JP3661219B2 - オレフィン系樹脂被覆加工布及びその製造法 - Google Patents
オレフィン系樹脂被覆加工布及びその製造法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、接着性、吸水防止性、防汚性、難燃性に優れたオレフィン樹脂被覆加工布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、繊維基布に軟質塩化ビニル樹脂をカレンダー法やコーティング法、Tダイ押出し法など種々の方法により被覆加工してターポリンを製造し、各種イベント用あるいは倉庫用テント、軒出し用テント、トラック用幌、養生シート、養生メッシュなどの建築用資材、野積シート、看板用バックリット、フレキシブルコンテナなど様々な用途に広く使用されている。塩化ビニル樹脂は、低コストで取扱い性がよいなど種々の長所を有するが、焼却時にハロゲン元素を含む有毒なガスや煙り、残渣が発生するという重大な欠点を有するものであり、地球環境的規模から環境保全を目的にハロゲン元素を含まない樹脂による製品の開発が切望されている。かかる観点から、オレフィン樹脂による製品化の検討が各方面で検討されているが、難燃性や物性が重要視される分野、たとえばテント用や建築用養生シート分野においては、満足できる製品が今だ提案されていないのが現状である。また、ターポリンを使用する際に、端面から繊維基布を構成する繊維の単糸間の毛細管現象により水が吸収されると、繊維基布と被覆樹脂が剥離したり、黴が発生したり、水に汚染物が含まれていると黒い筋状の汚染が発生するなどの問題を生じる。かかる問題点を解決するため、たとえば特公平5−67420号公報のように、繊維基布を撥水剤で処理する方法が提案されているが、撥水剤として、一般に弗素系化合物やシリコン系化合物が使用されるため、被覆樹脂との接着性が大幅に低下したり、さらに、かかる撥水剤により難燃性が低下するするという重大な欠点を誘発するものである。被覆樹脂がオレフィン樹脂の場合、撥水剤処理基布との接着性が更に低下するという重大な欠点をも有するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、接着性、吸水防止性、防汚性および難燃性に優れていると同時に、燃焼時にハロゲン元素などの有毒物の発生のないオレフィン系樹脂被覆加工布を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために次のような構成を有する。
【0005】
すなわち、本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布は、基布表面に、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とからなる混合物が付与されてなり、かつ、該基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂が被覆されていることを特徴とするものであり、かかるオレフィン系樹脂被覆加工布の製造法は、基布を、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とからなる混合物で処理した後、該基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂シートを熱圧着することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
本発明は、従来、高度な接着性、吸水防止性、防汚性、難燃性を有するオレフィン系樹脂を用いて樹脂被覆加工布を得ることは、吸水防止性を付与するために撥水剤を使用すると、接着性を著しく犠牲にしなければならず、難燃性を付与するために難燃剤を付与すると撥水性を著しく犠牲しなければならないなど、互いに相殺するために極めて難しいとされていた技術的実情に鑑み、鋭意検討したところ、撥水剤と特定のカチオン性ポリウレタン樹脂との組合せで基布を処理すること、さらにかかる組成物で処理した後に、燐系難燃性化合物を含むオレフィン樹脂で被覆することにより、かかる相殺現象を起こすことなく、見事に、接着性、吸水防止性、防汚性および難燃性に共に優れ、燃焼時にハロゲン元素などの有毒物の発生のない優れたオレフィン系樹脂被覆加工布を製造できることを究明して完成されたものである。
【0007】
本発明の基布とは、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の合成繊維や木綿、麻などの天然繊維を単独あるいは混合した編織物であり、繊維は長繊維でも単繊維でもよい。本発明においては、繊維の強度、寸法安定性などからポリエステル繊維の長繊維織物が好ましい。
【0008】
本発明のポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを主たる成分とするもので、繊維強度は5g/デニール以上、好ましくは6g/デニール以上、更に好ましくは7〜9g/デニールである。かかるポリエステル繊維に、本発明の効果を損なわない範囲で第三成分が共重合されていてもよく、酸化チタンなどの着色顔料、難燃剤、耐候剤などを混合してもよい。
【0009】
本発明の撥水剤とは、弗素系撥水剤あるいはシリコン系撥水剤であり、弗素系撥水剤としては、一般に撥水・撥油剤として使用されている弗素系化合物を使用することができる。例えば、ポリペンタデカフルオロオクチルアクリレート、ポリトリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンなどの弗素系化合物を使用することができる。シリコン系撥水剤としては、一般に、撥水剤、平滑剤、柔軟剤として使用されているシリコン系化合物を使用することができるが、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンの分子末端あるいは側鎖に水酸基、アミノ基などを導入した変性化合物を使用することができる。本発明においては、シリコン系撥水剤は撥水性能が低く、基布の目ズレを起こしやすい傾向があるので、弗素系撥水剤を使用することが好ましい。これらの撥水剤は、エマルジョンあるいは溶剤に溶解した状態で使用される。
【0010】
本発明のカチオン性ポリウレタン樹脂とは、特公昭53−46874号、特開昭50−55697号、特開昭51−11893号、特開昭52−15596号などに記載されている方法により製造されるものを使用することができる。該カチオン性ポリウレタンは、ポリヒドロキシル化合物と過剰量のポリイソシアネートから製造された分子末端に遊離のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に過剰量のポリアルキレンポリアミンを反応させて得られるポリウレタン尿素ポリアミン(B)に、エピハロヒドリンを反応後、酸の水溶液と混合することによって得られる。また、該ポリウレタンエマルジョンの架橋密度を調整する目的で、ウレタンプレポリマー(A)に、少なくとも2個の第1級もしくは第2級アミノ基と1個以上の式
