JP3644595B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機、ディジタル複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置であってオールクリア指令が入力可能な装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オールクリアが実行される画像形成装置の中には、オールクリア指令後の画像形成モード(初期設定モード)を使用者側で自由に登録できるようにしたものが知られている(実開昭62−60945号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記装置では、この装置を使用する誰もが自由に初期設定モードを登録できるため、この装置を多人数で共用する場合、ある使用者が自分にとって便利な初期設定モードを登録しても、その後、この使用者の知らない間に第三者によって異なる初期設定モードが登録されてしまい、混乱を招くおそれがある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、初期設定モードを登録できる使用者を特定することにより、混乱のない円滑な使用を実現することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、外部からパスワードを入力するためのパスワード入力手段と、予め設定されたパスワードを記憶し、このパスワードが上記初期設定モードの登録前に入力された場合にのみその後の登録を許容するパスワード判定手段とを備えた画像形成装置において、上記パスワードのクラスを定め、入力されるパスワードの桁数に応じたクラスが高いほど、より多くの画像形成機能について初期設定モードの登録を許容し、上記入力されるパスワードのクラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能について上記初期設定モードの更新登録を複数回続けて行うことを許容する上記パスワード判定手段を備え、上記初期設定モードの登録を許容される画像形成機能には、上記定められたクラスおよびそれよりも低いクラスについて許容される画像形成機能を全て含むものである(請求項1)。
【0006】
この装置では、初期設定モードを入力するための入力手段と、入力された初期設定モードを登録する初期設定登録手段と、オールクリア指令が入力された場合に登録された初期設定モードを再生する初期設定再生手段とを備えたことを構成するようにしてもよい(請求項2)。また、入力されるパスワードのクラスが高いほど、よりパスワードの桁数を多くしてもよい(請求項3)。
【0007】
【作用】
上記装置によれば、予め設定されたパスワードを入力した場合にのみ初期設定モードの登録が許容されるので、実質上、初期設定モードを登録できる使用者は上記パスワードを知らされた特定人に限定されることになる。従って、この特定人の知らない間に他の使用者によって別の初期設定モードが登録されることが防がれる。
【0008】
請求項1記載の画像形成装置では、入力されるパスワードの桁数に応じたクラス(階級)が高いほどより多くの画像形成機能(当該クラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能を全て含む)について初期設定モードの登録を許容し、上記入力されるパスワードのクラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能について上記初期設定モードの更新登録を複数回続けて行うことを許容するようにしているので、各使用者が持つパスワードのクラスに応じて段階的に、登録可能な画像形成機能の種類の数を異ならせることができる。
【0009】
また、請求項2記載の画像形成装置では、初期設定モードを入力するための入力手段と、入力された初期設定モードを登録する初期設定登録手段と、オールクリア指令が入力された場合に登録された初期設定モードを再生する初期設定再生手段とを備えた画像形成装置に適応させることができる。
【0010】
また、請求項3記載の装置では、クラス(階級)によって、パスワードの桁数を変更しているので、操作性の向上を図ることができる効果がある。
【0011】
【実施例】
本発明の第1実施例を図1〜図5に基づいて説明する。なお、この実施例では図2に示すようなディジタル複写機10について説明するが、本発明はその他の複写機、ファクシミリ、複合機といった各種画像形成装置に適用できるものである。
【0012】
図2に示すように、上記ディジタル複写機10は、図略のコンタクトガラスを覆う原稿押え12、複数の給紙カセット13,14、排紙トレイ16等を備え、その側壁には電源スイッチ18が、上面には操作部(入力手段)20がそれぞれ設けられている。この複写機本体11には、パンチや製本を行う用紙処理機能、倍率設定機能、画像濃度設定機能等の公知の種々の機能が備えられている。
【0013】
図3に示すように、上記操作部20には、テンキー(パスワード入力手段)21、エンターキー22、表示部24、スタートキー26、オールクリアキー27、初期設定登録キー28等が設けられている。上記表示部24及び各種キーは入出力装置30を介して複写機内蔵の制御装置40に接続されている。この制御装置40は、CPU32、RAM34、ROM36、及び後述のパスワードに関するテーブル38を備え、上記入出力装置30を介して複写機本体11内の所定部品に接続されている。
【0014】
この制御装置40は、上記オールクリアキー27が操作された(すなわちオールクリア指令が入力された)後の初期設定モードを制御するための機能として、図1に示すような入力読取手段41、機能判定手段42、表示制御手段43、パスワード判定手段44、初期設定登録手段45、及び初期設定再生手段46を備えている。
【0015】
入力読取手段41は、初期設定登録キー28以外の各種キーの操作内容を読み取るものである。機能判定手段42は、初期設定登録キー28が操作された場合に、その直前に操作されたキーに関係する機能(例えば複写倍率設定キーが操作された場合には複写倍率)を使用者が登録を希望する機能とみなし、パスワード判定手段44に出力するものである。
