JP3652281B2 - 薄膜電子部品および基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜電子部品および基板に関し、例えば、薄膜コンデンサ、薄膜インダクタ、薄膜LCフィルタ、薄膜抵抗、薄膜RCフィルタ等に好適に用いられる高周波用途の薄膜電子部品および基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器の小型化、高機能化に伴い、電子機器内に設置される電子部品にも小型化、薄型化、高周波対応などの要求が強くなってきている。
【0003】
特に、大量の情報を高速に処理する必要のあるコンピュータの高速デジタル回路では、パーソナルコンピュータレベルにおいても、CPUチップ内のクロック周波数は200MHzから1GHz、チップ間バスのクロック周波数も75MHzから133MHzという具合に高速化が顕著である。
【0004】
また、LSIの集積度が高まりチップ内の素子数の増大につれ、消費電力を抑えるために電源電圧は低下の傾向にある。これらIC回路の高速化、高密度化、低電圧化に伴い、コンデンサ等の受動部品も小型大容量化と併せて、高周波もしくは高速パルスに対して優れた特性を示すことが必須になってきている。
【0005】
動作周波数が高くなるにつれ、素子の持つ抵抗やインダクタンスがロジック回路側の電源電圧の瞬時低下、または新たな電圧ノイズを発生させてしまい。結果として、ロジック回路上のエラーを引き起こしてしまう。特に最近のLSIは総素子数の増大による消費電力増大を抑えるために電源電圧は低下しており、電源電圧の許容変動幅も小さくなっている。今後、さらに素子数の増大と動作周波数の増加が促進されると、実装部分の抵抗、インダクタンス成分も無視できなくなり、ロジック回路エラーの一要因となってくる。
【0006】
また、素子数の増大に伴う実装精度の向上や、部品実装に伴うリフロー耐性の向上等、前述した受動素子自身の電気的な特性だけではなく、実装に関する特性(実装精度、実装信頼性)も高いレベルで要求されるようになってきている。
【0007】
コンデンサの接続部のインダクタンスを低減させる手法に関して、USP4,439,813に、TiW、Ta及びAl、Cuからなる下部電極からの電気信号を最短距離で得るため、絶縁層、上側電極及び保護層に貫通孔を設け、この貫通孔内壁にCr/Cu/AuからなるBLM層を形成した後、このBLM層上に半田バンプを形成した薄膜コンデンサが開示されている。
【0008】
図5は、この公報に開示されたコンデンサを示すもので、支持基板31上に、下側電極33、絶縁体層35、上側電極37、保護層39が順次積層されており、下側電極33には、保護層39に形成された貫通孔を介して外部端子41が接続されており、上側電極37には、保護層39に形成された貫通孔を介して外部端子43が接続され、外部端子43は、絶縁体層35上に形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような薄膜コンデンサでは、下側電極33上に、スパッタリング法、蒸着法、ゾルゲル法等により、絶縁体層35が形成され、下側電極33が高温プロセスを経るために、支持基板31と下側電極33との密着強度が劣化し、この下側電極33を介して支持基板31に固着されていた半田バンプからなる外部端子41、43を、母基板の電極上に接合した場合、支持基板31から外部端子41、43が剥離しやすく、薄膜コンデンサの母基板への接合強度が低く、何らかの衝撃により薄膜コンデンサが脱落するという問題があった。
【0010】
即ち、下側電極33を介して支持基板31に設けられる、半田バンプからなる外部端子41、43に過剰な負荷がかかり、剥離する場合、外部端子強度が最大限発揮される時の半田バンプの破壊ではなく、例えば、支持基板31と下側電極33の界面で破壊が起こり、元来半田バンプの持つ強度が最大限発揮されず、実装信頼性が低下する問題があった。
【0011】
また、支持基板31と下側電極33との間に密着層を形成することも考えられるが、前記高温プロセスのために密着層が拡散または移動し、密着層としての機能を十分に果たせず、支持基板31と下側電極33の密着強度が劣化するという問題があった。
【0012】
本発明は、外部端子の支持基板への接合強度を向上できる薄膜電子部品および基板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜電子部品は、支持基板と、該支持基板上の一部に形成された下側電極と、前記支持基板上に形成され、前記下側電極上および前記支持基板上にそれぞれ貫通孔が形成された絶縁体層と、該絶縁体層の上面から前記支持基板上の貫通孔の底面の前記支持基板の上面に連続して形成された上側電極と、前記絶縁体層の上面から前記下側電極上の貫通孔の底面の前記下側電極に形成されたその貫通孔より小径の貫通孔内の前記支持基板の上面に連続して形成され、前記下側電極と電気的に接続された接続電極と、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔内の前記接続電極上および前記絶縁体層の前記支持基板上の貫通孔内の前記上側電極上に設けられた外部端子とを具備することを特徴とするものである。
