JP3656862B2 - 機械部品の最適設計方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、プレス金型を構成するガイドプレート等の機械部品を設計する際に、その設計作業の負荷(設計時間等)を低減し得る機械部品の最適設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プレス金型等の構造物を作成する際、上型と下型の金型の本体部(型本体部という。)や大型の機械部品であるカムスライダー等は、鋳造により製作されるが、これら型本体部等に装着される機械部品、例えば、カムユニット、スクラップカッタ、ガイドプレート、ガイドピン等は、予め定められている標準機械部品(標準規格部品ともいう。)から選択される。予め標準機械部品を定めるのは、使用する機械部品の品数を少なくして、大量購入による部品コストの低減化や部品管理コストの低減化等を図るためである。
【0003】
そこで、例えば、カムスライダー上にボルトにより固定されるガイドプレート(スライドプレートともいう。)のCADシステムを利用した設計について説明する。
【0004】
カムスライダーは、製品形状を形成する部分を有するので通常鋳物で製作される。このため、CADシステムを利用して設計した任意の寸法のものを製作することが可能である。しかし、ガイドプレートは、鋼材であり、カムスライダーの寸法に対応した標準機械部品が選択される。
【0005】
この場合、ガイドプレートは、標準機械部品としてカタログあるいは一覧表中に掲載されているものを選択することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、設計者は、カタログあるいは標準機械部品一覧表を眺めながら試行錯誤して、例えば、ある設計者は部品コストを重視した選択を行い、またある設計者は部品点数が最小になるように設計を行う。さらにある設計者はガイドプレートのカムスライダーへの取付コストが最小になるように設計を行う等していたため、設計者毎に設計基準がばらばらであった。標準機械部品の選定に対するこのような設計者個人の設計基準に基づく設計方法は、いわゆる設計コスト的に最適設計方法であるとはいい難いという問題があった。
【0007】
そして、上述の設計基準を決めて設計を行うにしても、実際上、ガイドプレートの標準部品の数は、数十点程度あり、設計者個人が決めた基準により本当に設計されているかどうかを確認する作業には相当に時間がかかるという問題もあった。
【0008】
また、そのようにして選択したガイドプレートをCADシステム上のデータとするためには、CADシステムを構成するディスプレイ上に寸法未記入のガイドプレートを表示し、その寸法未記入のガイドプレート上に前記カタログ等を見ながら所定の寸法をキーボード等により入力していたため、単純な入力ミスが発生する可能性が高いという問題もあり、結果として、多大な設計工数を計上してしまうという問題があった。
【0009】
その上、プレス金型の設計に限ってみてもガイドプレートのみの設計ではなく、上述した他の部品、例えば、ガイドピン、スクラップカッタ等についても標準部品から何らかの設計基準により選択する設計作業が必要となり、実際上、従来の技術では、これら全ての作業が設計者の経験に委ねられていたため、最適設計になっていない場合も多々あるものと考えられる。
【0010】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、構造物を作成する際に、この構造物を構成する標準機械部品(標準規格部品)の設計変更時に最適な標準機械部品を容易に抽出できる設計方法を提供し、設計者に対する負荷の低減化が図れ、トータル的なコストダウンに寄与することを可能とする機械部品の最適設計方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、人手により入力操作が行われる入力機器、機械部品の部品名毎に予め複数の標準機械部品が寸法を含むデータとして格納されている標準機械部品データ格納表、及び自動設計手段を備えたCADシステムを用いる機械部品の最適設計方法において、前記自動設計手段により、前記入力機器から入力された機械部品の部品名と寸法に対応して前記標準機械部品データ格納表を検索し、入力された機械部品の寸法が、前記標準機械部品データ格納表に格納されている前記標準機械部品のうち最大寸法を超える場合に、前記標準機械部品データ格納表に格納された複数の標準機械部品を検索し、複数の標準機械部品の寸法の合成寸法が入力された機械部品の寸法未満で、設計基準を満足し、且つ部品点数が最小となるように、2以上の標準機械部品を選定することを特徴とする。
