JP3653253B2 - 磁界発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は磁界発生装置に関し、より特定的には、MRI用の磁界発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI用磁界発生装置において漏れ磁束を低減する技術の一例が実公平5−41530号に開示されている。ここでは、板状継鉄の主面において、その裏面側に着設してある永久磁石構成体の外周相当位置に環状に8個のフェライト磁石からなるシールド用磁石を配置することによって、漏れ磁束の発生が抑制される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この関連技術では、0.3T以上という高磁界を発生するMRI用磁界発生装置において、漏れ磁束を効果的に抑制することは難しい。このような高磁界を発生させるMRI用磁界発生装置を開放型に構成する場合も漏れ磁束を効果的に抑制することは難しい。
また、上述の関連技術では、シールド用磁石は磁界発生装置の外側に露出しているので、組立中および輸送中に工具・チェーン等の磁性体を引きつける可能性がある。このようなことが発生すると、シールド用磁石自体が焼結体であるので吸引時にシールド用磁石が破損する可能性がある。また、吸引されてシールド用磁石に貼り付いた磁性体が大きい場合には人力では取り外せないという問題も生じる。
【0004】
さらに、最近のMRI用磁界発生装置は脚部を有している。この脚部は磁性体からなり、板状継鉄の主面にシールド用磁石を接着した後に取り付けられるが、脚部がシールド用磁石に吸引されて作業者が危険にさらされる場合がある。
上述の弊害は、磁石重量を軽くするため磁力の強い希土類焼結磁石をシールド用磁石に使用した場合に顕著である。
【0005】
また近年、装置前方に磁界発生空間の中心からみて連続して150度以上の開放部を有する磁界発生装置が提案され普及しつつある。このような装置では、開放部において磁束の漏れが大きくなる。装置の軽量化を図るために装置前方を斜面状に構成する場合や、0.3T以上の強磁界を発生させる磁界発生装置では、この問題はより顕著となる。装置前方の板状継鉄を厚くすればある程度漏れ磁束は少なくなるが、連続して150度以上の開放部を有する磁界発生装置では、支持構造が不安定であり板状継鉄を厚くすることはできない。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、漏れ磁束換言すれば磁界発生装置の外側に発生する不要な磁界をより効果的に抑制できる、磁界発生装置を提供することである。
この発明の他の目的は、シールド用磁石の破損を防止できる、磁界発生装置を提供することである。
この発明のその他の目的は、安全に組み立て作業を行える、磁界発生装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の磁界発生装置は、空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、一対の板状継鉄を磁気的に結合する2本以下の支持継鉄、一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石少なくとも一方の板状継鉄の他方主面の開放側前方と後方とにそれぞれ設けられる第1のシールド用磁石と第2のシールド用磁石、板状継鉄と第1のシールド用磁石との間に介挿される第1のスペーサー、および板状継鉄と第2のシールド用磁石との間に介挿される第2のスペーサーを備える。
請求項2に記載の磁界発生装置は、空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石、少なくとも一方の板状継鉄の他方主面に設けられるシールド用磁石、板状継鉄とシールド用磁石との間に介挿されるスペーサー、およびシールド用磁石に設けられるカバー部材を備える。
【0008】
請求項3に記載の磁界発生装置は、請求項2に記載の磁界発生装置において、カバー部材は非磁性部材であることを特徴とする。
請求項4に記載の磁界発生装置は、請求項3に記載の磁界発生装置において、カバー部材の外側表面とシールド用磁石の表面との間の距離が2mm以上に設定されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の磁界発生装置は、空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石、少なくとも一方の板状継鉄の他方主面に設けられるシールド用磁石、板状継鉄とシールド用磁石との間に介挿されるスペーサー、およびシールド用磁石が設けられる板状継鉄の他方主面に形成される非磁性の脚部を備える。
