JP3662446B2 - 2周波共用フィード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は2周波共用フィードに関し、特に2つの周波数帯の信号を送信あるいは受信するパラボラアンテナに用いられる2周波共用フィードに関する。
【0002】
【従来の技術】
衛星放送や衛星通信に使用される周波数帯は、Cバンド(3.4〜4.2GHz)や、Kuバンド(10.7〜14.5GHz)などが多く用いられている。今後は、通信の高速化やマルチメディア化に伴い、高速かつ広帯域の通信に適したKaバンド(17.7〜21.2GHz)が徐々に利用される方向にある。
【0003】
通常、これらの周波数帯の信号を送信あるいは受信するために用いられるアンテナは、パラボラアンテナが多く用いられる。パラボラアンテナは送信あるいは受信する周波数帯域の違いによって、1次放射器の大きさや、電気的な仕様が異なってくる。これらの仕様の違いは、主に使用される信号の波長の違いにより定まる。
【0004】
一方、電波の有効利用の1つとして、直交する2つの偏波を同時に利用する方法がある。2つの偏波とは、直線偏波であれば水平偏波と垂直偏波であり、円偏波であれば右旋円偏波と左旋円偏波である。水平偏波と垂直偏波または右旋円偏波と左旋円偏波とは、電界方向が互いに直交する関係にあるため干渉しにくく、全く異なる信号として扱うことができる。したがって、限られた周波数帯域に対して電波を有効に利用することができる。現在では、2つの偏波を利用したアンテナやローノイズブロックダウンコンバータが多く使われており、たとえば、国内のCS放送受信アンテナや、海外の衛星放送受信アンテナのほとんどで、この2つの偏波を共用する方式が採用されている。
【0005】
2つの周波数帯域それぞれの2つの偏波を利用したアンテナが、特開昭58−172002号公報に記載されている。図21は、従来のパラボラアンテナに用いられる1次放射器の横断面を含む斜視図である。図21を参照して、従来の1次放射器は、電磁ホーン部203と、低い周波数帯用の円形導波管202と、高い周波数帯用の円形導波管201とを含む。低い周波数帯用の円形導波管202は、給電用として水平偏波用の矩形導波管221と垂直偏波用の矩形導波管222とを備える。高い周波数帯用の円形導波管201は、給電用として水平偏波用の矩形導波管212と垂直偏波用の矩形導波管211とを備える。また、高い周波数帯用の円形導波管201は、円孔状のモードフィルタ231,232,233をさらに含む。
【0006】
高い周波数帯用の円形導波管201と低い周波数帯用の円形導波管202とは、それぞれの周波数帯で給電部が最良の状態で動作するように直径が定められ、高い周波数帯用の円形導波管201の直径は、低い周波数帯用の円形導波管202の直径よりも小さい。この直径の違いは、低い周波数帯の信号を低い周波数帯用の円形導波管202のみで給電されるようにし、高い周波数帯の信号を円形導波管202と円形導波管201とを通過させるためである。しかし、低い周波数帯用の円形導波管202と高い周波数帯用の円形導波管201とは、直径が異なるため、そのつなぎ目部分で段差が生じ、高い周波数帯の信号は段差の部分で特性インピーダンスの不整合を起こす。この段差の部分における高い周波数帯の信号の特性インピーダンスを整合させるため、円孔状のモードフィルタ231,232,233が設けられている。
【0007】
この円孔状のモードフィルタが、高い周波数帯用と低い周波数帯用の2つの導波管の特性インピーダンス整合器と働くとともに、低い周波数帯用の円形導波管202の反射(短絡回路)として働く。
【0008】
なお、ここでは、1次放射器というときは、電磁ホーン部と導波管を含むものとし、1次放射器から電磁ホーン部を除いた部分をフィードと呼ぶ。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の1次放射器は、モードフィルタ231,232,233がその中心に円形の孔を有する形状であるため、導波管の構造が複雑になる。このため、1台の金型で導波管を製造することができず、いくつかの部品を組立てることにより製造しなければならなかった。したがって、量産性に劣り、製造コストが高くなるものであった。
【0010】
また、給電される矩形導波管211,212,221,222が、それぞれ円形導波管201,202に対して垂直な位置に構成されるため、1次放射器の製品自体の形状が大きくなるという問題があった。また、金型構造が複雑となり、金型のコスト高となるとともに、1次放射器の製造が困難であるといった問題もあった。
【0011】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構造の金型を用いて容易に製造することができ、安価でかつ形状の小さい2周波共用フィードを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するためにこの発明のある局面に従うと2周波共用フィードは、2つの周波数帯の信号を送信あるいは受信するために用いられる2周波共用フィードであって、第1の内径の第1導波管と、第1の内径よりも大きい第2の内径の第2導波管と、第1導波管と第2導波管の間に設けられ、第1の内径より大きく第2の内径より小さい第3の内径のステップ変換部と、第1導波管のステップ変換部と反対側の端に設けられた第1反射板と、第1導波管に設けられ、高い周波数帯の第1の信号が給電される第1プローブと、第2導波管に設けられ、低い周波数帯の第2の信号が給電される第2プローブと、第1導波管に設けられ、第1導波管の軸方向に第1の長さだけ第1プローブと離れた位置に配置された高い周波数帯の第3の信号が給電される第3プローブと、第1反射板上に設けられ、第1導波管の軸方向に第1の長さを有し、第3プローブと平行に配置された第2反射板と、第2導波管内に設けられ、第2導波管の軸方向に第2の長さだけ第2プローブと離れた位置に配置された低い周波数帯の第4の信号が給電される第4プローブと、第2導波管のステップ変換部側の端に設けられ、第2導波管の軸方向に第2の長さを有し、第4プローブと平行な方向に対向して配置された2つの第3反射板とを備え、2つの第3反射板間の距離は、ステップ変換部の第2導波管と接する部分の直径と同じであり、第1導波管、第2導波管およびステップ変換部を同軸上に配置したことを特徴とする。
