JP3661547B2 - 筋肉活性状況の判定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人が着座する座席を揺動させることによって、腰背部の筋力を強化したりバランス機能を訓練したりする際に、腰背部の筋肉の活性部位や活性度のような活性状況を判定可能とする筋肉活性状況の判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、姿勢性腰痛は腰背部や腹部の筋力の低下や筋肉バランスが崩れることにより発生する。これらの筋力を強化するためには、腹筋や背筋を強化する運動が必要であるが、これらの運動は一般に高齢者には不向きである。そこで、高齢者でも筋力の強化を図ることができるように、軽度の負荷を与えて腰背部や腹部の筋力を強化する装置を先に提案した(特開平11−4911号公報)。すなわち、人が着座することのできる座席を揺動させる装置であって、着座した人がバランスを保つだけで腰背部や腹部の筋力を強化しバランス機能を高めることができるというものである。要するに、揺動する座席の上でバランスをとろうとすることによって所要の筋肉の強化を図るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した装置では、軽度の負荷で所要の筋肉を強化しバランス機能を訓練することができるから高齢者でも使用可能なものであるが、装置の使用中における筋肉の活性度を評価する簡便な手段がないのが現状であって、使用者に適した揺動の程度や使用時間などを客観的に評価することができないという問題がある。
【0004】
筋肉の活性度を検出する手段としては従来から筋電計が知られているが、筋電計は装置が大がかりであり、しかも被験者に電極を取り付けなければならず、簡便に利用することができないという問題がある。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、座席を揺動させる装置で腰背部の筋力を強化したりバランス機能を訓練したりしている間に、使用者の腰背部の筋肉の活性状況を簡便に評価することができるようにした筋肉活性状況の判定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、揺動駆動される座席に着座した人の頭部付近の位置の時間変化を検出するとともに、検出した位置の時間変化と前記座席の位置の時間変化とから人の頭部付近と座席との揺動により生じるモーメントの中心位置の時間変化を求め、求めた中心位置を人の筋肉の活性化部位として検出することを特徴とする。この方法によれば、座席に着座した人の頭部付近の位置の時間変化と座席の位置の時間変化とを検出するだけで、座席に着座している人の筋肉のどの部位が活性化されているかの活性状況を筋電計を用いることなく検出することが可能になる。つまり、簡単な装置で筋肉の活性状況を知ることができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、人の筋肉の活性度として、前記モーメントの中心位置の時間変化におけるばらつきの程度を用い、ばらつきの程度が小さいほど活性度が高いと判定することを特徴とする。この方法によれば、人の頭部付近の位置の時間変化と座席の揺動の時間変化とから、筋肉の活性度を評価することが可能になり、筋電計を用いることなく簡便な装置で筋肉の活性度を知ることができる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、人の筋肉の活性度として、人の頭部付近の揺動の振幅を用い、振幅が小さいほど腰背部の筋肉の活性度が高いと判定することを特徴とする。この方法によれば、人の頭部付近の揺動の振幅を知るだけで腰背部の筋肉が活性化されて強化されているか否かを知ることができるから、筋電計のような大がかりな装置を用いることなく、強化の目的となる部位の活性化の程度を評価することができる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、人の筋肉の活性度として、人の頭部付近の位置の時間変化の自己相関係数を用い、自己相関係数が閾値より大きいと活性度が低下したと判定することを特徴とする。