JP3665857B2 - 溶融金属中分散物の分離法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属中分散物の分離法に関する。特に、分散物として介在物や晶出物が存在する溶融金属に電磁振動を印加することにより、その時発生する電磁気力とは反対方向の斥力が介在物や晶出物に作用して介在物や晶出物同士の凝集、合体、粗大化を発生させ、介在物や晶出物の粒径が増大して介在物や晶出物の浮上あるいは沈降分離を促進し得るようにした溶融金属中分散物の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属の製造工程において、非金属介在物の混入あるいは晶出物の生成を避けることは難しい。これらの分散物(介在物や晶出物)は、金属材料の機械的性質を著しく低下させるため、その分離は金属の精錬分野において重要な技術的課題である。
実操業においては、分散物と溶融金属との密度差に基づく重力分離法を採用してきたが、その場合比較的粗大な分散物の分離は可能であるものの、微小な分散物の除去には長時間を必要とし、生産性の低下を招くという問題がある。そのため、微小分散物の合体を図り、分散物径を増大させて、その浮上あるいは沈降分離速度を大きくすることが求められている。
即ち、重力分離法で重要なパラメータである浮力あるいは沈降力は体積力であり、分散物の体積に比例して大きくなるが、粘性による抗力は分散物の表面積に比例する。そのため、ストークス則から明らかなように、分散物の浮上あるいは沈降の速度は粒径の2乗に比例する。即ち、分散物を粗大化させることができれば、その分離に要する時間を大幅に短縮できる。
【0003】
そこで、従来の方法として、特開平7−166253号に記載のように回転磁場を印加したり、特開平8−60263号に記載のように直流磁場と直流電流を印加して、一方向の電磁気力を発生させて分散物を分離する方法が提案されている。しかし、これらの方法では、分散物を粗大化させるために分散物を移動させる距離が長く、そのため分散物を分離させるには長時間が必要となり、実操業への適用は困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、分散物径の増大を促進して分散物が浮上あるいは沈降分離する時間を大幅に短縮した、溶融金属中分散物の分離法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、溶融金属に電磁振動を印加することにより、該溶融金属中に存在する分散物を凝集・合体させてその粗大化を図るようにした、金属中分散物の分離方法である。
上記構成によれば、溶融金属中に電磁振動を印加すると、分散物は非導電性であるので電磁気力を直接受けることはないが、分散物の周りの溶融金属が電磁気力を受けるため、分散物は電磁気力とは反対の方向の斥力を受ける。この斥力(電磁アルキメデス力と呼ぶ)により分散物は印加電磁気力と同じ周波数で振動する。この振動の大きさと周波数を制御することにより、分散物粒子の径を増大させることができ、分散物の浮上分離を加速することができる。
なお、分散物が非導電性であることは必ずしも必要としない。分散物の電気導電率が溶融金属と異なれば、同様の原理が適用可能である。
【0006】
本発明は、分散物が溶融金属中に存在する介在物である場合にも適用できる。また、分散物が溶融金属中に存在する晶出物である場合にも適用できる。
【0007】
本発明において、電磁振動は、静磁場と交流電流とを溶融金属に重畳印加して発生することを特徴とする。
また、交流磁場と直流電流とを溶融金属に重畳印加して電磁振動を発生させることもできる。
さらに、静磁場と交流磁場とを溶融金属に重畳印加することにより、電磁振動を発生させることもできる。
【0008】
前記電磁振動の周波数は、0.1Hz〜100Hzの範囲において適宜選択することができる。
【0009】
また、電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶鋼から介在物を凝集・合体させ浮上分離させることができる。
【0010】
上記構成の本発明の方法によれば、溶融金属中の分散物が速やかに凝集・合体して粗大化し、浮上分離する時間が大幅に短縮される。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の原理について詳細に説明する。
直流電流と直流磁場を印加した状態では、系内の電磁力分布により一方向の流動が生じる。いま思考対象系を単純化するために、大小二つの粒子が同一の流れに乗った状態を考える。ストークス則から明らかなように、大きい粒子の速度は小さい粒子の速度よりも大きいため、大きな粒子は小さな粒子を追い越す。このため、大小の粒子が衝突することになる。しかし、この2粒子が接近すると、2粒子間に存在する流体の排出粘性抵抗により粒子速度が激減するため、合体に長時間を要し、その結果、図1に示すように、大粒子の進行方向の前面に小粒子が集まるようになる。
