JP3647520B2 - 窒素酸化物センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃焼炉や自動車エンジン等の燃焼排ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサに関し、さらに詳しくはNO2 に対して高感度な窒素酸化物センサに関する。
【0002】
【従来技術】
オゾン層の破壊による地球の温暖化や酸性雨による森林破壊などの地球規模の環境汚染が問題となっている。このため燃焼炉や自動車エンジン等の燃焼機器から排出される窒素酸化物の低減が望まれ、排ガス中の窒素酸化物濃度の連続モニターや燃焼状態のフィードバック制御、あるいは脱硝装置の最適制御などによる排出量の削減が検討されている。これらの制御方法では、従来の大型で高価な分析計に替わる小型で簡便に精度よく窒素酸化物濃度を検出できる全固体型センサが必要とされ、種々の窒素酸化物センサが提案されている。
これまでに開示されている窒素酸化物センサとしては、酸化物半導体をガス感能体とし、ガス感能体の電気抵抗がNOX ガスの濃度によって変化することを利用した半導体式サンセ、あるいは、イオン導電性の固体電解質に1対の電極を設け、各電極間のガス分圧の違いによって生じる平衡起電力を測定する固体電解質センサなどが代表的である。
たとえば固体電解質センサでは、固体電解質にAgI あるいはRbAg4I5 を用い、電極の一方にAgの硝酸塩を塗布した固体素子型のセンサが開示されている(特開昭61-184450 公報)。このセンサは固体電解質を隔壁とした濃淡電池式で一対の電極間のNOX の濃度差により硝酸塩中のAgイオンが固体電解質中を移動してネルンストの式に従う起電力を生じ、この起電力を測定してNOX 濃度を検出するものである。また同様な検出原理によるセンサとして固体電解質にNaイオン導電体であるβ/β”アルミナやNaイオンをBaイオンで置換したβ/β”アルミナを用い、電極にBa(NO3)2あるいはNaNO3 とBa(NO3)2を混合した硝酸塩を用いたセンサなども開示されている(Denki Kagaku Vol. 59, p465-472 (1991))。これらのセンサは、NO2 に対して良好な応答特性が得られているが、NOに対しては良好な応答特性が得られていない。このためにNO2 とNOとが共存する排ガス中では、NOがNO2 検出における妨害ガスとして作用し、正確にNO2 濃度を検出できないという問題があった。この問題点に対して固体電解質にNASICON(Na3Zr2Si2PO12)を用い、電極にNaNO2 を用いた濃淡電池式のセンサが開示されている(Chemistry Letters, Voll, p587-590 (1992)) 。このセンサは、NO2 とNOのいずれのガスに対しても良好な応答特性を示し、NO2 とNOとが共存する被検ガス中のNOX 濃度を検出することができる。しかし、一方の電極に亜硝酸塩を用いているこのセンサは、亜硝酸塩の潮解性により長期安定性に劣っていた。また、その融点が低い為、センサの作動温度が制限され、高温排気ガス中の被検ガス測定は行うことができなかった。
このような耐熱性や潮解性の問題点を有するNaNO2 電極に対して、7a族元素または8族元素の酸化物、あるいはこれらの元素を含む複合酸化物を電極とした窒素酸化物センサが提案されている(特願平7-78427 号)。これらのセンサは、電極材料に酸化物が使用されているため融点や分解温度が高く、耐熱性や安定性に優れている。しかし、これらの酸化物を電極とした窒素酸化物センサの応答機構は、先に示した硝酸塩や亜硝酸塩を電極としたネルンストの式に従うセンサの応答機構と異なり、酸化物電極上で酸素とNOX との電気化学的な反応が併発し、電極上で局部電池が構成され、混成電位による起電力変化が生じている。つまりNO2 に対してはNO2 が還元されNOが生成する反応、NOに対してはNOが酸化されNO2 が生成する反応が生じ、NO2 濃度の増加に対しては起電力が増加する応答、NO濃度の増加に対しては起電力が減少する応答を示している。この特性のために、被検ガス中のNOX 成分がNO2 あるいはNOのいずれかの単成分である場合にのみ、NO2 あるいはNOの検出を行うことができる。しかし、NO2 とNOとが共存する被検ガス中では、NO2 とNOに対して夫々逆方向の応答特性を示すために、NO2 濃度とNO濃度のいずれも検出することができないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、NO2 に対して良好な感度と濃度依存性を示し、NOに対しては感度と濃度依存性が小さいかあるいは応答を示さず、NO2 とNOとが共存する被検ガス中においてもNO2 濃度を検出できる窒素酸化物センサを提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために本発明の窒素酸化物センサは、イオン導電性の固体電解質体を用い、固体電解質体の表面に接するように少なくとも第1電極と第2電極とによる1対の電極を構成し、第1電極が、スピネル型構造の酸化物、あるいは当該酸化物を含む物質から構成されたことを特徴とするものである。
