JP3650790B2 - 鋼板コイルの巻き戻し装置 - Google Patents

鋼板コイルの巻き戻し装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コイル状に巻き取られた鋼板の少なくとも一部分を平らな状態に巻き戻す鋼板コイルの巻き戻し装置に関し、特に、鋼板コイルの表面の状態を検査する表面検査設備に好適な構造としたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の表面検査設備に用いられていた鋼板コイルの巻き戻し装置は、概ね図9に示すような構成であった。即ち、この巻き戻し装置は、巻き戻される鋼板コイル1が挿入されて回転駆動可能なリール2と、このリール2に同期して回転駆動可能なピンチロール3と、このピンチロール3に連続して配設されたレベラロール4と、複数の従動式のテーブルローラ5及びエプロン6を交互に配設してなる展開テーブル7とから構成されている。
【0003】
そして、巻き戻される鋼板コイル1をリール2に挿入し、そのリール2を回転させることにより鋼板コイル1の端部を巻き戻してピンチロール3に噛み込ませ、その後は、ピンチロール3をリールに同期させて同じ方向に回転させ、鋼板Sをレベラロール4を通過させることにより矯正して平坦に戻し、さらに鋼板コイル1を巻き戻して鋼板Sを展開テーブル7のテーブルローラ5上を進行させて、展開テーブル7上に鋼板Sを検査に必要な長さ(例えば30m程度)だけ水平に展開するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の鋼板コイルの巻き戻し装置にあっては、リール2及びピンチロール3を回転駆動させることにより鋼板Sを後ろから押すようにして展開テーブル7上に展開させる構成であったため、側面図である図10及び斜視図である図11に示すように、鋼板Sの端部がテーブルローラ5とエプロン6との間に突っ掛かり鋼板Sの進行が妨げられてしまうことが度々発生していた。このため、鋼板Sの突っ掛かりが発生した時点で巻き戻しを一旦停止し、突っ掛かりを解消してから再び巻き戻しを行わなければならず、表面検査の準備に長時間を要してしまうことがあった。このような問題点は、特に、板厚の薄い鋼板や板幅の広い鋼板のように端部が垂れ下がり易い鋼板、並びに端部形状がテーブルローラ5及びエプロン6間に突っ掛かり易い形状の鋼板等を展開する場合に比較的多く発生していた。
【0005】
そして、かかる問題点については、テーブルローラ5を送り方向に回転駆動させて対処していたが、これでも特に板厚の薄い鋼板を展開する場合には度々突っ掛かりが発生しており、十分な解決策とはなっていなかった。しかも、展開テーブル7が30m程度もあると30本程度のテーブルローラ5を設けているため、全てのテーブルローラ5を駆動する構造では、設備費用,配設スペース,メンテナンス等の面で非常に不利である。また、ピンチロール3と同様の駆動ロールを展開テーブル7の中途の複数位置に設け、多数のピンチロール3により鋼板Sを送るようにすれば、突っ掛かりを防止しつつ鋼板Sを水平に展開することはできるが、これでは、鋼板Sの上面側の所々がピンチロール3によって隠されてしまうため、特に表面検査設備に適用した場合に鋼板Sの表面検査の邪魔となってしまうという不具合がある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術が有する未解決の課題に着目してなされたものであって、鋼板Sの突っ掛かりを確実に防止でき、しかも大幅なコストアップ等の不利益を招くことがない鋼板コイルの巻き戻し装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、コイル状に巻き取られた鋼板の少なくとも一部分を平らな状態に巻き戻す鋼板コイルの巻き戻し装置において、前記鋼板の端部を挟み込んで前記鋼板の巻き戻し方向に引っ張る鋼板展開用クランプ装置を備え、この鋼板展開用クランプ装置は、前記鋼板の端部の幅方向全体を下面側から支えるガイドプレートを有する。即ち、鋼板展開用クランプ装置が鋼板の端部を引っ張るため、鋼板の端部が突っ掛かるようなことが発生し難くなる。また、ガイドプレートが鋼板の端部下面側の幅方向全体を支えるため、板幅の広い鋼板であってもその側縁部が垂れ下がるようなことが防止される。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明である鋼板コイルの巻き戻し装置において、前記鋼板展開用クランプ装置は、前記鋼板の巻き戻し速度よりも速い速度で前記鋼板の端部を引っ張るようにした。この場合、望ましくは、鋼板の引っ張り速度を鋼板の巻き戻し速度よりも数%(例えば、5%)程度速い速度とする。すると、鋼板は確実に平坦に展開されるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図7は本発明の一実施の形態を示す図であって、これは本発明に係る鋼板コイルの巻き戻し装置を表面検査設備に適用した場合の実施の形態を示している。なお、図9に示した従来の巻き戻し装置と同様の構成には、同じ符号を付しその重複する説明は省略する。