【0015】
この発明の他の局面に従うと2周波共用フィードは、2つの周波数帯の信号を送信あるいは受信するために用いられる2周波共用フィードであって、断面が正方形の第1導波管と、断面が第1導波管の断面より大きい正方形の第2導波管と第1導波管と第2導波管との間に設けられ、断面が第1導波管の断面より大きく第2導波管の断面より小さい正方形のステップ変換部と、第1導波管のステップ変換部と反対側の端に設けられた第1反射板と、第1導波管に設けられ、高い周波数帯の第1の信号が給電される第1プローブと、第2導波管に設けられ、低い周波数帯の第2の信号が給電される第2プローブと、第1導波管に設けられ、第1導波管の軸方向に第1の長さだけ第1プローブと離れた位置に配置された高い周波数帯の第3の信号が給電される第3プローブと、第1反射板上に設けられ、第1導波管の軸方向に第1の長さを有し、第3プローブと平行に配置された第2反射板と、第2導波管に設けられ、第2導波管の軸方向に第2の長さだけ第2プローブと離れた位置に配置された低い周波数帯の第4の信号が給電される第4プローブと、第2導波管のステップ変換部側の端に設けられ、第2導波管の軸方向に第2の長さを有し、第4プローブと平行な方向に対向して配置された2つの第3反射板とを備え、2つの第3反射板間の距離は、ステップ変換部の第2導波管と接する部分における断面正方形の一辺の長さと同じであり、第1導波管、第2導波管およびステップ変換部を同軸上に配置したことを特徴とする。
【0018】
さらに好ましくは2周波共用フィードは、第1導波管の所定の位置に設けられた第1円偏波変換部と、第2導波管の所定の位置に設けられた第2円偏波変換部とをさらに備える。
【0019】
さらに好ましくは2周波共用フィードは、第1および第2の円偏波変換部は、誘電体板であり、直交する面上に配置されることを特徴とする。
【0020】
さらに好ましくは2周波共用フィードは、第1および第の2円偏波変換部は、複数本の金属ビスであることを特徴とする。
【0021】
これらの発明に従うと2周波共用フィードは、簡単な構造の金型を用いて容易に製造することができ、安価でかつ形状の小さい2周波共用フィードを提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態における1次放射器について説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示す。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態における1次放射器が用いられるパラボラアンテナを示す概略図である。図1を参照して、パラボラアンテナは、1つの焦点を有する反射鏡103と、1次放射器100とより構成される。1次放射器100は、電磁ホーン部3と2周波共用フィード101とを含む。1次放射器100の電磁ホーン部3は、反射鏡103の焦点に設置される。このため、衛星放送等の電波は、反射鏡で反射され、1次放射器に入力されるまでの路長がどの経路においても同じであり、同位相で入力される。
【0024】
1次放射器100には、ローノイズブロックダウンコンバータ102が接続されている。1次放射器100で受信された信号は、ローノイズブロックダウンコンバータ102によって増幅および周波数変換が行なわれる。なお、パラボラアンテナを送信アンテナとして使用する場合は、ローノイズブロックダウンコンバータ102に代えて、トランスミッタを1次放射器101に接続するようにすればよい。この場合には、トランスミッタからの出力信号が、1次放射器から出力され、反射鏡103で反射されることにより送信される。
【0025】
1次放射器は、パラボラアンテナを送信アンテナとして使用する場合と、受信アンテナとして使用する場合とで構成が同じなので、以下、パラボラアンテナを受信アンテナとして使用する場合の1次放射器について述べる。
【0026】
図2は、第1の実施の形態における1次放射器100の斜視図である。図3は、1次放射器100の横断面図である。図2および図3を参照して、1次放射器100は、反射板16と、高い周波数帯用の第1導波管1と、ステップ変換器4と、低い周波数帯用の第2導波管2と、電磁ホーン部3とを含む。1次放射器100から電磁ホーン部3を除いた部分で2周波共用フィードが構成される。
【0027】
第1導波管1は、中空の円筒であり、その内径は、第1導波管の遮断周波数により定まる。第1導波管1の一端は、反射板16が取付けられており、他端には、ステップ変換器4が取付けられている。ステップ変換器4の他端には、低い周波数帯用の第2導波管2が接続されている。第2導波管2は、中空の円筒であり、その内径は、遮断周波数により定められる。
【0028】
ここで、第1導波管1で受信する電波(高い周波数帯)の第1導波管内の波長をλ1とし、第2導波管2で受信する電波(低い周波数帯)の第2導波管内の波長をλ2とする。
【0029】
第1導波管1の反射板16からλ1/4だけ離れた位置に、高い周波数帯の電波を受信するための第1プローブ11が設けられる。第2導波管のステップ変換器4からλ2/4だけ離れた位置に低い周波数帯の電波を受信するための第2プローブ21が設けられる。一般的に、導波管からプローブに有効に給電するためには、プローブから導波管内波長λの1/4の距離に反射を設けることが必要とされるからである。
【0030】
