JP3644823B2 - レシートプリンタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール紙を使用するレシートプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、この種のレシートプリンタの従来例を図4に示す。レシートプリンタの筐体(図示せず)の内部には、相対向する側板1とメインフレーム2とが固定的に設けられている。相対向する側板1には上縁が開放された切欠3が形成され、これらの切欠3にはロール紙支持部としてのロール紙支持軸4が着脱自在に支持されている。このロール紙支持軸4はロール紙5の巻芯6を貫通状態で支持する。なお、相対向する側板1のうちの一方は、地方の側板1に対して開閉可能な扉として形成されている場合もある。
【0003】
メインフレーム2の両側に架設された軸7にはスプリング8により上方に付勢されたヘッドフレーム9が回動自在に支持され、このヘッドフレーム9に印字ヘッドであるサーマルヘッド10が固定的に支持されている。また、メインフレーム2の両側にはサーマルヘッド10に対向するプラテン11が回転自在に支持されている。このプラテン11はモータ(図示せず)により駆動され、ロール紙5をサーマルヘッド10に向けて引き出すロール紙搬送部としての機能を有する。さらに、メインフレーム2の両側には、プラテン11の下流側の近傍に配置されて印字済のロール紙5をレシート単位に切断するカッタ12が支持されている。
【0004】
さらに、メインフレーム2にはロール紙5をサーマルヘッド10とプラテン11との間に導くガイド13が設けられている。このガイド13は、相対向してロール紙5を通すガイド板14と、これらのガイド板14の上部に配置された回転自在のガイドローラ15とを有する。
【0005】
さらに、ガイド13にはダンパー装置16が設けられている。このダンパー装置16は、支点軸17を中心に回動自在に支持されたダンパープレート18と、このダンパープレート18の自由端側の両側に回転自在に支持されたダンパーローラ19と、ダンパープレート18を反時計方向に付勢する復帰スプリング20と、この復帰スプリング20の付勢力によるダンパープレート18のセット位置を規制するストッパ20aとを具備する。
【0006】
次に、動作について説明する。ロール紙5はその巻芯6に通したロール紙支持軸4を側板1の切欠3に落とし込むことにより支持される。続いて、復帰スプリング20の復帰力に抗してダンパープレート18を解放位置に回動させ、引き出したロール紙5の先端をガイドローラ15の上からガイド板14の間に挿通し、サーマルヘッド10とプラテン11との間に相通し、復帰スプリング20の復帰力によりダンパープレート18をセット位置に復帰させることにより、ロール紙5がセットされる。そして、プラテン11を反時計方向に回転させることにより、ロール紙5が引き出される。引き出されたロール紙5にはサーマルヘッド10により所望のデータが印字され、印字済のロール紙5をカッタ12で切断することによりレシートが発行される。
【0007】
ここで、ダンパー装置16の機能は、ロール紙5をサーマルヘッド10に引き出すときに、ロール紙5に作用する張力と、ロール紙5をダンパーローラ19で押える押圧力とのバランスをとることにより、ロール紙5をサーマルヘッド10の上流側でダンパーローラ19により押えて弛ませ、弛まされた部分以上のロール紙5がプラテン11により引き出された場合は、復帰スプリング20の付勢力に抗してダンパープレート18を時計方向に回動させることによりロール紙5の張力の高まりを抑制し、プラテン11が停止したときには復帰スプリング20の復帰力によりダンパープレート1をセット位置に復帰させ、ダンパーローラ19によってロール紙5を再び弛ませることにより、次の印字に際してロール紙5が上流側に引っ張られることがないように、ロール紙5に異常な張力が付与されないようにするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のダンパー装置16は、ロール紙5の下面をガイドローラ15で押え、その上流側でロール紙5の上面をダンパープレート18に保持されたダンパーローラ19で押えることにより、ロール紙5の引出経路を屈折する構造である。このため、ロール紙5をセットするときにダンパープレート18を上方に退避させ、その状態を維持しながらロール紙5をガイド板14の間に挿通しなければならず、操作が面倒である。また、不慣れな人が操作すると、ダンパープレート18を上方に退避させずにロール紙5をセットすることがある。このような場合には、ロール紙5をダンパーローラ19で押えることができないのでダンパー装置16の機能は全く果たさない。
