JP3662054B2 - スチレン系樹脂組成物、及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物、及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた熱安定性および加工性を有するスチレン系樹脂組成物、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂は無色透明で硬く、水に対する抵抗性、電気的性質に優れるなどの多くの長所を有している上に、成形品を容易に大量生産することが可能であることなどのため、射出成形、押出成形などの種々の成形法によって成形され、電気部品、雑貨、食品容器等に幅広く、かつ、大量に用いられている。
スチレン系樹脂は主として熱開始または開始剤を使用したラジカル重合によって製造されている。重合手段には塊状重合と懸濁重合のふたつがあるが、重合手段が簡単なことと懸濁剤等の不純物混入の可能性がないために塊状重合が主流となっている。
【0003】
総説文献(Encyclopedia of Chemical Technology、Kirk−Othmer、Third Edition、JohnWiley & Sons、21巻、817頁)によれば、100℃以上の熱開始重合においては、スチレンダイマーやスチレントリマー等のオリゴマーの副生が伴い、その量は約1重量%になり、オリゴマーは主として1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリンと1,2−ジフェニルシクロブタンからなり、その他としては2,4−ジフェニル−1−ブテンと2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセンが存在する、と述べられている。
【0004】
また、文献(G.Jones、II、V.Chew、J.Org.Chem.、1974年、39巻、1447頁)にはテトラクロロエチレン溶媒中、230℃での1,2−ジフェニルシクロブタンからモノマーへの熱分解速度について記載されている。しかし、ポリスチレンの製造工程や成形工程において、ポリマー中に存在する1,2−ジフェニルシクロブタンや他のオリゴマー成分の熱安定性への影響については何ら述べられていない。
【0005】
これらのことから、ポリマー中のオリゴマーは未反応モノマーや溶媒の回収工程あるいは造粒工程で高温にさらされると、一部が熱分解を起こしてペレット中の残留モノマーを増加させる原因となる可能性が示唆される。
この問題を回避すべく、オリゴマーの発生しない重合方法、すなわちラジカルを用いないアニオン重合によってオリゴマーを含まないスチレン系樹脂を製造することは可能であり、また、ラジカル重合によって製造されたスチレン系樹脂であっても溶剤抽出、再沈等により精製することも可能であるが、スチレン系樹脂の高温良流動性を損なうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、造粒や加工成形工程等での高温にさらされるところで熱分解しにくく、かつ、加工性に優れたスチレン系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意探索を繰り返した結果、スチレン系樹脂製造工程や加工工程において、ポリマーに含有されるオリゴマーの中で、最も熱分解しやすいものは環状ダイマーであり、環状ダイマーを減らすことによって熱安定性の向上したスチレン系樹脂組成物が得られることを見出した。同時に、環状ダイマーと共に副生する環状トリマーは熱安定性に関して大きな問題はなく、むしろ可塑剤として良流動性に寄与している事実を見出した。
【0008】
すなわち、スチレン系樹脂中にスチレン系由来の環状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来の環状ダイマー300ppm以下含有してなるスチレン系樹脂組成物が熱安定性、および加工性に優れた性能を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、開始剤を用いたラジカル重合を80〜140℃で行い、続いて1段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルを行い、2段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満足するように脱揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルさせないことを特徴とするスチレン系樹脂中にスチレン系由来の環状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来の環状ダイマー300ppm以下含有してなるスチレン系樹脂組成物の製造方法であり、また、ラジカル重合後、1段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルを行い、1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間で260〜320℃、0.1〜100min加熱することにより、環状ダイマーを強制的に熱分解させた後、2段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満足するように脱揮を行うことを特徴とするスチレン系樹脂中にスチレン系由来の環状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来の環状ダイマー300ppm以下含有してなるスチレン系樹脂組成物の製造方法である。
