JP3667178B2 - 酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子 - Google Patents

酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子 Download PDF

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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池などの光起電力素子となる積層構造の透明導電層等に適用される酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子に関し、とりわけ、水溶液から酸化亜鉛を電気化学的に析出させて膜層を形成するような酸化亜鉛薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水素化非晶質シリコン,水素化非晶質シリコンゲルマニウム,水素化非晶質シリコンカーバイド,微結晶シリコンまたは多結晶シリコンなどからなる光起電力素子は、長波長における収集効率を改善するために、裏面に反射層を設けている。かかる反射層の反射特性は、半導体材料のエネルギーバンド端に近くて、その吸収が小さくなる波長つまり800〜1200nmで有効な反射持性を示すことが望ましい。この条件を十分に満たすものは、金,銀,銅,アルミニウムといった金属である。
【0003】
また、光閉じ込めのため所定の波長範囲で光学的に透明な凹凸層を設けることも行なわれていて、一般的には上記金属による反射層と半導体活性層の間に凹凸を設けて、反射光を有効に利用して短絡電流密度Jscを改善することもある。
【0004】
さらに、シャントパスによる特性低下を防止するため、裏面反射層と半導体層の間に導電性を示す透光性の材料による薄膜、つまり透明導電層を設けることが行なわれている。
【0005】
これらの薄膜は一般的には、真空蒸着法やスパッタ法といった方法により堆積させており、それにより太陽電池の特性は短絡電流密度Jscにして1mA/cm2以上の改善を示している。例えば、「29p−MF−2ステンレス基板上のa−SiGe太陽電池における光閉じ込め効果」(1990年秋季)第51回応用物理学会学術講演会講演予稿集p747や、“P−IA−15,a−SiC/a―Si/a―SiGe Multi−Bandgap Stacked Solar Cells With Bandgap Profiling,”Sannomiya et al.,Technical Digest of the International PVSEC−5,Kyoto,Japan,p381,1990などには、銀原子から構成される反射層について反射率とテクスチャー構造の検討がなされている。これらは、反射層を、基板温度を変えた銀の2層堆積とすることで有効な凹凸を形成し、これと酸化亜鉛層とのコンビネーションによって、光閉じ込め効果による短絡電流の増大を達成したとしている。
【0006】
これら光閉じ込め層として用いられる透明導電層は、抵抗加熱や電子ビームによる真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法,CVD法などによって堆積,形成しているが、ターゲット材料などの製作コストが高い,真空装置の償却費が大きい,材料の利用効率が高くないといった問題点により、これらの薄膜形成技術を用いると、光起電力素子(太陽電池)のコストを極めて高いものとしてしまい、産業的に応用する上で大きな障害となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、この対策として、液相堆積法つまり電気化学的に析出する方法によって酸化亜鉛の薄膜を形成する技術を既に提案しており(特開平10−140373号公報参照)、それは、光起電力素子(太陽電池)の反射層として適用でき、スパッタ法による金属層と透明導電層と組み合わせるようにしている。
【0008】
その薄膜形成技術によれば、高価な真空装置、高価なターゲットが不要であるため、酸化亜鉛薄膜の製造コストを飛躍的に削減することができる。また大面積化した基板上にも堆積することができるため、太陽電池のような大面積を必要とする光起電力素子には有望である。
【0009】
しかしながら、かかる電解析出法による薄膜形成技術には、以下の問題点があった。
【0010】
(1)表面が平滑な薄膜しか形成されず、光閉じ込め効果のある凹凸形状(テクスチャー構造)を堆積膜に備えること、そして量産性を高めるため堆積時間を短縮すること等については考慮がなく対応できない。
【0011】
