JP3648104B2 - 洗浄方法及び装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、鉄道車輌、船舶、建築物の外壁、ガラス等の各種物品の表面を水噴射だけで洗浄すると共に、被膜形成する様にした洗浄方法及び装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自動車、鉄道車輌、船舶、建築物の外壁、ガラス等の各種物品の表面は、降雨、埃等の付着で汚濁されるために、定期的な洗浄が必要であった。
例えば、自動車等を洗車する時は、一般的に洗剤を併用して洗車した後に、ワックス掛けを行っていたために、手間、コストが必要であると共に、洗剤等による環境汚染も発生していた。
又、最近では特殊配合ポリマーによる被膜形成も一部で行われる様になって来たが、コスト高の欠点を有していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、省力化、低コスト化を図ると共に、洗剤、ワックス等の薬剤類を不要にする様にした洗浄方法を提供する。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術に基づく、洗浄は手間、コストが掛かる課題、及び薬剤使用で環境が汚染される課題に鑑み、粒状セラミックを充填した水活性タンクを通水させたホウ酸シリカ含有活性洗浄水を被洗浄物の表面に噴出し、表面洗浄すると共に被膜を形成する様にした洗浄方法において、前記セラミックは、ゼオライト、バクハン石を混合焼結形成した担体の表面にトルマリン含有被膜を焼結形成することによって、トルマリン含有被膜から溶出したホウ酸シリカが源水に含有されると共に、トルマリンの作用で、ホウ酸シリカは帯電し、且つ源水は電気分解、水改質されて活性水となり、洗浄力が向上すると共に、含有ホウ酸シリカを電着作用で被洗浄物の表面に付着させる。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の洗浄装置１は、基体ケース２内に水活性タンク３と高圧水の送水装置４が内装されている。
【０００６】
水活性タンク３は上部に着脱自在な蓋体５を有し、水活性タンク３内に多数の数ｍｍ大の球状（粒状）のセラミック６、6a…が充填されたカートリッジ７を交換自在に装着している。
そして、水活性タンク３の下部に送水圧が付加された水道水の給水パイプ8aが直結される給水口８を設け、水活性タンク３の上部と送水装置４は連結パイプ９で連通させている。
尚、水活性タンク３の供給側及び排水側に夫々設けた給水口８と連結パイプ９の口径は、排水下流側の連結パイプ９のものを小径と成している。
又、送水装置４の高圧水の送出口10に高圧ホース11、ガン12、ノズル13を順次、接続する様にしている。
【０００７】
尚、水活性タンク３には外部へ活性水を取出す吐出口14を設け、更に、基体ケース２に車輪15、取手16、脚体17、スイッチ、及び電源プラグ等を付設すると共に、上面に載置部を設けている。
【０００８】
次に本発明に係る洗浄方法について説明する。
多数の粒状のセラミック６、6a…を収納した通水自在なカートリッジ７が装着されている水活性タンク３の給水口８に水道水の給水パイプ8aを接続し、送水装置４の活性洗浄水の送出口10に高圧ホース11、ガン12及びノズル13を順次接続し、送水装置４を作動させる。
【０００９】
洗浄装置１の作動開始により、給水口８から送水された源水（水道水）は水活性タンク３の通過時に、セラミック６、6a…のトルマリン含有被膜から溶出したホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…（低温ガラス）が源水に含有されると共に、トルマリンの作用で、ホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…は帯電し、且つ源水は電気分解、水改質されて活性水となり、水活性タンク３から連結パイプ９を経由して送水装置４に送水される。
【００１０】
送水装置４に流入したホウ酸シリカ含有活性水は高圧ホース11、ガン12等を経由してノズル13から被洗浄物（各種物品）の表面Ｗに洗浄高圧水として噴出され、被洗浄物の表面Ｗに付着した汚れを活性洗浄水が洗浄すると共に、洗浄水に含有されているホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…は、電荷により表面Ｗに付着し、且つ表面Ｗの微細な凹凸に入り込み、表面Ｗにガラス質の薄い被膜Ｍ１を形成する。
【００１１】
次に、上述の基本的な洗浄方法における詳細な作用を説明する。
先ず、源水が流入する水活性タンク３内に収納した多数の粒状のセラミック６、6a…、20、20a …は２種類のものが収納される。
【００１２】
１種類目のセラミック６、6a…の成分はゼオライト、バクハン石及びトルマリンを混合焼結形成したもの、又はゼオライト、バクハン石を混合焼結形成した担体の表面にトルマリン含有被膜を焼結形成したものであり、このセラミック６、6a…は低温ガラスであるホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…を含有していることにより、水活性タンク３内で流通する源水に微量溶出し、源水に混入する。