請求項6に記載の磁界発生装置は、空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石、一対の板状継鉄を磁気的に結合し、永久磁石間の均一磁界空間の中心からみて連続して150度以上の開放角度を有する開放部を形成するように設けられる支持継鉄少なくとも一方の板状継鉄の開放部に対応する他方主面に設けられるシールド用磁石、および板状継鉄とシールド用磁石との間に介挿されるスペーサーを備える。
【0010】
請求項7に記載の磁界発生装置は、請求項6に記載の磁界発生装置において、板状継鉄が薄くなるように板状継鉄の他方主面は斜面を有し、斜面にシールド用磁石が設けられることを特徴とする。
請求項8に記載の磁界発生装置は、請求項6または7に記載の磁界発生装置において、均一磁界空間に0.3T以上の磁界が発生されることを特徴とする。
請求項9に記載の磁界発生装置は、請求項1から8のいずれかに記載の磁界発生装置において、シールド用磁石は希土類焼結磁石であることを特徴とする。
請求項10に記載の磁界発生装置は、請求項1から8のいずれかに記載の磁界発生装置において、スペーサーは磁性部材であることを特徴とする。
【0011】
この発明では、シールド用磁石を設けることによって漏れ磁束を少なくすることができる。また、スぺーサーを設けることによって板状継鉄からシールド用磁石を遠ざけることができるので、板状継鉄の磁気飽和を緩和でき、スペーサーを用いずにシールド用磁石を板状継鉄の他方主面に直接配置する場合よりも空隙の磁界強度を向上できる。
請求項1に記載の磁界発生装置では、板状継鉄の他方主面の開放側前方に第1のシールド用磁石を設けることによって、不要な磁束が装置前方から漏れるのを抑制できる。さらに、第2のシールド用磁石によって、装置後方において発生する漏れ磁束を小さくできる。
請求項2に記載の磁界発生装置では、カバー部材によってシールド用磁石が保護されるためシールド用磁石の破損を防止できる。
【0012】
請求項3に記載の磁界発生装置では、カバー部材は非磁性部材であるので、シールド用磁石によって発生する磁束をショートさせることなく、漏れ磁束を確実に低減することができる。
請求項4に記載の磁界発生装置では、カバー部材の外側表面とシールド用磁石の表面との間の距離が2mm以上に設定されるので、磁性部材に対するシールド用磁石の吸引力を弱めることができる。したがって、磁性部材(たとえばツール)が吸着されたときに、吸着された磁性部材をカバー部材から取り外すことが容易となる。
【0013】
請求項5に記載の磁界発生装置では、脚部が非磁性体からなるので、組立作業時に脚部がシールド用磁石に吸引されるのを防止でき、作業者が危険にさらされることはない。
開放型の磁界発生装置では開放部側の漏れ磁束が大きいので、請求項6に記載の磁界発生装置のように、板状継鉄のうち開放部に対応する位置にシールド用磁石を設けることは効果が大きい。
【0014】
装置の軽量化のために板状継鉄の一部を削った場合には漏れ磁束が大きくなるので、請求項7に記載のように、板状継鉄の薄い部分にシールド用磁石を設けることは効果的である。
この発明は、請求項8に記載のように、均一磁界空間に0.3T以上の磁界を発生する磁界発生装置に適する。このように強い磁界を発生させる磁界発生装置ではより漏れ磁束が多くなるので、シールド用磁石を設けることは効果的である。
請求項9に記載のように磁力が大きい希土類焼結磁石をシールド用磁石として用い併せてスペーサーを使用することによって、少量の磁石で磁気飽和を生じることなく漏れ磁束をより有効に抑制できる。
請求項10に記載のようにスぺーサーが磁性部材からなるときには漏れ磁束をさらに少なくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図4を参照して、この発明の一実施形態のMRI用磁界発生装置10は、開放型装置であり、空隙12を形成して対向配置される一対の板状継鉄14aおよび14bを含む。板状継鉄14aは開放側の前部16aと後部18aとを含む。前部16aの上面は斜面20aとされ、板状継鉄14aは開放部の前方に向かって薄く形成されており、継鉄の軽量化が図られている。同様に、板状継鉄14bは開放側の前部16bと後部18bとを含む。継鉄の軽量化のため前部16bは後部18bより薄く形成され、前部16bの下面は斜面20bを介して後部18bの下面に連なる。
【0016】