また、第1プローブ11と第2プローブ21とは、お互いに直交する方向に配置される。
【0031】
ステップ変換器4は、第1導波管1の特性インピーダンスと第2導波管2の特性インピーダンスを整合させるための整合器である。第1導波管1と第2導波管2の内径が異なるため、それぞれの特性インピーダンスに差が生じる。2つの導波管の特性インピーダンスが整合していないと、高い周波数帯の電波は、内径が変化する段差の部分で反射してしまう。本実施の形態においては、ステップ変換器4を第1導波管1と第2導波管2との間に設けることにより、第1導波管の特性インピーダンスと第2導波管の特性インピーダンスを整合させる。これにより、高い周波数帯の信号は、ステップ変換器4で反射することなく、第1導波管に進入することができる。
【0032】
ここで、円形導波管の特性インピーダンスZは次式(1)で表わされる。また、第1導波管1の特性インピーダンスをZ1とし、第2導波管2の特性インピーダンスをZ2としたとき、ステップ変換器4の特性インピーダンスZ0は、次式(2)で表わされる。
【0033】
【数1】
Figure 0003662446
【0034】
このとき、ステップ変換器4の特性インピーダンスZ0から導き出されるステップ変換器4内の波長λ3から、ステップ変換器4の軸方向の長さLが定められる。長さLは、好ましくは、λ3/4である。
【0035】
第1導波管1と第2導波管2とステップ変換器4とは、それぞれの軸が同じ直線を通るように接続される。
【0036】
次に、1次放射器100での電波の受信について説明する。高い周波数帯の信号(波長λ1)は、電磁ホーン部3に入ってきて、第2導波管2を通り、ステップ変換器4に進入する。ステップ変換器4は、第1導波管1と第2導波管2の特性インピーダンスを整合させるため、高い周波数帯の信号は、ステップ変換器4で反射することなく第1導波管1へ進入する。第1導波管1に進入した信号は、第1プローブ11に給電される。
【0037】
低い周波数帯の信号(波長λ2)は、電磁ホーン部3に入ってきて第2導波管を通り、第2プローブ21に給電される。このとき、ステップ変換器4の内径は、第2導波管2の内径より小さいので、低い周波数帯に対してはカットオフとなる。このため、低い周波数帯の信号はステップ変換器4を通過することなく反射する。
【0038】
第1プローブ11に給電された信号は高い周波数帯用のローノイズブロックコンバータに供給される。第2プローブ21に給電された信号は、低い周波数帯用のローノイズブロックダウンコンバータに供給される。
【0039】
以上説明したとおり、第1の実施の形態における1次放射器100では、2つの異なる周波数帯の直線偏波を送信または受信することができる。
【0040】
また、本実施の形態における1次放射器100では、高い周波数帯用の第1導波管1と、低い周波数帯用の第2導管2との間に、第1導波管1の特性インピーダンスと第2導波管2の特性インピーダンスとを整合させるためのステップ変換器4を設けた。これにより、低い周波数帯の信号は、第2プローブ21で良好に給電され、高い周波数帯の信号は第1プローブ11に良好に給電される。
【0041】
さらに、ステップ変換器4を円筒形状としたため、ステップ変換器4の軸方向の長さを導波管内波長の4分の1とすることができる。このため、1次放射器100の軸方向の長さをできるだけ短くすることができる。
【0042】
また、第1導波管1とステップ変換器4と第2導波管2とを、それぞれ円筒形状としたため、簡単な構成とすることができる。さらに、構成が簡単なので、2周波共用フィードを製造するための金型を容易に製造することができ、金型のコストを安くすることができる。さらに、2周波共用フィードの構成を簡単にしたので、容易に製造することができ、製造コストを低減させることができる。
【0043】
なお、第1の実施の形態における1次放射器は、第1プローブ11と第2プローブ21とを互いに直交する方向に配置したが、これは受信あるいは送信する偏波に合せて配置したためである。通常、低い周波数帯と高い周波数帯の信号のアイソレーションができるだけ高くとれるように、異なる偏波が使用される。したがって、プローブの方向は、受信あるいは送信する偏波に応じて定まる。このため、2つのプローブの方向は必ずしも垂直である必要はなく、平行であっても構わない。
【0044】
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態における1次放射器について説明する。図4は、第2の実施の形態における1次放射器110の斜視図である。図4を参照して、1次放射器110は、第1の実施の形態における1次放射器100の第1導波管1内に第1円偏波変換器として第1誘電体板13を設け、第2導波管2内に第2円偏波変換器として第2誘電体板23を設けたものである。その他の構成については第1の実施の形態における1次放射器100と同じなので、ここでの説明は繰返さない。
【0045】
第1の実施の形態における1次放射器100が直線偏波を受信あるいは送信するために用いられるのに対し、第2の実施の形態における1次放射器110は、円偏波を受信あるいは送信するために用いられる。
【0046】
図5は、第2の実施の形態における1次放射器110の正面図である。図5を参照して、第1誘電体板13は、第1導波管1内に設けられ、第1プローブ11とステップ変換器4との間に第1プローブ11に対して45°の角度で配置される。第2誘電体板23は、第2導波管2内に設けられ、第2プローブ21と電磁ホーン部3との間に第2プローブ21に対して45°の角度で配置される。第1誘電体板13と第2誘電体板23とは、所定の形状を有し、誘電体板13,23と平行な方向の電界の位相を遅らせる働きをする。
【0047】
