JP3651386B2 - 銅線の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶解炉からの溶銅を、例えばベルトキャスター式の連続鋳造機を用い、連続して低酸素の銅線に成形する銅線の製造方法及び製造装置に関し、特に、電子ワイヤ、リードワイヤ、巻線、線状電気部品などの製造に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、低酸素銅線の製造方法には、銅の種線を溶融金属槽に通過させ、種線の外周に溶融金属を付着させて棒状銅材を得、これを圧延して線にする所謂ディップフォーミング法がある。ディップフォーミング法は、溶銅から無酸素銅線を一連の生産ラインで連続製造できる。この種の無酸素銅荒引線設備を用いた製造方法には、この他アップワード法などある。また、低酸素銅線の製造方法には、ビレットの押出し加工による製造方法もある。これらの製造方法は、装置全体を体系的に制御、管理しなければならず、高価な設備を要する。
【0003】
さらに、低酸素銅線の製造方法には、例えば特公昭59−6736号公報、特開昭55−126353号公報に開示されるベルトキャスター方式の連続鋳造機を用いたものがある。ベルトキャスター方式の連続鋳造機は、その主要部が、周回移動する無端ベルトと、この無端ベルトに円周の一部を接触させて回転する鋳造輪とにより構成される。この連続鋳造機は、シャフト炉などの大型の溶解炉と連続され、さらに圧延機と連結されることによって、溶解炉からの溶銅を連続鋳造圧延して銅線を一連の生産ラインで高速に製造することができる。従って、高い生産性を得ることができ、大量生産が可能になることから、銅線の製造コストを低減させることが可能になる。従来、この種のベルトキャスター方式の連続鋳造機では、溶銅の移送過程で還元ガス及び/又は不活性ガスによって還元処理を行うことで、低酸素の溶銅を得、それを鋳造・圧延して低酸素銅線の製造が可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したベルトキャスター方式の連続鋳造機は、溶銅の移送過程を気密に保持し、還元ガス及び/又は不活性ガスでシールして脱酸した溶銅を実際に鋳造すると、鋳造銅材にホールが生成し、鋳造銅材の圧延時に、線表面に傷が発生して表面品質を低下させる問題があった。そのため、ベルトキャスター方式で製造された低酸素銅線は未だ市場に出ておらず、低酸素銅線は主に上記のディップフォーミング法などで製造されているのが現状である。
【0005】
鋳造銅線のホールは、溶銅の凝固時に、溶銅中の水素と酸素との溶解度が減少するために、結合して生成されるH2Oホールに起因する。このH2Oホールが冷却時にトラップされるため、圧延時に傷となる。熱力学的には、溶銅中の水素と酸素の濃度は、次式で表される関係にある。
〔H〕2〔O〕=pH2O・K ………式(A)
ここで、
〔H〕 : 溶銅中の水素濃度
〔O〕 : 溶銅中の酸素濃度
H2O : 雰囲気中の水蒸気分圧
K : 平衡定数
である。
【0006】
平衡定数Kは、温度の関数であり、一定温度下では定数となるため、溶銅中の酸素濃度と水素濃度は反比例の関係となる。そのため、還元によって脱酸するほど水素濃度が高くなり、凝固時にホールが形成され易く、傷の多い、表面品質の悪い低酸素銅線しか製造できなくなる。即ち、脱酸のみでなく、脱水素も行わなければ、凝固時にホールが大量に生成されて、表面品質の良好な低酸素銅線を製造することができない。
【0007】