(2)特に、電流密度を上昇させたり、水溶液の濃度を上げた場合に、堆積膜上にミクロンオーダーを越えるような針状や球状や樹枝上などの形状をした異常成長が生成しやすく、この酸化亜鉛薄膜を光起電力素子の構成要素として用いた場合には、それら異常成長が光起電力素子のシャントパスを誘発する原因となると考えられる。
【0012】
(3)酸化亜鉛結晶粒の大きさにばらつきが生じやすく、大面積化したときの均一性に問題があった。
【0013】
(4)基板上への密着性が、抵抗加熱や電子ビームによる真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法,CVD法などによって形成されたものと比べて劣っていた。
【0014】
そこで、本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであって、低コスト化に有利な電解析出法により、光閉じ込め効果のあるテクスチャー構造の薄膜を短時間で形成することができ、堆積膜の異常成長を防止でき、成膜面の均一性及び密着性に優れていて、光起電力素子の積層構造へ適用することで、光電特性を向上できて量産性を高め得る酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の酸化亜鉛薄膜の製造方法は、導電性基体を負電極とし、当該導電性基体と対向電極とを、硝酸イオン及び0.05mol/l以上の亜鉛イオンを含有する水溶液に浸漬して電流を通電することにより、前記導電性基体上に、水溶液から酸化亜鉛を電気化学的に析出させて薄膜を形成する酸化亜鉛薄膜の製造方法において、酸化亜鉛薄膜を3000Å以上堆積させた後に少なくとも1回成膜速度を変化させ、かつ成膜終期の成膜速度を最小とすることを特徴とする。
【0016】
成膜速度と傾斜角は正の相関があるので、初期に速い成膜速度で必要とする膜厚の大方を形成することができ、終期に最小の成膜速度に変化させることで表面の凹凸の傾斜角が大きい膜となる。従って、形成される酸化亜鉛薄膜は、光閉じ込め効果の高いテクスチャー構造を有したものとなる。
【0017】
また、酸化亜鉛薄膜を3000Å以上堆積させた後に成膜速度を変化させることで、酸化亜鉛の膜厚が3000Å以上あると、光閉じ込め効果が高いテクスチャー構造とするには好ましく、成膜速度を変化させた後には傾斜角が高い膜となり、このため、光閉じ込め効果が高いテクスチャー構造を効率よく短時間で得られる。
【0018】
また、電流密度を成膜速度は正の相関があるため、電流密度を変化させることにより、容易に成膜速度を変化させることができ好ましい。
【0019】
また、水溶液に、硝酸イオンと亜鉛イオンとに加えてサッカロースまたはデキストリンを含有させることで、酸化亜鉛層に発生する異常成長を飛躍的に制御する事ができ、また高濃度での成膜が容易にできるため、光閉じ込め効果に適したテクスチャー構造の酸化亜鉛薄膜を作成できる。従って、歩留まりを向上させ、密着性に優れた高性能な(短絡電流、変換効率の向上)光起電力素子を安定的に連続供給できる。
【0020】
また、導電性基体に事前に酸化亜鉛薄膜を堆積することが好ましい。現在電析法ではアルミニウム表面に光学特性に優れた酸化亜鉛薄膜を直接堆積する技術は見出されていない。これはアルミニウム表面が熱酸性溶液でボーマイト変成し、反射能を著しく下げてしまうのと、ボーマイト変成した表面が襞状の構造となり、酸化亜鉛の成長が襞状・粉状になってしまうためである。よって、アルミニウム表面に事前に酸化亜鉛薄膜を堆積する事で金属層にアルミニウムを用いても、光学特性に優れた酸化亜鉛薄膜を堆積する事ができる。また比較的容易に異常成長の少ない酸化亜鉛薄膜を、効率良く均一に形成できる。
【0021】
また、ロール・ツー・ロール形式により酸化亜鉛薄膜を連続成膜することで、光閉じ込め効果に優れた凸凹構造の酸化亜鉛を連続生産できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
[電解析出法による酸化亜鉛薄膜の形成]
図2は、酸化亜鉛薄膜を形成するため電解析出法を行う製造装置の構成図である。
【0024】
この製造装置は、耐腐食性の容器201内に、電解析出のための水溶液202が保持され、負極である基板(導電性基体)203及び正極である対向電極204が共に水溶液202に浸漬されており、基板203側に電解析出による薄膜が形成される構成となっている。この基板203は電源205の負極出力に接続され、対向電極204は負荷抵抗206を介して電源205の正極出力に接続されている。容器201の底部にはヒーター212が設けられ、温度計213が水溶液202内に漬けられている。
【0025】
そして、この製造装置には、水溶液202を撹拌するために、溶液吸入口208,溶液射出口207,溶液循環ポンプ211,吸入溶液パイプ209,射出溶液パイプ210からなる溶液循環系が設けられている。なお、装置構成が小規模であれば、磁気撹拌子、機械撹拌器等を用いることもできる。
