JP3652879B2 - 輪転機の折機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、輪転機の折機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、新聞の折り込みチラシなどの宣伝広告用印刷物が急増してきたが、これらの印刷物は、短納期化と高品質化に応えるためオフセット輪転機で印刷されるのが主流になってきた。この種印刷物の大部分は、二つ折りか1枚物のシートに断裁加工されたものである。したがって、これらの印刷物がB列系の用紙を用いた一般的なものであれば、輪転機ではB4版4ページの折り丁かB4版2ページのシートに断裁加工して排出する。
【0003】
図4は、最も標準的なB縦系列の商業用オフセット輪転機の折機を示す。この折機の平行折り部は、折胴24と、くわえ胴25より構成されている。
折胴24は、のこ刃装置11と針装置10と折りブレード装置17をそれぞれ2組づつ設けて構成されており、くわえ胴25は、のこ刃受け12と、くわえ装置18をそれぞれ2組づつ設けて構成されている。
【0004】
折機の作用を説明すると、印刷されて、この折機に送り込まれてきた連続紙Wは、折胴24と、くわえ胴25の間に入り、連続紙Wの前縁部が折胴24の針装置10によって折胴24の外周に沿って運ばれ、所定角度まで回転して針装置10から解放される。針装置10から解放された連続紙Wは、連続紙Wの所定位置に折りブレード装置17のブレードが当たり折り込まれる。このとき折りブレード装置17のブレードは、くわえ装置18のくわえ板と、くわえ胴本体の顎部25jとの隙間に挿入されて連続紙Wを折り込む。そして、折り込まれた連続紙Wは、折胴24ののこ刃装置11と、くわえ胴25の、のこ刃受け12間で所定寸法、即ちB3判の長さに切断される。
かくして、図2(a)に示すようなB4判4ページの大きさに二つ折りされた折り丁S3が形成される。この二つ折りされた折り丁S3は、搬送ベルト29によって一定のピッチで運ばれ、羽根車9を経て機外に排出される。
【0005】
また、この折機を用いてシート状の印刷物S1を形成する場合は、図5(b)に示すごとく、二つ折りの折り丁S3を機外に排出後、この折り丁S3の折線部を別設の断裁機で切断することによって得られる。
したがって、この種の折機によって形成された二つ折りの折り丁S3には、図5(a)に示すごとく、また、シート状の印刷物S1の半数には、図5(b)に示すごとく、それぞれの印刷物の前縁部に折胴24の針装置10によって生じた針穴の跡があるのが特徴である。
【0006】
図6は、B縦系列の商業用オフセット輪転機におけるシート出し専用の折機を示す。この折機の断裁部は、2組ののこ刃装置11を設けたのこ胴7と、2組ののこ刃受け装置12を備えた受け胴8よりなり、この断裁部で所定長さに切断された断裁紙S1を2部ずつ重ね合わす重ね部は、3組の爪装置16aを設けた重ね胴3と、3組の爪装置16cを設けた受け渡し胴35より構成されている。
【0007】
この折機の作用を説明すると、印刷されてこの折機に送り込まれてきた連続紙Wは、のこ胴7ののこ刃11と、受け胴8ののこ刃受け12間で所定寸法、即ちB4判の長さに切断される。この切断された断裁紙S1は、重ね胴3の爪装置16aによって、その前縁部が挟持されて重ね胴3の外周に沿って運ばれ、1部置きに受け渡し胴35の爪装置16cにくわえ替えされる。重ね胴3から受け渡し胴35に受け渡されなかった断裁紙S1は、断裁部から降りてくる後続の断裁紙S1と重なって運ばれ、1部置きに受け渡し胴35の爪装置16aによって2部づつ重なった状態でくわえられて受け渡し胴35の外周に沿って運ばれる。そして、所定位置で爪装置16aから解放された断裁紙S1は、2部づつ重なった状態で羽根車9に入り、排紙コンベヤ14を経て機外に排出される。