より具体的には、本発明の窒素酸化物センサは、固体電解質体上に形成される第1電極が、AB2O4 あるいはA2BO4 で示されるスピネル型構造の酸化物あるいは当該酸化物から構成されている。ここでAは、Li, Ag, Cd, Co, Cu, Fe, Mg, Mn, Ni, Znから選ばれた1種元素、Bは、Mo, Cr, Fe, Ga, V, In, Rh, Al, Co, Mn, Ti, Sn, Ge, Sb, Nb から選ばれた1種元素であり、AとBの価数は、1価と3価、1価と6価、2価と3価、2価と4価、2価と5価の組み合わせに基づく。また、AB2O4 あるいはA2BO4 で示されるスピネル型構造の酸化物には、一般にAB2O4 あるいはA2BO4 の化学式で示される正スピネル型構造のみでなく、B(AB)O4 あるいはA(AB)O4 の化学式で示される逆スピネル型構造の酸化物も含まれる。また、AB2O4 あるいはA2BO4 で示されるA元素の一部をB元素で置換、あるいはB元素の一部をA元素で置換、さらにはA元素の一部をB元素で置換しB元素の一部をA元素で置換した正逆いずれのスピネル型構造の酸化物であってもよい。さらには、ABCO4 あるいはACBO4 で示されるスピネル型構造の酸化物であってもよい。ここでCは、Li, Cd, Co, Cu, Fe, Mg, Mn, Ni, Zn, Cr, Ga, V, In, Rh, Al, Ti, Sn, Ge, Sb, Nb から選ばれた1種元素である。また、A元素かB元素、またはA元素とB元素との一部をイオン半径の近い第3のC元素や価数が同じか近い第3のC元素で置換した AX C1-XB2O4、ABX C2-XO4、 AX C1-XB y C2-yO4あるいは AX C2-XBO4 、A2B X C1-XO4、 AX C2-XB y C1-yO4などの化学式で示される酸化物であってもよい。
【0005】
スピネル型構造の酸化物を電極に使用したセンサの起電力変化は混成電位によって得られると考えられる。つまりNO2 に対しては以下の(1)、(2)の反応が生じていると考えられる。
NO2 + 2e → NO + O2- (1)
O2- → 1/2O2 + 2e (2)
また、NOに対しては以下の(3) 、(4) の反応が生じると考えられる。
1/2O2 + 2e → O2- (3)
NO + O2- → NO2 + 2e (4)
ここでスピネル型構造の酸化物には、酸素欠損がほとんどない。逆に陽イオンの空格子点が存在しやすく、酸素過剰側で安定と考えられる。このため、NO2 が還元されて酸素を生成する(1) 、(2) の反応は比較的容易に生じる。逆に酸素が消費され、NOの酸化によりNO2 が生成する(3) 、(4) の反応は酸素欠損がほとんどないことから生じにくいと考えられる。また、酸化物の構造自体がNO2 に対しては触媒活性を有し、NOに対しては比較的不活性であることも考えられる。このようなスピネル型構造の酸化物の特性によりNO2 に対しては良好な感度と濃度依存性を示し、NOに対してはほとんど感度を示さないセンサが構成できたものと考えられる。
また、これらのスピネル型構造の酸化物は、組成が異るスピネル型構造の酸化物の混合物あるいはスピネル型構造の酸化物を構成する元素の単体酸化物との混合物であってもよい。但し、単体酸化物との混合物である場合は、スピネル型構造の酸化物単体に比べ、NO2 感度や濃度依存性、干渉ガス(NO, CO, HC) 、水蒸気等が特性に影響するため、スピネル型構造の酸化物が主成分であることが好ましい。また、さらには必要に応じて電気的なつながりを保たせるためるにPt, Au, Pd, Ir, Rh, Ruなどの貴金属あるいはこれらの合金などの導体を集電体として形成するかまたは混合してもよく、NO2 の還元反応に対して触媒作用を示すこれら貴金属や貴金属の合金、酸化物等との混合物であってもよい。
スピネル型構造の酸化物による第1電極は、スクリーン印刷等の方法により固体電解質上に塗布、焼成して形成される。また、それは、真空蒸着法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や化学気相析出法、プラズマ化学気相析出法などの化学蒸着法によって形成されてもよい。
【0006】
