JP3666328B2

JP3666328B2 - Disc brake

Info

Publication number: JP3666328B2
Application number: JP34655099A
Authority: JP
Inventors: 陽一中村; 夏樹木暮
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1999-12-06
Filing date: 1999-12-06
Publication date: 2005-06-29
Anticipated expiration: 2019-12-06
Also published as: JP2001165215A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、異音の発生を防止するディスクブレーキに関する。
【０００２】
【従来の技術】
回転するディスクロータにパッドを押圧して、ディスクロータの回転を減速若しくは停止させる構造のディスクブレーキは、制動時に不快なブレーキ鳴きが発生することがある。このブレーキ鳴きを防止する手段として、例えば実開昭５４−４４３７６号公報に開示されている技術がある。
【０００３】
この公報では、制動回数の少ない初期においてディスクブレーキが特に鳴き易く、その鳴きがパッドの摩擦材表面の鉄分、すなわち、ディスクロータから転移して摩擦材表面に存在する鉄量に極めて重大な相関関係を有することに着目し、パッドを構成する摩擦材のディスクロータに摺接する側の面に、複数本のスリットを、パッドとディスクロータとの摺接方向に所定の角度を持たせて設けることで、ディスクロータとパッドとの摩擦状態を変え、摩擦材表面への鉄の転移を抑制するとともに、摩擦材の面圧を高めてブレーキ鳴きの発生し易い面圧領域からはずし、ブレーキ鳴きを効果的に防止するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者等が行った実験によると、上記構造のパッドと、冷却効果の向上を図る目的のベンチレーテッドロータを組み合わせたディスクブレーキは、パッドに設けたスリットにより制動時にブレーキ振動が生じ、異音が発生しやすいことが判明した。
【０００５】
すなわち、図１０に示すように、符号２で示すベンチレーテッドロータは、車両幅方向外側に配設される円板状のアウタ側の摺動板４と、この摺動板２に平行に対向して車両幅方向内側に配設される円板状のインナ側の摺動板６と、これら一対の摺動板４、６間の半径方向に沿って放射状に介在している複数のリブ８とで構成され、隣接するリブ８の間をベンチレーション孔１０とし、一対の摺動板４、６の外側面を円環状の摩擦面４ａ、６ｂとしている。
【０００６】
また、符号１２で示す一対のパッドは、一対の摺動板４、６の摩擦面４ａ、６ａに対向している摩擦材１４と、その背面に固定した裏板１６とを備えた部材であり、図示しないシリンダの作動により各パッド１２が一対の摺動板６側に移動し、摩擦材１４が摩擦面４ａ、６ａを押圧するようになっている。
ここで、ベンチレーテッドロータ２は、制動時に、一対の摺動板４、６の摩擦面４ａ、６ａに摩擦材１４を押圧すると、一対の摺動板４、６のリブ８に支持されていない部分が熱変形により内側に撓み、図１０の破線で示すように、摩擦面４ａ、６ｂの周方向に山と谷が連続する波打ち面が生ずる。
【０００７】
それに対し、パッド１２の摩擦材１４に形成した２本のスリット１８ａ、１８ｂのスリット間隔ｂ₁と、一方のスリット１８ａと摩擦材１４の一方の端面までの距離ｃ₁と、他方のスリット１８ｃと摩擦材１４の他方の端面までの距離ｄ₁が、ベンチレーテッドロータ２の隣接するリブ８、８間の外周側の距離ａ₁以下の値であると（ａ₁≧ｂ₁、ａ₁≧ｃ₁、ａ₁≧ｄ₁）、摩擦材１４の２本のスリット１８ａ、１８ｂ間の押圧面、一方のスリット１８ａから一方の端面までの押圧面、さらには他方のスリット１８ｃから他方の端面までの押圧面が、前述した波打ち面の谷と谷との幅より小さくなり、それら押圧面が谷の底に嵌まり、次いで、その谷から出て山の頂部で接触する動作を繰り返すことによってパッド１２に振動が生じ、異音が発生しやすいのである。
【０００８】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、摩擦材にスリットを設けたパッドとベンチレーテッドロータとを組み合わせても、パッドの振動を抑制して異音の発生を防止することが可能なディスクブレーキを提供することを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項１記載のディスクブレーキは、対向する一対の摺動板の外周側の間に、放射状に延びる複数のリブを介在させて前記摺動板の内面と前記リブとの間にベンチレーション孔を形成し、且つ、前記一対の摺動板の外周側の外面を摩擦面としたベンチレーテッドロータと、正面視略扇形の摩擦材及びその背面に固定した裏板により構成され、前記ベンチレーテッドロータの摩擦面に前記摩擦材を押圧して前記ベンチレーテッドロータの回転を抑制するパッドと、を備えたディスクブレーキにおいて、前記ベンチレーテッドロータの摩擦面に接触する前記摩擦材の押圧面に、前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも２本のスリットを形成し、これらスリットにより、前記押圧面を、スリット間に位置する第１の押圧面と、一方のスリットから前記摩擦材のロータ周方向の一方の端部の間に位置する第２の押圧面と、他方のスリットから前記摩擦材の他方の端部の間に位置する第３の押圧面に分割するとともに、前記リブの配列を、長尺リブ及び短尺リブが交互に配列されながら等間隔に放射状に延びており、且つ、前記長尺リブが前記摩擦面の裏側の外周側から内周側まで連続している構成とし、前記摩擦材に形成した前記第１〜第３の押圧面のそれぞれの外周側の幅寸法を、隣接している一対の前記長尺リブの外周側のリブ間隔より大きな値に設定した。
【００１０】
また、請求項２に係る発明は、請求項１記載のディスクブレーキにおいて、前記摩擦材の押圧面に前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも前記２本のスリットを、互いに平行に形成した。
【００１１】
また、請求項３に係る発明は、請求項１記載のディスクブレーキにおいて、前記摩擦材の押圧面に前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも前記２本のスリットを、互いに略逆ハの字状に形成した。
【００１４】
ここで、本発明者等が行った実験によれば、制動時に、ベンチレーテッドロータにパッドの摩擦材を押圧すると、摩擦面のリブに支持されていない部分が熱変形により内側に撓み、周方向に山と谷が連続する波打ち面が摩擦面が生ずる。これに対し、摩擦材に２本のスリットを形成し、これらスリットの間の部分の面積と、一方のスリットと摩擦材のロータ周方向の一方の端面との間の部分の面積と、他方のスリットと摩擦材１４の他方の端面との間の部分の面積とが、前述した波打ち面の谷の部分より小さな面積であると、摩擦材の各部分が谷の底に嵌まり、次いで、その谷から出て山の頂部で接触する動作を繰り返す。これによって、パッドに振動が生じて異音が発生することが判明した。