【0008】
したがって、この折機から排出される印刷物、即ちB4判2ページのシートは、2部づつ重なって排出されるので、排紙の乱れがなく高速運転が可能で、しかも針穴が無いのが特徴である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上、述べたごとく、従来の商業用輪転機の折機はチラシなどの印刷に主体をおくと、それぞれ次のような難点があった。
(イ)折り胴24・くわえ胴25を有する方式の折機は、二つ折りの折り丁S3が排出できるが、シート出しができない。この折機でシート状の印刷物を形成する場合は、二つ折りされた折り丁S3を別設の断裁機にかけて折り丁S3の折り線部を切断しなければいけないので、時間と費用がかかる。しかも、これらの印刷物の縁部にある輪転機特有の針穴が商品の見栄えを害していた。
(ロ)重ね胴3・受け渡し胴35を有する方式の折機は、後処理機器に断裁機を用いることなく、針穴のないシート状の印刷物を効率的に排出できる反面、2つ折りの折り丁ができないので、用途が限られていた。
【0010】
本発明は、以上のような問題点を解決し、シート出しも、二つ折りされた折り丁の排出も可能で、かつ、生産性の良い多様性に富む輪転機の折機を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、印刷されて送られてくる連続紙を所定の長さに切断する第1断裁手段と、前記連続紙を所定の2倍の長さで切断する第2断裁手段と、前記第1断裁手段で切断された断裁紙を、爪装置を介して受け取って複数部づつ重ね合わせる重ね胴と、前記第2断裁手段で切断された断裁紙を、爪装置を介して受け取って、ブレード装置で半分に折り畳む折胴と、前記重ね胴および前記折胴に相接する位置に配設され、上記ブレード装置と協働して断裁紙を挟持するためのカム機構を介して開閉するくわえ装置を設けるとともに上記重ね胴の爪装置と協働して上記重ね胴の外周上に重ねられて回転してきた断裁紙をくわえ替えするためのカム機構を介して開閉する爪装置を設けた受け渡し胴と、この受け渡し胴から排出されてくる印刷物を搬送して機外に排出する排紙手段とを備え、前記重ね胴で重ね合わせた断裁紙を受け取る経路と前記折胴によって形成された二つ折りの折り丁を受け取る経路を選択的に切り替えるクラッチを上記受け渡し胴の駆動経路に設けたことにある。
【0012】
本発明によると、クラッチで駆動経路を切り替えることによって、シート出しも二つ折りの折り出しもできるので、多様性に富み用途が拡大する。また、本発明の折機には、針装置を設けていないので、シート出しのほか二つ折りの印刷物の縁部にも輪転機特有の針穴が生じないことから、印刷物の品質を高めるとともに後処理機器に断裁機が不要であり、納期の短縮化と生産性の向上に多大の効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図4および図6と同一部分は同符号を付してその説明を省略して示す図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の折機を、B縦系列の商業用輪転機に適用した実施の形態を示したもので、折機の全容を示す構成図である。
図2(a),(b)は、本発明の折機における紙通し経路と各経路で形成される印刷物を示す説明図である。
【0014】