【0014】
言い換えれば、支持基板と、該支持基板上に形成された下側電極と、前記支持基板上に形成され、前記下側電極上および前記支持基板上にそれぞれ貫通孔が形成された絶縁体層と、該絶縁体層の上面から前記支持基板上の貫通孔の底面の前記支持基板の上面に連続して形成された上側電極と、前記絶縁体層の上面から前記下側電極上の貫通孔の底面の前記下側電極に形成されたその貫通孔より小径の貫通孔内の前記支持基板の上面に連続して形成され、前記下側電極と電気的に接続された接続電極と、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔内の前記接続電極上および前記絶縁体層の前記支持基板上の貫通孔内の前記上側電極上に設けられた外部端子とを具備するとともに、前記接続電極が、前記絶縁体層の上面から前記下側電極が形成されていない部分を介して前記支持基板の上面に連続して設けられていることになる。さらに言い換えれば、絶縁体層に形成された貫通孔内が、絶縁体層が形成されていない絶縁体層非形成領域となり、前記絶縁体層非形成領域内の接続電極が、前記絶縁体層の上面から前記下側電極が形成されていない部分(下側電極の貫通孔)を介して前記支持基板の上面に連続して設けられているものである。
【0015】
このような構成を採用することにより、スパッタリング法、蒸着法、ゾルゲル法等により絶縁体層が形成され、下側電極が高温プロセスを経て形成されたとしても、絶縁体層の上面から絶縁体層の下側電極上の貫通孔の底面の下側電極に形成された貫通孔内の支持基板の上面に連続して設けられる接続電極が、絶縁体層形成後に形成されるため、下側電極の貫通孔内の支持基板の上面に直接設けられた接続電極と支持基板の上面との接合強度が向上し、接続電極を介して下側電極に電気的に接続された外部端子の支持基板への接合強度を向上でき、実装信頼性を向上できる。
【0016】
また、本発明の薄膜電子部品では、接続電極と下側電極とが、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔の底面の内周部において重畳していることが望ましい。このような構成を採用することにより、接続電極と下側電極とを確実に電気的に接続することができる。
【0017】
さらに、本発明の薄膜電子部品では、接続電極と下側電極との重畳面積は、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔の断面積の1〜10%であることが望ましい。このような構成を採用することにより、外部端子の支持基板への接合強度を向上できるとともに、接続電極と下側電極との電気的接続を確保できる。
【0018】
本発明の基板は、上記した薄膜電子部品を、その外部端子を介して基体の表面に設けてなるものである。このような基板では、外部端子と支持基板との接合強度が高いため、外部端子を介して基体に接合された薄膜電子部品と基体との接合強度を向上できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、薄膜コンデンサからなる薄膜電子部品を示すもので、この薄膜コンデンサは、図1に示すように、支持基板1上の一部に、絶縁体層3(誘電体薄膜)と下側電極5、上側電極7を有する薄膜素子Aが複数設けられて構成されている。下側電極5、上側電極7はAuから構成され、絶縁体層3は下側電極5の一部、上側電極7の一部により挟持されて、薄膜素子A(容量素子)が構成されている。
【0020】
そして、薄膜素子A、および絶縁体層3が形成されていない絶縁体層非形成領域B等、全体が保護層9により被覆され、この保護層9には、薄膜素子Aを形成する下側電極5に電気的に接続される半田バンプからなる外部端子11a、上側電極7に電気的に接続される半田バンプからなる外部端子11bが突出して設けられている。
【0021】
下側電極5には、絶縁体層3の上面および絶縁体層非形成領域B内に形成された接続電極13が電気的に接続され、接続電極13の上面には半田バリア層15、この半田バリア層15の上面には半田密着層17が形成され、この半田密着層17には外部端子11aが形成されている。これにより、外部端子11aが、接続電極13を介して下側電極5に電気的に接続されている。
【0022】