【００１３】
尚、セラミック６、6a…の表面に固着され被膜を形成するトルマリンは、ホウ素を含む珪酸塩鉱物の一種であり、加圧（圧力変化）したり、衝撃を加えること等により、表面に電荷（圧電気、電位等）を生じる性質を有している。
又、トルマリンは、水中において、含有するホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…を容易に溶出し、ホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…を溶出することによっても電荷を生じる。
従って、トルマリンが電荷を発生することにより、源水に混入しているホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…の表面に電荷が帯電し、ホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…は所謂荷電粒子状態になり、電着作用が具備されるものと思われる。
又、トルマリンが発生する電荷により、セラミック６、6a…の周囲を通過する水の電気分解が発生し、水が改質されて、活性化するものと思われる。
【００１４】
又、２種類目のセラミック20、20a …の成分はマグネシアを焼結形成したものであり、このセラミック20、20a …は含有するミネラルを溶出することにより、水質をアルカリ性化する作用を有している。
又、トルマリンを主成分とするセラミック６、6a…と同様に水活性作用を有しており、軟磁性体、誘電体であることにより、セラミック20、20a …の周囲を通過する水との接触作用により、次の様な作用で源水が活性化されると思われる。
例えば、セラミック20、20a …と水の接触により静電気が発生すると共に電位が変化し、発生した微弱電流により水の電気分解が発生したり、発生した磁力線により水が改質されて、水が活性化するものと思われる。
【００１５】
上記２種類のセラミック６、6a…、20、20a …による水改質の作用例としては、磁気水、磁化水、構造変化水と呼ばれるものであり、例えば、磁気作用で水分子のイオン結合、水素結合等の水構造に作用して、クラスター（水分子Ｈ₂Ｏの結合体）が小さくなって、水構造が疎となり、活性化するものと思われ、疎の水構造が被洗浄物の表面Ｗに付着した汚れを水構造内に包含し洗浄作用が増大する。
【００１６】
又、水活性化はセラミック６、6a…（セラミック20、20a …を含む、洗浄作用において以下同じ）による作用の他、源水に作用している圧力がセラミック６、6a…を充填した水活性タンク３内に流入して変化したり、セラミック６、6a…前後の給水口８と小径の連結パイプ９の口径差により圧力増加（圧力変化）し、水の粘性率が変化したり、水構造変化が発生したり、圧力変化が発生する。
又、水活性タンク３内に収容された多数の粒状のセラミック６、6a…間の空隙がランダムになるため、水活性タンク３内に水道の圧力がかかった状態で流入する源水の流れが激しく乱れて乱流になることから、セラミック６、6a…の周囲の水圧が局部的に増減したり、水活性タンク３内が激しい乱流により攪拌状態になる。
これらの流水作用により、トルマリンでの電荷発生、並びにトルマリンからのホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…の溶出が促進される。
【００１７】
そして、ホウ酸シリカ含有活性洗浄水が被洗浄物の表面Ｗに噴出された時、表面Ｗ付着の汚れは送水装置４で高圧噴射された圧力水で除去されたり、活性水で汚れを含有除去する。
又、洗浄作用と同時に、トルマリンの発生する電荷による電着作用で、洗浄水に含有されている帯電ホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…が被洗浄物の表面Ｗに強固に着床し、且つ被洗浄物の塗装面又はガラス面等の表面Ｗには微細無数の凹凸が存在しているため、洗浄水に含有されているホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…が凹凸に入り込む様にして、表面Ｗに付着して薄い被膜Ｍ１を形成する。
このホウ酸シリカ被膜Ｍ１はガラス質でもあることにより、表面被膜Ｍ１は撥水性を有しているために、汚れが付着し難くなる。
【００１８】
最後に、上述の洗浄方法を使用した好ましい態様等を説明する。
初めて本発明の洗浄方法を行う時には、被洗浄物の汚れを充分に落とさないと、ホウ酸シリカ被膜Ｍ１内に汚れが強固に内蔵されるために、初回だけは洗剤を使用して洗浄することが肝要である。
又、１回でも本発明による洗浄を行った時には、水洗いだけでも良いが、本発明の方法による洗浄を複数回行うことにより、被膜Ｍ１の上に次々と新しい被膜Ｍ２、Ｍ３…が形成され、光沢発揮、撥水効果が向上する。
尚、本発明の対象物品として自動車等を説明したが、被膜付着が可能であれば、例えば、低吸水性或いは非吸水性で比較的円滑、円滑な表面であれば、対象物品或いはその材質等は問わない。
【００１９】
【発明の効果】