【００１５】
そこで、さらなる鋭意研究を行ったところ、ベンチレーテッドロータに対して波打ち面を防止するための改良を行わなくても、摩擦材に形成するスリットの位置を変更するだけで、パッドの振動を抑制して異音発生が防止できる。つまり、請求項１に係る発明のように、対向する一対の摺動板の外周側びリブの配列を、長尺リブ及び短尺リブが交互に配列されながら等間隔に放射状に延びており、且つ、前記長尺リブが前記摩擦面の裏側の外周側から内周側まで連続している構成とし、前記摩擦材に形成した前記第１〜第３の押圧面のそれぞれの外周側の幅寸法を、隣接している一対の前記長尺リブの外周側のリブ間隔より大きな値に設定すると、第１〜第３の押圧面が波打ち面の谷の部分に入り込まず、パッドの振動が抑制されるのである。
【００１７】
また、請求項２記載のディスクブレーキのように、摩擦材の押圧面にベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも２本のスリットを互いに平行に形成するだけで課題を解決することができるので、製作費が低減する。
【００１８】
さらに、請求項３記載のディスクブレーキのように、摩擦材の押圧面にベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも前記２本のスリットを、互いに略逆ハの字状に形成すると、摩擦材の幅寸法が小さくなって小型のパッドとなるので、ディスクブレーキの組み付けが良好となる。
【００１９】
【発明の効果】
本発明の請求項１記載のディスクブレーキによると、ベンチレーテッドロータの摩擦面に接触する前記摩擦材の押圧面に、前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも２本のスリットを形成し、これらスリットにより、前記押圧面を、スリット間に位置する第１の押圧面と、一方のスリットから前記摩擦材のロータ周方向の一方の端部の間に位置する第２の押圧面と、他方のスリットから前記摩擦材の他方の端部の間に位置する第３の押圧面に分割するとともに、前記リブの配列を、長尺リブ及び短尺リブが交互に配列されながら等間隔に放射状に延びており、且つ、前記長尺リブが前記摩擦面の裏側の外周側から内周側まで連続している構成とし、前記摩擦材に形成した前記第１〜第３の押圧面のそれぞれの外周側の幅寸法を、隣接している一対の前記長尺リブの外周側のリブ間隔より大きな値に設定したことから、制動時においてベンチレーテッドロータの摩擦面に波打ち面が発生しても、第１〜第３の押圧面は波打ち面の谷部に入り込まず、パッドの振動を抑制して異音の発生を防止できるという効果を奏する。
【００２２】
また、請求項２記載のディスクブレーキによると、上述した効果が得られるとともに、摩擦材に２本のスリットを平行に設けただけのパッドとなるので、製作費の低減を図ったパッドを提供することができる。
さらに、請求項３記載のディスクブレーキによると、上述した効果を得ることができるとともに、小型の摩擦材となるので、ディスクブレーキへの組み付け性が良好となるという効果も奏する。
【００２３】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るディスクブレーキの実施形態を図面に基づいて説明する。図１から図３は本発明の第１実施形態を示す図であって、図１は本実施形態に係るベンチレーテッドロータ２０の一部破断正面図、図２は本実施形態に係るパッド２２及びベンチレーテッドロータ２０の配置を示す側面図、図３はパッド２２を示す正面図である。
【００２４】
ベンチレーテッドロータ２０は、車両幅方向外側に配設される円板形状のアウタ側の摺動板２４と、この摺動板２４に平行に対向して車両幅方向内側に配設される円板形状のインナ側の摺動板２６とを有していて、これら摺動板２４、２６の中央部は大きく開口しており、アウタ側の摺動板２６の内周部には、車軸への取付の際に利用される円筒部２８が同軸に固定されている。円筒部２８の底部２８ａには、ボルト挿通用の複数の孔２８ｂ等が形成されている。
【００２５】
一対の摺動板２４、２６間には、複数個のリブ３０…が、半径方向に沿って放射状に延びるように等間隔に介在し、それらリブ３０…間がベンチレーション孔３２…となっている。
そして、一対の摺動板２４、２６の外側面を摩擦面２４ａ、２６ａとし、これら摩擦面２４ａ、２６ｂに一対のパッド２２が対向している。
【００２６】
パッド２２は、一対の摺動板２４、２６の摩擦面２４ａ、２６ａに対向している正面視略扇形の摩擦材３４と、その背面に固定した裏板３６とを備えた部材であり、摩擦材３４には、平行な２本のスリット３８、４０が形成されている。
そして、スリット３８、４０のスリット間隔を寸法ｂ₂とし、一方のスリット３８から摩擦材３４の一方の端面までの距離を寸法ｃ₂とし、他方のスリット４０から摩擦材３４の他方の端面までの距離を寸法ｄ₂とし、ベンチレーテッドロータ２０の隣接するリブ３０、３０間の外周側のリブ間隔を寸法ａ₂とすると、これらの寸法の関係は、
ａ₂＜ｂ₂、ａ₂＜ｃ₂、ａ₂＜ｄ₂ ………（１）
の関係となっている。
【００２７】
つまり、摩擦材３４には、２本のスリット３８、４０を境として、図３に示すように、外周側のリブ間隔ａ₂より大きな寸法の辺（ｂ₂、ｃ₂、ｄ₂）を有し、且つ、リブ３０の長手方向の長さより長い寸法の辺を有する略矩形状の押圧面３４ａ、３４ｂ、３４ｃが形成されている。
そして、図示しないシリンダの作動により各パッド２２が一対の摺動板２４、２６側に移動すると、各パッド２２の摩擦材２８が一対の摺動板２４、２６の摩擦面２４ａ、２６ｂを押圧してベンチレーテッドロータ２０の回転を減速若しくは停止させるようになっている。
【００２８】
ここで、一対の摺動板２４、２６のリブ３０に支持されていない部分が熱変形により内側に撓み、図２の破線で示すように、摩擦面２４ａ、２６ｂの周方向に山と谷が連続する波打ち面が生じたベンチレーテッドロータ２０となっても、本実施形態では、ベンチレーテッドロータ２０を押圧するパッド２２の振動を抑制し、異音を防止する。
【００２９】
すなわち、摩擦面２４ａ、２６ｂの波打ち面の内側に撓む部分（谷部）は、隣接するリブ３０、３０の間の部分であるが、パッド２２の押圧面３４ａ、３４ｂ、３４ｃの全ては、前述した谷部より大きな幅を有しているので、どの押圧面も谷部の底に嵌まり込まない。したがって、従来のようにパッドが波打ち面の谷に嵌まり込むような動作が発生しないので、パッド２２の振動を抑制して異音を防止することができる。
【００３０】