次に、反転する電磁力を印加すると、逆方向の電磁アルキメデス力を受け、図2(A)〜(D)に示したように、粒子は逆方向に加速されつつ減速し、ついには移動方向を反転させる。
【0012】
以下に、電磁アルキメデス力が反転した直後から粒子の移動方向が反転するまでの粒子の移動距離を理論的に求める。
粒子の運動方程式は下記のように表すことができる。
【0013】
【数1】
【0014】
ここで、Fは外力、ρは分散物の密度、dは分散物の直径、μは粘性係数である。定常状態での粒子の速度uは、上記(数1)式の左辺を0とおいて、
【0015】
【数2】
【0016】
と求められる。電磁力が反転した直後の粒子の運動を考えると、運動方程式は下記(数3)式となる。
【0017】
【数3】
【0018】
電磁力が反転したために、Fの前にマイナスの記号がついている。上記(数3)式を初期条件t=0においてu=Fd2 /18μの下で解くと、下記(数4)式を得る。
【0019】
【数4】
【0020】
速度uが0になる、すなわち粒子が反転するまでに要する時間t1 は上記(数4)式から下記(数5)式となる。
【0021】
【数5】
【0022】
粒子の位置xは初期条件t=0においてx=0であるとして、上記(数4)式を積分して求められる。
【0023】
【数6】
【0024】
上記(数5)式を(数6)式に代入することにより、電磁力が反転してから粒子の移動方向が反転するまでに粒子が動く距離x1 を見積もることができる。
【0025】
【数7】
【0026】
(数7)式によると、直径100umの粒子のx1 は4.33umとなる。
【0027】
上記理論から明らかなように、大きい粒子ほど大きい慣性をもつため、大きい粒子と小さい粒子の移動方向が異なる期間が生まれる。この期間中には、2粒子が並進中より大きな力が粒子間の流体に作用し、流体の排出を促すことになる。すなわち、粒子の移動方向を反転させることにより、粒子同士の合体が促進される。
【0028】
なお、分散物が非導電性であることは必ずしも必要としない。分散物の電気導電率が溶融金属と異なれば、同様の原理が適用可能である。
【0029】
つぎに、本発明の実施例を述べる。
実施例1
装置としては、図3に示したように、加熱炉1にはアルミナ製反応管に抵抗発熱線を巻いて作った炉を用いた。この加熱炉1を、電磁石(発生する磁束密度は0.2Tである。)2内に配置した。約10gの試料Al−20mass%Si合金をアルミナ製容器3に入れ、それを加熱炉1内に配した。容器3の底部には直径2mmの穴を空け、そこに挿入した電極(タングステン棒)4と上部から溶融金属に浸漬した電極5との間に交流電源6から交流電流を通電して、溶融金属に電磁振動を与えた。なお、溶融金属の温度を検出するための熱電対7を用いている。
【0030】
試料であるAl−20mass%Si合金を昇温・溶解後、加熱炉1の抵抗発熱線への電流値を下げることにより試料(溶融金属)の温度を下げていった。試料温度が液相線真上の690℃になったところで、静磁場0.21T、交流電流密度2.11×105A/m2 (1Hz)を重畳印加して電磁振動を開始し、試料温度が680℃、670℃、660℃、650℃となった時点で振動を停止した。その後速やかに試料を加熱炉1から取り出し、一定時間空冷の後水冷した。
【0031】
各条件で得られた試料の中央部横断面の組織写真を図4乃至図7に、分散物の平均粒子径分布を図8に示す。図4(A)及び(B)はそれぞれ、試料の温度が650℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。図5(A)及び(B)は、試料の温度が660℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。図6(A)及び(B)は、試料の温度が670℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。図7(A)及び(B)は、試料の温度が680℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。また、図8は、上記各実験条件での電磁振動が無印加の場合と印加した場合の分散物の平均粒子径を示している。
【0032】
これらの図から明らかなように、電磁振動を印加することにより分散物である初晶シリコンが粗大化していることが分かる。電磁振動停止温度を低くする、即ち電磁振動印加時間を長くするにつれて、電磁振動による効果が顕著になっている。
【0033】
図9は、上記各実験条件における分散物の粒子径分布を示している。なお、曲線は、ガウス分布を仮定して、画像解析結果に基づいて描いてある。横軸は20μmずつ刻んだ粒子径の範囲(例えば、横軸の20は0〜20μmの粒子径)を表し、縦軸はその範囲に存在する粒子個数を全個数で割った値である。これらの図を見ると、微小な粒子が合体して粒子径が粗大化したことがわかる。
