JP3657057B2 - 成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物および成型用樹脂製型の製造方法 - Google Patents
成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物および成型用樹脂製型の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物およびこれを使用した光造形法により成型用樹脂製型を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光硬化性材料に選択的に光照射して硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立体形状物を形成する光造形法が提案されている〔特開昭60−247515号公報、米国特許明細書第4,575,330号(特開昭62−35966号公報)、特開昭62−101408号公報、特開平5−24119号公報参照〕。この光造形法は、目的とする立体形状物の形状が複雑なものであっても、容易にしかも短時間で得ることができるため注目されている。
【0003】
かかる光造形法の代表的な例を説明すると、液状の光硬化性樹脂組成物の薄層を形成し、この薄層に例えば紫外線レーザーによって選択的に光を照射することによって硬化樹脂層を形成する。次いで、この硬化樹脂層の上に、一層分の光硬化性樹脂組成物を供給してその薄層を形成し、当該薄層に選択的に光を照射することにより、先行して形成された硬化樹脂層上にこれと連続するよう新しい硬化樹脂層を一体的に積層形成する。そして、光が照射されるパターンを変化させながらあるいは変化させずに上記の工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層が一体的に積層されてなる立体形状物が形成される。
【0004】
そして、光造形法に用いられる光硬化性樹脂組成物においては、粘度が低いこと、光照射されることによって迅速に硬化されること、硬化物が光硬化性樹脂組成物によって膨潤しないこと、光硬化時の硬化収縮に起因する反り、引け、張出部(オーバーハング部)の持ち上がり等の変形量が小さいこと、硬化物の寸法精度が高く、複雑で微細な形状を有する硬化物であっても造形が可能であること等が要求される。
【0005】
従来、光造形法により得られる立体形状物は、デザインモデル、医療用モデルさらには樹脂成形用型のマスターモデル等に用いられている。そして、最近においては、コネクター、プラグ等の実装部品、ヒータ、モータ、エンジン等のテスト用の組み込み部品等を、光造形法によって直接製造する試みがなされている。このような部品においては、高い寸法精度は勿論のこと、使用条件に耐え得る十分な機械的強度および耐熱性が要求される。しかしながら、従来の光硬化性樹脂組成物を用いた光造形法では、機械的強度が高く、耐熱性の高い硬化物が得られず、実装部品や組み込み部品として実用上十分な機械的強度および耐熱性を兼ね備えた立体形状物を製造することは困難である。
【0006】
一方、射出成形法、プレス成形法、真空成形法、圧空成形法、発泡成形法等の各種成型法に用いる「型」を、光造形法によって製造する試みがなされている。
【0007】
しかしながら、従来公知の光硬化性樹脂組成物を用いて光造形を行う場合において、得られる光造形物は「型」に要求される耐圧性および耐熱性を有するものとならない。特に、高温・高圧条件下に実行されるエンジニアリングプラスチックの射出成形法において、当該条件に耐え得る光造形物(型)を与える樹脂組成物は知られておらず、このため、繰り返し耐久性に優れた樹脂製型を光造形法によって製造することは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、機械的強度が高くて耐熱性に優れた硬化物を形成することができ、光造形法による成型用樹脂製型の製造に用いられる光硬化性樹脂組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、寸法精度の高い成形品を得ることができ、繰り返し耐久性に優れた樹脂製型を容易に製造することができる成型用樹脂製型の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物は、(A)環状構造を有する多官能不飽和単量体30〜70重量%、および
(B)環状構造を有し、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が70℃以上である単官能不飽和単量体70〜30重量%を含有してなる単量体成分と、
(C)光重合開始剤と、
(D)平均粒子径または平均繊維長が1〜50μmである無機充填材と
を含有してなり、
前記無機充填材の含有割合は、前記単量体成分および前記光重合開始剤の総量100容量部に対して100〜160容量部であり、
硬化して得られる硬化樹脂の熱変形温度が100℃以上であって、ウレタン(メタ)アクリレートを含有しないことを特徴とする。
【0010】
本発明の成型用樹脂製型の製造方法は、光硬化性材料に選択的に光照射して硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層が一体的に積層されてなる樹脂製型を製造する方法において、光硬化性材料として、前記成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物を用いることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)成分および(B)成分を含有してなる単量体成分と、光重合開始剤である(C)成分と、無機充填材である(D)成分とを必須成分として含有してなるものである。