外部端子11aが形成される絶縁体層非形成領域Bは、絶縁体層3に形成された貫通孔23の内部に該当し、接続電極13は、絶縁体層3の上面の一部と貫通孔23の底面に形成され、これらが連続して形成されている。
【0023】
尚、接続電極13は、上側電極7と同時に形成されるが、外部端子11aの周りに環状に金属層が形成されていない部分を形成することにより、上側電極7とは絶縁されている。
【0024】
また、下側電極5と同時に形成される金属層19には、絶縁体層3の上面および絶縁体層非形成領域B内に形成された上側電極7が電気的に接続され、絶縁体層非形成領域Bおよびその近傍の上側電極7の上面には半田バリア層15、この半田バリア層15の上面には半田密着層17が形成され、この半田密着層17には外部端子11bが形成されている。これにより、外部端子11bが、上側電極7を介して金属層19に電気的に接続されている。
【0025】
外部端子11bが形成される絶縁体層非形成領域Bは、絶縁体層3に形成された貫通孔23の内部に該当し、上側電極7の一部が、貫通孔23の底面に形成されている。
【0026】
尚、金属層19は、下側電極5と同時に形成されるが、外部端子11bの周りに環状に金属層が形成されていない部分を形成することにより、下側電極5とは絶縁されている。
【0027】
そして、本発明では、貫通孔23の底面に形成された接続電極13が、下側電極5が形成されていない部分21を介して支持基板1に設けられている。絶縁体層非形成領域Bは、図2に示すように、絶縁体層3に断面円形状の貫通孔23を形成することにより形成されており、この貫通孔23よりも小径の貫通孔25を下側電極5に形成し、この下側電極5の貫通孔25内に接続電極13を形成することにより、接続電極13が支持基板1に当接している。また、絶縁体層非形成領域Bの内周部において、即ち、貫通孔23の底面の内周部において、接続電極13と下側電極5とが重畳している。重畳部を図1、図2に符号xで示す。
【0028】
絶縁体層非形成領域Bにおける接続電極13と下側電極5の重畳面積は、絶縁体層非形成領域Bの面積(貫通孔23の断面積)の1〜10%とされている。
【0029】
また、絶縁体層非形成領域B内の上側電極7が、金属層19が形成されていない部分27を介して支持基板1に設けられている。この場合も同様に、絶縁体層非形成領域Bは、図2に示すように、絶縁体層3に断面円形状の貫通孔23を形成することにより形成されており、この貫通孔23よりも小径の貫通孔28を金属層19に形成し、この金属層19の貫通孔28内に上側電極7を形成することにより、上側電極7が支持基板1に当接している。また、絶縁体層非形成領域Bの内周部において、上側電極7と金属層19とが重畳している。
【0030】
また、絶縁体層3は、絶縁体層非形成領域Bを除く全面に、下側電極(金属層19も含む)5は、貫通孔25、28および環状にエッチングされた部分を除いて全面に形成され、上側電極(金属層13も含む)7は、環状にエッチングされた部分を除いて全面に形成されている。
【0031】
絶縁体層非形成領域Bにおける上側電極7と金属層19の重畳面積は、絶縁体層非形成領域Bの面積の1〜10%とされている。
【0032】
接続電極13と下側電極5との重畳面積、上側電極7と金属層19との重畳面積を貫通孔23の断面積の1〜10%としたのは、10%よりも大きいと、接続電極13、上側電極7の支持基板1への当接面積が減少し、高温プロセスを経て、支持基板1との密着強度が劣化した下側電極5、金属層19の影響が大きくなり、外部端子11a、11bの支持基板1への密着強度が劣化しやすいからである。一方、1%よりも少ない場合、接続電極13、金属層19と下側電極5、上側電極7の重畳面積が小さくなり、両電極間で部分的に電気的接続の欠陥が発生し、薄膜電子部品の電気的特性を劣化させる恐れがあるからである。
【0033】
薄膜素子Aの誘電体薄膜を構成する絶縁体層3は、高周波領域において高い比誘電率を有するペロブスカイト型酸化物結晶からなる誘電体でよく、例えばPb(Mg,Nb)O3系、Pb(Mg,Nb)O3−PbTiO3系、Pb(Zr,Ti)O3系、Pb(Mg,Nb)O3−Pb(Zr,Ti)O3系、(Pb,La)ZrTiO3系、BaTiO3系、(Sr,Ba)TiO3系、あるいはこれに他の添加物を添加したり、置換した化合物であってもよく、特に限定されるものではない。
【0034】
また、絶縁体層3の膜厚は、高容量と絶縁性を確保するため0.3〜1.0μmが望ましい。これは0.3μmよりも薄い場合には被覆性が良好でなく、絶縁性が低下する場合があり、1.0μmよりも厚い場合には、容量が小さくなる傾向があるからである。絶縁体層3の膜厚は0.4〜0.8μmが望ましい。
【0035】