図6は、第2の実施の形態における第2導波管2の正面図である。図6を参照して円偏波について説明する。円偏波は、直交する2つの直線偏波E1およびE2のベクトル合成された電界Eである。2つの直線偏波E1,E2の位相がお互いに90°ずれている場合に円偏波となる。一方、直交する2つの直線偏波E1,E2の位相が同相の場合は直線偏波となる。このように、直交する2つの直線偏波E1,E2の位相を90°ずれている状態から同相にすることによって円偏波を直線偏波に変換することができる。逆に同相の状態から90°ずれた状態にすることによって、直線偏波を円偏波に変換することができる。
【0048】
プローブ11,21で受信することができる電波は、直線偏波に限られる。したがって、1次放射器を受信用のアンテナに用いる場合は、円偏波を直線偏波に変換する必要がある。第1誘電体板13と第2誘電体板23とはこのために用いられる。
【0049】
図5を参照して、第1誘電体板13と第2誘電体板23とは互いに直交する方向に配置されている。これは次の理由による。すなわち、低い周波数帯の円偏波信号は、電磁ホーン部3に入ってきて、第2導波管2の第2誘電体板23を通過する。このとき、第2誘電体板23と平行な方向の直線偏波の位相が90°ずれることにより、低い周波数帯の円偏波信号が直線偏波信号に変換される。そして、変換された直線偏波が第2プローブ21に給電される。一方、高い周波数帯の円偏波信号は、低い周波数帯の円偏波信号と同様に、電磁ホーン部3に入ってきて、第2導波管2の第2誘電体板23を通過する。このとき、第2誘電体板23と平行な方向の直線偏波の位相が遅れる。第2誘電体板23は、低い周波数帯の円偏波信号に合せて設計されているため、高い周波数帯の円偏波信号に対しては、位相の遅れ量が90°とはならず位相の遅れ量が90°を超えてしまう。このため、高い周波数帯の円偏波信号が完全な直線偏波に変換されない。
【0050】
たとえば、高い周波数帯を約20GHzとして、低い周波数帯を約12GHzとする場合、低い周波数帯の円偏波信号を直線偏波に変換するための誘電体板(円偏波変換器)に高い周波数帯の円偏波信号を通すと、位相の遅れ量が約120°となってしまう。図7は、低い周波数帯(約12GHz)用に設計された誘電体板に低い周波数帯の信号を通したときの位相の遅れを示す図である。図8は、低い周波数帯(約12GHz)用に設計された誘電体板に高い周波数帯(20GHz)の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。図7および図8から明らかなように、低い周波数帯(約12GHz)の信号では、位相遅れ量は約90°であるのに対し、高い周波数帯(約20GHz)の信号では、位相遅れ量が約120°となってしまっている。
【0051】
このため、第1導波管1の第1誘電体板13は、第2誘電体板23と互いに直交する方向に配置している。すなわち、第2誘電体板23と直交する方向の直線偏波の位相を第1誘電体板13で30°遅らせることにより遅れすぎた位相を補正し、位相遅れ量を90°に戻す(直交する2つの直線偏波を同相にする)。これにより、高い周波数帯(約20GHz)の円偏波信号が直線偏波に変換される。そして、変換された直線偏波が第1導波管1の第1プローブ11に給電される。
【0052】
以上説明したとおり、第2の実施の形態における1次放射器110は、第1の実施の形態における1次放射器100の効果に加えて、円偏波で送られてくる信号を受信することができる。
【0053】
また、第1誘電体板13を、第2誘電体板23と直交する方向に配置したので、第2誘電体板23により遅れすぎた位相を第1誘電体板13で補正することができ、高い周波数帯の円偏波を直線偏波に変換することができる。これにより、高い周波数帯の円偏波信号を第1プローブ11に給電させることができる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、第1誘電体板13と第2誘電体板23とを直交する方向に配置するようにしたが、平行となるように配置してもよい。この場合には、第2誘電体板23で遅れすぎた位相を第1誘電体板13でさらに遅らせることにより、直交する2つの直線偏波が同相となるようにすればよい。ただしこの場合には、第1誘電体板13が大きくなってしまうので、1次変換器110が大型化してしまうというデメリットがある。
【0055】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における1次放射器120は、第1の実施の形態における1次放射器100に円偏波変換器として複数の金属ビスを、第1導波管1と第2導波管2とにそれぞれ設けたものである。第1の実施の形態における1次放射器が直線偏波を受信するために用いられるのに対し、第3の実施の形態における1次放射器120は、円偏波を受信するために用いられる。
【0056】
図9は、第3の実施の形態における1次放射器120の斜視図である。図9を参照して、第3の実施の形態における1次放射器120は、1次導波管1内に、第1プローブ11とステップ変換器4との間に複数本の金属ビス14が第1プローブ11に対して45°の角度をつけて配置されている。第2導波管2内には、第2プローブ21と電磁ホーン部3との間に複数本の金属ビス24が第2プローブ21に対して45°の角度をつけて配置されている。第1導波管1に設けられた複数本の金属ビス14と第2導波管2に設けられた複数本の金属ビス24とはすべて同じ方向に配置されている。
【0057】
第1導波管1に設けれた複数本の金属ビス14と第2導波管内に設けられた複数本の金属ビス24は、円偏波変換器として働く。この円偏波変換器としての複数本の金属ビス14,24以外の構成については、第1の実施の形態における1次放射器と同じであるのでここでの説明は繰返さない。
【0058】