【0034】
実施例2
実施例1と同じ装置を用い、実施例1と同じ試料であるAl−20mass%Si合金を690℃に昇温・溶解後、加熱炉1の抵抗発熱線への電流値を下げることにより試料(溶融金属)の温度を下げていった。試料温度が液相線真上の680℃になったところで、静磁場0.21T、交流電流密度2.11×105 A/m2 (1Hz)を重畳印加して電磁振動を開始し、試料温度が660℃となった時点で振動を停止した。その後、速やかに試料を加熱炉1から取り出し、一定時間空冷の後水冷した。そして、電磁振動の周波数を、0.5Hz、1Hz、5Hz、10Hz、100Hzと変化させた。
【0035】
各周波数において得られた試料の中央部横断面図の組織写真を図10乃至図12に、分散物の平均粒子径分布を図13に示す。
これらの図から明らかなように、電磁振動数が1Hzのときに粒子径の増大が確認できる。
【0036】
図14及び図15は、各実験条件における分散物の粒子径分布を示している。それらの中で1Hz時の粒子径分布から、微小粒子が合体して粗大化したことがわかり、最適周波数が存在することがわかる。
【0037】
なお、電磁振動の発生方式としては、上記のように静磁場と交流電流の重畳印加によるもの以外に、交流磁場と直流電流の重畳印加によるもの、静磁場と交流磁場との重畳印加によるものでも良い。
【0038】
本発明の溶融金属中分散物の分離法は電磁誘導加熱源を具備するタンディシュにも適用できる。
図16は、従来の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュの構成を示す模式図である。従来の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュは、交流電源10でコイル11を駆動し、コイル11を貫いて配設される磁性体コア12に交流磁束を誘起し、磁性体コア12に交叉して配設されるループ状の配管13中の溶融金属14に交流電流を誘起して溶融金属14を加熱している。
【0039】
一方、図17は、本発明の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶融金属の分散物を除去する方法を示す図である。
図において、15はループ状の配管13の一部を貫いて磁束が印加されるように配置した静磁場印加装置であり、この例の場合は永久磁石である。もちろん電磁石でも良い。溶融金属14は、磁性体コア12の交流磁束による配管13の管軸方向に沿った交流電流と静磁場印加装置15による静磁場とにより、交流電流と静磁場とに垂直な方向に電磁振動するので、溶融金属14中の分散物が速やかに粗大化し浮上あるいは沈降分離することができる。このように、電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場印加装置を付加するのみで、容易に溶融金属の純度を高めることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、電磁振動によって発生する電磁アルキメデス力の振動により、大きい粒子と小さい粒子の移動方向が異なる期間が生まれ、この期間中に、2粒子が並進中より大きな力で粒子間の流体に作用し流体の排出を促すので、粒子同士の合体が促進される。合体が促進されるので分散物の粗大化が速やかに進み、浮上分離が短時間で行える。
したがって、この場合、金属の製錬分野に使用すれば極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属中の分散物の分離法の原理説明図である。
【図2】本発明による金属中の分散物の分離法の原理説明図であり、電磁アルキメデス力の反転前後の粒子の運動状況を示している。
【図3】本発明方法を実施する装置の一例を示す概略斜視図である。
【図4】第1実施例における各試料の中央部横断面の組織写真であり、(A)及び(B)は、試料の温度が650℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図5】図4と同様の写真で、(A)及び(B)は、試料の温度が660℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図6】図4と同様の写真で、(A)及び(B)は、試料の温度が670℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図7】図4と同様の写真で、(A)及び(B)は、試料の温度が680℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図8】第1実施例における、分散物の平均粒子径の処理時間依存性を示すグラフである。
【図9】第1実施例における、分散物の粒子径分布の処理時間依存性を示すグラフである。