また、この発明は、人手により入力操作が行われる入力機器、機械部品の部品名毎に予め複数の標準機械部品が寸法及びコストを含むデータとして格納されている標準機械部品データ格納表、及び自動設計手段を備えたCADシステムを用いる機械部品の最適設計方法において、前記自動設計手段により、前記入力機器から入力された機械部品の部品名と寸法に対応して前記標準機械部品データ格納表を検索し、入力された機械部品の寸法が、前記標準機械部品データ格納表に格納されている前記標準機械部品のうち最大寸法を超える場合に、前記標準機械部品データ格納表に格納された複数の標準機械部品を検索し、複数の標準機械部品の寸法の合成寸法が入力された機械部品の寸法未満で、設計基準を満足し、且つ部品コストが最低となるように、2以上の標準機械部品を選定することを特徴とする。
【0012】
この場合、入力された寸法が一次元の長さである場合には、その長さに最も近い機械部品をいい、入力された寸法が二次元の面積である場合には、その面積に最も近い機械部品をいう。
【0013】
また、この発明によれば、入力した寸法に対して、複数の標準機械部品の寸法の合成寸法が入力された機械部品の寸法未満で、設計基準を満足するとともに、部品点数又は部品コストが最低になる標準機械部品を標準機械部品の中から自動的に選択することができる。
【0014】
前記自動設計手段は、前記標準機械部品データ格納表に格納された複数の標準機械部品を検索する際、標準機械部品を総当たりで検索してもよい。
【0015】
前記機械部品は、カム面に当接するガイドプレートであり、前記設計基準は、カム面から受ける単位面積当たりの圧力が規定閾値以下とする基準としてもよい。
【0017】
また、この発明は、入力された機械部品が、製品形状部とこれに対応する型構造部とからなる型構造物を構成する機械部品である場合に、好適に適用できる。
【0018】
機械部品としては、ガイドプレート、スクラップカッタ、ウレタンスプリング、カムユニット、ガイドピン等を挙げることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
この発明の一実施の形態が適用されるCADシステムは、周知のCADシステム、例えば、この出願人の出願に係る特開平4−276865号公報に開示されたCADシステムを使用することができる。まず、このCADシステムの構成を概略的に説明する。
【0021】
図1は、このCADシステム12の構成を示している。ホストコンピュータ21にインサーネット等のネットワーク22を通じて接続されているCADシステム12は、中央処理装置を有し図形計算や表示制御データベース管理等の役割を持つコンピュータ23、大量の図形情報等を保存し更新することのできる光ディスク等の大容量記憶装置24、XYプロッタ等の図形出力装置25、CADシステム12とその使用者(オペレータであって、通常、設計者)との対話の中心的装置であり入力装置と連動して利用される複数のグラフィックディスプレイ装置26、各グラフィックディスプレイ装置26に接続されるスタイラスペンを有するタブレット31、キーボード32、マウス33、ライトペン34等の機器から構成されている。
【0022】
そして、CADシステム12は、図2に示すように、多くのプログラムを有している。各プログラムは分担する機能により次のようなモジュールに分類することができる。
(a) CADシステム12内の処理および情報の流れを制御するオペレーティングシステム41および制御モジュール42
(b) 各種の入力機器、例えば、キーボード32に対応した入力操作が円滑に行われるように援助する入力モジュール43
(c) 入力された情報をコマンド命令の形式に従って解釈する入力解釈モジュール44
(d) 表示情報の管理およびコマンドに従った表示処理を行う表示モジュール45
(e) 命令に対応したサブモジュールより構成されるコマンドに従った図形処理を行うコマンドモジュール46
(f) データベース47(この実施の形態において、後に説明するガイドプレート標準機械部品データ格納表等はこのデータベース47に記憶されている。)に保持されたCADシステム12に必要な大量の情報を効率よく検索および蓄積するデータベース操作モジュール48