【0026】
水溶液202としては、少なくとも硝酸イオンと亜鉛イオンを含有し、亜鉛イオンの濃度は少なくとも0.05mol/lである。
【0027】
図7は、亜鉛イオン濃度と傾斜角の関係を示すのグラフである。このとき、水溶液202中の硝酸亜鉛濃度を変化させ、酸化亜鉛をそれぞれ膜厚10000Åまで堆積させた。そして堆積時の電流密度が、2.0A/cm2、4.0A/cm2、10.0A/cm2の三つの場合について測定を行った。図7より明らかなように、亜鉛イオン濃度が0.05mol/l以上で傾斜角が大幅に高くなる。
【0028】
また、硝酸イオンの濃度は、好ましくは、0.002〜3.0mol/l、さらに好ましくは0.01〜1.5mol/l、最適には0.05〜0.7mol/lである。
【0029】
また、サッカロースまたはデキストリンを水溶液202に含有させると、これら添加剤が電解析出反応を適正化するように働いて酸化亜鉛薄膜の異常成長を抑制することができる。これにより、成膜面の均一性及び密着性を良好にでき、イオン濃度を高く設定しても異常成長を防止することができるので、光閉じ込め効果の高いテクスチャー構造の酸化亜鉛薄膜を、歩留まりよく形成することができる。従って、光起電力素子の積層構造へ適用することで、光電特性を向上できて量産性を高めることができる。
【0030】
水溶液202内にサッカロースまたはデキストリンを含ませる場合は、サッカロースの濃度は好ましくは500〜1g/l、さらに好ましくは100〜3g/lに設定し、デキストリンの濃度は好ましくは10〜0.01g/l、さらに好ましくは1〜0.025g/lに設定する。
【0031】
この水溶液202の温度は60℃以上とすることで、酸化亜鉛の薄膜を異常成長が少なく均一かつ効率よく形成することができる。
【0032】
本発明の酸化亜鉛薄膜の製造方法は、薄膜を形成する電解析出反応の途中で少なくとも1回成膜速度を変化させることを特徴とする。成膜速度を変化させる方法としては、特に限定されないが、電流密度を変化させることにより成膜速度を変化させることが好ましい。
【0033】
図4は、電流密度と成膜速度の関係を示すグラフであり、このとき、水溶液202には0.2mol/lの硝酸亜鉛を含有させていた。そして、図5は、電流密度と傾斜角の関係を示すグラフであり、このとき、水溶液202には0.2mol/lの硝酸亜鉛を含有させていて、酸化亜鉛は膜厚1μmまで堆積させた。
【0034】
図4より明らかなように、成膜速度は電流密度と正の相関がある。また、図5より明らかなように、傾斜角は電流密度に対して負の相関がある、即ち、成膜速度が遅いほど傾斜角が大きい。なお、ここで傾斜角とは、酸化亜鉛層の表面と基板(基体)の主面とのなす角である。ここで、主面とは基板表面にもともと存在する凹凸をとり除いた仮想の平面である。傾斜角は具体的には、arctan(df/dx)(但し、dxはサンプリング長、dfは酸化亜鉛層の表面と基板の主面との距離の変化量)により求められる。
【0035】
従って、成膜初期は、速い成膜速度で必要とする膜厚の大方を形成し、成膜終期の成膜速度を最小として、傾斜角を大きくすることが好ましい。その結果、形成される酸化亜鉛薄膜は、光閉じ込め効果の高いテクスチャー構造を有したものとなり、光起電力素子の透明導電層への適用が好ましい酸化亜鉛薄膜の形成を、効率よく短時間で行える。
【0036】
具体的には、成膜速度は、初期値を、好ましくは15Å/sec〜700Å/secに設定し、さらに好ましくは22Å/sec〜300Å/secに設定し、最適には33Å/sec〜200Å/secに設定する。一方、成膜終期の成膜速度は、初期値よりも小さくなるように設定するものであり、好ましくは、0.5Å/sec〜150Å/secに設定し、さらに好ましくは4Å/sec〜110Å/secに設定し、最適には7.5Å/sec〜75Å/secに設定する。
【0037】
また、電流密度は、初期値を、好ましくは2〜100mA/cm2に設定し、さらに好ましくは3〜40mA/cm2に設定し、最適には4.5〜25mA/cm2に設定する。一方、成膜終期の電流密度は、初期値よりも小さい値に設定するものであり、好ましくは0.1〜20mA/cm2に設定し、さらに好ましくは0.5〜15mA/cm2に設定し、最適には1〜10mA/cm2に設定する。
【0038】
また、本発明においては、酸化亜鉛薄膜を3000Å以上堆積させた後に成膜速度を変化させることが好ましい。
【0039】
図6は、酸化亜鉛の膜厚と傾斜角の関係を示すグラフであり、このとき、水溶液202には0.2mol/lの硝酸亜鉛を含有させていて、電流密度は、2.5mA/cm2と、15.0mA/cm2との二つについて測定を行った。
【0040】