図1および図2(a),(b)において、W1は印刷されて走行してくるシート出し経路の連続紙、W2は印刷されて走行してくる折り出し経路の連続紙、1Aは連続紙W1を版胴の周長の半分の長さに切断する第1断裁手段、1Bは連続紙W1を版胴の周長で切断する第2断裁手段、S1は第1断裁手段で切断された断裁紙、S2は第2断裁手段で切断された断裁紙、3は断裁紙S1を受け取って2部づつ重ね合わせる重ね胴、4は断裁紙S2を受け取って半分に折り畳む折胴、S3は折胴4によって形成された二つ折りの折り丁、5は重ね胴3または折胴4と協働し、重ね胴3で2部づつ重ね合わされた断裁紙S1または折胴4で形成された二つ折りの折り丁S3を受け取って排紙手段6に送り出す受け渡し胴である。
【0015】
この折機の第1断裁手段1Aは、2組ののこ刃装置11を設けたのこ胴7Aと、該のこ胴7Aに対向して配置され、のこ刃装置11を受ける2組ののこ刃受け12を備えた受け胴8Aとから構成されている。該のこ胴7Aおよび受け胴8Aの直径は、版胴の直径と等しい径になっており、互いに平行状態に配設された回転軸を中心に互いに反対方向に回転駆動されるものである。また、第2断裁手段1Bは、1組ののこ刃装置11を設けたのこ胴7Bと、1組ののこ刃受け12を備えた受け胴8Bとから構成されており、その他は第1断裁手段1Aと同じである。
【0016】
上記重ね胴3は、版胴の1.5倍の直径を有し、外周を3等分する各位置には、断裁紙S1の回転方向前縁部を挟持するためのカム機構を介して開閉する公知の爪装置16aが設けられている。
上記折胴4は、版胴の2倍の直径を有し、外周を2等分する各位置には断裁紙S2の回転方向前縁部を挟持するためのカム機構を介して開閉する公知の爪装置16bが設けられ、この2組の爪装置16b間の外周を2等分する各位置には、この爪装置16bに挟持されて折胴4の外周に沿って回転移動してくる断裁紙S2を半分に折り込むための公知の折りブレード装置17が設けられている。折りブレード装置17はカム機構を介してブレードが突き出るように構成されている。
【0017】
上記受け渡し胴5は、版胴の2倍の直径を有し、上記重ね胴3と上記折胴4に相接する位置に配設されている。この受け渡し胴5の外周における上記折胴4の折りブレード装置17に対向する各位置には、折りブレード装置17と協働して断裁紙S2の中央を挟持するためのカム機構を介して開閉する公知のくわえ装置18が設けられている。さらにこの外周を2等分する各位置には、上記重ね胴3の爪装置16aと協働して重ね胴3の外周上に2部づつ重ねられて回転移動してきた断裁紙S1の回転方向前縁部をくわえ替えするためのカム機構を介して開閉する公知の爪装置16cが設けられている。
なお、この受け渡し胴5の図示せざる駆動系には、第1断裁手段1Aと重ね胴3と共に回転する駆動経路と、第2断裁手段1Bと折胴4と共に回転する駆動経路に切り替え可能なクラッチを設けている。
上記排紙手段6は、受け渡し胴5から排出されてくる重ねられた断裁紙S1または二つ折りの折り丁S3を搬送する上下の搬送ベルト19a、19bと、公知の羽根車9と排紙コンベヤ14より構成されている。
【0018】
なお、本実施例の折機には、上記搬送ベルト19a,19bによって搬送されてくる重ねられた断裁紙S1または二つ折りの折り丁S3を、その断裁線に対して直角方向に半分に折り畳む公知の直角折り装置20が設けられている。
【0019】
本折機を用いてシート出し、即ちB4判2ページの印刷物を排出する場合は、先ず受け渡し胴5の駆動系の切り換えクラッチを“シート出し”側に入れる。すると、受け渡し胴5は、第1断裁手段1Aと重ね胴3と共に回転する駆動経路となり、第2断裁手段1Bと折胴4につながる駆動経路が断たれる。次に折機に送られてくる連続紙W1の先端を第1のこ胴7Aと第1受け胴8Aの間に通し、図2(a)に示すごとき紙通しを行う。この状態で輪転機を起動すると、印刷されて送られてくる連続紙W1は、のこ胴7Aののこ刃装置11と受け胴8Aののこ刃受け12の間で所定の長さ、即ちB4判の長さに切断され、断裁紙S1が形成される。