【0009】
本発明は、ロール紙のセットを正しく容易に行い得るようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ロール紙を回転自在に支持するロール紙支持部と、前記ロール紙支持部から前記ロール紙を引き出して印字ヘッドに供給するロール紙搬送部と、前記ロール紙支持部と前記印字ヘッドとの間における前記ロール紙の引出経路に配置されて前記ロール紙の用紙幅と略同一幅を有する円筒形状のダンパーローラと、前記ダンパーローラを貫通しこのダンパーローラの外周で前記ロール紙の引出経路を屈折させるように前記引出経路と直交する方向に張り渡された引張コイルスプリングとを具備し、前記引張コイルスプリングの外周には、前記ダンパーローラの両端に当接してそのダンパーローラの軸方向の動きを規制する円筒部材が嵌合されている。
【0011】
したがって、ロール紙をダンパーローラの上から印字ヘッドに向けて容易に挿通することが可能である。この状態では、ダンパーローラが引張コイルスプリングを撓ませながらロール紙を下面から押し上げてロール紙の引出経路を屈折するため、ロール紙を弛ませることが可能である。また、ロール紙を引き出すときの張力の高まりをダンパーローラの下方への変位動作により吸収することが可能である。
【0012】
また、前記引張コイルスプリングの外周には、前記ダンパーローラの両端に当接してそのダンパーローラの軸方向の動きを規制する円筒部材が嵌合されている。
【0013】
したがって、ダンパーローラの長手方向の中心をロール紙の幅方向の中心に一致させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。図4に基づいて説明した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。
【0015】
ガイド13にはダンパー装置21が設けられている。このダンパー装置21は、ロール紙5の引出経路と直交する方向でメインフレーム2の両側に張り渡された引張コイルスプリング22と、この引張コイルスプリング22に貫通された円筒形状のダンパーローラ23と、引張コイルスプリング22に貫通されてダンパーローラ23の軸方向の動きを規制する円筒部材24とを具備する。ダンパーローラ23及び円筒部材24の内径は引張コイルスプリング22の外径より僅かに大きい値に設定され、ダンパーローラ23は円筒部材の外径よりも大きな外径に設定されている。引張コイルスプリング22は、ダンパーローラ23をロール紙5の下面に圧接し、このダンパーローラ23の外周でロール紙5の引出経路を屈折させる方向に張り渡されている。さらに、メインフレーム2の一側には、プラテン11の端部に固定したギヤ25にモータ(図示せず)の回転を伝達する駆動ギヤ26が設けられている。また、ロール紙支持軸4はロール紙支持部であり、プラテン11はロール紙搬送部である。
【0016】
このような構成において、サーマルヘッド10とプラテン11との間にロール紙5を通す場合には、ダンパーローラ23の上からロール紙5をサーマルヘッド10とプラテン11との間に向けて挿通することができるので、ダンパーローラ23を動かすことなくロール紙5を容易にセットすることができる。このようにロール紙5をサーマルヘッド10とプラテン11との間にセットした状態では、ロール紙支持軸4とサーマルヘッド10との間におけるロール紙5の引出経路がダンパーローラ23により屈折される。
【0017】
本実施の形態におけるダンパー装置21も、ロール紙5をサーマルヘッド10に引き出すときに、ロール紙5に作用する張力と、ロール紙5をダンパーローラ23で押える押圧力とのバランスをとることにより、ロール紙5をサーマルヘッド10の上流側でダンパーローラ23により押えて弛ませる機能を有する。
【0018】
図2に示す状態は、ロール紙5に与えられ張力が一定値以下と低い場合である。この場合は、引張コイルスプリング22とダンパーローラ23と円筒部材24とが略同一軸線上で並ぶ。
【0019】
