚さのばらつきによっても変動する。このような場合であってもオーバーフローキャビティ60の容量を可変にすることは有効である。被成形品が樹脂基板のような場合には、製品の厚さのばらつきが比較的大きくなる。本実施形態の樹脂封止装置はこのような製品の樹脂封止に好適に利用することができる。
【0036】
前述したように、最近の半導体装置では製品がきわめて薄型になってきていることから、1回の樹脂封止操作で使用する樹脂量の分量が減ってきている。このような場合に、キャビティを充填するに必要な量に対して僅かに上回る分量の樹脂を正確に計量して供給するといったことは困難である。本実施形態の樹脂封止装置によれば、キャビティ55の分量を相当量超える分量の樹脂を供給した場合でも的確に樹脂封止することが可能であるから、樹脂量を高精度に計測して供給できる装置を使用することなく、的確な樹脂封止が可能となる。
なお、オーバーフローキャビティを設計する際には、製品によってキャビティの厚さや容積が種々異なるから、オーバーフローさせる分量に応じてオーバーフローキャビティの配置数や容積等を設定すればよい。
【0037】
なお、片面樹脂封止装置の場合、通常は上型にキャビティを設けるが、場合によって下型にキャビティを設ける場合は、上記実施形態とは上下型の構成を逆に構成し、下型に設けるクランパにオーバーフローキャビティを設けることにより、同様にキャビティからオーバーフローした樹脂をオーバーフローキャビティに収容して樹脂量のばらつきに対応するように構成することが可能である。また、上記実施形態では、上型側のみをリリースフィルム40aによって被覆して樹脂封止しているが、同様に下型23の金型面および下型クランパ24のクランプ面についてもリリースフィルムにより被覆することにより、下型23と下型クランパ24との隙間に樹脂が入り込むことを防止して、下型クランパ24の円滑な動作を確保して樹脂封止することもできる。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る樹脂封止装置によれば、上述したように、オーバーフローキャビティを設けたクランパによって被成形品をクランプして樹脂封止することにより、キャビティからオーバーフローした樹脂をオーバーフローキャビティに収容することができる。また、オーバーフローキャビティに調圧プランジャを設けたことによって、キャビティから押し出される樹脂量のばらつきに応じてオーバーフローキャビティの容量を調節することができ、オーバーフローする樹脂を確実に収容して、的確な樹脂封止ができる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂封止装置の主要部の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係る樹脂封止方法を示す説明図である。
【図3】オーバーフローキャビティを配置した例を示す説明図である。
【図4】オーバーフローキャビティの他の配置例を示す説明図である。
【図5】従来の樹脂封止装置の構成を示す説明図である。
【図6】従来の樹脂封止装置による樹脂封止方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10 被成形品
20 固定プラテン
21 下型ホルダ
22 下型ベース
23 下型
24 下型クランパ
25 スプリング
26、39 クランプストッパ
30 可動プラテン
32 上型ベース
33 上型ホルダ
34 上型
36 クランパ
37 スプリング
40a、40b リリースフィルム
50 樹脂
55 キャビティ
60 オーバーフローキャビティ
60a 連絡路
62 調圧プランジャ
64 スプリング

Claims (4)

  1. 被成形品の樹脂封止領域に封止用の樹脂供給装置により所定量の樹脂を供給し、上型と下型とで前記樹脂とともに被成形品をクランプする際に、型締め方向に付勢して設けられたクランパにより、被成形品の樹脂封止領域を囲む周縁部をクランプして、上型あるいは下型の一方の金型の金型面と前記クランパとによって囲まれたキャビティ内に樹脂を充填して被成形品の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、
    前記クランパの前記被成形品をクランプする領域よりも外側のクランプ面に前記キャビティと連通するオーバーフローキャビティを設けるとともに、該オーバーフローキャビティの底部を構成する調圧プランジャを型締め方向に付勢して設け、
    前記樹脂封止領域と前記クランパのクランプ面を金型および封止用の樹脂との剥離性を有するリリースフィルムにより被覆するリリースフィルムの供給機構を設けたことを特徴とする樹脂封止装置。
  2. 前記オーバーフローキャビティを、前記クランパに複数個設けたことを特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
  3. 前記調圧プランジャの背面側にスプリングを設けて、調圧プランジャを型締め方向に常時付勢して設けたことを特徴とする請求項1または2
  4. 前記一方の金型に設けたクランパと対向する配置で、他方の金型に型締め方向に付勢して他方のクランパを設けたことを特徴とする請求項1、2または3記載の樹脂封止装置。
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