【0016】
パスワード判定手段44は、次のような動作を行うように構成されている。次の表1に示すような各種複写機能(パスワードを要する機能)とこれらの機能に応じて設定された設定クラスとを組み合わせて記憶するとともに、表2に示す複数(ここでは5個)のパスワードをこれに対応するクラスと組み合わせて記憶する。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
上記機能判定手段42で判別された機能がパスワード入力を要しないもの(パスワード入力を要する機能として記憶されていないもの)である場合には、そのまま登録許容信号を初期設定登録手段45に出力する。
【0020】
上記判別機能がパスワード入力を要するものである場合には、表示制御手段43に信号を出力して後述のようにパスワード入力を要求する表示を行わせる。そして、この際にテンキー21により入力されたパスワードが正当であるか否か(表2に示されるパスワードのいずれかに該当するか否か)を判別し、このパスワードが正当であり、かつこのパスワードに対応するクラスが上記判別機能に対応する設定クラスよりも高い(パスワードに対応するクラス番号が設定クラスの番号よりも少ない)場合にのみ初期設定登録手段45に登録許容信号を出力する。
【0021】
この初期設定登録手段45は、複写機10が未使用の段階では予め設定された初期設定モード(オールクリアが指定された後の複写モード)を登録するとともに、上記パスワード判定手段44から登録許容信号が入力された場合にのみ、上記初期設定モードに含まれる各機能のうち上記判別機能(上記例では複写倍率)について使用者により指定された値(例えば複写倍率85%)を更新登録するものである。初期設定再生手段46は、オールクリアキー27が操作された場合や、操作部20が一定時間操作されずに放置された場合等に、上記初期設定登録手段45で登録されている初期設定モードを再生するものである。
【0022】
次に、この装置の行う具体的な制御動作を図4のフローチャートを併せて参照しながら説明する。
【0023】
まず、初期設定登録キー28がオンされた時点で(ステップS1でYES)、複写機モードを通常の複写モードから初期設定登録モードに切換え、上記初期設定登録キー28が操作される直前に操作されたキーから、使用者が更新登録を希望している複写機能を判別する(ステップS2)。例えば、初期設定登録キー28が操作される直前に図略の綴代設定キーが操作された場合には、使用者が綴代寸法の設定もしくは更新登録を希望していると判定する。
【0024】
次に、この判別した登録対象機能がパスワード入力を要するものか否かを判別し(ステップS3)、パスワード入力を要するものである場合には(ステップS3でYES)、図5(a)に示すようなパスワード入力要求画面を表示部24に表示する(ステップS4)。
【0025】
この表示に従ってパスワードが入力された後(ステップS5でYES)、このパスワードが正当であるか否かを判定する(ステップS6)。正当でないと判定した場合には(ステップS6でNO)、図5(b)に示すような設定不可能表示を行い(ステップS7)、正当と判定した場合は(ステップS6でYES)、記憶したテーブル(表2)に基づいて、入力されたパスワードに対応するクラスを判別する(ステップS8)。
【0026】
そして、上記パスワードに対応するクラス番号(例えばパスワード「3976」が入力された場合には2)と、上記登録対象機能について設定されたクラス番号(例えば「綴代寸法」の場合には3;表1参照)とを比較し(ステップS9)、前者が後者を上回る場合には(ステップS9でNO)、図5(c)に示すような設定不可能表示を行う(ステップS7)。これに対し、前者が後者以下である場合には(ステップS9でYES)、初期設定モードにおける登録対象機能について初期設定モードを更新登録し(ステップS10)、登録終了の旨の表示を行う。例えば、更新登録前の初期設定モードにおいて綴代寸法5mmが登録された状態で、前記初期設定登録キー28の操作直前に綴代寸法設定キーの操作によって綴代寸法10mmが設定されていた場合には、綴代寸法を上記5mmから10mmに更新登録する。
【0027】
なお、上記登録対象機能がパスワード判定手段44にパスワード入力を要する機能として記憶されていない機能、すなわちパスワード入力を要しない機能である場合には(ステップS3でNO)、パスワードの入力を要求することなく直ちにその更新登録を行う(ステップS10)。
【0028】
登録終了後は、オールクリアキー27が操作される度に、上記のようにして更新登録された初期設定モードを再生する。
【0029】
以上のように、この装置は、パスワード入力を要する機能については、パスワード入力が行われた場合にのみ初期設定モードを更新登録するようにしたものであるので、上記パスワードを特定人にのみ知らせておくことにより、それ以外の使用者がみだりに初期設定モードを更新登録するのを防ぐことができ、これにより混乱のない円滑な複写機10の使用を実現することができる。また、頻繁に更新登録されても支障のない機能についてはパスワード入力に関係なく直ちに登録を許容することにより、操作性の向上を図ることができる。
【0030】
さらに、この装置では、複数のパスワードを設定してそのクラスを定め、入力されるパスワードのクラスが高い(クラスの番号が小さい)ほどより多くの機能について初期設定モードの更新登録を許容するようにしているので、複写機10の使用頻度が高い人物や事務管理者等には高いパスワードを知らせておくことにより、各使用者の立場に適した初期設定登録の許容を行うことができる。
【0031】
なお、この実施例のように複数のパスワードを設定する場合、各パスワードに必ずしもクラスを与える必要はなく、例えば第1パスワード入力時にはある機能を許容し、第2パスワード入力時には上記機能と異なる機能を許容するといった並列的な扱いを行い、部署等に応じて互いに異なるパスワードを知らせておくようにしてもよい。
【0032】