(g) 自動設計プログラムを含むマクロプログラム51を実行するマクロモジュール52
(h) 他のCADシステムとの情報交換および連動処理を行う外部システムインタフェース53
また、CADシステム12には、拡張性および保守性を保つため、システムの構成および標準値等を記憶するシステム制御ファイル54、各コマンドの操作性およびプログラム制御手順を記憶するコマンド制御ファイル55、表示装置の機種および構成を記憶する表示制御ファイル56のような補助ファイルが用意される。なお、その他、補助的なものとして、図形の処理を行う図形処理ライブラリ57、グラフィックディスプレイ装置26に表示を行うための表示ライブラリ58、処理結果を図形出力装置25に出図するための出図ユーティリティ59、ホストコンピュータ21に接続される他のCADシステムと結合するためのデータ交換ユーティリティ60等が用意される。
【0023】
各モジュールについて簡単に説明する。
【0024】
制御モジュール42は、プログラム群をモジュール化し、各モジュール間に介在することにより、システム内制御の一元管理および呼び出し手順の標準化を行う。その機能としては、開始、終了、異常処理および各モジュールの実行制御、実行履歴の記録、デバッグ機能処理並びにオペレーティングシステム41との特殊処理等を行う。
【0025】
入力モジュール43は、各種入力装置の各種入力方法を整理統一した仕様に従った快適な入力手順を使用者に提供する。その機能は、使用者に対し入力すべき情報の種類、入力方法および入力装置を指示する入力促進、入力装置の選択、入力情報の標準型への変換を行う。
【0026】
入力解釈モジュール44は、入力情報の解釈方法および結果表示を一元化することにより、多様な入力指示方法をサポートし入力操作性を向上させるとともに、システムの拡張性を維持する。その機能としては、入力情報の解釈および解釈結果の表示を行う。
【0027】
表示モジュール45は、多様な表示操作要求を統一的に処理し、表示情報および表示状態の管理を行う。
【0028】
コマンドモジュール46は、入力引数の形式、コマンドに従った処理プログラムの呼び出し、結果の処理方法を一元的に管理し、システムの保守性および拡張性を維持する。
【0029】
データベース操作モジュール48は、他モジュールからの要求方法を標準化するとともに、障害発生時の回復手段を提供する。その機能は、データベース47の使用状況の管理、操作、障害発生時の処理を行うことにある。
【0030】
マクロモジュール52は、作成されたマクロプログラム51に従いCADシステム12の実行制御を行う。その機能は、マクロプログラム51の翻訳、実行である。
【0031】
外部システムインタフェース53は、他システムとの情報授受を標準化し、CADシステム12の有効利用を図る。その機能は、外部システムとの情報授受、外部プログラムの稼働制御を行うことにある。
【0032】
以上のようなCADシステム12を用いてこの発明の一実施の形態を実施することができる。
【0033】
次に、この発明の一実施の形態の作用を図3に示すフローチャートに基づいて説明する。図3のフローチャートに係る制御主体はコンピュータ23(図1参照)である。なお、以下の作用の説明に際し、その都度、このCADシステム12を参照することは煩雑になるので、特に必要となる場合にのみ参照する。
【0034】
この発明の理解を容易にするため、この実施の形態において、これから設計しようとする機械部品は、製品形状部とこれに対応する型構造部とからなるプレス金型等の型構造物を構成する機械部品であるものとして説明する。
【0035】
そこで、まず、これから設計しようとする機械部品の部品名をCADシステム12に入力する(ステップS1)。ここでは、「ガイドプレート」と入力する。これにより、設計対象部品が特定される。なお、実際上は、「プレス金型」と入力することによりグラフィックディスプレイ装置26上に「1.ガイドプレート、2.スクラップカッタ等」と、番号に対応して部品名が表示されるので、その番号をマウス等によりクリックすることで入力処理が行われる。入力をしたとき、ディスプレイ装置26の画面上に入力処理に対応した、例えば、ガイドプレートの標準画面が現れる。
【0036】