以下、本発明の内容を順を追って説明する。
【0009】
本発明におけるスチレン系由来の環状ダイマーとは次式(1)で表される1,2−ジフェニルシクロブタンである。
【化1】
Figure 0003662054
【0010】
本発明におけるスチレン系由来の環状トリマーとは次式(2)で表される1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリンである。
【化2】
Figure 0003662054
【0011】
本発明におけるスチレン系樹脂とはスチレンのみを重合させて、またはスチレンとα−メチルスチレンを、あるいはスチレンと共重合可能なビニルモノマー(ビニルコモノマー)とを共重合させて得られる樹脂である。
ビニルコモノマーとしてはアクリル酸、メタアクリル酸、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のα、β−不飽和ニトリル化合物、N−フェニルマレイミド等のマレイミド等が挙げられる。これらを一種または二種以上の混合物として使用する場合も含まれる。
【0012】
スチレン系樹脂は主として熱開始または開始剤を使用したラジカル重合によって製造される。重合手段には塊状重合と懸濁重合のふたつがあるが、重合手段が簡単なことと懸濁剤等の不純物混入の可能性がないために塊状重合が主となっている。塊状重合においては、エチルベンゼン等の溶剤を添加する場合もある。
【0013】
塊状重合プロセスでは通常80℃〜180℃で重合を行い、続いて未反応モノマー回収工程で脱揮処理されて、回収された未反応モノマーや溶剤はリサイクルされるが、副生した環状ダイマーや環状トリマーも、一部、未反応モノマーと共にリサイクルされ、最終的には系内で平衡濃度になって、重合中に副生した量がポリマーに含まれて脱揮工程を出ていくことになる。
【0014】
このようにして製造したポリマーには、例えば、ポリスチレンを分析した結果、重合中の副生成物または原料からの残留物・不純物として、エチルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、1,3−ジフェニルプロパン、2,4−ジフェニル−1−ブテン、1,2−ジフェニルシクロブタン、1−フェニルテトラリン、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン、1,3,5−トリフェニルベンゼン、1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリン等が含まれていることがわかった。
【0015】
熱重合による製品ペレット中の主なオリゴマーの含有量は、二量体領域では、1,3−ジフェニルプロパン50ppm、2,4−ジフェニル−1−ブテン180ppm、1,2−ジフェニルシクロブタン660ppm、1−フェニルテトラリン10ppm、三量体領域では、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン1810ppm、1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリン12600ppmであった。
【0016】
これらの化合物の熱安定性やポリマーに含有する際のラジカル源としての影響を調べると、1,2−ジフェニルシクロブタンの影響がもっとも大きく、ついで2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセン、2,4−ジフェニル−1−ブテンとなり、1−フェニル−4−(1’−フェニルエチル)テトラリンの熱安定性に対する影響はこれらに比較して小さかった。例えば、280℃、10minでの熱分解量は1,2−ジフェニルシクロブタン約50%、2,4,6−トリフェニル−1−ヘキセンと2,4−ジフェニル−1−ブテンは約1%であって、その他の成分はこれらよりも安定であった。
【0017】
さらに鋭意検討した結果、スチレンの環状トリマーはむしろ可塑剤として流動性付与に寄与している事実を発見した。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、(イ)開始剤を用いて、重合温度を熱開始を起こしにくい重合温度に下げる方法、(ロ)脱揮処理を改良する方法、または(ハ)熱処理を行い環状ダイマーを強制的に分解除去する方法を組み合わせることによって達成できる。
【0018】
具体的には、一つは温度を80〜140℃の範囲で開始剤を用いて重合させ、熱重合の割合を減らす方法がある。開始剤としてはアゾイソブチルニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド(BPO)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ポリ{ジオキシ(1,1,4,4−テトラメチル−1,4−ブタンジイル)ジオキシカルボニル−1,4−シクロヘキサンカルボニル}、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。しかしながらこれのみでは十分ではなく、未反応モノマーや溶剤を回収する仕上げ段階において、1段目でポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、留出した未反応モノマー等はリサイクル使用し、2段目でさらにポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満足するように脱揮を行い、この際に留出した未反応モノマー等はリサイクル使用しないことによって得られる。1段目の脱揮工程の後、2段目の脱揮工程に入る前に水等を添加することによって未反応モノマー等を揮発しやすくしても良い。