図6より明らかなように、傾斜角を大きくするためには、膜厚が3000Å以上であることが好ましい。一方、酸化亜鉛の膜厚が厚すぎると、吸収のため充分な光学特性が得られなくなる。テクスチャー構造による光閉じ込め効果を十分に発揮するには、膜厚が3000〜30000Åであることが好ましい。従って、速い成膜速度で、酸化亜鉛の薄膜が3000Å以上に堆積し、その後に成膜速度を変化させることが好ましい。
【0041】
また、表面荒さRaは、電流密度を小さい値とした時ほど、つまり成膜速度を低く設定した時ほど、堆積膜厚の増加と共に増加していくことが確認されている。一方、太陽電池の持性としては、表面荒さRaが増加しすぎると、シリーズ抵抗Rsの増加及びFFの低下が起こる。テクスチャー構造による光閉じ込め効果を十分に発揮するには、表面荒さRaが10〜120nmとすることが好ましい。
【0042】
また、導電性基体として、あらかじめ表面に酸化亜鉛薄膜を堆積したものを用いることが好ましい。例えば電析法でアルミニウム表面に光学特性に優れた酸化亜鉛薄膜を直接堆積することは困難であるからである。即ち、アルミニウム表面が熱酸性溶液でボーマイト変成し、反射能を著しく下げてしまうのと、ボーマイト変成した表面が襞状の構造となり、酸化亜鉛の成長が襞状・粉状になってしまうためである。よって、アルミニウム表面に事前に酸化亜鉛薄膜を堆積する事で金属層にアルミニウムを用いても、光学特性に優れた酸化亜鉛薄膜を堆積する事ができる。また比較的容易に異常成長の少ない酸化亜鉛薄膜を、効率良く均一に形成できる。
【0043】
[光起電力素子]
図1は、本発明にかかる光起電力素子の積層構成を示す断面図である。同図に示す素子は太陽電池であり、図中において、101は基板、102は裏面反射層、103は六方晶系多結晶からなる透明導電層、104は半導体層、105は透明電極層、106は集電電極である。なお、基板101を透明部材とし、基板から光を入射させる場合は、他の各層が逆の順番で形成される。
【0044】
(基板)
基板101としては、金属層または導電性材料をコーティングした樹脂,ガラス,セラミックス等が用いられる。この基板101は、その表面に微細な凹凸を設けてもよく、透明部材を用いて構成して積層裏側から光を入射させるようにしてもよい。また、基板101を長尺な形状とし、これを成膜装置に送り込んで連続的に成膜を行うようにすることもでき、特にステンレスやポリイミド等は可撓性を有するため好適である。
【0045】
(裏面反射層)
裏面反射層102は、Al,Cu,Ag,Auなどを材料とし、蒸着法,スパッタ法,電解析出法,印刷法等の方法で形成され、電解析出法の電極としての役割と、基板101にまで到達した光を反射して半導体層104で再利用させる反射層としての役割がある。この裏面反射層102の表面に凹凸を設けることにより、半導体層104内について反射光の光路長を延ばし、短絡電流を増大させることができる。なお、基板101を反射率の高いものとした場合には、この裏面反射層102を形成しなくてもよい。
【0046】
(透明導電層)
透明導電層103は、本発明の酸化亜鉛薄膜の製造方法により形成される。この透明導電層103は、裏面反射層102と同様にその表面に凹凸を設けることが好ましく、入射光及び反射光の乱反射を増大し、半導体層104内での光路長を延ばす役割がある。また、下層の裏面反射層102をなす元素が半導体層104へ拡散し、マイグレーションを起こし、このため素子がシャントすること等を防止する役割もある。さらに、透明導電層103に適度な抵抗を持たせることにより、半導体層104のピンホール等の欠陥によるショートを防止することができる。
【0047】
(半導体層)
半導体層104の材料としては、アモルファスあるいは微結晶のSi,C,Ge、またはこれらの合金が好適に用いられる。そして、それらの材料には、水素及び/またはハロゲン原子が含有されることが好ましい。その好ましい含有量は0.1〜40原子%である。さらに、酸素,窒素などを含有してもよい。これらの不純物濃度は,5×1019atom・cm-3以下が望ましい。また、pin接合において、p型層にはIII属の元素を含有させ、n型層にはV属の元素を含有させることが好ましい。
【0048】
半導体層104の層構成がスタックセルの場合、光入射側に近いpin接合のi型層はバンドギャップが広く、遠いpin接合になるに従ってバンドギャップが狭くなることが好ましい。また、i型層の内部ではその膜厚の中央よりもp型層寄りにバンドギャップの極小値があることが好ましい。光入射側のドープ層は光吸収の少ない結晶性の半導体か、またはバンドギャップの広い半導体が適している。
【0049】
半導体層104を形成するには、マイクロ波(MW)プラズマCVD法または高周波(RF)CVD法が適している。その半導体堆積技術としては「i型層はGraded SiGeでGe組成20〜70atm%」(特開平4−119843)などを用いることができる。