また、本実施形態では、異音を防止する構造として、摩擦材３４に２本のスリット３８、４０を平行に設けただけでパッド２２の製作が完了するので、パッド２２の製作費の低減化を図ることができる。図４及び図５は、本発明に係る第２実施形態を示す図であって、図４は、第１実施形態のパッド２２と異なる形状のパッド５０を示す正面図、図５は、本実施形態のパッド５０の配置位置を示したベンチレーテッドロータ２０の一部破断正面図である。なお、図１から図３で示した構成と、同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【００３１】
本実施形態のパッド５０は、平面視略矩形の摩擦材４２と、その背面に固定した裏板３６とを備えた部材であり、摩擦材４２には、下端側から上端側に向かうに従い逆ハの字状に延びるように２本のスリット５２、５４が形成されている。
すなわち、２本のスリット５２、５４は、下端側のスリット間隔を寸法ｂ₃とし、上端側のスリット間隔を、前述した寸法ｂ₃より大きい寸法ｂ₂（ｂ₂＞ｂ₃）となるように形成されている。
【００３２】
ここで、上端側のスリット間隔ｂ₂は、ベンチレーテッドロータ２０の隣接するリブ３０、３０の外周側のリブ間隔ａ₂より大きく（ａ₂＜ｂ₂）、下端側のスリット間隔ｂ₃は、隣接するリブ３０、３０の内周側のリブ間隔ａ₃より大きい値である（ａ₃＜ｂ₃）。また、第１実施形態と同様に、一方のスリット５２と摩擦材４２の一方の端面までの距離ｃ₂は、外周側のリブ間隔ａ₂より大きく（ａ₂＜ｃ₂）、他方のスリット５４と摩擦材４２の他方の端面までの距離ｄ₂も、外周側のリブ間隔ａ₂より大きく設定している（ａ₂＜ｄ₂）。
【００３３】
すなわち、
ａ₂＜ｂ₂、ａ₂＜ｃ₂、ａ₂＜ｄ₂、ａ₃＜ｂ₃ ………（２）
の関係となっている。
したがって、摩擦材４２には、２本のスリット５２、５４を境として、図４に示すように、外周側のリブ間隔ａ₂より大きな寸法の辺（ｂ₂、ｃ₂、ｄ₂）を有し、且つ、リブ３０の長手方向の長さより長い寸法の辺を有する略台形状の押圧面４２ａ、４２ｂ、４２ｃが形成されている。
【００３４】
そして、熱変形により摩擦面２４ａ、２６ｂに波打ち面が発生しても、パッド５０の４２ａ、４２ｂ、４２ｃの全ては、波打ち面の谷部より大きな幅を有しているので、どの押圧面も谷部の底に嵌まり込まない。したがって、パッド２２の振動を抑制し、異音を防止することができる。
また、２本のスリット５２、５４は、パッド５０の摩擦材４２に逆ハの字形状となるように形成したが、このようにすると、摩擦材４２の下端側の長手方向の寸法が小さくなって第１実施形態のパッド２２より小型のパッド５０となるので、ディスクブレーキへの組み付け性が良好となる。
【００３５】
次に、図６及び図７は、本発明に係る第３実施形態を示す図であって、図６は、ベンチレーテッドロータ６０の一部破断正面図、図７は、本実施形態のパッド７０を示す正面図である。なお、前述した第１及び第２実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のベンチレーテッドロータ６０は、一対の摺動板２４、２６間に、２種類のリブ６２、６４…が、半径方向に沿って放射状に複数介在していて、それらリブ６２、６４…間がベンチレーション孔６６となっている。
【００３６】
一方の種類のリブ６２は、半径方向外側の部分が外端部に近づくに従って徐々に太くなっている長尺なリブであり（以下、長尺リブ６２と称する）、周方向に等間隔に配置されている。
また、他方の種類のリブ６４は、隣接する長尺リブ６２の周方向の中間位置に配置されており、長尺リブ６２と半径方向外端が一致し、半径方向内端が長尺リブ６２より外周側に位置している短尺なリブである（以下、短尺リブと称する）。
【００３７】
パッド７０は、正面視扇形の摩擦材７２と、その背面に固定した裏板７４とを備えた部材であり、摩擦材７２には、平行な２本のスリット７６、７８が形成されている。
そして、スリット７６、７８のスリット間隔を寸法ｂ₄とし、一方のスリット７６から摩擦材７４の一方の端面までの距離を寸法ｃ₄とし、他方のスリット７８から摩擦材７４の他方の端面までの距離を寸法ｄ₄とし、ベンチレーテッドロータ６０の隣接する長尺リブ６２、６２の外周側のリブ間隔を寸法ａ₄とすると、これらの寸法の関係は、
ａ₄＜ｂ₄、ａ₄＜ｃ₄、ａ₄＜ｄ₄ ………（３）
の関係となっている。
【００３８】
つまり、摩擦材７４には、２本のスリット７６、７８を境として、図７に示すように、長尺リブ６２、６２の外周側のリブ間隔ａ₄より大きな寸法の辺（ｂ₄、ｃ₄、ｄ₄）を有し、且つ、リブ３０の長手方向の長さより長い寸法の辺を有する略矩形状の押圧面７４ａ、７４ｂ、７４ｃが形成されている。
ここで、一対の摺動板２４、２６の長尺リブ６２、短尺リブ６４に支持されていない部分が熱変形し、長尺リブ６２、短尺リブ６４が隣接している外周側の摩擦面２４ａ、２６ａに山と谷が連続する波打ち面を形成し、長尺リブ６２どうしが隣接している内周側の摩擦面２４ａ、２６ａに大きな山と谷が連続する波打ち面を形成しても、本実施形態では、ベンチレーテッドロータ６０を押圧するパッド７０の振動を抑制し、異音を防止する。
【００３９】
すなわち、パッド７０の押圧面７４ａ、７４ｂ、７４ｃの全ては、摩擦面２４ａ、２６ａの内周側（長尺リブ６２どうしが隣接している位置）に発生した波打ち面の大きな谷より大きな幅を有しているので、どの押圧面も谷部の底に嵌まり込まない。したがって、パッド７０は振動を発生せず、異音を防止することができる。
【００４０】
また、本実施形態は、第１実施形態と同様に、摩擦材７４に２本のスリット７６、７８を平行に設けただけでパッド７０の製作が完了するので、パッド７０の製作費の低減化を図ることができる。
次に、図８及び図９は、本発明に係る第４実施形態を示す図であって、図８は、本実施形態のパッド８０を示す正面図、図９は、パッド８０の配置位置を示したベンチレーテッドロータ６０の一部破断正面図である。
【００４１】
本実施形態のパッド８０は、扇形形状の摩擦材８２と、その背面に固定した裏板８４とを備えた部材であり、摩擦材８２に、下端側から上端側に向けて逆ハの字状に延びる２本のスリット８６、８８が形成されている。
すなわち、２本のスリット８６、８８は、下端側のスリット間隔を寸法ｂ₅とし、上端側のスリット間隔を、前述した寸法ｂ₅より大きい寸法ｂ₄（ｂ₄＞ｂ₅）となるように形成されている。ここで、上端側のスリット間隔ｂ₄は、ベンチレーテッドロータ２０の隣接する長尺リブ６２、６２の外周側のリブ間隔ａ₄より大きく（ａ₄＜ｂ₄）、下端側のスリット間隔ｂ₅は、隣接する長尺リブ６２、６２の内周側のリブ間隔ａ₅より大きい値である（ａ₅＜ｂ₅）。
【００４２】
また、第３実施形態と同様に、一方のスリット８６と摩擦材８２の一方の端面までの距離ｃ₄は、長尺リブ６２、６２の外周側のリブ間隔ａ₄より大きく（ａ₄＜ｃ₄）、他方のスリット８８と摩擦材８２の他方の端面までの距離ｄ₄も、外周側のリブ間隔ａ₄より大きく設定している（ａ₄＜ｄ₄）。
すなわち、
ａ₄＜ｂ₄、ａ₄＜ｃ₄、ａ₄＜ｄ₄、ａ₅＜ｂ₅ ………（４）
の関係となっている。
【００４３】