【0020】
この断裁紙S1は、紙案内ベルト13aと13bの間に挟持されて搬送され、のこ胴7Aより若干早い周速で回転している重ね胴3の爪装置16aに断裁紙S1の前縁部がくわえられて、重ね胴3の外周に沿って回転移動する。重ね胴3が2/3回転する間に受け渡し胴5は、1/2回転するので、重ね胴3の爪装置16aにくわえられて重ね胴3の外周に沿って回転移動してきた断裁紙S1は、1部おきにしか受け渡し胴5の爪装置16cに受け渡されない。
このため、受け渡し胴5にくわえ替えされなかった断裁紙S1は、そのまま重ね胴3の外周に沿って紙案内ベルト13cとの間に挟持されて回転移動し、第1断裁手段1Aから送られてきた後続の断裁紙S1が重ね胴3の外周上にある先行の断裁紙S1の上に載る。
【0021】
かくして、重ね胴3の外周上に重なり合った状態で回転方向前縁部が爪装置16aにくわえられる。この重なり合った2部の断裁紙S1は、重ね胴3の外周に沿って紙案内ベルト13aとの間に挟持されて回転移動し、受け渡し胴5のくわえ位置に達すると、重ね胴3の爪装置16aが開き、受け渡し胴5の爪装置16cが閉じて、受け渡し胴5へくわえ替えされる。2部づつ重なり合った状態で受け渡し胴5の爪装置16cにくわえられた断裁紙S1は、受け渡し胴5の外周に沿って回転移動し、所定位置に達して爪装置16cから解放された断裁紙S1は、2部重なったまま搬送ベルト19aと19bの間に挟持されて一定のピッチで搬送され、羽根車9を経て排紙コンベヤ14に載って機外に排出される。
【0022】
本折機を用いて折り出し、即ちB4判4ページの大きさに二つ折りされた折り丁S3を排出する場合は、先ず受け渡し胴5の駆動系の切り替えクラッチを“折り出し”側に入れる。すると、受け渡し胴5は、第2断裁手段1Bと折胴4と共に回転する駆動経路となり、第1断裁部1Aと重ね胴3につながる駆動経路が断たれる。次に折機に送られてくる連続紙W2の先端を第2のこ胴7Bと第2受け胴8Bの間に通し、図2(b)に示すごとき紙通しを行う。
この状態で輪転機を起動すると、印刷されて送られてくる連続紙W2は、第2のこ胴7Bののこ刃装置11と、第2受け胴8Bののこ刃受け12の間で所定の長さ、即ちB3判の長さに切断され、断裁紙S2が形成される。
【0023】
この断裁紙S2は、紙案内ベルト15aと15bの間に挟持されて搬送され、第2のこ胴7Bより若干早い周速で回転している折胴4の爪装置16bに断裁紙S2の前縁部がくわえられており、折胴4の外周に沿って回転移動する。この折胴4の爪装置16bにくわえられて回転移動してきた断裁紙S2の回転方向2等分位置が受け渡し胴5に接する位置に達すると、このタイミングに合わせて受け渡し胴本体の顎部5jとくわえ装置18のくわえ板の隙間に折りブレード装置17のブレード先端が突っ込まれ、断裁紙S2を半分に折り込む。かくして、折胴4の折りブレード装置17と受け渡し胴5のくわえ装置18が協働して二つ折の折り丁、即ちB4判4ページの折り丁S3が形成される。
【0024】
この折り丁S3は、受け渡し胴5のくわえ装置18にくわえられて受け渡し胴5の外周に沿って回転移動し、所定位置に達してくわえ装置18から解放され、搬送ベルト19aと19bの間に挟持されて一定のピッチで搬送され、羽根車9を経て排紙コンベヤ14に載って機外に排出される。
【0025】
なお、搬送ベルト19a、19bの搬送経路に設けられた直角折り装置20を用いれば、受け渡し胴5から排出されてくる2部づつ重ねられた断裁紙S1または二つ折りの折り丁S3は、それぞれ切断線に対して直角方向に半分に折り畳まれ、B5判8ページに二つ折りされた折り丁またはB5判8ページに4つ折りされた折り丁を排出することができる。