板状継鉄14aおよび14bのそれぞれの対向面側には、永久磁石22aおよび22bが配置され、永久磁石22aおよび22bのそれぞれの対向面側には、磁極片24aおよび24bが固着される。そして、一対の板状継鉄14aと14bとは、後部18aおよび18bのそれぞれの両端部間に配置される2本の柱状の支持継鉄26によって磁気的に結合される。板状継鉄14a、14bおよび支持継鉄26は軟鉄で構成される。このように開放型の磁界発生装置10では、支持継鉄26は装置後方に配置される。このような構成によって、図3に示すように、永久磁石22aおよび22b間に均一磁界空間12aが形成され、矢印Yで示すような磁束が発生する。このとき、図2に示すように、永久磁石22aおよび22b間に形成される均一磁界空間12aの中心Pからみて、開放部の開放角度αが連続して150度以上となるように支持継鉄26は配置される。開放部とは、支持継鉄26が存在しない空間をいう。
【0017】
また、板状継鉄14aの後部18a上面には、対称的に2つの長方形角板状のスぺーサー28が配置され、スぺーサー28上には略正方形角板状のシールド用磁石30が配置される。換言すれば、2つのシールド用磁石30が板状継鉄14aの上面の後方に設けられる。図2からわかるように、板状継鉄14a上において各シールド用磁石30は、その一部30aが永久磁石22aの外周縁A1(裏面側に形成)からはみ出しかつ支持継鉄26に重ならずギャップGを形成するように配置される。図3に矢印Bで示すように支持継鉄26は磁路となり、板状継鉄14aと支持継鉄26との結合部分に磁束が集中するので、ギャップGに位置する板状継鉄14aの部分は磁気飽和しやすい。このように磁気飽和しやすい領域を避けてシールド用磁石30を配置することによって、磁気飽和を促進することなく漏れ磁束を抑制でき、空隙12中心部における磁界強度を確保できる。
【0018】
さらに、板状継鉄14aの前部16a上面の斜面20aには、長方形角板状のスぺーサー32が配置され、スぺーサー32上には長方形角板状のシールド用磁石34が配置される。換言すれば、シールド用磁石34が板状継鉄14aの上面の開放側前方に設けられる。一般に、開放型の磁界発生装置10では開放部側の漏れ磁束が大きい。そこで、このように装置の前部16aにシールド用磁石34を配置することによって漏れ磁束をさらに抑制できる。
【0019】
スぺーサー28および32の厚みはたとえば30mmであり電磁軟鉄で構成される。シールド用磁石30および34は、たとえば略35×50×50mmの直方体状の磁石単体を組み立て、漏れ磁束の方向と逆方向の磁化を有するように形成される。シールド用磁石30および34に用いる磁石としては、ネオジム焼結磁石(R−Fe−B系焼結磁石)、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石を使用できる。これらのうちフェライト磁石は重量がかさみかつ輸送中に−20℃程度の低温で減磁が発生する可能性がある。高いエネルギー積を有する磁石を使用すれば高いシールド効果を得ることができ、また、磁石を薄くし装置を小型化することも必要であるため、希土類焼結磁石を使用することが望ましい。保磁力としては通常1000kA/m以上あればよいが、輸送時に高温になる場合、さらに高い保磁力の材料が望ましい。永久磁石22a、22bとしてはたとえば住友特殊金属社製のNEOMAX−47、シールド用磁石30、34としては同じくたとえば住友特殊金属社製のNEOMAX−39SH等が使用される。R−Fe−B系焼結磁石については米国特許第4,770,723号や第4,792,368号に開示されている。
【0020】
なお、図4に示すように、スペーサー28はスペーサー取付ねじ36によって板状継鉄14aに固定され、スペーサー28およびシールド用磁石30はカバー部材38によって覆われる。カバー部材38はたとえばSUS304などからなる非磁性部材からなり、カバー取付ねじ40によって板状継鉄14aの後部18a上面に取り付けられる。また、スペーサー32はスペーサー取付ねじ42によって固定され、スペーサー32およびシールド用磁石34はカバー部材44によって覆われる。カバー部材44もたとえばSUS304(ステンレス鋼)などからなる非磁性部材からなり、カバー取付ねじ46によって板状継鉄14aの前部16aの斜面20a上に取り付けられる。シールド用磁石30、34は複数の磁石単体からなり、各磁石単体は、スペーサー28、32上に同極を隣接させて接着されている。したがって、接着が外れたときには磁石単体が反発力で飛び出すおそれがあるが、カバー部材38、44はこれを防止している。このとき、カバー部材38の外側表面とシールド用磁石30の表面との間の距離T1、およびカバー部材44の外側表面とシールド用磁石34の表面との間の距離T2は、それぞれ2mm以上に設定される。
【0021】