次に、第2実施例を図6に基づいて説明する。上記第1実施例では、1回の初期設定登録キー28の操作につき一つの機能についてしか初期設定モードを更新登録することができないが、この実施例では、一度に複数の機能について初期設定モードを更新登録できるようにしている。
【0033】
まず、前記第1実施例と同様の初期設定登録キー28がオンされると(ステップS21)、すぐにパスワードの入力要求表示を行い(ステップS22)、パスワードが入力された後(ステップS23でYES)、この入力パスワードが正当でない場合には(ステップS24でNO)設定不可能表示を行い(ステップS25)、正当である場合には(ステップS24でYES)入力パスワードのクラスを判別して記憶する(ステップS26)とともに、登録を希望する機能に対応するキー(初期設定登録キー28以外のキー)を操作する旨の案内表示を行う。
【0034】
これに応じて使用者により所定のキーが操作された後(ステップS27でYES)、この操作されたキーに対応する機能及びその設定クラスを判別し(ステップS28)、入力されたパスワードのクラスが上記機能の設定クラスを上回る場合には(ステップS29でNO)設定不可能表示を行い(ステップS25)、パスワードクラスが上記機能の設定クラス以下である場合には(ステップS29でYES)、その機能について初期設定モードを更新登録する(ステップS30)。そして、この登録の許容/拒否に関係なく、次のキー操作を待ち(ステップS31)、初期設定登録キー以外のキーが操作された場合には(ステップS32でNO)、ステップS28以下のパスワード判定及び登録動作を行う。
初期設定登録キーが操作された場合には(ステップS32でYES)、初期設定登録モードを終了して通常の複写モードに復帰する。
【0035】
従って、この実施例では、1回目の初期設定登録キー操作直後に自己のパスワードを入力しておくことにより2回目の初期設定登録キー操作を行うまでの間に初期設定モードの更新登録を続けて複数回行うことができる。
【0036】
なお、この実施例において上記初期設定登録キーの代わりに初期設定登録開始キーと初期設定登録終了キーとを並設し、初期設定登録開始キーの操作によって初期設定登録モードを開始し、初期設定登録終了キーの操作によって初期設定登録モードを終了するようにしてもよい。
【0037】また、本発明において設定されるパスワードは上記のような数字に限らず、アルファベットやかな文字その他の文字で構成されたものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明は、入力されるパスワードの桁数に応じたクラス(階級)が高いほどより多くの画像形成機能(当該クラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能を全て含む)について初期設定モードの登録を許容し、上記入力されるパスワードのクラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能について上記初期設定モードの更新登録を複数回続けて行うことを許容するようにしているので、各使用者が持つパスワードのクラスに応じて段階的に、登録可能な画像形成機能の種類の数を異ならせることができる。
【0039】
請求項3記載の装置では、クラス(階級)によって、パスワードの桁数を変更しているので、操作性の向上を図ることができる効果がある。
【0040】
特に、請求項3記載の装置では、各パスワードの入力に応じてパスワード毎に異なる画像形成機能の登録を許容するので、使用者に応じて異なるパスワードを知らせておくことにより、画像形成機能別にこれを登録できる使用者を異ならせることができる。
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるディジタル複写機に内蔵される制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】上記ディジタル複写機の全体斜視図である。
【図3】上記ディジタル複写機に設けられる操作部の平面図及び上記制御装置のハード構成を示すブロック図である。
【図4】上記制御装置による制御動作を示すフローチャートである。
【図5】(a)(b)(c)は上記操作部において表示される画面を示した図である。
【図6】本発明の第2実施例において行われる制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ディジタル複写機(画像形成装置)
20 操作部(入力手段)
21 テンキー(パスワード入力手段)
27 オールクリアキー
28 初期設定登録キー
40 制御装置
44 パスワード判定手段
45 初期設定登録手段
46 初期設定再生手段
Claims (3)
- 外部からパスワードを入力するためのパスワード入力手段と、予め設定されたパスワードを記憶し、このパスワードが初期設定モードの登録前に入力された場合にのみその後の登録を許容するパスワード判定手段とを備えた画像形成装置において、
上記パスワードのクラスを定め、入力されるパスワードの桁数に応じたクラスが高いほど、より多くの画像形成機能について初期設定モードの登録を許容し、上記入力されるパスワードのクラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能について上記初期設定モードの更新登録を複数回続けて行うことを許容する上記パスワード判定手段を備え、
上記初期設定モードの登録を許容される画像形成機能には、上記定められたクラスおよびそれよりも低いクラスに対応する画像形成機能を全て含むことを特徴とする画像形成装置。 - 初期設定モードを入力するための入力手段と、入力された初期設定モードを登録する初期設定登録手段と、オールクリア指令が入力された場合に登録された初期設定モードを再生する初期設定再生手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 入力されるパスワードのクラスが高いほど、よりパスワードの桁数を多くしていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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