【0050】
(透明電極層)
透明電極層105は、ITO(インジウム錫酸化物),ZnO,In23等を材料とし、これらの化合物に導電率を変化させる物質を含有させてもよく、蒸着法,CVD法,スプレー法,スピンオン法,浸漬法等の方法で形成される。この透明電極層105は、その膜厚を適当に設定することにより反射防止膜の役割を兼ねさせることができる。
【0051】
(集電電極)
集電電極106は、集電効率を向上させるために設けられ、マスクを用いてスパッタによって集電パターンの金属を形成する方法,導電性ペーストあるいは半田ペーストを印刷する方法,金属線を導電性ペーストで固着する方法などの方法で形成される。
【0052】
なお、光起電力素子としては、その両面に保護層を形成することがあり、その際に鋼板等の補強材を併用してもよい。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の酸化亜鉛薄膜の製造方法の実施例を説明する。
【0054】
[実施例1]
図2に示す製造装置を用い、負極である基板203として、厚さ0.12mmのステンレス430BAに、銅を膜厚2000Åにスパッタしたものを用い、正極である対向電極204として、厚さ1mmの4−Nの亜鉛を使用した。水溶液202としては、500ccのビーカーに硝酸亜鉛の0.1mol/l水溶液500ccと、60%の硝酸を8cc加え、その温度を80℃とした。
【0055】
電流の通電は、負極側の基板203をアースに落として、正極側の対向電極204と負極側の基板203との間で、まず電流密度が5.0mA/cm2(0.5A/dm2)を1分間(38Å/sec)、次に電流密度が10.0mA/cm2(1.0A/dm2)を3分間(78Å/sec)、最後に電流密度が3.0mA/cm2(0.3A/dm2)を2分間(23Å/sec)と順に電流密度を切り替えて合計6分間行なった。
【0056】
負極側の基板203上に得られた酸化亜鉛の薄膜については、光学特性の標準波形(日本分光V−570の出力波形)から光干渉法を用いて膜厚を調べ、原子間力顕微鏡(Quesant CO.Qscope Model250)を用いて、針先の動きの平均角を以って傾斜角,表面荒さRaを測定した。なお、通常は原子間力顕微鏡にそのような測定モードが設定されている。この結果を表1に示す。
【0057】
[比較例1]
通電を7.0mA/cm2(0.7A/dm2)6分間(52Å/sec)行った以外は実施例1と同様の条件で電解析出を行い評価した。結果を表1に示す。
【0058】
[比較例2]
通電を3.0mA/cm2(0.3A/dm2)14分間(23Å/sec)行った以外は実施例1と同様の条件で電解析出を行い評価した。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003667178
【0060】
表1に示すように、本発明では、表面荒さRaの増加を押さえつつ、短時間で傾斜角を高めることができ、これを光起電力素子の反射層に適用することにより、その光電特性を向上し得る。
【0061】
[実施例2]
図2に示す製造装置を用い、負極である基板203として、厚さ0.12mmのステンレス430BAに、銀を膜厚2000Åにスパッタしたものを用い、正極である対向電極204として、厚さ1mmの4−Nの亜鉛を使用した。水溶液202は、0.2mol/lの硝酸亜鉛水溶液とし、その温度を80℃とした。
【0062】
電流の通電は、負極側の基板203をアースに落として、正極側の対向電極204と負極側の基板203との間で、まず電流密度が15.0mA/cm2(0.5A/dm2)を3分間(110Å/sec)、次に電流密度が4.0mA/cm2(0.4A/dm2)を3分間(30Å/sec)と順に電流密度を切り替えて合計6分間行なった。
【0063】
負極側の基板203上に得られた酸化亜鉛の薄膜については、異常成長の数を3cm×3cmの範囲で目視により計数した。さらに、SEM(日立製作所S−4500)を用いた観察により、異常成長の数を10mm×10mmの範囲で計数した。また、基板203ごと折り曲げ剥離試験を行った。この結果を表2に示す。
【0064】
[実施例3]
水溶液202として、0.2mol/lの硝酸亜鉛水溶液にサッカロースを12g/lに添加した以外は実施例2と同様の条件で電解析出を行い評価した。結果を表2に示す。
【0065】
[実施例4]
水溶液202として、0.2mol/lの硝酸亜鉛にデキストリンを0.1g/lに添加し、その温度を85℃とした以外は実施例2と同様の条件で電解析出を行い評価した。結果を表2に示す。
【0066】
[実施例5]