この方法によれば、人の頭部付近の位置の時間変化に対する自己相関係数を用いており、座席の使用中に揺動に馴化して使用開始直後よりも筋肉の使用度が低下したときに頭部付近の揺動パターンの周期性が大きくなるから、自己相関係数が閾値以上になったときに筋肉の活性度が低下したと判定することによって、筋電計のような大がかりな装置を用いることなく簡便に筋肉の活性度を評価することができる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、座席の揺動から人の頭部付近の揺動までの時間差を求め、この時間差を用いてモーメントの中心位置を補正することを特徴とする。すなわち、この時間差は座席から人の頭部付近までの距離を反映するから、時間差によってモーメントの中心位置を補正すれば、筋肉が活性化されている部位をより正確に求めることができる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、人の頭部付近の揺動の加速度を求め、この加速度を用いてモーメントの中心位置を補正することを特徴とする。すなわち、頭部付近の加速度はモーメントの中心位置に応じて変化するから、加速度を用いることによってモーメントの中心位置をより正確に求めることが可能になる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、人の運動能力に対する座席の揺動の適合度合として、座席の位置の時間変化と人の頭部付近の位置の時間変化との位相差を用い、位相差が小さいほど適合度合が低いと判定することを特徴とする。この方法によれば、座席に着座している人に対して座席の揺動が適当か否かを評価することができ、座席の揺動パターンを着座している人の能力に適合するように調節することが可能になる。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、人の運動能力に対する座席の揺動の適合度合として、人の頭部付近の位置の時間変化の自己相関係数を用い、自己相関係数により検出される周期性の程度が小さいほど適合度合が低いと判定することを特徴とする。この方法によれば、座席に着座している人に対して座席の揺動が適当か否かを評価することができ、座席の揺動パターンを着座している人の能力に適合するように調節することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本実施形態は、図1に示すように、被訓練者が着席する座席1を駆動手段としてのパラレルメカニズム2により移動させる。パラレルメカニズム2の動作制御は制御装置3により行なわれる。座席1は、馬の背に似た形であって被訓練者は跨がる形で着座する。この種の座席1としてはバイクの座席のような形状としてもよい。また、ふくら脛の側面ないし内股で挟むような形で着座する形状が望ましい。また、制御装置3では、たとえば馬の歩様に近似した揺動のように、リズミカルに座席1が揺動するようにパラレルメカニズム2を制御する。
【0015】
パラレルメカニズム2は、図2に示すように、定位置に固定される固定台21と、6本の脚23を介して固定台21の上方に支持された可動台22とを備える。各脚23は、固定台21および可動台22に対してそれぞれユニバーサルジョイント24a,24bを介して結合されている。また、各脚23は、固定台21にユニバーサルジョイント24aを介して結合したサポート筒23aと、サポート筒23aの中に進退自在に挿入されたボールねじよりなるロッド23bと、ロッド23bに噛合するギアを備え正逆の回転に伴ってロッド23bを進退させるアクチュエータ23cとからなる。ロッド23bの先端部はユニバーサルジョイント24bを介して可動台22に結合される。したがって、各脚23のアクチュエータ23cをそれぞれ制御してロッド23bの進退量を調節すれば固定台21に対する可動台22の位置を適宜に調節することができる。
【0016】
6本の脚23は、2本ずつが近接するように固定台21に結合され、また、固定台21に対して近接して結合されている脚23同士を離して可動台22に結合してある。このような構成によって、互いに直交する3方向の平行移動と、各方向の軸を中心とする回転移動との6自由度の制御が可能になる。つまり、可動台22は前後、左右、上下の直進往復移動と前後軸、左右軸、上下軸の回りでの回転往復移動とを組み合わせた移動が可能になり、結果的に可動台22に結合された座席1は6自由度で移動する。パラレルメカニズム2の可動台22は、現実的には上述のような直進移動と回転移動とに分解した動作よりも、むしろそれらの複合した動作を行なうことになる。
【0017】