【0012】
<単量体成分>
本発明の光硬化性樹脂組成物を構成する単量体成分は、環状構造を有する多官能不飽和単量体(以下「特定の多官能単量体(a)」ともいう。)を(A)成分として含有し、環状構造を有し、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が70℃以上である単官能不飽和単量体(以下「特定の単官能単量体(b)」ともいう。)を(B)成分として含有してなる。
【0013】
特定の多官能単量体(a)としては、例えばトリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PPO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、PPO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、PPO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性臭素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PPO変性臭素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PPO変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、PPO変性水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、EO変性水添ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、PPO変性水添ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックポリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート、1、3−ジ(メタ)アクリルアミドメチル−2−イミダゾリドン、カルドエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、芳香族ポリエステル(メタ)アクリレート、脂環式ポリエステルアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
これらのうち、特にトリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0015】
かかる特定の多官能単量体(a)の市販品としては、例えばSA1002(以上三菱化学株式会社製)、ビスコート700、540、3000、3700(以上大阪有機化学工業株式会社製)、カヤラッドR−551、R−712、R−604、R−684、HBA−024E、HBA−240P(以上日本化薬株式会社製)、アロニックスM−210、M−215、M−315、M−325、M−6200、M−6400(以上東亞合成株式会社製)、ライトアクリレートBP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A(以上共栄社油脂化学工業株式会社製)、ニューフロンティアBPE−4、TEICA、BR−42M、GX−8345(以上第一工業製薬株式会社製)、ASF−400(新日鐵化学株式会社製)、リポキシSP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060(以上昭和高分子株式会社製)、NKエステルA−BPE−4(以上新中村化学工業株式会社製)などを使用することができる。
【0016】
単量体成分に占める(A)成分の割合は、30〜70重量%とされ、好ましくは35〜65重量%、更に好ましくは40〜60重量%とされる。(A)成分の割合が30重量%未満の場合には、得られる組成物が十分な光硬化性を有するものとならず、当該組成物による硬化物において、高い機械的強度や耐熱性を発現することができない。一方、(A)成分の割合が70重量%を超える場合には、得られる組成物の粘度が過大となり、また、組成物の硬化収縮率が大きくなって寸法精度の高い硬化物を得ることができない。
【0017】
特定の単官能単量体(b)は、環状構造とエチレン性不飽和結合とを有する単官能性の単量体であり、当該単量体を単独重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上とされ、好ましくは90℃以上とされる。ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が70℃以上となる単量体を(B)成分として用いることにより、得られる組成物による硬化物は、高温条件下に使用される耐熱製品(例えば「型」)に要求される耐熱性を十分に満足するものとなる。
【0018】