−CH2 −CH(OH)−CH2 X
(式中XはClまたはBrを表す)
で表される官能基を有するポリアルキレンポリアミン誘導体を反応させた後、酸の水溶液と混合する方法、あるいは、上記のポリウレタン尿素ポリアミン(B)の遊離のアミノ基の一部にポリイソシアネート類とイソシアネートブロック化剤とから得られた1個の遊離のイソシアネート基を有するブロック化イソシアネート化合物を反応させた後、酸の水溶液と混合する方法などを採用することができる。
【0011】
ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリイソシアネート類としては、芳香族および脂肪族のポリイソシアネート類、たとえば、1,5−ナフチレンイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジおよびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、塩素化イソシアネート類、臭素化イソシアネート類、燐含有イソシアネート類、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの他、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4−トリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのトリイソシアネート類の混合使用も可能である。
【0012】
ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリヒドロキシル化合物は、200乃至10000の分子量を有するものであり、一般にポリウレタン製造に使用される公知のポリヒドロキシル化合物、たとえば、ポリエーテル類、ポリエステル類、ポリエステルアミド類、ポリアセタール類、ポリブタジエングリコール類などは、いずれも使用でき、さらにビスフェノールAやビスフェノールAに酸化エチレン、酸化プロピレンなどのアルキレンオキシドを付加せしめたグリコール類も使用することができる。ポリエーテル類としては、たとえば、テトラヒドロフラン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの重合生成物、もしくは共重合体があげられ、また、たとえばヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールの縮合による均一なポリエーテル類あるいは混合ポリエーテル類を使用できるほか、プロポキシル化またはエトキシ化されたグリコール類も使用できる。ポリチオエーテル類としては特にチオグリコール単独、またはそれと他のグリコールとの縮合生成物の使用が好適である。ポリアセタール類としては、たとえばヘキサンジオールとホルムアルデヒド、または4,4´−ジオオキシエトキシジフェニルジメチルメタンとホルムアルデヒドから得た水不溶性のポリアセタールなどがあげられる。ポリエステル類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールア、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの飽和および不飽和の低分子量グリコールと二塩基酸とから脱水縮合反応によって得られるポリエステルグリコールや環状エステル化合物の開環重合によって得られるポリエステルグリコールがその代表例である。また必要に応じて、上記ポリヒドロキシル化合物と共に、通常使用されているグリコール類、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおとび炭素数1〜22のアルキル基を有するn−アルキルジエタノールアミン、ビスフェノールAの酸化エチレン、酸化プロピレン付加物などが併用される。
【0013】
ウレタンプレポリマー(A)の製造に際して、ポリイソシアネートの量はヒドロオキシル基が全て反応するように選択することが好ましく、従ってイソシアネート基の総数と反応性水素原子の総数の比は1.1:1.0〜5.0:1.0が好ましい。
【0014】
本発明で用いられるポリアルキレンアミンとしてはポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミン等を含む種々のポリアルキレンポリアミンすなわち窒素が、nが1より大なる整数であるところの−CnH2n−なる式の群によって連結され、かつ分子中にこのような群が2から4までの範囲内であるところのポリアミンである。具体的にいえば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミンのごときポリアミンや、これらの混合物および種々の粗製ポリアミン材料が使用できる。ウレタンプレポリマー(A)とポリアルキルポリアミンの反応において、イソシアネートの数に対して、第1級および第2級アミノ基の総数が過剰であることが必要でありアミノ基の全モル数がイソシアネートの全モル数に近くなるほど、高分子量のポリウレタン尿素ポリアミンが生成するが、ゲル化した生成物またはゲル化傾向の著しいものを生じ、また過度にアミノ基のモル数の比を大きくすると低分子量のポリウレタン尿素ポリアミンになり、従ってイソシアネートの数(a)に対する第1級および第2級アミノ基の総数(b)の比は1<b/a≦5であり、好ましくは1<b/a≦3であり、ポリウレタン尿素ポリアミンの分子量は1000ないし100000が好ましい。このようにして製造されたポリウレタン尿素ポリアミン(B)を中間体として熱硬化反応性を有するカチオン性ポリウレタン水溶液、たとえば自己乳化型ポリウレタンエマルジョンを製造するには、該ポリウレタン尿素ポリアミン(B)にその遊離のアミノ基の0.2〜1.0倍モルのエピハリヒドリンを反応せしめた後、酸の水溶液と混合すればよい。エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリンおよびエピブロムヒドリンが好適である。また使用する酸の水溶液としては無機酸、有機酸のいずれの水溶液でもよく、塩酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、モノクロル酢酸、グリコール酸などが使用できる。本発明では、遊離のイソシアネート基をアルキレンポリアミンや水などの活性水素と反応させず、最終樹脂組成物中に残存させ、必要とするときに一定の条件下でイソシアネート基の反応性を発現させる目的でブロック化剤を使用することが好ましい。かかるイソシアネートブロック化剤としては、酸性亜硫酸ソーダ、第二級アミン、第三級アルコール、アミド類、フェノールおよびフェノール誘導体、ラクタム類(ε−カプロラクタムなど)、オキシム類(メチルエチルオキシム類)、青酸、エチレンイミン、グリシドール、ヒドロキシアミン、イミン類、メルカプタン類、ピロリドン類、マロン酸エステル類、などが選択使用される。
