JP3651409B2 - 半導体集積装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積装置と、これを含む電子機器に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、パーソナルコンピュータと周辺機器(広義には電子機器)とを接続するためのインタフェース規格として、USB(Universal Serial Bus)が注目を集めている。このUSBには、従来は別々の規格のコネクタで接続されていたマウスやキーボードやプリンタ等の周辺機器を、同じ規格のコネクタで接続できると共にいわゆるプラグ&プレイやホットプラグも実現できるという利点がある。
【0003】
一方、このUSBには、同じくシリアルバスインターフェース規格として脚光を浴びているIEEE1394に比べて、転送速度が遅いという問題点がある。
【0004】
そこで、従来のUSB1.1の規格に対する下位互換性を持ちながら、USB1.1に比べて格段に高速な480Mbps(HSモード)のデータ転送速度を実現できるUSB2.0規格が策定され、注目を浴びている。また、USB2.0の物理層回路や、論理層回路の一部についてのインタフェース仕様を定義したUTMI(USB2.0 Transceiver Macrocell Interface)も策定されている。
【0005】
さて、このUSB2.0では、従来のUSB1.1で定義されていたFS(Full Speed)モードに加えて、HS(High Speed)モードと呼ばれる転送モードが用意されている。このHSモードでは480Mbpsでデータ転送が行われるため、12Mbpsでデータ転送が行われるFSモードに比べて格段に高速なデータ転送を実現できる。従って、USB2.0によれば、高速な転送速度が要求されるハードディスクドライブや光ディスクドライブ等のストレージ機器に最適なインタフェースを提供できるようになる。
【0006】
USB2.0では、HSモードによるデータ転送をカレントドライバにより行う旨が規定されている。しかしながら、その構成については具体的に規定されておらず、動作の安定化のためにはカレントドライバからの電流を定常的に流しておくことが望ましい点に言及されているに過ぎない。
【0007】
このように、例えばUSB2.0で規定されるHSモードのカレントドライバで差動対の信号線を駆動する場合、どのように構成すれば、規定された高速なデータ転送と動作の安定性とを両立させることができるかが重要な課題となっている。
【0008】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、差動対の信号線を介し安定して高速なデータ転送を実現するための半導体集積装置と、これを含む電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、差動対を構成する第1及び第2の信号線を電流駆動する半導体集積装置であって、前記第1及び第2の信号線に接続され、信号出力期間において排他的に電流駆動される第1及び第2のパッドと、信号出力期間以外において電流駆動される第3のパッドとを含み、前記第1乃至3のパッドは並んで配列され、前記第3のパッドは、前記第1及び第2のパッドの間に配置されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、パッドとは、例えば半導体集積装置の外縁部に沿って配置された接続端子としての電極をいう。各パッドは、パッケージの各端子に対応付けられ、電気的に接続される。
【0011】
本発明によれば、信号出力期間において排他的に電流駆動される第1及び第2の信号線に接続された第1及び第2のパッドの間に、信号出力期間以外である非信号出力期間に電流駆動される第3のパッドを配置するようにしたので、非信号出力期間に駆動される第3のパッドに接続される配線や素子等に蓄積される電荷の移動に着目した場合、信号出力期間に駆動される第1及び第2のパッドに接続される配線や素子等と同等の距離を保つことが容易となる。したがって、第3のパッドが駆動される非信号出力期間から信号出力期間への切り替わりに伴う電荷の移動を均等化することができ、切り替わり後に最初に出力される第1及び第2の信号線のいずれかに出力される信号の波形を等価なものにすることができるようになる。この結果、電流駆動により差動対の信号線に高速な信号出力を行う半導体集積装置の動作の安定化をも図ることができる。
【0012】
また本発明は、第1の電源と所与のノードとの間に接続された電流源と、信号出力期間に、前記ノードを第1及び第2のパッドのいずれか一方と電気的に接続する第1及び第2のトランジスタと、信号出力期間以外に、前記ノードを前記第3のパッドと電気的に接続する第3のトランジスタとを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、差動対を構成する第1及び第2の信号線を電流駆動する場合、所与のノードに電流源の電流を供給すると共に、当該ノードに接続された第1及び第2のスイッチトランジスタを排他的に制御して、送信すべき信号線に対して電流を供給するようにしている。更に、当該ノードには、信号出力期間以外でオンする第3のトランジスタを接続し、信号出力期間以外では電流源からの電流を第3のトランジスタ経由で流すように構成している。これにより、信号出力期間以外に電流源の電流経路がなくなることによるノードの電圧上昇を回避することができるので、非信号出力期間から信号出力期間に切り替わった最初の送信信号のレベルが異常に高くなってしまうといった問題を解決し、電流駆動による送信動作の安定化を図ることができる。
【0014】
例えば、送信のたびに動作開始及び動作制御を行うことができないような高速な信号送信を電流駆動で行う場合には、高速な信号送信と動作の安定性とを両立させることができる。
【0015】
なお電流源は、定電流源であってもよい。
【0016】
また本発明は、前記第1及び第2の信号線がそれぞれ所与のインピーダンスZ0で終端されている場合に、前記第1のトランジスタと前記第1のパッドとを接続する第1の送信信号線と、第2の電源との間に接続され、インピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第1の負荷素子と、前記第2のトランジスタと前記第2のパッドとを接続する第2の送信信号線と、第2の電源との間に接続され、インピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第2の負荷素子とを含み、前記第1のトランジスタは、前記ノードと前記第1のパッドとの間に挿入され、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、前記第2のトランジスタは、前記ノードと前記第2のパッドとの間に挿入され、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、前記第3のトランジスタは、前記ノードと前記第3のパッドとの間に挿入され、オンした場合にインピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有することを特徴とする。
【0017】
ここで、所与のインピーダンスZ0は、任意のインピーダンスの値を取り得る。
【0018】
本発明では、差動対を構成する第1及び第2の信号線を電流駆動する場合、所与のノードに電流源の電流を供給すると共に、当該ノードに接続された第1及び第2のトランジスタを排他的に制御して、送信すべき信号線に接続された第1及び第2のパッドに対して電流を供給するようにしている。更に、当該ノードには、信号出力期間以外でオンする第3のトランジスタを接続し、信号出力期間以外では電流源からの電流を第3のトランジスタ経由で第3のパッドに流すように構成している。更に、第1及び第2の信号線が、それぞれ所与のインピーダンスZ0で終端されている場合に、第1のトランジスタがオンした場合にインピーダンスZ0/2と同等、第2のトランジスタがオンした場合にインピーダンスZ0/2と同等、第3のインピーダンスがオンした場合にインピーダンスZ0と同等となるように各トランジスタを構成している。また、第1の送信信号線と第2の電源との間にインピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第1の負荷素子を接続し、第2の送信信号線と第2の電源との間にインピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第2の負荷素子とを接続している。
【0019】
これにより、電流源の電流が供給されるノードから見た出力インピーダンスは、第1〜第3のトランジスタを介した各経路がそれぞれインピーダンスZ0で終端されることになる。したがって、信号出力期間及び非信号出力期間において、第1〜第3のトランジスタのいずれがオンした場合であってもノードに接続されるインピーダンスをほぼ等価とすることができる。この結果、第1〜第3のトランジスタのいずれがオンした場合でも、電流源からの電流が供給されるノードの電圧の変動を同等とすることができ、信号出力期間に出力される信号の波形を等価なものとすることができる。
【0020】
また本発明は、前記第3のトランジスタと前記第3のパッドとの間に接続され、インピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有する第3の負荷素子を含み、前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有することを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、第3のトランジスタがオンした場合のインピーダンスが、インピーダンスZ0/2と同等となるように構成し、この第3のトランジスタと第3のパッドとの間にインピーダンスZ0/2の第3の負荷素子を接続するようにしたので、電流源の電流が供給されるノードから見た出力インピーダンスは、第1〜第3のトランジスタを介した各経路がそれぞれインピーダンスZ0で終端されることになる。したがって、上記発明と同様の効果をえることができる。その上、所与のノードに接続される各トランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動による各トランジスタのオンした場合のインピーダンス変動を吸収することができる。
【0022】
また本発明は、前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、前記第3のパッドは、外部でインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスで終端されることを特徴とする。
【0023】