一方、一般的な脱ガス方法である酸化還元法により、完全燃焼に近い状態で溶解させて水素濃度の低い溶銅を得ることは可能であるが、ベルトキャスター方式では、次いで脱酸を行うために長い移送距離を確保しなければならず、現実的でない。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、長い移送距離を確保せずに、脱水素が行え、凝固時に生成されるホールを抑制して、表面品質の良好な低酸素銅線を得ることのできる、銅線の製造方法及び製造装置を提供すること、を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、溶銅を連続鋳造機に供給し、該連続鋳造機から導出された棒状銅材を低酸素銅線に圧延する銅線の製造方法であって、溶解炉の還元性雰囲気で燃焼を行い溶銅をつくる工程と、該溶解炉から送られた溶銅を保持炉で所定の温度に保持する工程と、該保持炉から送られた溶銅を非酸化雰囲気でシール可能な鋳造樋を用いてタンディシュまで移送しながら、鋳造樋を通過する溶銅を脱水素処理する工程とを具備し、前記脱水素処理する工程は、流路の上側及び下側に設けられた堰により、前記溶銅を少なくとも上下に蛇行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、溶銅を連続鋳造機に供給し、該連続鋳造機から導出された棒状銅材を低酸素銅線に圧延する銅線の製造装置であって、還元性の雰囲気で燃焼を行い溶銅をつくる溶解炉と、該溶解炉から送られた溶銅を所定の温度に保持する保持炉と、該保持炉から送られた溶銅を非酸化雰囲気でシールしてタンディシュまで移送する鋳造樋と、該鋳造樋に設けられ通過する溶銅を脱水素処理する脱ガス手段とを具備するとともに、前記脱ガス手段は、前記溶銅の流路を蛇行させる複数の堰により構成され、これら堰は、少なくとも前記流路の上側及び下側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
こうした銅線の製造方法及び製造装置においては、溶解炉において還元性の雰囲気で燃焼が行われ、溶銅が脱酸される。脱酸された溶銅は、鋳造樋において非酸化雰囲気でシールされてタンディッシュまで移送される。溶解炉において脱酸された溶銅は、酸素濃度と水素濃度とが反比例の関係となることから、水素濃度が高くなる。この水素濃度が高くなった溶銅は、鋳造樋を通過する際に、脱ガス手段によって脱水素処理される。これにより、鋳造時のガスの放出が少なくなり、鋳造銅材に生成されるホールが抑制され、線表面の傷が低減される。
【0013】
この銅線の製造装置では、溶銅を攪拌することで溶銅中の水素を強制的に追い出して、脱水素処理が行える。すなわち、鋳造樋に、溶銅の当たる攪拌手段が設けられているので、タンディッシュへ移送される前の溶銅が攪拌手段に当たって攪拌され、非酸化雰囲気を形成するために吹き込まれた不活性ガスと、溶銅との接触性が良好となる。このとき、溶銅の水素分圧に対し不活性ガス中の水素分圧は極めて小さいため、溶銅中の水素は不活性ガス中に取り込まれ、溶銅の脱水素処理が行えるものである。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の銅線の製造装置であって、前記堰が、前記流路の上側と下側と右側と左側とに設けられ、前記堰により前記溶銅が上下左右に蛇行させられる構成であることを特徴とする。
【0015】
この銅線の製造装置では、鋳造樋を通過する溶銅は流路の上側と下側と右側と左側とに設けられた堰によって蛇行するように流され、激しい流れとなることで攪拌される。すなわち、溶銅自身の流れによって、自動的に攪拌されるようにできる。このように、溶銅は堰によって上下あるいは左右に激しく流れるため、鋳造樋を流れる溶銅は万遍なく不活性ガスを接触する機会があり、脱水素処理の効率がさらに高められる。