負極側の基板203として、厚さ0.12mmのステンレス430BAに、銀を膜厚2000Åにスパッタし、さらにZnOを膜厚1000Åにスパッタしたものを用いた以外は実施例2と同様の条件で電解析出を行い評価した。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0003667178
【0068】
表2に示すように、実施例3,4のように、サッカロース,デキストリンを添加することにより、異常成長を大幅に低減することができ、密着性を向上することができる。そして、実施例5のように、電解析出させる基板の表面をZnOの層とすることにより、酸化亜鉛薄膜の密着性をさらに向上することができる。
【0069】
[実施例6]
図2に示す製造装置を用い、負極側の基板203として、厚さ0.12mmのステンレス430(・2D)に、アルミニウムを膜厚1000Åにスパッタし、さらにZnOを膜厚2000Åにスパッタしたものを用いており、正極側の対向電極204として、厚さ1mmの4−Nの亜鉛を使用した。水溶液202としては、0.22mol/lの硝酸亜鉛水溶液に0.05g/lのデキストリンを添加し、その温度を75℃とした。電流の通電は、負極側の基板203をアースに落として、正極側の対向電極204と負極側の基板203との間で、電流密度の初期値を9.0mA/cm2(0.9A/dm2)(66Å/sec)とし、この設定により膜厚をそれぞれ1000,2000,3000,5000,10000,20000Åに堆積し、この後、電流密度を3.0mA/cm2(0.3A/dm2)に切り替えて6分間(22Å/sec)(約8000Å)堆積した。
【0070】
負極側の基板203上に得られた酸化亜鉛の薄膜については、実施例1と同様にして、原子間力顕微鏡により傾斜角,表面荒さRaを測定した。この測定結果を後記する表3に示す。
【0071】
[比較例3]
通電を3.0mA/cm2(0.3A/dm2)6分間(22Å/sec)(約8000Å)行った以外は実施例6と同様の条件で電解析出を行い評価した。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】
Figure 0003667178
【0073】
表3に示すように、実施例6のように、薄膜を形成させる下地面をZnOの膜層とすることで、アルミニウムを用いた基板203に、電解析出法でもって酸化亜鉛薄膜を堆積することができる。そして、電流密度の初期に速い成膜速度で膜厚3000Å以上に堆積することにより、表面荒さRaの増加を押さえつつ、短時間で傾斜角を高めることができ、従って、これを光起電力素子の反射層に適用することにより、その光電特性を向上し得る。
【0074】
[実施例7]
図2に示す製造装置を用い、まず、実施例2と同様の条件で電解析出を行った。つまり、負極側の基板203として、厚さ0.12mmのステンレス430BAに、銀を膜厚2000Åにスパッタしたものを用い、正極側の対向電極204としては、厚さ1mmの4−Nの亜鉛を使用した。水溶液202としては、硝酸亜鉛を0.2mol/lの硝酸亜鉛水溶液とし、その温度を80℃とした。電流の通電は、負極側の基板203をアースに落として、正極側の対向電極204と負極側の基板203との間で、まず電流密度が15.0mA/cm2(1.5A/dm2)を3分間(90Å/sec)、次に電流密度が4.0mA/cm2(0.4A/dm2)を3分間(28Å/sec)と順に電流を切り替えて合計6分間行なった。
【0075】
この後、半導体層104として、n型非晶質シリコン(a−Si)を膜厚200Å,ノンドープ非晶質シリコン(a−Si)を膜厚2000Å,p型微結晶シリコン(μc−Si)を膜厚140Åに順にCVD法により堆積した。さらに酸素雰囲気で加熱蒸着によりITOを膜厚650Åに蒸着して、反射防止効果を有する上部電極としての透明電極層105とした。この上に銀によるグリッドを加熱蒸着により堆積して集電電極106とし、これにより光起電力素子を構成した。
【0076】
この光起電力素子については、ソーラーシミュレーター(AM1.5、100mW/cm2、表面温度25℃)を用いて短絡電流密度,変換効率を測定した。この結果を表4に示す。
【0077】
[比較例4]
通電を7.0mA/cm2(0.7A/dm2)6分間(41Å/sec)行った以外は実施例7と同様の条件で電解析出を行い、さらに各層を形成して光起電力素子を構成し、評価した。結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
Figure 0003667178
【0079】
表4に示すように、実施例7のように、本発明の酸化亜鉛の薄膜を、光起電力素子の透明導電層に適用することにより、その光起電力素子については、短絡電流,変換効率を向上し得る。
【0080】
[実施例8]
図2に示す製造装置を用い、まず、実施例7と同様の条件で電解析出を行った。そして、実施例7と同様にして、光起電力素子を構成した。
【0081】