本発明においても、第3のトランジスタがオンした場合のインピーダンスが、インピーダンスZ0/2と同等となるように構成し、外部において第3のパッドにインピーダンスZ0/2の第3の負荷素子を接続するようにしたので、電流源の電流が供給されるノードから見た出力インピーダンスは、第1〜第3のトランジスタを介した各経路がそれぞれインピーダンスZ0で終端されることになる。したがって、上記発明と同様の効果をえることができる。その上、所与のノードに接続される各トランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動による各トランジスタのオンした場合のインピーダンス変動を吸収することができると共に、装置内に負荷素子を設ける必要がなくなるので、送信回路の小型化、低コスト化を図ることができるようになる。
【0024】
また本発明は、前記第3のトランジスタと前記第3のパッドとを接続する第3の送信信号線と、第2の電源との間に接続され、インピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第4の負荷素子を含み、前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、前記第3のパッドは、外部でインピーダンスZ0と同等のインピーダンスで終端されることを特徴とする。
【0025】
本発明においても、第3のトランジスタがオンした場合のインピーダンスが、インピーダンスZ0/2と同等となるように構成し、第3の送信信号線と第2の電源との間にインピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第4の負荷素子を接続し、外部において第3のパッドをインピーダンスZ0で終端するようにしたので、電流源の電流が供給されるノードから見た出力インピーダンスは、第1〜第3のトランジスタを介した各経路がそれぞれインピーダンスZ0で終端されることになる。したがって、信号出力期間及び非信号出力期間において、第1〜第3のトランジスタのいずれがオンした場合であってもノードに接続されるインピーダンスをほぼ等価とすることができる。この結果、第1〜第3のトランジスタのいずれがオンした場合でも、電流源からの電流が供給されるノードの電圧の変動を同等とすることができ、信号出力期間に出力される信号の波形を等価なものとすることができる。また、ノードに接続される各トランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動による各トランジスタのオンした場合のインピーダンス変動を吸収することができる。また、各パッドに接続されるトランジスタ及び配線について同様の構成をなしているため、セルの流用、レイアウト配置等設計工数の削減と共に、特性を容易に揃えることができる。
【0026】
また本発明は、前記第3のトランジスタと第2の電源との間に挿入され、インピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有する第5の負荷素子を含み、前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、前記第3のパッドが省略されていることを特徴とする。
【0027】
本発明においても、第3のトランジスタがオンした場合のインピーダンスが、インピーダンスZ0/2と同等となるように構成し、第3のパッドを省略して第3の送信信号線と第2の電源との間にインピーダンスZ0/2を有する第5の負荷素子で終端するようにしたので、電流源の電流が供給されるノードから見た出力インピーダンスは、第1〜第3のトランジスタを介した各経路がそれぞれインピーダンスZ0で終端されることになる。したがって、信号出力期間及び非信号出力期間において、第1〜第3のトランジスタのいずれがオンした場合であってもノードに接続されるインピーダンスをほぼ等価とすることができる。この結果、第1〜第3のトランジスタのいずれがオンした場合でも、電流源からの電流が供給されるノードの電圧の変動を同等とすることができ、信号出力期間に出力される信号の波形を等価なものとすることができる。また、ノードに接続される各トランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動による各トランジスタのオンした場合のインピーダンス変動を吸収することができる。また、第3のパッドの削減により、回路規模の縮小化及び低コスト化を実現することができるようになる。
【0028】
また本発明は、前記第1乃至3のトランジスタのうち少なくとも1つは、n型MOSトランジスタであることを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、各トランジスタのゲート端子に入力されるゲート信号のアクティブ方向と、各トランジスタを介して送信される送信信号のアクティブ方向とを同一とすることができるので、p型MOSトランジスタに比べて、素子面積の縮小化が図れると共に、送信信号に相加されるノイズを除去することができ、信頼性の高い送信信号を生成することができるようになる。
【0030】
また本発明は、前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含み第2のセルは、各パッドに接続される配線及びトランジスタに寄生される負荷がほぼ同等になるように配置され、前記電流源は、前記第1及び第2のセルに隣接して配置されることを特徴とする。
【0031】
また本発明は、前記第3の負荷素子は、前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含む第2のセルとの間の空き領域に配置されることを特徴とする。
【0032】
また本発明は、前記第4の負荷素子は、前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含む第2のセルとの間の空き領域に配置されることを特徴とする。
【0033】
また本発明は、前記第5の負荷素子は、前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含む第2のセルとの間の空き領域に配置されることを特徴とする。
【0034】
このように本発明によれば、半導体集積装置内で配置される差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路の間に、負荷バランスを調整するための各負荷素子を配置することで、レイアウト配置の効率を向上させることも可能となる。
【0035】
また本発明は、前記第1乃至3のパッドは、接続されるボンディングワイヤの長さの差がより少なくなる位置に配置されることを特徴とする。
【0036】
本発明によれば、ノードから見た出力インピーダンスを3経路とも同等に保つことができるので、出力される信号のレベルの品質を向上させることができる。
【0037】
また本発明は、差動対を構成する第1及び第2の信号線を介して送信される信号は、USB(Universal Serial Bus)規格で規定された信号であることを特徴とする。
【0038】
この場合に所与のインタフェース規格として、USB2.0規格やUSB2.0規格を更に発展させた規格を用いることができる。
【0039】
また本発明に係る電子機器は、上記いずれか記載の半導体集積装置と、前記データ転送制御装置及びバスを介して転送されるデータの出力処理又は取り込み処理又は記憶処理を行う装置とを含むことを特徴とする。
【0040】
本発明によれば、高速なデータ転送かつ動作の安定したデータ転送制御装置を電子機器に組み込むことができるため、電子機器の性能を向上させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0042】
1. USB2.0
USB2.0によれば、USB1.1又はUSB2.0対応の複数の周辺機器は、ハブ装置を介在させて、バスを管理するホスト装置としてのパーソナルコンピュータに接続することができる。
【0043】
このようなホスト装置には、USB2.0に対応したホストコントローラが搭載される。ホストコントローラは、接続されている機器がUSB1.1対応かUBS2.0対応かを判断して、バスを介したデータ転送を制御する。
【0044】
またハブ装置には、例えばUSB2.0に対応したハブコントローラが搭載される。ハブコントローラは、接続される周辺機器がUSB1.1対応かUSB2.0対応かを判断して、バス転送方式を制御する。
【0045】
また、周辺機器にも、USB1.1又はUSB2.0に対応したデバイスコントローラが搭載される。例えば、デバイスコントローラがUSB2.0に対応する場合、このデバイスコントローラは、USB1.1及びUSB2.0のインタフェース規格に対応した物理層回路と、搭載される周辺機器に応じたデータ転送制御を行う論理層回路とを含む。
【0046】
本発明に係る半導体集積装置は、上述した物理層回路を含むホストコントローラ、ハブコントローラ及びデバイスコントローラ(広義には、データ転送制御装置)に適用することができる。なお、本発明に係る半導体集積装置は、差動対の信号線に信号を出力するものであれば、USB2.0により規定された各種コントローラへの適用に限定されるものではない。
【0047】
2. 半導体集積装置(データ転送制御装置)
図1に、本発明に係る半導体集積装置が適用されたデータ転送制御装置の構成の一例を示す。
【0048】
このデータ転送制御装置は、論理層回路と物理層回路を含む。
【0049】
論理層回路は、データハンドラ回路10、HS(High Speed)回路20、FS(Full Speed)回路30を含む。物理層回路は、アナログフロントエンド回路40を含む。なお、このデータ転送制御装置は、図1に示す回路ブロックの全てを含む必要はなく、それらの一部を省略する構成としても良い。
【0050】
データハンドラ回路(広義には、データ転送を行うための所与の回路)10は、USB2.0に準拠したデータ転送のための種々の送信処理及び受信処理を行う。より具体的には、データハンドラ回路は、送信時には、送信データにSYNC(SYNChronization)、SOP(Start Of Packet)、EOP(End Of Packet)を付加する処理や、ビットスタッフィング処理等を行う。一方、データハンドラ回路は、受信時には、受信データのSYNC、SOP、EOPを検出し、削除する処理や、ビットアンスタッフィング処理等を行う。更に、データハンドラ回路10は、データの送受信を制御するための各種のタイミング信号を生成する処理も行う。このようなデータハンドラ回路10は、SIE(Serial Interface Engine)に接続される。
【0051】
SIEは、USBパケットIDやアドレスを識別するためのSIE制御ロジックと、エンドポイント番号の識別やFIFO制御等のエンドポイント処理を行うためのエンドポイントロジックとを含む。