【図10】第2実施例における各試料の中央部横断面の組織写真で、(A)は電磁振動が無印加の場合、(B)は青磁場のみの場合を示す。電磁振動の周波数を、0.5Hz、1Hz、5Hz、10Hz、100Hzと変化させた。
【図11】第2実施例における各試料の中央部横断面の組織写真で、(A),(B)は電磁振動の周波数がそれぞれ、0.5Hz及び1Hzの場合を示す。
【図12】第2実施例における各試料の中央部横断面の組織写真で、(A),(B)及び(C)は、電磁振動の周波数がそれぞれ、5Hz、10Hz、及び100Hzの場合を示す。
【図13】第2実施例における分散物の平均粒子径の周波数依存性を示すグラフである。
【図14】第2実施例における分散物の粒子径分布の周波数依存性を示すグラフである。
【図15】第2実施例における分散物の粒子径分布の周波数依存性を示すグラフである。
【図16】従来の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュの構成を示す模式図である。
【図17】本発明の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶融金属の分散物を除去する方法を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱炉
2 電磁石
3 容器
4,5 電極
6 交流電源
7 熱電対
10 交流電源
11 コイル
12 磁性体コア
13 配管
14 溶融金属
15 静磁場印加装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属中分散物の分離法に関する。特に、分散物として介在物や晶出物が存在する溶融金属に電磁振動を印加することにより、その時発生する電磁気力とは反対方向の斥力が介在物や晶出物に作用して介在物や晶出物同士の凝集、合体、粗大化を発生させ、介在物や晶出物の粒径が増大して介在物や晶出物の浮上あるいは沈降分離を促進し得るようにした溶融金属中分散物の分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属の製造工程において、非金属介在物の混入あるいは晶出物の生成を避けることは難しい。これらの分散物(介在物や晶出物)は、金属材料の機械的性質を著しく低下させるため、その分離は金属の精錬分野において重要な技術的課題である。
実操業においては、分散物と溶融金属との密度差に基づく重力分離法を採用してきたが、その場合比較的粗大な分散物の分離は可能であるものの、微小な分散物の除去には長時間を必要とし、生産性の低下を招くという問題がある。そのため、微小分散物の合体を図り、分散物径を増大させて、その浮上あるいは沈降分離速度を大きくすることが求められている。
即ち、重力分離法で重要なパラメータである浮力あるいは沈降力は体積力であり、分散物の体積に比例して大きくなるが、粘性による抗力は分散物の表面積に比例する。そのため、ストークス則から明らかなように、分散物の浮上あるいは沈降の速度は粒径の2乗に比例する。即ち、分散物を粗大化させることができれば、その分離に要する時間を大幅に短縮できる。
【0003】
そこで、従来の方法として、特開平7−166253号に記載のように回転磁場を印加したり、特開平8−60263号に記載のように直流磁場と直流電流を印加して、一方向の電磁気力を発生させて分散物を分離する方法が提案されている。しかし、これらの方法では、分散物を粗大化させるために分散物を移動させる距離が長く、そのため分散物を分離させるには長時間が必要となり、実操業への適用は困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、分散物径の増大を促進して分散物が浮上あるいは沈降分離する時間を大幅に短縮した、溶融金属中分散物の分離法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、溶融金属に電磁振動を印加することにより、該溶融金属中に存在する分散物を凝集・合体させてその粗大化を図るようにした、金属中分散物の分離方法である。
上記構成によれば、溶融金属中に電磁振動を印加すると、分散物は非導電性であるので電磁気力を直接受けることはないが、分散物の周りの溶融金属が電磁気力を受けるため、分散物は電磁気力とは反対の方向の斥力を受ける。この斥力(電磁アルキメデス力と呼ぶ)により分散物は印加電磁気力と同じ周波数で振動する。この振動の大きさと周波数を制御することにより、分散物粒子の径を増大させることができ、分散物の浮上分離を加速することができる。
なお、分散物が非導電性であることは必ずしも必要としない。分散物の電気導電率が溶融金属と異なれば、同様の原理が適用可能である。
【0006】
本発明は、分散物が溶融金属中に存在する介在物である場合にも適用できる。また、分散物が溶融金属中に存在する晶出物である場合にも適用できる。