イオン導電性の固体電解質体としては、第1電極上での反応によって第2電極とは異なる電位を示すものであればNaイオン導電体、Agイオン導電体、Cuイオン導電体、Liイオン導電体、酸素イオン導電体のいずれであってもよいが、酸素イオン導電体であるジルコニア(ZrO2-M2O3 またはZrO2-MO 、MはYb, Gd, Nd, Ca, Y, Mg, Hf)や酸化ビスマス(Bi2O3-M2O3またはMOかM2O5、MはY, Gd, Nb, W, Sr, Ba) 、酸化セリア(CeO2-M2O3 またはMO2 、MはY, Sm)などが電極反応で生じるイオン種と同じイオン導電体であり好ましい。固体電解質体は、窒素酸化物濃度を検出したい被検ガスと雰囲気の一定な大気などとに分離できるような隔壁構造とするか、あるいは隔壁構造とせず板状や棒状などの形状でもよい。固体電解質体を隔壁とする場合は、この隔壁を挟んで第1電極と第2電極とによる1対の電極を形成し、隔壁としない構造では固体電解質体上の任意の位置に第1電極と第2電極が形成される。また、参照極や他のガス種の検出、共存ガスの影響を電気的にキャンセルするために第3の電極やそれ以上の電極を形成したものであってもよい。
【0007】
第1電極に対する第2電極は、Pt、Ag、Au、Pd、Ir、Rh、Ruなどの貴金属あるいはこれら貴金属の合金、導伝性セラミックス、たとえばABO3で示されるペロブスカイト型構造の酸化物、たとえばLaCoO3、LaNiO3、LaFeO3、AサイトあるいはBサイトの一部をSrなどの元素で置換した酸化物、あるいはK2NiF4型構造の酸化物、La2CuO4 などの酸素極と成り得る物質あるいは酸素に対して一定の化学ポテンシャルを与える物質によって構成される。但し、第1電極と第2電極とがともに被検ガス中に曝される構造のセンサにおいては、第1電極において生じる電位の変化が第2電極で生じる電位変化によって打ち消されないことが必要であり、少なくともNOおよびNO2 に対して電位の変化しない物質、あるいは第1電極で生じるNO2 に対する電位変化と逆方向の電位変化を示す物質によって構成されることが好ましい。
【0008】
本発明による窒素酸化物センサは、NO2 に対して活性でNOに対して不活性なスピネル型構造の酸化物によって電極が構成されているので、酸素とNO2 との電気化学的な反応が第1電極上で併発し、混成電位によりNO2 濃度に対応した起電力変化が得られる。一方、NOに対しては不活性であるため、混成電位による起電力変化は小さいかあるいはほとんどない。このため、NO2 とNOとが共存する燃焼排ガス中においてもNO濃度に影響されることなくNO2 濃度を検出することができるNO2 センサを提供することができる。また、NOをNO2 に酸化する手段を設けることにより被検ガス中の全NOx 濃度をより高感度で検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明の第1の実施例による窒素酸化物センサの断面図である。固体電解質体1は、いずれのイオン導電体であってもかまわないが、熱的安定性や耐熱性の点でイットリア、カルシア、セリア、あるいはマグネシア等で安定化または部分安定化したジルコニアが好ましい。本実施例では、8mol %のイットリアで安定化したジルコニアを用いた。板状の固体電解質体1の片面には、第1電極2および第2電極3が設けられている。第1電極2は、スピネル型構造の酸化物によって構成されている。酸化物による第1電極は、予め固相反応法により作製したスピネル型構造の酸化物をターゲットとし、Ar+1%O2ガスを用いたスパッタ法により作製した。スパッタによる成膜後、大気中900℃で1時間熱処理を行った。第1電極の膜厚は0.2〜0.5μm であった。第2電極3は、NOx に応答しない電極によって構成され、この場合はPtによって構成される。第1電極2および第2電極3は、いわゆるガス電極であり、多孔性の電極として形成されている。第1電極2および第2電極3のPtによるリード線4、5は、測定回路に接続される。
AB2O4 あるいはA2BO4 で示されるスピネル型構造の酸化物を第1電極とした窒素酸化物センサについて雰囲気温度600℃、4%酸素雰囲気下での起電力値を基準とし、50ppm NO2 および50ppm NO導入時の起電力変化を表1に示す。
【0010】
【表1】
Figure 0003647520
なお、*印の酸化物を電極としたセンサ特性は650℃におけるものである。いずれのスピネル型構造の酸化物を第1電極とした窒素酸化物センサにおいても、NO2 に対しては起電力が増加する応答、NOに対しては起電力が減少する応答を示し、NO2 に対する感度がNOに対する感度よりも約10倍大きくなっている。
【0011】
図2にはNiCr2O4 を第1電極としたセンサの650℃における起電力のNOx 濃度依存性を示す。センサはNOx 濃度の対数に比例した起電力変化を示し、その傾きはNOよりもNO2 に対して大きく、感度と濃度依存性においてNO2 に対してより高感度であることがわかる。NO2 に対するセンサ起電力の濃度依存性は、50ppm のNOが共存する条件においてもほぼ同様な特性が得られ、共存NOの影響を受けずにNO2 濃度を検出できることを確認した。このようなNO2 に対する濃度依存性の結果は、本実施例に示した他のスピネル型構造の酸化物を第1電極とした場合にも同様であった。