【0052】
HS回路20は、データ転送速度が480MbpsとなるHS(High Speed)でのデータの送受信を行うためのロジック回路である。
【0053】
FS回路30は、データ転送速度が12MbpsとなるFS(Full Speed)でのデータの送受信を行うためのロジック回路である。
【0054】
アナログフロントエンド回路40は、FSやHSでの送受信を行うためのドライバやレシーバを含むアナログ回路である。USBでは、DP(Data+)とDM(Data−)を用いた差動対の信号によりデータが送受信される。
【0055】
このデータ転送制御装置は、その他にHS回路20で用いる480MHzのクロックや、装置内部及びSIEで用いる60MHzのクロックを生成するクロック回路(図示せず)、アナログフロントエンド回路40の各種制御信号を生成する制御回路(図示せず)を含む。
【0056】
HS回路20は、DLL(Delay Line PLL)回路22、エラスティシティバッファ(elasticity buffer)24を含む。
【0057】
DLL回路22は、図示しないクロック回路によって生成されたクロックと、受信信号とに基づいて、データのサンプリングクロックを生成する。
【0058】
エラスティシティバッファ24は、装置内部と、外部装置(バスに接続される外部装置)とのクロック周波数差(クロックドリフト)等を吸収するための回路である。
【0059】
USB2.0では、HSモードとFSモードが、転送モードとして定義されている。HSモードは、USB2.0により新たに定義された転送モードである。FSモードは、従来のUSB1.1で既に定義されている転送モードである。
【0060】
HSモードでは、HS回路20を介して、データハンドラ回路10とアナログフロントエンド回路40との間で、データの送受信が行われる。
【0061】
FSモードでは、FS回路30を介して、データハンドラ回路10とアナログフロントエンド回路40との間で、データの送受信が行われる。
【0062】
このため、アナログフロントエンド回路40では、差動対の送受信信号であるDP、DMをHSモードで送受信するためのHSモード用ドライバ及びレシーバ、FSモードで送受信するためのFSモード用ドライバ及びレシーバが別個に設けられている。
【0063】
より具体的には、アナログフロントエンド回路40は、FSドライバ42、FS差動データレシーバ44、SE(Single Ended)_DPレシーバ46、SE_DMレシーバ48、HSカレントドライバ(広義には、送信回路)50、低速用HS_SQ(SQuelch)_L回路52、高速用HS_SQ回路54、HS差動データレシーバ56を含む。
【0064】
FSドライバ42は、FSモードにおいて、FS回路30からのFS_DPout及びFS_DMoutからなる差動対の送信信号を、DP及びDMからなる差動対の送信信号として出力する。このFSドライバ42は、FS回路30からのFS_OutDisにより出力制御される。
【0065】
FS差動データレシーバ44は、FSモードにおいて、DP及びDMの差動対の受信信号を増幅し、FS_DataInとしてFS回路30に対して出力する。このFS差動データレシーバ44は、FS_CompEnbにより増幅制御される。
【0066】
SE_DPレシーバ46は、FSモードにおいて、シングルエンドの受信信号であるDPを増幅し、SE_DPinとしてFS回路30に対して出力する。
【0067】
SE_DMレシーバ48は、FSモードにおいて、シングルエンドの受信信号であるDMを増幅し、SE_DMinとしてFS回路30に対して出力する。
【0068】
HSカレントドライバ50は、HSモードにおいて、HS回路20からのHS_DPout及びHS_DMoutからなる差動対の送信信号を増幅し、DP及びDMからなる差動対の送信信号として出力する。このHSカレントドライバ50は、HS回路20からのHS_OutDisにより出力制御されると共に、HS_CurrentSourceEnbにより駆動電流の制御が行われる。
【0069】
低速用HS_SQ_L回路52は、DP及びDMの差動対の受信信号の有無を精度良く検出し、信号検出結果としてHS_SQ_Lを出力する。この低速用HS_SQ_L回路52は、HS_SQ_L_Enbにより動作制御され、HS_SQ_L_Pwrにより省電力制御される。
【0070】
高速用HS_SQ回路54は、HSモードにおいて、DP及びDMの差動対の受信信号の有無を検出し、信号検出結果としてHS_SQをHS回路20に対して出力する。この高速用HS_SQ回路54は、HS回路20からのHS_SQ_Enbにより動作制御され、HS_SQ_Pwrにより省電力制御される。
【0071】
HS差動データレシーバ56は、HSモードにおいて、DP及びDMの差動対の受信信号を増幅し、HS_DataIn、HS_DataIn_Lを出力する。このHS差動データレシーバ56は、HS_RxEnbにより増幅制御される。
【0072】
差動対の送受信信号DP、DMのうちDPは、SWA及びプルアップ抵抗Rpuを介して、電源電圧3.3Vに(電気的に)接続される。また、差動対の送受信信号のうちDMは、SWBに接続される。SWA及びSWBは、RpuEnbにより制御される。負荷バランスを考慮すると、DMについても、SWBを介してプルアップ抵抗Rpuと同等の抵抗を接続するようにしてもよい。RpuEnbは、FSモードのとき、少なくともSWAによりDPをプルアップ抵抗Rpuに接続させる。
【0073】
このようにデータ転送制御装置は、HSモードとFSモードの転送速度に対応したドライバ及びレシーバを含んで構成されている。
【0074】
2.1 送受信系の構成
図2に、図1に示したデータ転送制御装置を用いて、HSモードでデータ転送を行う場合の送受信系の構成要部の一例を示す。
【0075】
HSモードでデータ転送を行う場合、上述した物理層回路を含む送信側データ転送制御装置60-Tと、受信側データ転送制御装置60-Rとが、差動対の送受信信号DP、DMが伝送される差動対の信号線(広義には、第1及び第2の信号線)62-1、62-2を介して接続される。
【0076】
上述したように、USB2.0によれば、HSモードとFSモードの転送速度に対応したドライバ及びレシーバは、それぞれ別個に設けられている。そのため、各モードにおけるドライバ及びレシーバは、差動対の信号線(第1及び第2の信号線62-1、62-2)に共通接続されている。
【0077】
送信側のデータ転送制御装置60-Tのアナログフロントエンド回路は、少なくともFSドライバ42-T、HSカレントドライバ50-Tを含む。受信側のデータ転送制御装置60-Rのアナログフロントエンド回路は、少なくともFSドライバ42-R、HS差動データレシーバ56-Rを含む。
【0078】
USB2.0では、HSモードのデータ転送時における出力インピーダンスZ0(45Ω±10%)が規定されており、第1及び第2の信号線62-1、62-2それぞれには、データ転送制御装置内にこの出力インピーダンスと等価のインピーダンスRsを有するターミネーション用抵抗が接続されている。
【0079】
このターミネーション用抵抗は、FSドライバに接続される。従って、HSモードにおいてFSドライバが「0」をドライブすることによって、このターミネーション用抵抗が、HSモードにおける信号線の終端抵抗として活用されることになる。
【0080】
FSドライバ42-Tは、例えば図1に示すFS_OutDisによる出力制御によって、第1及び第2の信号線62-1、62-2に「0」をドライブする。この結果、送信側のデータ転送制御装置60-T内において、第1及び第2の信号線62-1、62-2が、ターミネーション用抵抗を介してプルダウンされる。
【0081】
また、HSカレントドライバ50-Tは、例えば図1に示すHS_OutDisによる出力制御、HS_CurrentSourceEnbによる駆動電流の供給制御によって、図示しないHS回路からのHS_DPout及びHS_DMoutからなる差動対の送信信号を増幅する。
【0082】
一方、FSドライバ42-Rは、例えば図1に示すFS_OutDisによる出力制御によって、第1及び第2の信号線62-1、62-2に「0」をドライブする。この結果、受信側のデータ転送制御装置60-R内において、第1及び第2の信号線62-1、62-2が、ターミネーション用抵抗を介してプルダウンされる。
【0083】
また、HS差動データレシーバ56-Rは、例えば図1に示すHS_RxEnbによる出力制御によって、第1及び第2の信号線62-1、62-2の差動対の受信信号を増幅して、HS_DataIn、HS_DataIn_Lを出力する。
【0084】
このように送信側のデータ転送制御装置60-TのHSカレントドライバ50-Tは、送信側及び受信側においてそれぞれターミネーション用抵抗で終端された第1及び第2の信号線62-1、62-2を、送信信号に応じて電流駆動する。
【0085】
3. 送信回路
3.1 電流経路
図3に、このようなHSカレントドライバの構成の概要を示す。
【0086】
HSカレントドライバ50は、第1の電源AVDDとノードNDとの間に接続された電流源70と、ノードNDに一端が接続されたスイッチ素子SW1〜SW3とを含む。スイッチ素子SW1の他端は、DP端子(広義には、接続端子)72に接続される。スイッチ素子SW2の他端は、DM端子74に接続される。スイッチ素子SW3の他端は、DA端子76に接続される。DA端子76は、回路内部若しくは回路外部で第2の電源AVSSに接続される。
【0087】
HSカレントドライバが半導体集積装置に集積化された場合、DP端子72としてDPパッド、DM端子74としてDMパッド、DA端子76としてDAパッド(若しくは、AVSSパッド)のいずれかと電流源70とを電気的に接続するようになっている。ここで、パッドは、例えば半導体集積装置の外縁部に沿って配置された接続端子としての電極をいい、各パッドは、パッケージの各端子に対応付けられ、電気的に接続される。
【0088】
このようなHSカレントドライバ50は、スイッチ素子SW1〜SW3を排他的に制御することで、電流源70からの電流がDP端子72、DM端子74及びDA端子76のうちいずれか1つに流れ込むようになっている。
【0089】
より具体的には、DP「1」を送信する場合、HSカレントドライバ50は、HS_DPoutによりスイッチ素子SW1をオン、スイッチ素子SW2及びSW3をオフにして、DP端子72に電流源70からの電流を流す。
【0090】
DM「1」を送信する場合、HSカレントドライバ50は、HS_DMouによりスイッチ素子SW2をオン、スイッチ素子SW1及びスイッチSW3をオフにして、DM端子74に電流源70からの電流を流す。
【0091】