【0019】
脱揮装置としては、大きく分けて、真空タンクへフラッシュさせるタイプと押出蒸発タイプとがあり(参考:新ポリマー製造プロセス、佐伯・尾見 編著、工業調査会出版、1994年、195頁)、どちらも用いることができる。温度を180〜260℃の範囲、真空度0.1〜50Torrの範囲にて、未反応モノマー、溶媒等を揮発させる。
【0020】
もう一つの製造方法としては、ラジカル重合後、1段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、この際の揮発した留分はリサイクル使用し、次に1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間で260〜320℃、0.1〜100min加熱することによりスチレンの環状ダイマーを強制的に熱分解させた後、2段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満足するように脱揮を行って得られる。この方法の利点としては環状ダイマーを廃棄しないでモノマーとしてリサイクルできる点にある。ただし、2段目の揮発留分をリサイクルさせなくてもかまわない。また、1段目の脱揮工程の後にスチレンの環状ダイマーを強制的に熱分解した後、2段目の脱揮工程に入る前に水等を添加することによって未反応モノマー等を揮発しやすくしても良い。2段目の揮発留分に水を含んでいる場合、リサイクルさせるときには水分を除去乾燥してから行う。
【0021】
このようにして低減されたスチレン系由来の環状ダイマーはポリマー中に300ppm以下、好ましくは200ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下となる。300ppm以上の環状ダイマーを含有しているポリマーでは、脱揮工程から造粒までの高温滞留によって熱分解を起こして含有モノマー量が多くなるし、また成形する際に熱分解を起こしてモノマーの発生が多くなる。
【0022】
ところで、環状ダイマーを減らすためには、アニオン重合によってオリゴマーを含まないスチレン系樹脂を製造することや、またはラジカル重合によって製造されたスチレン系樹脂であっても溶剤抽出、再沈等により精製することでも可能であるが、スチレン系樹脂の高温良流動性を損なうという問題があった。検討を行った結果、本発明者らは、スチレン系由来の環状ダイマーと共に副生するスチレン系由来の環状トリマーが可塑剤として流動性付与に寄与していることを見出した。
【0023】
本発明のスチレン系樹脂組成物に含有されるスチレンの環状トリマーは500〜15000ppmである。好ましくは500〜10000、より好ましくは500〜8000ppmである。500ppm未満では加工性を大きく向上させることができず、また15000ppmより多いと熱変形温度を下げる等の問題が出てくる。
【0024】
本発明のスチレン系樹脂組成物としては、ゴム変性したものやゴム状重合体を添加したものも好ましい。ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体や、それらの水素添加物が好適に使用される。これらのゴム状重合体をスチレン系樹脂組成物に溶融ブレンドしたり、これらのゴム状重合体の存在下でスチレン等を重合させることによってゴム変性スチレン系樹脂組成物を得ることができる。これらのスチレン系樹脂組成物は、一種または二種以上の混合物の場合も好ましい。
【0025】
また、本発明のスチレン系樹脂組成物中には熱安定性・加工性を改良するという目的に反しない限り、各種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、ガラス繊維等の充填剤等のスチレン系樹脂に配合することが知られている任意の添加物を加えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例および比較例によって更に具体的に説明する。
(実施例1)
スチレン88重量%、エチルベンゼン12重量%の混合液100重量部に対し、開始剤1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン0.02重量部を添加してなる重合液を、7.2リットルの完全混合型反応器に続いて直列に接続された合計4.3リットルの3槽の層流型反応器を有する重合反応装置に1.08kg/hrで連続的に仕込んだ。完全混合型反応器の温度を122℃、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ125℃/132℃/140℃に調節した。最終の層流型反応器の出口の固形分濃度は75%に安定した。
【0027】
重合反応器より連続して排出される重合体溶液を、内部に単軸スクリューを有し連続的にポリマーが排出可能な脱揮缶に導入し240℃/20Torrで連続的に脱揮した。ここで留出した液はスチレンと開始剤を添加して重合液組成と同じになるように調製した後、リサイクルさせた。この脱揮工程での出口でのポリマー中の残留モノマーと溶媒量は2670ppmに安定した。1段目の脱揮工程を出たポリマーに水2重量部添加し、次の脱揮工程であるベント口を有する20mm2軸押出機において250℃/10Torrで脱揮しポリスチレンペレットを得た。ここで留出した液はリサイクルさせなかった。
【0028】