【0011】
先ず、構成を説明すると、表面検査設備における鋼板コイルの巻き戻し装置の概略構成の平面図である図1及び側面図である図2に示すように、鋼板Sの展開テーブル7は、最もレベラロール4側に配設されその展開テーブル7の幅方向全体に渡る従来と同様のテーブルローラ5と、そのテーブルローラ5の鋼板Sの巻き戻し方向の下流側(図1左側)に所定間隔をあけて配設され且つ左右に分断された複数の短いテーブルローラ8と、から構成されている。左右に分断されたテーブルローラ8の間に、展開テーブル7の長手方向に延びる溝9が形成されていて、溝9はテーブルローラ5に近接した位置から展開テーブル7の端部にまで至っている。
【0012】
そして、左右のテーブルローラ8間には、溝9に沿って長手方向に往復走行可能な鋼板展開用クランプ装置としてのクランパ10が配設されていて、巻き戻される鋼板Sの端部をこのクランパ10で挟み込んで巻き戻し方向に引っ張るようにしている。
具体的には、溝9の前端部及び後端部には、一対のスプロケットホイール11A,11Bが配設され、溝9の裏側には、前後方向(図1の左右方向)に離隔した一対の固定ホイール12a,12b及び上下動可能な可動ホイール12cからなるチェーン緊張装置12が配設され、それらスプロケットホイール11A,11B及びチェーン緊張装置12にチェーン13が掛け渡されていて、そのチェーン13の一端部がクランパ10の前面側に固定され、そのチェーン13の他端部がクランパ10の背面側に固定されている。つまり、スプロケットホイール11A(又は11B)を正転方向又は逆転方向に回転駆動させればチェーン13が往復循環するから、これに固定されたクランパ10が溝9に沿って往復移動するようになる。なお、ここでは、クランパ10がスプロケットホイール11A側からスプロケットホイール11B側に走行する方向を行き方向、クランパ10がスプロケットホイール11B側からスプロケットホイール11A側に走行する方向を帰り方向とし、クランパ10が行き方向に移動する場合のスプロケットホイール11A,11Bの回転方向を正転方向、クランパ10が帰り方向に移動する場合のスプロケットホイール11A,11Bの回転方向を逆転方向とする。
【0013】
クランパ10の詳細な構成例を図3〜図5に示す。なお、図3は一部破断側面図、図4は平面図、図5は図4のV−V線断面図である。
即ち、これら図3〜図5に詳細に示すように、クランパ10は、左右の側板20a,20b及び前後の端板20c及び20dを組み立ててなる上面及び下面が開放された略箱型のハウジング20を本体としていて、そのハウジング20の前側の端板20c外面にチェーン13の一端部が固定され、後側の端板20d外面にチェーン13の他端部が固定されている。
【0014】
また、ハウジング20の左右の側板20a,20b外面のそれぞれの前後に離隔した二位置の計四位置には、回転自在な車輪21がその回転軸を左右方向(溝9の幅方向)に向けて固定されるとともに、同じく側板20a,20b外面の各車輪21固定位置よりもハウジング20端部寄りには、車輪21の車軸端面よりも外側に張り出すように回転自在なガイドロール22がその回転軸を上下方向に向けて固定されている。
【0015】
そして、特に図5に示すように、溝9の上方には、テーブルローラ8の内側の軸受ユニット8Aのさらに内側に位置してその溝9の長手方向に延びるように、横断面略コ字形状の一対のレール部材23が、各車輪21を上下方向から余裕を持って挟み込むように配設されている。つまり、このクランパ10は、その車輪21がレール部材23の内底面上を転がりつつ溝9の長手方向に走行するようになっている。また、クランパ10の軌道が左右方向にずれた場合でも、左右両側に突出するように設けられたガイドロール22がレール部材23の内側面上を転がるから、クランパ10の安定した走行が確保されるようになっている。なお、レール部材23の内側の面には、車輪21やガイドロール22の衝突時の衝撃を緩和するために、レール部材23の長手方向に長い例えばゴム状弾性体からなる緩衝シート23aが張り付けてある。