図5に示すように、板状継鉄14b側についても同様、板状継鉄14bの後部18bの下面に、対称的に2つのスぺーサー28が配置され、スぺーサー28上にシールド用磁石30が配置される。換言すれば、2つのシールド用磁石30が板状継鉄14bの下面の後方に設けられる。図5からわかるように、板状継鉄14b上において各シールド用磁石30は、その一部30aが永久磁石22bの外周縁A2からはみ出しかつ支持継鉄26に重ならずギャップGを形成するように配置される。また、板状継鉄14bの前部16b下面のうちの平坦面には、スぺーサー32が配置され、スぺーサー32上にシールド用磁石34が配置される。換言すれば、シールド用磁石34が板状継鉄14bの下面の開放側前方に設けられる。
なお、板状継鉄14b側においても、図4に示す板状継鉄14aの場合と同様に、カバー部材によって、スぺーサー28およびシールド用磁石30、スぺーサー32およびシールド用磁石34が覆われ、各部材が固定される。
【0022】
上述のように、シールド用磁石30および34がそれぞれカバー部材38および44によって保護されるため、シールド用磁石30および34の破損を防止できる。また、カバー部材38および44は非磁性部材であるので、シールド用磁石30および34によって発生する磁束をショートさせることも遮蔽することもなく、漏れ磁束を確実に低減することができる。
さらに、距離T1およびT2が2mm以上に設定されるので、たとえ磁性部材がシールド用磁石30、34に吸引されてもその吸引力を弱めることができ、吸着された磁性部材をカバー部材38、44から取り外すことが容易となる。
【0023】
板状継鉄14bの下面には、2本の支持継鉄26に対応する位置にそれぞれ脚部48が取り付けられ、板状継鉄14bの前部16b下面のうちの平坦部には2本の脚部50が取り付けられる。脚部48および50は非磁性体からなる。これによって、組立作業時に脚部48および50がシールド用磁石30や34に吸引されるのを防止でき、作業者が危険にさらされることはない。
磁界発生装置10において、スぺーサー28、シールド用磁石30およびカバー部材38は次のようにして板状継鉄14aに取り付けられる。
【0024】
図6を参照して、まず、板状継鉄14aの両端部が支持台52によって支持され、板状継鉄14a上の所定箇所に4本の案内棒54が立設される。そして、スぺーサー28上の所定の位置にシールド用磁石30が接着剤等で固定され、この状態のスぺーサー28がクレーン等によってつり上げられて板状継鉄14a上に運ばれ、スぺーサー28の各孔56に案内棒54が挿入されてスぺーサー28が降下される。これによってスぺーサー28およびシールド用磁石30が板状継鉄14a上の所定の位置に配置される。その後、案内棒54が取り外され、その代わりにスペーサー取付ねじ36が螺入されてスぺーサー28が板状継鉄14a上に固定される。そして、固定されたスぺーサー28およびシールド用磁石30上にカバー部材38が被せられ、カバー部材38がカバー取付ねじ40によって板状継鉄14aに取り付けられる。
スぺーサー34、シールド用磁石36およびカバー部材44についても同様である。また、板状継鉄14bの下面についても同様にスぺーサー30および34、シールド用磁石32および36、カバー部材38および44が取り付けられる。
【0025】
このような磁界発生装置10の一実験例について説明する。
図7に示す▲1▼から▲5▼の各場合について、均一磁界空間12aの中心Pにおける磁界強度と、均一磁界空間12aの中心Pから板状継鉄14aの中心上方で磁界が1mTとなる位置までの距離(磁界1mTライン)とを測定した。磁界1mTラインまでの距離が小さければ漏れ磁束が少ないことを意味する。ここでは、図1〜図3、図5に示す板状継鉄14aおよび14bの各3箇所に、▲1▼から▲5▼の各場合に応じてスぺーサーやシールド用磁石を取り付けて実験した。
【0026】
▲1▼取り付け部材すなわちスぺーサーおよびシールド用磁石を取り付けない場合には、図8(a)に示すように板状継鉄14a中を磁束が流れ、図7に示すような結果が得られた。
【0027】
▲2▼板状継鉄14aおよび14bに鉄からなるスぺーサー28および32のみを取り付けた場合には、図8(b)に示すように実質的に板状継鉄14aおよび14bの厚みが増すため磁界強度が向上するものの、漏れ磁束はわずかしか少なくならなかった。
【0028】
▲3▼板状継鉄14aおよび14bにシールド用磁石30および34を直接貼り付けた場合には、漏れ磁束は少なくなるものの、図8(c)に示すようにシールド用磁石30および34自身が発生する磁束により板状継鉄14aおよび14bが部分的に磁気飽和することによって、部分的に透磁率が低くなり、均一磁界空間12aの中心Pにおける磁界強度が低下した。
【0029】