DP「1」若しくはDM「1」の信号送信期間(広義には、信号出力期間)以外の非信号送信期間(広義には、非信号出力期間)では、HSカレントドライバ50は、HS_OutDisによりスイッチ素子SW3をオン、スイッチ素子SW1及びSW2をオフにして、DA端子76に電流源70からの電流を流す。
【0092】
こうすることで、非信号送信期間において電流源70からの電流経路を設けない場合に、ノードNDの電圧上昇が発生することを回避することができる。
【0093】
図4に、HSカレントドライバによって送信される差動対の送信信号の波形の一例を示す。
【0094】
図3に示したように、HSカレントドライバ50は、図示しないHS回路から両エッジが揃った状態で排他的に論理動作するHS_DPout及びHS_DMoutが供給される。
【0095】
一般的に、電流源70の動作開始及び動作停止の制御は可能である。しかしながら、電流源70の動作の安定化に時間を要するため、HSモードのような高速転送を行う場合に、送信のたびに電流源70の動作開始及び動作停止を行うことは困難である。そこで、動作安定のためには、電流源70は、定常的に電流を流すことが必要となる。
【0096】
このように定常的に電流源70によって電流が供給される場合において、非信号送信期間におけるスイッチ素子SW3を介した電流経路を設けないとき、定常的に流れる電流源70からの電流によって、ノードNDの電圧が上昇する。
【0097】
このとき、図4のT1に示すHS_DPoutによりスイッチ素子SW1をオンすると、DPの電圧が規定されたレベルLV0を越える。すなわち、非信号送信期間から信号送信期間になった最初のT1におけるHS_DPoutで出力されるDPの電圧が高くなってしまうという問題が生じる。このDPの電圧は、時間経過と共に、本来の信号送信期間で出力されるべき電圧LV0に近付く。
【0098】
DMについても同様で、T1に続くT2において、HS_DMoutによりスイッチ素子SW2をオンすると、DMの電圧が規定されたレベルLV0を超えてしまう場合がある。このDMの電圧は、時間経過と共に、本来の信号送信期間で出力されるべき電圧LV0に近付く。
【0099】
そこで、図3では、非信号送信期間に、スイッチ素子SW3を介して電流源70からの電流をDA端子に流すことにより、非信号送信期間におけるノードNDの電圧上昇を回避し、非信号送信期間から信号送信期間になった最初の送信信号の出力レベルが規格外になることを防止し、動作の安定化を図る。
【0100】
3.2 インピーダンス
ところで、HSカレントドライバ50により第1及び第2の信号線62-1、62-2を電流駆動する場合、ノードNDから受信端側のインピーダンスにより、送信信号レベルが決まる。
【0101】
ここで、ノードNDからスイッチ素子SW1及び第1の信号線62-1を介した受信端までのインピーダンスをZp、ノードNDからスイッチ素子SW2及び第2の信号線62-2を介した受信端までのインピーダンスをZm、ノードNDからスイッチ素子SW3及びDA端子74を介して第2の電源AVSSまでのインピーダンスをZaとする。
【0102】
非信号送信期間においてDA端子への電流経路が設けられている場合であっても、「Zp:Zm:Za=1:1:α(ただし、1<α)」のとき、DA端子への電流経路のインピーダンスが高い分だけノードNDの電圧が上昇する。このとき、図4のT3に示すHS_DPoutによりスイッチ素子SW1をオンすると、DPの電圧が規定されたレベルLV0を越える場合がある。すなわち、非信号送信期間から信号送信期間になった最初のT3におけるHS_DPoutで出力されるDPの電圧が高くなってしまうという問題が生じる。このDPの電圧は、時間経過と共に、本来の信号送信期間で出力されるべき電圧LV0に近付く。
【0103】
DMについても同様で、T3に続くT4において、HS_DMoutによりスイッチ素子SW2をオンすると、DMの電圧が規定されたレベルLV0を超えてしまう場合がある。このDMの電圧は、時間経過と共に、本来の信号送信期間で出力されるべき電圧LV0に近付く。
【0104】
また、非信号送信期間においてDA端子への電流経路が設けられている場合であっても、「Zp:Zm:Za=1:1:β(0<β<1)」のとき、DA端子への電流経路のインピーダンスが低いため、ノードNDの電圧が下降する。このとき、図4のT3に示すHS_DPoutによりスイッチ素子SW1をオンすると、DPの電圧が規定されたレベルLV0に達しない。すなわち、非信号送信期間から信号送信期間になった最初のT3におけるHS_DPoutで出力されるDPの電圧が低くなってしまい、受信端で正常に送信信号が検出されなくなるおそれが発生するという問題が生じる。このDPの電圧は、時間経過と共に、本来の信号送信期間で出力されるべき電圧LV0に近付く。
【0105】
DMについても同様で、T3に続くT4において、HS_DMoutによりスイッチ素子SW2をオンすると、DMの電圧が規定されたレベルLV0に達しない場合がある。このDMの電圧は、時間経過と共に、本来の信号送信期間で出力されるべき電圧LV0に近付く。
【0106】
このように、ノードNDからの各電流経路のインピーダンスが揃っていない場合、各経路を介して出力される信号レベルが揃わなくなるばかりでなく、ノードNDの電圧の変動も生じてしまう。
【0107】
第1及び第2の信号線62-1、62-2は、上述したように送信側及び受信側のターミネーション用抵抗と信号線の抵抗とにより規定されたインピーダンスZ0となる。そこで、図3では、各電流経路のインピーダンスを同等とするため、非信号送信期間にスイッチ素子SW3を介して電流源70からの電流をDA端子に流す経路のインピーダンスが、上述のインピーダンスと同等となるようにしている。
【0108】
3.3 レイアウト配置
また、このようなデータ転送制御装置において、少なくともHSカレントドライバにより駆動される第1及び第2の信号線62-1、62-2への電流経路は、対称性が維持されることが望ましい。こうすることで、DP端子及びDM端子への経路の負荷バランスを保つことができ、その結果信号送信期間に第1及び第2の信号線62-1、62-2に出力される信号波形を同等とすることができるようになる。
【0109】
また、非信号送信期間に電流源70からの電流をDA端子に流すためのスイッチ素子SW3は、信号送信期間に電流源70からの電流を流すためのスイッチ素子SW1及びSW2と等距離にあることが望ましい。こうすることで、信号送信期間と非信号送信期間との切り替え時において、ノードNDの電荷の移動を、スイッチ素子SW1及びSW2において同等とすることができる。その結果、非信号送信期間から信号送信期間に切り替わった最初の信号が、スイッチ素子SW1及びSW2のいずれを介して出力される場合も、その信号波形を等価なものにすることができる。
【0110】
そのため、データ転送制御装置(半導体集積装置)では、信号送信期間に電流経路が形成される2経路(SW1、SW2)のレイアウト配置について、対称となるように構成し、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路に寄生される抵抗成分及び容量成分等の負荷がプロセス変動に関わらず同等となるようにしている。これにより、差動対で動作する送受信信号に付加されるノイズは、精度良く相殺される。
【0111】
更に、例えば差動対の信号線への各経路のレイアウトを行う場合、各経路をセル化して両セル同士をミラー配置する。そして、信号送信期間以外に電流経路が形成される1経路(SW3)については、両セルの間に配置し、非信号送信期間から信号送信期間の切り替え時におけるDP及びDMの信号波形が等価になるようにすると共に、レイアウト配置の効率を向上させる。
【0112】
3.4 パッド位置
更にまた、差動対を構成する第1及び第2の信号線62-1、62-2が接続されるDP端子72、DM端子74が、半導体基板上にDPパッド及びDMパッドとして設けられる場合、対応するパッケージの端子までの負荷バランスが同等となるように基板上のほぼ中央部に両パッドが配置されることが望ましい。
【0113】
こうすることで、DP及びDMパッドからボンディングワイヤを介して対応するパッケージの端子までに寄生される負荷の軽減と、負荷バランスの維持とを図り、信号波形を等価にすることによる信号送受信の信頼性の向上を図ることができる。
【0114】
例えば図5(A)に示すように半導体基板78上のコーナー部近傍にDPパッド72、DMパッド74、DAパッド76を配置した場合、パッケージングによるリードの長さまでを考慮すると、パッドとパッケージの端子までに寄生される負荷がその分大きくなってしまう。また、DPパッド72及びDMパッド74について、ボンディングワイヤ及びリードの長さの差で負荷バランスが失われる場合もある。
【0115】
これに対して、図5(B)に示すように半導体基板78上の中央部付近にDPパッド72、DMパッド74、DAパッド76を配置した場合、図5(A)の場合に比べて、パッケージングによるリードの長さが短くなるため、パッドとパッケージの端子までに寄生される負荷を小さくすることができる。しかも、DPパッド72及びDMパッド74について、ボンディングワイヤ及びリードの長さの差がなくなり、負荷バランスを同等に保つことができる。
【0116】
また、上述したようにDPパッド及びDMパッドのみならず、DAパッドについても負荷バランスを考慮する必要があるため、これらに接続される信号線の負荷バランスが同等となるような位置に3パッドを配置することが望ましい。
【0117】
以上のようにHSカレントドライバを構成することで、例えばHSモードによるデータ転送を実現することができる。また、これに必要とされる電流源の動作を安定させ、高速なデータ転送の安定化を図ることができる。
【0118】
3.5 送信回路の構成例
以下では、このようなHSカレントドライバに適用可能な送信回路とこの送信回路を含むデータ転送制御装置について具体的に説明する。
【0119】
<第1の実施形態>
図6に、本発明の第1の実施形態における送信回路の構成例を示す。
【0120】
第1の実施形態における送信回路50は、データ転送制御装置60-1において、USB2.0で規定された信号の送信を行う。このデータ転送制御装置60-1は、DP端子72、DM端子74、DA端子76を含む。
【0121】
DP端子72は、差動対の信号線を構成する第1の信号線62-1に電気的に接続される。DM端子74は、差動対の信号線を構成する第2の信号線62-2に電気的に接続される。DA端子76は、第2の電源AVSSに電気的に接続される。
【0122】
送信回路50は、定電流源80、スイッチ素子SW1としてのn型MOSトランジスタ82-P、スイッチ素子SW2としてのn型MOSトランジスタ82-M、スイッチ素子SW3としてのn型MOSトランジスタ82-Aを含む。
【0123】
定電流源80は、電流源制御信号CI60によって動作制御される。定電流源80は、この電流源制御信号CI60の電流値に応じた所与の定電流値の電流をノードNDに供給する。