ガイドプレートの標準画面を図4に示す。図4から分かるように、ガイドプレートPは、基本的には直方体の形状を有し、横の長さ(単に、長さともいう。)W、縦の長さ(単に、幅ともいう。)T、基準隅(この例では左上隅)rから左上側の取付孔1までの寸法a、寸法c、取付孔1間の間隔寸法b、間隔寸法dおよび厚みtで定義される。なお、ガイドプレートPの4個の取付孔1は、図示しない中心線に対して対称に設けられている。
【0037】
次に、これから設計しようとするガイドプレートPが載置される面の寸法を入力するのであるが、この寸法の入力処理の前に、既に設計の完了している例について説明する。
【0038】
図5は、CADシステム12に既に登録されている既存のカムスライダー71の構成を示している。このカムスライダー71のガイドプレート載置面72上には、ガイドプレートPの取付孔1(図4参照)の位置に対応してネジ孔2が開けられている。ガイドプレート載置面72の広さ(面積)は、横の長さWfがWf=205mm、縦の長さTf=Tfが155mmであるものとする。
【0039】
図6は、カムスライダー71のガイドプレート載置面72上に、このガイドプレート載置面72の大きさに対応したガイドプレートP(P=P6:後述する)が図示しない4本のボルトにより取り付けられ固着された構成、すなわちガイドプレート付カムスライダー73の構成を示している。ガイドプレートP6の寸法は、横の長さWがW=200mm、縦の長さTがT=150mm、厚みt(図4参照)がt=20mmになっている。
【0040】
図7に示すように、ガイドプレート付カムスライダー73は、プレス金型75の下型77上に取り付けられる。上型76が矢印方向に下降することで、ワーク80に対して上型76にウレタン製のスプリング91を介して取り付けられているパッド92の製品形状面76Aと下型77の製品形状面77Aとが当接し、その間に配設された鋼板であるワーク80の上下面が成形される。
【0041】
そして、製品形状面76Aと製品形状面77Aとでワーク80を押さえつけた状態において、上型76のカム面78を有する部分のみがさらに矢印方向に下降してガイドプレートP6に当接する。当接した後、さらにカム面78を有する部分が下降することで、ガイドプレート付カムベース73が、矢印で示す水平方向にスライドし、ワーク80の側面に当たる。これにより、カムスライダー71の凹凸形状部71Aに対応した凹凸形状部81がワーク80の側面の対応部に形成されることになる。この図7例では、ガイドプレートP6の厚みtにより矢印で示す水平方向のスライド量が決定される。なお、型構造物であるプレス金型75の上型76と下型77とは、それぞれ、ガイドポスト64(通常、上型76の4隅にある。)等を有する構造部65と、この構造部65によって保持される製品形状部66とか構成されている。
【0042】
そこで、この実施の形態において、ワーク80の形状が設計変更されて、プレス金型75とカムスライダー71の設計変更が必要になったものとする。
【0043】
図8は、設計変更された比較的に長尺なカムスライダー171の構成を示している。このカムスライダー171のガイドプレート載置面172の広さ(面積)は、横の長さWfがWf=205mmからWf=1190mmに伸張変更され、縦の長さTfは長さTf=155mmで同じであるものとする。
【0044】
上述したように、カムスライダー171は、鋳物品であるので、原則として、寸法上の制限はなく、その大きさのものを製作することができる。そして、カムスライダー載置面172の横の長さWf=1190mmに適合するガイドプレートPの横の長さWはW=1190mmであることが、一見、都合の良いように思える。しかし、実際上、横の長さWがW=300mmを超えるガイドプレートPは、保管上の管理が困難であり、また、長尺であって、かつ重量も大きいので取り扱い性が悪い。その上、いわゆる特別注文品になってしまい、部品コストが高くなるという問題がある。
【0045】
そこで、これから設計しようとするガイドプレートPの必要な設計上の寸法を入力する(ステップS2)。ここでは、ガイドプレートPの寸法(図4参照)としてガイドプレート載置面172と同一の寸法を入力する。すなわち、ガイドプレートPの横の長さWとしてW=1190、幅TとしてT=155を入力し、厚みtは、t=20を入力する。
【0046】
これにより、CADシステム12のデータベースに予め格納されているガイドプレート標準機械部品データ格納表が参照され(ステップS3)、入力されたガイドプレートPの寸法が、このガイドプレート標準機械部品データ格納表に格納されているガイドプレートPの最大寸法以内の寸法であるかどうかが判定される(ステップS4)。