【0015】
また、かかるカチオン性ポリウレタンエマルジョンの存在下に、重合可能な不飽和結合を有する単量体をラジカル重合させることによって得られるビニル重合体変性カチオン性樹脂組成物も使用することができ、最終樹脂組成物の親水性、熱架橋性などのコントロールに有効である。重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、3−クロル−2−ヒドロキシメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、などの熱架橋反応性を有するもの、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などのα、β不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、マレイン酸アミドヤこれらのエステル類、またペンタデカフルオロアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレート、2−(ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート)、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、2、2、2−トリフルオロ−1−メチルメタクリレートなどの弗素化アクリル酸またはメタクリル酸エステルなどが使用できる。
【0016】
本発明のオレフィン系樹脂とは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレンと各種モノマーの共重合体、オレフィンエラストマーなど公知のオレフィン系樹脂を使用することができるが、柔軟性、シート強度、コストなどの点から、エチレンにブテン−1またはヘキセン−1、オクテン−1、4メチルペンテン−1などのαオレフィンを2〜10重量部共重合したエチレン・αオレフィン共重合体、エチレンにアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルなどを5〜30重量部共重合したエチレン・アクリル酸アルキル共重合体、エチレンにメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸エチルなどを5〜30重量部共重合したエチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、エチレンに酢酸ビニルを5〜30重量部共重合したエチレン・酢酸ビニル共重合体、または、これらの少なくとも1種を使用するのが好ましい。
【0017】
本発明の燐系化合物とは、一般に難燃剤として使用されている公知の燐系化合物を使用することができるが、特に下記式で表される芳香族ジホスホネートおよび/または重合度1000程度のポリ燐酸アンモニウムが好ましく使用される。
【0018】
【式1】
(式中、R1及びR2は低級アルキル基で同一でも異なっていても良い。R3、R4は水素原子または低級アルキル基で同一でも異なっていても良い。Y は−CH2 −、−C(CH3 )2 −、−S−、−SO2 −、−O−、−CO−、−N=N−基であり、k は0または1、m は0〜4の整数を表す。)
かかる燐系化合物の配合量は、使用するオレフィン系樹脂の種類、使用する目的により適宜選択するものであるが、オレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。なお、難燃性をさらに改善するには、基布を構成する繊維素材に合せて、難燃剤を選択して該基布を難燃処理しておくと、相乗効果により優れた難燃性を付与することができる。
【0019】
本発明は、かかる構成を採用することにより、JIS−A−1322に規定する防炎2級以上の難燃性能を有するオレフィン系樹脂被覆加工布を提供することができる。かかるオレフィン系樹脂被覆加工布は、テントなどの膜構造体や建築用の養生シートなどの用途に好適に使用される。
【0020】
本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布を構成する基布は、JIS−L−1096に規定されるバオレック法の基布水の吸上げ高さが好ましくは30mm以下であり、さらに好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下であり、オレフィン系樹脂被覆加工布の端面からの基布への水の侵入を防止し、基布と樹脂シートの剥離を防止し、汚れを防止するものである。
【0021】
本発明のオレフィン系樹脂には、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤が配合されていてもよく、屋外で使用される用途には必須成分である。紫外線吸収剤としては、トリアゾール系紫外線吸収剤では2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−t−アミノ−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5、6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドリキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3、5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどであり、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2、2′−ジヒドロキシ−4、4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2、2′、4、4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ハイドロキノン系紫外線吸収剤としては、ハイドロキノン、ヒドロキノンジサリチレート、サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、パラオクチルフェニルサリチレートなどであり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィン樹脂100重量部に対して0.25〜3重量部添加する。