【0016】
一方、側板20a,20bのそれぞれの端板20d寄り位置の上部には、立ち上がり部20eが形成されていて、それら両立ち上がり部20eの端板20c側の垂直に切り立った端面20fには、ハウジング20の左右方向に延びて略展開テーブル7の幅方向全体に渡る板状部材25が、その幅方向を上下に向けた状態で例えば溶接等により固定されている。
【0017】
そして、板状部材25の端板20c側を向く垂直面には、板状部材25と同様に左右方向に延びて略展開テーブル7の幅方向全体に渡る下側のガイドプレート26が、水平状態に固定されている。なお、ガイドプレート26の端板20c寄りの縁部26aは、若干下方に向けて傾斜している。
また、板状部材25の上端面には、ハウジング20と略同等の幅で端板20c側に延びる上側のガイドプレート27が固定されている。なお、ガイドプレート27の端板27d側端部下面には板状部材25と平行に補助板27Aが溶接等により固定され、その補助板27Aが側板20a及び20b間に差し込まれるとともに板状部材25にボルト等により固定されていて、これにより、ガイドプレート27をハウジング20に強固に固定できるようになっている。
【0018】
そして、ガイドプレート27の縁部27aは若干上方に向けて傾斜していて、両ガイドプレート26及び27の縁部26a及び27aによって、端板20c側から入り込む鋼板Sの端部を案内してそれら両ガイドプレート26及び27間に誘い込む案内口28が形成されている。
なお、クランパ10が最もテーブルローラ5側に位置したときに、下側のガイドプレート26のさらに端板20c寄りに位置するように、そのガイドプレート26と同様に左右方向に延びて略展開テーブル7の幅方向全体に渡るエプロン6が展開テーブル7上に固定されている。
【0019】
また、両ガイドプレート26及び27間の隙間は、展開する鋼板Sの厚さよりも広くする必要がある。よって、薄板や厚板等の各種の鋼板Sが運び込まれる表面検査設備に適用する場合には、両ガイドプレート26及び27間の隙間は、最も厚い鋼板Sの板厚に基づいて設定する必要がある。
一方、ハウジング20内の前後方向略中央部には、左右方向で所定距離隔てて対向するように一対の平板状のブラケット30a,30bが固定されていて、それらブラケット30a及び30b間に、偏心カム31がその回転軸31aを左右方向に向けて取り付けられている。かかる偏心カム31は、これが回転してその回転軸31aを中心にして径方向外側に大きく張り出した側が上方を向いたときに、その上端部が上側のガイドプレート27の下面直下に届くような寸法となっている。なお、下側のガイドプレート26の偏心カム31の真上の部分には、偏心カム31の上方への突出を許容する開口部26Aが形成されている。また、偏心カム31の径方向外側に大きく張り出した側の表面には、その表面が上方を向いたときに鋭利な部分が鋼板Sに噛み込むように加工された多数の突条からなる滑り止め31Aが形成されるとともに、偏心カム31の滑り止め31Aが形成された側とは逆側の表面の軸方向中心部には、ブラケット31Bが突出するように一体に形成されている。
【0020】
そして、ハウジング20内の端板20c寄りの位置には、ハウジング20の幅方向を向き且つ左右に分割されたシャフト33a,33bが固定されていて、このシャフト33a,33bには、箱体34が回転自在に取り付けられ、かかる箱体34を、入れ子式の伸縮自在な伸縮棒35の先端側が貫通固定されている。この伸縮棒35の後端側は、偏心カム31のブラケット31Bをその厚さ方向に貫通するシャフト31bに回転自在に連結されていて、この伸縮棒35には、これを延ばす方向である図3の矢印B方向に常時付勢するコイルスプリング36が外嵌している。
【0021】
なお、伸縮棒35の滑らかに形成された後端面は、ブラケット30aの略円弧状の外面に接触するようになっていて、これにより、コイルスプリング36の付勢力により伸縮棒35が延びると、ブラケット31Bは、図3に矢印Cで示すように後下側に回り込むように変位するようになっている。
また、ブラケット31Bを挟んで伸縮棒35が取り付けられた側とは逆側のシャフト31bには、略く字形状のレバー38の上端部が回転自在に取り付けられている。ただし、レバー38の上端部には、その長手方向を向く長孔が貫通形成されていて、かかる長孔をシャフト31bが貫通している。つまり、シャフト31b及びレバー38は、長孔の範囲内でレバー38の長手方向に相対変位できるようになっている。