要するに本発明は、粒状セラミック６、6a…を充填した水活性タンク３を通水させて得られたホウ酸シリカ含有活性水を被洗浄物の表面Ｗに噴出し、表面洗浄すると共に被膜Ｍ１を形成する様にした洗浄方法において、前記セラミック６、 6a …は、ゼオライト、バクハン石を混合焼結形成した担体の表面にトルマリン含有被膜を焼結形成したので、セラミック６、 6a …は半永久使用、長期間使用可能で、このセラミック６、6a…充填のカートリッジ７内を流通した洗浄水だけで被洗浄物の洗浄及び被膜Ｍ１の形成を行うために、手間、コストの大幅な低減を行うことが出来る。
又、セラミック６、6a…間の流通により、洗浄水が活性化されているために、被洗浄物の表面Ｗに付着した埃を離脱させて洗浄力を増大させることが出来、洗剤を不要と成して環境破壊を防止することが出来る。
【００２０】
又、トルマリンを含有させたセラミック６、6a…を使用する様にしたので、セラミック６、6a…間を流通した洗浄水に、セラミック６、6a…の一部成分であるホウ酸シリカＳ１、Ｓ２…が含有されて被洗浄物の表面Ｗに噴射され、トルマリンが発生する電荷による電着作用で強固に着床し、且つ表面Ｗの微細な凹凸に付着して被膜Ｍ１を形成することにより、ホウ酸シリカ被膜Ｍ１はガラス質であるために、撥水性が高く、汚れが付着しにくくなり、ワックス掛けの手間を省くと共に、被膜Ｍ１形成後の被洗浄物の洗浄は水だけで、洗剤、薬剤を不要にすることが出来る。
【００２１】
又、マグネシアを含有させたセラミック20、20a …を併用する様にしたので、洗浄装置１の水活性タンク内３を通過する源水にミネラルを溶出することにより、活性洗浄水の水質をアルカリ性にして洗浄力を向上させると共に、トルマリンを含有させたセラミック６、6a…と同様の作用でもって、水活性して、洗浄力の更なる向上を図ることが出来る。
【００２２】
又、洗浄を複数回行って被膜Ｍ１、Ｍ２…を複数層と成す様にしたので、被膜Ｍ１、Ｍ２…は強固となり、その後の被洗浄物の手入れを容易とすることが出来る。
【００２３】
又、初回の洗浄に際して洗剤を使用する様にしたので、被洗浄物の表面Ｗに汚れが付着していても洗剤併用で汚れを除去して被膜Ｍ１、Ｍ２…内への汚れ残留を防止することが出来る。
【００２４】
又、水活性タンク３内にセラミック６、6a…、20、20a …を充填したカートリッジ７を着脱自在と成したので、長期間使用したセラミック６、6a…、20、20a …を交換して、洗浄効果を再生すると共に、セラミック６、6a…、20、20a …の交換を容易に行うことが出来る。
【００２５】
又、給水口８の口径に比して連結パイプ９の口径を小径と成したので、電荷発生（帯電）、ホウ酸シリカ含有及び活性化の３作用が圧力変化で促進され、洗浄水の効能を向上することが出来る。
【００２６】
又、水活性タンク３に吐出口14を設けたので、ホウ酸シリカ含有活性水をバケツ等に別途取り出して、使い勝手を向上することが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る洗浄装置の斜視図である。
【図２】本体の前面側から見た縦断面図である。
【図３】本体の左側面側から見た縦断面図である。
【図４】被膜形成状況を説明する図である。
【符号の説明】
２ 基体ケース
３ 水活性タンク
４ 送水装置
５ 蓋体
６、6a… セラミック
７ カートリッジ
８ 給水口
９ 連結パイプ
10 送出口
11 高圧ホース
12 ガン
13 ノズル
14 吐出口
20、20a … セラミック
Ｗ 表面
Ｍ１、Ｍ２… 被膜
Ｓ１、Ｓ２… ホウ酸シリカ

Claims (9)

1. 粒状セラミックを充填した水活性タンクを通水させて得られたホウ酸シリカ含有活性洗浄水を被洗浄物の表面に噴出し、表面洗浄すると共に被膜を形成する様にした洗浄方法において、前記セラミックは、ゼオライト、バクハン石を混合焼結形成した担体の表面にトルマリン含有被膜を焼結形成したことを特徴とする洗浄方法。
2. 請求項１記載の洗浄を複数回行って被膜を複数層と成す様にしたことを特徴とする洗浄方法。
3. 初回の洗浄に際して洗剤を使用する様にしたことを特徴とする請求項１又は２記載の洗浄方法。
4. マグネシアを含有させたセラミックを併用する様にしたことを特徴とする請求項１、２又は３記載の洗浄方法。
5. 基体ケースに粒状セラミックを充填した水活性タンク及び送水装置を備え、水活性タンクに給水口を設け、水活性タンクと送水装置を連結パイプで連結し、更に、送水装置に設けた送出口に高圧ホース、ガン及びノズルを連設した洗浄装置において、前記セラミックは、ゼオライト、バクハン石を混合焼結形成した担体の表面にトルマリン含有被膜を焼結形成したことを特徴とする洗浄装置。
6. 水活性タンク内にセラミックを充填したカートリッジを着脱自在と成したことを特徴とする請求項５記載の洗浄装置。
7. 給水口の口径に比して連結パイプの口径を小径と成したことを特徴とする請求項５又は６記載の洗浄装置。
8. 水活性タンクに吐出口を設けたことを特徴とする請求項５、６又は７記載の洗浄装置。
9. セラミックは、マグネシアを含有させたものを、請求項１記載のセラミックに混合したことを特徴とする洗浄装置。

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