光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2′,6,6′−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1′,3,3′−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン などのヒンダードアミン系化合物であり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィン樹脂100重量部に対して0.25〜3重量部添加する。酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、A:ビス(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリス(2,4−ジ−tブチルフェニル)フォスファイトなどであり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部添加する。
【0022】
本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布は従来の塩化ビニル樹脂のように可塑剤などの滲み出しがないので、屋外の粉塵などによる汚れが付着しにくいものである。
【0023】
本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布は、ハロゲン元素を含まない構成を採用できるので、燃焼時に有毒な物質が発生することがないので、環境保護の観点から極めて好ましいものである。
【0024】
【実施例【
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
なお、実施例、比較例に示す性能は次の方法で測定した。
【0026】
(難燃性)JIS A 1322に規定される方法により残炎時間、残塵時間、
炭化長を測定した。防炎性能を等級表示した。
【0027】
(吸水防止性)JIS−L−1096に基づき、水の吸上げ高さを測定した。
【0028】
(接着性)JIS−K−6328に基づき、縦方向の3cm幅における剥離接着力
を測定した。
【0029】
実施例1〜16、比較例1〜6
繊維基布として1000デニール96フィラメントのポリエステル繊維(繊維強度8g/デニール 東レ株式会社製)を経糸、緯糸に使用した平織物を常法により精練、乾燥、ヒートセットした(縦糸、緯糸密度とも17本/インチ)。次いで該織物を下記に示す条件で処理し、性能を評価した結果を表1に示した。
<織物の処理>
(樹脂A)撥水剤〜アサヒガードAG710(明成化学株式会社製;弗素系撥水撥油剤:固形分18%)
(樹脂B)カチオン性ポリウレタン−ポリブチルアクリレート複合体(エチレングリコール、1、4ブタンジオール、アジピン酸から得られるポリエステルグリコールと、2、4−トリレンジイソシアネートと、2、6−トリレンジイソシアネートからなるウレタンポリマーに、ジエチレントリアミン、エピクロルヒドリンを反応させてグリコール酸水溶液を加えて得られたカチオン性ポリウレタンエマルジョンの共存下でブチルアクリレートを重合したもの。固形分30%)
(樹脂C)カチオン性ポリウレタン−ポリ酢酸ビニル複合体(ビスフェノールAの酸化エチレン付加物と2、4−トリレンジイソシアネートと2、6−トリレンジイソシアネートからなるウレタンポリマーに、ジエチレントリアミン、エピクロルヒドリンを反応させグリコール酸水溶液を加えて得られたカチオン性ポリウレタンエマルジョンの存在下で酢酸ビニルを重合したもの。固形分30%)
上記樹脂の混合水溶液にポリエステル織物を浸漬し、水溶液の付着量が90%になるようにマングルで絞って、130℃で乾燥し、180℃で1分の熱処理を行った。
【0030】
<被覆用樹脂>
(樹脂ア)エチレン・酢酸ビニル共重合体(エバテートCV2097;住友化学株式会社製)
(樹脂イ)エチレン・αオレフィン共重合体(スミカセンVL100;住友化学株式会社製)
(樹脂ウ)エチレン・アクリル酸メチル共重合体(アクリフトWH303;住友化学株式会社製)
(樹脂エ)エチレン・メタクリル酸エチル共重合体(エバフレックスEEA−701;三井デュポンポリケミカル株式会社製)
(難燃剤a)下記式の芳香族ジホスホネート
【0031】
【式2【
(難燃剤b)ポリ燐酸アンモニウム(重合度1000)
上記樹脂配合に、耐候剤としてチヌビン326/キマソーブ944/イルガノックス1010(いずれもチバガイギー社製)を樹脂100重量部に対し、0.5/0.5/0.05重量部、顔料として酸化チタン(粒子径0.2μ)を3重量部添加したしたものをTダイ法で200μの厚さのシートを成型し、ついでポリエステル繊維織物の両面に180℃の温度で熱圧着した。
【0032】
【表1】
表1から、本発明によるものは、接着性、吸水防止性、難燃性を兼ね備えたオレフィン系樹脂被覆加工布であることが判る。
【0033】
【発明の効果【
本発明によれば、燃焼時にハロゲン元素などの有毒な物質を全く発生することのない、環境保全に効果的であり、優れた接着性、吸水防止性、難燃性を兼ね備えており、イベント用テントなどの建築物、養生シートなどの建築資材などに好適なオレフィン系樹脂被覆加工布を安定に供給し得る。
【産業上の利用分野】
本発明は、接着性、吸水防止性、防汚性、難燃性に優れたオレフィン樹脂被覆加工布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、繊維基布に軟質塩化ビニル樹脂をカレンダー法やコーティング法、Tダイ押出し法など種々の方法により被覆加工してターポリンを製造し、各種イベント用あるいは倉庫用テント、軒出し用テント、トラック用幌、養生シート、養生メッシュなどの建築用資材、野積シート、看板用バックリット、フレキシブルコンテナなど様々な用途に広く使用されている。塩化ビニル樹脂は、低コストで取扱い性がよいなど種々の長所を有するが、焼却時にハロゲン元素を含む有毒なガスや煙り、残渣が発生するという重大な欠点を有するものであり、地球環境的規模から環境保全を目的にハロゲン元素を含まない樹脂による製品の開発が切望されている。かかる観点から、オレフィン樹脂による製品化の検討が各方面で検討されているが、難燃性や物性が重要視される分野、たとえばテント用や建築用養生シート分野においては、満足できる製品が今だ提案されていないのが現状である。また、ターポリンを使用する際に、端面から繊維基布を構成する繊維の単糸間の毛細管現象により水が吸収されると、繊維基布と被覆樹脂が剥離したり、黴が発生したり、水に汚染物が含まれていると黒い筋状の汚染が発生するなどの問題を生じる。かかる問題点を解決するため、たとえば特公平5−67420号公報のように、繊維基布を撥水剤で処理する方法が提案されているが、撥水剤として、一般に弗素系化合物やシリコン系化合物が使用されるため、被覆樹脂との接着性が大幅に低下したり、さらに、かかる撥水剤により難燃性が低下するするという重大な欠点を誘発するものである。被覆樹脂がオレフィン樹脂の場合、撥水剤処理基布との接着性が更に低下するという重大な欠点をも有するものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、接着性、吸水防止性、防汚性および難燃性に優れていると同時に、燃焼時にハロゲン元素などの有毒物の発生のないオレフィン系樹脂被覆加工布を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために次のような構成を有する。