この光起電力素子については、実施例7と同様にして、短絡電流密度,変換効率を測定した。さらに、この光起電力素子を、温度が85℃で湿度が85%の環境に1000時間放置し、変換効率の低下率を測定した。この結果を表5に示す。
【0082】
[実施例9]
水溶液202として、0.2mol/lの硝酸亜鉛水溶液にデキストリンを0.5g/lに添加した以外は実施例8と同様の条件で電解析出を行い、光起電力素子を構成し、評価した。結果を表5に示す。
【0083】
[実施例10]
負極側の基板203には、膜厚2000Åにスパッタした銀の上に、さらにZnOを膜厚1000Åにスパッタしたものを用いた以外は実施例9と同様の条件で電解析出を行い、光起電力素子を構成し、評価した。結果を表5に示す。
【0084】
【表5】
Figure 0003667178
【0085】
表5に示すように、本発明にかかる酸化亜鉛の薄膜を、光起電力素子の透明導電層に適用することにより、その光起電力素子については、短絡電流,変換効率を向上することができ、変換効率の劣化率を低く抑えることができて、信頼性の向上を図ることができる。
【0086】
[実施例11]
図2に示す製造装置を用い、負極側の基板203として、厚さ0.12mmのステンレス430BAに、アルミニウムを膜厚2000Åにスパッタし、さらにZnOを膜厚1000Åにスパッタしたものを用いた以外は実施例9と同様の条件で電解析出を行い、光起電力素子を構成し、評価した。結果を表6に示す。
【0087】
[実施例12]
図3は、電解析出法を行うロール・ツー・ロール方式装置の構成図である。この装置は、工業生産レベルの製造を実施するための装置であり、図3に示す構成は、光起電力素子を製造する装置構成の一部構成であって、長尺基板303の上に、酸化亜鉛薄膜を電解析出法により形成する機能部分を示している。
【0088】
長尺基板303は、SUS430BAをロール状に巻き取ったものであり、その表面には、予め、裏面反射層(102)として、ロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置によりアルミニウムを膜厚2000Åに堆積し、さらにその上に、ZnOを、同様のロール対応のDCマグネトロンスパッタ装置により膜厚1000Åに堆積してある。
【0089】
図3に示す製造装置は、ロール状の長尺基板303を、送り出しローラー301にセットして、酸化亜鉛形成槽306,水洗槽308,乾燥炉314を通過させて巻き取りローラー302に再び巻き取る構成となっており、このため、ロール・ツー・ロール方式装置と呼んでいる。なお、水洗槽308には水洗浴307が収容され、かつ出口側に水洗シャワー313が設けられており、乾燥炉314内には赤外線ヒーター315が設けられている。
【0090】
実施例12は、図3に示すロール・ツー・ロール方式装置を用いた試作実験であり、上述したように予め下層を形成した長尺基板303上に、電解析出法により酸化亜鉛の薄膜を形成した。
【0091】
即ち、長尺基板303は、送り出しローラー301から搬送ローラー304を介して酸化亜鉛形成槽306に搬送される。酸化亜鉛形成槽306に収容した酸化亜鉛形成浴305は、水1リットル中に、硝酸亜鉛・6水塩70g(0.2mol/l)と、デキストリン0.5gを含んでなり、当該浴を撹拌するために、図示しない液循環処理がなされている。この酸化亜鉛形成浴305は、その液温が80℃に保たれており、pHは4.0〜6.0に保持される。
【0092】
酸化亜鉛形成槽306の底側には、対向電極309,310が配置され、対向電極309,310には、表面をバフ研磨した亜鉛(600cm×50cm)が用いられていて、電源311,312の正極側がそれぞれに接続されている。
【0093】
電流の通電は、長尺基板303を負極側の電極としてアースに落とし、正極側の対向電極309,310と負極側の長尺基板303との間で、電流密度をそれぞれ15.0mA/cm2(1.5A/dm2)(92Å/sec),4.0mA/cm2(0.4A/dm2)(29Å/sec)として電解析出を行った。
【0094】
長尺基板303の搬送速度は2000mm/minであり、膜厚2.5ミクロンの酸化亜鉛薄膜が形成された。
【0095】
この後、半導体層104を、ロール対応のCVD装置によりトリプル構造に形成した。これには、まずシランとフォスフィンと水素の混合ガスの雰囲気において、長尺基板303の表面つまり酸化亜鉛薄膜による透明導電層103の表面を340℃に加熱し、400WのRFパワーを投入してn型層を形成し、次にシランとゲルマンと水素の混合ガスの雰囲気で基板温度を450℃とし、マイクロ波パワーを投入してi型層を形成し、さらに基板温度を250℃として三フッ化ボロンとシランと水素の混合ガスからp型層を形成し、ボトム層のpin接合とした。続いてi型層におけるシランとゲルマンの混合比を増やして同様の手順により、ミドル層のnip接合を形成し、さらに同様の手順でi型層をシランと水素から堆積してトップ層のpin接合を形成した。そして次に、ロール対応スパッタ装置によりITOを透明電極層105として堆積し、さらに銀ペーストで集電電極106を形成して光起電力素子を構成した。