【0022】
レバー38の屈曲部は、その凸側が端板20c側を向いていて、かかる屈曲部を、側板20a及び20b間にハウジング20の幅方向を向いて固定されたシャフト38aが貫通している。これにより、レバー38は、シャフト38aを支点として回転自在となっている。また、レバー38の下端部には、回転軸が溝9の幅方向を向いた車輪38bが取り付けられていて、レバー38の寸法は、その下端部の車輪38bが、溝9の底面の若干上方に位置する程度となっている。
【0023】
さらに、溝9の底面上には、クランパ10が最もテーブルローラ5側に位置したときに、図3に示すようにレバー38の下端部が乗り上げることができる厚板9Aが固定されている。なお、厚板9Aの図3左側端部には、レバー38の車輪38bの転がりを助けてレバー38の乗り上げをスムーズにするための斜面9aが形成されている。
【0024】
なお、クランパ10が移動しても、ハウジング20から左右に大きく張り出したガイドプレート26とテーブルローラ8とが衝突しないよう、図5に示すように、最もテーブルローラ5側に位置するテーブルローラ8以外の複数のテーブルローラ8とガイドプレート26との間に、隙間αが形成されるように、例えば各テーブルローラ8の軸の位置を若干下方にずらしている。
【0025】
次に、この鋼板コイルの巻き戻し装置の動作を説明する。
即ち、リール2に取り付けられた鋼板コイル1を巻き戻していない状態では、スプロケット11Aを駆動させて、クランパ10を最もテーブルローラ5側に位置させる。つまり、巻き戻し開始時には、クランパ10を図3に示すような状態としておく。かかる状態では、レバー38の下端部が厚板9に乗り上げているから、レバー38の上端部はコイルスプリング36の付勢力に抗しつつ前上側に位置し、これに伴って偏心カム31はガイドプレート26の下方に収容され、両ガイドプレート26及び27間には隙間が形成されている。
【0026】
そして、鋼板コイル1の巻き戻しが開始されると、リール2が回転駆動して鋼板コイル1の端部がピンチロール3側に出ていき、その端部がピンチロール3に噛み込む。鋼板Sの端部がピンチロール3に噛み込んだ後は、ピンチロール3がリール2に同期して同じ方向に回転して、さらに鋼板Sはレベラロール4に送り込まれ、鋼板Sはこのレベラロール4を通過することにより矯正されて略平坦な状態に戻される。
【0027】
レベラロール4を通過した鋼板Sは、さらに進行してテーブルローラ5上を通過し、最初のテーブルローラ8及びエプロン6に案内されて、その端部が案内口28内に入り込む。そして、鋼板Sは、リール2及びピンチロール3の回転駆動によりさらに送り込まれるが、その端部が板状部材25に当接した時点若しくは当接する直前で鋼板コイル1の巻き戻しは一旦停止する。なお、鋼板コイル1がリール2から巻き戻されてその端部がピンチロール3に噛み込むまでの間は、リール2の回転速度を調節する速度制御が実行されるが、鋼板Sの端部がピンチロール3に噛み込んだ後は、リール2及びピンチロール3に対しては電流制御が実行されるとともに、リール2はピンチロール3に対して若干ブレーキが掛かるように回転させる。
【0028】
また、鋼板コイル1の巻き戻しを一旦停止するタイミング、つまり鋼板Sの端部が板状部材25に当接した時点若しくは当接する直前であることの検知は、鋼板Sがピンチロール3に噛み込んだ直後からのそのピンチロール3の回転数をパルスジェネレータを利用して計数し、その計数値及びピンチロール3の円周から鋼板Sの移動距離を求めることにより容易に行える。
【0029】
鋼板コイル1の巻き戻しを一旦停止した後には、再びピンチロール3を回転駆動させて鋼板コイル1の巻き戻しを再開させるが、かかるピンチロール3の回転駆動開始と同時に、スプロケット11Aを正転方向に回転駆動させて、クランパ10を行き方向に移動させる。
クランパ10が図3の位置から行き方向(左方向)に移動すると、レバー38の下端部も車輪38bの転がりを伴って同方向に移動して斜面9aを下り、厚板9Aに乗り上げていた状態が解消されるから、レバー38の下端側は、図3に矢印A方向に回転可能となる。
【0030】
すると、コイルスプリング36による矢印B方向の付勢力によって、偏心カム31のブラケット31bが矢印C方向に回転する。なお、伸縮棒35の先端側はシャフト33a,33bを中心に回転可能であり、伸縮棒35の後端面はブラケット30aの外面に沿って滑らかに移動可能であり、しかもレバー38上端部のシャフト31bが貫通する孔が長孔となっているから、ブラケット31bの矢印C方向への回転は問題なく行われる。