▲4▼シールド用磁石30および34を非磁性部材(SUS304)からなるスぺーサー28および32に装着して、板状継鉄14aおよび14bに取り付ける場合には、シールド用磁石30および34は板状継鉄14aおよび14bから遠ざけられる。したがって、▲3▼の場合より、漏れ磁束は若干増えるものの、図8(d)に示すようにシールド用磁石30および34自身が発生する磁束が板状継鉄14aおよび14bの磁気抵抗に影響を与えないので、板状継鉄14aおよび14bにおける磁気飽和を抑制して、その分だけ均一磁界空間12aの中心Pにおける磁界強度が向上した。ただし、シールド用磁石30および34によって発生する磁束の一部は板状継鉄14aおよび14bに流れてしまう。
【0030】
▲5▼シールド用磁石30および34を鉄からなるスぺーサー28および32に装着して、板状継鉄14aおよび14bに取り付ける場合には、図8(e)に示すようにシールド用磁石30および34が発生する磁束が主にスペーサー28および32中を通り板状継鉄14aおよび14bの磁気抵抗に影響を与えず、さらにスぺーサー28および32が鉄からなるので実質的に板状継鉄14aおよび14bの厚みが増すため、磁気飽和を抑制して磁界強度を向上でき、かつ漏れ磁束を少なくできた。
【0031】
したがって、磁界発生装置10によれば、スぺーサー28および32を設けることによって板状継鉄14aおよび14bからそれぞれシールド用磁石30および34を遠ざけることができるので、板状継鉄14aおよび14bの磁気飽和を緩和でき、空隙12の磁界強度を向上できる。さらに、スぺーサー28および32が鉄などの磁性部材からなるときには漏れ磁束を少なくすることができる。特に、磁界発生装置10のように開放型の磁界発生装置では、磁束が継鉄の結合部分において局所的に集中する傾向がありその部分で磁気飽和が発生しやすくなるため、この発明は効果的である。
また、磁力が大きい希土類焼結磁石をシールド用磁石30および34として用いあわせてスペーサ28および32を使用することによって、少量の磁石で磁気飽和を生じることなく漏れ磁束をより有効に抑制できる。
【0032】
板状継鉄14aおよび14b上にそれぞれシールド用磁石30および34を直接取り付けようとすれば、板状継鉄14aおよび14bとシールド用磁石30および34との間に強い吸引力が発生し、シールド用磁石30および34を精度よくかつ安全に所定の位置に配置するのが難しくなる。しかし、磁界発生装置10では、スぺーサー28および32にシールド用磁石30および34を予め取り付けておき、その状態でスぺーサー28および32を板状継鉄14aおよび14bの主面に取り付けるので、スぺーサー28および32上の所定の位置にシールド用磁石30および34を容易に配置でき、磁界発生装置10を安全に組み立てることができる。シールド用磁石30および34として希土類焼結磁石を用いるとき、より効果的である。
【0033】
一般に、板状継鉄の厚みを大きくすれば漏れ磁束は減少するが、たとえば0.35Tの磁界を発生させようとすれば板状継鉄の厚みは30cmにもなる。このとき、磁界発生装置は略20トンになり、床の強度が要求されるので、設置場所が制約されるとともに、運搬も大変になる。したがって、板状継鉄の厚みをこれ以上増加させることはできない。そのため、板状継鉄の厚みは磁束が飽和しない程度に薄く設定される。たとえば、磁界発生装置10のように、装置の軽量化のために板状継鉄14aおよび14bのそれぞれの前部16aおよび16bが薄く形成される。この場合、磁束が集中する領域ではどうしても継鉄が磁気飽和して磁束が漏れてしまう。そこで、磁界発生装置10では、板状継鉄14aおよび14bの薄い箇所等、必要な箇所にスぺーサ部材28および32を介してそれぞれシールド用磁石30および34を配置することによって、板状継鉄14aおよび14b自体の厚みを大きくすることなく磁界発生装置10の軽量化を図りつつ、漏れ磁束を抑えることができる。
特に、この発明は、均一磁界空間12aに0.3T以上の強い磁界を発生する磁界発生装置に適する。
【0034】
さらに、MRI装置は病院内に設置されるので、漏れ磁束が多いと病院内の電子機器が誤作動する可能性がある。また、ペースメーカを装着している人が強磁界領域に立ち入るとペースメーカが誤作動を起こす可能性がある。したがって、0.5mT以上の磁界が発生する領域を狭い領域に制限するには、大がかりな磁気シールド工事が必要となり、あるいは広い設置スペースが必要になる。しかし、この発明によれば漏れ磁束を少なくできるので、上述の問題点を改善できる。
【0035】
なお、スペーサーおよびシールド用磁石は、板状継鉄14aおよび14bのいずれか一方にのみ設けられてもよい。
また、この発明は、1本の支持継鉄や4本の支持継鉄を用いた磁界発生装置にも適用でき、たとえば、特開2000−139874号に示されるような磁界発生装置にも適用できる。
【0036】
【発明の効果】