ここで、特定の単官能単量体(b)のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定法(DSC)に基づいて測定される値をいうものとする。具体的には、特定の単官能単量体(b)に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを3重量%となる割合で添加して溶解した後、5J/cm2 の紫外線を照射してホモポリマーを製造し、このホモポリマーのDSC測定(昇温速度20℃/min)を行い、示差熱曲線の2次転移点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
【0019】
特定の単官能単量体(b)の具体例としては、例えば(メタ)アクリロイルモルフォリン、モルフォリノエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化水添ナフトール、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、p−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化シクロヘキセンオキサイド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、特に(メタ)アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、トリシクロ[5,2,1,02,6 ]デカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が好ましい。
【0020】
かかる特定の単官能単量体(b)の市販品としては、ACMO(以上株式会社興人製)、FA−513A、FA−511A(以上日立化成株式会社製)、アロニックスTO−1316、TO−1225、TO−1317、TO−1315(以上東亞合成株式会社製)、IBXA、ビスコート2000、2100、2150(以上大阪有機化学工業株式会社)などを使用することができる。
【0021】
単量体成分に占める(B)成分の割合は、30〜70重量%とされ、好ましくは35〜65重量%、更に好ましくは40〜60重量%とされる。(B)成分の割合が30重量%未満の場合には、組成物の硬化収縮率が大きくなって寸法精度の高い硬化物を得ることができない。一方、(B)成分の割合が70重量%を超える場合には、得られる組成物が十分な光硬化性を有するものとならず、当該組成物による硬化物において、高い機械的強度や耐熱性を発現することができない。
【0022】
<光重合開始剤>
(C)成分である光重合開始剤は、特定の多官能単量体(a)および特定の単官能単量体(b)中に含まれるエチレン性不飽和結合の重合反応を開始するためのものであり、光が照射されることによって分解してラジカルまたはカチオンを発生させ、上記単量体の重合を開始させるものであれば特に限定されるのではない。
【0023】
このような光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−2−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ−メチルペンチルフォスフィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、およびBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリンその他の色素増感剤との組み合わせ、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸類、4−フェノキシジクロロアセトフェノンを含むクロロアセトフェノン類等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
これらのうち、特にベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が好ましい。
【0025】
本発明の光硬化性樹脂組成物における(C)成分の含有割合は、単量体成分である(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜8重量部とされる。この割合が0.01部未満の場合には、得られる組成物の硬化速度や解像度が低下する傾向がある。一方、この割合が10重量部を超える場合には、得られる組成物の硬化特性や、当該組成物による硬化物の物性、耐熱性および取り扱い等に悪影響を及ぼすことがある。
【0026】
<無機充填材>
(D)成分として用いられる無機充填材は、粒子状のものおよび繊維状のものを用いることができる。粒子状の無機充填材における平均粒子径、または繊維状の無機充填材における平均繊維長は1〜50μmとされ、好ましくは3〜40μmとされる。この平均粒子径(平均繊維長)が1μmである場合には、得られる組成物の粘度が過大となると共に硬化速度が小さくなり、更に当該組成物によっては寸法精度の高い硬化物を得ることができない。一方、平均粒子径(平均繊維長)が50μmを超える場合には、得られる組成物によって平滑な表面を有する硬化物を得ることができず、当該硬化物を「型」として用いても、平滑な表面を有する成型物を得ることができない。
【0027】
かかる無機充填材の具体例としては、例えば酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイソウ土、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、シリカ粒子、シラスバルーン、ガラス繊維、チタン酸カリウムウィスカー、カーボンウィスカー、サファイアウィスカー、ベリリアウィスカー、炭化ホウ素ウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー等を挙げることができる。これらの中では、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、チタン酸カリウムウイスカー等が好ましい。これらの無機充填材は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