【0012】
〔実施例2〕
NiO とCr2O3 との混合比が、1.4:1.0〜1.0:1.4となるように各酸化物粉末を混合して固相反応法により酸化物ターゲットを調整し、第1の実施例と同様なスパッタ法によりNiCr2O4 とNiO あるいはCr2O3 とを混合した酸化物を第1電極とした窒素酸化物センサを作製した。熱処理後の酸化物による第1電極をX線回折によって分析したところ、NiO とCr2O3 との混合比を1.1:1.0〜1.4:1.0とした場合にはNiCr2O4 以外にNiO が形成され、NiO の比が大きくなるほどNiO によるピークの相対強度が強くなることが確認された。また、混合比1.05:1.0ではほぼ単相のNiCr2O4 が形成された。さらに混合比1.0:1.0〜1.0:1.4ではNiCr2O4 以外にCr2O3 が形成され、Cr2O3 の混合比の増加とともにCr2O3 によるピークの相対強度が強くなることが確認された。本実施例によるセンサの各酸化物の混合比と650℃、4%酸素雰囲気下での起電力値を基準とし、50ppm NO2 および50ppm NO導入時の起電力変化を表2に示す。
【0013】
【表2】
Figure 0003647520
NO2 に対する感度は、混合比によって変化しているが、いずれの混合比においてもNOよりもNO2 でより高い感度が得られた。また、いずれの混合比においてもNO2 濃度の対数に比例する起電力変化が得られ、その傾きは30〜56mVであり、NOに対する傾きよりも約1桁大きい値を示した。
【0014】
〔実施例3〕
第1の実施例と同様な方法によりCuCr2O4 のCrの一部をFeで置換した酸化物を第1電極とした窒素酸化物センサを作製した。本実施例によるセンサの600℃、4%酸素雰囲気下での起電力値を基準とし、50ppm NO2 および50ppm NO導入時の起電力変化を表3に示す。
【0015】
【表3】
Figure 0003647520
本実施例においてもNOよりもNO2 に対してより高い感度が得られた。また、いずれの置換比においてもNO2 濃度の対数に比例する起電力変化が得られ、その傾きは42〜58mVであり、NOに対する傾きよりも約1桁大きい値を示した。
【0016】
図3にCuCr1.3Fe0.7O4を電極としたセンサ起電力のNOx 濃度依存性を示す。本実施例ではほとんどNOに感度と濃度依存性を示さず、NO共存下においてもNO2 のみを検出できることを確認した。
【0017】
〔実施例4〕
第1の実施例と同様な方法によりNiCr2O4 のNiの一部をCuで置換した酸化物を第1電極とした窒素酸化物センサを作製した。本実施例によるセンサの600℃、4%酸素雰囲気下での起電力値を基準とし、50ppm NO2 および50ppm NO導入時の起電力変化を表4に示す。
【0018】
【表4】
Figure 0003647520
本実施例においてもNOよりもNO2 に対してより高い感度が得られた。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による窒素酸化物センサは、NOよりもNO2 に対してより高感度な酸化物を電極材料に使用していることから、NOの共存する被検ガス中においてNOの影響をほとんど受けることがなく、NO2 濃度を検出することができる。このため、燃焼排ガス浄化のための触媒コンバーター後に装着して触媒の劣化検知や燃焼制御などに使用することができる。さらにこれらの酸化物は、熱的にまた化学的に安定で600℃以上の温度においてもセンサとして作動し、高温排ガス中に装着して精度よく安定にNO2 濃度が検出できる窒素酸化物センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による窒素酸化物センサの断面図である。
【図2】本発明の一実施例による窒素酸化物センサのNOx 濃度に対する起電力変化の特性を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による窒素酸化物センサのNOx 濃度に対する起電力変化の特性を示す図である。
【符号の説明】
1 固体電解質体
2 第1電極
3 第2電極
4、5 リード線

Claims (5)

  1. イオン導電性の固体電解質体の表面に備えられた第1電極と第2電極を有し、第1電極と第2電極との電極間の電位差によって被検ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサであって、第1電極が、CdCr2O4,CoGa2O4,CuMn2O4,CuFe2O4,CuCr2O4,FeAl2O4,FeCr2O4,MgFe2O4,MgCr2O4,MnCo2O4,NiFe2O4,NiAl2O4,NiGa2O4,NiCo2O4,NiCr2O4,ZnAl2O4,ZnCo2O4,Co2SnO4,Co2TiO4,Fe2TiO4,Zn2SnO4,Zn2TiO4,CoZnTiO4,CuFeMnO4,CuCrMnO4,MgAlFeO4,Mn0.9Zn0.1Fe2O4のいずれかのスピネル型構造の酸化物、あるいは当該酸化物を含む物質から構成されたことを特徴とする窒素酸化物センサ。