【0124】
ノードNDは、n型MOSトランジスタ82-P、82-M、82-Aの各ソース端子に接続される。
【0125】
n型MOSトランジスタ82-Pは、ドレイン端子にDP端子72が接続され、ゲート端子にHS回路からのHS_DPoutが供給される。
【0126】
n型MOSトランジスタ82-Mは、ドレイン端子にDM端子74が接続され、ゲート端子にHS回路からのHS_DMoutが供給される。
【0127】
n型MOSトランジスタ82-Aは、ドレイン端子にDA端子76が接続され、ゲート端子にHS回路からのHS_OutDisが供給される。
【0128】
n型MOSトランジスタ82-Pのドレイン端子とDP端子72とを電気的に接続する第1の送信信号線84-Pは、上述したようにFSドライバのターミネーション用抵抗によって終端される。そのため、図6では、模式的に第1の送信信号線84-Pと第2の電源AVSSとの間に、インピーダンスRsを有する抵抗素子が接続されている。
【0129】
n型MOSトランジスタ82-Mのドレイン端子とDM端子74とを電気的に接続する第2の送信信号線84-Mは、上述したようにFSドライバのターミネーション用抵抗によって終端される。そのため、図6では、模式的に第2の送信信号線84-Mと第2の電源AVSSとの間に、インピーダンスRsを有する抵抗素子が接続されている。
【0130】
第1の実施形態ではn型MOSトランジスタ82-P、82-MがそれぞれHS_DPout、HS_DMoutによりオンされたときのインピーダンスが、Rs/2となるような形状で形成されている。
【0131】
また、n型MOSトランジスタ82-Aは、HS_OutDisによりオンされたときのインピーダンスがRsとなるような形状で形成されている。
【0132】
ここで、n型MOSトランジスタ82-Pのチャネル幅をWp、n型MOSトランジスタ82-Mのチャネル幅をWm、n型MOSトランジスタ82-Aのチャネル幅をWaとする。例えば、各トランジスタのチャネル長Lを一定にして、チャネル幅Wp(Wm)でインピーダンスRs/2を実現し、「Wp:Wm:Wa=1:1:0.5」に調整することによって、容易に上述したインピーダンスを有するトランジスタを実現することができる。
【0133】
定電流源80は、p型MOSトランジスタ86-1〜86-4を含み、2段構成されたカレントミラー回路である。
【0134】
すなわち、p型MOSトランジスタ86-1は、ソース端子に第1の電源AVDDが接続され、ドレイン端子にp型MOSトランジスタ86-2のソース端子が接続される。p型MOSトランジスタ86-1のゲート端子及びドレイン端子は、接続されている。p型MOSトランジスタ86-2のゲート端子及びドレイン端子は、接続されている。
【0135】
p型MOSトランジスタ86-2のドレイン端子には、電流源制御信号CI60が供給される。
【0136】
一方、p型MOSトランジスタ86-3は、ソース端子に第1の電源AVDDが接続され、ドレイン端子にp型MOSトランジスタ86-4のソース端子が接続される。p型MOSトランジスタ86-3のゲート端子及びドレイン端子は、接続されている。p型MOSトランジスタ86-4のゲート端子及びドレイン端子は、接続されている。
【0137】
p型MOSトランジスタ86-4のドレイン端子は、ノードNDに接続される。
【0138】
このような定電流源80では、2段のカレントミラー構成により、安定した定電流値の電流を生成することができる。この定電流源80は、電流源制御信号CI60で供給される電流値に対して、所与のミラー比率倍の定電流値の電流をノードNDに供給する。
【0139】
上述した構成の送信回路において、ノードNDから見たn型MOSトランジスタ82-P、82-M、82-Aを介した電流経路のインピーダンスは、全てRsと同等となる。
【0140】
すなわち、DP「1」を送信する場合、HS_DPoutによりn型MOSトランジスタ82-Pをオンすることにより、ノードNDに供給される定電流でノードNDから見たインピーダンスRsを駆動することになる。
【0141】
DM「1」を送信する場合、HS_DMoutによりn型MOSトランジスタ82-Mをオンすることにより、ノードNDに供給される定電流でノードNDから見たインピーダンスRsを駆動することになる。
【0142】
また、DP及びDMに「0」を送信する非信号送信期間では、n型MOSトランジスタ82-Aをオンすることにより、ノードNDに供給される定電流でノードNDから見たインピーダンスRsを駆動することになる。
【0143】
従って、このインピーダンスRsを、USB2.0で規定されるHSカレントドライバの出力インピーダンスに調整することによって、HSモードによるデータ転送を実現することができる。
【0144】
図7に、第1の実施形態における送信回路によって送信される差動対の送信信号の波形の一例を示す。
【0145】
上述したように第1の実施形態における送信回路は、非信号送信期間における定電流源の電流経路を設け、ノードNDからの電流経路のインピーダンスを全て同等とするように構成されている。これにより、非信号送信期間から信号送信期間への最初のT10のHS_DPoutで出力されるDPの電圧は、本来の送信期間で出力されるべきレベルLV0で出力され、規格外の信号レベルが出力されることがなくなる。
【0146】
更に、図6に示すように、第1の実施形態ではスイッチ素子としてn型MOSトランジスタを用いていることを特徴としている。
【0147】
図8に、スイッチ素子としてn型MOSトランジスタを用いた場合とp型MOSトランジスタを用いた場合における送信信号の波形の概要を模式的に示す。
【0148】
図8(A)に示すように、スイッチ素子としてn型MOSトランジスタを用いた場合、ゲート端子に供給されるゲート信号(例えば、図6ではHS_DPout、HS_DMout、HSOutDis)のアクティブ方向と、ゲート信号がアクティブになったときにn型MOSトランジスタのソース端子及びドレイン端子を介して出力される送信信号(例えば、図6ではDP、DM)のアクティブ方向とが同一方向となる。
【0149】
これに対して、図8(B)に示すように、スイッチ素子としてp型MOSトランジスタを用いた場合、ゲート端子に供給されるゲート信号のアクティブ方向と、n型MOSトランジスタのソース端子及びドレイン端子を介して出力される送信信号のアクティブ方向とが相反する方向となる。この場合、ゲート信号が論理レベル「L」になってから、p型MOSトランジスタのソース端子及びドレイン端子間に電流が流れるため、送信信号に負方向のノイズが相加される可能性が生ずる。
【0150】
このため、図8(A)に示すように、n型MOSトランジスタをスイッチ素子として用いることによって、p型MOSトランジスタに比べて素子面積の縮小化が図れると共に、送信信号に相加されるノイズを除去することができ、信頼性の高い送信信号を生成することができるようになる。
【0151】
図9に、第1の実施形態における送信回路50を含むデータ転送制御装置(半導体集積装置)のレイアウト配置の一例を模式的に示す。
【0152】
ただし、図6に示す送信回路50と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0153】
第1の実施形態における送信回路50を含むデータ転送制御装置60-1は、半導体基板上で集積化される。このデータ転送制御装置60-1では、基板外縁部に沿ってパッドが配列されている。ここでは、第2の電源AVSSパッドの間に、DPパッド72とDMパッド74とが配置され、その間にDAパッド76が配置されている。
【0154】
DPパッド72は、所与の配線層で第1のセルCL-Pと電気的に接続される。
【0155】
DMパッド74は、所与の配線層で第2のセルCL-Mと電気的に接続される。
【0156】
第1及び第2のセルCL-P、CL-Mは、差動対の第1及び第2の信号線62-1、62-2への電流経路を形成するトランジスタ、抵抗素子、スイッチ素子及びこれらを電気的に接続する配線がセル化されたものである。第1及び第2のセルCL-P、CL-Mは、少なくとも配線層がミラー配置されている。
【0157】
第1のセルCL-Pは、ノードNDから第1の信号線62-1に接続されるDPパッド72への電流経路がセル化されている。
【0158】
より具体的には、第1のセルCL-Pは、n型MOSトランジスタ82-Pの配置領域TRP、FSドライバ42のDPを駆動する駆動回路42-Pの配置領域FSP、入力保護回路の配置領域GCD、第1の電源3.3Vに接続されるプルアップ抵抗の配置領域RA、プルアップ抵抗と第1の信号線62-1とを接続するためのスイッチ素子SWAの配置領域SWPを含む。配置領域FSPと、第1の送信信号線84-Pの配線層とは、インピーダンスRsを有する抵抗素子が形成された抵抗素子配置領域を介して電気的に接続される。また、第1の送信信号線84-Pの配線層は、入力保護回路の配置領域GCDを介して、配置領域TRPとDPパッド72とを電気的に接続している。
【0159】
一方、第2のセルCL-Mは、n型MOSトランジスタ82-Mの配置領域TRM、FSドライバ42のDMを駆動する駆動回路42-Mの配置領域FSM、入力保護回路の配置領域GCD、第1の電源3.3Vに接続されるプルアップ抵抗の配置領域RB、プルアップ抵抗と第2の信号線62-2とを接続するためのスイッチ素子SWBの配置領域SWMを含む。配置領域FSMと、第2の送信信号線84-Mの配線層とは、インピーダンスRsを有する抵抗素子が形成された抵抗素子配置領域を介して電気的に接続される。また、第2の送信信号線84-Mの配線層は、入力保護回路の配置領域GCDを介して、配置領域TRMとDMパッド74とを電気的に接続している。
【0160】
DAパッド76は、DPパッド72とDMパッド74との間に配置される。DAパッド76とn型MOSトランジスタ82-Aの配置領域TRAは、パッドの配列方向とほぼ垂直の方向に配置される所与の配線層で電気的に接続される。
【0161】
また、ノードNDに定電流値の電流を供給する定電流源80の配置領域CCGは、第1及び第2のセルCL-M、CL-Pの対称性を維持するため、第2のセルCL-Mと隣接する領域に配置される。
【0162】
このようにレイアウト配置することにより、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路に寄生される抵抗成分及び容量成分等は、プロセス変動に関わらず同等の負荷を有し、差動対で動作する送受信信号DP、DMに付加されるノイズは、精度良く相殺される。
【0163】
また、n型MOSトランジスタ82-Aを介した信号送信期間以外に形成される電流経路について、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路の間に配置することにより、レイアウト配置の効率を向上させることも可能となる。