第2の実施の形態における1次放射器110では、円偏波変換器として誘電体板13,23とを用いた。第3の実施の形態における1次放射器では、円偏波変換器として複数本の金属ビス14,24を用いている。この複数本の金属ビス14,24は、第2の実施の形態における誘電体板13,23と同様に、2つの直交する直線偏波のうち、複数本の金属ビスの列と平行な方向の直線偏波の位相を90°遅らせる働きをする。
【0059】
したがって、誘電体板13,23と同様に、円偏波を直線偏波に変換したり、直線偏波を円偏波に変換したりすることができる。しかし、第2導波管2内の複数本の金属ビス24は、低い周波数帯の直線偏波の位相を90°遅らせることができるが、この低い周波数帯用に設計された複数本の金属ビス24を通る高い周波数帯の直線偏波は、位相の遅れ量が90°より小さくなる。
【0060】
たとえば、高い周波数帯を約20GHzとし、低い周波数帯を約12GHzとする。低い周波数帯の円偏波を直線偏波に変換するように設計された複数本の金属ビス24に、高い周波数帯(約20GHz)の信号を通すと、高い周波数帯の位相の遅れ量が約50°となる。
【0061】
図10は、低い周波数帯(約12GHz)用に設計された複数本の金属ビスの列に低い周波数帯の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。図11は、低い周波数帯(12GHz)用に設計された複数本の金属ビスの列に高い周波数帯の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。図10および図11に示される測定データから明らかなように、低い周波数帯(約12GHz)の信号では位相遅れ量が約90°であるのに対し、高い周波数帯(約20GHz)の信号では位相遅れ量が約50°と小さくなる。
【0062】
このため、第1導波管1の複数本の金属ビス14を、第2導波管2の複数本の金属ビス24と同じ方向に配置することにより、位相遅れ量をさらに増やして90°にする。すなわち、位相遅れ量を90°にすることにより、2つの直交する直線偏波を同相にする。これにより、高い周波数帯の円偏波信号は直線偏波信号に変換される。そして、変換された直線偏波信号が、第1導波管1の第1プローブ11に給電される。
【0063】
なお、複数本の金属ビス14,24で構成される円偏波変換器は、金属ビス1本ごとに対して導波管内への挿入量を調整する必要がある。最適な状態に調整された円偏波変換器では、偏波の変換の程度が良好で反射損失の非常に少ない円偏波変換器とすることができる。
【0064】
以上説明したとおり、第3の実施の形態における1次放射器120では、円偏波変換器として、複数本の金属ビスを用いた。このため、第1の実施の形態における1次放射器100の効果に加えて、円偏波の信号を受信することができる。また、円偏波を直線偏波に良好に変換することができ、反射損失を少なくすることでができる。
【0065】
[第4の実施の形態]
図12は、第4の実施の形態における1次放射器130の斜視図である。図13は、1次放射器130の横断面図である。第4の実施の形態における1次放射器130は、反射板16と第1導波管1とステップ変換部4と第2導波管2と電磁ホーン部3とが、第1の実施の形態における1次放射器100と同様であるのでここでの説明は繰返さない。
【0066】
ここで、第4の実施の形態における1次放射器で受信する高周波帯の信号の波長をλ1とし、第2導波管2で受信する低周波帯の信号の波長をλ2とする。
【0067】
反射板16には、第1導波管1の断面径方向に直方体の第2反射板15が設けられている。第1プローブ11は、第2反射板15からλ1/4の距離だけ離れた位置に設けられている。第3プローブ12は、反射板16からλ1/4の距離だけ離れた位置に設けられている。第1プローブ11と第2反射板15とは平行である。
【0068】
第2導波管2のステップ変換器4との接続部分には、直方体の第3反射板25が設けられている。第3反射板25は、第2導波管2の径方向に対向して2つ設けられており、2つの第3反射板25の距離は、ステップ変換部4の内径と同じである。第2プローブ21はステップ変換部4からλ2/4の距離だけ離れた位置に設けられている。第4プローブ22は、第3反射板25からλ2/4の距離だけ離れた位置に設けられている。
【0069】
第4の実施の形態における1次放射器130は、第1導波管1に第1プローブ11と第3プローブ12とを互いに直交する方向に設け、第2導波管2に第2プローブ21と第4プローブ22とを互いに直交する方向に配置している。これにより、高い周波数帯の直交する2つの直線偏波を、第1プローブ11と第3プローブ12とで受信することができ、低い周波数帯の直交する2つの直線偏波を第2プローブ21と第4プローブ22とで受信することができる。
【0070】
第1プローブ11と第3プローブ12、または、第2プローブ21と第4プローブ22とを、それぞ導波管の軸方向にずらして配置したのは次の理由による。第1プローブ11と第3プローブ12とを導波管1の軸方向に同じ位置に設置すると、第1プローブと第3プローブがお互いに干渉し、2つの直線偏波のアイソレーション、すなわち交差偏波特性が悪化するからである。第2導波管の第2プローブ21と第4プローブ22とにおいても、同様の理由で軸方向に位置がずれている。
【0071】
一方、プローブは受信する周波数帯の信号の波長の4分の1の距離だけ反射部から離れた位置に設ける必要がある。そこで、第1導波管1には、反射部16上に第2反射部15を設けて、第1プローブ11の反射部としている。これにより、第1プローブ11と第2反射部15との距離がλ1/4となる。一方第3プローブ12に対しては反射部16との間の距離がλ1/4に維持される。
【0072】
第2導波管2においては、第3反射部25が第4プローブ22と平行な方向に対向して2つ設けられている。第4プローブ22の反射部は第3反射板25となり、第4プローブ22と第3反射板25との距離はλ2/4とされる。一方第2プローブ21の反射部は、ステップ変換部4となり、ステップ変換部4と第2プローブ21との距離はλ2/4に維持される。