Auからなる下側電極5、上側電極7、接続電極13および金属層19の膜厚は、高周波領域でのインピーダンスと膜の被覆性を考慮すると0.3〜0.5μmが望ましい。下側電極5、上側電極7、接続電極13および金属層19の膜厚が0.3μmよりも薄い場合には、一部に被覆されない部分が発生する虞があるからであり、また0.5μmよりも厚い場合は、高周波領域における導体の表皮効果を考慮すると導体層の抵抗は殆ど変化しないからである。
【0036】
ここで、支持基板1としては、アルミナ、サファイア、窒化アルミ、MgO単結晶、SrTiO3単結晶、表面酸化シリコン、ガラス、石英等から選択されるもので特に限定されない。
【0037】
半田バリア層15は、Ti、Cr、Ni、Cu、Pd、Pt、およびこれらの金属から選ばれる2種以上からなる合金のうちいずれかからなり、スパッタ、蒸着、メッキ等で形成可能であれば良い。半田バリア層15の厚みは、半田バリアとしての機能を発現するためには0.3μm以上の厚みであれば良い。
【0038】
また、半田密着層17は半田濡れ性の良好な材料であることが望ましく、前記材料として、Ni−Cr、Au等があり、特にAuが望ましい。更に、半田バリア層15と、Auからなる接続電極13および上側電極7との密着性を向上させるため、これらの間に公知の密着材料であるTiやCrを介在させても良い。
【0039】
保護層9は、薄膜コンデンサの表面を保護するためのものであり、例えば、Si34、SiO2、ポリイミド樹脂およびBCB(ベンゾシクロブテン)等から構成されている。
【0040】
半田バンプからなる外部端子11a、11bは、Pb、Sn、Ag、In、Cu、Bi、SbおよびZnのうち少なくとも2種以上の金属からなることが望ましく、薄膜電子部品の用途に応じて、融点及び共晶温度の異なる材料を選択すればよい。また、外部端子11a、11bはスクリーン印刷、ボールマウンター等の公知の技術を用いて形成される。なお、図1では、絶縁体層3の厚みにたいして外部端子11a、11bの大きさは、それほど変わらないように記載したが、実際には絶縁体層3の厚みに対して外部端子11a、11bは非常に大きい。
【0041】
本発明の薄膜コンデンサでは、支持基板1上面に、DCスパッタ法によりAu膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、外部端子11aが形成される位置に貫通孔25を形成し、外部端子11bが形成される位置の周囲に絶縁体層3の貫通孔23、および絶縁体層3の貫通孔23の内部で貫通孔23よりも径の小さい貫通孔28を形成する。
【0042】
支持基板1上に、例えば、ゾルゲル法にて合成したPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−PbZrO3塗布溶液をスピンコート法を用いて塗布し、乾燥させた後、熱処理、焼成を行い、絶縁体層3を形成する。その後フォトリソグラフィ技術を用いて、絶縁体層非形成領域Bとなる位置の絶縁体層3に貫通孔23を形成し、その底面内周部に下側電極5または金属層19が露出し、中央部に貫通孔25、28が位置するようにする。
【0043】
次に、絶縁体層3の上面および絶縁体層非形成領域BにAu膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、上側電極7および接続電極13を形成し、上側電極7および接続電極13の表面に、半田バリア層15、半田密着層17を形成する。
【0044】
この後、光感光性BCBを塗布し、露光、現像を行い、半田密着層17が露出するように、貫通孔を有する保護層9を形成する。
【0045】
この後、スクリーン印刷を用いて、加工された半田密着層17の上に、例えばPb、Snからなる共晶半田ペーストを転写し、リフローを行い、半田バンプからなる外部端子11a、11bを形成することにより、本発明の薄膜コンデンサが得られる。
【0046】
以上のように構成された薄膜コンデンサでは、絶縁体層3形成後に形成される接続電極13、上側電極7が直接、若しくは接続電極13、上側電極7の一部を構成する密着層を介して支持基板1に当接しているため、接続電極13、上側電極7は絶縁体層3形成時の高温プロセスを経ることがなく、接続電極13、上側電極7と支持基板1との密着性が劣化しない。そのため、半田密着層17、半田バリア層15及び接続電極13または上側電極7を介して支持基板1に設けられる半田バンプからなる外部端子11a、11bは、その強度を最大限発揮することができ、実装信頼性が向上する。
【0047】
尚、本発明での下側電極5、上側電極7の材料は低抵抗であり、かつ高温での耐酸化性及び誘電体材料との反応の小さいAuからなる材料であるが、支持基板1との密着性を挙げるために、両電極5、7と支持基板1との間にTiやCrに代表される密着層を介在しても良い。この場合、密着層は電極5、7の一部を構成する。