【0047】
もし、最大寸法以内の寸法である場合には、入力されたガイドプレートPの寸法と同じ寸法またはこれに最も近い寸法の標準機械部品が自動的に選定され抽出される(ステップS5)。
【0048】
そして、抽出した標準機械部品のガイドプレートPにおいて、カム面78(図7参照)から受ける単位面積当たりの圧力が0.5kg/mm2 以下になっているかどうかを判定する(ステップS6)。
【0049】
ステップS6の設計基準が満足される場合、ステップS5で抽出した標準機械部品を新たなプレス金型の付属品(この場合、ガイドプレート)としてデータベースに格納して設計が終了する(ステップS7)。
【0050】
一方、ステップS6の設計基準が満足されない場合には、例えば、ガイドプレートPの長さWが予め定められた単位寸法毎(例えば、10mm毎)に長くされ(ステップS8)、その都度ステップS6の判定がなされ、ステップS6の判定が成立したとき、そのようにして設計された新たなガイドプレートPがプレス金型75の付属品としてデータベースに格納され設計が終了する(再び、ステップS7)。
【0051】
ステップS4の判定において、入力されたガイドプレートPの寸法が、このガイドプレート標準機械部品データ格納表に格納されているガイドプレートPの最大寸法を超える寸法であった場合には、そのことをグラフィックディスプレイ装置26の画面上に表示するとともに、オペレータに優先条件の入力操作を促す表示をする(ステップS9)。
【0052】
この場合、画面上に表示されている「部品コスト優先」または「部品点数優先」のいずれかを選択して入力する(ステップS10)。「部品コスト優先」とは、組み合わせた標準機械部品の各コスト(原価)の和が最小になる選択方法をいい、「部品点数優先」とは、組み合わせた標準機械部品の部品点数が最小になる選択方法をいう。
【0053】
これらの優先条件のいずれかを入力したときに、上述のデータ格納表が参照され(ステップS11)、条件に最も適合する標準機械部品の組み合わせが抽出されグラフィックディスプレイ装置26の画面上に出力される(ステップS12)。なお、組み合わせた場合に、ガイドプレートPの長さWがW=1190mm以下であって幅TがT=155mm以下になること、および組み合わせたガイドプレートPの長さWが指定の長さW=1190mmに最も近い長さであることが抽出の際の前提条件となっている。指定の長さWに最も近い長さにする理由は、隙間を少なくして、圧力の設計基準0.5kg/mm2 を容易に満足するためである。この前提条件はソフトウエアとして格納されている。
【0054】
ここでは、ステップS10の優先条件として「部品コスト優先」を入力したものとする。なお、例えば、「部品コスト優先」をデフォルトの優先条件としておいてもよい。
【0055】
図9は、データベースに予め格納されているガイドプレート標準機械部品データ格納表GSTの例を示している。
【0056】
この格納表GSTでは、ガイドプレートPがガイドプレートP1〜P9まで9種類あることが分かる。格納表GST中の記号「W」、「T」、…等の意味は、図4に示したものと同様である。なお、単価(比)は、ガイドプレートP1を1.00としたときの比の値で表している。価格/m(比)は、幅TがT=150mmのガイドプレートP1、P3、P5、P6、P8についての単位長さ(mm)当たりの価格の比の値を示している。例えば、ガイドプレートP1の単位長さ当たりの価格の比の値は、1.00÷75=0.0133になる。
【0057】
ステップS12の条件に最も適合する標準機械部品の組み合わせ過程は、ほぼ、以下の通りである。
【0058】
すなわち、ガイドプレートPの幅Tはガイドプレート載置面72の幅Tf=155mm以内であることが必要条件であるので、ガイドプレートPとしては、幅TがT=150mmのガイドプレートP=P1、P3、P5、P6、P8が抽出の対象となる。このうち、最も廉価なガイドプレートPは、ガイドプレートP6であることが直ぐに分かる。
【0059】
これを6枚使用しようとすると、長さWがW=6×200=1200mmとなり、ガイドプレートPの指定の長さWfがWf=1190mm以下のものが必要であるという上記前提条件を満たさない。
【0060】
そこで、ガイドプレートP6を5枚使用することとすると、長さWがW=1000mmになり、次に単価の低いガイドプレートP5を1枚使うこととすると長さWがW=1150mmになり、指定の長さWfがWf=1190mmを満たす。