【0073】
以上説明したとおり第4の実施の形態における1次放射器130は、第1導波管1に互いに直交する第1プローブ11と第3プローブ12とを設け、第2導波管2に互いに直交する第2プローブ21と第4プローブ22とを設けたので、第1の実施の形態における1次放射器100の効果に加えて、高周波の2つの直交する直線偏波と低周波の2つの直交する直線偏波とを受信することができる。
【0074】
また、第1導波管1において、第2反射板15を設けることにより第1プローブ11と第2プローブ12とを第1導波管1の軸方向に位置をずらしたので、第1プローブ11と第3プローブ12とがお互いに干渉することなく、高い周波数帯の2つの直線偏波の交差偏波特性を良好にすることができる。同様に、第2導波管2において、第3反射板25を設けることにより、第2プローブ21と第4プローブ22とを第2導波管2の軸方向に位置をずらしたので、低い周波数帯2つの直線偏波の交差偏波特性を良好にすることができる。
【0075】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態における1次放射器は、第4の実施の形態における1次放射器が直線偏波を受信するために用いられるのに対し、円偏波を受信するために用いられる1次放射器である。
【0076】
図14は、第5の実施の形態における1次放射器140の斜視図である。図15は、1次放射器140の第2導波管2の正面図である。図16は、1次放射器140の第1導波管1の正面図である。図14、図15および図16とを参照して、1次放射器140は、第4の実施の形態における1次放射器2の第1導波管1に円偏波変換部として第1誘電体板13を設け、第2導波管2に円偏波変換部として第2誘電体板23を設けた構成である。誘電体板13,23を除く構成については、第4の実施の形態における1次放射器130と同じであるのでここでの説明は繰返さない。第2導波管2に設けられる第2誘電体板23と第1導波管1に設けられる第1誘電体板13とは互いに直交する方向に配置されている。第1誘電体板13と第2誘電体板23との働きについては、第2の実施の形態において説明した第1誘電体板13と第2誘電体板23との働きと同じであるのでここでの説明は繰返さない。
【0077】
以上説明したとおり、第5の実施の形態における1次放射器140は、第1導波管1に第1誘電体板13を設け、第2導波管2に第2誘電体板23を設けたので、第4の実施の形態における1次放射器130の効果に加えて低い周波帯の円偏波を直線偏波に変換することができ、高い周波数帯の円偏波を直線偏波に変換することができる。
【0078】
[第6の実施の形態]
図17は、第6の実施の形態における1次放射器150の斜視図である。第6の実施の形態における1次放射器150は、第5の実施の形態における1次放射器140の第1誘電体板13と第2誘電体板23とを、それぞれ複数本の金属ビス14と複数本の金属ビス24とに置換えた構成である。その他の構成については第5の実施の形態における1次放射器140と同様であるのでここでの説明は繰返さない。第6の実施の形態における1次放射器150によれば、第1導波管1に複数本の金属ビス14を設け、第2導波管2に複数本の金属ビス24を設けたので、第4の実施の形態における1次放射器130の効果に加えて、高周波帯の円偏波を直線偏波に変換することができ、低周波帯の円偏波を直線偏波に変換することかできる。また、円偏波を直線偏波に変換する際に、金属ビス14,24を用いたので、円偏波を直線偏波に良好に変換することができ、反射損失の少ない1次放射器とすることができる。
【0079】
[第7の実施の形態]
図18は、第7の実施の形態における1次放射器160の側面図である。図19は、1次放射器160の第2導波管2Aの正面図である。図20は、1次放射器160の第1導波管1Aの正面図である。図18、図19および図20を参照して、1次放射器160は、断面形状が正方形の第1導波管1Aと、断面形状が正方形のステップ変換部4Aと、断面形状が正方形の第2導波管2Aと、第2導波管2Aに接続された電磁ホーン部3Aとを含む。
【0080】
第2導波管2Aの断面内壁により構成される正方形の一辺の長さa2は、第2導波管2Aの遮断周波数により定められる。同様に、第1導波管1の断面で、内壁により構成される正方形の一辺の長さa1は、第1導波管1Aの遮断周波数により定められる。ステップ変換部4Aの断面内壁により構成される正方形の一辺の長さa3は、第1導波管1Aの特性インピーダンスZ1と第2導波管2Aの特性インピーダンスZ2とから求められるステップ変換部4Aの特性インピーダンスZ0に基づき定められる。特性インピーダンスZ0は、特性インピーダンスZ1と特性インピーダンスZ2とが整合する値に定められる。また、ステップ変換器4Aの軸方向の長さは、ステップ変換器4A内の波長λ3から定められ、好ましくはλ3/4である。
【0081】
このように、第1導波管1Aとステップ変換部4Aと第2導波管2Aとの大きさを定めることにより、第1導波管1Aの特性インピーダンスと第2導波管2Aの特性インピーダンスとが整合される。その結果、高い周波数帯の信号は、ステップ変換部4Aで反射することなく、第1導波管1Aへ進入することができる。
【0082】
第1導波管1Aには、互いに直交する方向に設けられた第1プローブ11Aと第3プローブ12Aとが配置される。また、第1導波管1Aのステップ変換部4Aと反対側の端には、反射板16Aが設けられている。さらに、反射板16A上には、第1プローブ11Aと平行に直方体の第2反射板15Aが設けられている。
【0083】
ここで、第1導波管1で受信するための高い周波数帯の信号の波長をλ1とし、第2導波管2Aで受信する低い周波数帯の信号の波長をλ2とする。
【0084】