得られたポリマー200mgを2ミリリットルの1,2−ジクロロエタンに溶かした。この溶液にメタノール2ミリリットルを添加してポリマーを析出させ、0.2μm孔径のフィルターで濾過し、ろ液をガスクロマトグラフィーで分析した。カラムはGLサイエンス社のTC−1(内径0.25mm、厚み0.25μm、長さ30m:商品名)、カラム温度は50℃で5min保持した後、20℃/minで320℃まで昇温し、さらに3min保持した。装置は島津GC−14B(FID:商品名)で、インジェクションは260℃、ディテクターは330℃に設定した。内標はアントラセンを用いた。ペレット中の定常濃度になったスチレンの環状ダイマー量は135ppm、スチレンの環状トリマー量は3250ppmであった。
【0029】
このポリマー70mgをガラスアンプル管に入れ、減圧下で封管した後、280℃で熱分解テストを行った。モノマーの発生は上記のペレットの分析と同様にガスクロマトグラフィーで測定した。発生速度は20分までのモノマー発生量から求めた。スチレンモノマーの発生速度は1560ppm/hrであった。
また、加工性は流動性測定を行った。メルトフローレイト(MI値)はASTM D1238に従って条件G(200℃、5.0kg荷重)で測定した。その結果、MIは3.2g/10minであった。
【0030】
(実施例2)
実施例1と同様に行った。ただし、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ125℃/140℃/155℃に調節し、また1段目の脱揮工程の後でフィードラインを利用して280℃、10min加熱し、環状ダイマーを強制的に分解させた後、水2重量部添加し、次の脱揮工程に送った。ここで留出した液は含有する水を除いた後、1段目の留出液と共にリサイクルさせた。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは160ppm、環状トリマーは4220ppmであった。また、モノマーの発生速度は1620ppm/hrであり、MIは3.3g/10minであった。
【0031】
(実施例3)
実施例1において、開始剤としてBPO0.5重量部添加し、完全混合型反応器の温度を90℃、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ95℃/100℃/105℃に調節した以外は実施例1と同様に実験した。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは75ppm、環状トリマーは680ppmであった。また、モノマーの発生速度は1270ppm/hrであり、MIは3.0g/10minであった。
【0032】
(実施例4)
実施例2において、開始剤としてBPO0.5重量部添加し、完全混合型反応器の温度を90℃、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ95℃/100℃/105℃に調節した以外は実施例2と同様に実験した。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは30ppm、環状トリマーは680ppmであった。また、モノマーの発生速度は1150ppm/hrであり、MIは3.0g/10minであった。
【0033】
(実施例5)
スチレン55.6重量部%、アクリロニトリル25.9重量部%、エチルベンゼン18.5重量部%の混合液100重量部に対し、開始剤t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.03重量部を添加してなる重合液を、各容積4.3リットルの直列に接続された3槽の層流型反応器を有する重合反応装置に0.86リットル/hrで連続的に仕込んだ。3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ108℃/124℃/138℃に調節した。最終の層流型反応器の出口の固形分濃度は61%に安定した。
【0034】
重合反応器より連続して排出される重合体溶液を、内部に単軸スクリューを有し連続的にポリマーが排出可能な脱揮缶に導入し240℃/20Torrで連続的に脱揮した。ここで留出した液は重合液と同じ液組成になるように調製した後、リサイクルさせた。1段目の脱揮工程を出たポリマーに水2重量部添加し、次の脱揮工程であるベント口を有する20mm2軸押出機において250℃/10Torrで脱揮しASペレットを得た。ここで留出した液はリサイクルさせなかった。
得られたASポリマー中の環状ダイマーは150ppm、環状トリマーは5250ppmであった。また、モノマーの発生速度は870ppm/hrであり、MIは25g/10min(220℃、10kg荷重)であった。
【0035】
(実施例6)
実施例2において、触媒を用いず、完全混合型反応器の温度を130℃、3槽の層流型反応器の温度をそれぞれ135℃/145℃/155℃に調節したこと以外は同様に実験した。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは250ppm、環状トリマーは11000ppmであった。また、モノマーの発生速度は1830ppm/hrであり、MIは3.5g/10minであった。
【0036】
(実施例7)
スチレン1kgを入れたナスフラスコをオイルバスに浸漬し、攪拌しながら窒素ガス下で2時間かけて150℃に上げ、さらに6時間保温して熱重合を行った。重合物を熱いうちにビーカーに取り出し、放冷後、4リットルのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、次に18リットルのメタノールに滴下してポリマーを沈殿させ、濾過して得られた濾液を濃縮した。この濾過残査を減圧蒸留によって精製分離を行いスチレンの環状ダイマー(1g、0.06mmHg、115℃)とスチレンの環状トリマー(8g、0.03mmHg、200℃)を得た。沈殿したポリマーは再度、THF−メタノールで精製を行い、環状ダイマーと環状トリマーが共に1ppm以下の精製スチレン樹脂を得た。重量平均分子量Mw20万、Mw/Mnは2.2であった。