【0164】
<第2の実施形態>
図10に、本発明の第2の実施形態における送信回路の構成例を示す。
【0165】
ただし、図6に示した第1の実施形態における送信回路と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0166】
第2の実施形態における送信回路100は、データ転送制御装置60-2において、USB2.0で規定された信号の送信を行う。
【0167】
第2の実施形態における送信回路100が第1の実施形態における送信回路50と異なる第1の点は、スイッチ素子SW3として適用されたn型MOSトランジスタ102-Aの形状がn型MOSトランジスタ82-Aの形状と異なる点である。
【0168】
また、第2の実施形態における送信回路100が第1の実施形態における送信回路50と異なる第2の点は、n型MOSトランジスタ102-Aのドレイン端子とDA端子76との間にインピーダンスがRs/2の抵抗素子104が挿入されている点である。
【0169】
すなわち、送信回路100では、n型MOSトランジスタ102-Aの形状をn型MOSトランジスタ82-P、82-Mと同一形状とし、「Wp:Wm:Wa=1:1:1」となるように構成することによって、n型MOSトランジスタ102-AがHS_OutDisによりオンされたときのオン抵抗のインピーダンスがRs/2となるようにしている。更に、インピーダンスRs/2の抵抗素子104を、n型MOSトランジスタ102-Aのドレイン端子とDA端子76との間に挿入している。
【0170】
このように構成することにより、ノードNDからDA端子76への電流経路のインピーダンスはRsとなって、ノードNDから見たn型MOSトランジスタ82-P、82-M、102-Aを介した電流経路のインピーダンスは、全てRsと同等となる。
【0171】
このような構成の第2の実施形態における送信回路100の動作は、第1の実施形態における送信回路50の動作と同様のため説明を省略する。
【0172】
従って、第2の実施形態における送信回路100は、第1の実施形態における送信回路50と同様の効果を奏すると共に、ノードNDに接続されるスイッチ素子としてのトランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動によるノードNDに接続される各トランジスタのオン抵抗の変動を吸収することができる。また、抵抗素子104として、第1及び第2の送信信号線84-M、84-Pに接続されるターミネーション用抵抗と同一構成の抵抗素子を並列に接続して構成した場合、プロセス変動による各抵抗素子の抵抗値の変動を吸収することができる。
【0173】
図11に、第2の実施形態における送信回路100を含むデータ転送制御装置のレイアウト配置の一例を模式的に示す。
【0174】
ただし、図6に示す送信回路50と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。また、図9に示すデータ転送制御装置60-1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0175】
第2の実施形態におけるデータ転送制御装置60-2は、第1の実施形態に比べて、n型MOSトランジスタ102-Aの配置領域TRAの大きさが約半分となる一方、インピーダンスRs/2を有する抵抗成分を有する抵抗素子配置領域が、配置領域TRAとDAパッド76との間に形成される。そして、DAパッド76とn型MOSトランジスタ102-Aの配置領域TRAは、当該抵抗素子配置領域を介してパッドの配列方向とほぼ垂直の方向に配置される所与の配線層で電気的に接続される。
【0176】
このようにレイアウト配置することにより、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路の対称性を維持できると共に、レイアウト配置の効率を向上させることも可能となる。
【0177】
<第3の実施形態>
図12に、本発明の第3の実施形態における送信回路の構成例を示す。
【0178】
ただし、図6に示した第1の実施形態における送信回路と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0179】
第3の実施形態における送信回路120は、データ転送制御装置60-3において、USB2.0で規定された信号の送信を行う。
【0180】
第3の実施形態における送信回路120が第1の実施形態における送信回路50と異なる第1の点は、スイッチ素子SW3として適用されたn型MOSトランジスタ122-Aの形状がn型MOSトランジスタ82-Aの形状と異なる点である。
【0181】
また、第3の実施形態における送信回路120が第1の実施形態における送信回路50と異なる第2の点は、データ転送制御装置外部においてDA端子76にインピーダンスがRs/2の抵抗素子が接続される点である。
【0182】
すなわち、送信回路120では、n型MOSトランジスタ122-Aの形状をn型MOSトランジスタ82-P、82-Mと同一形状とし、「Wp:Wm:Wa=1:1:1」となるように構成することによって、n型MOSトランジスタ122-AがHS_OutDisによりオンされたときのオン抵抗のインピーダンスがRs/2となるようにしている。更に、装置外部において、DA端子76にインピーダンスRs/2の抵抗素子が接続されるようにしている。
【0183】
このように構成することにより、ノードNDからDA端子76への電流経路のインピーダンスはRs/2となって、ノードNDから見たn型MOSトランジスタ82-P、82-M、122-Aを介した電流経路のインピーダンスは、全てRsと同等となる。
【0184】
このような構成の第3の実施形態における送信回路120の動作は、第1の実施形態における送信回路50の動作と同様のため説明を省略する。
【0185】
従って、第3の実施形態における送信回路120は、第1の実施形態における送信回路50と同様の効果を奏すると共に、ノードNDに接続されるスイッチ素子としてのトランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動によるノードNDに接続される各トランジスタのオン抵抗の変動を吸収することができる。また、第2の実施形態と異なり、装置内に抵抗素子104を設ける必要がなくなり、送信回路の小型化、低コスト化を図ることができるようになる。
【0186】
図13に、第3の実施形態における送信回路120を含むデータ転送制御装置のレイアウト配置の一例を模式的に示す。
【0187】
ただし、図6に示す送信回路50と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。また、図9に示すデータ転送制御装置60-1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0188】
第3の実施形態におけるデータ転送制御装置60-3は、第1の実施形態に比べて、n型MOSトランジスタ122-Aの配置領域TRAの大きさが約半分となり、その分他の素子の配置の自由度が向上する。
【0189】
この場合においても、第1の実施形態と同様に、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路の対称性を維持できると共に、レイアウト配置の効率を向上させることも可能となる。
【0190】
<第4の実施形態>
図14に、本発明の第4の実施形態における送信回路の構成例を示す。
【0191】
ただし、図6に示した第1の実施形態における送信回路と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0192】
第4の実施形態における送信回路140は、データ転送制御装置60-4において、USB2.0で規定された信号の送信を行う。
【0193】
第4の実施形態における送信回路140が第1の実施形態における送信回路50と異なる第1の点は、スイッチ素子SW3として適用されたn型MOSトランジスタ142-Aの形状がn型MOSトランジスタ82-Aの形状と異なる点である。
【0194】
また、第4の実施形態における送信回路140が第1の実施形態における送信回路50と異なる第2の点は、n型MOSトランジスタ142-Aのドレイン端子とDA端子76とを電気的に接続する第3の送信信号線84-Aと、第2の電源AVSSとの間にインピーダンスRsを有する抵抗素子が接続されている点である。
【0195】
更に、第4の実施形態における送信回路140が第1の実施形態における送信回路50と異なる第3の点は、データ転送制御装置外部においてDA端子76にインピーダンスRsを有する抵抗素子が接続される点である。
【0196】
すなわち、送信回路140では、n型MOSトランジスタ142-Aの形状をn型MOSトランジスタ82-P、82-Mと同一形状とし、「Wp:Wm:Wa=1:1:1」となるように構成することによって、n型MOSトランジスタ142-AがHS_OutDisによりオンされたときのオン抵抗のインピーダンスがRs/2となるようにしている。更に、第3の送信信号線84-Aと第2の電源AVSSとの間にインピーダンスRsの抵抗素子が接続され、DA端子76もインピーダンスRsの抵抗素子で終端されるようにしている。
【0197】
このように構成することにより、ノードNDからDA端子76への電流経路のインピーダンスはRs/2となって、ノードNDから見たn型MOSトランジスタ82-P、82-M、142-Aを介した電流経路のインピーダンスは、全てRsと同等となる。
【0198】
このような構成の第4の実施形態における送信回路140の動作は、第1の実施形態における送信回路50の動作と同様のため説明を省略する。
【0199】
従って、第4の実施形態における送信回路140は、第1の実施形態における送信回路50と同様の効果を奏すると共に、ノードNDに接続されるスイッチ素子としてのトランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動によるノードNDに接続される各トランジスタのオン抵抗の変動を吸収することができる。また、DA端子について、DP端子及びDM端子と同様の構成をすることができるので、セルの流用、レイアウト配置等設計工数の削減と共に、特性を容易に揃えることができる。
【0200】
図15に、第4の実施形態における送信回路140を含むデータ転送制御装置のレイアウト配置の一例を模式的に示す。
【0201】
ただし、図6に示す送信回路50と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。また、図9に示すデータ転送制御装置60-1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0202】