【0007】
本発明において、電磁振動は、静磁場と交流電流とを溶融金属に重畳印加して発生することを特徴とする。
また、交流磁場と直流電流とを溶融金属に重畳印加して電磁振動を発生させることもできる。
さらに、静磁場と交流磁場とを溶融金属に重畳印加することにより、電磁振動を発生させることもできる。
【0008】
前記電磁振動の周波数は、0.1Hz〜100Hzの範囲において適宜選択することができる。
【0009】
また、電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶鋼から介在物を凝集・合体させ浮上分離させることができる。
【0010】
上記構成の本発明の方法によれば、溶融金属中の分散物が速やかに凝集・合体して粗大化し、浮上分離する時間が大幅に短縮される。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の原理について詳細に説明する。
直流電流と直流磁場を印加した状態では、系内の電磁力分布により一方向の流動が生じる。いま思考対象系を単純化するために、大小二つの粒子が同一の流れに乗った状態を考える。ストークス則から明らかなように、大きい粒子の速度は小さい粒子の速度よりも大きいため、大きな粒子は小さな粒子を追い越す。このため、大小の粒子が衝突することになる。しかし、この2粒子が接近すると、2粒子間に存在する流体の排出粘性抵抗により粒子速度が激減するため、合体に長時間を要し、その結果、図1に示すように、大粒子の進行方向の前面に小粒子が集まるようになる。
次に、反転する電磁力を印加すると、逆方向の電磁アルキメデス力を受け、図2(A)〜(D)に示したように、粒子は逆方向に加速されつつ減速し、ついには移動方向を反転させる。
【0012】
以下に、電磁アルキメデス力が反転した直後から粒子の移動方向が反転するまでの粒子の移動距離を理論的に求める。
粒子の運動方程式は下記のように表すことができる。
【0013】
【数1】
【0014】
ここで、Fは外力、ρは分散物の密度、dは分散物の直径、μは粘性係数である。定常状態での粒子の速度uは、上記(数1)式の左辺を0とおいて、
【0015】
【数2】
【0016】
と求められる。電磁力が反転した直後の粒子の運動を考えると、運動方程式は下記(数3)式となる。
【0017】
【数3】
【0018】
電磁力が反転したために、Fの前にマイナスの記号がついている。上記(数3)式を初期条件t=0においてu=Fd2 /18μの下で解くと、下記(数4)式を得る。
【0019】
【数4】
【0020】
速度uが0になる、すなわち粒子が反転するまでに要する時間t1 は上記(数4)式から下記(数5)式となる。
【0021】
【数5】
【0022】
粒子の位置xは初期条件t=0においてx=0であるとして、上記(数4)式を積分して求められる。
【0023】
【数6】
【0024】
上記(数5)式を(数6)式に代入することにより、電磁力が反転してから粒子の移動方向が反転するまでに粒子が動く距離x1 を見積もることができる。
【0025】
【数7】
【0026】
(数7)式によると、直径100umの粒子のx1 は4.33umとなる。
【0027】
上記理論から明らかなように、大きい粒子ほど大きい慣性をもつため、大きい粒子と小さい粒子の移動方向が異なる期間が生まれる。この期間中には、2粒子が並進中より大きな力が粒子間の流体に作用し、流体の排出を促すことになる。すなわち、粒子の移動方向を反転させることにより、粒子同士の合体が促進される。
【0028】
なお、分散物が非導電性であることは必ずしも必要としない。分散物の電気導電率が溶融金属と異なれば、同様の原理が適用可能である。
【0029】
つぎに、本発明の実施例を述べる。
実施例1
装置としては、図3に示したように、加熱炉1にはアルミナ製反応管に抵抗発熱線を巻いて作った炉を用いた。この加熱炉1を、電磁石(発生する磁束密度は0.2Tである。)2内に配置した。約10gの試料Al−20mass%Si合金をアルミナ製容器3に入れ、それを加熱炉1内に配した。容器3の底部には直径2mmの穴を空け、そこに挿入した電極(タングステン棒)4と上部から溶融金属に浸漬した電極5との間に交流電源6から交流電流を通電して、溶融金属に電磁振動を与えた。なお、溶融金属の温度を検出するための熱電対7を用いている。
【0030】
試料であるAl−20mass%Si合金を昇温・溶解後、加熱炉1の抵抗発熱線への電流値を下げることにより試料(溶融金属)の温度を下げていった。試料温度が液相線真上の690℃になったところで、静磁場0.21T、交流電流密度2.11×105A/m2 (1Hz)を重畳印加して電磁振動を開始し、試料温度が680℃、670℃、660℃、650℃となった時点で振動を停止した。その後速やかに試料を加熱炉1から取り出し、一定時間空冷の後水冷した。
【0031】