したがって、摩擦材４２には、２本のスリット８６、８８を境として、図４に示すように、隣接する長尺リブ６２、６２の外周側のリブ間隔ａ₄より大きな寸法の辺（ｂ₄、ｃ₄、ｄ₄）を有し、且つ、長尺リブ３０の長手方向の長さより長い寸法の辺を有する略台形状の押圧面８２ａ、８２ｂ、８２ｃが形成されている。
【００４４】
そして、熱変形により摩擦面２４ａ、２６ｂに波打ち面が発生しても、パッド５０の押圧面８２ａ、８２ｂ、８２ｃの全ては、波打ち面の谷部より大きな幅を有しているので、どの押圧面も谷部の底に嵌まり込まない。したがって、パッド８０は振動を発生せず、異音を防止することができる。
また、２本のスリット８６、８８は、パッド８０の摩擦材８２に逆ハの字形状となるように形成したが、このようにすると、摩擦材８２の下端側の長手方向の寸法が小さくなって第３実施形態のパッド８０より小型のパッド８０となるので、ディスクブレーキへの組み付け性が良好となる。
【００４５】
なお、上述した第１及び第２実施形態では、長さが等しいリブ（等長リブ）３０採用し、第３及び第４実施形態では、長尺リブ６２及び短尺リブ６４を交互に配列したベンチレーテッドロータを示したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、例えば、所定間隔をあけて配置した長尺リブ６２の間に、半径方向に間欠的に小さなリブが延在している構造のベンチレーテッドロータであっても、同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施形態のベンチレーテッドロータの一部破断正面図である。
【図２】第１実施形態のベンチレーテッドロータ及びパッドを示す側面図である。
【図３】第１実施形態のパッドを示す正面図である。
【図４】第２実施形態のパッドを示す正面図である。
【図５】第２実施形態のパッド及びベンチレーテッドロータの一部破断正面を示す図である。
【図６】第３実施形態のベンチレーテッドロータの一部破断正面図である。
【図７】第３実施形態のパッドを示す正面図である。
【図８】第４実施形態のパッドを示す正面図である。
【図９】第４実施形態のパッド及びベンチレーテッドロータの一部破断正面を示す図である。
【図１０】従来のベンチレーテッドロータ及びパッドを示す側面図である。
【符号の説明】
２０、６０ベンチレーテッドロータ
２２、５０、８０パッド
２４、２６摺動板
２４ａ、２６ａ摩擦面
３０リブ（等長リブ）
６２長尺リブ
６４短尺リブ
３２、６６ベンチレーション孔
３４、４２、７２、８２摩擦材
２６、３６、７４、８４裏板
２８、４０、５２、５４、７６、７８、８６、８８スリット
ａ₂ 隣接するリブ間の外周側のリブ間隔
ａ₃ 隣接するリブ間の内周側のリブ間隔
ｂ₂、ｂ₄ 上端側のスリット間隔
ｂ₃、ｂ₅ 下端側のスリット間隔
ｃ₂、ｃ₄ 一方のスリットから摩擦材の一方の端部までの距離
ｄ₂、ｄ₄ 他方のスリットから摩擦材の他方の端部までの距離
３４ａ、４２ａ、７４ａ、８２ａ押圧面（第２の押圧面）
３４ｂ、４２ｂ、７４ｂ、８２ｂ押圧面（第１の押圧面）
３４ｃ、４２ｃ、７４ｃ、８２ｃ押圧面（第３の押圧面）[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a disc brake that prevents occurrence of abnormal noise.
[0002]
[Prior art]
A disc brake having a structure in which the pad is pressed against the rotating disc rotor to decelerate or stop the rotation of the disc rotor may cause unpleasant brake noise during braking. As a means for preventing this brake squeal, for example, there is a technique disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 54-44376.
[0003]
In this publication, disk brakes are particularly susceptible to squealing at an early stage when the number of times of braking is small, and the squeal is extremely important correlation with the iron content of the friction material surface of the pad, that is, the amount of iron existing on the friction material surface after transferring from the disk rotor. By providing a plurality of slits with a predetermined angle in the sliding contact direction between the pad and the disk rotor on the surface of the friction material constituting the pad on the side in sliding contact with the disk rotor. The friction state between the disk rotor and the pad is changed to suppress the transfer of iron to the surface of the friction material, and the surface pressure of the friction material is increased to remove it from the surface pressure region where brake squeal is likely to occur. Try to prevent.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, according to experiments conducted by the present inventors, a disc brake that combines a pad with the above structure and a ventilated rotor for the purpose of improving the cooling effect generates brake vibration during braking due to a slit provided in the pad. It was found that abnormal noise is likely to occur.