【0031】
そして、ブラケット31bが回転すれば、偏心カム31も同じ方向に回転するから、滑り止め31Aが形成された部分が矢印D方向に回転し、開口部26Aを通過して、滑り止め31Aが鋼板Sの下面に当接するが、滑り止め31Aは上側のガイドプレート27の下面直下に到達する寸法となっているので、滑り止め31Aはコイルスプリング36の付勢力によりさらに上昇しようとする。よって、鋼板Sは、偏心カム31及びガイドプレート27下面間に強固に挟み込まれることになる。このときの状態を概略図示すると、図6のようになる。
【0032】
なお、クランパ10の行き方向の移動速度で決まる鋼板Sの引っ張り速度は、ピンチロール3の回転速度で決まる鋼板Sの巻き戻し速度よりも、5%程度速い速度とし、これにより、ピンチロール3及びクランパ10間の鋼板Sが、確実に水平に展開されるようにする。また、このような速度差によって鋼板Sがクランパ10から抜けようとしても、滑り止め31Aの鋭利な部分が鋼板Sに食い込むから、引っ張っている途中で鋼板Sがクランパ10から脱落してしまうようなことは防止される。
【0033】
ここで、上記のような速度差を与えると、滑り止め31Aが鋼板Sに十分に食い込む前に、鋼板Sがクランパ10から抜けてしまうことが懸念されるので、レバー38の下端部が厚板9A上から完全に外れるまでの間は、クランパ10による鋼板Sの引っ張り速度と、ピンチロール3による鋼板Sの巻き戻し速度は同じにすることが望ましく、これは、スプロケット11Aを回転駆動させる電動モータとピンチロール3駆動用の電動モータとの立ち上がり特が略同じ電動モータを適用すれば容易に達成される。なお、仮に両方の電動モータの立ち上がり特性に差があり、最初からクランパ10による鋼板Sの引っ張り速度の方が速かったとしても、板状部材25と偏心カム31との間の距離を十分確保しておけば、鋼板Sがクランプ10から完全に抜ける前に滑り止め31Aが鋼板Sに食い込むようになるから、特に問題はない。
【0034】
そして、クランプ10が鋼板Sの端部を引っ張りつつ鋼板Sが展開テーブル7上に平坦に展開されるから、図10や図11に示したように、鋼板Sの端部が突っ掛かってしまうようなことはない。特に、この実施の形態では、両ガイドプレート26及び27間に鋼板Sが入り込んだ状態では、下側のガイドプレート26が鋼板S端部の幅方向全体を下面側から支えることになるから、鋼板Sが薄板であってもその端部の角部分等が垂れ下がることもない。よって、鋼板Sの端部が突っ掛かってしまうことを確実に防止できる。
【0035】
このため、鋼板Sを展開するという表面検査の準備を確実に所定時間内に行うことができるし、鋼板コイル1の巻き戻し設備を自動化することを考えた場合、突っ掛かりが皆無となればその異常を検出する設備も不要となる利点がある。また、テーブルローラを送り方向に回転駆動させる従来の解決策と比較しても、新たな駆動系は一つであるから、設備費用,配設スペース,メンテナンス等の面で非常に有利である。
【0036】
クランパ10によ引っ張りつつ鋼板Sを展開テーブル7全体に例えば30m程度広げたら、スプロケット11A及びピンチロール3の回転駆動を停止し、鋼板Sの表面の凹凸の有無等の性状を目視或いは自動検査装置により検査することになるが、特にピンチロール3と同様の駆動ロールを展開テーブル7の中途の複数位置に設けている構造ではないから、この実施の形態は鋼板Sの表面検査を実施する上でも有利である。
【0037】
展開された鋼板Sの表面検査が終了したら、スプロケット11Aを逆転方向に回転駆動させてクランパ10を戻り方向に移動させるとともに、リール2及びピンチロール3を巻き戻し方向に回転駆動させる。なお、この巻き戻し時には、スプロケット11Aの回転駆動によるクランパ10の移動速度を、ピンチロール3による鋼板Sの巻き戻し速度よりも5%程度遅くすることにより、鋼板Sにテンションが掛かった状態で鋼板コイル1を巻き取るようにする。
【0038】
そして、レバー38の下端部が厚板9Aにまで至ると、その斜面9aを車輪38bが転がりつつレバー38の下端部が厚板9A上に乗り上げるから、レバー38がコイルスプリング36の付勢力に抗しつつ回転してその上端部が前上側に移動し、同時に偏心カム31が回転してその滑り止め31Aが形成された部分が鋼板Sから外れ、偏心カム31はガイドプレート26の下方に収容される。この時点で、スプロケット11Aの回転駆動は停止され、クランパ10は停止状態となる。このときの状態を概略図示すると、図7のようになる。
【0039】