【0061】
しかし、最も指定長さWfに近い条件を考慮した場合、ガイドプレートP6を4枚、ガイドプレートP5を2枚、ガイドプレートP1を1枚に選択すればよいことが容易に分かり、この場合の長さWはW=200×4+150×2+75=1175mmになる。これが部品コスト優先であって、指定の長さWfに最も近い条件を考慮した場合の最適条件となる。
【0062】
この最適条件に係る組み合わせがステップS12においてグラフィックディスプレイ装置26の画面上に出力される。
【0063】
図10は、その組み合わせによりカムスライダー171上に載置した構成を示している。
【0064】
合成長さWが最も指定長さWfに近い値になるという条件を考慮しているので、通常、このようにして選定された組み合わせによって、圧力が0.5kg/mm2 以下であることが満足される(ステップS13)。
【0065】
したがって、ステップS12で選定され抽出された組み合わせの標準機械部品を新たなプレス金型の付属品としてデータベースに格納して設計が終了する(ステップS7)。この場合、図10に示した標準機械部品の組み合わせ(ガイドプレートP6が4枚、ガイドプレートP5が2枚およびガイドプレートP1が1枚の組み合わせ)から得られる取付用ネジ孔が、カムスライダー171のガイドプレート載置面172上に定義され、図示しないNC工作機械によるNCデータを次の段階で作成することができる。
【0066】
このように上述の実施の形態によれば、特に、ガイドプレートPが複数のガイドプレートPの組み合わせとなる場合に、いわゆる総当たりの全ての組み合わせを考慮して、部品コストが最も廉価になる組み合わせを瞬時に選定することができる。したがって、限られた時間の中で設計を終了させなければならない従来の技術と比較して設計効率を最大限に向上することができるという効果が得られる。
【0067】
また、ガイドプレートPの選定の際に、従来の技術の項で説明したように、選択したガイドプレートPをCADシステム12上のデータとするために、CADシステム12を構成するグラフィックディスプレイ装置26の画面上に寸法未記入のガイドプレートPを表示し、その寸法未記入のガイドプレートP上にカタログ等を見ながら所定の寸法をキーボード32等により入力する入力作業が不要となるので、単純な入力ミスが発生することもない。
【0068】
なお、上述の実施の形態においては、一方向の伸張について説明しているが、例えば、図11Aに示すように、長さWo、幅Toの1枚のガイドプレートPが載置されていたガイドプレート載置面72を、より大きな面積のガイドプレート載置面175に変更するとき、図11Bに示すように、例えば、そのガイドプレート載置面175の面積に最も近いガイドプレートPの組み合わせを瞬時に選定することができる。
【0069】
また、上述の実施の形態においては、標準機械部品としてガイドプレートを例として説明しているが、この発明は、ガイドプレートに限らず、プレス金型に装着される、カムユニット、スクラップカッタ、ガイドピン、ウレタンパッド等にも適用できることはもちろんである。
【0070】
また、この発明は上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、構造物を構成する標準機械部品(標準規格部品)の設計変更時に、所望の設計基準に基づいて、標準機械部品の中から最適な1個または複数の標準機械部品を容易に選定することができるという効果が達成される。
【0072】
また、選択した標準機械部品が自動的にCADシステム上のデータとなるので、ディスプレイ上に寸法未記入のガイドプレートを表示し、その寸法未記入のガイドプレート上にカタログ等を見ながら所定の寸法をキーボード等により入力する作業が不要となるため、単純な入力ミスが発生する可能性がなくなり、結果として多大な設計工数を計上してしまうという問題が未然に回避されるという効果も得られる。
【0073】
これらにより、設計者の負荷を低減でき、プレス金型の設計に関連してトータル的なコストダウンを図ることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態が適用されたCADシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1例のCADシステムに格納されているプログラムの内容説明に供されるブロック図である。