【0005】
すなわち、本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布は、基布表面に、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とからなる混合物が付与されてなり、かつ、該基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂が被覆されていることを特徴とするものであり、かかるオレフィン系樹脂被覆加工布の製造法は、基布を、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とからなる混合物で処理した後、該基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂シートを熱圧着することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】
本発明は、従来、高度な接着性、吸水防止性、防汚性、難燃性を有するオレフィン系樹脂を用いて樹脂被覆加工布を得ることは、吸水防止性を付与するために撥水剤を使用すると、接着性を著しく犠牲にしなければならず、難燃性を付与するために難燃剤を付与すると撥水性を著しく犠牲しなければならないなど、互いに相殺するために極めて難しいとされていた技術的実情に鑑み、鋭意検討したところ、撥水剤と特定のカチオン性ポリウレタン樹脂との組合せで基布を処理すること、さらにかかる組成物で処理した後に、燐系難燃性化合物を含むオレフィン樹脂で被覆することにより、かかる相殺現象を起こすことなく、見事に、接着性、吸水防止性、防汚性および難燃性に共に優れ、燃焼時にハロゲン元素などの有毒物の発生のない優れたオレフィン系樹脂被覆加工布を製造できることを究明して完成されたものである。
【0007】
本発明の基布とは、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン等の合成繊維や木綿、麻などの天然繊維を単独あるいは混合した編織物であり、繊維は長繊維でも単繊維でもよい。本発明においては、繊維の強度、寸法安定性などからポリエステル繊維の長繊維織物が好ましい。
【0008】
本発明のポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを主たる成分とするもので、繊維強度は5g/デニール以上、好ましくは6g/デニール以上、更に好ましくは7〜9g/デニールである。かかるポリエステル繊維に、本発明の効果を損なわない範囲で第三成分が共重合されていてもよく、酸化チタンなどの着色顔料、難燃剤、耐候剤などを混合してもよい。
【0009】
本発明の撥水剤とは、弗素系撥水剤あるいはシリコン系撥水剤であり、弗素系撥水剤としては、一般に撥水・撥油剤として使用されている弗素系化合物を使用することができる。例えば、ポリペンタデカフルオロオクチルアクリレート、ポリトリフルオロエチルアクリレート、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンなどの弗素系化合物を使用することができる。シリコン系撥水剤としては、一般に、撥水剤、平滑剤、柔軟剤として使用されているシリコン系化合物を使用することができるが、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンの分子末端あるいは側鎖に水酸基、アミノ基などを導入した変性化合物を使用することができる。本発明においては、シリコン系撥水剤は撥水性能が低く、基布の目ズレを起こしやすい傾向があるので、弗素系撥水剤を使用することが好ましい。これらの撥水剤は、エマルジョンあるいは溶剤に溶解した状態で使用される。
【0010】
本発明のカチオン性ポリウレタン樹脂とは、特公昭53−46874号、特開昭50−55697号、特開昭51−11893号、特開昭52−15596号などに記載されている方法により製造されるものを使用することができる。該カチオン性ポリウレタンは、ポリヒドロキシル化合物と過剰量のポリイソシアネートから製造された分子末端に遊離のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に過剰量のポリアルキレンポリアミンを反応させて得られるポリウレタン尿素ポリアミン(B)に、エピハロヒドリンを反応後、酸の水溶液と混合することによって得られる。また、該ポリウレタンエマルジョンの架橋密度を調整する目的で、ウレタンプレポリマー(A)に、少なくとも2個の第1級もしくは第2級アミノ基と1個以上の式
−CH2 −CH(OH)−CH2 X
(式中XはClまたはBrを表す)
で表される官能基を有するポリアルキレンポリアミン誘導体を反応させた後、酸の水溶液と混合する方法、あるいは、上記のポリウレタン尿素ポリアミン(B)の遊離のアミノ基の一部にポリイソシアネート類とイソシアネートブロック化剤とから得られた1個の遊離のイソシアネート基を有するブロック化イソシアネート化合物を反応させた後、酸の水溶液と混合する方法などを採用することができる。
【0011】
ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリイソシアネート類としては、芳香族および脂肪族のポリイソシアネート類、たとえば、1,5−ナフチレンイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジおよびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、塩素化イソシアネート類、臭素化イソシアネート類、燐含有イソシアネート類、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの他、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4−トリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのトリイソシアネート類の混合使用も可能である。