この発明によれば、漏れ磁束を少なくすることができる。また、板状継鉄の磁気飽和を緩和でき、スペーサーを用いずにシールド用磁石を板状継鉄の他方主面に直接配置する場合よりも一対の板状継鉄間の空隙の磁界強度を向上できる。
また、カバー部材を用いることによってシールド用磁石の破損を防止でき、脚部を非磁性体で構成することによって、組立作業時に脚部がシールド用磁石に吸引されるのを防止でき、磁界発生装置を安全に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す平面図である。
【図3】この発明の一実施形態を示す正面図である。
【図4】カバー部材を取り付けた状態を示す図解図である。
【図5】この発明の一実施形態を示す底面図である。
【図6】シールド用磁石およびスぺーサーの組立方法の一例を示す図解図である。
【図7】実験結果を示すテーブルである。
【図8】実験結果を説明するための図解図である。
【符号の説明】
10 磁界発生装置
12 空隙
12a 均一磁界空間
14a、14b 板状継鉄
16a、16b 板状継鉄の前部
18a、18b 板状継鉄の後部
20a、20b 板状継鉄の斜面
22a、22b 永久磁石
24a、24b 磁極片
26 支持継鉄
28、32 スペーサー
30、34 シールド用磁石
38、44 カバー部材
48、50 脚部
P 均一磁界空間の中心
α 開放角度
T1、T2 カバー部材の外側表面とシールド用磁石の表面との間の距離

Claims (10)

  1. 空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、
    前記一対の板状継鉄を磁気的に結合する2本以下の支持継鉄、
    前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石
    少なくとも一方の前記板状継鉄の他方主面の開放側前方と後方とにそれぞれ設けられる第1のシールド用磁石と第2のシールド用磁石
    前記板状継鉄と前記第1のシールド用磁石との間に介挿される第1のスペーサー、および
    前記板状継鉄と前記第2のシールド用磁石との間に介挿される第2のスペーサーを備える、磁界発生装置。
  2. 空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、
    前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石、
    少なくとも一方の前記板状継鉄の他方主面に設けられるシールド用磁石、
    前記板状継鉄と前記シールド用磁石との間に介挿されるスペーサー、および
    前記シールド用磁石に設けられるカバー部材を備える、磁界発生装置。
  3. 前記カバー部材は非磁性部材である、請求項2に記載の磁界発生装置。
  4. 前記カバー部材の外側表面と前記シールド用磁石の表面との間の距離が2mm以上に設定される、請求項3に記載の磁界発生装置。
  5. 空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、
    前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石、
    少なくとも一方の前記板状継鉄の他方主面に設けられるシールド用磁石、
    前記板状継鉄と前記シールド用磁石との間に介挿されるスペーサー、および
    前記シールド用磁石が設けられる前記板状継鉄の前記他方主面に形成される非磁性の脚部を備える、磁界発生装置。
  6. 空隙を形成して対向配置される一対の板状継鉄、
    前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向する一方主面に配置される永久磁石、
    前記一対の板状継鉄を磁気的に結合し、前記永久磁石間の均一磁界空間の中心からみて連続して150度以上の開放角度を有する開放部を形成するように設けられる支持継鉄
    少なくとも一方の前記板状継鉄の前記開放部に対応する他方主面に設けられるシールド用磁石、および
    前記板状継鉄と前記シールド用磁石との間に介挿されるスペーサーを備える、磁界発生装置。
  7. 前記板状継鉄が薄くなるように前記板状継鉄の他方主面は斜面を有し、前記斜面に前記シールド用磁石が設けられる、請求項6に記載の磁界発生装置。
  8. 前記均一磁界空間に0.3T以上の磁界が発生される、請求項6または7に記載の磁界発生装置。
  9. 前記シールド用磁石は希土類焼結磁石である、請求項1から8のいずれかに記載の磁界発生装置。
  10. 前記スペーサーは磁性部材である、請求項1から8のいずれかに記載の磁界発生装置。
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