第1プローブ11Aは、第2反射板15Aから第1導波管1Aの軸方向にλ1/4の距離だけ離れた位置に設けられている。第3プローブ12Aは、反射板16Aから第1導波管1Aの軸方向にλ1/4の距離だけ離れた位置に設けられている。したがって、第1プローブ11Aと第2プローブ12Aとは第1導波管1の軸方向にずれて配置される。これにより、第1プローブ11Aと第3プローブ12Aとがお互いに干渉することなく、2つの直線偏波の交差偏波特性が良好となる。
【0085】
第1導波管1Aには、第1プローブ11Aとステップ変換部4Aとの間に第1誘電体板13Aが設けられている。第1誘電体板13Aは、図20を参照して、第1プローブ11Aと第3プローブ12Aとそれぞれ45°の角度をなして配置されている。
【0086】
第2導波管2Aは、互いに直交する第2プローブ21Aと第4プローブ22Aとを備える。第2導波管2Aのステップ変換部4A側には、第4プローブ22Aと平行な方向に対向して直方体の第3反射板25Aが2つ設けられている。2つの第3反射板25Aの距離は、ステップ変換部4Aの内壁により構成される正方形の一辺の長さa3と同じである。第2プローブ21Aは、ステップ変換部4Aから第2導波管2Aの軸方向にλ2/4だけ離れた位置に配置される。第4プローブ22Aは、第3反射板25Aから第2導波管2Aの軸方向にλ2/4の距離だけ離れた位置に配置される。したがって、第2プローブ22Aと第4プローブ22Aとは第2導波管2Aの軸方向で異なる位置に配置される。これにより、第2プローブ21Aと第4プローブ22Aとがお互いに干渉することなく、2つの直線偏波の交差偏波特性が良好となる。
【0087】
第2導波管2Aはさらに、第4プローブ22Aと電磁ホーン部3との間に第2誘電体板23Aを備える。第2誘電体板23Aは、第2プローブ21Aと第4プローブ22Aとそれぞれ45°傾いて配置される。また、第2誘電体板23Aは、第1誘電体板13Aと互いに直交する方向に配置される。これは、第2の実施の形態において説明した、第1誘電体板13と第2誘電体板23との関係と同じである。なお、第2の実施の形態で説明したように、第1誘電体板13Aと第2誘電体板23Aとを平行に配置するようにしてもよい。
【0088】
以上説明したとおり第7の実施の形態における1次放射器160は、第1導波管1Aとステップ変換部4Aと第2導波管2Aの断面内部形状を正方形としたので、簡単な形状とすることができる。また、形状が簡単であるので、1次放射器160を製造するための金型の作製も容易となり、1次放射器160自体も容易に製造することができ、製造コストを削減することができる。
【0089】
また、第1導波管1Aと第2導波管2Aとの間にそれぞれの導波管の特性インピーダンスを整合させるためのステップ変換部4Aを設けたので、高い周波数帯の信号をステップ変換器A4で反射させることなく、第1導波管1Aに進入させることができる。
【0090】
また、ステップ変換器4Aの軸方向の長さを、導波管内波長λの4分の1としたので、1次放射器を小型化することができる。
【0091】
また、第1導波管1Aと第2導波管2Aとの断面形状を正方形としたので、2つの異なる直線偏波の波長を同じにすることができ、プローブに良好に給電することができる。
【0092】
さらに、第1導波管1Aにおいて、反射板16A上に第2反射板15Aを設けることにより、第1プローブ11Aと第3プローブ12Aとの第1導波管1Aの軸方向の位置をずらすようにしたので、第1プローブ11Aと第3プローブ12Aとがお互いに干渉することなく、2つの直線偏波の交差偏波特性を良好にすることができる。
【0093】
同様に、第2導波管2において、ステップ変換部4側の端に第3反射板25Aを第4プローブ22Aの方向に対向して2つ設けたので、第2プローブ21Aと第4プローブ22Aとの第2導波管2の軸方向の位置をずらすことができる。これにより、第2プローブ21Aと第4プローブ22Aとがお互いに干渉することなく、2つの直線偏波の交差偏波特性を良好にすることができる。
【0094】
さらに、第2導波管2Aに誘電体板23Aを設け、第1導波管1Aに誘電体板13Aを設けたので、低い周波帯の円偏波を直線偏波に変換して第2プローブ21Aと第4プローブ22Aとで受信することができるとともに、高い周波数帯の円偏波を直線偏波に変換して第1プローブ11Aと第3プローブ12Aとに給電することができる。
【0095】
なお、第1誘電体板13Aと第2誘電体板23Aとを複数本の金属ビスに置換えることができるのは言うまでもない。
【0096】
また、第1〜第4の実施の形態で示した1次放射器を断面形状を円形ではなく正方形にした1次放射器とすることができるのも言うまでもない。
【0097】
さらに、第1〜第7の実施の形態における1次放射器100,110,120,130,140,150,160は、1つのステップ変換器4Aを有するものとしたが、ステップ変換器を複数設けるようにしてもよい。この場合には、1次放射器が増加したステップ変換器の分だけ大きくなるが、反射を少なくすることができるメリットがある。
【0098】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における1次放射器100が用いられるパラボラアンテナを示す概略図である。
【図2】 第1の実施の形態における1次放射器100の斜視図である。
【図3】 第1の実施の形態における1次放射器100の横断面図である。
【図4】 第2の実施の形態における1次放射器110の斜視図である。
【図5】 第2の実施の形態における1次放射器110の正面図である。
【図6】 第2の実施の形態における第2導波管2の正面図である。
【図7】 低い周波数帯(約12GHz)用に設計された誘電体板に低い周波数帯の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。