【0012】
ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリヒドロキシル化合物は、200乃至10000の分子量を有するものであり、一般にポリウレタン製造に使用される公知のポリヒドロキシル化合物、たとえば、ポリエーテル類、ポリエステル類、ポリエステルアミド類、ポリアセタール類、ポリブタジエングリコール類などは、いずれも使用でき、さらにビスフェノールAやビスフェノールAに酸化エチレン、酸化プロピレンなどのアルキレンオキシドを付加せしめたグリコール類も使用することができる。ポリエーテル類としては、たとえば、テトラヒドロフラン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどの重合生成物、もしくは共重合体があげられ、また、たとえばヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールの縮合による均一なポリエーテル類あるいは混合ポリエーテル類を使用できるほか、プロポキシル化またはエトキシ化されたグリコール類も使用できる。ポリチオエーテル類としては特にチオグリコール単独、またはそれと他のグリコールとの縮合生成物の使用が好適である。ポリアセタール類としては、たとえばヘキサンジオールとホルムアルデヒド、または4,4´−ジオオキシエトキシジフェニルジメチルメタンとホルムアルデヒドから得た水不溶性のポリアセタールなどがあげられる。ポリエステル類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールア、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの飽和および不飽和の低分子量グリコールと二塩基酸とから脱水縮合反応によって得られるポリエステルグリコールや環状エステル化合物の開環重合によって得られるポリエステルグリコールがその代表例である。また必要に応じて、上記ポリヒドロキシル化合物と共に、通常使用されているグリコール類、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおとび炭素数1〜22のアルキル基を有するn−アルキルジエタノールアミン、ビスフェノールAの酸化エチレン、酸化プロピレン付加物などが併用される。
【0013】
ウレタンプレポリマー(A)の製造に際して、ポリイソシアネートの量はヒドロオキシル基が全て反応するように選択することが好ましく、従ってイソシアネート基の総数と反応性水素原子の総数の比は1.1:1.0〜5.0:1.0が好ましい。
【0014】
本発明で用いられるポリアルキレンアミンとしてはポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミン等を含む種々のポリアルキレンポリアミンすなわち窒素が、nが1より大なる整数であるところの−CnH2n−なる式の群によって連結され、かつ分子中にこのような群が2から4までの範囲内であるところのポリアミンである。具体的にいえば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミンのごときポリアミンや、これらの混合物および種々の粗製ポリアミン材料が使用できる。ウレタンプレポリマー(A)とポリアルキルポリアミンの反応において、イソシアネートの数に対して、第1級および第2級アミノ基の総数が過剰であることが必要でありアミノ基の全モル数がイソシアネートの全モル数に近くなるほど、高分子量のポリウレタン尿素ポリアミンが生成するが、ゲル化した生成物またはゲル化傾向の著しいものを生じ、また過度にアミノ基のモル数の比を大きくすると低分子量のポリウレタン尿素ポリアミンになり、従ってイソシアネートの数(a)に対する第1級および第2級アミノ基の総数(b)の比は1<b/a≦5であり、好ましくは1<b/a≦3であり、ポリウレタン尿素ポリアミンの分子量は1000ないし100000が好ましい。このようにして製造されたポリウレタン尿素ポリアミン(B)を中間体として熱硬化反応性を有するカチオン性ポリウレタン水溶液、たとえば自己乳化型ポリウレタンエマルジョンを製造するには、該ポリウレタン尿素ポリアミン(B)にその遊離のアミノ基の0.2〜1.0倍モルのエピハリヒドリンを反応せしめた後、酸の水溶液と混合すればよい。エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒドリンおよびエピブロムヒドリンが好適である。また使用する酸の水溶液としては無機酸、有機酸のいずれの水溶液でもよく、塩酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、モノクロル酢酸、グリコール酸などが使用できる。本発明では、遊離のイソシアネート基をアルキレンポリアミンや水などの活性水素と反応させず、最終樹脂組成物中に残存させ、必要とするときに一定の条件下でイソシアネート基の反応性を発現させる目的でブロック化剤を使用することが好ましい。かかるイソシアネートブロック化剤としては、酸性亜硫酸ソーダ、第二級アミン、第三級アルコール、アミド類、フェノールおよびフェノール誘導体、ラクタム類(ε−カプロラクタムなど)、オキシム類(メチルエチルオキシム類)、青酸、エチレンイミン、グリシドール、ヒドロキシアミン、イミン類、メルカプタン類、ピロリドン類、マロン酸エステル類、などが選択使用される。
【0015】
また、かかるカチオン性ポリウレタンエマルジョンの存在下に、重合可能な不飽和結合を有する単量体をラジカル重合させることによって得られるビニル重合体変性カチオン性樹脂組成物も使用することができ、最終樹脂組成物の親水性、熱架橋性などのコントロールに有効である。重合可能な不飽和結合を有する単量体としては、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、3−クロル−2−ヒドロキシメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、などの熱架橋反応性を有するもの、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などのα、β不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、マレイン酸アミドヤこれらのエステル類、またペンタデカフルオロアクリレート、テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレート、2−(ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレート)、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、2、2、2−トリフルオロ−1−メチルメタクリレートなどの弗素化アクリル酸またはメタクリル酸エステルなどが使用できる。