【0048】
また、上記例では、外部端子11bを、金属層19に形成された貫通孔28内の上側電極7を介して支持基板1に設けた例について説明したが、必ずしも金属層19を形成する必要はなく、金属層19と上側電極7を重畳させる必要もない。
【0049】
ここでは、本発明を、図1に示した薄膜コンデンサに適用した例について説明したが、本発明では上記例に限定されるものではなく、例えば、薄膜インダクタ、薄膜LCフィルタ、薄膜抵抗、薄膜RCフィルタ、あるいは薄膜コンデンサ、薄膜インダクタ、薄膜LCフィルタ、薄膜抵抗、薄膜RCフィルタを複合した薄膜複合部品に適用しても良い。
【0050】
また、上記例では、一層の絶縁体層を電極で挟持した単板型を示したが、複数の絶縁体層と電極層とを交互に積層した薄膜コンデンサであっても良い。
【0051】
さらに、本発明の薄膜電子部品では、半田バンプからなる外部端子11a、11bを設けた例について説明したが、本発明は上記例に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更できる。
【0052】
例えば、半田バンプを形成しない場合には、図3に示すように、保護層9の貫通孔内に露出した半田密着層17が外部端子となる。尚、図3は、半田バンプからなる外部端子を設けない以外は、図1と同一であるため同一符号を付した。
【0053】
この場合には、母基板に実装する段階で導電性部材により、母基板の表面電極と半田密着層17が接続される。導電性部材としては、形状的には、バンプ状、箔状、板状、ワイヤ、ペースト状等があり、特に限定されるものではなく、複数の形状を組合せても良い。また、材質は、Pb、Sn、Au、Cu、Pt、Pd、Ag、Al、Ni、Bi、In、Sb、Znなどがあり、導電性のものであれば良く、複数の材料を組合せても良い。導電性樹脂であっても良い。
【0054】
尚、半田密着層17が形成されない場合や、半田密着層17の上面に金属層が形成される場合には、保護層9の貫通孔内に露出した層が外部端子となる。
【0055】
【実施例】
電極および半田バリア層および半田密着層の形成はDCスパッタ法を、誘電体薄膜(絶縁体層)はゾルゲル法にて作製した。
【0056】
まず、アルミナからなる支持基板上にTiからなる3nmの密着層を形成し、この密着層の上面に、0.3μmのAu層を形成し、密着層とAu層からなる下側電極とした。
【0057】
フォトリソグラフィ技術を用いて、薄膜コンデンサとなる下側電極パターンに加え、上側電極に設けられる外部端子の周りに環状に下側電極のない部分(金属層)を形成するように、かつ、次に形成される誘電体薄膜の貫通孔(絶縁体層非形成領域)の底面内周部に下側電極、金属層が露出し、中央部には貫通孔が形成されるように、下側電極をパターン加工した。
【0058】
加工された下側電極に、ゾルゲル法にて合成したPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−PbZrO3塗布溶液をスピンコート法を用いて塗布し、乾燥させた後、380℃で熱処理、815℃で焼成を行い、膜厚0.7μmのPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−PbZrO3からなる誘電体薄膜を形成した。その後フォトリソグラフィ技術を用いて、誘電体薄膜に貫通孔を形成し、その底面内周部に下側電極層、金属層が露出するようにした。
【0059】
次に、誘電体薄膜の上面、貫通孔の底面に、膜厚30nmのTiからなる密着層を形成し、この密着層上に、膜厚0.3μmのAu膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて、Au膜および密着層を加工し、上側電極、接続電極を形成した。
【0060】
この後、膜厚2.0μmのNiからなる半田バリア層を形成し、この後、膜厚0.1μmの半田密着層Auを形成し、直径120μmの形状にフォトリソグラフィを用いて加工した。
【0061】
この後、光感光性BCBを塗布し、露光、現像を行い、Auからなる半田密着層が露出するように、直径約100μm、深さ4μmの貫通孔を有する保護層を形成した。
【0062】
最後に、スクリーン印刷を用いて、加工された半田密着層の上にPbが95重量%、Snが5重量%からなる高温半田ペーストを転写し、リフローを行い、半田バンプからなる外部端子を形成し、図1に示したような薄膜コンデンサを得た。
【0063】
得られた薄膜コンデンサの有効電極面積は1.4mm2であり、周波数1kHzでの静電容量は約40nFであった。
【0064】