また、無機充填材としては、シランカップリング剤等により表面処理されたものであってもよい。無機充填材の表面処理剤として使用されるシランカップリン剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0029】
これらの無機充填材の市販品としては、例えばガラスビーズGB210、GB210A、GB210B、GB210C、GB045Z、GB045ZA、GB045ZB、GB045ZC、GB731、GB731A、GB731B、GB731C、GB731M、GB301S、EGB210、EGB210A、EGB210B、EGB210C、EGB045Z、EGB045ZA、EGB045ZB、EGB045ZC、MB−10、MB−20、EMB−10、EMB−20、HSC−070Q、HSC−024X、HSC−080S、HSC−070G、HSC−075L、HSC−110、HSC−110A、HSC−110B、HSC−110C(以上、東芝バロティーニ株式会社製);ラジオライト#100、ラジオライト ファインフローB、ラジオライト ファインフローA、ラジオライトスパークルフロー、ラジオライト スペシャルフロー、ラジオライト #300、ラジオライト #200、ラジオライト クリアーフロー、ラジオライト #500、ラジオライト #600、ラジオライト #2000、ラジオライト #700、ラジオライト #500S、ラジオライト #800、ラジオライト #900、ラジオライト #800S、ラジオライト #3000、ラジオライト エース、ラジオライトスーパーエース、ラジオライト ハイ・エース、ラジオライト PC−1、ラジオライト デラックスP−5、ラジオライト デラックスW−50、ラジオライト マイクロファイン、ラジオライトF、ラジオライト SPF、ラジオライト GC(以上、昭和化学工業株式会社製);ハイジライト H−X、ハイジライト H−21、ハイジライト H−31、ハイジライト H−32、ハイジライト H−42、ハイジライト H−42M、ハイジライト H−43、ハイジライト H−32ST、ハイジライトH−42STV、ハイジライト H−42T、ハイジライト H−34、ハイジライト H−34HL、ハイジライト H−32I、ハイジライト H−42I、ハイジライト H−42S、ハイジライト H−210、ハイジライト H−310、ハイジライト H−320、ハイジライト H−141、ハイジライト H−241、ハイジライト H−341、ハイジライト H−320I、ハイジライト H−320ST、ハイジライト HS−310、ハイジライト HS−320、ハイジライト HS−341、アルミナ A−42−6、アルミナA−42−1、アルミナ A−42−2、アルミナ A−42−3、アルミナ
A−420、アルミナ A−43−M、アルミナ A−43−L、アルミナ
A−50−K、アルミナ A−50−N、アルミナ A−50−F、アルミナ
AL−45−H、アルミナ AL−45−2、アルミナ AL−45−1、アルミナ AL−43−M、アルミナ AL−43−L、アルミナ AL−43PC、アルミナ AL−150SG、アルミナ AL−170、アルミナ A−172、アルミナ A−173、アルミナ AS−10、アルミナ AS−20、アルミナ AS−30、アルミナ AS−40、アルミナ AS−50(以上、昭和電工株式会社製);スターマグ−U、スターマグ−M、スターマグ−L、スターマグ−P、スターマグ−C、スターマグ−CX、高純度マグネシアHP−10、高純度マグネシアHP−10N、高純度マグネシアHP−30、スターブランド−200、スターブランド−10、スターブランド−10A、星印炭酸マグネシウム 金星、星印炭酸マグネシウム 二ッ星、星印炭酸マグネシウム 一ッ星、星印炭酸マグネシウム S、星印炭酸マグネシウム 飼料用、星印炭酸マグネシウム 重質、高純度炭酸マグネシウムGP−10、高純度炭酸マグネシウム30、スターブランド軽質炭酸カルシウム 一般用、スターブランド軽質炭酸カルシウム EC、スターブランド軽質炭酸カルシウム KFW−200(以上、神島化学工業株式会社製)、MKCシリカ GS50Z、MKCシリカ SS−15(以上、三菱化学株式会社製)、アドマファイン SO−E3、アドマファイン SO−C3、アドマファイン AO−800、アドマファイン A0−809、アドマファインAO−500、アドマファイン AO−509(以上、株式会社アドマテックス製);XM−220(三井石油化学株式会社製);ティスモ−D、ティスモ−L、トフィカーY、トフィカーYN、トフィカーYB、デンドールWK−200、デンドールWK−200B、デンドールWK−300、デンドールBK−200、デンドールBK−300、スワナイト、バリハイBスーパーデントール(以上、大塚化学株式会社製)等が挙げられる。
【0030】
本発明の光硬化性樹脂組成物における(D)成分の含有割合は、(A)成分、(B)成分および(C)成分の総量100容量部に対して100〜160容量部とされ、好ましくは120〜155容量部とされる。ここで「無機充填材の容量」とは、無機充填材の重量(w)を当該無機充填材の真比重(d)で除した値(w/d)をいうものとする。