【0026】
以上に述べたごとく、本発明の折機は共通の受け渡し胴5に選択的に係合する重ね胴3と折り胴を設け、重ね胴3は連続紙W1を版胴の周長の半分の長さに切断する第1断裁手段1Aに連結し、折胴4は連続紙W2を版胴の周長で切断する第2断裁手段1Bに連結する構造になっているので、次の効果を奏する。
【0027】
(イ)従来の折機でチラシなどの印刷を行う場合、折り胴・くわえ胴を有する方式のものではシート出しが、また、重ね胴・受け渡し胴を有する方式のものでは二つ折りの折り出しができなかったのに対し、本発明の折機では、クラッチで駆動経路を切り替えることによって、シート出しも二つ折りの折り出しもできるので、多様性に富み用途が拡大する。
(ロ)本発明の折機には、針装置を設けていないので、シート出しのほか二つ折りの印刷物の縁部にも輪転機特有の針穴が生じないことから、印刷物の品質を高めるとともに後処理機器に断裁機が不要であり、納期の短縮化と生産性の向上に多大の効果がある。
【0028】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る折機の全容を示す構成図である。
第1の実施の形態では、のこ胴7Aと受け胴8Aよりなる第1断裁手段1Aが重ね胴3から離れた位置に配設されていたのに対し、第2の実施の形態では、第1のこ胴7Aが重ね胴3Aに相接する位置に配設されていて、のこ胴7Aののこ刃11を受けるのこ刃受け12が重ね胴3Aの外周を3等分する各位置に設けられている。そして、この重ね胴3Aには、爪装置16aの代わりに断裁紙S1の回転方向前縁部を挟持するためのカム機構を介して開閉する公知の針装置10aが3組設けられている。
【0029】
さらに、第1の実施の形態では、第2のこ胴7Bと受け胴8Bよりなる第2断裁手段1Bが折胴4から離れた位置に配設されていたのに対し、第2の実施の形態では、第2のこ胴7Bが折胴4Bに相接する位置に配設されていて、この折胴4Bの外周を2等分する各位置には、のこ胴7Bののこ刃11を受けるのこ刃受け12と、爪装置16bの代わりに断裁紙S2の回転方向前縁部を挟持するためのカム機構を介して開閉する公知の針装置10bが2組づつ設けられている。
その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
【0030】
本折機を用いてシート出し、即ちB4判2ページの印刷物を排出する場合は、先ず受け渡し胴5の駆動系の切り替えクラッチを“シート出し”側に入れる。すると、受け渡し胴5は、第1のこ胴7Aと重ね胴3と共に回転する駆動経路となり、第2のこ胴7Bと折胴4Bにつながる駆動経路が断たれる。
次に折機に送られてくる連続紙W1の先端を第1のこ胴7Aと重ね胴3Aの間に通す。この経路の紙通し完了後、輪転機を起動すると、印刷されて送られてくる連続紙W1は、その前縁部が重ね胴3Aの針装置10aによって重ね胴3Aの外周に沿って運ばれ、所定角度まで回転すると、第1のこ胴7Aののこ刃装置11と重ね胴3Aののこ刃受け12の間で所定の長さ、即ちB4判の長さに切断され、断裁紙S1が形成される。
【0031】
この断裁紙S1は、重ね胴3Aの外周に沿って紙案内ベルト13との間に挟持されて回転移動する。重ね胴3Aが2/3回転する間に受け渡し胴5は、1/2回転するので、針装置10aの針に突き刺されて重ね胴3Aの外周に沿って回転移動してきた断裁紙S1は、1部おきにしか受け渡し胴5の爪装置16cに受け渡されない。
【0032】