[0005]
That is, as shown in FIG. 10, the ventilated rotor denoted by reference numeral 2 is opposed to the disc-shaped outer sliding plate 4 disposed on the outer side in the vehicle width direction and in parallel to the sliding plate 2. A disc-shaped inner sliding plate 6 disposed on the inner side in the vehicle width direction, and a plurality of ribs 8 radially disposed along the radial direction between the pair of sliding plates 4, 6. A ventilation hole 10 is formed between adjacent ribs 8 and outer surfaces of the pair of sliding plates 4 and 6 are annular friction surfaces 4a and 6b.
[0006]
Further, the pair of pads denoted by reference numeral 12 is a member including a friction material 14 facing the friction surfaces 4a and 6a of the pair of sliding plates 4 and 6, and a back plate 16 fixed to the back surface thereof. Each pad 12 is moved to the pair of sliding plates 6 by operation of a cylinder (not shown), and the friction material 14 presses the friction surfaces 4a and 6a.
Here, the ventilated rotor 2 is supported by the ribs 8 of the pair of sliding plates 4 and 6 when the friction material 14 is pressed against the friction surfaces 4a and 6a of the pair of sliding plates 4 and 6 during braking. The part which does not exist is bent inward by thermal deformation, and as shown by the broken line in FIG. 10, a corrugated surface in which peaks and valleys continue in the circumferential direction of the friction surfaces 4a and 6b is generated.
[0007]
On the other hand, the slit interval b ₁ between the two slits 18 a and 18 b formed in the friction material 14 of the pad 12, the distance c ₁ between one slit 18 a and _one end face of the friction material 14, and the other slit 18 c When the distance d ₁ to the other end face of the friction material 14 is a value equal to or less than the distance a ₁ on the outer peripheral side between the adjacent ribs 8 and 8 of the ventilated rotor 2 (a ₁ ≧ b ₁ , a ₁ ≧ c ₁ , a ₁ ≧ d ₁ ), the pressing surface between the two slits 18 a and 18 b of the friction material 14, the pressing surface from one slit 18 a to one end surface, and further from the other slit 18 c to the other end surface The pressing surface of the pad becomes smaller than the width of the valleys and valleys of the corrugated surface, and the pressing surfaces fit into the bottoms of the valleys, and then come out of the valleys and contact with the tops of the peaks to repeat the pad. 12 is vibrating, It is easy to none.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and even when a pad provided with a slit in a friction material and a ventilated rotor are combined, vibration of the pad can be suppressed and generation of abnormal noise can be prevented. The purpose is to provide a disc brake .
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a disc brake according to claim 1 of the present invention is characterized in that a plurality of radially extending ribs are interposed between the outer peripheral sides of a pair of opposed sliding plates. A ventilated rotor is formed between the inner surface and the rib, and the outer surface of the pair of sliding plates is a friction surface. A disc brake comprising: a fixed back plate; and a pad that presses the friction material against a friction surface of the ventilated rotor and suppresses rotation of the ventilated rotor. At least two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are formed on the pressing surface of the friction material in contact with the friction surface. A first pressing surface located between the slits, a second pressing surface located between one slit and one end in the rotor circumferential direction of the friction material, and the friction material from the other slit The ribs are divided into third pressing surfaces located between the other ends of the first ribs, the ribs extend radially at equal intervals while the long ribs and the short ribs are alternately arranged, and The long rib is configured to be continuous from the outer peripheral side to the inner peripheral side on the back side of the friction surface, and the width dimension on the outer peripheral side of each of the first to third pressing surfaces formed on the friction material is adjacent. It was set to a larger value than the rib interval on the outer peripheral side of the pair of long ribs .
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the disc brake according to the first aspect, at least the two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are parallel to each other on the pressing surface of the friction material. Formed.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the disc brake according to the first aspect, at least the two slits extending from the outer peripheral side of the ventilated rotor to the inner peripheral side are substantially omitted from each other on the pressing surface of the friction material. It was formed in a reverse C shape.
[0014]
Here, according to experiments conducted by the present inventors, when the friction material of the pad is pressed against the ventilated rotor during braking, the portion of the friction surface that is not supported by the rib is bent inward by thermal deformation, A corrugated surface with continuous peaks and valleys in the direction creates a friction surface. On the other hand, two slits are formed in the friction material, the area between the slits, the area between one slit and one end surface of the friction material in the rotor circumferential direction, and the other When the area of the portion between the slit and the other end surface of the friction material 14 is smaller than the above-described valley portion of the corrugated surface, each portion of the friction material fits into the bottom of the valley, and then Repeat the action of coming out of the valley and touching at the top of the mountain. As a result, it has been found that the pad is vibrated to generate abnormal noise.
[0015]
Therefore, after further diligent research, the vibration of the pad was suppressed simply by changing the position of the slit formed in the friction material, without the need to improve the ventilated rotor to prevent corrugated surfaces. Thus, the generation of abnormal noise can be prevented. That is, as in the invention according to claim 1, the arrangement of the outer peripheral side ribs of the pair of opposed sliding plates extends radially at equal intervals while the long ribs and the short ribs are alternately arranged, and The long rib is configured to be continuous from the outer peripheral side to the inner peripheral side on the back side of the friction surface, and the width dimension of each outer peripheral side of the first to third pressing surfaces formed on the friction material. When set to a value larger than the rib interval on the outer peripheral side of the pair of adjacent long ribs , the first to third pressing surfaces do not enter the valley portion of the corrugated surface, and the vibration of the pad is suppressed. It is.
[0017]
Further, as in the case of the disc brake according to claim 2, the problem can be solved only by forming in parallel at least two slits extending from the outer peripheral side of the ventilated rotor to the inner peripheral side on the pressing surface of the friction material. Production costs can be reduced.
[0018]
Further, as in the disc brake according to claim 3, when at least the two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are formed in a substantially reverse C shape on the pressing surface of the friction material. Since the width of the friction material is reduced and the pad becomes small, the assembly of the disc brake is improved.