【0031】
(D)成分の含有割合が100容量部未満である場合には、得られる光硬化性樹脂組成物の保存安定性が低く、無機充填材の浮遊あるいは沈降が生じ易くなって均一性が損なわれる傾向があり、高い強度および優れた耐熱性を有する硬化物を得ることが困難となる。一方、(D)成分の含有割合が160容量部を超える場合には、当該組成物の粘度が高くなる傾向があり、寸法精度の高い硬化物を得ることが困難となる。
【0032】
<任意成分>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を必須成分として含有するものであるが、必須成分以外の任意成分として、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミン系化合物からなる増感剤(重合促進剤)、ビニルエーテル類、ビニルスルフィド類、ビニルウレタン類、ウレタンアクリレート類、ビニルウレア類等の希釈剤、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、石油系樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、セルロース樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等の樹脂系添加剤、フェノチアジン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、無機充填剤、樹脂粒子、顔料、染料等を含有させることもできる。これらの任意成分の含有割合は、光硬化性樹脂組成物における硬化性を妨げない範囲内で適宜調整することができる。
【0033】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記必須成分および必要に応じて用いられる任意成分を均一に混合することによって調製することができる。このようにして調製される光硬化性樹脂組成物の粘度(25℃)は、100〜50,000cpsの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは500〜20,000cpsの範囲とされる。
【0034】
<立体形状物の製造>
このようにして得られる本発明の光硬化性樹脂組成物は、光造形法における光硬化性材料として好適に使用することができる。すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成物に対して、可視光、紫外光、赤外光等の光を選択的に照射して硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、硬化樹脂層が一体的に積層されてなる、所望の形状の立体形状物を製造することができる。
【0035】
具体的に説明すると、適宜の支持ステージ上に光硬化性樹脂組成物を供給してその薄層(1)を形成し、この薄層(1)に対して選択的に光を照射することにより、固体状の硬化樹脂層(1)をする。次いで、この硬化樹脂層(1)上に光硬化性樹脂組成物を供給してその薄層(2)を形成し、この薄層(2)に対して選択的に光照射することにより、前記硬化樹脂層(1)上にこれと連続して一体的に積層するよう新しい硬化樹脂層(2)を形成する。そして、光照射されるパターンを変化させながら或いは変化させずに、この工程を所定回数繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層(n)が一体的に積層されてなる立体形状物が形成される。
【0036】
光硬化性樹脂組成物に光を選択的に照射する手段としては、特に制限されるものではなく、種々の手段を採用することができる。例えば、▲1▼ レーザ光、あるいはレンズやミラー等を用いて得られた収束光を走査させながら組成物に照射する手段、▲2▼ 所定のパターンの光透過部を有するマスクを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に照射する手段、▲3▼ 多数の光ファイバーが束ねられてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を組成物に照射する手段等を採用することができる。また、マスクを用いる手段においては、マスクとして、液晶表示装置と同様の原理により、所定のパターンに従って、光透過領域と光不透過領域とよりなるマスク像を電気光学的に形成するものを用いることもできる。以上において、目的とする立体形状物が微細な形状を有するものである場合および高い寸法精度が要求されるものである場合には、組成物に選択的に光を照射する手段として、レーザー光を走査する手段を採用することが好ましい。
【0037】
このようにして得られる立体形状物に対して、その表面に残存する未反応の光硬化性樹脂組成物の除去処理を行った後、必要に応じて、洗浄処理を行う。この洗浄処理においては、洗浄剤として、イソプロピルアルコールおよびエチルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、アセトンおよびメチルエチルケトン等のケトン類等に代表される有機溶剤、熱硬化性樹脂組成物および光硬化性樹脂組成物のうち粘性の低い樹脂組成物を使用することができる。
【0038】