【図8】 低い周波数帯(約12GHz)用に設計された誘電体板に高い周波数帯(約20GHz)の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。
【図9】 第3の実施の形態における1次放射器120の斜視図である。
【図10】 低い周波数帯(約12GHz)用に設計された複数本の金属ビスの列に低い周波数帯の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。
【図11】 低い周波数帯(約12GHz)用に設計された複数本の金属ビスの列に高い周波数帯(約20GHz)の信号を通したときの位相の遅れ量を示す図である。
【図12】 第4の実施の形態における1次放射器130の斜視図である。
【図13】 第4の実施の形態における1次放射器130の横断面図である。
【図14】 第5の実施の形態における1次放射器140の斜視図である。
【図15】 1次放射器140の第2導波管2の正面図である。
【図16】 1次放射器140の第1導波管1の正面図である。
【図17】 第6の実施の形態における1次放射器150の斜視図である。
【図18】 第7の実施の形態における1次放射器160の側面図である。
【図19】 第7の実施の形態における1次放射器160の第2導波管2Aの正面図である。
【図20】 第7の実施の形態における1次放射器160の第1導波管1Aの正面図である。
【図21】 従来のパラボラアンテナに用いられる1次放射器の横断面を含む斜視図である。
【符号の説明】
1 第1導波管、2 第2導波管、3 電磁ホーン部、4 ステップ変換部、11 第1プローブ、12 第3プローブ、13 第1誘電体板、14 金属ビス、15 第2反射板、16 反射板、21 第2プローブ、22 第4プローブ、23 第2誘電体板、24 金属ビス、25 第3反射板。

Claims (5)

  1. 2つの周波数帯の信号を送信あるいは受信するために用いられる2周波共用フィードであって、
    第1の内径の第1導波管と、
    前記第1の内径よりも大きい第2の内径の第2導波管と、
    前記第1導波管と前記第2導波管の間に設けられ、前記第1の内径より大きく前記第2の内径より小さい第3の内径のステップ変換部と、
    前記第1導波管の前記ステップ変換部と反対側の端に設けられた第1反射板と、
    前記第1導波管に設けられ、高い周波数帯の第1の信号が給電される第1プローブと、
    前記第2導波管に設けられ、低い周波数帯の第2の信号が給電される第2プローブと、
    前記第1導波管に設けられ、前記第1導波管の軸方向に第1の長さだけ前記第1プローブと離れた位置に配置された高い周波数帯の第3の信号が給電される第3プローブと、
    前記第1反射板上に設けられ、前記第1導波管の軸方向に前記第1の長さを有し、前記第3プローブと平行に配置された第2反射板と、
    前記第2導波管内に設けられ、前記第2導波管の軸方向に第2の長さだけ前記第2プローブと離れた位置に配置された低い周波数帯の第4の信号が給電される第4プローブと、
    前記第2導波管の前記ステップ変換部側の端に設けられ、前記第2導波管の軸方向に前記第2の長さを有し、前記第4プローブと平行な方向に対向して配置された2つの第3反射板とを備え、
    前記2つの第3反射板間の距離は、前記ステップ変換部の前記第2導波管と接する部分の直径と同じであり、
    前記第1導波管、前記第2導波管および前記ステップ変換部を同軸上に配置したことを特徴とする、2周波共用フィード。
  2. 2つの周波数帯の信号を送信あるいは受信するために用いられる2周波共用フィードであって、
    断面が正方形の第1導波管と、
    断面が前記第1導波管の断面より大きい正方形の第2導波管と、
    前記第1導波管と前記第2導波管との間に設けられ、断面が前記第1導波管の断面より大きく前記第2導波管の断面より小さい正方形のステップ変換部と、
    前記第1導波管の前記ステップ変換部と反対側の端に設けられた第1反射板と、
    前記第1導波管に設けられ、高い周波数帯の第1の信号が給電される第1プローブと、
    前記第2導波管に設けられ、低い周波数帯の第2の信号が給電される第2プローブと、
    前記第1導波管に設けられ、前記第1導波管の軸方向に第1の長さだけ前記第1プローブと離れた位置に配置された高い周波数帯の第3の信号が給電される第3プローブと、
    前記第1反射板上に設けられ、前記第1導波管の軸方向に前記第1の長さを有し、前記第3プローブと平行に配置された第2反射板と、
    前記第2導波管に設けられ、前記第2導波管の軸方向に第2の長さだけ前記第2プローブと離れた位置に配置された低い周波数帯の第4の信号が給電される第4プローブと、
    前記第2導波管の前記ステップ変換部側の端に設けられ、前記第2導波管の軸方向に前記第2の長さを有し、前記第4プローブと平行な方向に対向して配置された2つの第3反射板とを備え、
    前記2つの第3反射板間の距離は、前記ステップ変換部の前記第2導波管と接する部分における断面正方形の一辺の長さと同じであり、
    前記第1導波管、前記第2導波管および前記ステップ変換部を同軸上に配置したことを特徴とする、2周波共用フィード。
  3. 前記第1導波管の所定の位置に設けられた第1円偏波変換部と、
    前記第2導波管の所定の位置に設けられた第2円偏波変換部とをさらに備えた、請求項1または2に記載の2周波共用フィード。
  4. 前記第1および第2の円偏波変換部は、誘電体板であり、直交する面上に配置されることを特徴とする、請求項に記載の2周波共用フィード。
  5. 前記第1および第2の円偏波変換部は、複数本の金属ビスであることを特徴とする、請求項に記載の2周波共用フィード。
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