プラテン11を回転させてロール紙5を引き出すことにより、ロール紙5に与えられる張力が一定値以上と高い場合には、ダンパーローラ23がロール紙5により押し下げられる。この場合、引張コイルスプリング22の両端の位置は変わらないので、円筒部材24はダンパーローラ23の端部から引張コイルスプリング22の端部に向けて斜め上方に傾く状態となる。このときの引張コイルスプリング22を撓ませながら下降するダンパーローラ23の動作によりロール紙5に異常に高い張力が作用する状態を回避することができる。したがって、印字に際して、サーマルヘッド10上のロール紙5が上流側に引っ張られることがなく、これにより、印字位置の乱れを防止することができる。
【0020】
上記のように、ロール紙5の張力に応じてダンパーローラ23は引張コイルスプリング22を撓ませながら上下方向に変位するが、両端が円筒部材24に当接されているため軸方向に動くことはない。これにより、常にダンパーローラ23の軸方向の中心をロール紙5の幅方向の中心に位置させ、ロール紙5を偏ることなく支えることができる。
【0021】
なお、図4に示す従来例においては、近接配置されたガイドローラ15とダンパーローラ19とによりロール紙5の引出経路を逆方向に屈折させるため、印字しない時間が長時間継続すると、ロール紙5に巻き癖がついてしまう。これに対し、本実施の形態における構成では、ロール紙支持軸4とサーマルヘッド10との間の一箇所でロール紙5の引出経路がダンパーローラ23により屈折されているに過ぎない。これにより、巻き癖がつきにくい。
【0022】
なお、ロール紙5を引き出すロール紙搬送部をプラテン11とは別に設けてもよいものである。
【0023】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、ロール紙支持部と印字ヘッドとの間におけるロール紙の引出経路に配置されて前記ロール紙の用紙幅と略同一幅を有する円筒形状のダンパーローラを設け、このダンパーローラを貫通した引張コイルスプリングをダンパーローラの外周でロール紙の引出経路を屈折させるように引出経路と直交する方向に張り渡して設けたので、ロール紙をダンパーローラの上から印字ヘッドに向けて容易に挿通することができる。この状態では、ダンパーローラが引張コイルスプリングを撓ませながらロール紙を下面から押し上げてロール紙の引出経路を屈折するため、ロール紙に弛みをもたせることができ、ロール紙を引き出すときの張力の高まりをダンパーローラの下方への変位動作により吸収することができる。
【0024】
また、引張コイルスプリングの外周には、ダンパーローラの両端に当接してそのダンパーローラの軸方向の動きを規制する円筒部材が嵌合されているので、ダンパーローラの長手方向の中心をロール紙の幅方向の中心に一致させることができる。これにより、常にダンパーローラの軸方向の中心をロール紙の幅方向の中心に位置させ、ロール紙を偏ることなく支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第一の実施の形態におけるレシートプリンタの斜視図、(b)はダンパーローラの支持構造を示す分解斜視図である。
【図2】ロール紙をセットした状態におけるレシートプリンタの縦断正面図である。
【図3】ダンパー装置の動作を示す縦断正面図である。
【図4】従来のレシートプリンタを示す縦断正面図である。
【符号の説明】
4 ロール紙支持部
5 ロール紙
10 印字ヘッド
11 ロール紙搬送部
22 引張コイルスプリング
23 ダンパーローラ
24 円筒部材
Claims (1)
- ロール紙を回転自在に支持するロール紙支持部と、前記ロール紙支持部から前記ロール紙を引き出して印字ヘッドに供給するロール紙搬送部と、前記ロール紙支持部と前記印字ヘッドとの間における前記ロール紙の引出経路に配置されて前記ロール紙の用紙幅と略同一幅を有する円筒形状のダンパーローラと、前記ダンパーローラを貫通しこのダンパーローラの外周で前記ロール紙の引出経路を屈折させるように前記引出経路と直交する方向に張り渡された引張コイルスプリングとを具備し、前記引張コイルスプリングの外周には、前記ダンパーローラの両端に当接してそのダンパーローラの軸方向の動きを規制する円筒部材が嵌合されているレシートプリンタ。
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