各条件で得られた試料の中央部横断面の組織写真を図4乃至図7に、分散物の平均粒子径分布を図8に示す。図4(A)及び(B)はそれぞれ、試料の温度が650℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。図5(A)及び(B)は、試料の温度が660℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。図6(A)及び(B)は、試料の温度が670℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。図7(A)及び(B)は、試料の温度が680℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。また、図8は、上記各実験条件での電磁振動が無印加の場合と印加した場合の分散物の平均粒子径を示している。
【0032】
これらの図から明らかなように、電磁振動を印加することにより分散物である初晶シリコンが粗大化していることが分かる。電磁振動停止温度を低くする、即ち電磁振動印加時間を長くするにつれて、電磁振動による効果が顕著になっている。
【0033】
図9は、上記各実験条件における分散物の粒子径分布を示している。なお、曲線は、ガウス分布を仮定して、画像解析結果に基づいて描いてある。横軸は20μmずつ刻んだ粒子径の範囲(例えば、横軸の20は0〜20μmの粒子径)を表し、縦軸はその範囲に存在する粒子個数を全個数で割った値である。これらの図を見ると、微小な粒子が合体して粒子径が粗大化したことがわかる。
【0034】
実施例2
実施例1と同じ装置を用い、実施例1と同じ試料であるAl−20mass%Si合金を690℃に昇温・溶解後、加熱炉1の抵抗発熱線への電流値を下げることにより試料(溶融金属)の温度を下げていった。試料温度が液相線真上の680℃になったところで、静磁場0.21T、交流電流密度2.11×105 A/m2 (1Hz)を重畳印加して電磁振動を開始し、試料温度が660℃となった時点で振動を停止した。その後、速やかに試料を加熱炉1から取り出し、一定時間空冷の後水冷した。そして、電磁振動の周波数を、0.5Hz、1Hz、5Hz、10Hz、100Hzと変化させた。
【0035】
各周波数において得られた試料の中央部横断面図の組織写真を図10乃至図12に、分散物の平均粒子径分布を図13に示す。
これらの図から明らかなように、電磁振動数が1Hzのときに粒子径の増大が確認できる。
【0036】
図14及び図15は、各実験条件における分散物の粒子径分布を示している。それらの中で1Hz時の粒子径分布から、微小粒子が合体して粗大化したことがわかり、最適周波数が存在することがわかる。
【0037】
なお、電磁振動の発生方式としては、上記のように静磁場と交流電流の重畳印加によるもの以外に、交流磁場と直流電流の重畳印加によるもの、静磁場と交流磁場との重畳印加によるものでも良い。
【0038】
本発明の溶融金属中分散物の分離法は電磁誘導加熱源を具備するタンディシュにも適用できる。
図16は、従来の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュの構成を示す模式図である。従来の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュは、交流電源10でコイル11を駆動し、コイル11を貫いて配設される磁性体コア12に交流磁束を誘起し、磁性体コア12に交叉して配設されるループ状の配管13中の溶融金属14に交流電流を誘起して溶融金属14を加熱している。
【0039】
一方、図17は、本発明の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶融金属の分散物を除去する方法を示す図である。
図において、15はループ状の配管13の一部を貫いて磁束が印加されるように配置した静磁場印加装置であり、この例の場合は永久磁石である。もちろん電磁石でも良い。溶融金属14は、磁性体コア12の交流磁束による配管13の管軸方向に沿った交流電流と静磁場印加装置15による静磁場とにより、交流電流と静磁場とに垂直な方向に電磁振動するので、溶融金属14中の分散物が速やかに粗大化し浮上あるいは沈降分離することができる。このように、電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場印加装置を付加するのみで、容易に溶融金属の純度を高めることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、電磁振動によって発生する電磁アルキメデス力の振動により、大きい粒子と小さい粒子の移動方向が異なる期間が生まれ、この期間中に、2粒子が並進中より大きな力で粒子間の流体に作用し流体の排出を促すので、粒子同士の合体が促進される。合体が促進されるので分散物の粗大化が速やかに進み、浮上分離が短時間で行える。