【0016】
本発明のオレフィン系樹脂とは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレンと各種モノマーの共重合体、オレフィンエラストマーなど公知のオレフィン系樹脂を使用することができるが、柔軟性、シート強度、コストなどの点から、エチレンにブテン−1またはヘキセン−1、オクテン−1、4メチルペンテン−1などのαオレフィンを2〜10重量部共重合したエチレン・αオレフィン共重合体、エチレンにアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルなどを5〜30重量部共重合したエチレン・アクリル酸アルキル共重合体、エチレンにメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸エチルなどを5〜30重量部共重合したエチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、エチレンに酢酸ビニルを5〜30重量部共重合したエチレン・酢酸ビニル共重合体、または、これらの少なくとも1種を使用するのが好ましい。
【0017】
本発明の燐系化合物とは、一般に難燃剤として使用されている公知の燐系化合物を使用することができるが、特に下記式で表される芳香族ジホスホネートおよび/または重合度1000程度のポリ燐酸アンモニウムが好ましく使用される。
【0018】
【式1】
(式中、R1及びR2は低級アルキル基で同一でも異なっていても良い。R3、R4は水素原子または低級アルキル基で同一でも異なっていても良い。Y は−CH2 −、−C(CH3 )2 −、−S−、−SO2 −、−O−、−CO−、−N=N−基であり、k は0または1、m は0〜4の整数を表す。)
かかる燐系化合物の配合量は、使用するオレフィン系樹脂の種類、使用する目的により適宜選択するものであるが、オレフィン系樹脂100重量部に対し、好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。なお、難燃性をさらに改善するには、基布を構成する繊維素材に合せて、難燃剤を選択して該基布を難燃処理しておくと、相乗効果により優れた難燃性を付与することができる。
【0019】
本発明は、かかる構成を採用することにより、JIS−A−1322に規定する防炎2級以上の難燃性能を有するオレフィン系樹脂被覆加工布を提供することができる。かかるオレフィン系樹脂被覆加工布は、テントなどの膜構造体や建築用の養生シートなどの用途に好適に使用される。
【0020】
本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布を構成する基布は、JIS−L−1096に規定されるバオレック法の基布水の吸上げ高さが好ましくは30mm以下であり、さらに好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下であり、オレフィン系樹脂被覆加工布の端面からの基布への水の侵入を防止し、基布と樹脂シートの剥離を防止し、汚れを防止するものである。
【0021】
本発明のオレフィン系樹脂には、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤が配合されていてもよく、屋外で使用される用途には必須成分である。紫外線吸収剤としては、トリアゾール系紫外線吸収剤では2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−t−アミノ−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5、6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−プロピルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′、5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドリキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3、5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどであり、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2、2′−ジヒドロキシ−4、4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2、2′、4、4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ハイドロキノン系紫外線吸収剤としては、ハイドロキノン、ヒドロキノンジサリチレート、サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、パラオクチルフェニルサリチレートなどであり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィン樹脂100重量部に対して0.25〜3重量部添加する。光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2′,6,6′−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1′,3,3′−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン などのヒンダードアミン系化合物であり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィン樹脂100重量部に対して0.25〜3重量部添加する。酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、A:ビス(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、トリス(2,4−ジ−tブチルフェニル)フォスファイトなどであり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部添加する。
【0022】