また、表面平滑性に優れた立体形状物を得ようとする場合には、上記の樹脂組成物によって洗浄した後、当該樹脂組成物の種類に応じて、熱処理または光照射処理によるポストキュアを行うことが好ましい。なお、このポストキュアは、立体形状物の表面に存在する樹脂組成物を硬化させるだけでなく、内部に残存する樹脂組成物を硬化させることもできるので、有機溶剤によって洗浄した場合であってもポストキュアーを行うことが好ましい。
【0039】
さらに、洗浄処理が施された立体造形物について、表面強度および耐熱性を向上させる観点から、熱硬化性または光硬化性のハードコート材を用いて表面コーティング処理を行うことが好ましい。かかるハードコート材としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等よりなる有機コート材および各種の無機コート材を使用することができ、2種以上のハードコート材を併用することも可能である。
【0040】
以上のようにして得られる立体形状物(本発明の組成物による硬化物)は、高い寸法精度を有し、しかも、熱変形温度が100℃以上であって、高温高圧条件下で使用する「型」に要求される機械的強度および耐熱性を十分に具備するものである。従って、当該立体形状物は、射出成形法、プレス成形法、真空成形法、圧空成形法、発泡成形法等の各種成型法に用いる樹脂製型として特に好適である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0042】
<実施例1〜4>
表1に示す配合処方に従って、(A)成分、(B)成分、(C)成分および任意成分(添加剤)を攪拌容器内に仕込み、50℃で2時間攪拌することによって均一な樹脂液を得た。次いで、この樹脂液と、表1に示す(D)成分とを混合し、高速攪拌装置を備えた攪拌容器内に仕込んで、室温にて10分間攪拌(回転数:3000rpm)することにより、(D)成分が均一に分散されてなる本発明の光硬化性樹脂組成物(組成物〔1〕〜組成物〔4〕)を調製した。上記のようにして調製された本発明の組成物は、何れも不透明で均一な粘調液体であった。組成物〔1〕〜組成物〔4〕の各々について、B型粘度計により測定した粘度(25℃)を表1に併せて示す。
【0043】
<比較例1〜3>
表1に示す配合処方に従って、(A)成分、(B)成分、(C)成分および任意成分(添加剤)を攪拌容器内に仕込み、50℃で2時間攪拌することによって均一な樹脂液を得た。次いで、この樹脂液と、表1に示す(D)成分とを混合し、高速攪拌装置を備えた攪拌容器内に仕込んで、室温にて10分間攪拌(回転数:3000rpm)することにより、(D)成分が均一に分散されてなる比較用の光硬化性樹脂組成物(組成物〔5〕〜組成物〔7〕)を調製した。ここで、比較例1は、(D)成分の含有割合が過小である例、比較例2は、単量体成分に占める(B)成分の割合が過小である例、比較例3は、単量体成分に占める(A)成分の割合が過小である例である。上記のようにして調製された比較用の組成物は、何れも不透明で均一な粘調液体であった。組成物〔5〕〜組成物〔7〕の各々について、B型粘度計により測定した粘度(25℃)を表1に併せて示す。
【0044】
<光硬化性樹脂組成物の評価>
実施例1〜4により調製された組成物〔1〕〜組成物〔4〕、比較例1〜3により調製された組成物〔5〕〜〔7〕の各々について、下記のようにして、当該組成物による硬化物の曲げ強度および熱変形温度を測定した。結果を表1に併せて示す。
【0045】
〔試験片の作製〕
先ず、ガラス板にPETフィルムを固定し、さらにその上に縦120mm、横11mmの長方形の貫通孔が形成された厚みが4mmのシリコーンゴム板を貼り付けることによって試験片作製用の型を作製した。この型内に、▲1▼ 厚みが約1mmとなるように各組成物を一定量流し込み、▲2▼ メタルハライドランプを装備したコンベア硬化装置を用いて、紫外線を照射(照射量0.5J/cm2 )して硬化させた。前記▲1▼および▲2▼の操作を4回繰り返すことにより、厚みが4mmの棒状の硬化物を得た。さらに、この棒状の硬化物の全面に紫外線を照射(照射量10J/cm2 )することによりポストキュアを行い、さらに150℃で1時間アニールした後、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に24時間放置することによって試験片を作製した。
【0046】
〔曲げ強度の測定〕
温度温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、前記試験片の曲げ強度を測定した。ここに、曲げ速度を50mm/min、標線間距離を40mmとした。
【0047】
〔熱変形温度の測定〕
JIS K7207 A法に従って、前記試験片の熱変形温度を測定した。
【0048】
<樹脂製型の製造>
実施例1〜4により調製された組成物〔1〕〜〔4〕、比較例1〜3により調製された組成物〔5〕〜〔7〕の各々を用い、照射用光源としてアルゴンイオンレーザー(波長351nm、365nm)を使用した光造形装置「ソリッドクリエーターJSC−2000」(ソニー株式会社製)により、下記の条件に従って、キャビティー型およびコア型をぞれぞれ造形した。なお、図1は、キャビティー型を示す平面図(I)および側面図(II)である。同図において、1はピン形状、2はリブ、3はピン形状、4はツメ、5は固定用ネジ穴、6はピン形状である。
【0049】
(1)液面におけるレーザー光強度:40mW,
(2)走査速度:100cm/秒,
(3)形成する硬化樹脂層の厚み:0.2mm,
(4)キャビティー型積層回数:306回