上述した装置によって座席1を揺動させると、腰痛のある被訓練者は座席1に跨がることでリズミカルな揺動が与えられるから、腰部周囲の血行が促進されて腰痛が緩和される。また、腰痛を持たない被訓練者は座席1から落下しないように下半身に力を入れ、かつ上半身でバランスをとることにより、下半身の筋肉や腰部周囲の筋肉を強化し、かつ腰椎可動範囲を拡大したり股関節を柔軟にして腰痛を予防する効果が得られることになる。
【0018】
ところで、座席1が揺動すれば被訓練者は上半身を揺動させてバランスをとろうとするから、座席1が右に移動すれば被訓練者の上半身は左に移動し、座席1が前方に移動すれば被訓練者の上半身は後方に移動する。つまり、簡易的なモデルとして被訓練者の座席1から上部を剛体とみなせば、剛体の重心の回りのモーメントが釣り合うことになる。要するに、図3に示すように、被訓練者Mが着座する座席1を揺動させて図3の矢印Aのように座席1が移動すれば、被訓練者Mの頭部は矢印Bのように移動するのであり、モーメントの中心Cの上下に示す三角形の面積(つまり、モーメントの大きさ)が釣り合うことになる。
【0019】
本発明者らは、座席1を揺動させる際に被訓練者が頭部の動きを小さくするようにしていると腰背部の筋肉が強化されるという知見を得た(この方法で1回15分で1週間に3回使用し、3ヶ月間の実験を10人について行ったところ、全員とも筋力が向上していた)。そして、この場合にモーメントの中心C(剛体の重心)の位置付近の筋肉がもっとも活性化されるという知見を得た。つまり、座席1の揺動の振幅が一定であるとすれば、被訓練者の頭部の揺動の振幅が小さいほどモーメントの中心が下がり、背部から腰部の筋肉を鍛えることになるという知見を得た。
【0020】
したがって、座席1の揺動と頭部付近の揺動とを比較すれば、筋肉が活性化している部位の目安が得られることになる。また、座席1の揺動に対して被訓練者の頭部の揺動から被訓練者を剛体とみなせないような状態になったときには、被訓練者にとって運動が適当でないと判断することが可能になる。たとえば、座席1が右に移動したときに被訓練者の頭部も右に移動する場合や、座席1の揺動と頭部の揺動との間に一定の関係が得られなくなったような場合には、被訓練者にとって座席1の揺動の振幅が大きすぎる場合や被訓練者が疲労した場合などが考えられるから、座席1の揺動と被訓練者の頭部の揺動とを比較すれば運動の適否の目安にもなる。
【0021】
そこで、本実施形態では揺動する座席1に着座した被訓練者Mの頭部の揺動を検出するために、図1に示すように被訓練者Mの頭部にセンサ4を取り付ける。本実施形態で用いるセンサ4は磁気計測装置であって、被訓練者Mの頭部にはセンサ4としてのコイルを取り付けてあり、被訓練者Mの頭部近辺には弱い交番磁界(別のコイルに比較的高い周波数の交流電流を流して形成される時間であって時間経過に伴って極性が交互に反転する磁界)を形成してある。つまり、磁気計測装置は、被訓練者Mの頭部が移動して交番磁界内でセンサ4としてのコイルが移動することによりコイルに誘起される電流変化を用いて被訓練者Mの頭部の位置を検出するように構成されている。この種の磁気計測装置はすでに製品化されている。
【0022】
センサ4の出力は、図4のように、座席1の揺動を検出するセンサ5の出力とともに演算部6に入力される。演算部6では上述したモーメントの中心Cの位置を求める。この演算は、図5に示すように、座席1の揺動の大きさをXm、頭部の揺動の大きさをXh、座席1からセンサ4までの距離をL(座高で代用する)とするとき、Xh×L/(Xm+Xh)と表すことができる。なお、Xm,Xhは所定周期でサンプリングした時系列データを用い、また座席1の揺動と頭部の揺動との間にはほぼ180度の位相差があるから(図6(a)(b)参照)、センサ4で検出した揺動パターンは位相を180度ずらした形で演算する。
【0023】
このようにしてモーメントの中心Cの位置を演算部6で求めた後には、判定部7において中心Cの位置の分布に基づいてもっとも活性化されている筋肉の位置を推定する。つまり、中心Cの位置の平均値(移動平均)を求めるとともに、その平均値を求めたデータの分散を求める。ここで、分散の値があらかじめ設定した閾値より小さければ、中心Cの位置は平均値付近に分布していることになるから、この平均値で与えられる位置付近の筋肉が局所的に活性化されているとみなすことができる。また、分散の値が上記閾値よりも大きい場合には局所的に力を入れているのではなく、体全体でバランスをとっていると判断される。
【0024】
判定部7では筋肉が活性化されている部位だけではなく活性度の目安として、センサ4で検出した頭部の揺動の振幅、サンプリングした時系列データ(つまり、揺動パターン)の自己相関係数の少なくとも1つの値を求める。
【0025】