すると、鋼板Sは抜け方向に自由となるから、さらにピンチロール3及びリール2が巻き取り方向に回転すれば、クランパ10から鋼板Sが抜けて、鋼板コイル1の巻き取りが完了する。
このように、本実施の形態の構造であれば、巻き戻し開始直後にクランパ10が自動的に鋼板Sの端部を挟み込み、巻き取り完了直前にクランパ10が自動的に鋼板Sの挟み込みを解除するようになっている。よって、作業者の手間が増えてしまうようなこともない。
【0040】
図8は、本発明の他の実施の形態を示す図であって、図3と同様にクランパ10の一部破断側面図である。
即ち、この実施の形態では、図3の例では偏心カム31の表面に設けていた 滑り止め31Aに代えて、その偏心カム31が上方を向いたときに対向するガイドプレート27の裏面に、滑り止め31Aと同様に鋼板Sの表面に食い込むことが可能な滑り止め27Bを形成している。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。
【0041】
このような構成であっても、偏心カム31が回転してその径方向外側に大きく張り出した部分が上方を向いて鋼板Sの下面に当接すれば、鋼板Sが抜けようとしても滑り止め27Bの鋭利な部分が鋼板Sに食い込むから、図3に示した実施の形態の場合と同様の作用効果が得られる。
なお、上述した各実施の形態では、本発明に係る鋼板コイルの巻き戻し装置を表面検査設備に用いた場合を説明しており、本発明の適用対象としては上述したような種々の有利な点から表面検査設備が特に好適であるが、それ以外の設備にも本発明は適用可能である。
【0042】
また、鋼板Sの端部を挟み込む機構は上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば電磁石等を利用して端部を挟み込んで保持するような構造であってもよい。しかし、設備費や信頼性の面からすれば、上述した実施の形態のように、偏心カム31,レバー38,コイルスプリング36等からなる機械的なリンク機構により実現することが好ましい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋼板の端部を挟み込んで鋼板の巻き戻し方向に引っ張る鋼板展開用クランプ装置に、鋼板の端部の幅方向全体を下面側から支えるガイドプレートを設けたため、ガイドプレートが鋼板の端部下面側の幅方向全体を支えることができ、板幅の広い鋼板であってもその側縁部が垂れ下がるようなことが防止されるから、鋼板の端部が突っ掛かるようなことを確実に防止することができるという効果がある。
【0044】
また、請求項に係る発明によれば、鋼板を確実に平坦に展開することができ、表面検査設備等に利用した場合に非常に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す全体側面図である。
【図3】クランパの一部破断側面図である。
【図4】クランパの平面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】実施の形態における動作を説明する概略構成図である。
【図7】実施の形態における動作を説明する概略構成図である。
【図8】本発明の他の実施の形態におけるクランパの一部破断側面図である。
【図9】従来の技術を説明する側面図である。
【図10】従来の問題点を説明する側面図である。
【図11】従来の問題点を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 鋼板コイル
2 リール
3 ピンチロール
4 レベラロール
5,8 テーブルローラ
6 エプロン
7 展開テーブル
9 溝
10 クランパ(鋼板展開用クランプ装置)
11A,11B スプロケット
12 チェーン緊張装置
13 チェーン
20 ハウジング
26 ガイドプレート
S 鋼板

Claims (2)

  1. コイル状に巻き取られた鋼板の少なくとも一部分を平らな状態に巻き戻す鋼板コイルの巻き戻し装置において、前記鋼板の端部を挟み込んで前記鋼板の巻き戻し方向に引っ張る鋼板展開用クランプ装置を備え、この鋼板展開用クランプ装置は、前記鋼板の端部の幅方向全体を下面側から支えるガイドプレートを有することを特徴とする鋼板コイルの巻き戻し装置。
  2. 前記鋼板展開用クランプ装置は、前記鋼板の巻き戻し速度よりも速い速度で前記鋼板の端部を引っ張る請求項1に記載の鋼板コイルの巻き戻し装置。
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