このため、受け渡し胴5にくわえ替えされなかった断裁紙S1は、そのまま重ね胴3Aの外周に沿って紙案内ベルト13cとの間に挟持されて回転移動し、第1のこ胴7Aと重ね胴3A間に送られてくる連続紙W1が重ね胴3の外周上にある先行の断裁紙S1の上に載る。この連続紙W1は所定角度まで回転してB4判の長さに切断されるので、重ね胴3Aの外周上には重なり合った断裁紙S1が形成される。重ね胴3Aの外周上に重なり合った断裁紙S1は、その回転方向前縁部が針装置10aによって、重ね胴3Aの外周に沿って紙案内ベルト13との間に挟持されて回転移動し、受け渡し胴5のくわえ位置に達すると、重ね胴3Aの針装置10aから解放され、受け渡し胴5の爪装置16cが閉じて、受け渡し胴5へくわえ替えされる。これ以後は第1の実施の形態と同じである。
【0033】
本折機を用いて折り出し、即ちB4判4ページの大きさに二つ折りされた折り丁S3を排出する場合は、先ず受け渡し胴5の駆動系の切り替えクラッチを“折り出し”側に入れ、受け渡し胴5が第2のこ胴7Bと折胴4Bと共に回転する駆動経路とし、第1のこ胴7Aと重ね胴3Aにつながる駆動経路を断つ。
【0034】
次に折機に送られてくる連続紙W2の先端を第2のこ胴7Bと折胴4Bの間に通し、この経路の紙通し完了後、輪転機を起動すると、印刷されて送られてくる連続紙W2は、その前縁部が折り胴4Bの針装置10bによって折胴4Bの外周に沿って紙案内ベルト15との間に挟持されて運ばれ、所定角度まで回転して針装置10bから解放されると、この連続紙W2の所定位置に折りブレード装置17のブレードが受け渡し胴5のくわえ装置18のくわえ板とくわえ胴本体の顎部5jとの隙間に挿入され、第2のこ胴7Bののこ刃装置11と折胴4Bののこ刃受け12間で所定寸法、即ちB3判の長さに切断される。
【0035】
かくして折胴4Bの折りブレード装置17と受け渡し胴5のくわえ装置18が協働して二つ折りの折り丁、即ちB4判4ページの折り丁S3が形成される。この折り丁S3は、受け渡し胴5の外周に沿って回転移動し、所定位置に達してくわえ装置18から解放され、搬送ベルト19aと19bの間に挟持されて、羽根車9へ向かって搬送される。これ以後は第1の実施の形態と同じである。
【0036】
本実施の形態の折機は、以上のように第1のこ胴7Aをのこ刃受け12と針装置10aを備えた重ね胴3Aと相接する位置に配設し、連続紙W1を第1のこ胴7Aと重ね胴3A間で版胴の周長の半分の長さに切断して、重ね胴3A上に形成された2部重ねの断裁紙S1を重ね胴3Aの針装置10aからくわえ胴5の爪装置16cに受け渡す。また、第2のこ胴7Bをのこ刃受け12と針装置10bと折りブレード装置17を設けた折胴4Bと相接する位置に配設し、連続紙W2を第2のこ胴7Bと折胴4B間で折胴4Bの周長で切断して、折胴4Bとくわえ胴5が協働して二つ折りの折り丁S3を形成する構造にしているので、印刷物の縁部には輪転機特有の針穴が生じる反面、実施例1に比べ、受け胴8A、8Bが不要となり、通紙経路が短縮され、紙案内ベルトも簡素化されるので、第1の実施の形態と同じ機能がコンパクトな構造で得られる。
【0037】
なお、本発明では、受け渡し胴から排出されてくる印刷物を搬送する経路に、印刷物の切断線に対して直角方向に半分に折り畳む直角折り装置を付加したので、受け渡し胴から排出されてくる2部づつ重ねられた断裁紙または二つ折りの折り丁は、それぞれ切断線に対して直角方向に半分に折り畳まれ、B5判8ページに二つ折りされた折り丁またはB5判8ページに4つ折りされた折り丁を排出することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上、述べたように、本発明による輪転機の折機によれば、以下のような効果を奏する。