[0019]
【The invention's effect】
According to the disc brake of the first aspect of the present invention, at least two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are formed on the pressing surface of the friction material that contacts the friction surface of the ventilated rotor. These slits form the pressing surface between the first pressing surface located between the slits and one end of the friction material in the circumferential direction of the rotor from the one slit. And a third pressing surface located between the surface and the other slit and the other end of the friction material, and the ribs are arranged at equal intervals while long ribs and short ribs are alternately arranged. Of the first to third pressing surfaces formed on the friction material, and the long ribs are continuous from the outer peripheral side to the inner peripheral side on the back side of the friction surface. Each outer peripheral side The width, since it has been set to a value greater than the rib spacing on the outer peripheral side of the adjoining pair of the elongated ribs, even waving surface occurs on the friction surface of the ventilated rotor during braking, the first The third pressing surface does not enter the trough portion of the corrugated surface, and has the effect of suppressing the vibration of the pad and preventing the generation of abnormal noise.
[0022]
In addition, according to the disc brake of the second aspect, the above-described effect can be obtained, and the pad is simply provided with two slits in the friction material in parallel. be able to.
Furthermore, according to the disk brake of the third aspect, the above-described effects can be obtained, and since the small friction material is obtained, there is an effect that the assembling property to the disk brake is improved.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of a disc brake according to the present invention will be described below with reference to the drawings. FIGS. 1 to 3 are views showing a first embodiment of the present invention. FIG. 1 is a partially cutaway front view of a ventilated rotor 20 according to this embodiment, and FIG. 2 is a pad 22 according to this embodiment. 3 is a side view showing the arrangement of the ventilated rotor 20, and FIG.
[0024]
The ventilated rotor 20 includes a disc-shaped outer side sliding plate 24 disposed on the outer side in the vehicle width direction, and a circle disposed on the inner side in the vehicle width so as to face the sliding plate 24 in parallel. A plate-shaped inner sliding plate 26 is provided, and the central portions of the sliding plates 24 and 26 are wide open, and the inner peripheral portion of the outer sliding plate 26 is connected to the axle. A cylindrical portion 28 used for mounting is fixed coaxially. A plurality of holes 28b for inserting bolts and the like are formed in the bottom portion 28a of the cylindrical portion 28.
[0025]
Between the pair of sliding plates 24 and 26, a plurality of ribs 30 are interposed at equal intervals so as to extend radially along the radial direction, and between the ribs 30 are ventilation holes 32. Yes.
The outer surfaces of the pair of sliding plates 24, 26 are friction surfaces 24a, 26a, and the pair of pads 22 are opposed to the friction surfaces 24a, 26b.
[0026]
The pad 22 is a member including a substantially fan-shaped friction material 34 facing the friction surfaces 24a and 26a of the pair of sliding plates 24 and 26, and a back plate 36 fixed to the rear surface thereof. In the material 34, two parallel slits 38 and 40 are formed.
The slit interval between the slits 38 and 40 is defined as dimension b ₂ , the distance from one slit 38 to one end face of the friction material 34 is defined as dimension c _2, and the distance from the other slit 40 to the other end face of the friction material 34 is determined. When the distance is a dimension d ₂ and the rib interval on the outer peripheral side between the adjacent ribs 30 of the ventilated rotor 20 is a dimension a ₂ , the relationship between these dimensions is
a ₂ <b ₂ , a ₂ <c ₂ , a ₂ <d ₂ (1)
It has become a relationship.
[0027]
That is, the friction material 34 has sides (b ₂ , c ₂ , d ₂ ) having dimensions larger than the rib interval a ₂ on the outer peripheral side, as shown in FIG. In addition, substantially rectangular pressing surfaces 34a, 34b, 34c having sides longer than the length of the rib 30 in the longitudinal direction are formed.
When each pad 22 moves to the pair of sliding plates 24 and 26 by the operation of a cylinder (not shown), the friction material 28 of each pad 22 presses the friction surfaces 24a and 26b of the pair of sliding plates 24 and 26. Thus, the rotation of the ventilated rotor 20 is decelerated or stopped.
[0028]
Here, the portions of the pair of sliding plates 24, 26 that are not supported by the ribs 30 bend inward due to thermal deformation, and as shown by the broken lines in FIG. 2, there are peaks and valleys in the circumferential direction of the friction surfaces 24a, 26b. Even if it becomes the ventilated rotor 20 with which the continuous corrugated surface produced, in this embodiment, the vibration of the pad 22 which presses the ventilated rotor 20 is suppressed, and an abnormal noise is prevented.
[0029]
That is, the portion (valley) that bends inside the corrugated surface of the friction surfaces 24a, 26b is a portion between the adjacent ribs 30, 30, but all of the pressing surfaces 34a, 34b, 34c of the pad 22 Since it has a larger width than the above-mentioned valley, no pressing surface fits into the bottom of the valley. Therefore, since the operation | movement which a pad fits into the trough of a corrugated surface does not generate | occur | produce conventionally, the vibration of the pad 22 can be suppressed and abnormal noise can be prevented.
[0030]
Further, in the present embodiment, as a structure for preventing abnormal noise, the pad 22 can be manufactured simply by providing the friction material 34 with two slits 38 and 40 in parallel, so that the manufacturing cost of the pad 22 can be reduced. Can be achieved . 4 and 5 are views showing a second embodiment according to the present invention, FIG. 4 is a front view showing the pad 22 is different from the shape of the pad 50 of the first embodiment, FIG. 5, the present embodiment It is the partially broken front view of the ventilated rotor 20 which showed the arrangement position of the pad 50 of a form. In addition, the same code | symbol is attached | subjected to the same structure part as the structure shown in FIGS. 1-3, and the description is abbreviate | omitted.
[0031]
The pad 50 of this embodiment is a member that includes a friction material 42 that is substantially rectangular in plan view and a back plate 36 that is fixed to the back surface of the friction material 42. Two slits 52 and 54 are formed so as to extend in a letter shape.
That is, two slits 52 and 54, the slit spacing of the lower end side and the dimension b _3, the slit spacing of the upper side, so that the dimensions described above b ₃ is greater than the dimension _{_{_{b 2 (b 2> b 3}}} ) Is formed.
[0032]
Here, the slit interval b ₂ on the upper end side is larger than the rib interval a ₂ on the outer peripheral side of the adjacent ribs 30 of the ventilated rotor 20 (a ₂ <b ₂ ), and the slit interval b ₃ on the lower end side is The value is larger than the rib interval a ₃ on the inner peripheral side of the adjacent ribs 30 and 30 (a ₃ <b ₃ ). Similarly to the first embodiment, the distance c ₂ between one slit 52 and one end face of the friction material 42 is larger than the rib interval a ₂ on the outer peripheral side (a ₂ <c ₂ ), and the other slit 54. The distance d ₂ to the other end face of the friction material 42 is also set larger than the rib interval a ₂ on the outer peripheral side (a ₂ <d ₂ ).