また、接続電極と支持基板の当接面積の効果を調べるために、下側電極のパターンを変化させた以外は、上記と同様にして、絶縁体層非形成領域の面積(貫通孔の断面積)に対する、接続電極と下側電極との重畳面積の割合を変化させ、該重畳面積の異なる薄膜コンデンサを得た。
【0065】
得られた薄膜コンデンサの半田バンプからなる外部端子に過剰な負荷をかけて、意図的に外部端子を剥離した際の、破壊モードを観察し、その結果を図4に示した。
【0066】
図4において、薄膜破壊とは破壊モードの一つであり、例えば、支持基板と接続電極との界面で破壊が起きていることを意味する。同様にして、半田破壊とは、半田バンプそのものが破壊していることを意味する。半田バンプの持つ強度が最大限発揮されている際の破壊モードは半田破壊であり、理想的な破壊モードと言える。この結果によると、重畳面積が大きくなると、破壊モードが薄膜破壊のものが増加しており、重畳面積が10%以下では、外部端子の90%以上で半田破壊が起きていることが判る。
【0067】
また、比較例として、従来のように、絶縁体層に形成された貫通孔内の下側電極に貫通孔を形成することなく、絶縁体層の貫通孔底面に全面に下側電極を形成し、その下側電極の上面に接続電極を形成した場合には、図4に示される傾向から薄膜破壊であり、下側電極が、高温プロセスを経るために、支持基板と下側電極との密着強度が劣化し、この下側電極を介して支持基板に固着されていた半田バンプからなる外部端子を、母基板の電極上に接合した場合、支持基板から外部端子が剥離しやすく、薄膜コンデンサの母基板(基体)への接合強度が低いことが理解される。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁体層形成後にその絶縁体層の上面から貫通孔内の支持基板の上面に連続して形成される接続電極が、その貫通孔内の下側電極の貫通孔内において直接支持基板の上面に設けられるため、高温プロセスを経た下側電極を介することがなく、接続電極と支持基板の上面との密着強度が劣化することがない。また、上側電極も、絶縁体層形成後にその絶縁体層の上面から支持基板上の貫通孔内の支持基板の上面に連続して形成されるため、上側電極と支持基板の上面との密着強度が劣化することもない。そのため、例えば、半田密着層、半田バリア層および接続電極または上側電極を介して支持基板上に設けられている半田バンプからなる外部端子の密着強度が良好で、外部端子の持つ強度を最大限発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜電子部品を示す概略断面図である。
【図2】接続電極と下側電極との重畳状態、上側電極と金属層の重畳状態を示す説明図である。
【図3】半田密着層が外部端子となる場合の本発明の薄膜電子部品を示す断面図である。
【図4】貫通孔の断面積に対する、接続電極と下側電極との重畳面積の割合による破壊モードの割合を示すグラフである。
【図5】従来の薄膜電子部品を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・支持基板
3・・・絶縁体層
5・・・下側電極
7・・・上側電極
11a、11b・・・外部端子
13・・・接続電極
21、27・・・下側電極が形成されていない部分
23・・・貫通孔

Claims (4)

  1. 支持基板と、該支持基板上の一部に形成された下側電極と、前記支持基板上に形成され、前記下側電極上および前記支持基板上にそれぞれ貫通孔が形成された絶縁体層と、該絶縁体層面から前記支持基板上の貫通孔の底面の前記支持基板の上面連続して形成された上側電極と、前記絶縁体層の上面から前記下側電極上の貫通孔の底面の前記下側電極形成されたその貫通孔より小径の貫通孔内の前記支持基板の上面に連続して形成され、前記下側電極と電気的に接続された接続電極と、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔内の前記接続電極上および前記絶縁体層の前記支持基板上の貫通孔内の前記上側電極上に設けられた外部端子とを具備することを特徴とする薄膜電子部品。
  2. 前記接続電極と前記下側電極とが、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔底面の内周部において重畳していることを特徴とする請求項1記載の薄膜電子部品。
  3. 前記接続電極と前記下側電極の重畳面積は、前記絶縁体層の前記下側電極上の貫通孔の断面積の1〜10%であることを特徴とする請求項2記載の薄膜電子部品。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれかに記載の薄膜電子部品を、その外部端子を介して基体の表面に設けてなることを特徴とする基板。
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