【0096】
この光起電力素子について、実施例11と同様にして評価した。結果を表6に示す。
【0097】
【表6】
Figure 0003667178
【0098】
表6に示すように、ロール・ツー・ロール方式装置においても、本発明にかかる酸化亜鉛の薄膜を、光起電力素子の透明導電層に適用することにより、その光起電力素子については、短絡電流,変換効率を向上することができ、変換効率の劣化率を低く抑えることができて、信頼性の向上を図ることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光閉込め効果に有効な最適な凸凹構造をもつ酸化亜鉛薄膜が連続的に形成できる。
【0100】
この酸化亜鉛作成技術を裏面反射層として太陽電池作成プロセスに導入する事により、太陽電池の短絡電流密度、変換効率の増加、さらに収率持性及び耐久性を向上させる。またスパッタ法や蒸着法と比べて材料コスト、ランニングコストが非常に有利(約100分の1のコスト)であるため、太陽光発電の本格的な普及に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光起電力素子の積層構成を示す断面図である。
【図2】酸化亜鉛薄膜を形成するため電解析出法を行う製造装置の構成図である。
【図3】酸化亜鉛薄膜を形成するため電解析出法を行う製造装置の構成図である。
【図4】電流密度と成膜速度の関係を示すグラフである。
【図5】電流密度と傾斜角の関係を示すグラフである。
【図6】酸化亜鉛の膜厚と傾斜角の関係を示すグラフである。
【図7】亜鉛イオン濃度と傾斜角の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
101,203 基板
102 裏面反射層
103 透明導電層
104 半導体層
105 透明電極層
106 集電電極
201 容器
202 水溶液
204 対向電極
205 電源
206 負荷抵抗
207 溶液射出口
208 溶液吸入口
209 吸入溶液パイプ
210 射出溶液パイプ
211 溶液循環ポンプ
212 ヒーター
213 温度計
301 送り出しローラー
302 巻き取りローラー
303 長尺基板
304 搬送ローラー
305 酸化亜鉛形成槽
306 酸化亜鉛形成浴
307 水洗浴
308 水洗槽
309,310 対向電極
311,312 電源
313 水洗シャワー
314 乾燥炉
315 赤外線ヒーター

Claims (7)

  1. 導電性基体を負電極とし、当該導電性基体と対向電極とを、硝酸イオン及び0.05mol/l以上の亜鉛イオンを含有する水溶液に浸漬して電流を通電することにより、前記導電性基体上に、水溶液から酸化亜鉛を電気化学的に析出させて薄膜を形成する酸化亜鉛薄膜の製造方法において、酸化亜鉛薄膜を3000Å以上堆積させた後に少なくとも1回成膜速度を変化させ、かつ成膜終期の成膜速度を最小とすることを特徴とする酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  2. 電流密度を変化させることにより、成膜速度を変化させることを特徴とする請求項に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  3. 前記水溶液が、サッカロースまたはデキストリンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  4. 前記導電性基体として予め酸化亜鉛薄膜を堆積した導電性基体を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  5. ロール・ツー・ロール形式により酸化亜鉛薄膜を連続成膜することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の酸化亜鉛薄膜の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により酸化亜鉛薄膜よりなる透明導電層を製造する工程と、その上に半導体層を製造する工程を少なくとも有することを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造された酸化亜鉛薄膜よりなる透明導電層を少なくとも有することを特徴とする光起電力素子。
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