本実施形態では、座席1に着座している被訓練者が頭部付近の動きを小さくすることによって腰背部付近の筋肉を強化するのであり、当然のことながら頭部付近の振幅が大きくなることは筋肉の活性度が低下したことを意味する。したがって、頭部の揺動の振幅を検出すれば、被訓練者の筋肉の活性度を評価することが可能になる。
【0026】
また、自己相関係数により活性度の評価が可能であるのは、被訓練者が座席1を使用している間に座席1の揺動に馴化して筋力を用いなくなるからであって、使用開始時のように緊張している状態では筋力を多く用いるから自己相関係数が小さいのに対して、揺動に馴化して筋肉の活性度が低下してくると座席1の揺動の周期と同程度の周期で頭部付近も揺動することになり、結果的に自己相関係数が大きくなる。そこで、自己相関計数がある程度の大きさの範囲内であれば筋肉の活性度が高いとみなし、閾値を超えるほど大きくなると活性度が低下したと判定するのである。
【0027】
さらに、座席1に対してセンサ4が離れて位置しかつ座席1の揺動が被訓練者Mを通してセンサ4に伝達されることによって座席1の揺動パターンに対してセンサ4の出力のパターンには時間遅れが生じ、この時間遅れは座席からセンサ4までの距離を反映するから、座席1の揺動と頭部の揺動との時間差(位相差)を求め、この時間差を考慮してモーメントの中心Cの位置を求めてモーメントの中心Cの位置を補正することが可能になる。
【0028】
また、上述したモーメントの中心Cの位置が座席1に近いほど頭部付近に作用する加速度は大きくなるから、加速度を求めてモーメントの中心Cの位置を補正することが可能になる。
【0029】
ところで、被訓練者Mの筋力やバランス機能に対して座席1の揺動の振幅が大きすぎたり揺動方向の変化が激しすぎたりすると、効果的な運動刺激を与えることができない。また、被訓練者Mが疲労してきた場合にも座席1の揺動の振幅を小さくしたり揺動を停止させたりするなどの制御が必要になる。要するに、制御装置3により制御されている座席1の揺動が被訓練者Mに対して適切なものか否かを判定することが必要である。そこで、被訓練者Mの揺動を検出するセンサ4と、座席1の揺動を検出するセンサ5との出力を比較することにより、座席1の揺動が適切か否かを判定する。この判定には図4に示した構成と同様の構成を用いる。つまり、演算部6において両センサ4,5の出力に基づいて被訓練者Mの特定部位の揺れ方などの特徴を抽出し、これに基づいて判定部7において座席1の揺動が被訓練者にとって適切か否かが判定される。
【0030】
ここに、本発明者らは座席1の揺動が被訓練者Mにとって適切ではない場合には、座席1の揺動方向と被訓練者Mの上半身とが同じ向きに移動するという知見を得た。たとえば、座席1の揺動が過度であり被訓練者Mが順応できない場合には、被訓練者Mが過度に緊張するから腰背部付近をモーメントの中心とする揺動ができずに座席1と同じ向きに上半身が移動する。また、被訓練者Mが疲労した場合には、上半身(頭部あるいは肩)の位置を保持しようとして背筋が収縮するものの座席1の揺動に対してタイミングが合わなくなることで座席1と同じ向きに上半身が移動する。
【0031】
すなわち、前後方向、左右方向、前後軸回り、左右軸回りの少なくとも1方向において図6(a)の揺動パターンで座席1を揺動させたとすると、被訓練者Mに対して座席1の揺動が適切であれば図6(b)のようにセンサ4の出力の位相はほぼ180度反転した形になるが、被訓練者Mに対して座席1の揺動が不適切であると図6(c)のように座席1の揺動の位相とセンサ4の出力の位相とがほぼ揃うことになる。そこで、演算部6において両センサ4,5の出力の位相差を検出し、判定部7において位相差の評価(閾値などによる)を行うことにより、座席1の揺動が被訓練者Mに対して適切なものか否かを判定するのである。
【0032】
また、本発明者らの研究によれば、座席1の揺動が被訓練者Mにとって適切ではない場合には、座席1の揺動に対して被訓練者Mの上半身の揺動が追随できなくなり、座席1の揺動パターンと被訓練者Mの揺動を検出するセンサ4の出力のパターンとの間の相関性が低くなることがわかった。
【0033】
すなわち、前後方向、左右方向、前後軸回り、左右軸回りの少なくとも1方向において図7(a)のように周期性のある揺動パターンで座席1を揺動させるときに、被訓練者Mに対して座席1の揺動が適切であれば図7(b)のようにセンサ4の出力のパターンにも座席1の揺動と同様の周期性が現れるが、被訓練者Mに対して座席1の揺動が不適切であると図7(c)のようにセンサ4の出力に周期性が見られなくなる。そこで、演算部6においては被訓練者Mの揺動を検出するセンサ4の出力をサンプリングしてえた時系列データについて、座席1を揺動させている周期から自己相関係数を求め、判定部7ではセンサ4の出力の自己相関係数が閾値以上である(つまり周期性がある)ときには座席1の揺動が適切であると判定するのである。