第4の実施形態におけるデータ転送制御装置60-4は、第1の実施形態に比べて、n型MOSトランジスタ142-Aの配置領域TRAの大きさが約半分となる一方、インピーダンスRsを有する抵抗成分を有する抵抗素子配置領域が、配置領域TRAとDAパッド76との間に形成される。そして、第3の送信信号線84-Aの配線層が、第2の電源AVSSとの間でこの抵抗成分が電気的に接続される。DAパッド76とn型MOSトランジスタ142-Aの配置領域TRAは、当該抵抗素子配置領域を介してパッドの配列方向とほぼ垂直の方向に配置される第3の送信信号線84-Aの配線層で電気的に接続される。
【0203】
このようにレイアウト配置することにより、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路の対称性を維持できると共に、レイアウト配置の効率を向上させることも可能となる。
【0204】
<第5の実施形態>
図16に、本発明の第5の実施形態における送信回路の構成例を示す。
【0205】
ただし、図6に示した第1の実施形態における送信回路と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0206】
第5の実施形態における送信回路160は、データ転送制御装置60-5において、USB2.0で規定された信号の送信を行う。
【0207】
第5の実施形態における送信回路160が第1の実施形態における送信回路50と異なる第1の点は、スイッチ素子SW3として適用されたn型MOSトランジスタ162-Aの形状がn型MOSトランジスタ82-Aの形状と異なる点である。
【0208】
また、第5の実施形態における送信回路160が第1の実施形態における送信回路50と異なる第2の点は、n型MOSトランジスタ162-Aと第2の電源AVSSとの間にインピーダンスがRs/2の抵抗素子が挿入されている点である。
【0209】
更に、第5の実施形態における送信回路160が第1の実施形態における送信回路50と異なる第3の点は、DA端子が省略されている点である。
【0210】
すなわち、送信回路160では、n型MOSトランジスタ162-Aの形状をn型MOSトランジスタ82-P、82-Mと同一形状とし、「Wp:Wm:Wa=1:1:1」となるように構成することによって、n型MOSトランジスタ162-AがHS_OutDisによりオンされたときのオン抵抗のインピーダンスがRs/2となるようにしている。更に、インピーダンスRs/2の抵抗素子を、n型MOSトランジスタ162-Aのドレイン端子と第2の電源AVSSとの間に接続する一方、DA端子自体を省略するようにしている。
【0211】
このように構成することにより、ノードNDからn型MOSトランジスタ162-Aへの電流経路のインピーダンスはRsとなって、ノードNDから見たn型MOSトランジスタ82-P、82-M、162-Aを介した電流経路のインピーダンスは、全てRsと同等となる。
【0212】
このような構成の第5の実施形態における送信回路160の動作は、第1の実施形態における送信回路50の動作と同様のため説明を省略する。
【0213】
従って、第5の実施形態における送信回路160は、第1の実施形態における送信回路50と同様の効果を奏すると共に、ノードNDに接続されるスイッチ素子としてのトランジスタの形状を同一にすることができるので、プロセス変動によるノードNDに接続される各トランジスタのオン抵抗の変動を吸収することができる。また、スイッチ素子SW3として用いたn型MOSトランジスタ162-Aのドレイン端子を、装置内部で第2の電源AVSSに接続するようにしたので、端子を削減することができ、装置の低コスト化を図ることができる。
【0214】
図17に、第5の実施形態における送信回路160を含むデータ転送制御装置のレイアウト配置の一例を模式的に示す。
【0215】
ただし、図6に示す送信回路50と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。また、図9に示すデータ転送制御装置60-1と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0216】
第5の実施形態におけるデータ転送制御装置60-5は、第1の実施形態に比べて、n型MOSトランジスタ162-Aの配置領域TRAの大きさが約半分となる一方、一端が第2の電源AVSSと電気的に接続されるインピーダンスRs/2を有する抵抗成分を有する抵抗素子配置領域が形成され、DAパッド76が省略される。
【0217】
そして、n型MOSトランジスタ162-Aの配置領域TRAは、当該抵抗素子配置領域と、パッドの配列方向とほぼ垂直の方向に配置される所与の配線層で電気的に接続される。
【0218】
このようにレイアウト配置することにより、差動対で構成される第1及び第2の信号線への経路の対称性を維持できると共に、レイアウト配置の効率を向上させることも可能となる。
【0219】
4. 電子機器
次に、第1〜第5の実施形態における送信回路を含むデータ転送制御装置(広義には、半導体集積装置)が適用された電子機器の例について説明する。
【0220】
例えば図18(A)に電子機器の1つであるプリンタの内部ブロック図を示し、図19(A)にその外観図を示す。CPU(マイクロコンピュータ)510はシステム全体の制御等を行う。操作部511はプリンタをユーザが操作するためのものである。ROM516には、制御プログラム、フォント等が格納され、RAM517はCPU510のワーク領域として機能する。DMAC518は、CPU510を介さずにデータ転送を行うためのDMAコントローラである。表示パネル519はプリンタの動作状態をユーザに知らせるためのものである。
【0221】
USBを介してパーソナルコンピュータ等の他のデバイスから送られてきたシリアルの印字データは、データ転送制御装置500によりパラレルの印字データに変換される。そして、変換後のパラレル印字データは、CPU510又はDMAC518により、印字処理部(プリンタエンジン)512に送られる。そして、印字処理部512においてパラレル印字データに対して所与の処理が施され、プリントヘッダ等からなる印字部(データの出力処理を行う装置)514により紙に印字されて出力される。
【0222】
図18(B)に電子機器の1つであるスキャナの内部ブロック図を示し、図19(B)にその外観図を示す。CPU520はシステム全体の制御等を行う。操作部521はスキャナをユーザが操作するためのものである。ROM526には制御プログラム等が格納され、RAM527はCPU520のワーク領域として機能する。DMAC528はDMAコントローラである。
【0223】
光源、光電変換器等からなる画像読み取り部(データの取り込み処理を行う装置)522により原稿の画像が読み取られ、読み取られた画像のデータは画像処理部(スキャナエンジン)524により処理される。そして、処理後の画像データは、CPU520又はDMAC528によりデータ転送制御装置500に送られる。データ転送制御装置500は、このパラレルの画像データをシリアルデータに変換し、USBを介してパーソナルコンピュータ等の他のデバイスに送信する。
【0224】
図18(C)に電子機器の1つであるCD−RWドライブの内部ブロック図を示し、図19(C)にその外観図を示す。CPU530はシステム全体の制御等を行う。操作部531はCD−RWをユーザが操作するためのものである。ROM536には制御プログラム等が格納され、RAM537はCPU530のワーク領域として機能する。DMAC538はDMAコントローラである。
【0225】
レーザ、モータ、光学系等からなる読み取り&書き込み部(データの取り込み処理を行う装置又はデータの記憶処理を行うための装置)533によりCD−RW532から読み取られたデータは、信号処理部534に入力され、エラー訂正処理等の所与の信号処理が施される。そして、信号処理が施されたデータが、CPU530又はDMAC538によりデータ転送制御装置500に送られる。データ転送制御装置500は、このパラレルのデータをシリアルデータに変換し、USBを介してパーソナルコンピュータ等の他のデバイスに送信する。
【0226】
一方、USBを介して他のデバイスから送られてきたシリアルのデータは、データ転送制御装置500によりパラレルのデータに変換される。そして、このパラレルデータは、CPU530又はDMAC538により信号処理部534に送られる。そして、信号処理部534においてこのパラレルデータに対して所与の信号処理が施され、読み取り&書き込み部533によりCD−RW532に記憶される。
【0227】
なお、図18(A)、(B)、(C)において、CPU510、520、530の他に、データ転送制御装置500でのデータ転送制御のためのCPUを別に設けるようにしてもよい。
【0228】
第1〜第5の実施形態における送信回路のいずれかを含むデータ転送制御装置を電子機器に用いれば、USB2.0におけるHSモードでのデータ転送を実現できるようになる。従って、ユーザがパーソナルコンピュータ等によりプリントアウトの指示を行った場合に、少ないタイムラグで印字が完了するようになる。また、スキャナへの画像取り込みの指示の後に、少ないタイムラグで読み取り画像をユーザは見ることができるようになる。また、CD−RWからのデータの読み取りや、CD−RWへのデータの書き込みを高速に行うことができるようになる。
【0229】
また、第1〜第5の実施形態における送信回路のいずれかを含むデータ転送制御装置を電子機器に用いれば、製造コストが安い通常の半導体プロセスでも、HSモードでのデータ転送が可能なデータ転送制御装置を製造できるようになる。従って、データ転送制御装置の低コスト化を図れ、電子機器の低コスト化も図れるようになる。また、データ転送の信頼性を向上でき、電子機器の信頼性も向上できるようになる。
【0230】
また、第1〜第5の実施形態における送信回路のいずれかを含むデータ転送制御装置を電子機器に用いれば、データ転送制御装置の高性能を維持しながらも、電子機器を製造する多様なユーザの要望に応えることが可能となり、電子機器の付加価値を高めることができる。
【0231】
なお第1〜第5の実施形態における送信回路のいずれかを含むデータ転送制御装置を適用できる電子機器としては、上記以外にも例えば、種々の光ディスクドライブ(CD−ROM、DVD)、光磁気ディスクドライブ(MO)、ハードディスクドライブ、TV、VTR、ビデオカメラ、オーディオ機器、電話機、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、電子手帳、ワードプロセッサ等種々のものを考えることができる。
【0232】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0233】