印刷されて送られてくる連続紙を所定の長さに切断する第1断裁手段と、前記連続紙を所定の2倍の長さで切断する第2断裁手段と、前記第1断裁手段で切断された断裁紙を複数部づつ重ね合わせる重ね胴と、前記第2断裁手段で切断された断裁紙を半分に折り畳む折胴と、前記重ね胴および前記折胴に相接する位置に配設され、前記重ね胴で重ね合わせた断裁紙を受け取る経路と前記折胴によって形成された二つ折りの折り丁を受け取る経路に選択的に切り替え可能な駆動経路を有する受け渡し胴と、この受け渡し胴から排出されてくる印刷物を搬送して機外に排出する排紙手段とを備えたので、クラッチで駆動経路を切り替えることによって、シート出しも二つ折りの折り出しもできるので、多様性に富み用途が拡大する。また、本発明の折機には、針装置を設けていないので、シート出しのほか二つ折りの印刷物の縁部にも輪転機特有の針穴が生じないことから、印刷物の品質を高めるとともに後処理機器に断裁機が不要であり、納期の短縮化と生産性の向上に多大の効果がある。
上記第1断裁手段をのこ胴と、受け胴を兼ねる上記重ね胴とで構成し、上記第2断裁手段をのこ胴と、受け胴を兼ねる上記折胴で構成したので、それぞれの受け胴が不要となり、通紙経路が短縮され、紙案内ベルトも簡素化されることから、よりコンパクトな構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による輪転機の折機の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】本発明の折機における紙通し経路と、各経路で形成される印刷物の種類を示し、(a)は第1断裁手段側の経路を示す概念図、(b)は、第2断裁手段側の経路を示す概念図である。
【図3】本発明による輪転機の折機の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図4】従来の標準的なB縦系列の商業用オフセット輪転機の折機を示す概念図である。
【図5】従来の折丁を示し、(a)は二つ折の折丁の針穴を示す概念図、(b)は、切断された折丁の針穴を示す概念図である。
【図6】従来のb縦系列の商業用オフセット輪転機におけるシート出し専用の折機を示す概念図である。
【符号の説明】
W1,W2 連続紙
1A 第1断裁手段
1B 第2断裁手段
S1,S2 断裁紙
S3 折り丁
3 重ね胴
4 折胴
5 受け渡し胴
6 排紙手段
7A,7B のこ胴
8A 受け胴
9 羽根車
16a,16b 爪装置
17 ブレード装置
18 くわえ装置
19a、19b 搬送ベルト
Claims (2)
- 印刷されて送られてくる連続紙を所定の長さに切断する第1断裁手段と、前記連続紙を所定の2倍の長さで切断する第2断裁手段と、前記第1断裁手段で切断された断裁紙を、爪装置を介して受け取って複数部づつ重ね合わせる重ね胴と、前記第2断裁手段で切断された断裁紙を、爪装置を介して受け取って、ブレード装置で半分に折り畳む折胴と、前記重ね胴および前記折胴に相接する位置に配設され、上記ブレード装置と協働して断裁紙を挟持するためのカム機構を介して開閉するくわえ装置を設けるとともに上記重ね胴の爪装置と協働して上記重ね胴の外周上に重ねられて回転してきた断裁紙をくわえ替えするためのカム機構を介して開閉する爪装置を設けた受け渡し胴と、この受け渡し胴から排出されてくる印刷物を搬送して機外に排出する排紙手段とを備え、前記重ね胴で重ね合わせた断裁紙を受け取る経路と前記折胴によって形成された二つ折りの折り丁を受け取る経路を選択的に切り替えるクラッチを上記受け渡し胴の駆動経路に設けたことを特徴とする輪転機の折機。
- 上記第1断裁手段をのこ胴と、受け胴を兼ねる上記重ね胴とで構成し、上記第2断裁手段をのこ胴と、受け胴を兼ねる上記折胴で構成したことを特徴とする請求項1に記載の輪転機の折機。
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