したがって、この場合、金属の製錬分野に使用すれば極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属中の分散物の分離法の原理説明図である。
【図2】本発明による金属中の分散物の分離法の原理説明図であり、電磁アルキメデス力の反転前後の粒子の運動状況を示している。
【図3】本発明方法を実施する装置の一例を示す概略斜視図である。
【図4】第1実施例における各試料の中央部横断面の組織写真であり、(A)及び(B)は、試料の温度が650℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図5】図4と同様の写真で、(A)及び(B)は、試料の温度が660℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図6】図4と同様の写真で、(A)及び(B)は、試料の温度が670℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図7】図4と同様の写真で、(A)及び(B)は、試料の温度が680℃に下がるまで電磁振動が無印加の場合と印加した場合とを示している。
【図8】第1実施例における、分散物の平均粒子径の処理時間依存性を示すグラフである。
【図9】第1実施例における、分散物の粒子径分布の処理時間依存性を示すグラフである。
【図10】第2実施例における各試料の中央部横断面の組織写真で、(A)は電磁振動が無印加の場合、(B)は青磁場のみの場合を示す。電磁振動の周波数を、0.5Hz、1Hz、5Hz、10Hz、100Hzと変化させた。
【図11】第2実施例における各試料の中央部横断面の組織写真で、(A),(B)は電磁振動の周波数がそれぞれ、0.5Hz及び1Hzの場合を示す。
【図12】第2実施例における各試料の中央部横断面の組織写真で、(A),(B)及び(C)は、電磁振動の周波数がそれぞれ、5Hz、10Hz、及び100Hzの場合を示す。
【図13】第2実施例における分散物の平均粒子径の周波数依存性を示すグラフである。
【図14】第2実施例における分散物の粒子径分布の周波数依存性を示すグラフである。
【図15】第2実施例における分散物の粒子径分布の周波数依存性を示すグラフである。
【図16】従来の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュの構成を示す模式図である。
【図17】本発明の電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶融金属の分散物を除去する方法を示す図である。
【符号の説明】
1 加熱炉
2 電磁石
3 容器
4,5 電極
6 交流電源
7 熱電対
10 交流電源
11 コイル
12 磁性体コア
13 配管
14 溶融金属
15 静磁場印加装置
Claims (9)
- 溶融金属に電磁振動を印加することにより、該溶融金属中に存在する分散物を凝集・合体させることを特徴とする、溶融金属中分散物の分離方法。
- 前記分散物が、前記溶融金属中に存在する介在物であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融金属中分散物の分離方法。
- 前記分散物が、前記溶融金属中に存在する晶出物であることを特徴とする、請求項1に記載の溶融金属中分散物の分離方法。
- 前記電磁振動を、静磁場と交流電流とを前記溶融金属に重畳印加することにより発生させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属中分散物の分離方法。
- 前記電磁振動を、交流磁場と直流電流とを前記溶融金属に重畳印加することにより発生させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属中分散物の分離方法。
- 前記電磁振動を、静磁場と交流磁場とを前記溶融金属に重畳印加することにより発生させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融金属中分散物の分離方法。
- 前記電磁振動の周波数は、0.1Hz〜100Hzであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の溶融金属中分散物の分離方法。
- 電磁誘導加熱源を具備するタンディシュに静磁場を印加して溶融金属から分散物を凝集・合体させ浮上または沈降分離させることを特徴とする、溶融金属中の分散物の分離方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の方法を用いることを特徴とする、溶融金属中分散物の分離装置。
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