  2. イオン導電性の固体電解質体の表面に備えられた第1電極と第2電極を有し、第1電極と第2電極との電極間の電位差によって被検ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサであって、第1電極がAB2O4あるいはA2BO4 (Aは、 Li Ag Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn から選ばれた1元素、Bは、 Mo Cr Fe Ga ,V, In Rh Al Co Mn Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素)で示されるスピネル型構造の酸化物とA又は/及びBの単体酸化物との混合物から構成されていることを特徴とする窒素酸化物センサ。
  3. イオン導電性の固体電解質体の表面に備えられた第1電極と第2電極を有し、第1電極と第2電極との電極間の電位差によって被検ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサであって、第1電極がABCO4あるいはACBO4 (Aは、 Li Ag Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn から選ばれた1元素、Bは、 Mo Cr Fe Ga ,V, In Rh Al Co Mn Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素、Cは、 Li Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn Cr Ga ,V, In Rh Al Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素)で示されるスピネル型構造の酸化物とA又は/及びB又は/及びCの単体酸化物との混合物から構成されていることを特徴とする窒素酸化物センサ。
  4. イオン導電性の固体電解質体の表面に備えられた第1電極と第2電極を有し、第1電極と第2電極との電極間の電位差によって被検ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサであって、第1電極がAB2O4あるいはA2BO4 (Aは、 Li Ag Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn から選ばれた1元素、Bは、 Mo Cr Fe Ga ,V, In Rh Al Co Mn Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素)で示されるスピネル型構造の酸化物の混合物から構成されていることを特徴とする窒素酸化物センサ。
  5. イオン導電性の固体電解質体の表面に備えられた第1電極と第2電極を有し、第1電極と第2電極との電極間の電位差によって被検ガス中の窒素酸化物濃度を検出するセンサであって、第1電極がAB2O4あるいはA2BO4 (Aは、 Li Ag Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn から選ばれた1元素、Bは、 Mo Cr Fe Ga ,V, In Rh Al Co Mn Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素、Cは、 Li Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn Cr Ga ,V, In Rh Al Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素)で示されるスピネル型構造の酸化物と、ABCO4あるいはACBO4 (Aは、 Li Ag Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn から選ばれた1元素、Bは、 Mo Cr Fe Ga ,V, In Rh Al Co Mn Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素、Cは、 Li Cd Co Cu Fe Mg Mn Ni Zn Cr Ga ,V, In Rh Al Ti Sn Ge Sb Nb から選ばれた1元素)で示されるスピネル型構造の酸化物の混合物から構成されていることを特徴とする窒素酸化物センサ。
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