【0037】
つぎに、この精製スチレン樹脂粉末と、分離精製した環状トリマーを溶解したメタノール溶液とを混合し、室温、減圧下(3mmHg)でメタノールを留去乾燥した。環状ダイマーと環状トリマーの残存量は実施例1に従って測定した。
その結果、環状トリマーを10000ppm含み、環状ダイマーは1ppm以下のスチレン樹脂組成物の場合は、熱分解によるモノマー発生速度は1100ppm/hr、MIは3.5g/10minであった。
【0038】
(実施例8)
実施例7に従って、テストを行った。環状ダイマーも同様に混合した。環状トリマー600ppm、環状ダイマー50ppm含有するスチレン樹脂組成物の場合、熱分解によるモノマーの発生速度は1210ppm/hr、MIは3.0g/10minであった。
【0039】
(比較例1)
実施例1と同様に行った。ただし、2段目の脱揮工程で留出した液は、含有する水を除いた後、1段目の留出液と共にリサイクルさせた。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは350ppm、環状トリマーは3400ppmであった。MIは3.2g/10minであったが、モノマーの発生速度は2250ppm/hrとなり、熱安定性に劣った。
【0040】
(比較例2)
実施例2と同様に行った。ただし、1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間での加熱処理は行わなかった。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは310ppm、環状トリマーは4090ppmであった。MIは3.3g/10minであったが、モノマーの発生速度は2050ppm/hrとなり、熱安定性に劣った。
【0041】
(比較例3)
実施例5と同様に行った。ただし、2段目の脱揮工程で留出した液は、含有する水を除いた後に1段目の留出液と共にリサイクルさせた。得られたASポリマー中の環状ダイマーは410ppm、環状トリマーは5300ppmであった。また、MIは25g/10min(220℃、10kg荷重)であったが、モノマーの発生速度は1450ppm/hrとなり、熱安定性に劣った。
【0042】
(比較例4)
実施例6と同様に行った。ただし、1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間での加熱処理は行わなかった。
得られたポリスチレンペレット中の環状ダイマーは580ppm、環状トリマーは11000ppmであった。MIは3.5g/10minであったが、モノマーの発生速度は2900ppm/hrとなり、熱安定性に劣った。
【0043】
(比較例5)
実施例1で得たポリスチレン1重量部をテトラヒドロフラン20重量部に溶解させ、200体積部のメタノールに滴下してポリマーを析出させた。このポリマーを濾過して乾燥後、熱分解テストと加工性テストに用いた。環状ダイマーは1ppm以下、環状トリマーは170ppm含有しており、熱分解によるモノマー発生速度は1100ppm/hrを示した。しかし、MIは2.7であり、加工性は低下した。
【0044】
【発明の効果】
本発明は従来のスチレン系樹脂よりも熱安定性、および加工性に優れたスチレン系樹脂組成物、およびその製造方法を与える。

Claims (2)

  1. 開始剤を用いたラジカル重合を80〜140℃で行い、続いて1段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルを行い、2段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満足するように脱揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルさせないことを特徴とするスチレン系樹脂中にスチレン系由来の環状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来の環状ダイマー300ppm以下含有してなるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  2. ラジカル重合後、1段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.002を満足するように脱揮を行い、この際に揮発した留分はリサイクルを行い、1段目の脱揮工程と2段目の脱揮工程の間で260〜320℃、0.1〜100min加熱することにより、環状ダイマーを強制的に熱分解させた後、2段目の脱揮工程においてポリマー中の残存物を0.002≧(モノマー+溶剤)/(モノマー+溶剤+ポリマー)>0.00005を満足するように脱揮を行うことを特徴とするスチレン系樹脂中にスチレン系由来の環状トリマー500〜15000ppm、スチレン系由来の環状ダイマー300ppm以下含有してなるスチレン系樹脂組成物の製造方法。
JP29329395A 1995-10-17 1995-10-17 スチレン系樹脂組成物、及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3662054B2 (ja)

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