【0034】
座席1の揺動が被訓練者Mに対して適切であるか否かの判定には上述した技術の両方を組み合わせて用いることも可能である。また、適切ではないと判断したときには、座席1の揺動パターンとして振幅のより小さいものを選択し、適切ではないと判断した時点で座席1の揺動開始からの経過時間が所定時間に達していれば座席1の揺動の振幅を徐々に低減して揺動を停止させる。
【0035】
なお、上述の実施形態においてセンサ4で頭部の揺動を検出しているが、肩など上半身の適宜位置の揺動を検出するものであればよい。ただし、この場合には座席1からセンサ4までの距離として座高ではない値を用いるのは言うまでもない。また、駆動手段として本実施形態ではパラレルメカニズム2を例示したが、座席1を揺動させる装置としては他の構成のものを用いてもよい。たとえば、揺動方向は6自由度ではなく3自由度程度でも揺動方向を適宜に選択すれば、腰背部や腹部の筋肉の強化やバランス機能の訓練に用いることが可能である。
【0036】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態ではセンサ4として磁気計測装置を用いたが、図8に示すように、2台以上のTVカメラをセンサ4a,4bとして用いてもよい。センサ4a,4bでは被訓練者Mを異なる方向から撮像し、両センサ4a,4bで得られる画像の視差に基づいて被訓練者Mの特定部位(頭部や肩)の揺動を検出するのである。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様であるから説明を省略する。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明は、揺動駆動される座席に着座した人の頭部付近の位置の時間変化を検出するとともに、検出した位置の時間変化と前記座席の位置の時間変化とから人の頭部付近と座席との揺動により生じるモーメントの中心位置の時間変化を求め、求めた中心位置を人の筋肉の活性化部位として検出することを特徴とし、座席に着座した人の頭部付近の位置の時間変化と座席の位置の時間変化とを検出するだけで、座席に着座している人の筋肉のどの部位が活性化されているかの活性状況を筋電計を用いることなく検出することが可能になる。つまり、簡単な装置で筋肉の活性状況を知ることができる。
【0038】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、人の筋肉の活性度として、前記モーメントの中心位置の時間変化におけるばらつきの程度を用い、ばらつきの程度が小さいほど活性度が高いと判定することを特徴とし、人の頭部付近の位置の時間変化と座席の揺動の時間変化とから、筋肉の活性度を評価することが可能になり、筋電計を用いることなく簡便な装置で筋肉の活性度を知ることができる。
【0039】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、人の筋肉の活性度として、人の頭部付近の揺動の振幅を用い、振幅が小さいほど腰背部の筋肉の活性度が高いと判定することを特徴とし、人の頭部付近の揺動の振幅を知るだけで腰背部の筋肉が活性化されて強化されているか否かを知ることができるから、筋電計のような大がかりな装置を用いることなく、強化の目的となる部位の活性化の程度を評価することができる。
【0040】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、人の筋肉の活性度として、人の頭部付近の位置の時間変化の自己相関係数を用い、自己相関係数が閾値より大きいと活性度が低下したと判定することを特徴とし、人の頭部付近の位置の時間変化に対する自己相関係数を用いており、座席の使用中に揺動に馴化して使用開始直後よりも筋肉の使用度が低下したときに頭部付近の揺動パターンの周期性が大きくなるから、自己相関係数が閾値以上になったときに筋肉の活性度が低下したと判定することによって、筋電計のような大がかりな装置を用いることなく簡便に筋肉の活性度を評価することができる。