[0033]
That is,
a ₂ <b ₂ , a ₂ <c ₂ , a ₂ <d ₂ , a ₃ <b ₃ (2)
It has become a relationship.
Therefore, the friction material 42 has sides (b ₂ , c ₂ , d ₂ ) having dimensions larger than the rib interval a ₂ on the outer peripheral side as shown in FIG. 4 with the two slits 52, 54 as the boundary. In addition, substantially trapezoidal pressing surfaces 42 a, 42 b and 42 c having sides longer than the length of the rib 30 in the longitudinal direction are formed.
[0034]
And even if a corrugated surface is generated on the friction surfaces 24a and 26b due to thermal deformation, all of the pressing surfaces 42a, 42b and 42c of the pad 50 have a larger width than the valleys of the corrugated surface. It does not fit into the bottom of the valley. Therefore, vibration of the pad 22 can be suppressed and abnormal noise can be prevented.
In addition, the two slits 52 and 54 are formed in the friction material 42 of the pad 50 so as to have an inverted C shape. However, in this case, the size in the longitudinal direction on the lower end side of the friction material 42 is reduced. Thus, since the pad 50 is smaller than the pad 22 of the first embodiment, the assembling property to the disc brake is good.
[0035]
Next, FIGS. 6 and 7 are views showing a third embodiment according to the present invention. FIG. 6 is a partially cutaway front view of the ventilated rotor 60, and FIG. 7 is a pad of this embodiment. FIG. In addition, the same code | symbol is attached | subjected to the same component as 1st and 2nd embodiment mentioned above, and the description is abbreviate | omitted.
In the ventilated rotor 60 of the present embodiment, two types of ribs 62, 64... Are radially disposed between the pair of sliding plates 24, 26 along the radial direction. ... a ventilation hole 66 is formed in the space.
[0036]
One type of rib 62 is a long rib that gradually increases in thickness as the radially outer portion approaches the outer end (hereinafter referred to as a long rib 62), and is arranged at equal intervals in the circumferential direction. Has been.
The other type of rib 64 is disposed at an intermediate position in the circumferential direction of the adjacent long rib 62, the long rib 62 and the radial outer end coincide, and the radial inner end is the long rib 62. It is a short rib located on the outer peripheral side (hereinafter referred to as a short rib).
[0037]
The pad 70 is a member provided with a fan-shaped friction material 72 in front view and a back plate 74 fixed to the back surface of the friction material 72, and two parallel slits 76 and 78 are formed in the friction material 72.
The slit interval between the slits 76 and 78 is defined as dimension b ₄ , the distance from one slit 76 to one end face of the friction material 74 is defined as dimension c _4, and the distance from the other slit 78 to the other end face of the friction material 74 is set. Assuming that the distance is dimension d ₄ and the rib interval on the outer peripheral side of adjacent long ribs 62 and 62 of the ventilated rotor 60 is dimension a ₄ , the relationship between these dimensions is
a ₄ <b ₄ , a ₄ <c ₄ , a ₄ <d ₄ (3)
It has become a relationship.
[0038]
That is, the friction material 74, as a boundary of two slits 76, 78, as shown in FIG. 7, the side of the outer peripheral side of the larger dimension than rib spacing a ₄ long rib 62, 62 (b _4, c ₄ , d ₄ ), and substantially rectangular pressing surfaces 74 a, 74 b, 74 c having sides longer than the length of the rib 30 in the longitudinal direction are formed.
Here, portions of the pair of sliding plates 24, 26 that are not supported by the long ribs 62 and the short ribs 64 are thermally deformed, and the outer peripheral friction surface 24a where the long ribs 62 and the short ribs 64 are adjacent to each other. 26a, forming a corrugated surface in which peaks and valleys are continuous, and forming a corrugated surface in which large peaks and valleys are continuous on the friction surfaces 24a, 26a on the inner peripheral side where the long ribs 62 are adjacent to each other, In the present embodiment, vibration of the pad 70 that presses the ventilated rotor 60 is suppressed, and abnormal noise is prevented.
[0039]
That is, all of the pressing surfaces 74a, 74b, and 74c of the pad 70 have a larger width than the large trough of the corrugated surface generated on the inner peripheral side (position where the long ribs 62 are adjacent to each other) of the friction surfaces 24a and 26a. Since it has, no pressing surface fits into the bottom of a trough. Therefore, the pad 70 does not generate vibrations and can prevent abnormal noise.
[0040]
Further, in this embodiment, similarly to the first embodiment, the pad 70 can be manufactured only by providing the friction material 74 with two slits 76 and 78 in parallel, so that the manufacturing cost of the pad 70 can be reduced. Can be achieved.
Next, FIG. 8 and FIG. 9 are views showing a fourth embodiment according to the present invention. FIG. 8 is a front view showing the pad 80 of this embodiment, and FIG. It is a partially broken front view of the ventilated rotor 60 shown.
[0041]
The pad 80 of the present embodiment is a member provided with a fan-shaped friction material 82 and a back plate 84 fixed to the back surface thereof, and the friction material 82 has an inverted C shape from the lower end side toward the upper end side. Two slits 86 and 88 extending in the direction are formed.
That is, the two slits 86 and 88 have a lower end side slit interval of dimension b ₅ and an upper end side slit interval of dimension b ₄ (b ₄ > b ₅ ) larger than the aforementioned dimension b _5. Is formed. Here, the slit interval b ₄ on the upper end side is larger than the rib interval a ₄ on the outer peripheral side of the adjacent long ribs 62 and 62 of the ventilated rotor 20 (a ₄ <b ₄ ), and the slit interval b on the lower end side. ₅ is a value larger than the rib interval a ₅ on the inner peripheral side of the adjacent long ribs 62, 62 (a ₅ <b ₅ ).
[0042]
Similarly to the third embodiment, the distance c ₄ between one slit 86 and one end face of the friction material 82 is larger than the rib interval a ₄ on the outer peripheral side of the long ribs 62 and 62 (a ₄ <c ₄ ) The distance d ₄ between the other slit 88 and the other end face of the friction material 82 is also set larger than the rib interval a ₄ on the outer peripheral side (a ₄ <d ₄ ).
That is,
a ₄ <b ₄ , a ₄ <c ₄ , a ₄ <d ₄ , a ₅ <b ₅ (4)
It has become a relationship.