この場合、例えば溶銅の流路に設けられる棒状、板状の堰が好適となる。また、この堰は、溶銅の流れ方向に複数、或いは溶銅の流れに直交する方向に複数設けられても良い。更に、この堰を、例えばカーボンによって作成すれば、溶銅とカーボンとの接触によって、脱酸処理も効率よく行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る銅線の製造方法及び製造装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る銅線の製造装置を概略的に示した構成図、図2は図1の鋳造樋を平面視(a)、側面視(b)で示した要部拡大図である。
【0017】
本実施の形態による銅線の製造装置1は、その主要部が、溶解炉Aと、保持炉Bと、鋳造樋Cと、連続鋳造機Dと、圧延機Eと、コイラーFとから大別構成されている。
【0018】
溶解炉Aとしては、円筒形の炉本体を有する、例えばシャフト炉が好適に用いられている。溶解炉Aの下部には、円周方向に複数のバーナー(図示略)が、上下方向に多段状に設けられている。この溶解炉Aでは、還元性の雰囲気で燃焼が行われて、溶銅(湯)がつくられる。還元性の雰囲気は、例えば、天然ガスと空気との混合ガスにおいて、燃料比を高めることで得られる。より具体的には、CO濃度を通常の0.5%から5%とし、酸素濃度を通常の100ppmから10ppmとする。
【0019】
保持炉Bは、溶解炉Aから送られた湯を、所定の温度に保持したまま鋳造樋Cに送るためのものである。
鋳造樋Cは、保持炉Bから送られた湯を非酸化雰囲気でシールしてタンディッシュ5まで移送する。シールは、図2に示すように、鋳造樋Cの溶銅流路(溶銅の流路)31の上面を、カバー8により覆うことでなされる。この非酸化雰囲気は、例えば、窒素と一酸化炭素の混合ガスやアルゴン等の希ガスを不活性ガスとして、鋳造樋C内に吹き込むことで形成される。この鋳造樋Cには、通過する湯を脱水素処理する後述の攪拌手段(脱ガス手段)33が設けられている。
【0020】
タンディッシュ5には、湯の流れ方向終端に注湯ノズル9が設けられており、タンディッシュ5からの湯が連続鋳造機Dへ供給されるようになっている。
【0021】
銅線の製造装置1において、保持炉Bには、鋳造樋Cを介して、ベルトキャスター方式の連続鋳造機Dが連結されている。この連続鋳造機Dは、周回移動する無端ベルト11と、この無端ベルト11に円周の一部を接触させて回転する鋳造輪13とにより構成される。連続鋳造機Dは、さらに圧延機Eと連結されている。
【0022】
圧延機Eは、連続鋳造機Dから出た棒状銅材23を、圧延して銅線25とするものである。この圧延機Eは、探傷器19を介してコイラーFに連結されている。
【0023】
従って、溶解炉Aから保持炉Bへ移送された溶銅(湯)は、昇温度された後、鋳造樋C、タンディッシュ5を経て連続鋳造機Dに供給され、連続鋳造機Dにおいて連続鋳造され、連続鋳造機Dを出たところで棒状銅材23に成形される。この棒状銅材23は、圧延機Eによって圧延されて銅線(低酸素銅線)25となり、探傷器19により傷の有無が検知されながらコイラーFに巻回される。
【0024】
ここで、上記したように、表面品質の良い低酸素銅線を製造するためには、脱酸及び脱水素が重要となる。本実施形態では、図2に示すように、脱水素処理を含む脱ガスの手段として、鋳造樋C中の溶銅流路31に攪拌手段(脱ガス手段)33を設けている。この攪拌手段33は、堰33a、33b、33c、33dから構成されており、湯が激しく攪拌されながら流れるようにしている。
【0025】
堰33aは、溶銅流路31の上側、すなわちカバー8に設けられている。また、堰33bは溶銅流路31の下側に、堰33cは溶銅流路31の左側に、堰33dは溶銅流路31の右側に、各々設けられている。これら堰33a、33b、33c、33dによって、湯は上下左右に蛇行しながら図2中矢印方向に流れることで激しい流れとなって攪拌され、脱ガス処理が行えるものである。なお、図2(b)においては、湯面を符号32として示している。