【0041】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、座席の揺動から人の頭部付近の揺動までの時間差を求め、この時間差を用いてモーメントの中心位置を補正することを特徴とし、この時間差は座席から人の頭部付近までの距離を反映するから、時間差によってモーメントの中心位置を補正すれば、筋肉が活性化されている部位をより正確に求めることができる。
【0042】
請求項6の発明は、請求項1の発明において、人の頭部付近の揺動の加速度を求め、この加速度を用いてモーメントの中心位置を補正することを特徴とし、頭部付近の加速度はモーメントの中心位置に応じて変化するから、加速度を用いることによってモーメントの中心位置をより正確に求めることが可能になる。
【0043】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、人の運動能力に対する座席の揺動の適合度合として、座席の位置の時間変化と人の頭部付近の位置の時間変化との位相差を用い、位相差が小さいほど適合度合が低いと判定することを特徴とし、座席に着座している人に対して座席の揺動が適当か否かを評価することができ、座席の揺動パターンを着座している人の能力に適合するように調節することが可能になる。
【0044】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、人の運動能力に対する座席の揺動の適合度合として、人の頭部付近の位置の時間変化の自己相関係数を用い、自己相関係数により検出される周期性の程度が小さいほど適合度合が低いと判定することを特徴とし、座席に着座している人に対して座席の揺動が適当か否かを評価することができ、座席の揺動パターンを着座している人の能力に適合するように調節することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【図2】同上に用いるパラレルメカニズムの斜視図である。
【図3】同上の原理説明図である。
【図4】同上のブロック図である。
【図5】同上の原理説明図である。
【図6】同上の動作説明図である。
【図7】同上の動作説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 座席
2 パラレルメカニズム
3 制御装置
4 センサ
5 センサ
6 演算部
7 判定部
C モーメントの中心
M 被訓練者

Claims (8)

  1. 揺動駆動される座席に着座した人の頭部付近の位置の時間変化を検出するとともに、検出した位置の時間変化と前記座席の位置の時間変化とから人の頭部付近と座席との揺動により生じるモーメントの中心位置の時間変化を求め、求めた中心位置を人の筋肉の活性化部位として検出することを特徴とする筋肉活性状況の判定方法。
  2. 人の筋肉の活性度として、前記モーメントの中心位置の時間変化におけるばらつきの程度を用い、ばらつきの程度が小さいほど活性度が高いと判定することを特徴とする請求項1記載の筋肉活性状況の判定方法。
  3. 人の筋肉の活性度として、人の頭部付近の揺動の振幅を用い、振幅が小さいほど腰背部の筋肉の活性度が高いと判定することを特徴とする請求項1記載の筋肉活性状況の判定方法。
  4. 人の筋肉の活性度として、人の頭部付近の位置の時間変化の自己相関係数を用い、自己相関係数が閾値より大きいと活性度が低下したと判定することを特徴とする請求項1記載の筋肉活性状況の判定方法。
  5. 座席の揺動から人の頭部付近の揺動までの時間差を求め、この時間差を用いてモーメントの中心位置を補正することを特徴とする請求項1記載の筋肉活性状況の判定方法。
  6. 人の頭部付近の揺動の加速度を求め、この加速度を用いてモーメントの中心位置を補正することを特徴とする請求項1記載の筋肉活性状況の判定方法。
  7. 人の運動能力に対する座席の揺動の適合度合として、座席の位置の時間変化と人の頭部付近の位置の時間変化との位相差を用い、位相差が小さいほど適合度合が低いと判定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の筋肉活性状況の判定方法。
  8. 人の運動能力に対する座席の揺動の適合度合として、人の頭部付近の位置の時間変化の自己相関係数を用い、自己相関係数により検出される周期性の程度が小さいほど適合度合が低いと判定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の筋肉活性状況の判定方法。
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