[0043]
Therefore, the friction material 42 has two slits 86 and 88 as a boundary, as shown in FIG. 4, a side (b _{4 having a} dimension larger than the rib interval a ₄ on the outer peripheral side of the adjacent long ribs 62 and 62. C ₄ , d ₄ ) and substantially trapezoidal pressing surfaces 82 a, 82 b, 82 c having sides longer than the length of the long rib 30 in the longitudinal direction.
[0044]
And even if a corrugated surface is generated on the friction surfaces 24a and 26b due to thermal deformation, all of the pressing surfaces 82a, 82b and 82c of the pad 50 have a larger width than the valleys of the corrugated surface. The surface does not fit into the bottom of the valley. Therefore, the pad 80 does not generate vibrations and can prevent abnormal noise.
In addition, the two slits 86 and 88 are formed in the friction material 82 of the pad 80 so as to have an inverted C shape. However, in this case, the size in the longitudinal direction on the lower end side of the friction material 82 is reduced. Thus, since the pad 80 is smaller than the pad 80 of the third embodiment, the assembling property to the disc brake is improved.
[0045]
In the first and second embodiments described above, ribs (equal length ribs) 30 having the same length are employed, and in the third and fourth embodiments, the long ribs 62 and the short ribs 64 are alternately arranged. Although the rated rotor is shown, the gist of the present invention is not limited thereto. For example, a small rib intermittently extends in the radial direction between the long ribs 62 arranged at predetermined intervals. Even with the ventilated rotor having the above structure, the same effect can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially cutaway front view of a ventilated rotor according to a first embodiment.
FIG. 2 is a side view showing a ventilated rotor and a pad according to the first embodiment.
FIG. 3 is a front view showing the pad of the first embodiment.
FIG. 4 is a front view showing a pad according to a second embodiment.
FIG. 5 is a diagram showing a partially broken front view of a pad and a ventilated rotor according to a second embodiment.
FIG. 6 is a partially cutaway front view of a ventilated rotor according to a third embodiment.
FIG. 7 is a front view showing a pad according to a third embodiment.
FIG. 8 is a front view showing a pad according to a fourth embodiment.
FIG. 9 is a partially cutaway front view of a pad and a ventilated rotor according to a fourth embodiment.
FIG. 10 is a side view showing a conventional ventilated rotor and pad.
[Explanation of symbols]
20, 60 Ventilated rotor 22, 50, 80 Pads 24, 26 Sliding plates 24a, 26a Friction surface 30 Ribs (equal length ribs)
62 Long rib 64 Short rib 32, 66 Ventilation holes 34, 42, 72, 82 Friction material 26, 36, 74, 84 Back plate 28, 40, 52, 54, 76, 78, 86, 88 Slit a ₂ adjacent inner circumferential side rib spacing b _2, b ₄ upper side of the slit interval b ₃ of, b ₅ lower end of the slit interval c _2, c ₄ one slit between the outer peripheral side of the rib spacing a ₃ adjacent ribs between ribs Distances d ₂ and d ₄ from the friction material to one end of the friction material Distances 34a, 42a, 74a and 82a from the other slit to the other end of the friction material Pressure surface (second pressure surface)
34b, 42b, 74b, 82b Press surface (first press surface)
34c, 42c, 74c, 82c Press surface (third press surface)

Claims

対向する一対の摺動板の外周側の間に、放射状に延びる複数のリブを介在させて前記摺動板の内面と前記リブとの間にベンチレーション孔を形成し、且つ、前記一対の摺動板の外周側の外面を摩擦面としたベンチレーテッドロータと、正面視略扇形の摩擦材及びその背面に固定した裏板により構成され、前記ベンチレーテッドロータの摩擦面に前記摩擦材を押圧して前記ベンチレーテッドロータの回転を抑制するパッドと、を備えたディスクブレーキにおいて、
前記ベンチレーテッドロータの摩擦面に接触する前記摩擦材の押圧面に、前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも２本のスリットを形成し、これらスリットにより、前記押圧面を、スリット間に位置する第１の押圧面と、一方のスリットから前記摩擦材のロータ周方向の一方の端部の間に位置する第２の押圧面と、他方のスリットから前記摩擦材の他方の端部の間に位置する第３の押圧面に分割するとともに、前記リブの配列を、長尺リブ及び短尺リブが交互に配列されながら等間隔に放射状に延びており、且つ、前記長尺リブが前記摩擦面の裏側の外周側から内周側まで連続している構成とし、前記摩擦材に形成した前記第１〜第３の押圧面のそれぞれの外周側の幅寸法を、隣接している一対の前記長尺リブの外周側のリブ間隔より大きな値に設定したことを特徴とするディスクブレーキ。A ventilation hole is formed between the inner surface of the sliding plate and the rib with a plurality of radially extending ribs interposed between the outer peripheral sides of the pair of opposed sliding plates, and the pair of sliding plates It consists of a ventilated rotor whose outer surface on the outer peripheral side of the moving plate is a friction surface, a substantially fan-shaped friction material in front view, and a back plate fixed to the back surface, and the friction material on the friction surface of the ventilated rotor In a disc brake comprising a pad that presses and suppresses rotation of the ventilated rotor,
At least two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are formed on the pressing surface of the friction material in contact with the friction surface of the ventilated rotor, and the pressing surface is formed by these slits. A first pressing surface positioned between the slits, a second pressing surface positioned between one slit in the circumferential direction of the rotor of the friction material, and the other slit from the other slit The ribs are divided into third pressing surfaces located between the ends of the ribs, the ribs extend radially at equal intervals while the long ribs and the short ribs are alternately arranged, and the long The rib is configured to be continuous from the outer peripheral side to the inner peripheral side on the back side of the friction surface, and the width dimension on the outer peripheral side of each of the first to third pressing surfaces formed on the friction material is adjacent. A pair of the long ribs Disc brake characterized by being set to a value greater than the rib spacing of the circumferential side.

前記摩擦材の押圧面に前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも前記２本のスリットを、互いに平行に形成したことを特徴とする請求項１記載のディスクブレーキ。2. The disc brake according to claim 1, wherein at least the two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are formed in parallel to each other on the pressing surface of the friction material.

前記摩擦材の押圧面に前記ベンチレーテッドロータの外周側から内周側に延びる少なくとも前記２本のスリットを、互いに略逆ハの字状に形成したことを特徴とする請求項１記載のディスクブレーキ。 2. The disk according to claim 1, wherein at least the two slits extending from the outer peripheral side to the inner peripheral side of the ventilated rotor are formed in a substantially reverse C shape on the pressing surface of the friction material. brake.