【図3】この発明の一実施の形態の作用説明に供されるフローチャートである。
【図4】ガイドプレートの仕様説明に供される斜視図である。
【図5】カムスライダーの構成例を示す斜視図である。
【図6】カムスライダー上にガイドプレートが載せられた状態を示す斜視図である。
【図7】カムスライダーが取り付けられたプレス金型の作用の説明に供される図である。
【図8】伸張されたカムスライダーの構成例を示す斜視図である。
【図9】ガイドプレート標準機械部品データ格納表の例を示す図である。
【図10】自動的に選定された組み合わせのガイドプレートがカムスライダーに装着された状態を示す斜視図である。
【図11】ガイドプレート載置面を平面的に広げたときの、ガイドプレートの組み合わせの自動選定に供される図であって、
図11Aは、ガイドプレートを広げる前の状態を示す図、
図11Bは、ガイドプレートの自動選定後の状態を示す図である。
【符号の説明】
12…CADシステム 65…構造部
66…製品形状部 71、171…カムスライダー
71A、81…凹凸形状部
72、172、175…ガイドプレート載置面
73…ガイドプレート付カムスライダー
75…プレス金型 76…上型
76A、77A…製品形状面 77…下型
78…カム面 80…ワーク
P…ガイドプレート T…ガイドプレートの幅
t…ガイドプレートの厚み W…ガイドプレートの長さ
Claims (5)
- 人手により入力操作が行われる入力機器、機械部品の部品名毎に予め複数の標準機械部品が寸法を含むデータとして格納されている標準機械部品データ格納表、及び自動設計手段を備えたCADシステムを用いる機械部品の最適設計方法において、
前記自動設計手段により、前記入力機器から入力された機械部品の部品名と寸法に対応して前記標準機械部品データ格納表を検索し、
入力された機械部品の寸法が、前記標準機械部品データ格納表に格納されている前記標準機械部品のうち最大寸法を超える場合に、前記標準機械部品データ格納表に格納された複数の標準機械部品を検索し、複数の標準機械部品の寸法の合成寸法が入力された機械部品の寸法未満で、設計基準を満足し、且つ部品点数が最小となるように、2以上の標準機械部品を選定することを特徴とする機械部品の最適設計方法。 - 人手により入力操作が行われる入力機器、機械部品の部品名毎に予め複数の標準機械部品が寸法及びコストを含むデータとして格納されている標準機械部品データ格納表、及び自動設計手段を備えたCADシステムを用いる機械部品の最適設計方法において、
前記自動設計手段により、前記入力機器から入力された機械部品の部品名と寸法に対応して前記標準機械部品データ格納表を検索し、入力された機械部品の寸法が、前記標準機械部品データ格納表に格納されている前記標準機械部品のうち最大寸法を超える場合に、前記標準機械部品データ格納表に格納された複数の標準機械部品を検索し、複数の標準機械部品の寸法の合成寸法が入力された機械部品の寸法未満で、設計基準を満足し、且つ部品コストが最低となるように、2以上の標準機械部品を選定することを特徴とする機械部品の最適設計方法。 - 前記自動設計手段は、前記標準機械部品データ格納表に格納された複数の標準機械部品を検索する際、標準機械部品を総当たりで検索することを特徴とする請求項1又は2記載の機械部品の最適設計方法。
- 前記機械部品は、カム面に当接するガイドプレートであり、前記設計基準は、カム面から受ける単位面積当たりの圧力が規定閾値以下とする基準であることを特徴とする請求項1又は2記載の機械部品の最適設計方法。
- 前記入力された機械部品が、製品形状部とこれに対応する型構造部とからなる型構造物を構成する機械部品であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機械部品の最適設計方法。
Priority Applications (1)
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JP17336595A JP3656862B2 (ja) | 1995-07-10 | 1995-07-10 | 機械部品の最適設計方法 |
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JPH0926980A JPH0926980A (ja) | 1997-01-28 |
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