堰33c、33dは、溶銅流路31の実際の長さに対して湯の流路を長くし、仮に鋳造樋Cが短尺であっても、脱ガス処理の効率を高めるとことができるものである。また、堰33a、33bは、脱ガス処理前後の溶銅と雰囲気ガスとの混合を防止する役目を果たすものである。
なお、この攪拌手段33は、主として脱水素処理の行うためのものであるが、湯が攪拌されることで、湯中に残存している酸素も追い出すことができる。すなわち、脱ガス処理として、脱水素処理と2度目の脱酸処理との両方が行われる。これら堰33a、33b、33c、33dを、例えばカーボンによって作成するようにすれば、溶銅とカーボンとの接触によって、脱酸処理も効率よく行うことができる。
【0026】
ベルトキャスター方式の連続鋳造機Dでは、溶銅の貯蔵と昇温のために上記の保持炉Bを設ける必要があるが、本実施の形態での脱ガス処理は、この保持炉B以降の移送過程において行う必要がある。その理由は、低酸素銅線を得るために保持炉Bでは還元雰囲気の燃焼、若しくは還元剤による脱酸を行うため、上記の平衡式(A)の関係から必然的に水素濃度が上昇するためである。
【0027】
さらに、脱ガス処理を行う位置としては、鋳造直前にあるタンディッシュ5での脱ガス処理も好ましくない。その理由は、タンディッシュ5で湯が激しく攪拌されるような動作、例えばバブリングを行うと、湯面が激しく振動し、注湯ノズル9から出る湯のヘッド圧が変動し、安定した溶銅が連続鋳造機Dへ供給されないためである。一方、湯面が激しく振動しない程度では、脱ガスの効果は期待できない。このことからも、保持炉Bからタンディッシュ5までの移送過程において脱ガス処理を行うのが好ましい。
【0028】
このように構成される銅線の製造装置1では、溶解炉Aにおいて還元性の雰囲気で燃焼が行われ、溶銅が脱酸される。脱酸された溶銅は、鋳造樋Cにおいて非酸化雰囲気でシールされてタンディッシュ5まで移送される。溶解炉Aにおいて脱酸された溶銅は、酸素濃度と水素濃度とが反比例の関係となることから、水素濃度が高くなる。この水素濃度が高くなった溶銅は、鋳造樋Cを通過する際に、攪拌手段33によって脱水素処理される。
【0029】
これにより、溶銅を酸素20ppm以下、水素1ppm以下に調整した後、鋳造・圧延を行うことで鋳造時のガスの放出が少なくなり、鋳造銅材に生成されるホールが抑制され、線表面の傷が低減される。
【0030】
また、平衡式(A)の関係から、水蒸気分圧を下げることで溶銅のガス濃度が低下するため、脱水素処理を施す前の溶銅と脱水素処理後の溶銅を完全に分離することができ、さらなる脱ガス効果を得ることが可能になる。これは、例えば移送過程において、上記のように攪拌手段33を設けることで実現できる。即ち、この攪拌手段33は、脱水素処理前後の雰囲気ガスの混合と、溶銅の混合とを防止する役目も果たすことになる。
【0031】
なお、この攪拌手段33による分離は、一箇所に限ったものではなく、移送過程の長さに応じて適宜設置してもよい。また、全体を通して低酸素銅線に限ったものではなく、適当な添加元素を混合することで低酸素銅合金線を得ることも可能である。
また、攪拌手段33として、堰33a、33b、33c、33dを溶銅流路31の上下左右に各々設けるようにしたが、鋳造樋Cの長さや幅等によってこれら堰の個数や配置を適宜変更しても、差し支えない。
【0032】
また、こうした銅線の製造装置1を用いた製造方法により製造された低酸素銅線は、ガス放出特性にも優れたものとなっている。図3に、本実施形態に係る製造方法により製造された低酸素銅線のガス放出特性(曲線a)と、従来のディップフォーミング法により製造された低酸素銅線とのガス放出特性(曲線b)と、を各々示す。この図において、横軸は、試験開始からの経過時間(秒)を、縦軸は、放出されたガスの量を、各々示している。
この図に示すように、本実施形態に係る製造方法により製造された低酸素銅線の放出ガス量は、ディップフォーミング法で製造された低酸素銅線の放出ガス量に比べて極めて少ないことがわかる。