(5)コア型積層回数:220回
【0050】
〔後処理〕
造形されたキャビティー型およびコア型の表面に付着した樹脂組成物を拭き取り、紫外線ランプにより、照射光強度20mW/cm2 、照射時間30分間の条件で、ポストキュアを行い、更に150℃で1時間アニールを行った。
【0051】
<樹脂製型の評価(射出成形)>
以上のようにして造形された樹脂製型(キャビティー型およびコア型)の各々について、ABS樹脂「S996−JBグレー」(日本合成ゴム株式会社製)よりなる成形材料を、型締力10トン、シリンダー温度230℃、金型温度40℃、射出速度20mm/秒、保圧(10%)175kg/cm2 の条件で、射出成形を行うことにより射出成形物を得た。得られた射出成形物の寸法精度、および樹脂製型の繰り返し耐久性を下記のようにして評価した。結果を表1に併せて示す。
【0052】
〔射出成形物の寸法精度〕
射出成形物の設計寸法に対して、精度0.5%未満の場合を「良好」、精度0.5%以上の場合を「不良」として評価した。
【0053】
〔繰り返し耐久性〕
樹脂製型を用いた射出成形を連続して行い、当該樹脂製型が破損せずに成形可能な回数を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】
なお、表1中、(a)〜(l)で注記された構成成分の商品名は次のとおりである。
(a):「ユピマーUV SA1002」〔三菱化学(株)製〕
(b):「VR−77」〔昭和高分子(株)製〕
(c):「アロニックス M−315」〔東亜合成(株)製〕
(d):「SR259」〔サートマー社製〕
(e):「ビニルピロリドン」〔BASF社製〕
(f):「ビニルカプロラクタム」〔BASF社製〕
(g):「ACMO」〔興人(株)製〕
(h):「FA−513A」〔日立化成(株)製〕
(i):「ビスコート192」〔大阪有機化学工業(株)製〕
(j):「イルガキュア 369」〔チバガイギー社製〕
(k):「イルガキュア 651」〔チバガイギー社製〕
(l):「GBO45ZC」(東芝バロティーニ(株)製〕
【0056】
表1から明らかなように、実施例1〜4により得られた組成物〔1〕〜〔4〕は、何れも、光造形法に使用する光硬化性材料として好適な粘度を有し、各組成物による硬化物は、曲げ強度が大きくて熱変形温度が100℃以上と高いものであり、機械的強度および耐熱性を十分に兼ね備えたものであることが理解される。そして、光硬化性材料として組成物〔1〕〜〔4〕を用いて造形された樹脂製型によれば寸法精度の高い成形品を得ることができ、当該樹脂製型は繰り返し耐久性に優れていることが理解される。
【0057】
これに対して、比較例1により得られた組成物〔5〕は、(D)成分の含有割合が過小であるので、当該組成物による硬化物は曲げ強度が低いものであった。また、当該組成物を用いて造形された樹脂製型によっては寸法精度の高い成形品を得ることができず、当該樹脂製型は繰り返し耐久性に劣るものであった。
【0058】
また、比較例2〜3により得られた組成物〔6〕〜〔7〕の硬化物は、曲げ強度および熱変形温度が低く、また、これらの組成物を用いて造形された樹脂製型では寸法精度の高い成形品を得ることができず、これらの樹脂製型は、繰り返し耐久性にも劣るものであった。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、機械的強度が高くて耐熱性に優れた硬化物を形成することができ、光造形法による成型用樹脂製型の製造に用いられる光硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0060】
請求項2に記載の発明によれば、寸法精度の高い成形品を得ることができ、100回以上の成型加工に供した場合であっても変形・破損を生じない、繰り返し耐久性に優れた成型用樹脂製型を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例において製造した樹脂製型の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ピン形状
2 リブ
3 ピン形状
4 ツメ
5 固定用ネジ穴
6 ピン形状
Claims (2)
- (A)環状構造を有する多官能不飽和単量体30〜70重量%、および
(B)環状構造を有し、ホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が70℃以上である単官能不飽和単量体70〜30重量%を含有してなる単量体成分と、
(C)光重合開始剤と、
(D)平均粒子径または平均繊維長が1〜50μmである無機充填材と
を含有してなり、
前記無機充填材の含有割合は、前記単量体成分および前記光重合開始剤の総量100容量部に対して100〜160容量部であり、
硬化して得られる硬化樹脂の熱変形温度が100℃以上であって、ウレタン(メタ)アクリレートを含有しないことを特徴とする成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物。 - 光硬化性材料に選択的に光照射して硬化樹脂層を形成する工程を繰り返すことにより、複数の硬化樹脂層が一体的に積層されてなる樹脂製型を製造する方法において、光硬化性材料として、請求項1に記載の成型用樹脂製型製造用光硬化性樹脂組成物を用いることを特徴とする成型用樹脂製型の製造方法。
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