また、本発明は、USB2.0のインタフェース(データ転送)に適用されることが特に望ましいが、これに限定されるものではない。例えばUSB2.0と同様の思想に基づく規格やUSB2.0を発展させた規格のインタフェースにも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る送信回路が適用されるデータ転送制御装置の構成の一例を示す構成図である。
【図2】HSモードでデータ転送を行う場合の送受信系の構成要部の一例を示す構成図である。
【図3】HSカレントドライバの構成の概要を示す構成図である。
【図4】HSカレントドライバによって送信される差動対の送信信号の波形の一例を示す説明図である。
【図5】図5(A)は、基板のコーナー部近傍にパッドを配置した場合の負荷バランスを説明するための説明図である。図5(B)は、基板の中央部付近にパッドを配置した場合の負荷バランスを説明するための説明図である。
【図6】第1の実施形態における送信回路の構成例を示す構成図である。
【図7】第1の実施形態における送信回路によって送信される差動対の送信信号の波形の一例を示す説明図である。
【図8】図8(A)は、スイッチ素子としてn型MOSトランジスタを用いた場合の送信信号の波形の概要を模式的に示す説明図である。図8(B)は、スイッチ素子としてp型MOSトランジスタを用いた場合の送信信号の波形の概要を模式的に示す説明図である。
【図9】第1の実施形態におけるデータ転送制御装置(半導体集積装置)のレイアウト配置の一例を模式的に示す説明図である。
【図10】第2の実施形態における送信回路の構成例を示す構成図である。
【図11】第2の実施形態におけるデータ転送制御装置(半導体集積装置)のレイアウト配置の一例を模式的に示す説明図である。
【図12】第3の実施形態における送信回路の構成例を示す構成図である。
【図13】第3の実施形態におけるデータ転送制御装置(半導体集積装置)のレイアウト配置の一例を模式的に示す説明図である。
【図14】第4の実施形態における送信回路の構成例を示す構成図である。
【図15】第4の実施形態におけるデータ転送制御装置(半導体集積装置)のレイアウト配置の一例を模式的に示す説明図である。
【図16】第5の実施形態における送信回路の構成例を示す構成図である。
【図17】第5の実施形態におけるデータ転送制御装置(半導体集積装置)のレイアウト配置の一例を模式的に示す説明図である。
【図18】図18(A)、(B)、(C)は、種々の電子機器の内部ブロック図の例である。
【図19】図19(A)、(B)、(C)は、種々の電子機器の外観図の例である。
【符号の説明】
10 データハンドラ回路
20 HS回路
22 DLL回路
24 エラスティシティバッファ
30 FS回路
40 アナログフロントエンド回路
42、42-R、42-T FSドライバ
44 FS差動データレシーバ
46 SE_DPレシーバ
48 SE_DMレシーバ
50、50-T、100、120、140、160 HSカレントドライバ
52 低速用HS_SQ_L回路
54 高速用HS_SQ_L回路
56、56-R HS差動データレシーバ
60、60-1〜60-5、500 データ転送制御装置(半導体集積装置)
60-R 受信側データ転送制御装置
60-T 送信側データ転送制御装置
62-1 第1の信号線
62-2 第2の信号線
70 電流源
72 DP端子(パッド)
74 DM端子(パッド)
76 DA端子(パッド)
80 定電流源
82-P、82-M、82-A、102-A、122-A、142-A、162-A n型MOSトランジスタ
84-P 第1の送信信号線
84-M 第2の送信信号線
84-A 第3の送信信号線
86-1〜86-4 p型MOSトランジスタ
102 トランジスタ
104 抵抗素子
SW1〜SW3 スイッチ素子
Claims (15)
- 差動対を構成する第1及び第2の信号線を電流駆動する半導体集積装置であって、
前記第1及び第2の信号線に接続され、信号出力期間において排他的に電流駆動される第1及び第2のパッドと、
信号出力期間以外において電流駆動される第3のパッドと、
を含み、
前記第1乃至3のパッドは並んで配列され、
前記第3のパッドは、前記第1及び第2のパッドの間に配置されていることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項1において、
第1の電源と所与のノードとの間に接続された電流源と、
信号出力期間に、前記ノードを第1及び第2のパッドのいずれか一方と電気的に接続する第1及び第2のトランジスタと、
信号出力期間以外に、前記ノードを前記第3のパッドと電気的に接続する第3のトランジスタと、
を含むことを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項2において、
前記第1及び第2の信号線がそれぞれ所与のインピーダンスZ0で終端されている場合に、
前記第1のトランジスタと前記第1のパッドとを接続する第1の送信信号線と、第2の電源との間に接続され、インピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第1の負荷素子と、
前記第2のトランジスタと前記第2のパッドとを接続する第2の送信信号線と、第2の電源との間に接続され、インピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第2の負荷素子と、
を含み、
前記第1のトランジスタは、前記ノードと前記第1のパッドとの間に挿入され、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、
前記第2のトランジスタは、前記ノードと前記第2のパッドとの間に挿入され、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、
前記第3のトランジスタは、前記ノードと前記第3のパッドとの間に挿入され、オンした場合にインピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有することを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項3において、
前記第3のトランジスタと前記第3のパッドとの間に接続され、インピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有する第3の負荷素子を含み、
前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有することを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項3において、
前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、
前記第3のパッドは、外部でインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスで終端されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項3において、
前記第3のトランジスタと前記第3のパッドとを接続する第3の送信信号線と、第2の電源との間に接続され、インピーダンスZ0と同等のインピーダンスを有する第4の負荷素子を含み、
前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、
前記第3のパッドは、外部でインピーダンスZ0と同等のインピーダンスで終端されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項3において、
前記第3のトランジスタと第2の電源との間に挿入され、インピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有する第5の負荷素子を含み、
前記第3のトランジスタは、オンした場合にインピーダンスZ0/2と同等のインピーダンスを有し、
前記第3のパッドが省略されていることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項2乃至7のいずれかにおいて、
前記第1乃至3のトランジスタのうち少なくとも1つは、n型MOSトランジスタであることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項2乃至8のいずれかにおいて、
前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含み第2のセルは、各パッドに接続される配線及びトランジスタに寄生される負荷がほぼ同等になるように配置され、
前記電流源は、前記第1及び第2のセルに隣接して配置されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項4において、
前記第3の負荷素子は、
前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含む第2のセルとの間の空き領域に配置されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項6において、
前記第4の負荷素子は、
前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含む第2のセルとの間の空き領域に配置されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項7において、
前記第5の負荷素子は、
前記第1のパッドに接続される前記第1のトランジスタを含む第1のセルと、前記第2のパッドに接続される前記第2のトランジスタを含む第2のセルとの間の空き領域に配置されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項1乃至12のいずれかにおいて、
前記第1乃至3のパッドは、
接続されるボンディングワイヤの長さの差がより少なくなる位置に配置されることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項2乃至13のいずれかにおいて、
差動対を構成する第1及び第2の信号線を介して送信される信号は、USB(Universal Serial Bus)規格で規定された信号であることを特徴とする半導体集積装置。 - 請求項1乃至14いずれか記載の半導体集積装置と、
前記半導体集積装置及びバスを介して転送されるデータの出力処理又は取り込み処理又は記憶処理を行う装置と、
を含むことを特徴とする電子機器。
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