【0033】
放出されるガスの量が多い低酸素銅線あるいは低酸素銅合金線が、高真空あるいは高温といった条件下で使用された場合には、表面にふくれが発生して表面品質を低下させたり、外部に放出して雰囲気を汚染させるおそれがある。
本実施形態に係る製造方法により製造された低酸素銅線は、放出ガス量が非常に少なくなっているので、例えば高真空となる粒子加速器、高温となる電子レンジ、等に用いて好適である。
【0034】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る銅線の製造装置及び製造方法によれば、溶解炉において還元性の雰囲気で燃焼が行われ、溶解炉から保持炉を経てタンディッシュまで移送される溶銅が鋳造樋において非酸化雰囲気でシールされ、さらに、この鋳造樋を通過する溶銅が脱ガス手段によって脱水素処理されるので、還元によって脱酸するほど高くなる水素濃度を低くすることができ、凝固時にホールが形成され難くなり、ホールの生成を抑制して、線表面の傷を低減するとともに、放出ガス特性に優れた銅線を得ることができる。
【0035】
また、脱ガス手段を、溶銅を攪拌する攪拌手段とすれば、短時間で強制的に脱水素処理が行えるので、簡易な構成で効率よく脱水素処理を行うことができる。
【0036】
更に、攪拌手段を、通過する溶銅の流路を蛇行させる堰により構成すれば、溶銅自身の流れによって自動的に攪拌されるので、特別にアクチュエータ等を用いなくてよく、より簡易な構成で効率よく脱水素処理を行うことができるとともに、銅線の製造装置の運転管理も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る銅線の製造装置を概略的に示した構成図である。
【図2】 図1の鋳造樋を平面視(a)、側面視(b)で示した要部拡大図である。
【図3】 本実施形態に係る製造方法により製造された低酸素銅線と、従来のディップフォーミング法により製造された低酸素銅線とのガス放出特性を比較するグラフ図である。
【符号の説明】
1 銅線の製造装置
5 タンディッシュ
23 棒状銅材
25 銅線(低酸素銅線)
31 溶銅流路(溶銅の流路)
33 攪拌手段(脱ガス手段)
33a、33b、33c、33d 堰
A 溶解炉
B 保持炉
C 鋳造樋
D 連続鋳造機

Claims (3)

  1. 溶銅を連続鋳造機に供給し、該連続鋳造機から導出された棒状銅材を低酸素銅線に圧延する銅線の製造方法であって、溶解炉の還元性雰囲気で燃焼を行い溶銅をつくる工程と、該溶解炉から送られた溶銅を保持炉で所定の温度に保持する工程と、該保持炉から送られた溶銅を非酸化雰囲気でシール可能な鋳造樋を用いてタンディシュまで移送しながら、鋳造樋を通過する溶銅を脱水素処理する工程とを具備し、前記脱水素処理する工程は、流路の上側及び下側に設けられた堰により、前記溶銅を少なくとも上下に蛇行させることを特徴とする銅線の製造方法。
  2. 溶銅を連続鋳造機に供給し、該連続鋳造機から導出された棒状銅材を低酸素銅線に圧延する銅線の製造装置であって、還元性の雰囲気で燃焼を行い溶銅をつくる溶解炉と、該溶解炉から送られた溶銅を所定の温度に保持する保持炉と、該保持炉から送られた溶銅を非酸化雰囲気でシールしてタンディシュまで移送する鋳造樋と、該鋳造樋に設けられ通過する溶銅を脱水素処理する脱ガス手段と、を具備するとともに、前記脱ガス手段は、前記溶銅の流路を蛇行させる複数の堰により構成され、これら堰は、少なくとも前記流路の上側及び下側に設けられていることを特徴とする銅線の製造装置。
  3. 前記堰が、前記流路の上側と下側と右側と左側とに設けられ、前記堰により前記溶銅が上下左右に蛇行させられる構成であることを特徴とする請求項2記載の銅線の製造装置。
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