本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布は従来の塩化ビニル樹脂のように可塑剤などの滲み出しがないので、屋外の粉塵などによる汚れが付着しにくいものである。
【0023】
本発明のオレフィン系樹脂被覆加工布は、ハロゲン元素を含まない構成を採用できるので、燃焼時に有毒な物質が発生することがないので、環境保護の観点から極めて好ましいものである。
【0024】
【実施例【
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
なお、実施例、比較例に示す性能は次の方法で測定した。
【0026】
(難燃性)JIS A 1322に規定される方法により残炎時間、残塵時間、
炭化長を測定した。防炎性能を等級表示した。
【0027】
(吸水防止性)JIS−L−1096に基づき、水の吸上げ高さを測定した。
【0028】
(接着性)JIS−K−6328に基づき、縦方向の3cm幅における剥離接着力
を測定した。
【0029】
実施例1〜16、比較例1〜6
繊維基布として1000デニール96フィラメントのポリエステル繊維(繊維強度8g/デニール 東レ株式会社製)を経糸、緯糸に使用した平織物を常法により精練、乾燥、ヒートセットした(縦糸、緯糸密度とも17本/インチ)。次いで該織物を下記に示す条件で処理し、性能を評価した結果を表1に示した。
<織物の処理>
(樹脂A)撥水剤〜アサヒガードAG710(明成化学株式会社製;弗素系撥水撥油剤:固形分18%)
(樹脂B)カチオン性ポリウレタン−ポリブチルアクリレート複合体(エチレングリコール、1、4ブタンジオール、アジピン酸から得られるポリエステルグリコールと、2、4−トリレンジイソシアネートと、2、6−トリレンジイソシアネートからなるウレタンポリマーに、ジエチレントリアミン、エピクロルヒドリンを反応させてグリコール酸水溶液を加えて得られたカチオン性ポリウレタンエマルジョンの共存下でブチルアクリレートを重合したもの。固形分30%)
(樹脂C)カチオン性ポリウレタン−ポリ酢酸ビニル複合体(ビスフェノールAの酸化エチレン付加物と2、4−トリレンジイソシアネートと2、6−トリレンジイソシアネートからなるウレタンポリマーに、ジエチレントリアミン、エピクロルヒドリンを反応させグリコール酸水溶液を加えて得られたカチオン性ポリウレタンエマルジョンの存在下で酢酸ビニルを重合したもの。固形分30%)
上記樹脂の混合水溶液にポリエステル織物を浸漬し、水溶液の付着量が90%になるようにマングルで絞って、130℃で乾燥し、180℃で1分の熱処理を行った。
【0030】
<被覆用樹脂>
(樹脂ア)エチレン・酢酸ビニル共重合体(エバテートCV2097;住友化学株式会社製)
(樹脂イ)エチレン・αオレフィン共重合体(スミカセンVL100;住友化学株式会社製)
(樹脂ウ)エチレン・アクリル酸メチル共重合体(アクリフトWH303;住友化学株式会社製)
(樹脂エ)エチレン・メタクリル酸エチル共重合体(エバフレックスEEA−701;三井デュポンポリケミカル株式会社製)
(難燃剤a)下記式の芳香族ジホスホネート
【0031】
【式2【
(難燃剤b)ポリ燐酸アンモニウム(重合度1000)
上記樹脂配合に、耐候剤としてチヌビン326/キマソーブ944/イルガノックス1010(いずれもチバガイギー社製)を樹脂100重量部に対し、0.5/0.5/0.05重量部、顔料として酸化チタン(粒子径0.2μ)を3重量部添加したしたものをTダイ法で200μの厚さのシートを成型し、ついでポリエステル繊維織物の両面に180℃の温度で熱圧着した。
【0032】
【表1】
表1から、本発明によるものは、接着性、吸水防止性、難燃性を兼ね備えたオレフィン系樹脂被覆加工布であることが判る。
【0033】
【発明の効果【
本発明によれば、燃焼時にハロゲン元素などの有毒な物質を全く発生することのない、環境保全に効果的であり、優れた接着性、吸水防止性、難燃性を兼ね備えており、イベント用テントなどの建築物、養生シートなどの建築資材などに好適なオレフィン系樹脂被覆加工布を安定に供給し得る。
Claims (9)
- 基布表面に、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とからなる混合物が付与されてなり、かつ、該基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂が被覆されていることを特徴とするオレフィン系樹脂被覆加工布。
- カチオン性ポリウレタン樹脂が、ビニル重合体変性カチオン性ポリウレタン樹脂である請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆加工布。
- 該オレフィン系樹脂被覆加工布のJIS−L−1096に規定されるバイレック法による吸水性能が30mm以下である請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆加工布。
- 該オレフィン系樹脂被覆加工布が、JIS−A−1322に規定される防炎試験の防炎2級以上に合格する請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆加工布。
- 該基布が、ポリエステル繊維からなるものである請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆加工布。
- 該オレフィン系樹脂が、エチレン・αオレフィン共重合体、エチレン・アクリル酸アルキル共重合体、エチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆加工布。
- 該オレフィン系樹脂が、燐系難燃性化合物を含有する請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆加工布。
- 基布を、撥水剤とカチオン性ポリウレタン樹脂とからなる混合物で処理した後、該基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂シートを熱圧着することを特徴とするオレフィン系樹脂被覆加工布の製造法。
- 該撥水剤と該カチオン性ポリウレタン樹脂との組成が、該撥水剤の固形分1重量部に対し、該ポリウレタン樹脂が0.5〜5重量部である請求項8記載のオレフィン系樹脂被覆加工布の製造法。
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- 1995-03-22 JP JP06287195A patent/JP3661219B2/ja not_active Expired - Fee Related
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